JP2003304450A - 固体撮像装置及び撮影システム - Google Patents

固体撮像装置及び撮影システム

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JP2003304450A JP2002106507A JP2002106507A JP2003304450A JP 2003304450 A JP2003304450 A JP 2003304450A JP 2002106507 A JP2002106507 A JP 2002106507A JP 2002106507 A JP2002106507 A JP 2002106507A JP 2003304450 A JP2003304450 A JP 2003304450A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体撮像素子において、R、G、Bの各色成
分を各画素から同時に取得可能にするために、深さ方向
に積層した複数のフォトダイオードを利用しただけで
は、一般的な原色R、G、Bの分光特性を得ることはで
きない。 【解決手段】 入射光を信号電荷に変換し電気信号とし
て出力する単位画素を複数配列し、該画素は深さ方向に
重ねて形成された入射光を電気信号に変換するための複
数のフォトダイオードを有する固体撮像装置において、
信号電荷に対応した出力信号とリセット状態に対応した
出力信号を差分処理して出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は撮像装置に関し、特
にビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の撮影システ
ムに広範に用いられる固体撮像装置の出力系の構成に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、デジタルカメラ等の撮像装置で用
いられる固体撮像素子において、解像度の向上及び撮像
装置の小型化を実現するために様々な提案がされてい
る。そのような固体撮像素子の一つとして、R、G、B
の各色成分を各画素から同時に取得可能なMOS型の撮
像素子の構成が米国特許第5,965,875号に開示さ
れている。以下、当該撮像装置の概略を説明する。
【0003】図1は、米国特許第5,965,875号に
開示された固体撮像素子の構成を示す図であり、各画素
のフォトダイオードをトリプルウエル構造で形成した、
3層構造のフォトダイオードを示している。同図におい
て、100はp形のシリコン基板、102はシリコン基
板100上に形成されたnウェル、104はnウェル1
02上に形成されたpウェル、106はn形領域であ
る。108は光電流センサで、赤(R)成分の電流を検
出する電流計110と、緑(G)成分の電流を検出する
電流計112と、青(B)成分の電流を検出する電流計
114とを有する。
【0004】図1に示すように、フォトダイオードはp
型シリコン基板表面から順次拡散される、n型層、p型
層、n型層をこの順に深く形成することで、pn接合ダ
イオードがシリコンの深さ方向に3層形成される。ダイ
オードに表面側から入射した光は波長の長いものほど深
く侵入し、入射波長と減衰係数はシリコン固有の値を示
すので、3層構造のフォトダイオードを可視光の各波長
帯域(R、G、B)をカバーするようにpn接合の深さ
を設計し、上記3層のフォトダイオードから別々に電流
を検出することで、異なる波長帯の光信号を検出するこ
とができる。
【0005】更に、得られた3つの信号を演算処理し、
色信号分離することにより、画像を再生することができ
る。
【0006】また、図2は、図1に示すフォトダイオー
ドを利用した画素部の等価回路である。この等価回路に
よれば、各フォトダイオードからの電気信号は3つのソ
ースフォロアで出力される構成となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図2に示す従来の画素
部等価回路では、3つのフォトダイオードは直列に接続
されているので、GNDに接続されているR以外は各フ
ォトダイードの電圧により影響を受けることになる。ま
た、3つのソースフォロアは各画素ごとに閾値がばらつ
くため、固定パターンノイズが発生する。さらに、図1
に記載の深さ方向に重ねて形成されたフォトダイオード
の構成と各層の濃度から計算して得られる分光特性は図
3に示すようなものであって、単にフォトダイオードの
構造を図1のようにしただけでは一般的な原色R、G、
Bの分光特性を得ることはできないと言う問題点があっ
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、入射光を信号電荷に変換し電気信号と
して出力する単位画素を複数配列し、前記画素は深さ方
向に重ねて形成された入射光を電気信号に変換するため
の複数の光電変換部を有する固体撮像装置であって、前
記複数の光電変換部の信号電荷に対応した出力信号とリ
セット状態に対応した出力信号とを差分処理して出力す
る差分処理手段を備えることを特徴とする。
【0009】また、本発明は、入射光を信号電荷に変換
し電気信号として出力する単位画素を複数配列し、前記
画素は深さ方向に重ねて形成された入射光を電気信号に
変換するための複数の光電変換部を有する固体撮像装置
であって、複数の画素からの信号を保持する複数の保持
部と、前記複数の保持部からの信号を順次出力する前記
複数の保持部で共通に設けられた共通出力部とを有し、
前記複数の保持部の各々は複数の保持容量を有し、前記
共通出力部は、前記複数の保持容量からの信号を並列出
力できるように複数の共通出力線を有し、さらに、前記
固体撮像装置は、前記複数の共通出力線からの信号を並
列に入力し、演算処理を行う演算処理手段を有すること
を特徴とする。。
【0010】さらに本発明は、入射光を信号電荷に変換
し電気信号として出力する単位画素を複数配列し、前記
画素は深さ方向に重ねて形成された入射光を電気信号に
変換するための複数の光電変換部を有する固体撮像装置
であって、前記複数の光電変換部のそれぞれからの出力
信号に対して、電荷変換係数が等しくなるように利得を
制御する利得制御手段と、前記利得制御手段により利得
制御された前記出力信号に所定の演算処理を実行する演
算処理手段と、前記演算処理手段の出力結果を出力する
出力手段とを有することを特徴とする。
【0011】さらなる本発明は、入射光を信号電荷に変
換し電気信号として出力する単位画素を複数配列し、前
記画素は深さ方向に重ねて形成された入射光を電気信号
に変換するための複数の光電変換部を有する固体撮像装
置であって、前記光電変換部の信号電荷に対応した出力
信号とリセット状態に対応した出力信号を差分処理する
差分処理手段と、前記差分手段から出力される前記複数
の光電変換部のそれぞれについての差分出力信号に対し
て電荷変換係数が等しくなるように利得を制御する利得
制御手段と、前記利得制御手段によって利得制御された
前記各差分出力信号に所定の演算処理を行って前記演算
処理の結果を出力する演算処理手段とを備えることを特
徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して詳細に説明する。図5は、本発明におけ
る固体撮像装置としてのCMOSセンサの概略図であ
る。ここで、501は画素回路であり、図1に示す構造
を有する光電変換部であるフォトダイオ−ドや読み出し
やリセット用のトランジスタを有し、画素回路501は
水平方向及び垂直方向に2次元アレイ状に配列してい
る。502は画素からの信号が出力される垂直出力線で
あり、503は画素内のトランジスタに電圧を伝えるた
めの信号線である。504は信号線3に垂直方向に順次
パルスを出力する垂直走査回路であり、505は画素内
のトランジスタ(図2のM4、M6、M8のいずれか)
とソ−スフォロワ回路を構成する負荷トランジスタであ
る。506は画素からのノイズ信号と光電変換信号を読
み出す読み出し回路であり、出力端507においてR、
G、Bの各色について電圧出力が得られる。
【0013】次に、画素回路における動作を簡単に説明
する。画素回路501の構成は図2に示すようになり、
R、G、Bの各信号を読み出す。ここで基本的な制御動
作は共通するため、R信号の場合について説明する。R
信号を出力するためのフォトダイオードの電荷蓄積ノー
ドは、トランジスタM3がRESET信号によりオンさ
れることにより、所定の電位にリセットされる。この
時、RESET信号は、B信号及びG信号のリセット用
のトランジスタM1及びM2にもかかっているので、
B,G信号のフォトダイオードもリセットされる。
【0014】リセット用のトランジスタM1からM3が
閉じられてリセットが終了すると、その後、各フォトダ
イオ−ドで光電荷の蓄積が始まる。この蓄積開始から一
定期間が経過したら、トランジスタM5、M9、M6の
順に光電変換信号電位を、読み出し回路側に転送する。
当該転送が終了したら、再度、リセット用のトランジス
タM1乃至M3をHighにしてフォトダイオ−ドをリ
セットするとともに、リセット電位をノイズ信号として
読み出し回路側に読み出すようにする。
【0015】上記のように、米国特許第5,965,87
5号における図1に示す深さ方向に積層されたフォトダ
イオードの構造では、図3に示すような分光特性しか得
ることができず一般的な原色R、G、Bの分光特性とは
ほど遠いものである。図3は、図1に示す3層構造のフ
ォトダイオードを光照射した場合に得られる信号値のシ
ミュレーションを示す図であり、出力回路から直接得ら
れる出力を示す。なお、Bは最上層のフォトダイオード
からの出力を、G出力は中央のフォトダイオードからの
出力を、R出力は最下層のフォトダイオードからの出力
を示している。
【0016】分光特性を改善するために、以下に説明す
る本発明の実施形態では、読み出し回路6において、積
層されたフォトダイオードのうち、最も表面に近い位置
に形成された第1のフォトダイオードからの第1の出力
信号(B)、次に表面に近い位置に形成された第2のフ
ォトダイオードからの第2の出力信号(G)から第1の
出力信号(B)を減算した信号(G-B)、最も深い
(最も表面から遠い)位置に形成された第3のフォトダ
イオードからの第3の出力信号(R)から第2の出力信
号(G)を減算し第1の出力信号(B)を加算した信号
(R-G+B)を得ることによって、図4に示すような分
光特性を得ることができる。このような演算を行うの
は、フォトダイオードGからの出力にはG成分にB成分
が混ざっているため、G成分を分離する必要があるから
である。このとき、フォトダイオードGの蓄積電荷は正
孔であり、フォトダイオードBの蓄積電荷は電子である
ため、両方の出力を足しあわせることで実質的には引き
算となる。同様に、フォトダイオードRの出力をそのま
まR成分信号とするにはやはり色分離が悪いため、G成
分を分離する。
【0017】[第1の実施形態]図6は、図5における
読み出し回路506の詳細な構成を示す図である。読み
出し回路506は、1画素列毎に配置される回路ブロッ
ク601が画素アレイの列数分だけ配置された構成とな
っており、図5における垂直走査回路504によって1
行選択されると、選択された画素の信号が当該回路ブロ
ック601の列に並列に読み出され処理される。当該回
路ブロック601からの出力は、差動アンプ603から
605へ入力される。回路ブロック601は、R信号用
の回路601R、G信号用の回路601G及びB信号用
の回路601Bで構成されている。回路601R等のそ
れぞれは、同一の構成を採用している。そこで、回路6
01Rを例に説明すると、光電変換信号を蓄積するため
の保持容量CTSRと、ノイズ信号を蓄積するための保
持容量CTNRとを備え、当該信号の蓄積は、トランジ
スタN85及びN86がPTSR信号及びPTNR信号
のLowからHighへの変化に応じてオンされること
により行われる。
【0018】また、当該各容量CTSR、CTNRは、
信号値を蓄積する前処理として、トランジスタN82
3、N824及びPCTR信号によりリセットされる。
また、各容量CTSR、CTNRの電位は、水平走査回
路608からの出力信号H1によりトランジスタN81
7、N818が解放されることにより、差動アンプ60
3に入力されて差動処理により光電変換信号からノイズ
成分が除去される。
【0019】図1の構造のフォトダイオードでは、Rは
GNDに接続されており、他のフォトダイオードの電圧
の影響を受けないので、差動アンプ603からはR信号
はそのまま出力される。しかし、フォトダイオードG
は、Rから電圧の影響を受けるので差動アンプ604か
らは、G-R信号が出力される。そこで、演算回路60
6において差動出力604からの出力信号にR信号を足
してR信号の影響を除去したG信号の値を出力端Gou
tへ出力する。また、差動アンプ605からの出力は、
同様にして、フォトダイオードGからの電圧の影響を受
けてB-G+Rとなるので、差動アンプ604からの出力
を演算回路607を利用して加算ことによってB信号を
出力する。なお、G信号はR、B信号に対して極性が逆
になるので、差動アンプからの出力を単純に足しあわせ
るだけでよい。
【0020】図7は、図6に示す読み出し回路を用いて
容量差分方式により光電変換信号からノイズ成分を除去
する場合の制御のタイミングチャートである。
【0021】まず、T1において、PCTR信号をHi
ghにして保持容量CTSR、CTNRをリセットす
る。次に、T2において、行選択信号ROWRと、PT
SR信号をHighにしてフォトダイオードRの光電変
換信号電位を保持容量CTSRへ蓄積する。T3、T4
でも、同様にしてそれぞれフォトダイオードG及びフォ
トダイオードBの光電変換信号電位を保持容量CTSG
及びCTSBへ蓄積する。
【0022】次に、RESET信号をHighにした状
態で、T5においてフォトダイオードRをリセットする
とともに、フォトダイオードRのノイズ信号の電位を保
持容量CTNRへ蓄積する。同様にして、T6、T7に
おいてフォトダイオードG及びフォトダイオードBのノ
イズ信号の電位を保持容量CTNG及びCTNBへ蓄積
する。
【0023】次に、読み出し動作に移行して、T8で水
平走査回路506からの出力H1がHighになり、保
持容量CTSRとCTNR、CTSGとCTNG、CT
SBとCTNBの電荷を対応する差動アンプ603、6
04、605にそれぞれ転送して差分処理を行う。ま
た、H1がLowになった時に、PCHRをHighに
して、差動アンプへの水平出力線をリセットする。T9
以降は、水平走査回路からの出力に対応する列について
T8と同様の処理を行って画像信号を出力する。また、
1行分の処理を所定行数分繰り返すことにより、1フレ
ーム分の画像信号を読み出すことができる。
【0024】[第2の実施形態]図8は、図5における
読み出し回路506の別の構成を示す図である。読み出
し回路506は、1画素列毎に配置される回路ブロック
801が画素アレイの列数分だけ配置された構成となっ
ており、図5における垂直走査回路504によって1行
選択されると、選択された画素の信号が当該回路ブロッ
ク601の列に並列に読み出され処理される。当該回路
ブロック801からの出力は、差動アンプ803から8
05へ入力される。回路ブロック801は、R信号用の
回路801R、G信号用の回路801G及びB信号用の
回路801Bで構成されている。回路801R等のそれ
ぞれは、同一の構成を採用している。この回路構成につ
いて801Rを例に説明すると、C0Rは画素出力をク
ランプするためのクランプ容量、N101はクランプ動
作用のMOSスイッチ、VC0Rはクランプ電位、CT
Rは信号電圧を蓄積するための容量、N104はクラン
プ容量C0Rと蓄積容量CTRとを導通させるためのス
イッチ用MOSトランジスタ、PTRはトランジスタN
104のゲートにパルスを印加するための端子、N10
7は水平走査回路808の出力をそのゲートに受けて、
蓄積容量CTRに蓄積された信号を転送するためのMO
Sトランジスタである。
【0025】図8の読み出し回路の動作は、図9に示す
タイミングチャートを参照して以下のように説明でき
る。画素回路501からの出力は、第1の実施形態と同
じように、リセットレベルに転送された信号電荷が上乗
せされた光電変換信号、ノイズ信号の順になされる。ま
ずT1において、行選択信号ROWRがHighになる
と、画素回路501からはフォトダイオードRについて
の信号出力がなされるので、PC0R及びPTRをHi
ghレベルの電位を加えてトランジスタN101及びN
104をオンし、クランプ部C0Rと蓄積容量CTRの
電位をクランプ電位とする。画素回路501からの出力
がある状態で、PC0RをLowとすることにより、ク
ランプ容量C0RにはR信号がクランプされる。フォト
ダイオードG及びフォトダイオードBについても同様の
動作をT2,T3で行う。
【0026】次に、T4では、RESET信号がHig
hとなり、画素回路501からはフォトダイオードRに
ついてのノイズ信号が出力される。これにより、クラン
プ容量C0Rを通して、容量結合によりCTRにクラン
プされた電位からリセット電位への変化分が現れる。こ
の状態でPTBをLowにしてCTRの電圧を保持す
る。フォトダイオードG及びフォトダイオードBについ
ての出力においても、T5、T6で同様の動作を行う。
その後、T7以降では、第1の実施形態と同様に読み出
し動作に移行する。
【0027】但し、差動アンプ803、804、805
へ入力される信号は、CTR、CTG、CTBに蓄積さ
れた各信号であって、すでにノイズ信号は除去されてい
るので、第1の実施形態とは異なり、差動アンプ80
3、805は正相入力端へ、差動アンプ804は逆相入
力端へのみ入力され、他方の入力端には所定の参照電圧
が入力され、差動処理が行われる。
【0028】[第3の実施形態]図10は、図6及び図
8における点線で囲まれた信号処理部602及び802
の構成の一例を示す図である。
【0029】Amp1に対する入力Rinpは、図6及
び図8における差動アンプ603の正相に対応し、Ri
nnは、同逆相に対応する。すなわち、Rinpにはフ
ォトダイオードRのノイズ信号が入力され、Rinnに
は光電変換信号が入力される。フォトダイオードBにつ
いてもフォトダイオードRと同様であるが、フォトダイ
オードGについては、極性が逆になるので、Ginpに
光電変換信号が入力され、Ginnにノイズ信号が入力
される。
【0030】ここでAmp1乃至Amp8はgmアンプ
であり、Amp1及びAmp2についてみると、トラン
ジスタN1及びN2と定電流源I1およびI2により構
成されるソースフォロワ回路とともに電圧フォロア回路
を構成するので、抵抗R1にかかる電位差は、Amp1
及びAmp2の入力Rinp及びRinnの電圧差に対
応し、R1には当該電位差に応じた電流が流れる。これ
により、トランジスタN1及びN2のドレイン電流が決
まり、当該電流はトランジスタP3とP4で構成される
カレントミラー回路を介して電流差動アンプAmp3の
入力となり、電圧に変換され出力端Routにおいて出
力信号を得る。
【0031】フォトダイオードRは、上記のようにGN
Dに接続されているのでカレントミラーからのソース電
流がそのまま電圧に変換されるが、フォトダイオード
G、フォトダイオードBについては、上記のように他の
色成分からの影響を除去するためにカレントミラーから
のソース電流を利用して電流加算を行ってから電圧に変
換する。
【0032】このように差電圧を電流に変換し差分処理
の出力を電流出力とし、上記演算処理は電流の加減算に
よって行った後に電圧に変換して出力することにより、
通常の演算増幅器を用いた差動増幅器と比較して同相信
号除去比(CMRR)を高くすることができ、ノイズ除
去率を高くすることができる。
【0033】[第4の実施形態]上記実施形態において
実行される演算処理は、フォトダイオードGおよびフォ
トダイオードBの信号からフォトダイオードRの信号電
圧の影響を除去するために行われる演算処理であり、電
圧として演算処理をすれば良かった。これに対して、前
記の分光特性を改善するための演算処理は、各フォトダ
イオードから得られる信号電荷の状態で演算する必要が
あるが、深さ方向に重ねて形成された各フォトダイオー
ドでは接合面積が異なるため、各信号電荷が電圧に変換
される際の電荷変換係数が異なる。そこで、本実施形態
では、各フォトダイードから出力までの電荷変換係数を
あらかじめ記憶手段に記憶しておき、この記憶された値
からGCA(Gain Control Amp)によってゲインをコン
トロールした後に上記演算処理を行うことによって、図
12に示すような分光特性を精度良く得ることができ
る。
【0034】図11は、本実施形態に対応した図6及び
図8における信号処理回路602及び802の構成の一
例を示す図である。ここでは、各信号に対応する差動ア
ンプ1101、1102及び1103の出力を加算演算
した結果をGCA1104、1105及び1106に入
力して利得を調節している。ゲインを調節した後、フォ
トダイオードBについては、調節後の電圧値をそのまま
Boutに出力する。一方、フォトダイオードGについ
ては、差動アンプ1108の逆相にGCA1106から
の出力信号を入力、すなわちG信号からB信号成分を除
去してGout端の信号出力を得る。さらに、差動アン
プ1108の出力を差動アンプ1107の逆相に入力し
て、R信号からG信号成分を除去して出力端Routよ
り信号出力する。
【0035】これにより、図12に示すような分光特性
が得られる。これは、図4に示す分光特性に対してピー
クが同じになるようにゲインをかけ、赤外カットフィル
タを通したあとの分光特性であり、一般的な原色R、
G、Bの分光特性に近いものである。
【0036】
【第5の実施形態】次に、図13を参照して、上記第1
乃至第4の実施形態で説明した固体撮像装置を用いた画
像入力装置について説明する。当該画像入力装置には、
デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、スキャ
ナ等が含まれる。以下では、主にスチルカメラの例につ
いて説明する。以下の説明は、画像入力装置の一例とし
て説明するものであって、ここに記載する技術を本発明
の精神から逸脱することなく、他の画像入力装置に適用
することは当業者の通常の技術活動に過ぎず、当該他の
装置は本発明の技術的範囲に属するものである。
【0037】図13において、1301はレンズのプロ
テクトとメインスイッチを兼ねるバリア、1302は被
写体の光学像を撮像装置1304に結像させるレンズ、
1303はレンズ1302を通った光量を可変制御する
ための絞り、1304はレンズ1302により結像され
た被写体光学像を画像信号として取り込むための固体撮
像素子(上記第1〜第3実施形態で説明した撮像装置に
対応する)、1305は、撮像装置1304から出力さ
れる画像信号を増幅するゲイン可変アンプ部及びゲイン
値を補正するためのゲイン補正回路部等を含む撮像信号
処理回路、1306は撮像装置1304より出力される
画像信号のアナログーディジタル変換を行うA/D変換
器である。
【0038】また、1307はA/D変換器1306よ
り出力された画像データに各種の補正を行ったりデータ
を圧縮する信号処理部、1308は撮像装置1304、
撮像信号処理回路1305、A/D変換器1306、信
号処理部1307に、各種タイミング信号を出力するタ
イミング発生部、1309は各種演算とスチルビデオカ
メラ全体を制御する全体制御・演算部、1310は画像
データを一時的に記憶する為のメモリ部、1311は記
録媒体に記録または読み出しを行うための記録媒体制御
インターフェース部、1312は画像データの記録また
は読み出しを行う為の半導体メモリ等の着脱可能な記録
媒体、1313は外部コンピュータ等と通信する為のイ
ンターフェース部である。
【0039】次に、前述の構成における撮影時のスチル
ビデオカメラの動作について説明する。バリア1301
がオープンされるとメイン電源がオンされ、次にコント
ロール系の電源がオンし、更にA/D変換器1306な
どの撮像系回路の電源がオンされる。
【0040】その後、露光量を制御する為に、全体制御
・演算部1309は絞り1303を開放にし、固体撮像
素子1304から出力された信号はA/D変換器130
6で変換された後、信号処理部1307に入力される。
全体制御・演算部1309は、信号処理部1307によ
り所定の信号処理がされたデータを基に測光を行い、そ
の結果により明るさを判断し、露出の演算を行う。そし
て得られた露出に応じて絞り1303を制御する。
【0041】次に、撮像装置1304から出力された信
号を基に、全体制御・演算部1309は高周波成分を取
り出し被写体までの距離の演算を行う。その後、レンズ
を駆動して合焦か否かを判断し、合焦していないと判断
した時は、再びレンズを駆動し測距を行う。そして、合
焦が確認された後に本露光を始める。
【0042】露光が終了すると、撮像装置1304から
出力された画像信号はA/D変換器1306でA/D変
換され、信号処理部1307を通り全体制御・演算部1
309によりメモリ部1310に書き込まれる。
【0043】その後、メモリ部1310に蓄積されたデ
ータは、全体制御・演算部1309の制御により記録媒
体制御I/F部1311を通り半導体メモリ等の着脱可
能な記録媒体1312に記録される。
【0044】また、外部I/F部1313を通り直接コ
ンピュータ等に入力して画像の加工を行ってもよい。
【0045】以上に説明したように、信号電荷に対応し
た出力信号とリセット状態に対応した出力信号を差分処
理して出力することによって、各画素のフォトダイオー
ドの信号電荷を読み出すために各画素に形成されたソー
スフォロアの閾値ばらつきに起因する固定パターンノイ
ズを除去することができる。
【0046】また、信号電荷に対応した出力信号とリセ
ット状態に対応した出力信号をそれぞれ保持するための
1行分の保持容量を、深さ方向に重ねて形成された各フ
ォトダイオードごとに設け、複数の共通出力線に並列に
時系列に順次出力することによって、複数のフォトダイ
オードの出力を同時に出力することができ、複数フレー
ムを順次読み出す方式に比べスピードを上げることがで
きるとともに、各画素の複数種類の波長帯域に反応した
信号(例えば原色R、G、B信号)を同時に得ることが
できるため、画像処理が容易になる。
【0047】さらに、深さ方向に重ねて形成され直列に
配置された複数のフォトダイオードからの出力信号は、
片方の端子が絶対電位(例えばGND)に固定されている
フォトダイオード以外は隣り合うフォトダイオードの電
位の影響を受ける。本発明のように同一チップ内でこの
影響を除去するための演算を行うことによってSNを向上
することができる。
【0048】また、画素信号の読み出し回路において、
差電圧を電流に変換し差分処理の出力を電流出力とし、
上記演算処理は電流の加減算によって行った後に電圧に
変換して出力することにより、通常の演算増幅器を用い
た差動増幅器と比較して同相信号除去比(CMRR)を
高くすることができ、ノイズ除去率を高くすることがで
きる。
【0049】さらに、深さ方向に重ねて形成された各フ
ォトダイオードにおいて、接合面積が異なるため、各信
号電荷が電圧に変換される際の電荷変換係数が異なる場
合であっても、各フォトダイードから出力までの電荷変
換係数をあらかじめ記憶手段に記憶しておき、この記憶
された値からGCA(Gain Control Amp)によってゲイン
をコントロールした後に所定の演算処理を行うことによ
って、一般的な原色R、G、Bの分光特性に近い分光特
性を精度良く得ることができる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、良好な画像信号を得る
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】米国特許第5,965,875号に開示された固
体撮像素子の構成を示す図である。
【図2】図1の個体撮像素子を利用した画素の等価回路
である。
【図3】従来の画素回路構成における分光特性を示す図
である。
【図4】本発明の固体撮像装置の分光特性の一例を示す
図である。
【図5】本発明の固体撮像装置の構成の一例を示す図で
ある
【図6】本発明の第1の実施形態における読み出し回路
506の詳細な構成を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における制御のタイミ
ングチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態における読み出し回路
506の詳細な構成を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態における制御のタイミ
ングチャートである。
【図10】本発明の第3の実施形態における信号処理回
路の構成の一例を示す図である。
【図11】本発明の第4の実施形態における信号処理回
路の構成の一例を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に対応する回路構成
により得られる分光特性を示す図である。
【図13】本発明の第5の実施形態における撮像システ
ムの構成を示すブロック図である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光を信号電荷に変換し電気信号とし
    て出力する単位画素を複数配列し、前記画素は深さ方向
    に重ねて形成された入射光を電気信号に変換するための
    複数の光電変換部を有する固体撮像装置であって、 前記複数の光電変換部の信号電荷に対応した出力信号と
    リセット状態に対応した出力信号とを差分処理して出力
    する差分処理手段を備えることを特徴とする固体撮像装
    置。
  2. 【請求項2】 前記差分処理手段は、前記信号電荷に対
    応した1行分の出力信号を保持するための列ごとに配置
    された第1の保持容量と、前記リセット状態に対応した
    1行分の出力信号を保持するための列ごとに配置された
    第2の保持容量とを有し、前記第1及び第2の保持容量
    に保持された信号の差信号を時系列に順次出力すること
    を特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 【請求項3】 前記差分処理手段は、前記信号電荷に対
    応した1行分の出力信号を列ごとに配置されたクランプ
    容量にクランプし、前記リセット状態に対応した1行分
    の出力信号を前記クランプ容量を介して列ごとに配置さ
    れた保持容量に保持し、前記保持容量に保持した信号を
    時系列に順次出力することを特徴とする請求項1に記載
    の固体撮像装置。
  4. 【請求項4】 光電変換部1行分の前記第1および第2
    の保持容量を前記複数の光電変換部の各光電変換部ごと
    に有し、複数の共通出力線に各光電変換部ごとの出力信
    号を並列に時系列で順次読み出すことを特徴とする請求
    項2に記載の固体撮像装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の光電変換部の数は3であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載の固体撮像装置。
  6. 【請求項6】 入射光を信号電荷に変換し電気信号とし
    て出力する単位画素を複数配列し、前記画素は深さ方向
    に重ねて形成された入射光を電気信号に変換するための
    複数の光電変換部を有する固体撮像装置であって、 複数の画素からの信号を保持する複数の保持部と、 前記複数の保持部からの信号を順次出力する前記複数の
    保持部で共通に設けられた共通出力部とを有し、 前記複数の保持部の各々は複数の保持容量を有し、前記
    共通出力部は、前記複数の保持容量からの信号を並列出
    力できるように複数の共通出力線を有し、 さらに、前記固体撮像装置は、前記複数の共通出力線か
    らの信号を並列に入力し、演算処理を行う演算処理手段
    を有することを特徴とする固体撮像装置。
  7. 【請求項7】 前記演算処理は、前記複数の光電変換部
    のそれぞれからの出力信号を第1の電流に変換したのち
    に前記第1の電流の加減算処理を行い、前記加減算演算
    処理により得られた第2の電流を電圧に変換して出力す
    ることを特徴とする請求項6に記載の固体撮像装置。
  8. 【請求項8】 入射光を信号電荷に変換し電気信号とし
    て出力する単位画素を複数配列し、前記画素は深さ方向
    に重ねて形成された入射光を電気信号に変換するための
    複数の光電変換部を有する固体撮像装置であって、 前記複数の光電変換部のそれぞれからの出力信号に対し
    て、電荷変換係数が等しくなるように利得を制御する利
    得制御手段と、 前記利得制御手段により利得制御された前記出力信号に
    所定の演算処理を実行する演算処理手段と、 前記演算処理手段の出力結果を出力する出力手段とを有
    することを特徴とする固体撮像装置。
  9. 【請求項9】 前記複数の光電変換部が、表面から深さ
    方向に対し、少なくとも第1、第2及び第3の光電変換
    部で構成され、 前記演算処理手段は、前記第1の光電変換部からの第1
    の出力信号をそのまま出力し、前記第2の光電変換部か
    らの第2の出力信号から前記第1の出力信号を減算して
    出力し、前記第3の光電変換部からの第3の出力信号か
    ら前記第2の出力信号を減算し、かつ、第1の出力信号
    を加算して出力することを特徴とする請求項8に記載の
    固体撮像装置。
  10. 【請求項10】 入射光を信号電荷に変換し電気信号と
    して出力する単位画素を複数配列し、前記画素は深さ方
    向に重ねて形成された入射光を電気信号に変換するため
    の複数の光電変換部を有する固体撮像装置であって、 前記光電変換部の信号電荷に対応した出力信号とリセッ
    ト状態に対応した出力信号を差分処理する差分処理手段
    と、 前記差分手段から出力される前記複数の光電変換部のそ
    れぞれについての差分出力信号に対して電荷変換係数が
    等しくなるように利得を制御する利得制御手段と、 前記利得制御手段によって利得制御された前記各差分出
    力信号に所定の演算処理を行って前記演算処理の結果を
    出力する演算処理手段とを備えることを特徴とする固体
    撮像装置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項10のいずれか1
    項に記載の固体撮像装置と、前記固体撮像装置からの信
    号をディジタル信号に変換するA/D変換器と、前記A/D変
    換器の信号を信号処理する信号処理回路と、前記固体撮
    像装置に光を結像するレンズとを有する撮影システム。
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