JP2003303656A - 電気部品用ソケット - Google Patents

電気部品用ソケット

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JP2003303656A JP2002107075A JP2002107075A JP2003303656A JP 2003303656 A JP2003303656 A JP 2003303656A JP 2002107075 A JP2002107075 A JP 2002107075A JP 2002107075 A JP2002107075 A JP 2002107075A JP 2003303656 A JP2003303656 A JP 2003303656A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンタクトピンが電気部品の端子に接触する
タイミングよりも必ず先にラッチが電気部品を押圧する
ようにした電気部品用ソケットを提供することを課題と
している。 【解決手段】 移動部材17が第一位置から第二位置へ
移動されると、コンタクトピンの接触部が接触位置から
離間位置へ変位されるとともに、ラッチ部材が押圧位置
から退避位置に退避されることにより、電気部品がソケ
ット本体13に挿入可能にされ、移動部材17が第二位
置から第一位置へ移動されると、ラッチ部材が退避位置
から押圧位置に移動して電気部品がラッチ部材により固
定された後、コンタクトピンの接触部が接触位置に変位
して電気部品の端子と接触される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体装置(以
下「ICパッケージ」という)等の電気部品を着脱自在
に保持する電気部品用ソケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のものとしては、例えば
「電気部品」であるICパッケージを収容する「電気部
品用ソケット」としてのICソケットがある。
【0003】ここでのICパッケージは、多数の端子と
しての半田ボールが下面から突設され、これら半田ボー
ルが縦列と横列とに格子状に配列されている。
【0004】一方、ICソケットは、ICパッケージが
収容されるソケット本体に、そのICパッケージの半田
ボールと接触される接触部を有するコンタクトピンが配
設されると共に、そのソケット本体には、そのコンタク
トピンを弾性変形させてICパッケージの半田ボールに
離接させる移動部材が上下動自在に配設されている。
【0005】また、ソケット本体には、その移動部材を
上下動させるレバー部材が、回動軸を介して回動自在に
設けられると共に、このレバー部材を回動させる操作部
材がソケット本体に対して上下動自在に配設されてい
る。
【0006】また、ICパッケージをソケット本体に収
容する際に、ICパッケージをソケット本体に固定させ
るために、ラッチ部材がソケット本体に回転可能に設け
られている。このラッチ部材は、操作部材の上下動に連
動して回動するように構成されている。
【0007】このように構成されたICソケットは、操
作部材を下動させると、レバー部材が回動され、このレ
バー部材の回動によって移動部材が例えば下動され、こ
の移動部材の下動によってコンタクトピンの接触部がI
Cパッケージの半田ボールから離れる方向に弾性変形さ
れるとともに、ラッチ部材が、ソケット本体にICパッ
ケージを挿入可能な位置まで回転される。このとき、I
CパッケージはICソケットに対して挿抜可能となる。
【0008】そして、ソケット本体にICパッケージを
載置したあと、操作部材を上動させると、ラッチ部材が
ICパッケージを押圧する位置に回転され、ICパッケ
ージがラッチ部材によってソケット本体に固定されると
ともに、移動部材が上動され、コンタクトピンの接触部
が半田ボールに接触し、ICパッケージとICソケット
のコンタクトピンとが電気的に接続されるようになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ここで、コンタクトピ
ンの接触部とICパッケージの半田ボールとの電気的な
接続を確実に行うためには、ソケット本体で所定の位置
に固定されたICパッケージの半田ボールに対してコン
タクトピンの接触部を接触させることが必要となる。
【0010】このため、先ず、ラッチ部材によってIC
パッケージをソケット本体上の所定の位置に押圧固定し
た後、コンタクトピンの接触部を半田ボールに接触させ
ることが必要である。
【0011】しかし、従来のものにあっては、ラッチ部
材がICパッケージを押圧して固定するタイミングとコ
ンタクトピンの接触部がICパッケージの半田ボールと
接触するタイミングとが的確に調整されていなかった。
【0012】このため、ICパッケージの厚み及び大
きさの寸法公差、半田ボールの径の寸法公差、半田
ボールのICパッケージへの取付公差(以下、これらの
公差を「ICパッケージのばらつき」という)、ラッ
チ部材・コンタクトピンの寸法公差、それら部材のソ
ケット組立てにおけるばらつき(以下、これらを「IC
ソケットのばらつき」という)等によって、ラッチ部材
によってICパッケージが固定される前にコンタクトピ
ンの接触部が半田ボールに接触してしまい、それによ
り、ICパッケージが動かされ、コンタクトピンの接触
部とICパッケージの半田ボールとの電気的な接続を確
保することができないことがあった。
【0013】そこで、この発明は、上記の点に鑑みてな
されたものであり、確実にコンタクトピンが電気部品端
子に接触するタイミングよりも先に、ラッチが電気部品
を押圧するようにした電気部品用ソケットを提供するこ
とを課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】かかる課題を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、電気部品を挿抜可能に
収容するソケット本体と、前記ソケット本体に対して第
一位置と第二位置との間を移動可能に配設された移動部
材と、前記ソケット本体に固定される固定部と、前記電
気部品の端子と接触する接触部とを有する複数のコンタ
クトピンであって、前記ソケット本体に前記電気部品が
収容されているときに、前記コンタクトピンの接触部
は、前記移動部材が前記第一位置にあるとき前記電気部
品の端子と接触する接触位置にあり、前記移動部材が前
記第二位置にあるときに前記電気部品の接続端子から離
間する離間位置にあり、前記接触位置と前記離間位置と
の間を弾性的に変位可能な複数のコンタクトピンと、前
記ソケット本体に前記電気部品が収容されているとき
に、前記移動部材が前記第一位置にあるときに前記電気
部品を押圧する押圧位置にあり、前記移動部材が前記第
二位置にあるときに前記電気部品を前記ソケット本体に
対して挿抜可能にする退避位置にあり、前記押圧位置と
前記退避位置との間を移動可能に配設されたラッチ部材
とを有し、前記移動部材が前記第一位置から前記第二位
置へ移動されると、前記コンタクトピンの接触部が前記
接触位置から前記離間位置へ変位されるとともに、前記
ラッチ部材が前記押圧位置から前記退避位置に退避され
ることにより、前記電気部品が前記ソケット本体に挿入
可能にされ、前記移動部材が前記第二位置から前記第一
位置へ移動されると、前記ラッチ部材が前記退避位置か
ら前記押圧位置に移動して前記電気部品が前記ラッチ部
材により固定された後、前記コンタクトピンの接触部が
前記接触位置に変位して前記電気部品の端子と接触され
ることを特徴とする。
【0015】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
構成に加え、前記コンタクトピンの前記離間位置から前
記接触位置への移動に要する時間が、前記接触位置から
前記離間位置への移動に要する時間より長いものである
ことを特徴とする。
【0016】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の構成に加え、前記コンタクトピンの前記離間位
置から前記接触位置への移動の開始が、前記ラッチ部材
の前記退避位置から前記押圧位置への移動の開始より遅
いことを特徴とする。
【0017】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の構成に加え、前記ソケット本体に対し
て離れる最上昇位置と前記ソケット本体に対して接近す
る最下降位置との間を上下動可能に配設された操作部材
を有し、該操作部材が前記最上昇位置にあるときに、前
記移動部材が前記第一位置にあるとともに前記ラッチ部
材が前記押圧位置にあり、前記操作部材が前記最下降位
置にあるときに、前記移動部材が前記第二位置にあると
ともに、前記ラッチ部材が前記退避位置にあることを特
徴とする。
【0018】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の構成に加え、前記移動部材と前記操作部材との間に作
動手段を有し、前記操作部材を上下動させると、前記作
動手段により前記移動部材が前記第一位置と前記第二位
置との間で作動されることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0020】図1〜図17には、この発明の実施の形態
を示す。
【0021】まず構成を説明すると、図中符号11は、
「電気部品用ソケット」としてのICソケットで、この
ICソケット11は、図2に示す「電気部品」であるI
Cパッケージ12の性能試験を行うために、このICパ
ッケージ12の「端子」としての半田ボール12bと、
測定器(テスター)のプリント配線板(図示省略)との
電気的接続を図るものである。
【0022】このICパッケージ12は、図2に示すよ
うに、いわゆるBGA(Ball GridArray)タイプと称さ
れるもので、方形状のパッケージ本体12aの下面に多
数の略球状の半田ボール12bが突出して縦列と横列と
にマトリックス状に配列されている。
【0023】一方、ICソケット11は、図3に示すよ
うに、大略すると、プリント配線板上に装着される合成
樹脂製のソケット本体13を有し、このソケット本体1
3には、ICパッケージ12の各半田ボール12bに離
接されるコンタクトピン15が配設されると共に、この
コンタクトピン15を弾性的に変位させる移動部材17
がソケット本体13に対して上下動可能に配設され、更
に、この移動部材17の上側に、トッププレート19が
そのソケット本体13に略平行に固定されて配設されて
いる。さらにまた、その移動部材17を上下動させる操
作部材21が配設されている。
【0024】そのコンタクトピン15は、ばね性を有
し、導電性に優れた板材がプレス加工により図8等に示
すような形状に形成されている。
【0025】詳しくは、コンタクトピン15は、上方
に、図8,11,14及び17に示すように、一対の弾
性片15a,15bが形成され、下方に、図3に示すよ
うに、1本のソルダーテール部15cが形成されてい
る。それら一対の弾性片15a,15bは、下端部側の
図示しない基部が略U字状に折曲されることにより、互
いに対向するように形成されている。また、それら弾性
片15a,15bの上端部(先端部)には、ICパッケ
ージ12の半田ボール12bの側部に離接する接触部1
5e,15fが形成され、この両接触部15e,15f
で半田ボール12bが挟持されて電気的に接続されるよ
うになっている。
【0026】また、このコンタクトピン15の一対の弾
性片15a,15bには、側方に突出する突出部15g
が形成されている。この突出部15gは、図8等に示す
ように、上部に下り傾斜状に形成された傾斜肩部15h
を有すると共に、この傾斜肩部15hに連続して垂直部
15iが形成されている。なお、傾斜肩部15hは斜め
上方に向かって若干膨出するように形成されている。こ
のような形状を有する突出部15gが後述する移動部材
17のカム部17aにて押圧されて両接触部15e,1
5fが開くように構成されている。
【0027】ソケット本体13から下方に突出したソル
ダーテール部15cは、図3に示すように、ロケートボ
ード26を介して更に下方に突出され、図示省略のプリ
ント配線板の各貫通孔に挿通されて半田付けされること
により接続されるようになっている。
【0028】このようなコンタクトピン15は、図1に
示すように、ICパッケージ12の半田ボール12bの
配列にあわせて、縦列と横列とにマトリックス状に配列
されている。
【0029】一方、移動部材17は、図3に示すよう
に、ソケット本体13に上下動自在、すなわち、トップ
プレート19の載置面部19aに対して垂直方向に移動
可能に配設され、リターンスプリング22により上方に
付勢されている。
【0030】また、この移動部材17は、図示しない手
段によりソケット本体13に係合されており、最上位置
(第1位置)が規制されている。
【0031】そして、図8、図11、図14及び図17
に示すように、この移動部材17には、各コンタクトピ
ン15間に位置するカム部17aが形成されている。こ
のカム部17aの両側には、コンタクトピン15の突出
部15gに形成された傾斜肩部15hに当接及び摺動さ
れる傾斜壁部17bと、この傾斜壁部17bの上部に、
コンタクトピン15の突出部15gに形成された垂直部
15iに当接及び摺動される垂直壁部17eとが形成さ
れている。
【0032】ここで、傾斜壁部17bは、移動部材17
が下動されるときに一のコンタクトピン15の両傾斜肩
部15hが互いに近接されるように、相対する傾斜壁部
17b間の間隔が上方にいくに従って狭まるような傾斜
を有している(図8参照)。
【0033】また、垂直壁部17eは、移動部材17が
上下動されるときに、一のコンタクトピン15の両垂直
部15iの間隔が略同一に維持されるように、相対する
垂直壁部17eとの間で所定の間隔を有するようにされ
ている。すなわち、移動部材17が上下動される際、垂
直壁部17eとコンタクトピン15の突出部15gの垂
直部15iとが当接及び摺動される過程においては、相
対する垂直壁部17eによって、コンタクトピン15の
一対の弾性片15a、15bの両突出部15gの垂直部
15iがぞれぞれ内方に押圧されることにより、コンタ
クトピン15の一対の弾性片15a、15bがそれぞれ
弾性変形され、弾性片15a、15b上端部の接触部1
5e、15fの間隔がICパッケージ12の半田ボール
12bが挿入可能な間隔に開かれるとともに、その間隔
を保つように構成されている(図11参照)。
【0034】そして、図5に示すように移動部材17を
上下動させる第一,第二レバー部材23,24が、これ
ら両レバー部材23,24を一組として、左右に2組配
設されている。なお、図5中他方の組のレバー部材2
3,24は省略されている。
【0035】これら第一,第二レバー部材23,24
は、金属製で、基端部に設けられた嵌合孔23a,24
aに、合成樹脂製のソケット本体13に一体成形された
ボス部13bが嵌合されることにより、回動自在に配設
され、両レバー部材23,24は図4に示すように略X
字状に配置されている。
【0036】また、これら第一,第二レバー部材23,
24の基端部側には、図5に示すように、移動部材17
の被押圧部17cの上面に当接する押圧部23b,24
bが形成されると共に、図6等に示すように、移動部材
17の被持上げ部17dの下面に当接する持上げ部23
c,24cが形成されている。そして、図4に示すよう
に、これらレバー部材23,24の基端部側の側方をガ
イドするガイド壁13cがソケット本体13に形成され
ている。
【0037】これにより、操作部材21を下降させる
と、両レバー部材23,24が回動されることにより、
これら両レバー部材23,24を介して移動部材17が
下降されるようになっている。
【0038】また、トッププレート19は、図1及び図
3に示すように、ICパッケージ12が上側に載置され
る載置面部19aを有すると共に、ICパッケージ12
を所定の位置に位置決めするガイド部19bがパッケー
ジ本体12aの周縁部に対応して設けられている。さら
に、このトッププレート19には、図8に示すように、
各コンタクトピン15の一対の接触部15e,15fの
間に挿入される位置決めリブ19cが形成され、コンタ
クトピン15の両弾性片15a,15bに外力が作用し
ていない状態(両接触部15e,15fが閉じた状態)
では、その位置決めリブ19cは、両弾性片15a,1
5bにて挟持された状態となっている。
【0039】さらに、操作部材21は、図1に示すよう
に、ICパッケージ12が挿入可能な大きさの開口21
bを有し、この開口21bを通してICパッケージ12
が挿入されて、トッププレート19の載置面部19a上
の所定位置に載置されるようになっている。また、この
操作部材21には、図6等に示すように係合部21aが
設けられており、操作部材21がカバースプリング(図
示せず)により上方に移動されると、レバー部材23,
24がこの係合部21aにより持ち上げられて回動され
る。この操作部材21は、最上昇位置で、図4に示す係
止爪21dがソケット本体13の被係止部に係止される
ようになっている。
【0040】さらに、この操作部材21には、図3等に
示す通り、ラッチ28を回動させる作動部21cが形成
されている。このラッチ28は、ソケット本体13に軸
28dを中心に回動自在に取り付けられると共に、図示
しないスプリングにより閉じる方向に付勢され、先端部
に設けられた押え部28bによりICパッケージ12の
周縁部を押さえるように構成されている。
【0041】また、このラッチ28には、操作部材21
の作動部21cが摺動する被押圧部28aが形成され、
操作部材21が下降されると、この被押圧部28aを作
動部21cが摺動して、ラッチ28が図3中時計回りに
回動されて、押え部28bがICパッケージ12をトッ
ププレート19の載置面部19a上に載置可能とする退
避位置に退避されるように構成されている(図10参
照)。
【0042】次いで、かかるICソケット11の動きに
ついて、操作部材21の移動に基づいて説明する。
【0043】図6〜図8には、ICパッケージ12の操
作部材21が最も上昇している状態(最上昇位置)を示
す。図6はICソケット11の第一,第二レバー部材2
3,24部分の断面図、図7はICソケット11中央部
分の断面図、図8はコンタクトピン15部分の断面図で
ある。
【0044】この状態では、図6に示すように、第一,
第二レバー部材23,24の先端部23d,24dは操
作部材21に接触するか、又は若干の間隔を有して離さ
れている。そして、移動部材17の被押圧部17cと第
一,第二レバー部材23,24の押圧部23b,24b
は接触している。また、移動部材17の被持上げ部17
dと第一,第二レバー部材23,24の持上げ部23
c,24cとの間は非接触となっている。
【0045】また、図7に示すように、操作部材21の
作動部21cとラッチ28の被押圧部28aとは非接触
であり、図示しないスプリングによって、ラッチ28は
閉じられた状態にある。
【0046】コンタクトピン15は図8に示すように閉
じられた状態となっており、一対の弾性片15a,15
bは位置決めリブ19cを狭持している。また、コンタ
クトピン15の傾斜肩部15hと移動部材17の傾斜壁
部17bとは非接触である。
【0047】この状態から、操作部材21を最下降位置
まで下方に押し下げて、ICパッケージ12をICソケ
ット11にセットする。
【0048】図9〜図11には、外部から力を加え、操
作部材21を最下降位置に押し下げて、ICパッケージ
12をICソケット11にセットした状態を示す。
【0049】この操作部材21の押圧により、図9に示
すように、各レバー部材23,24の先端部23d,2
4dが下方に押されて、ソケット本体13のボス部13
bを中心に下方に向けて図6に示す状態から図9に示す
状態まで回動される。これにより、これらレバー部材2
3,24の押圧部23b,24bにて、移動部材17の
被押圧部17cが押されて、リターンスプリング22の
付勢力に抗して移動部材17が最下位置である第二位置
まで下降される。
【0050】この移動部材17の下降により、コンタク
トピン15は次のように作動される。すなわち、まず、
移動部材17のカム部17aに形成された傾斜壁部17
bが下降され、コンタクトピン15の突出部15gの傾
斜肩部15hに当接される。この後、引き続き移動部材
17が下降されることにより、移動部材17の傾斜壁部
17bがコンタクトピン15の傾斜肩部15h上を摺動
される。これによって、コンタクトピン15の傾斜肩部
15hは下方内向きに押圧されるので、その押圧力によ
り、コンタクトピン15の弾性片15a、15bは弾性
変形され、弾性片15a、15bの上端部に形成された
接触部15e、15fが互いに離間するように移動され
る。更に移動部材15が下降されると、移動部材17の
垂直壁部17eがコンタクトピン15の突出部15gの
垂直部15iに当接される。このとき、接触部15e、
15fの間隔はICパッケージ12の半田ボール12b
が挿入可能な間隔まで開かれる。この後さらに、所定の
ストロークだけ移動部材17が下降されることにより移
動部材17が第二位置(最下位置)まで下降される(図
11参照)。この間、移動部材17の垂直壁部17eは
垂直部15i上を摺動される。このとき、先の接触部1
5e、15f間の間隔は略同一に保たれている。
【0051】また、これと同時に、操作部材21の作動
部21cにより、ラッチ28の被押圧部28aが押され
て、図7に示す位置から図10に示す位置まで図示しな
いスプリングの付勢力に抗して開く方向に回動され、押
え部28bが退避位置まで変位する。
【0052】この状態で、ICパッケージ12を操作部
材21の開口21bから挿入すると、ICパッケージ1
2は、ガイド部19bにガイドされて、図10のよう
に、トッププレート19の載置面部19a上の所定位置
に載置されると共に、ICパッケージ12の各半田ボー
ル12bが、図11に示すように、各コンタクトピン1
5の開かれた一対の接触部15e,15fの間に、非接
触状態で挿入される。その後、外部から加えていた操作
部材21の下方への押圧力を解除すると、図示しないカ
バースプリングにより操作部材21が上昇を始める。
【0053】これにより、まず、操作部材21が図9に
示す再下降位置から図12に示す位置まで、カバースプ
リングによって上昇される。操作部材が図12に示す位
置まで上昇されると、図13に示すように、操作部材2
1の作動部21cによるラッチ28の被押圧部28aへ
の押圧が解除される。このため、ラッチ28は、図示し
ないスプリングの付勢力により、閉じる方向に回動さ
れ、ICパッケージ12を押圧する押圧位置に移動さ
れ、ICパッケージ12がラッチ28によってソケット
本体13に対して固定される。
【0054】そして、これと同時に、操作部材21の係
合部21aによって第一,第二レバー部材23,24が
強制的に回転される。ここで、コンタクトピン15の垂
直部15iは移動部材17の垂直壁部17eに対して略
垂直な状態で当接しているので、コンタクトピン15の
弾性片15a,15bの弾性変形による反力は略水平方
向に働いており、移動部材17を上方へ持ち上げるよう
には働かない。また、移動部材17を上方へ付勢するリ
ターンスプリング22の付勢力は、移動部材17の垂直
壁部17eとコンタクトピン15の垂直部15iとの間
に働く摩擦力に打ち勝って移動部材17を上方に持ち上
げるほど大きくは設定されていない。したがって、第
一,第二レバー部材23,24が強制的に回転されるの
に対して、移動部材17がほとんど上昇されないため、
第一,第二レバー部材23,24の押圧部23b,24
bが移動部材17の被押圧部17cから離間し、その後
の第一,第二レバー部材23,24の回転により、第
一,第二レバー部材23,24の持上げ部23c,24
cが移動部材17の被持上げ部17dに当接される。
【0055】そして、移動部材17は上述のように、ほ
とんど上昇されないので、コンタクトピン15の接触部
15e,15f間の間隔は、ほとんど変化がなく、図1
4に示すように、半田ボール12bと非接触な状態を保
っている。
【0056】以上のように構成することにより、ICパ
ッケージ12の半田ボール12bにコンタクトピン15
の接触部15e,15fが接触するよりも先に、ラッチ
28がICパッケージ12を確実に押圧固定するように
することができる。
【0057】この後、さらに操作部材21が最上昇位置
まで上昇したときの状態図を図15〜図17に示す。
【0058】図12に示す状態から、さらに操作部材2
1が上昇すると、操作部材21の係合部21aによって
第一,第二レバー部材23,24がさらに上昇されると
共に、これらレバー部材23,24の持上げ部23c,
24cが移動部材17の被持上げ部17dを持ち上げ
て、移動部材17は強制的に上昇される。
【0059】そして、移動部材17の傾斜壁部17bが
コンタクトピン15の傾斜肩部15hに当接してから後
は、コンタクトピン15の弾性片15a,15bの弾性
力による反力が斜め上向きに働くため、この反力によっ
ても移動部材17は上昇される。
【0060】また、移動部材17の上昇に伴って、相対
する傾斜壁部17b間において、コンタクトピン15の
傾斜肩部15hに当接する部位の間隔が漸次大きくなる
ので、弾性変形されているコンタクトピン15の弾性片
15a,15bがそれぞれ原位置側に復帰され、接触部
15e、15fが閉じる(狭まる)方向に移動する。
【0061】その後、図示しないカバースプリングの付
勢力によって操作部材21は最上昇位置まで上昇される
とともに、移動部材17もリターンスプリング22の付
勢力及びコンタクトピン15の弾性片15a、15bの
反力によって上昇される。これに伴い、第一,第二レバ
ー部材23,24も操作部材21の係合部21a及び移
動部材17の被押圧部17cによって回転される。
【0062】操作部材21が最上昇位置まで上昇された
後も、移動部材17は最上位置である第一位置まで上昇
を続けるので、移動部材17の被持上げ部17cによっ
て回転され、第一,第二レバー部材23,24の先端部
23d,24dは操作部材21の係合部21aから離間
される(図15参照)。
【0063】そして、移動部材17が最上位置まで上昇
されると、移動部材17の傾斜肩部17bとコンタクト
ピン15の傾斜肩部15hとは非接触状態となり、図1
7に示すように、半田ボール12bは、コンタクトピン
15の弾性片15a、15bの弾性力による所定の接圧
をもって、接触部15e、15fによって挟持される
(接触位置)。
【0064】以上のように、ICパッケージ12をIC
ソケット11に挿入後、操作部材21を上昇させる際
に、ラッチ28が押圧位置まで移動した後に、移動部材
17が最上昇位置に上昇されることによりコンタクトピ
ン15の接触部15e,15fが接触位置に移動するよ
うに構成したので、ICパッケージ12のばらつき及び
ICソケット11のばらつきが大きくても、確実にラッ
チ28がICパッケージ12を押圧する動作が終了した
後にコンタクトピン15がICパッケージ12の半田ボ
ール12bに接触する動作が行われる。このために、ラ
ッチ28は確実にICパッケージ12を押圧するので、
ICパッケージ12がICソケット11から飛び出して
しまうことを防止することができる。また、リターンス
プリング22の付勢力を弱くしているため、移動部材1
7を押し下げるときにICソケット11にかかる負荷が
減少し、操作部材21とレバー部材23,24の押圧部
23a,24aとが接触する部分の摩耗低減の効果があ
り、耐久性が向上する。
【0065】なお、上記実施の形態では、レバー部材2
3d,24dを上昇させる手段として、操作部材21に
係合部21aを設けたが、これに限らず、操作部材21
の上昇と共にレバー部材の先端部23d,24dを上昇
させることができる手段であれば、バネ等を用いても良
い。
【0066】また、この実施の形態では、移動部材17
は、ソケット本体13に対して上下動するように構成さ
れているが、本発明はこれに限定されず、移動部材17
が、ソケット本体13に対して水平方向に移動するも
の、又は、ソケット本体13に対して斜め方向に移動す
るものに対しても適用することができる。
【0067】さらに、ラッチにより電気部品を押さえた
後、コンタクトピンが電気部品端子に接触されるような
構造であれば、上記実施の形態の構造に限定されるもの
でない。
【0068】またさらに、「電気部品用ソケット」とし
てICソケット11にこの発明を適用したが、これに限
らず、他の装置にも適用できることは勿論である。ま
た、BGAタイプのICパッケージ12用のICソケッ
ト11に、この発明を適用したが、これに限らず、PG
A(Pin Grid Array)タイプ、LGA(Land Grid Arra
y)タイプ及びSOP、QFP等いわゆるガルウイング
形状のリードを有するタイプのICパッケージ用のIC
ソケットに、この発明を適用することもできる。さら
に、上記コンタクトピン15では、一対の弾性片15
a,15bを設けているが、一方のみ有するものでも良
い。
【0069】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1〜5
に記載の発明によれば、移動部材が第二位置から第一位
置へ移動されると、ラッチ部材が退避位置から押圧位置
に移動して電気部品がラッチ部材により固定された後、
コンタクトピンの接触部が接触位置に変位して電気部品
の端子と接触されるので、電気部品の厚み及び大きさの
寸法公差、電気部品の端子の寸法公差及び取付公差、乃
至ラッチ部材・コンタクトピンの寸法公差及びそれら部
材の組立てにおける組付け誤差等が生じたとしても、ソ
ケット本体の所定の位置に電気部品を固定し、コンタク
トピンの接触部と電気部品の端子との電気的な接続を確
実に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るICソケットの平
面図である。
【図2】同実施の形態に係るICソケットに取り付ける
ICパッケージを示す図で、(a)は底面図、(b)は
(a)の左側面図である。
【図3】同実施の形態に係るICソケットの半分を断面
にした正面図である。
【図4】同実施の形態に係るICソケットの一部を断面
にした斜視図である。
【図5】同実施の形態に係るICソケットの操作部材を
取り外した状態の斜視図である。
【図6】同実施の形態に係るコンタクトピン及びロケー
トボードを省略したレバー部材等の動きを示す図で、操
作部材が最上昇位置にある状態を示す断面図である。
【図7】同実施の形態に係るコンタクトピン,ロケート
ボード及びリターンスプリングを省略したラッチ等の動
きを示す図で、操作部材が最上昇位置にある状態を示す
断面図である。
【図8】同実施の形態に係るコンタクトピン等の動きを
示す図で、操作部材が最上昇位置にある状態を示す断面
図である。
【図9】同実施の形態に係るコンタクトピン及びロケー
トボードを省略したレバー部材等の動きを示す図で、操
作部材が最下降位置にある状態を示す断面図である。
【図10】同実施の形態に係るコンタクトピン,ロケー
トボード及びリターンスプリングを省略したラッチ等の
動きを示す図で、操作部材が最下降位置にある状態を示
す断面図である。
【図11】同実施の形態に係るコンタクトピン等の動き
を示す図で、操作部材が最下降位置にある状態を示す断
面図である。
【図12】同実施の形態に係るコンタクトピン及びロケ
ートボードを省略したレバー部材等の動きを示す図で、
操作部材が上昇途中位置にある状態を示す断面図であ
る。
【図13】同実施の形態に係るコンタクトピン,ロケー
トボード及びリターンスプリングを省略したラッチ等の
動きを示す図で、操作部材が上昇途中位置で、ラッチに
よりICパッケージを押さえた状態を示す断面図であ
る。
【図14】同実施の形態に係るコンタクトピン等の動き
を示す図で、操作部材が上昇途中位置にある状態を示す
断面図である。
【図15】同実施の形態に係るコンタクトピン及びロケ
ートボードを省略したレバー部材等の動きを示す図で、
操作部材が最上昇位置にある状態を示す断面図である。
【図16】同実施の形態に係るコンタクトピン,ロケー
トボード及びリターンスプリングを省略したラッチ等の
動きを示す図で、操作部材が最上昇位置で、ラッチによ
りICパッケージを押さえた状態を示す断面図である。
【図17】同実施の形態に係るコンタクトピン等の動き
を示す図で、操作部材が最上昇位置で、コンタクトピン
により半田ボールを挟持した示す断面図である。
【符号の説明】
11 ICソケット(電気部品用ソケット) 12 ICパッケージ(電気部品) 12b 半田ボール(端子) 13 ソケット本体 15 コンタクトピン 15a,15b 弾性片 15e,15f 接触部 17 移動部材 17d 被持上げ部 21 操作部材 21a 持上げ部 23 第一レバー部材(レバー部材) 24 第二レバー部材(レバー部材) 28 ラッチ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気部品を挿抜可能に収容するソケット
    本体と、 前記ソケット本体に対して第一位置と第二位置との間を
    移動可能に配設された移動部材と、 前記ソケット本体に固定される固定部と、前記電気部品
    の端子と接触する接触部とを有する複数のコンタクトピ
    ンであって、前記ソケット本体に前記電気部品が収容さ
    れているときに、前記コンタクトピンの接触部は、前記
    移動部材が前記第一位置にあるとき前記電気部品の端子
    と接触する接触位置にあり、前記移動部材が前記第二位
    置にあるときに前記電気部品の接続端子から離間する離
    間位置にあり、前記接触位置と前記離間位置との間を弾
    性的に変位可能な複数のコンタクトピンと、 前記ソケット本体に前記電気部品が収容されているとき
    に、前記移動部材が前記第一位置にあるときに前記電気
    部品を押圧する押圧位置にあり、前記移動部材が前記第
    二位置にあるときに前記電気部品を前記ソケット本体に
    対して挿抜可能にする退避位置にあり、前記押圧位置と
    前記退避位置との間を移動可能に配設されたラッチ部材
    とを有し、 前記移動部材が前記第一位置から前記第二位置へ移動さ
    れると、前記コンタクトピンの接触部が前記接触位置か
    ら前記離間位置へ変位されるとともに、前記ラッチ部材
    が前記押圧位置から前記退避位置に退避されることによ
    り、前記電気部品が前記ソケット本体に挿入可能にさ
    れ、 前記移動部材が前記第二位置から前記第一位置へ移動さ
    れると、前記ラッチ部材が前記退避位置から前記押圧位
    置に移動して前記電気部品が前記ラッチ部材により固定
    された後、前記コンタクトピンの接触部が前記接触位置
    に変位して前記電気部品の端子と接触されることを特徴
    とする電気部品用ソケット。
  2. 【請求項2】 前記コンタクトピンの前記離間位置から
    前記接触位置への移動に要する時間が、前記接触位置か
    ら前記離間位置への移動に要する時間より長いものであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の電気部品用ソケッ
    ト。
  3. 【請求項3】 前記コンタクトピンの前記離間位置から
    前記接触位置への移動の開始が、前記ラッチ部材の前記
    退避位置から前記押圧位置への移動の開始より遅いこと
    を特徴とする請求項1又は2に記載の電気部品用ソケッ
    ト。
  4. 【請求項4】 前記ソケット本体に対して離れる最上昇
    位置と前記ソケット本体に対して接近する最下降位置と
    の間を上下動可能に配設された操作部材を有し、該操作
    部材が前記最上昇位置にあるときに、前記移動部材が前
    記第一位置にあるとともに前記ラッチ部材が前記押圧位
    置にあり、前記操作部材が前記最下降位置にあるとき
    に、前記移動部材が前記第二位置にあるとともに、前記
    ラッチ部材が前記退避位置にあることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の電気部品用ソケット。
  5. 【請求項5】 前記移動部材と前記操作部材との間に作
    動手段を有し、前記操作部材を上下動させると、前記作
    動手段により前記移動部材が前記第一位置と前記第二位
    置との間で作動されることを特徴とする請求項4に記載
    の電気部品用ソケット。
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