JP2003301249A - アルミニウム合金製高強度部材の超塑性成形加工方法 - Google Patents

アルミニウム合金製高強度部材の超塑性成形加工方法

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JP2003301249A JP2002109953A JP2002109953A JP2003301249A JP 2003301249 A JP2003301249 A JP 2003301249A JP 2002109953 A JP2002109953 A JP 2002109953A JP 2002109953 A JP2002109953 A JP 2002109953A JP 2003301249 A JP2003301249 A JP 2003301249A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特殊な条件を採用せずに実用的な超塑性成形性
を発現させることのできる、アルミニウム合金製高強度
部材の超塑性成形加工方法を提供する。 【解決手段】Al−Mg−Si系合金においてMg、S
i、Sn量および、Cu、Fe、Mn、Cr、Zr、
V、Ti、B量を規定し、かつ平均結晶粒径が15〜1
20μmの合金を、ひずみ速度(dε/ds:/s)が1
-4/s以上、成形温度(T:K)が733〜853K
で、かつひずみ速度と成形温度とが「ln(dε/d
s)<−65+10ln(T)」の範囲内において15
0%以上の実用的な超塑性伸びを得ることができる。さ
らに超塑性成形加工後、5℃/s以上の冷却速度で20
0℃以下まで冷却して、24時間以内に塗装焼き付け処
理を行うことにより、大きな強度上昇を得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、自動車ボディパネ
ル等の難しい成形加工が要求され、しかも焼き付け塗装
処理後に強度が必要とされるような部材に適したアルミ
ニウム合金製高強度部材の超塑性成形加工方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車車体の軽量化手段の一つと
して、アルミニウム合金のボディパネルの適用が進みつ
つあり、中でも熱処理型であるAl-Mg-Si系合金だ
採用される場合が増えている。これは本系合金が自動車
製造工程における塗装焼き付け処理工程を活用して強度
上昇が図れるという塗装焼き付け硬化性を有しているた
めである。しかし、一般にアルミニウム合金は成形加工
性に問題があり、様々な加工方法の検討が行われてい
る。その一つに超塑性現象を活用した加工方法が挙げら
れる。超塑性現象とは、伸びが通常の加工条件では得ら
れない程大きく、かつ変形応力も小さいことが特徴とさ
れている。そこで近年それらの特徴を利用した超塑性合
金実用化のための研究開発が盛んに行われている。
【0003】特に、アルミニウム合金に関しては、軽量
という特徴を有するものの、加工性に問題があることか
ら積極的に開発が行われており、なかでも5000系合
金は適当な強度とともに耐食性や表面処理性に優れてい
ることから注目され、実用化されている合金もある。と
ころで、超塑性現象を発現させるための条件としては、
(1)安定で微細な等軸結晶粒(〜10μm)を有する
合金を、(2)加熱温度TはT>0.5Tm(融点の絶
対温度)、(3)低いひずみ速度(10-4/s〜)での
加工などが適切であると一般的に言われている(例え
ば、大澤、西村:軽金属、39−10(1989)、
P.765−775など)。そこでこれまでには、結晶
粒を微細化すること、高温での加工に際しても熱的に安
定な組織にすること、延性を阻害するキャビティの発生
を抑えること等を指針として、合金開発が行われてき
た。
【0004】従来、結晶粒径を微細かつ均一にするため
の製造条件には制約が多く、また加工についても低ひず
み速度での加工が要求されてきた。すなわち、超塑性現
象の実用化に対しては、特開昭57−76145号公報
に開示されているような合金として特殊な成分系や、ま
たは特開昭58−81957号公報に開示されているよ
うな特殊な製造条件を必要とするものであり、製造コス
ト面からも望ましいものではなかった。
【0005】また加工条件も、東:軽金属、39−11
(1989)、P.751−764に記載されているよ
うな低ひずみ速度が必要であることから生産性に対して
も問題があった。しかし、超塑性成形に際して、実用的
には500%や1000%といったような非常に大きな
伸びが要求されることはまれであり、200%程度の伸
びが達成できれば十分である場合が多いことに着目し、
発明者らは特殊な条件を採用せずに製造が容易で、かつ
生産性に優れた超塑性成形を可能とするAl−Mg系合
金板およびその成形方法を特開平8−199272号公
報に提案した。
【0006】ところが、上述のアルミニウム合金板は非
熱処理型の5000系合金をベースとしているために、
強度が要求されるような部材への適用は困難であった。
本発明者らは、実用的な超塑性成形能は確保して、かつ
適用部材の一層の軽量化を行うために成形後の高強度化
を実現することについて鋭意検討した。その結果、従来
は超塑性現象が認められないとされていた熱処理型の6
000系合金においても、成分、組織、成形方法を限定
すれば、特開平8−199272号公報における発明合
金に近い超塑性が発現し得ることを見出し、伸び150
%以上という、実用的な超塑性成形を可能とし、さらに
超塑性成形後にT6処理等の適切な熱処理を施すことに
よって、引張強度300MPa以上の高い強度を得るこ
とができる熱処理型アルミニウム合金を、特開平11−
131165号公報に提案した。ここでT6処理とは、
溶体化処理後人工時効硬化処理したものを意味する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の熱処理
型アルミニウム合金では、超塑性成形加工の後、溶体化
処理を行い、さらに人工時効硬化処理を行うことによっ
て大幅な高強度化は可能であるが、工程が増えてしまい
製造コスト面からは望ましいものではなかった。そこ
で、本発明は、超塑性成形後に別途溶体化処理および人
工時効処理を行わなくても、自動車製造工程等において
通常行われるような塗装焼き付け処理を活用して高強度
化が図れるアルミニウム合金の超塑性成形加工方法を提
供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、先ず超塑性
成形温度が溶体化処理温度域とほぼ重なること、加工後
の冷却速度を制御すれば溶体化処理と同等の効果が得ら
れることに着目した。しかし、上述の方法で超塑性成形
加工・冷却を行ったとしても、それだけでは、国内で標
準的な170℃(443K)〜180℃(453K)で
20〜30分程度の低温で短時間の塗装焼き付け処理条
件においては、冷却後30分程度の短時間の内に塗装焼
き付け処理を行わなければ、十分な強度上昇は得られな
い。そこで、この超塑性成形加工から塗装焼き付け処理
までの厳しい時間的制約を、Sn添加により24時間と
大幅に緩和することを可能として、本発明を完成するに
至った。
【0009】発明者らも特開平9―53161号公報等
で開示しているような、Sn添加により塗装焼き付け硬
化性を有するAl-Mg-Si系合金板の製造方法を提案
した。これは板製造工程における溶体化処理から100
℃前後の予備時効処理までの時間制約を緩和する方法に
ついてのものであり、超塑性成形により部品加工を行っ
た場合の塗装焼き付け硬化性までは想定したものではな
い。本発明の要旨は以下の通りである。 (1)質量%で(以下同じ)、Mg:0.3〜1.1
%、Si:0.4〜1.5%、Sn:0.01〜0.3を
含有し、残部はAlおよび不可避不純物からなり、不可
避純物のうちFeは0.15%以下であり、平均結晶粒
径が15〜120μmであるアルミニウム合金を、ひず
み速度(dε/ds:/s)と成形加工温度(T:K)と
が、次式の関係 ln(dε/ds)<−65+10ln(T) ただし、dε/ds≧10-4/s、T=733〜853K を満たす範囲で伸び150%以上となる成形加工を行っ
た後、5℃/s以上の冷却速度で200℃(473K)
以下まで冷却して、24時間以内に塗装焼き付け処理を
行うことを特徴とする、アルミニウム合金製高強度部材
の超塑性成形加工方法。
【0010】(2)前記アルミニウム合金が、さらに、
Mn:0.03〜0.4%、Cr:0.01〜0.1%、
Zr:0.01〜0.1%、 V :0.01〜0.1%、
Ti:0.005〜0.1%、 B :0.005〜0.0
5%のうちの一種または二種以上を含有することを特徴
とする、上記(1)に記載のアルミニウム合金製高強度
部材の超塑性成形加工方法。 (3)前記アルミニウム合金が、さらに、0.1〜0.
8%のCuを含有することを特徴とする、上記(1)ま
たは(2)に記載のアルミニウム合金製高強度部材の超
塑性成形加工方法。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の合金組成、超塑性
加工条件等の限定理由を説明する。まず、本発明におけ
る合金組成の限定理由について述べる。MgおよびSi
は、以下に記述する加工条件における超塑性成形性の確
保、ならびに成形加工後、塗装焼き付け処理等を行った
後の強度上昇に寄与する必須の基本合金成分であり、M
g:0.3〜1.1%、Si:0.4〜1.5%を含有
させる。Mg:0.3%未満、Si:0.4%未満では
上述の効果に乏しく、Mg:1.1%超、Si:1.5
%超では、超塑性成形性と下記のSn添加による塗装焼
き付け硬化性の両立ができなくなる。
【0012】Snは、超塑性成形後の室温放置中の溶質
原子クラスター形成を抑制する効果を持つ。この溶質原
子クラスターが存在すると塗装焼き付け処理時の強度上
昇に寄与するGPゾーンの形成が阻害されてしまうため
に、Snを0.01〜0.3%添加する。Snが0.01
%未満では上述の効果が不十分であり、0.3%超では
その効果は増大しないだけでなく、Alとの間で金属間
化合物を形成して超塑性成形時にキャビティを発生させ
やすくし、超塑性成形性が低下してしまう。Feは一般
に不純物として混入するが、混入するとAl−Fe−S
i等の金属間化合物が形成され、超塑性成形時にキャビ
ティを発生させやすくして超塑性成形を阻害する。そこ
で混入許容範囲は0.15%以下とする。
【0013】なお、本発明合金においては、Mn、C
r、Zr、V、Ti、Bのうち一種以上を含有させるこ
とができる。Mn、Cr、Zr、Vは、超塑性成形時
に、結晶粒径の異常成長を防止する効果を有する。M
n:0.03%未満、Cr、Zr、Vいずれの元素も0.
01%未満では、上記の効果が十分に得られない。また
Mnを0.4%超添加すると、Al6MnやFe、Si
と金属間化合物を形成し、超塑性成形時にキャビティが
生成されやすくなる。またCr、Zr、Vをいずれも
0.1%を超えて添加すると同様に金属間化合物が形成
され、超塑性成形時にキャビティが生成されやすくな
る。そこでMn:0.03〜0.4%、Cr:0.01〜
0.1%、Zr:0.01〜0.1%、 V :0.01〜
0.1%と規定した。
【0014】一方、BはTiと共存して、結晶粒の均質
化を促進する効果を有する。Ti:0.005未満、
B:0.005%未満では上述の効果が乏しく、Ti:
0.1%超、B:0.05%超ではTiB2が生成し、
キャビティが形成されやすくなり、超塑性成形を阻害す
る。したがってTi、Bの添加量は、Ti:0.005
〜0.1%、B:0.005〜0.05%とした。
【0015】さらに本発明合金においては、必要に応じ
てCuを含有させてもよい。Cuは加工後、塗装焼き付
け処理を行ったときの強度を上昇させるのに有効であ
る。0.1%未満でのその効果は不十分であり、0.8
%を超えてCuを含有させると結晶粒界上に析出してキ
ャビティが発生しやすくなり、超塑性成形性が阻害され
る。そこでCuの添加量は、0.1〜0.8%とした。
またCuは耐食性を阻害するので、耐食性が要求される
場合には、0.35%以下とすることが好ましい。
【0016】次に、平均結晶粒径を規定する理由を説明
する。従来、超塑性を発現させるためには結晶粒径は微
細化させることが一般的であると報告されている(例え
ば、馬場、吉田:塑性と加工、27−302(198
6)、P333−338など)。しかし、本発明者らが
鋭意検討した結果、生産性の高い超塑性成形加工を可能
とするには、従来の知見よりも大きい結晶粒径、すなわ
ち15〜120μmの範囲で良いことが判明した。さら
に、本発明合金を用いて超塑性成形を可能とする加工条
件の範囲を規定する理由について説明する。
【0017】実用的な超塑性成形として必要な伸びは、
成形後の強度確保のために最小限の板厚が必要であるこ
とから、例えば500%以上の大きな超塑性伸びは必要
とはされず、破断までの全伸びで150%程度以上の伸
びがあればほぼ必要十分である場合が多い。そこで本発
明者らは、熱処理型アルミニウム合金を中心に、高生産
性を可能とする高いひずみ速度で実用的な超塑性伸びを
有する合金板について鋭意検討を行い、合金組成と結晶
粒径を前述のように規定したアルミニウム合金板を下記
の加工条件の範囲内で成形すれば、本発明の目的である
150%以の超塑性伸びが得られることを見出した。
【0018】先ず、ひずみ速度dε/dsは生産性の観
点から、dε/ds≧10-4/sとした。ひずみ速度dε
/ds<10-4/sであると、加工に時間を要しすぎ、実
用的ではない。次に加工温度Tは733〜833Kとし
た。また、733K以下の温度では、実用的な超塑性現
象と、溶体化効果が十分には得られない。833Kより
も高いと加工中に結晶粒径が粗大化してしまい、適切な
超塑性成形が行えなくなる。またひずみ速度と加工温度
に応じて、ひずみ速度(dε/ds:/s)と成形温度
(T:K)とが、 ln(dε/ds)<−65+10ln(T) を満たすようにすると、変形抵抗が軽減でき、超塑性成
形が有利に行えることを実験的に見出した。
【0019】さらに、超塑性成形後に冷却して過飽和固
溶体を得るには、5℃/s以上の冷却速度で200℃
(473K)以下まで冷却すればよい。5℃/s未満の
冷却速度では、冷却中に溶質元素が平衡相βや、中間相
β’として析出してしまい、十分な固溶量が得られない
ためである。なお200℃より低い温度域で5℃/s未
満で冷却された場合は、逆に強度上昇効果の大きいGP
ゾーンが形成されるために、成形品の強度確保には有利
に働く。次に、超塑性成形・冷却後に24時間以内に塗
装焼き付け処理を行うことにより、焼き付け硬化性が得
られる。24時間を越えると、Sn添加により超塑性成
形後の室温放置中の溶質原子クラスター形成量が増えて
しまい、塗装装焼き付け硬化性が得られなくなってしま
う。超塑性成形・冷却から塗装焼き付けまでの室温放置
時間は、大きな強度上昇を得るためには短いほど好まし
い。
【0020】
【実施例】(実施例1)実施例に基づき、本発明を具体
的に説明する。表1に示すアルミニウム合金について、
それぞれ常法にしたがってDC鋳造法により鋳造を行
い、得られた鋳塊に530℃(803K)で5時間の均
質化処理を施してから、熱間圧延および冷間圧延を行っ
て、厚さ1mmの圧延板とした後、熱処理を施し、同じ
く表1に示すような平均結晶粒径に調整した。このとき
の結晶粒径は、板厚中心部の圧延方向の断面組織写真を
100倍で撮影し、切片法により平均切片長を求めて平
均結晶粒径とした。これらの合金板の超塑性伸びを調べ
るために表2に示す温度およびひずみ速度の条件でJI
S5号試験片を用いて引張試験を行った。
【表1】
【0021】さらに、塗装焼き付け硬化性を調べるため
に、表2に示す温度にて溶体化処理を行い、10℃/s
の冷却速度で100℃(373K)までの冷却し、20
時間後に175℃(448K)で30分の塗装焼き相当
の熱処理を行い、引張試験を行って0.2%耐力を評価
した。5000系超塑性材の超塑性加工後の0.2%耐
力が高々140MPa程度であることから、150MP
a以上を良好な塗装焼き付け硬化性と判定した。
【表2】 表2における本発明例No.1〜11は、いずれも合金成
分および結晶粒径が本発明で規定する範囲内にあり、か
つ本発明で規定する加工条件において引張加工した例で
ある。これらは、いずれも150%を超える超塑性伸び
を示した。また、塗装焼き付けに相当する175℃(4
48K)で30分の熱処理後の0.2%耐力も150M
Pa以上を良好な塗装焼き付け硬化性を示している。
【0022】これに対して比較例No.12〜14は、合
金成分および結晶粒径が本発明で規定する範囲内である
が、本発明で規定する加工条件を満たさなかったため
に、150%以上の伸びが得られなかった。比較例No.
14はさらに塗装焼き付け硬化性も著しく低かった。一
方、比較例No.15〜19は、合金成分が本発明で規定
する範囲外であるために、本発明で規定する加工条件を
満たしていても、150%以上の伸びが得られず、また
このうちNo.15〜17は塗装焼き付け硬化性も150
MPaに達しなかった比較例No.20は、Sn以外の合
金成分、結晶粒径および加工条件は本発明で規定される
範囲内であるため、150%以上の伸びが得られている
が、塗装焼き付け硬化性が150MPaに達しなかっ
た。
【0023】(実施例2)表1中の本発明合金板A1お
よびA3に対して、超塑性現象が発現する成形温度にて
10分保持した後、保持後200℃(473K)までの
冷却速度、室温での放置時間を変えて、175℃(44
8K)で30分の塗装焼き相当の熱処理を行い、引張試
験を行って機械的性質を評価した。成形温度等の条件お
よび機械的性質の評価結果を表3に示す。
【表3】 本発明例No.1、2は冷却速度および室温放置時間が本
発明内であるため、150MPa以上の塗装焼き付け硬
化性を示した。比較例No.3は室温放置時間は本発明で
規定する範囲内であるが、冷却速度が本発明の範囲外で
あるため、十分な塗装焼き付け硬化性が得られなかっ
た。
【0024】また本発明例No.4〜6は冷却速度および
室温放置時間が本発明内であり、150MPa以上の塗
装焼き付け硬化性が得られた。中でも特にNo.4、5は
溶体化効果の高い高温の成形温度と短時間の室温放置に
より、極めて良好な塗装焼き付け硬化性を示した。一
方、比較例No.7は、室温放置時間が本発明で規定する
範囲外であったため、十分な塗装焼き付け硬化性が得ら
れなかった。本発明例No.8は、冷却速度および室温放
置時間が本発明内であり、150MPa以上の塗装焼き
付け硬化性が得られている。しかし比較例No.9は冷却
速度が、比較例No.10では冷却速度と室温放置時間と
もに本発明で規定する範囲外の条件であるため、塗装焼
き付け硬化性が低かった。
【0025】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、実用上ほぼ十分な超塑性成形性を有し、かつ、
塗装焼き付け硬化性を有するアルミニウム合金を適用し
た高強度部材の加工方法を提供することができるなど、
産業上有用な著しい効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 623 C22F 1/00 623 630 630A 630K 631 631Z 683 683 692 692A 692B 694 694A 694B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で(以下同じ)、 Mg:0.3〜1.1% Si:0.4〜1.5% Sn:0.01〜0.3 を含有し、残部はAlおよび不可避不純物からなり、不
    可避純物のうちFeは0.15%以下であり、平均結晶
    粒径が15〜120μmであるアルミニウム合金を、ひ
    ずみ速度(dε/ds:/s)と成形加工温度(T:K)
    とが、次式の関係ln(dε/ds)<−65+10l
    n(T) ただし、dε/ds≧10-4/s、T=733〜853K を満たす範囲で伸び150%以上となる成形加工を行っ
    た後、5℃/s以上の冷却速度で200℃(473K)
    以下まで冷却して、24時間以内に塗装焼き付け処理を
    行うことを特徴とする、アルミニウム合金製高強度部材
    の超塑性成形加工方法。
  2. 【請求項2】 前記アルミニウム合金が、さらに、 Mn:0.03〜0.4% Cr:0.01〜0.1% Zr:0.01〜0.1% V :0.01〜0.1% Ti:0.005〜0.1% B :0.005〜0.05% のうちの一種または二種以上を含有することを特徴とす
    る、請求項1に記載のアルミニウム合金製高強度部材の
    超塑性成形加工方法。
  3. 【請求項3】 前記アルミニウム合金が、さらに、0.
    1〜0.8%のCuを含有することを特徴とする、請求
    項1または請求項2に記載のアルミニウム合金製高強度
    部材の超塑性成形加工方法。
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