JP2003301089A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物

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JP2003301089A JP2002107772A JP2002107772A JP2003301089A JP 2003301089 A JP2003301089 A JP 2003301089A JP 2002107772 A JP2002107772 A JP 2002107772A JP 2002107772 A JP2002107772 A JP 2002107772A JP 2003301089 A JP2003301089 A JP 2003301089A
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polyester
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film
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JP2002107772A
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Hitoshi Yoshimura
仁 吉村
Mamoru Mizoguchi
守 溝口
Takahiro Nakawa
孝宏 名川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱寸法安定性に優れ、生産性の点でも優れた、
各種用途へ展開可能な高品質のポリエステル樹脂組成物
を提供することにある。 【解決手段】ポリエステル(A)とポリエーテルイミド
(B)とを含有する組成物であって、該組成物の表面に
付着する金属が下記(1)〜(4)式をすべて満足して
なるポリエステル樹脂組成物。 M≦10000(CPS/20SEC) C≦10000(CPS/20SEC) S≦50000(CPS/20SEC) A≦10000(CPS/20SEC) [マグネシウム元素の蛍光X線強度をM、カルシウム元
素をC、シリカ元素をS、アルミニウム元素をA]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に付着する金
属の少ないポリエステル/ポリエーテルイミド樹脂組成
物に関する。このようなポリエステル/ポリエーテルイ
ミド樹脂組成物は、例えば、磁気材料用途、包装材料用
途、電子部品関連用途、建材部門用途等の広範な分野に
適し、特に高い耐熱性、透明性と表面の平滑性、電気絶
縁性を要求するフィルム、繊維、樹脂分野の各用途に適
用可能である。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルは、結晶性、強度、耐薬品
性、透明性に優れ、フィルム、繊維、ボトル、押出成型
品など様々な用途に使用されている。中でも、フィルム
用途ではその優れた機械的特性と経済性のため、磁気記
録用、農業用、包装用、コンデンサー用、建材用などの
大量に需要のある分野で用いられている。しかし、ポリ
エステルフィルムには、用途によっては熱寸法安定性や
耐熱性が十分ではなく、磁気記録用途をはじめ各種工業
材料用フィルムへの適用に際して限界があった。また、
一般に熱寸法安定性や耐熱性を高める上でポリエステル
のガラス転移温度を高めるのが有効であることは、当該
分野において自明であるが、有効な手段は見出されてい
なかった。
【0003】本発明と関係する、ポリエステルとポリエ
ーテルイミド(PEI)のブレンド物については、PE
I分率の増加に伴ってガラス転移温度が上昇することが
開示されている(例えば、米国特許4141927号明
細書、「JOURNAL of APPLIED PO
LYMER SCIENCE 48 935−937
(1993)」、「Macromolecules 2
8 2845−2851(1995)、POLYME
R,38 4043−4048(1997)」等)。
【0004】しかしながら、これらの文献、特許および
刊行物には、ポリエステルとPEIからなり、これらの
ポリマーの組成物の表面に付着する金属や組成物中の粗
大異物に関して全く記載されておらず、もちろん、その
ような高品質のポリエステル樹脂組成物を得る方法につ
いての記載もない。また、上記米国特許では、ブラベン
ダー、バンバリミキサーの溶融混練装置による溶融法に
よって、ポリエステルとPEIの相溶性ブレンドを得る
方法を開示している。これら装置を用いて相溶性ブレン
ドを得る場合、溶融剪断場で10分間以上の滞留時間が
必要となり、工業的に連続製造することができないとい
う問題があった。また、本発明者らの知見によれば、従
来技術による溶融法によるポリエステルとPEIの樹脂
組成物は、示差走査熱量測定で得られるガラス転移温度
が単一であっても、組成物表面に付着する金属、組成物
中の粗大異物の多いものしか得ることができなかった。
【0005】また、特開平13−81297号公報には
ポリエステルとポリエーテルイミド(PEI)とを含有
する組成物中の粗大異物を少なくすることが示されてい
るが、上記特許記載の方法では、表面に付着する微量金
属のため、該組成物を用いたフィルムにおいてはヘイズ
が高いものしか得られないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
問題を解決し、熱寸法安定性に優れ、生産性の点でも優
れた、各種用途へ展開可能な高品質のポリエステル樹脂
組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の課題
は、ポリエステル(A)とポリエーテルイミド(B)と
を含有する組成物であって、該組成物の表面に付着する
金属が下記(1)〜(4)式をすべて満足してなるポリ
エステル樹脂組成物によって、達成できる。 M≦10000(CPS/20SEC) C≦10000(CPS/20SEC) S≦50000(CPS/20SEC) A≦10000(CPS/20SEC) [マグネシウム元素の蛍光X線強度をM、カルシウム元
素をC、シリカ元素をS、アルミニウム元素をA]
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用するポリエステル
(A)は、特に限定されないが、エチレンテレフタレー
ト、エチレン−2,6−ナフタレート、プロピレンテレ
フタレート、ブチレンテレフタレート、ヘキサメチレン
テレフタレート、シクロヘキサンジメチレンテレフタレ
ート、プロピレン−2,6−ナフタレート、ブチレン−
2,6−ナフタレート、ヘキサメチレン−2,6−ナフ
タレート、シクロヘキサンジメチレン−2,6−ナフタ
レート単位等から選ばれた少なくとも一種の構造単位を
主要構成成分とするものが好ましく、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリエチレン−2, 6−ナフタ
レート(PEN)、その共重合体がポリエーテルイミド
との溶融混練性に優れ、さらに好ましく用いられる。
【0009】本発明でいうポリエーテルイミド(B)と
は、脂肪族、脂環族または芳香族系のエーテル単位と環
状イミド基を繰り返し単位として含有するポリマーであ
り、溶融成形性を有するポリマーであれば、特に限定さ
れない。例えば、米国特許第4141927号明細書、
特許第2622678号公報などに記載されたポリエー
テルイミド、特許第2598536号公報、特開平9−
48852号公報などに記載されたポリマーである。本
発明の効果を阻害しない範囲であれば、ポリエーテルイ
ミド(B)の主鎖に環状イミド、エーテル単位以外の構
造単位、例えば、芳香族、脂肪族、脂環族エステル単
位、オキシカルボニル単位等が含有されていても良い。
【0010】本発明の樹脂組成物表面の付着金属元素
は、M≦10000(CPS/20SEC)、C≦10
000(CPS/20SEC)、S≦50000(CP
S/20SEC)、A≦10000(CPS/20SE
C)である必要がある。好ましくはM≦5000(CP
S/20SEC)、C≦5000(CPS/20SE
C)、S≦25000(CPS/20SEC)、A≦5
000(CPS/20SEC)、最も好ましくはM≦2
500(CPS/20SEC)、C≦2500(CPS
/20SEC)、S≦10000(CPS/20SE
C)、A≦2500(CPS/20SEC)である。付
着金属元素が、M≦10000(CPS/20SE
C)、C≦10000(CPS/20SEC)、S≦5
0000(CPS/20SEC)、A≦10000(C
PS/20SEC)を満たさない場合は、透明性と表面
の平滑性、電気絶縁性を要求するフィルム、繊維、樹脂
分野の各用途で問題になるばかりでなく、例えばフィル
ム用途に適用する場合には、延伸性が悪化し、フィルム
破れの頻度が高くなったり、均一延伸性が低下する。
【0011】本発明の樹脂組成物中の1μm以上の粗大
異物個数は、表面の平滑性と成形性の観点から100個
/0.02mg未満であることが好ましく、より好まし
くは50個/0.02mg未満、最も好ましくは30個
/0.02mg未満である。
【0012】また、本発明のポリエステル樹脂組成物の
ガラス転移温度(Tg)は単一であることが好ましい。
本発明でいうガラス転移温度は、示差走査熱分析におけ
る昇温時の熱流束ギャップからJIS K7121に従
って求めることができる。示差走査熱分析による方法の
みで判定しにくい場合には、動的粘弾性測定あるいは顕
微鏡観察などの形態学的方法を併用しても良い。また、
示差走査熱分析によってガラス転移温度を判定する場合
は、温度変調法や高感度法を使用することも有効であ
る。
【0013】ポリエステルとポリエーテルイミドの両者
が相溶した場合のTgは、ポリエチレンテレフタレート
のTgとポリエーテルイミドのペレットのTgの間に存
在することが一般的に知られている。なお、単一のガラ
ス転位点温度(Tg)を有するとは、理想的には、文字
通り、Tgが唯一1つのみ認められ、それ以外のTgな
いしはそれに相当するものが、全く認められないことで
あるが、前記Tgの熱流束のギャップ以外に熱流束のギ
ャップ様のものが認められたとしても、前記Tgの1/
10以下の熱流束のギャップである場合には、これを無
視し、単一のガラス転移点温度(Tg)を有するものと
見なす。また、ガラス転移温度付近に、5mJ/mg以
下のショルダーがあっても、単一のTgを有するものと
見なす。
【0014】本発明のポリエステル樹脂組成物のTg
は、成形性の観点から、80〜180℃が好ましく、よ
り好ましくは90〜160℃、最も好ましくは100〜
140℃である。
【0015】本発明に用いられるポリエーテルイミド
(A)のガラス転移温度は、ポリエステル(B)との溶
融混練性の観点から、350℃以下、より好ましくは2
50℃以下のポリエーテルイミドが好ましく、2,2−
ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニ
ル]プロパン二無水物とm−フェニレンジアミンまたは
p−フェニレンジアミンとの縮合物が、ポリエステル
(A)との相溶性、コスト、溶融成形性等の観点から最
も好ましい。このポリエーテルイミドは、例えば、GE
プラスチックス株式会社製で「Ultem1000また
は5000シリーズ」の商標名で知られているものであ
る。
【0016】本発明の樹脂組成物には、相溶化剤、無機
粒子や有機粒子、その他の各種添加剤、例えば酸化防止
剤、帯電防止剤、結晶核剤などを本発明の効果が損なわ
れない程度の少量であれば添加することができる。
【0017】次いで、本発明の樹脂組成物の製造方法に
ついて説明する。
【0018】本発明では、前記の好ましい原料を使用し
て2種のポリマーを効率よく相溶化させるには、ポリエ
ステル(A)とポリエーテルイミド(B)の重量分率
(A/B)が10/90〜90/10であことが好まし
い。重量分率を30/70〜70/30に設定するのが
より好ましく、40/60〜60/40が最も好まし
い。このような好ましい重量分率にて溶融混練を行った
場合、粗大異物数が激減し、高品質の樹脂組成物が得ら
れやすいからである。
【0019】また、ポリエステル(A)の重量分率が7
0%を越える樹脂組成物中には粗大分散物が残存し易
く、粗大異物が増加して本発明の樹脂組成物が得られに
くくなる傾向があるので、この場合、一度ポリエステル
(A)とポリエーテルイミド(B)の重量分率(A/
B)が10/90〜70/30のチップを作成し、得ら
れた樹脂組成物をポリエステル(A)と共に再度溶融混
練し、ポリエステル(A)の重量分率が70%を越える
樹脂組成物を得る方法が好ましい。
【0020】本発明の樹脂組成物を得る製造方法は、ポ
リエステル(A)とポリエーテルイミド(B)を押出機
に投入し、(1)スクリュー剪断速度を30秒-1以上、
300秒-1未満、(2)押出温度を280℃以上、32
0℃以下、(3)ポリマーの吐出時間を30秒以上、1
0分以下に設定して、樹脂組成物を成形する工程を含む
ことを特徴とするものである。
【0021】上記(1)については、押出機のスクリュ
ー剪断速度(=πDN/h、D:スクリュー直径、N:
スクリュー回転数、h:スクリュー計量部の溝深さ)は
50秒-1以上、250秒-1未満がより好ましく、90秒
-1以上、200秒-1未満に設定するのが、ポリエステル
(A)の熱分解抑止およびポリエステル(A)とポリエ
ーテルイミド(B)の相溶化の観点から好ましい。ポリ
エステル(A)またはポリエーテルイミド(B)の微分
散化の促進と相溶化ならびに粗大分散物の低減の観点か
ら、スクリューの長さと直径の比が20以上、好ましく
は25以上の各種ミキシング型スクリューを使用するこ
とが好ましい。ミキシング型スクリューとは、ニーディ
ングディスク、ロータ型などが適している。押出機は一
軸でも二軸混練タイプのいずれでも良いが、高剪断・低
発熱タイプのスクリューを使用することが有効で、二軸
タイプが好ましく用いられる。また本発明では、ポリエ
ステル(A)とポリエーテルイミド(B)の相溶化およ
びポリエステル(A)の熱分解抑制の観点から、押出温
度を290℃以上、320℃以下とするのが好ましい。
また、ポリマーの吐出時間は1.5分以上、6分以下と
するのがより好ましく、2分以上、5分以下に設定する
のが最も好ましい。吐出時間は、フィーダ、ギアポンプ
の運転条件や押出機のスクリュー回転数を変更すること
により適宜変更できる。ポリマーの吐出時間とは押出機
および単管、フィルター、口金も含めた押出工程の全容
積Vをポリマーの吐出量Qで割った値V/Qである。吐
出時間は、フィーダー、ギアポンプの運転条件や押出機
のスクリュー回転数を変更することにより適宜変更でき
る。
【0022】本発明の金属量は、ポリエステル(A)と
ポリエーテルイミド(B)を混練後、ストランド状に押
し出した組成物を、5℃〜30℃常温のほとんど金属を
含まないイオン交換水を用いて1つの水槽で冷却、洗浄
する方法などが挙げられる。しかし、この方法では、ス
トランドが水槽の水面に接する際にポリマーと水槽水と
の温度差が大きいためストランドがバタツキ、冷却、洗
浄が効率よく行われず、それを用いたフィルムにおいて
は表面の粗大突起が多く、ヘイズの高いものしか得られ
ないという問題があった。また、仮に冷却、洗浄工程で
組成物表面の付着金属を一旦除去した場合においても、
その後の工程で組成物をチップ化して風送する際に、通
常、空気の取り込み口に20μm程度の低精度のフィル
ターを使用しているため、再度、空気中の塵埃が付着し
付着金属の多いものしか得られないという問題があっ
た。
【0023】また、冷却、洗浄を1槽で行う場合、ほと
んど金属を含まない水槽水は、冷却、洗浄によりチップ
表面に付着している金属が徐々に水槽へ流出し、多量に
金属を含んだ水槽水となり洗浄効果がない。そのため、
常時処理水を送液し水槽水を入れ替えている。しかし、
この方法では使用する洗浄水の量が非常に多くなり経済
的にも不利である。
【0024】そこで、これらの問題を解決すべく鋭意検
討を重ねた結果、冷却工程の水槽水の温度を65〜95
℃にすることによって、ストランドのバタツキが解消さ
れ、冷却効率が上がることを見いだした。冷却工程の水
槽水温度は、好ましくは70〜90℃、より好ましくは
75〜85℃である。また、洗浄に使用するイオン交換
水などの処理水の量を減らすために冷却、洗浄を2槽に
分割する方法も好ましく採用できる。この際、冷却工程
は、工業用水や水道水などの含有金属量が多いがコスト
が安いものを使用し、洗浄工程は、蒸留水、イオン交換
水などの金属をほとんど含有しないものを使用する方法
が好ましい。また、1μm程度のイオン交換樹脂フィル
ターで洗浄後の処理水を濾過し循環使用することが本発
明の樹脂組成物の表面付着金属を低減せしめる点でより
好ましい。
【0025】また、冷却、洗浄後のチップを風送する際
に空気中の塵埃に含まれる金属の付着を防止する目的で
風送配管の空気取り込み口に、フィルター目開きは特に
限定されるものではないが、目開き0.3μm以下を使
用することが好ましい。
【0026】(物性の測定方法ならびに効果の評価方
法)特性値の測定方法ならびに効果の評価方法は次の通
りである。
【0027】(1)樹脂組成物表面の金属量 チップ100gをイオン交換水300ccで洗浄し、そ
の洗浄液を20μmの金網で濾過後、濾液をミリポア社
製の孔径0.8μm、濾材としてセルロース混合エステ
ル製の直径47mmのメンブレンフィルターで濾過し
た。そのメンブレンフィルターを乾燥後、理学(株)製
蛍光X線分析装置3270型で電圧50kv、電流50
mAの条件下、20秒間X線強度を測定した。一方、チ
ップを洗浄していないイオン交換水300ccを上記同
様の方法でメンブレンフィルター濾過し、蛍光X線分析
装置でX線強度を測定し、チップサンプル測定値から差
し引き補正し、樹脂組成物表面の金属量とした。
【0028】(2)樹脂組成物中の粗大異物の数 測定にはキーエンス製マイクロスコープを使用した。
【0029】(A)プレパラート作製 カバーグラスの上に試料0.03gを乗せ、300℃に
て溶融した後、挟み込むようにもう一枚のカバーグラス
をその上に置き、厚み約50μとした後、急冷すること
でプレパラートとした。
【0030】(B)調整法および測定条件 光学顕微鏡の対物レンズは450倍に設定して、ハロゲ
ン光源を使用し暗視野法で測定した。
【0031】(C)測定 1μm以上の粗大異物の数をカウントした。測定は10
回繰り返し行い、その平均値を粗大異物数とした。
【0032】(3)フィルムの表面粗大突起の数 測定面100cm2同士を2枚重ね合わせて静電気力
(印加電圧5.4kV)で密着させた後、2枚のフィル
ム間で粗大突起の光の干渉によって生じるニュートン環
から粗大突起の高さを判定した。2重環以上の粗大突起
を突起高さ0.5μm以上の表面粗大突起として判定
し、その数を数えた。尚、光源はハロゲンランプに56
4nmのバンドパスフィルターをかけて用いた。
【0033】(4)ガラス転移温度(Tg) JIS K7121に従って、測定した。 装置:セイコー電子工業(株)製“ロボットDSC−R
DC220” データ解析−“ディスクセッションSSC/5200” サンプル質量:5mg 昇温速度:20℃/分。
【0034】(5)固有粘度(IV) オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度
から、下式で計算した値を用いた。すなわち、 ηsp/C=[η]+K[η]2・C ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、
Cは、溶媒100mlあたりの溶解ポリマ重量(g/1
00ml、通常1.2)、Kはハギンス定数(0.34
3とする)である。また、溶液粘度、溶媒粘度はオスト
ワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で
示す。
【0035】(6)フィルムヘイズ へイズJIS−K−6714に従い、ヘイズメーター
(スガ試験機性)を用いて測定した。テトラリンに浸し
た状態で内部ヘイズを測定し、下式により25μm換算
で表した。
【0036】ヘイズ(%)=フィルム内部ヘイズ(%)
×(25(μm)/フィルム厚み(μm))
【0037】
【実施例】本発明を実施例、比較例に基づいて説明す
る。
【0038】実施例1 公知の方法により得られた固有粘度0.61のPETの
ペレット(50重量%)とポリエーテルイミド(固有粘
度=0.68(GEプラスチックス株式会社登録商標:
ウルテム1010))(50重量%)を、同方向回転型
二軸混練押出機(東芝機械株式会社TEM−35B)を
用いて、押出温度300℃、剪断速度150秒-1、滞留
時間3.5分の条件下で混練後、150μmのスクリー
ンを通して吐出後、80℃の水道水で水冷、20℃のイ
オン交換水で洗浄後、ペレタイズ化してペレットに成型
した。また、チップ風送配管には0.3μmの高精度フ
ィルターを使用した。
【0039】得られたペレットの表面に付着する金属を
測定したところ、表1に示すように、付着金属の少ない
高品質のペレットであった。
【0040】該ペレットを単軸押出機(φ=90mm、
L/D=28)に投入し、Tダイよりシート状に吐出
し、得られたシートを延伸温度120℃で二軸延伸する
ことにより、厚さ6μmのフィルムを得た。得られたフ
ィルムの表面粗大突起は5個/100cm2であり表面
の平滑性に優れ、ヘイズ2.8%の高品質のフィルムで
あった。
【0041】実施例2 洗浄水をイオン交換水から蒸留水に変更した以外は、実
施例1に記載した条件でフィルムを作成した。
【0042】実施例3 混練後のスクリーンを150μmから30μmに変更し
た以外は、実施例1に記載した条件でフィルムを作成し
た。
【0043】実施例4 水冷工程で使用する水道水の温度を80℃から65℃に
変更した以外は、実施例1に記載した条件でフィルムを
作成した。
【0044】比較例1 洗浄水をイオン交換水から工業用水に変更した以外は実
施例1に記載した条件でフィルムを作成した。
【0045】比較例2 混練時のスクリーンを除去した以外は実施例1に記載し
た条件でフィルムを作成した。
【0046】比較例3 チップ風送配管の空気取り込み口に挿入した0.3μm
の高精度フィルターから20μmの低精度フィルターに
変更した以外は実施例1に記載した条件でフィルムを作
成した。
【0047】比較例4 冷却水の温度を80℃から10℃に変更した以外は実施
例1に記載した条件でフィルムを作成した。
【0048】比較例5 冷却水の温度を80℃から100℃に変更した以外は実
施例1に記載した条件でフィルムを作成したが、冷却水
の温度が高く、冷却が不十分のため混練後の組成物が結
晶化してしまい、結晶化物がフィルムの粗大異物となっ
た。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、単一のガラス転移温度
を有するポリエステルとPEIの相溶性ブレンド物にお
いて、微量金属からなる表面付着異物が極めて少ない樹
脂組成物が得られることにより、粗大突起の少ない表面
の平滑な、また、ヘイズが低く透明性の高い該相溶性ブ
レンドからなる樹脂組成物が得られる。そして、熱寸法
安定性に優れ、各種用途へ展開可能な高品質のポリエス
テル樹脂組成物を提供することが可能となり、当該組成
物は、例えば、磁気材料用途、包装材料用途、電子部品
関連用途、建材部門用途等の広範な分野に適し、特に高
い耐熱性、電気絶縁性、透明性と表面の平滑性を要求す
るフィルム、繊維、樹脂分野の各用途に適用可能であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CF03W CF05W CF08W CM04X GG00 GL00 GQ00 GS00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル(A)とポリエーテルイミド
    (B)とを含有する組成物であって、該組成物の表面に
    付着する金属が下記(1)〜(4)式をすべて満足して
    なるポリエステル樹脂組成物。 M≦10000(CPS/20SEC) C≦10000(CPS/20SEC) S≦50000(CPS/20SEC) A≦10000(CPS/20SEC) [マグネシウム元素の蛍光X線強度をM、カルシウム元
    素をC、シリカ元素をS、アルミニウム元素をA]
  2. 【請求項2】組成物中の1μm以上の異物が100個/
    0.02mg未満である請求項1記載のポリエステル樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】DSCにより観察されるガラス転移温度
    (Tg)が単一である請求項1または2に記載のポリエ
    ステル樹脂組成物。
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