JP2003300722A - 金属含有メソポアシリケート、その製造方法およびその用途 - Google Patents

金属含有メソポアシリケート、その製造方法およびその用途

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化触媒活性を示す新規な固体触媒を提供
すること。 【解決手段】タングステン金属、モリブデン金属、バナ
ジウム金属、タングステン化合物(ただし、タングステ
ン酸化物を除く。)、モリブデン化合物(ただし、モリ
ブデン酸化物を除く。)およびバナジウム化合物(ただ
し、バナジウム酸化物を除く。)からなる群から選ばれ
る少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる金
属酸化物と、ケイ素化合物とを、有機テンプレートの存
在下に反応せしめ、得られた固体を洗浄処理または焼成
処理せしめてなることを特徴とするタングステン、モリ
ブデンおよびバナジウムからなる群から選ばれる少なく
とも一種を含有する金属含有メソポアシリケート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な金属含有メ
ソポアシリケート、その製造方法およびその用途を提供
するものである。
【0002】
【従来の技術】過酸化水素は、安価で、取扱いが容易
で、しかも反応後には無害な水となるクリーンで優れた
酸化剤であるため、過酸化水素を酸化剤とする酸化反応
が、環境にやさしい製造プロセスの一つとして、脚光を
浴びてきている。過酸化水素を酸化剤とする酸化反応の
開発においては、該酸化反応の触媒の開発が重要であ
り、特に工業的な観点から、反応系からの触媒の分離・
回収の面で有利な固体触媒の開発が期待されており、例
えば固体触媒の一つであるチタン含有メソポアシリケー
トについては、オレフィン類のエポキシ化触媒やケトン
類のアンモオキシメーション化触媒としての工業的な利
用が検討されてきている。
【0003】一方で、チタン以外の金属を含有させて、
チタン含有メソポアシリケートとは異なる触媒性能や触
媒活性を有する固体触媒の開発も行われており、例えば
シクロヘキセンと過酸化水素を反応させて、シクロヘキ
サンジオールを製造するための触媒として、タングステ
ン酸アンモニウムを原料として調製したタングステン含
有メソポアシリケート(例えば非特許文献1、非特許文
献2参照。)が報告されている。しかしながら、かかる
タングステン酸アンモニウムを原料として調製されたタ
ングステン含有メソポアシリケートは、それ単独では活
性が低く、十分な活性を得るためには、反応溶媒とし
て、酢酸を使用する必要があった。
【0004】また、過酸化水素を酸化剤として、オレフ
ィン類からジオール類を製造する方法以外にも、オレフ
ィン類から2−アルコキシアルコール類を製造する方
法、環状ケトン類をバイヤービリガー酸化する方法、芳
香族アルデヒド類から芳香族エステル類を製造する方法
も重要であり、固体触媒を用いる方法が開発されてい
る。例えば酸化触媒能を有するチタニアシリケート触媒
とアルキル化触媒能を有するZSM−5触媒という二種
の性能の異なる固体触媒を併用し、オレフィン類、過酸
化水素および一級または二級アルコール類を反応させ
て、一段階で2−アルコキシアルコール類を製造する方
法(例えば特許文献1参照。)が知られているが、二種
類の高価な触媒を併用しなければならないという点で、
工業的にはさらなる改善が望まれていた。
【0005】また、ケトン類を過酸化水素でバイヤービ
リガー酸化して、ラクトン類またはエステル類を得る方
法としては、例えばスズを担持したゼオライト−β触媒
を用いる方法(例えば非特許文献3、非特許文献4参
照。)やフッ化アンチモンを担持したシリカ触媒を用い
る方法(例えば特許文献2参照。)等が知られている
が、毒性のあるスズや、高価なフッ化アンチモンを用い
ており、いずれも必ずしも工業的な方法とは言えなかっ
た。
【0006】さらに、芳香族アルデヒド類をアルコール
類の共存下に過酸化水素で酸化し、芳香族エステル類を
製造する方法としては、TS−1触媒を用いる方法(例
えば非特許文献5参照。)や酸化バナジウム触媒を用い
る方法(例えば非特許文献6参照。)が知られている
が、前者の方法は、触媒が比較的高価であるという点
で、後者の方法は、過塩素酸を併用しなければならない
という点で、工業的な観点からは、さらなる改善が望ま
れていた。
【0007】
【非特許文献1】Applied Catalysis
A,179,11(1999)
【非特許文献2】Chem.Commun.,241
(1998)
【非特許文献3】Nature,412,423(20
01)
【非特許文献4】Chem.Commun.,2190
(2001)
【非特許文献5】Synlett.,267(200
2)
【非特許文献6】Organic Letters,
,577(2000)
【特許文献1】米国特許第6239315号公報
【特許文献2】特開2001−232205号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の下、
本発明者は、酸化触媒活性を示す新規な固体触媒を開発
すべく、鋭意検討したところ、入手容易なタングステン
金属、モリブデン金属、バナジウム金属等と過酸化水素
とを反応せしめてなる金属酸化物と、ケイ素化合物と
を、有機テンプレートの存在下に、反応せしめ、得られ
た固体を洗浄処理または焼成処理せしめた金属含有メソ
ポアシリケートが、有機化合物と過酸化水素との反応に
おいて、良好な酸化触媒活性を示すこと、さらには、酸
化触媒活性のみならず、アルキル化反応においても触媒
活性を示すことを見出し、本発明に至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、タン
グステン金属、モリブデン金属、バナジウム金属、タン
グステン化合物(ただし、タングステン酸化物を除
く。)、モリブデン化合物(ただし、モリブデン酸化物
を除く。)およびバナジウム化合物(ただし、バナジウ
ム酸化物を除く。)からなる群から選ばれる少なくとも
一種と過酸化水素とを反応せしめてなる金属酸化物と、
ケイ素化合物とを、有機テンプレートの存在下に反応せ
しめ、得られた固体を洗浄処理または焼成処理せしめて
なることを特徴とするタングステン、モリブデンおよび
バナジウムからなる群から選ばれる少なくとも一種を含
有する金属含有メソポアシリケートおよびその用途を提
供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】まず本発明の新規な金属含有メソ
ポアシリケートについて説明する。本発明の金属含有メ
ソポアシリケートは、タングステン、モリブデンおよび
バナジウムからなる群から選ばれる少なくとも一種を含
有しており、タングステン金属、モリブデン金属、バナ
ジウム金属、タングステン化合物(ただし、タングステ
ン酸化物を除く。)、モリブデン化合物(ただし、モリ
ブデン酸化物を除く。)およびバナジウム化合物(ただ
し、バナジウム酸化物を除く。)からなる群から選ばれ
る少なくとも一種(以下、金属化合物と略記する。)と
過酸化水素を反応せしめてなる金属酸化物と、ケイ素化
合物とを、有機テンプレートの存在下に反応せしめ、得
られた固体を洗浄処理または焼成処理せしめて得られる
金属含有メソポアシリケートである。
【0011】タングステン金属、モリブデン金属、バナ
ジウム金属としては、通常市販のものが用いられる。か
かる金属と過酸化水素の接触効率を高め、金属酸化物調
製時の制御をより容易にするという点で、例えば粉末状
のタングステン金属等粒径の小さな金属を用いることが
好ましい。
【0012】タングステン化合物としては、タングステ
ン酸化物を除く、例えばホウ化タングステン等のタング
ステンと第IIIb族元素とからなるタングステン化合物、
例えば炭化タングステン、ケイ化タングステン等のタン
グステンと第IVb族元素とからなるタングステン化合
物、例えばチッ化タングステン、リン化タングステン等
のタングステンと第Vb族元素とからなるタングステン化
合物、例えば硫化タングステン等のタングステンと酸素
を除く第VIb族元素とからなるタングステン化合物等が
挙げられる。
【0013】モリブデン化合物としては、モリブデン酸
化物を除く、例えばホウ化モリブデン等のモリブデンと
第IIIb族元素とからなるモリブデン化合物、例えば炭化
モリブデン、ケイ化モリブデン等のモリブデンと第IVb
族元素とからなるモリブデン化合物、例えばチッ化モリ
ブデン、リン化モリブデン等のモリブデンと第Vb族元素
とからなるモリブデン化合物、例えば硫化モリブデン等
のモリブデンと酸素を除く第VIb族元素とからなるモリ
ブデン化合物等が挙げられる。
【0014】バナジウム化合物としては、バナジウム酸
化物を除く、例えばホウ化バナジウム等のバナジウムと
第IIIb族元素とからなるバナジウム化合物、例えば炭化
バナジウム、ケイ化バナジウム等のバナジウムと第IVb
族元素とからなるバナジウム化合物、例えばチッ化バナ
ジウム、リン化バナジウム等のバナジウムと第Vb族元素
とからなるバナジウム化合物、例えば硫化バナジウム等
のバナジウムと酸素を除く第VIb族元素とからなるバナ
ジウム化合物等が挙げられる。
【0015】かかる金属化合物の中でも、タングステン
金属、モリブデン金属、バナジウム金属が好ましい。な
お、かかる金属化合物は、それぞれ単独で用いてもよい
し、二種以上を混合して用いてもよい。また、かかる金
属化合物のなかには、水和物が存在するものがあるが、
本発明には、水和物を用いてもよいし、無水物を用いて
もよい。
【0016】かかる金属化合物と反応せしめる過酸化水
素としては、通常水溶液が用いられる。もちろん、過酸
化水素の有機溶媒溶液を用いてもよいが、取扱いがより
容易であるという点で、過酸化水素水を用いることが好
ましい。過酸化水素水もしくは過酸化水素の有機溶媒溶
液中の過酸化水素濃度は特に制限されないが、容積効
率、安全面等を考慮すると、実用的には1〜60重量%
である。過酸化水素水は、通常市販のものをそのままも
しくは必要に応じて、希釈、濃縮等により濃度調整を行
なったものを用いればよい。また過酸化水素の有機溶媒
溶液は、例えば過酸化水素水溶液を有機溶媒で抽出処理
する、もしくは有機溶媒の存在下に蒸留処理する等の手
段により、調製したものを用いればよい。
【0017】金属酸化物を調製する際の過酸化水素の使
用量は、金属化合物に対して、通常3モル倍以上、好ま
しくは5モル倍以上であり、その上限は特にない。
【0018】金属化合物と過酸化水素との反応は、通常
水溶液中で実施される。もちろん例えばジエチルエーテ
ル、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステ
ル系溶媒、メタノール、エタノール、tert−ブタノ
ール等のアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピオ
ニトリル等のニトリル系溶媒等の有機溶媒中または該有
機溶媒と水との混合溶媒中で実施してもよい。
【0019】金属化合物と過酸化水素との反応は、通常
その両者を混合、接触させることにより行われ、金属化
合物と過酸化水素の接触効率を向上させるため、金属酸
化物調製液中で金属化合物が十分分散するよう攪拌しな
がら反応を行うことが好ましい。金属酸化物の調製時の
調製温度は、通常−10〜100℃である。
【0020】金属化合物と過酸化水素とを水中、有機溶
媒中もしくは水と有機溶媒の混合溶媒中で反応させるこ
とにより、金属化合物の全部もしくは一部が溶解し、金
属酸化物を含む均一溶液もしくは懸濁液を調製すること
ができるが、該金属酸化物を、例えば濃縮処理等により
調製液から取り出して、本発明の金属含有メソポアシリ
ケートを調製する原料として用いてもよいし、該調製液
をそのまま原料として用いてもよい。
【0021】ケイ素化合物としては、例えばテトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポ
キシシラン等のテトラアルコキシシラン等が挙げられ、
金属酸化物中の金属原子1モルに対して、通常ケイ素原
子が4モル倍以上となる量のケイ素化合物が用いられ
る。
【0022】有機テンプレートとしては、例えばアルキ
ルアミン、第四級アンモニウム塩、ノニオン系界面活性
剤等が挙げられ、アルキルアミン、第四級アンモニウム
塩が好ましい。アルキルアミンとしては、例えばオクチ
ルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルア
ミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシ
ルアミン、エイコシルアミン等の炭素数8〜20のアル
キル基で置換された一級アミン、これら一級アミンのア
ミノ基の一つの水素原子が、例えばメチル基等のアルキ
ル基に置換した、例えばメチルオクチルアミン等の二級
アミン、これら一級アミンのアミノ基の二つの水素原子
が、例えばメチル基等のアルキル基に置換した三級アミ
ン等が挙げられ、一級アミンが好ましい。第四級アンモ
ニウム塩としては、例えば水酸化テトラプロピルアンモ
ニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化トリ
メチルオクチルアンモニウム等の水酸化第四級アンモニ
ウム塩、前記水酸化第四級アンモニウム塩の水酸イオン
が、例えば塩素イオン、臭素イオン等に置換した、塩化
第四級アンモニウム塩、臭化第四級アンモニウム塩等が
挙げられ、水酸化第四級アンモニウム塩が好ましい。ノ
ニオン系界面活性剤としては、例えばポリエチレングリ
コール類等が挙げられる。
【0023】かかる有機テンプレートは、そのまま用い
てもよいし、後述する水等の溶媒と混合して用いてもよ
い。有機テンプレートの使用量は、ケイ素化合物に対し
て、通常0.03〜1モル倍である。
【0024】有機テンプレートの存在下、金属酸化物と
ケイ素化合物との反応は、通常溶媒の存在下に実施さ
れ、溶媒としては、例えば水、親水性有機溶媒の単独ま
たは混合溶媒が挙げられ、好ましくは水、水と親水性有
機溶媒との混合溶媒が挙げられる。親水性有機溶媒とし
ては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等の親水性アルコール系溶媒、例えばアセトニトリル
等の親水性ニトリル系溶媒、例えばジオキサン等の親水
性エーテル系溶媒等が挙げられ、好ましくは親水性アル
コール系溶媒が挙げられ、なかでもメタノール、エタノ
ールが特に好ましい。かかる溶媒の使用量は、アルキル
アミンまたは第四級アンモニウム塩に対して、通常1〜
1000モル倍である。
【0025】反応温度としては通常、0〜200℃であ
る。
【0026】反応終了後、反応液中に存在する固体を濾
取し、洗浄処理または焼成処理せしめることにより、本
発明の金属含有メソポアシリケートを得ることができ
る。
【0027】洗浄処理は、通常上記で得られた固体と、
水、アルコール系溶媒等の溶媒を混合し、必要に応じて
加熱処理した後、濾過処理することにより実施される。
溶媒の使用量は、特に制限されない。
【0028】焼成処理は、通常上記で得られた固体を、
通常300〜700℃、好ましくは500〜600℃
で、加熱処理することにより実施される。処理時間は、
通常0.5〜20時間程度である。上記洗浄処理を行っ
た後、焼成処理してもよい。
【0029】かくして得られる金属含有メソポアシリケ
ートは、その平均細孔径(窒素吸着法、BHJ法)は、
10〜100オングストロームであり、また、その比表
面積(窒素吸着法、BET多点法(p/p0=0.
1))は、100m2/g以上である。
【0030】本発明の金属含有メソポアシリケートは、
有機化合物と過酸化水素とを反応させて、該有機化合物
を酸化する酸化反応の触媒能を有すると共に、アルキル
化反応の触媒能も有している。
【0031】以下、本発明の金属含有メソポアシリケー
トを触媒とする有機化合物の酸化反応について、説明す
る。
【0032】まず、有機化合物として、オレフィン類を
用いた場合について説明する。有機化合物として、オレ
フィン類を用い、反応を行った場合には、含酸素有機化
合物として、ジオール類またはβ−ヒドロキシヒドロペ
ルオキシド類が得られる。かかる反応を一級または二級
アルコール類の共存下に実施することにより、オレフィ
ン類の酸化反応と共に、O−アルキル化反応が進行し、
2−アルコキシアルコール類を得ることができる。
【0033】オレフィン類としては、オレフィン性炭素
−炭素二重結合を有する有機化合物であれば特に制限さ
れず、該二重結合に水素原子のみが結合した無置換オレ
フィン(すなわちエチレン)、該二重結合に一つの置換
基と三つの水素原子が結合した一置換オレフィン類、該
二重結合に二つの置換基と二つの水素原子が結合した二
置換オレフィン類、該二重結合に三つの置換基と一つの
水素原子が結合した三置換オレフィン類、該二重結合に
四つの置換基が結合した四置換オレフィン類が挙げられ
る。なお、炭素−炭素二重結合に結合した置換基が一緒
になって環構造の一部を形成していてもよい。
【0034】かかる置換基としては、例えばアルキル
基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ア
ラルキル基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、カル
ボアルキル基、カルボアリール基、カルボアラルキル
基、カルボアルコキシ基、カルボアリールオキシ基、カ
ルボアラルキルオキシ基、カルボキシル基、カルボニル
基等が挙げられる。
【0035】アルキル基としては、例えばメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、n−ペンチル基、n−デシル基、シクロプロピル
基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、メンチル基等の直鎖状、分枝
鎖状または環状の炭素数1〜20のアルキル基が挙げら
れる。かかるアルキル基は、後述するアルコキシ基、ア
リールオキシ基、アラルキルオキシ基、ハロゲン原子、
カルボアルキル基、カルボアリール基、カルボアラルキ
ル基、カルボアルコキシ基、カルボアリールオキシ基、
カルボアラルキルオキシ基、カルボキシル基、カルボニ
ル基等で置換されていてもよく、かかる置換基で置換さ
れたアルキル基としては、例えばクロロメチル基、フル
オロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル
基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、カルボメト
キシメチル基等が挙げられる。
【0036】アルコキシ基としては、上記したアルキル
基と酸素原子とから構成されるものが挙げられ、例えば
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロ
ポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−
ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキ
シ基、n−デシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、
シクロヘキシルオキシ基、メンチルオキシ基等の直鎖
状、分枝鎖状または環状の炭素数1〜20のアルコキシ
基が挙げられる。かかるアルコキシ基は、上記したアル
キル基と同様、例えばハロゲン原子、アルコキシ基等の
置換基で置換されていてもよい。かかる置換基で置換さ
れたアルコキシ基としては、例えばクロロメトキシ基、
フルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、メトキ
シメトキシ基、エトキシメトキシ基、メトキシエトキシ
基等が挙げられる。
【0037】アリール基としては、例えばフェニル基、
ナフチル基等が挙げられる。かかるアリール基は、上記
したアルキル基、アリール基、アルコキシ基、後述する
アラルキル基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ
基、ハロゲン原子等の置換基で置換されていてもよい。
かかるアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチ
ル基、2−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、
4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−
フェノキシフェニル基等が挙げられる。アリールオキシ
基としては、上記したアリール基と酸素原子とから構成
されるものが挙げられ、例えばフェノキシ基、2−メチ
ルフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、4−メチル
フェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、3−フェノ
キシフェノキシ基等が挙げられる。
【0038】アラルキル基としては、上記したアリール
基と上記したアルキル基とから構成されるものが挙げら
れ、例えばベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メ
チルベンジル基、4−メトキシベンジル基、3−フェノ
キシベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロベン
ジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチル
ベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メ
トキシベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−
4−メトキシメチルベンジル基等が挙げられる。アラル
キルオキシ基としては、上記したアラルキル基と酸素原
子とから構成されるものが挙げられ、例えばベンジルオ
キシ基、4−クロロベンジルオキシ基、4−メチルベン
ジルオキシ基、4−メトキシベンジルオキシ基、3−フ
ェノキシベンジルオキシ基、2,3,5,6−テトラフ
ルオロベンジルオキシ基、2,3,5,6−テトラフル
オロ−4−メチルベンジルオキシ基、2,3,5,6−
テトラフルオロ−4−メトキシベンジルオキシ基、2,
3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベン
ジルオキシ基等が挙げられる。
【0039】ハロゲン原子としては、例えばフッ素原
子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
【0040】カルボアルキル基、カルボアリール基およ
びカルボアラルキル基としては、カルボニル基と上記し
たアルキル基、アリール基およびアラルキル基とから構
成されるものが挙げられ、例えばカルボメチル基、カル
ボエチル基、カルボフェニル基、カルボベンジル基等が
挙げられる。
【0041】カルボアルコキシ基、カルボアリールオキ
シ基およびカルボアラルキルオキシ基としては、それぞ
れカルボニル基と上記したアルコキシ基、アリールオキ
シ基およびアラルキルオキシ基とから構成されるものが
挙げられ、例えばカルボメトキシ基、カルボエトキシ
基、カルボフェノキシ基、カルボベンジルオキシ基等が
挙げられる。
【0042】かかるオレフィン類としては、例えば1−
ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ドデセ
ン、スチレン、4−メチルスチレン、1,7−オクタジ
エン、アリルベンゼン、アリルアニソール、アリルクロ
リド、アリルエチルエーテル、アリルベンジルエーテ
ル、イソブテン、2−メチル−1−ペンテン、2,4,
4−トリメチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテ
ン、α−メチルスチレン、α−フェニルスチレン、メチ
レンシクロブタン、メチレンシクロペンタン、メチレン
シクロヘキサン、β−ピネン、シクロペンテン、シクロ
ヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、3−メチ
ルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4
−ジメチルシクロペンテン、3,5−ジメチルシクロペ
ンテン、3,4,5−トリメチルシクロペンテン、3−
クロロシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、4
−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロヘキ
セン、3,5−ジメチルシクロヘキセン、3,4,5−
トリメチルシクロヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセ
ン、5−ドデセン、ノルボルネン、フェナントレン、
1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、ジシクロ
ペンタジエン、インデン、3,3−ジメチル−2−(1
−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル、3,
3−ジメチル−2−(1−プロペニル)シクロプロパン
カルボン酸エチル、
【0043】2−メチル−2−ペンテン、3−メチル−
2−ペンテン、3−エチル−2−ペンテン、2−メチル
−2−ヘキセン、3−メチル−2−ヘキセン、2−メチ
ル−1−フェニルプロペン、2−フェニル−2−ブテ
ン、1−メチルシクロペンテン、1,3−ジメチルシク
ロペンテン、1,4−ジメチルシクロペンテン、1,5
−ジメチルシクロペンテン、1,3,5−トリメチルシ
クロペンテン、1,3,4−トリメチルシクロペンテ
ン、1,4,5−トリメチルシクロペンテン、1,3,
4,5−テトラメチルシクロペンテン、1−メチルシク
ロヘキセン、1,3−ジメチルシクロヘキセン、1,4
−ジメチルシクロヘキセン、1,5−ジメチルシクロヘ
キセン、1,3,5−トリメチルシクロヘキセン、1,
3,4−トリメチルシクロヘキセン、1,4,5−トリ
メチルシクロヘキセン、1,3,4,5−テトラメチル
シクロヘキセン、イソホロン、2−カレン、3−カレ
ン、α−ピネン、3,3−ジメチル−2−(2−メチル
−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メチル、
3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニ
ル)シクロプロパンカルボン酸エチル、3,3−ジメチ
ル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパ
ンカルボン酸イソプロピル、3,3−ジメチル−2−
(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボ
ン酸tert−ブチル、3,3−ジメチル−2−(2−
メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸シ
クロヘキシル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−
1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸メンチル、
3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニ
ル)シクロプロパンカルボン酸ベンジル、
【0044】3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1
−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(4−クロロ
ベンジル)、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1
−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,
5,6−テトラフルオロベンジル)、3,3−ジメチル
−2−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパン
カルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メ
チルベンジル)、3,3−ジメチル−2−(2−メチル
−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸(2,
3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジ
ル)、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロ
ペニル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−
テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル)、3,
3−ジメチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)シ
クロプロパンカルボン酸(3−フェノキシベンジル)、
2,3−ジメチル−2−ブテン、1,2−ジメチルシク
ロペンテン、1,2−ジメチルシクロヘキセン、1,
2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロナフタレ
ン、1−イソプロピリデン−2−カルボエトキシ−3−
メチルシクロペンタン、シクロヘキシリデンシクロヘキ
サン、テトラフェニルエチレン、2,3−ジメチル−4
−メトキシインデン、2,3−ジ(4−アセトキシフェ
ニル)−2−ブテン等が挙げられる。
【0045】かかるオレフィン類の中には、その分子内
に不斉炭素を有しており、光学異性体が存在するものが
あるが、本発明には、光学異性体の単独または混合物の
いずれも用いることができる。
【0046】金属含有メソポアシリケートの使用量は、
オレフィン類に対して、通常0.001重量倍以上であ
り、その上限は特にないが、経済的な面を考慮すると、
実用的には、オレフィン類に対して、5重量倍以下であ
る。
【0047】過酸化水素は、通常水溶液として用いられ
る。もちろん過酸化水素の有機溶媒溶液を用いてもよ
い。過酸化水素水もしくは有機溶媒溶液中の過酸化水素
濃度は特に制限されないが、容積効率、安全面等を考慮
すると、実用的には1〜60重量%である。過酸化水素
水は、通常市販のものをそのままもしくは必要に応じ
て、希釈、濃縮等により濃度調整を行なったものを用い
ればよい。過酸化水素の有機溶媒溶液は、例えば過酸化
水素水を有機溶媒で抽出処理する、もしくは有機溶媒の
存在下に蒸留処理する等の手段により調製したものを用
いればよい。
【0048】オレフィン類と反応させる過酸化水素の使
用量は、オレフィン類に対して、通常1モル倍以上であ
り、使用量の上限は特にないが、経済的な面も考慮する
と、実用的には、オレフィン類に対して、10モル倍以
下である。
【0049】オレフィン類と過酸化水素との反応は、通
常水溶媒または有機溶媒中で実施される。有機溶媒とし
ては、例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、
酢酸エチル等のエステル系溶媒、tert−ブタノール
等の第三級アルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピ
オニトリル等のニトリル系溶媒等が挙げられる。水溶媒
または有機溶媒の使用量は特に制限されないが、容積効
率等を考慮すると、実用的には、オレフィン類に対し
て、100重量倍以下である。
【0050】オレフィン類と過酸化水素とを、本発明の
金属含有メソポアシリケート触媒の存在下に反応させる
ことにより、β−ヒドロキシヒドロペルオキシド類およ
びジオール類が得られる。オレフィン類の構造や反応条
件等によって、その生成比率が異なるため、目的に応じ
て、適宜反応条件等を選択すればよい。また、β−ヒド
ロキシヒドロペルオキシド類およびジオール類以外の含
酸素有機化合物も副生することがある。
【0051】例えば有機溶媒中で反応を実施すると、β
−ヒドロキシヒドロペルオキシド類が主生成物として得
られやすい。また、反応系内の水分含量が少ないほど、
β−ヒドロキシヒドロペルオキシド類が得られやすいた
め、β−ヒドロキシヒドロペルオキシド類を選択性よく
得るためには、例えば反応系内に脱水剤を共存させる等
して、反応系内の水分含量が低い条件下で反応を行うこ
とが好ましい。脱水剤としては、例えば無水硫酸マグネ
シウム、無水硫酸ナトリウム、無水ホウ酸、ポリリン
酸、五酸化二リン等が挙げられ、その使用量は、反応系
内に存在する水分量に応じて、適宜決めればよい。有機
溶媒としては、例えばtert−ブタノール等の第三級
アルコール系溶媒、例えばメチルtert−ブチルエー
テル等のエーテル系溶媒等が挙げられる。
【0052】反応温度があまり低過ぎると、酸化反応が
進行しにくく、また反応温度があまり高過ぎると、原料
オレフィン類の重合等副反応が進行する恐れがあるた
め、実用的な反応温度は、0〜200℃の範囲である。
反応温度が低い場合は、β−ヒドロキシヒドロペルオキ
シド類が生成しやすく、反応温度が高くなるに従い、ジ
オール類が生成しやすくなるため、β−ヒドロキシヒド
ロペルオキシド類を選択的に得る場合には、0〜55℃
の範囲で、ジオール類を選択的に得る場合には、55〜
200℃の範囲で反応を実施することが好ましい。
【0053】オレフィン類と過酸化水素との反応は、通
常オレフィン類、過酸化水素および金属含有メソポアシ
リケートを接触、混合することにより実施され、その混
合順序は特に制限されない。常圧条件下で反応を実施し
てもよいし、加圧条件下で実施してもよい。また、反応
の進行は、例えばガスクロマトグラフィ、高速液体クロ
マトグラフィ、薄層クロマトグラフィ、核磁気共鳴スペ
クトル分析、赤外吸収スペクトル分析等の通常の分析手
段により確認することができる。
【0054】反応終了後、反応液をそのままもしくは必
要に応じて残存する過酸化水素を、例えば亜硫酸ナトリ
ウム等の還元剤で分解した後、金属含有メソポアシリケ
ートを濾別した後、濃縮処理、晶析処理等することによ
り、生成した含酸素有機化合物を分離し、取り出すこと
ができる。また、反応液に、必要に応じて水および/ま
たは水に不溶の有機溶媒を加え、抽出処理し、得られる
有機層を濃縮処理することにより、含酸素有機化合物を
分離し、取り出すことができる。取り出した含酸素有機
化合物は、例えば蒸留、カラムクロマトグラフィ等の手
段によりさらに精製してもよい。
【0055】水に不溶の有機溶媒としては、例えばトル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばジク
ロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲ
ン化炭化水素系溶媒、例えばジエチルエーテル、メチル
tert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエ
ーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒等
が挙げられ、その使用量は特に制限されない。
【0056】反応液から濾過処理、分液処理等により分
離された金属含有メソポアシリケートあるいは金属含有
メソポアシリケートを含む溶液は、そのままもしくは必
要に応じて濃縮処理等を行った後、再度オレフィン類と
過酸化水素との反応に触媒として再使用することができ
る。
【0057】かくして得られるβ−ヒドロキシヒドロペ
ルオキシド類としては、例えば1−ヒドロキシ−2−ヒ
ドロペルオキシヘキサン、2−ヒドロキシ−1−ヒドロ
ペルオキシヘキサン、1−ヒドロキシ−2−ヒドロペル
オキシヘプタン、2−ヒドロキシ−1−ヒドロペルオキ
シヘプタン、1−ヒドロキシ−2−ヒドロペルオキシオ
クタン、2−ヒドロキシ−1−ヒドロペルオキシオクタ
ン、1−ヒドロキシ−2−ヒドロペルオキシドデカン、
2−ヒドロキシ−1−ヒドロペルオキシドデカン、1−
ヒドロキシ−2−フェニル−2−ヒドロペルオキシエタ
ン、1−ヒドロキシ−2−(4−メチルフェニル)−2
−ヒドロペルオキシエタン、1−ヒドロキシ−2−ヒド
ロペルオキシ−3−フェニルプロパン、2−ヒドロキシ
−1−ヒドロペルオキシ−3−フェニルプロパン、1−
ヒドロキシ−2−ヒドロペルオキシ−3−(4−メトキ
シフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ−1−ヒドロペ
ルオキシ−3−(4−メトキシフェニル)プロパン、1
−ヒドロキシ−2−ヒドロペルオキシ−3−クロロプロ
パン、2−ヒドロキシ−1−ヒドロペルオキシ−3−ク
ロロプロパン、1−ヒドロキシ−2−ヒドロペルオキシ
−3−エトキシプロパン、2−ヒドロキシ−1−ヒドロ
ペルオキシ−3−エトキシプロパン、(3−ヒドロキシ
−2−ヒドロペルオキシプロピル)ベンジルエーテル、
(2−ヒドロキシ−3−ヒドロペルオキシエチル)ベン
ジルエーテル、3,3−ジメチル−2−(1−ヒドロキ
シ−2−ヒドロペルオキシエチル)シクロプロパンカル
ボン酸メチル、3,3−ジメチル−2−(2−ヒドロキ
シ−1−ヒドロペルオキシエチル)シクロプロパンカル
ボン酸メチル、3,3−ジメチル−2−(1−ヒドロキ
シ−2−ヒドロペルオキシエチル)シクロプロパンカル
ボン酸エチル、3,3−ジメチル−2−(2−ヒドロキ
シ−1−ヒドロペルオキシエチル)シクロプロパンカル
ボン酸エチル、
【0058】2−ヒドロペルオキシ−2−メチル−1−
プロパノール、2,4,4−トリメチル−2−ヒドロペ
ルオキシ−1−ペンタノール、2−エチル−2−ヒドロ
ペルオキシ−1−ブタノール、2−メチル−2−ヒドロ
ペルオキシ−1−ペンタノール、2−ヒドロペルオキシ
−2−フェニル−1−プロパノ-ル、2,2−ジフェニ
ル−2−ヒドロペルオキシエタノール、1−ヒドロペル
オキシ−1−(ヒドロキシメチル)シクロブタン、1−
ヒドロペルオキシ−1−(ヒドロキシメチル)シクロペ
ンタン、1−ヒドロペルオキシ−1−(ヒドロキシメチ
ル)シクロヘキサン、ビシクロ[3.1.1]−2−ヒ
ドロペルオキシ−2−(ヒドロキシメチル)−6,6−
ジメチルヘプタン、1−ヒドロペルオキシ−2−ヒドロ
キシシクロペンタン、1−ヒドロペルオキシ−2−ヒド
ロキシシクロヘキサン、1−ヒドロペルオキシ−2−ヒ
ドロキシシクロヘプタン、1−ヒドロペルオキシ−2−
ヒドロキシシクロオクタン、1−ヒドロペルオキシ−2
−ヒドロキシ−3−メチルシクロペンタン、1−ヒドロ
ペルオキシ−2−ヒドロキシ−4−メチルシクロペンタ
ン、1−ヒドロペルオキシ−2−ヒドロキシ−3,4−
ジメチルシクロヘキサン、1−ヒドロペルオキシ−2−
ヒドロキシ−3,4,5−トリメチルシクロヘキサン、
2−ヒドロペルオキシ−3−ヒドロキシヘキサン、3−
ヒドロペルオキシ−2−ヒドロキシヘキサン、ビシクロ
[2.2.1]ヘプタン−2−ヒドロペルオキシ−3−
オール、3,3−ジメチル−2−(1−ヒドロキシ−2
−ヒドロペルオキシプロピル)シクロプロパンカルボン
酸メチル、3,3−ジメチル−2−(2−ヒドロキシ−
1−ヒドロペルオキシプロピル)シクロプロパンカルボ
ン酸メチル、3,3−ジメチル−2−(1−ヒドロキシ
−2−ヒドロペルオキシプロピル)シクロプロパンカル
ボン酸エチル、3,3−ジメチル−2−(2−ヒドロキ
シ−1−ヒドロペルオキシプロピル)シクロプロパンカ
ルボン酸エチル、
【0059】2−メチル−2−ヒドロペルオキシ−3−
ヒドロキシペンタン、3−メチル−3−ヒドロペルオキ
シ−2−ヒドロキシヘキサン、1−メチル−1−ヒドロ
ペルオキシ−2−ヒドロキシシクロペンタン、1,3−
ジメチル−1−ヒドロペルオキシ−2−ヒドロキシシク
ロヘキサン、1,3,5−トリメチル−1−ヒドロペル
オキシ−2−ヒドロキシシクロヘキサン、3−ヒドロペ
ルオキシ−4−ヒドロキシカレン、3,3−ジメチル−
2−(2−メチル−2−ヒドロペルオキシ−1−ヒドロ
キシプロピル)シクロプロパンカルボン酸メチル、3,
3−ジメチル−2−(2−メチル−2−ヒドロペルオキ
シ−1−ヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボン
酸エチル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−2−
ヒドロペルオキシ−1−ヒドロキシプロピル)シクロプ
ロパンカルボン酸イソプロピル、3,3−ジメチル−2
−(2−メチル−2−ヒドロペルオキシ−1−ヒドロキ
シプロピル)シクロプロパンカルボン酸tert−ブチ
ル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−2−ヒドロ
ペルオキシ−1−ヒドロキシプロピル)シクロプロパン
カルボン酸シクロヘキシル、3,3−ジメチル−2−
(2−メチル−2−ヒドロペルオキシ−1−ヒドロキシ
プロピル)シクロプロパンカルボン酸メンチル、3,3
−ジメチル−2−(2−メチル−2−ヒドロペルオキシ
−1−ヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸
ベンジル、
【0060】3,3−ジメチル−2−(2−メチル−2
−ヒドロペルオキシ−1−ヒドロキシプロピル)シクロ
プロパンカルボン酸(4−クロロベンジル)、3,3−
ジメチル−2−(2−メチル−2−ヒドロペルオキシ−
1−ヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸
(2,3,5,6−テトラフルオロベンジル)、3,3
−ジメチル−2−(2−メチル−2−ヒドロペルオキシ
−1−ヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸
(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジ
ル)、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−2−ヒド
ロペルオキシ−1−ヒドロキシプロピル)シクロプロパ
ンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−
メトキシベンジル)、3,3−ジメチル−2−(2−メ
チル−2−ヒドロペルオキシ−1−ヒドロキシプロピ
ル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−テト
ラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル)、3,3−
ジメチル−2−(2−メチル−2−ヒドロペルオキシ−
1−ヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸
(3−フェノキシベンジル)、
【0061】2,3−ジメチル−2−ヒドロペルオキシ
キシ−3-ヒドロキシブタン、1,2−ジメチル−1−
ヒドロペルオキシ−2−ヒドロキシシクロペンタン、
1,2−ジメチル−1−ヒドロペルオキシ−2−ヒドロ
キシシクロヘキサン、ビシクロ[4.4.0]−1−ヒ
ドロペルオキシ−6−ヒドロキシデカン、1−ヒドロペ
ルオキシ−1−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)
−2,3−ジメチルシクロペンタン、1−ヒドロキシ−
1−(1−ヒドロペルオキシ−1−メチルエチル)−
2,3−ジメチルシクロペンタン、1−ヒドロペルオキ
シ−1−(1−ヒドロキシシクロヘキシル)シクロヘキ
サン、1−ヒドロペルオキシ−1−ヒドロキシ−1,
1,2,2−テトラフェニルエタン、2−ヒドロペルオ
キシ−3−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−4−メトキ
シインダン、2−ヒドロキシ−3−ヒドロペルオキシ−
2,3−ジメチル−4−メトキシインダン、2,3−ジ
(4−アセトキシフェニル)−2−ヒドロペルオキシ−
3−ヒドロキシブタン等が挙げられる。
【0062】ジオール類としては、例えば1,2−ヘキ
サンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オ
クタンジオール、1,2−ドデカンジオール、フェニル
エチレングリコール、(4−メチルフェニル)エチレン
グリコール、3−フェニル−1,2−プロパンジオー
ル、3−(4−メトキシフェニル)−1,2−プロパン
ジオール、3−クロロ−1,2−プロパンジオール、3
−エトキシ−1,2−プロパンジオール、3−ベンジル
オキシ−1,2−プロパンジオール、3,3−ジメチル
−2−(1,2−ジヒドロキシエチル)シクロプロパン
カルボン酸メチル、1,2−シクロペンタンジオール、
1,2−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘプ
タンジオール、1,2−シクロオクタンジオール、3−
メチル−1,2−シクロペンタンジオール、4−メチル
−1,2−シクロペンタンジオール、3,4−ジメチル
−1,2−シクロヘキサンジオール、3,4,5−トリ
メチル−1,2−シクロヘキサンジオール、2,3−ヘ
キサンジオール、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−
2,3−ジオール、3,3−ジメチル−2−(1,2−
ジヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸メチ
ル、3,3−ジメチル−2−(1,2−ジヒドロキシプ
ロピル)シクロプロパンカルボン酸エチル、
【0063】2−メチル−1,2−プロパンジオール、
2−メチル−1,2−ペンタンジオール、2,4,4−
トリメチル−1,2−ペンタンジオール、2−エチル−
1,2−ブタンジオール、2−フェニル−1,2−プロ
パンジオール、1,1−ジフェニル−1,2−エタンジ
オール、1−(ヒドロキシメチル)シクロブタノール、
1−(ヒドロキシメチル)シクロペンタノール、1−
(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、ビシクロ
[4.1.1]−2−ヒドロキシメチル−6,6−ジメ
チルヘプタン−2−オール、2−メチル−2,3−ペン
タンジオール、3−メチル−2,3−ヘキサンジオー
ル、1−メチル−1,2−シクロペンタンジオール、1
−メチル−1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−
ジメチル−1,2−シクロヘキサンジオール、1,3,
5−トリメチル−1,2−シクロヘキサンジオール、
3,4−カレンジオール、3,3−ジメチル−2−(2
−メチル−1,2−ジヒドロキシプロピル)シクロプロ
パンカルボン酸メチル、3,3−ジメチル−2−(2−
メチル−1,2−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパ
ンカルボン酸エチル、3,3−ジメチル−2−(2−メ
チル−1,2−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン
カルボン酸イソプロピル、3,3−ジメチル−2−(2
−メチル−1,2−ジヒドロキシプロピル)シクロプロ
パンカルボン酸tert−ブチル、3,3−ジメチル−
2−(2−メチル−1,2−ジヒドロキシプロピル)シ
クロプロパンカルボン酸シクロヘキシル、3,3−ジメ
チル−2−(2−メチル−1,2−ジヒドロキシプロピ
ル)シクロプロパンカルボン酸メンチル、3,3−ジメ
チル−2−(2−メチル−1,2−ジヒドロキシプロピ
ル)シクロプロパンカルボン酸ベンジル、
【0064】3,3−ジメチル−2−(2−メチル−
1,2−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボ
ン酸(4−クロロベンジル)、3,3−ジメチル−2−
(2−メチル−1,2−ジヒドロキシプロピル)シクロ
プロパンカルボン酸(2,3,5,6−テトラフルオロ
ベンジル)、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−
1,2−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボ
ン酸(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベ
ンジル)、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1,
2−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸
(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベン
ジル)、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−1,2
−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸
(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチ
ルベンジル)、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−
1,2−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボ
ン酸(3−フェノキシベンジル)、ピナコール、1,2
−ジメチル−1,2−シクロペンタンジオール、1,2
−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジオール、1,2
−ジ(4−アセトキシフェニル)−1、2−ブタンジオ
ール、ビシクロ[4.4.0]デカン−1,6−ジオー
ル、1,1,2,2−テトラフェニルエチレングリコー
ル、2,3−ジヒドロキシ−2,3−ジメチル−4−メ
トキシインダン等が挙げられる。
【0065】なお、オレフィン類として、光学活性体を
用いた場合には、不斉炭素の位置に応じて、光学活性な
含酸素有機化合物が得られる。
【0066】また、前記したオレフィン類と過酸化水素
との反応を、一級または二級アルコール類(以下、アル
コール類と略記する。)の共存下に実施することによ
り、オレフィン類の酸化反応と同時に、O−アルキル化
反応が進行し、2−アルコキシアルコール類が選択的に
得られる。
【0067】アルコール類としては、例えばメタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、イソブタノール等の炭素数1〜4
の一級または二級アルコール類が挙げられる。
【0068】アルコール類の使用量は、用いるオレフィ
ン類に対して、通常1モル倍以上であり、その上限は特
になく、例えば反応溶媒を兼ねて、オレフィン類に対し
て、大過剰量を用いてもよい。
【0069】反応温度は、通常0〜200℃であるが、
反応温度が高くなるほど、2−アルコキシアルコール類
が生成しやすくなる。
【0070】2−アルコキシアルコール類としては、例
えば1−ヒドロキシ−2−メトキシヘキサン、2−ヒド
ロキシ−1−メトキシヘキサン、1−ヒドロキシ−2−
エトキシヘプタン、2−ヒドロキシ−1−エトキシヘプ
タン、1−ヒドロキシ−2−プロポキシオクタン、2−
ヒドロキシ−1−プロポキシオクタン、1−ヒドロキシ
−2−メトキシドデカン、2−ヒドロキシ−1−メトキ
シドデカン、1−ヒドロキシ−2−フェニル−2−エト
キシエタン、1−ヒドロキシ−2−(4−メチルフェニ
ル)−2−エトキシエタン、1−ヒドロキシ−2−メト
キシ−3−フェニルプロパン、2−ヒドロキシ−1−メ
トキシ−3−フェニルプロパン、1−ヒドロキシ−2−
エトキシ−3−(4−メトキシフェニル)プロパン、2
−ヒドロキシ−1−エトキシ−3−(4−メトキシフェ
ニル)プロパン、1−ヒドロキシ−2−プロポキシ−3
−クロロプロパン、2−ヒドロキシ−1−プロポキシ−
3−クロロプロパン、1−ヒドロキシ−2−メトキシ−
3−エトキシプロパン、2−ヒドロキシ−1−メトキシ
−3−エトキシプロパン、(3−ヒドロキシ−2−エト
キシプロピル)ベンジルエーテル、(2−ヒドロキシ−
3−エトキシエチル)ベンジルエーテル、
【0071】2−メトキシ−2−メチル−1−プロパノ
ール、2,4,4−トリメチル−2−メトキシ−1−ペ
ンタノール、2−エチル−2−エトキシ−1−ブタノー
ル、2−メチル−2−プロポキシ−1−ペンタノール、
2−メトキシ−2−フェニル−1−プロパノ-ル、2,
2−ジフェニル−2−ブトキシエタノール、1−メトキ
シ−1−(ヒドロキシメチル)シクロブタン、1−エト
キシ−1−(ヒドロキシメチル)シクロペンタン、1−
メトキシ−1−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、
ビシクロ[3.1.1]−2−エトキシ−2−(ヒドロ
キシメチル)−6,6−ジメチルヘプタン、1−メトキ
シ−2−ヒドロキシシクロペンタン、1−エトキシ−2
−ヒドロキシシクロヘキサン、1−プロポキシ−2−ヒ
ドロキシシクロヘプタン、1−ブトキシ−2−ヒドロキ
シシクロオクタン、1−メトキシ−2−ヒドロキシ−3
−メチルシクロペンタン、1−エトキシ−2−ヒドロキ
シ−4−メチルシクロペンタン、1−プロポキシ−2−
ヒドロキシ−3,4−ジメチルシクロヘキサン、1−ブ
トキシ−2−ヒドロキシ−3,4,5−トリメチルシク
ロヘキサン、2−メトキシ−3−ヒドロキシヘキサン、
3−エトキシ−2−ヒドロキシヘキサン、ビシクロ
[2.2.1]ヘプタン−2−プロポキシ−3−オー
ル、3,3−ジメチル−2−(1−ヒドロキシ−2−エ
トキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸メチル、
3,3−ジメチル−2−(2−ヒドロキシ−1−メトキ
シプロピル)シクロプロパンカルボン酸メチル、3,3
−ジメチル−2−(1−ヒドロキシ−2−メトキシプロ
ピル)シクロプロパンカルボン酸エチル、3,3−ジメ
チル−2−(2−ヒドロキシ−1−ブトキシプロピル)
シクロプロパンカルボン酸エチル、
【0072】2−メチル−2−メトキシ−3−ヒドロキ
シペンタン、3−メチル−3−エトキシ−2−ヒドロキ
シヘキサン、1−メチル−1−プロポキシ−2−ヒドロ
キシシクロペンタン、1,3−ジメチル−1−ブトキシ
−2−ヒドロキシシクロヘキサン、1,3,5−トリメ
チル−1−メトキシ−2−ヒドロキシシクロヘキサン、
3−エトキシ−4−ヒドロキシカレン、3,3−ジメチ
ル−2−(2−メチル−2−メトキシ−1−ヒドロキシ
プロピル)シクロプロパンカルボン酸メチル、3,3−
ジメチル−2−(2−メチル−2−エトキシ−1−ヒド
ロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸エチル、
3,3−ジメチル−2−(2−メチル−2−プロポキシ
−1−ヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸
イソプロピル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−
2−ブトキシ−1−ヒドロキシプロピル)シクロプロパ
ンカルボン酸tert−ブチル、3,3−ジメチル−2
−(2−メチル−2−メトキシ−1−ヒドロキシプロピ
ル)シクロプロパンカルボン酸シクロヘキシル、3,3
−ジメチル−2−(2−メチル−2−メトキシ−1−ヒ
ドロキシプロピル)シクロプロパンカルボン酸メンチ
ル、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−2−エトキ
シ−1−ヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボン
酸ベンジル、
【0073】3,3−ジメチル−2−(2−メチル−2
−エトキシ−1−ヒドロキシプロピル)シクロプロパン
カルボン酸(4−クロロベンジル)、3,3−ジメチル
−2−(2−メチル−2−プロポキシ−1−ヒドロキシ
プロピル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6
−テトラフルオロベンジル)、3,3−ジメチル−2−
(2−メチル−2−プロポキシ−1−ヒドロキシプロピ
ル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−テト
ラフルオロ−4−メチルベンジル)、3,3−ジメチル
−2−(2−メチル−2−ブトキシ−1−ヒドロキシプ
ロピル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,5,6−
テトラフルオロ−4−メトキシベンジル)、3,3−ジ
メチル−2−(2−メチル−2−ブトキシ−1−ヒドロ
キシプロピル)シクロプロパンカルボン酸(2,3,
5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジ
ル)、3,3−ジメチル−2−(2−メチル−2−メト
キシ−1−ヒドロキシプロピル)シクロプロパンカルボ
ン酸(3−フェノキシベンジル)、2,3−ジメチル−
2−メトキシ−3-ヒドロキシブタン、1,2−ジメチ
ル−1−ヒドロペルオキシ−2−エトキシシクロペンタ
ン、1,2−ジメチル−1−エトキシ−2−ヒドロキシ
シクロヘキサン、ビシクロ[4.4.0]−1−プロポ
キシ−6−ヒドロキシデカン、1−プロポキシ−1−
(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−2,3−ジメ
チルシクロペンタン、1−ヒドロキシ−1−(1−メト
キシ−1−メチルエチル)−2,3−ジメチルシクロペ
ンタン、1−メトキシ−1−(1−ヒドロキシシクロヘ
キシル)シクロヘキサン、1−エトキシ−1−ヒドロキ
シ−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、2−プロ
ポキシ−3−ヒドロキシ−2,3−ジメチル−4−メト
キシインダン、2−ヒドロキシ−3−ブトキシ−2,3
−ジメチル−4−メトキシインダン、2,3−ジ(4−
アセトキシフェニル)−2−メトキシ−3−ヒドロキシ
ブタン等が挙げられる
【0074】続いて、有機化合物として、環状ケトン類
を用いた場合について説明する。有機化合物として環状
ケトン類を用いた場合には、含酸素有機化合物として、
バイヤービリガー反応生成物であるラクトン類が得られ
る。
【0075】環状ケトン類の環構造としては、例えばシ
クロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、
シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン
環、シクロデカン環、シクロドデカン環、アダマンタン
環等が挙げられ、かかる環は、例えばアルキル基、アル
コキシ基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基で置換
されていてもよい。ここで、アルキル基、アルコキシ
基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基としては、上
記したものと同様のものが挙げられる。
【0076】かかる環状ケトン類としては、例えばシク
ロブタノン、3−メチルシクロブタノン、3−フェニル
シクロブタノン、シクロペンタノン、2−メチルシクロ
ペンタノン、2−フェニルシクロペンタノン、シクロヘ
キサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル
シクロヘキサノン、4−メチルシクロヘキサノン、4−
フェニルシクロヘキサノン、4−クロロシクロヘキサノ
ン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、シクロデカ
ノン、シクロドデカノン、1,4−シクロヘキサンジオ
ン、アダマンタノン等が挙げられる。
【0077】環状ケトン類と過酸化水素との反応におけ
る金属含有メソポアシリケート触媒の使用量は、環状ケ
トン類に対して、通常0.001重量倍以上であり、そ
の上限は特にないが、経済的な面を考慮すると、実用的
には、環状ケトン類に対して、1重量倍以下である。
【0078】過酸化水素としては、通常水溶液が用いら
れる。もちろん過酸化水素の有機溶媒溶液を用いてもよ
い。過酸化水素水もしくは過酸化水素の有機溶媒溶液中
の過酸化水素濃度は特に制限されないが、容積効率、安
全面等を考慮すると、実用的には1〜60重量%であ
る。過酸化水素水は、通常市販のものをそのままもしく
は必要に応じて、希釈、濃縮等により濃度調整を行なっ
たものを用いればよい。また過酸化水素の有機溶媒溶液
は、例えば過酸化水素水を有機溶媒で抽出処理する、も
しくは有機溶媒の存在下に蒸留処理する等の手段によ
り、調製したものを用いればよい。
【0079】過酸化水素の使用量は、環状ケトン類に対
して、通常0.4モル倍以上、好ましくは1モル倍以上
である。その上限は特にないが、あまり多くなると経済
的に不利になりやすいので、実用的には10モル倍以下
である。
【0080】環状ケトン類と過酸化水素との反応は、無
溶媒で行ってもよいし、水溶媒中、有機溶媒中もしくは
水と有機溶媒との混合溶媒中で行ってもよい。有機溶媒
としては、例えばジエチルエーテル、メチルtert−
ブチルエーテル、ジグライム等のエーテル系溶媒、例え
ばtert−ブタノール等の第三級アルコール系溶媒、
例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル
系溶媒等が挙げられる。
【0081】環状ケトン類と過酸化水素との反応は、通
常金属含有メソポアシリケート、環状ケトン類および過
酸化水素を接触、混合させることにより行われ、その混
合順序は特に制限されない。
【0082】反応温度は、通常−10〜130℃であ
り、通常常圧条件下で反応は実施されるが、減圧あるい
は加圧条件下で実施してもよい。
【0083】反応の進行と共に、バイヤービリガー反応
生成物であるラクトン類が生成するが、かかる反応の進
行は、例えばガスクロマトグラフィ、高速液体クロマト
グラフィ、薄層クロマトグラフィ、NMR、IR等の通
常の分析手段により確認することができる。
【0084】反応終了後、反応液をそのままもしくは必
要に応じて残存する過酸化水素を、例えば亜硫酸ナトリ
ウム等の還元剤で分解した後、金属含有メソポアシリケ
ートを濾過処理等により分離した後、濃縮処理、晶析処
理等することにより、目的とするラクトン類を取り出す
ことができる。また、反応液に、必要に応じて水および
/または水に不溶の有機溶媒を加え、抽出処理し、得ら
れる有機層を濃縮処理することにより、ラクトン類を取
り出すこともできる。取り出したラクトン類は、例えば
蒸留、カラムクロマトグラフィ、再結晶等通常の精製方
法によりさらに精製してもよい。
【0085】濾過処理、分液処理等により分離された金
属含有メソポアシリケートあるいは金属含有メソポアシ
リケートを含む溶液は、そのままもしくは必要に応じて
濃縮処理等を行った後、再度環状ケトン類と過酸化水素
との反応の触媒として、再使用することができる。
【0086】かくして得られるラクトン類としては、例
えばβ−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、β−
メチル−γ−ブチロラクトン、β−フェニル−γ−ブチ
ロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−バレロラクト
ン、α−フェニル−δ−バレロラクトン、δ−フェニル
−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチ
ル−ε−カプロラクトン、ε−メチル−ε−カプロラク
トン、α−フェニル−ε−カプロラクトン、ε−フェニ
ル−ε−カプロラクトン等が挙げられる。
【0087】最後に、有機化合物として、芳香族アルデ
ヒド類を用い、アルコール類の存在下に反応を実施し、
芳香族エステル類を得る方法について説明する。
【0088】芳香族アルデヒド類としては、例えばフェ
ニル基、ナフチル基等の芳香環にホルミル基が結合した
ものであれば特に制限されず、前記芳香環は、アルキル
基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハ
ロゲン原子等の置換基で置換されていてもよい。ここ
で、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリール
オキシ基、ハロゲン原子等の置換基としては、上記した
ものと同様のものが挙げられる。
【0089】かかる芳香族アルデヒド類としては、例え
ばベンズアルデヒド、2−フルオロベンズアルデヒド、
2−クロロベンズアルデヒド、2−ブロモベンズアルデ
ヒド、3−フルオロベンズアルデヒド、3−クロロベン
ズアルデヒド、3−ブロモベンズアルデヒド、4−フル
オロベンズアルデヒド、4−クロロベンズアルデヒド、
4−ブロモベンズアルデヒド、2,4−ジフルオロベン
ズアルデヒド、2,4−ジクロロベンズアルデヒド、
3,5−ジフルオロベンズアルデヒド、3−フェノキシ
ベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、3−
トリフルオロベンズアルデヒド、2−メトキシベンズア
ルデヒド、1−ナフチルベンズアルデヒド等が挙げられ
る。
【0090】アルコール類としては、前記したものと同
様のものが挙げられ、その使用量は、芳香族アルデヒド
類に対して、通常1モル倍以上であり、その上限は特に
なく、例えば反応溶媒を兼ねて大過剰量用いてもよい。
【0091】アルコール類の存在下、芳香族アルデヒド
類と過酸化水素との反応における金属含有メソポアシリ
ケート触媒の使用量は、芳香族アルデヒド類に対して、
通常0.001重量倍以上であり、その上限は特にない
が、経済的な面も考慮すると、実用的には、芳香族アル
デヒド類に対して、1重量倍以下である。
【0092】過酸化水素としては、通常水溶液が用いら
れる。もちろん過酸化水素の有機溶媒溶液を用いてもよ
い。過酸化水素水もしくは過酸化水素の有機溶媒溶液中
の過酸化水素濃度は特に制限されないが、容積効率、安
全面等を考慮すると、実用的には1〜60重量%であ
る。過酸化水素水は、通常市販のものをそのままもしく
は必要に応じて、希釈、濃縮等により濃度調整を行なっ
たものを用いればよい。また過酸化水素の有機溶媒溶液
は、例えば過酸化水素水を有機溶媒で抽出処理する、も
しくは有機溶媒の存在下に蒸留処理する等の手段によ
り、調製したものを用いればよい。
【0093】過酸化水素の使用量は、芳香族アルデヒド
類に対して、通常0.4モル倍以上、好ましくは1モル
倍以上である。その上限は特にないが、あまり多くなる
と経済的に不利になりやすいので、実用的には10モル
倍以下である。
【0094】芳香族アルデヒド類と過酸化水素との反応
は、水溶媒中、有機溶媒中もしくは水と有機溶媒との混
合溶媒中で行ってもよい。有機溶媒としては、例えばジ
エチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジ
グライム等のエーテル系溶媒、例えばアセトニトリル、
プロピオニトリル等のニトリル系溶媒等が挙げられ、ま
た前記したように、アルコール類を溶媒として用いても
よい。
【0095】アルコール類の共存下に行う芳香族アルデ
ヒド類と過酸化水素との反応は、通常金属含有メソポア
シリケート、芳香族アルデヒド類、アルコール類および
過酸化水素を接触、混合させることにより行われ、その
混合順序は特に制限されない。
【0096】反応温度は、通常−10〜130℃であ
り、通常常圧条件下で反応は実施されるが、減圧あるい
は加圧条件下で実施してもよい。
【0097】反応の進行と共に、芳香族エステル類が生
成するが、かかる反応の進行は、例えばガスクロマトグ
ラフィ、高速液体クロマトグラフィ、薄層クロマトグラ
フィ、NMR、IR等の通常の分析手段により確認する
ことができる。
【0098】反応終了後、反応液をそのままもしくは必
要に応じて残存する過酸化水素を、例えば亜硫酸ナトリ
ウム等の還元剤で分解した後、金属含有メソポアシリケ
ートを濾過処理等により分離した後、濃縮処理、晶析処
理等することにより、目的とする芳香族エステル類を取
り出すことができる。また、反応液に、必要に応じて水
および/または水に不溶の有機溶媒を加え、抽出処理
し、得られる有機層を濃縮処理することにより、芳香族
エステル類を取り出すこともできる。取り出した芳香族
エステル類は、例えば蒸留、カラムクロマトグラフィ、
再結晶等通常の精製方法によりさらに精製してもよい。
【0099】濾過処理、分液処理等により分離された金
属含有メソポアシリケートあるいは金属含有メソポアシ
リケートを含む溶液は、そのままもしくは必要に応じて
濃縮処理等を行った後、再度アルコール類の共存下、芳
香族アルデヒド類と過酸化水素との反応の触媒として、
再使用することができる。
【0100】かくして得られる芳香族エステル類として
は、例えば安息香酸メチル、2−フルオロ安息香酸メチ
ル、2−クロロ安息香酸メチル、2−ブロモ安息香酸メ
チル、3−フルオロ安息香酸メチル、3−クロロ安息香
酸メチル、3−ブロモ安息香酸メチル、4−フルオロ安
息香酸メチル、4−クロロ安息香酸メチル、4−ブロモ
安息香酸メチル、2,4−ジフルオロ安息香酸メチル、
2,4−ジクロロ安息香酸メチル、3,5−ジフルオロ
安息香酸メチル、3−フェノキシ安息香酸メチル、4−
メチル安息香酸メチル、3−トリフルオロメチル安息香
酸メチル、2−メトキシ安息香酸メチル、1−カルボメ
トキシナフタレン等が挙げられる。
【0101】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。なお、分析はガスクロマトグラフィ(以下、
GCと略記する。)および高速液体クロマトグラフィ
(以下、LCと略記する。)により実施した。それぞれ
の分析条件は、以下のとおりである。また、得られた金
属含有メソポアシリケートの比表面積および平均細孔径
は、いずれもQuantachrome社製Autos
orb−6を用い、150℃、1.35×10 -5Kg/
cm-2(0.013kPa相当)の脱気条件下で窒素吸
着法により測定した(なお、比表面積については、BE
T多点法(p/p0=0.1)を用い、平均細孔径につ
いては、BHJ法を用い、それぞれ算出した。)。
【0102】<GC分析条件> カラム:DB−1(φ0.25μm×30m、膜厚1.
0μm) キャリアガス:ヘリウム(流速:1m/分) スプリット比:1/10、試料注入量:1μL カラム温度:100℃(0分)→180℃(昇温速度:
2℃/分、180℃での保持時間:0分)→300℃
(昇温速度:10℃/分、300℃での保持時間:15
分) 注入口温度:200℃、検出器温度:250℃
【0103】<LC分析条件> カラム:SUMIPAX ODS A−212(5μm,
φ6mm×15cm) 移動相:A液;0.1体積%トリフルオロ酢酸水溶液 B液;0.1体積%トリフルオロ酢酸/アセトニトリル溶液 A液/B液=90/10(体積比)から40分で直線的
に、A液/B液=10/90(体積比)に組成変化さ
せ、A液/B液=10/90(体積比)の組成比で、2
0分保持。 流量:1.0mL/分、試料注入量:10μL、検出波
長:220nm
【0104】実施例1<アルキルアミンを用いたタング
ステン含有メソポアシリケートの調製> 誘導攪拌器付き500mLフラスコに、タングステン金
属(粉末)1gとイオン交換水5gを加え、内温40℃
に昇温した後、60重量%過酸化水素水溶液3gを30
分かけて滴下し、同温度で1時間保持し、タングステン
酸化物含有溶液を得た。該タングステン酸化物含有溶液
に、イオン交換水100gおよびエタノール80gを加
えた後、内温40℃で、ドデシルアミン10gを30分
かけて滴下した。その後、内温25℃まで冷却し、テト
ラエトキシシラン41.6gを30分かけて滴下した。
内温25℃で攪拌を継続していると、30分程度で固体
が析出してスラリー状となったが、さらに同温度で24
時間攪拌、保持した。得られたスラリー液から、固体を
濾取し、イオン交換水100gで2回洗浄し、110℃
で6時間乾燥した。この白色固体を、550℃で6時間
焼成し、白色のタングステン含有メソポアシリケート1
5.0gを得た。
【0105】XRDスペクトル:d値3.79オングス
トロームに頂点を持つブロードなピークを示し、酸化タ
ングステンに帰属されるピークは見られなかった。 IRスペクトル(KBr) νmax:3471,1636,1080,972,80
4cm-1 元素分析値;W:2.43%,Si:35.6% 比表面積:696m2/g、細孔径:32オングストロ
ーム
【0106】実施例2<第四級アンモニウム塩を用いた
タングステン含有メソポアシリケートの調製> 誘導攪拌器付き500mLフラスコに、タングステン金
属(粉末)5gとイオン交換水25gを加え、内温40
℃に昇温した後、60重量%過酸化水素水溶液15gを
30分かけて滴下し、同温度で1時間保持し、タングス
テン酸化物含有溶液を得た。該タングステン酸化物含有
溶液に、イオン交換水75gおよびエタノール80gを
加えた後、内温40℃で、水酸化テトラブチルアンモニ
ウム8gを30分かけて滴下した。その後、内温25℃
まで冷却し、テトラエトキシシラン41.6gを30分
かけて滴下した。内温25℃で攪拌を継続していると、
30分程度で固体が析出してスラリー状となったが、さ
らに同温度で24時間攪拌、保持した。得られたスラリ
ー液から、固体を濾取し、イオン交換水100gで2回
洗浄し、130℃で24時間乾燥し、白色固体33.0
gを得た。この白色固体のうち16.0gを550℃で
6時間焼成し、白色のタングステン含有メソポアシリケ
ート7.8gを得た。
【0107】XRDスペクトル:d値3.79オングス
トロームに頂点を持つブロードなピークと、酸化タング
ステンに帰属されるシャープなピークが混合したスペク
トルであった。 IRスペクトル(KBr) νmax:3484,1642,1081,950,81
3、783cm-1 元素分析値;W:23.9%,Si:28.4% 比表面積:514m2/g、細孔径:32オングストロ
ーム これらの結果から、得られた白色のタングステン含有メ
ソポアシリケートには、酸化タングステンが混じってい
ることがわかった。
【0108】実施例3<第四級アンモニウム塩を用いた
タングステン含有メソポアシリケートの調製> 誘導攪拌器付き500mLフラスコに、タングステン金
属(粉末)5gとイオン交換水25gを加え、内温40
℃に昇温した後、60重量%過酸化水素水溶液15gを
30分かけて滴下し、同温度で2時間保持し、タングス
テン酸化物含有溶液を得た。該タングステン酸化物含有
溶液に、イオン交換水75gおよびエタノール80gを
加えた後、内温40℃で、テトラエトキシシラン41.
6gを10分かけて仕込んだ後、40重量%水酸化テト
ラブチルアンモニウム水溶液20gを10分かけて滴下
した。その後、内温25℃まで冷却し、同温度で攪拌を
継続していると、30分程度で固体が析出してスラリー
状となったが、さらに同温度で24時間攪拌、保持し
た。得られたスラリー液から、固体を濾取し、イオン交
換水100gで2回洗浄し、130℃で24時間乾燥
し、白色固体38.0gを得た。この白色固体を550
℃で6時間焼成し、白色のタングステン含有メソポアシ
リケート16.5gを得た。
【0109】XRDスペクトル:d値3.77オングス
トロームに頂点を持つブロードなピークを示した。酸化
タングステンに帰属されるシャープなピークは見られな
かった。 IRスペクトル(KBr) νmax:3478,1638,1078,960,80
6、557cm-1 元素分析値;W:9.8%,Si:39.5% 比表面積:543m2/g、細孔径:16オングストロ
ーム
【0110】実施例4<第四級アンモニウム塩を用いた
タングステン含有メソポアシリケートの調製> 誘導攪拌器付き500mLフラスコに、タングステン金
属(粉末)5gとイオン交換水25gを加え、内温40
℃に昇温した後、60重量%過酸化水素水溶液15gを
30分かけて滴下し、同温度で2時間保持し、タングス
テン酸化物含有溶液を得た。該タングステン酸化物含有
溶液に、イオン交換水75gおよびエタノール80gを
加えた後、内温40℃で、テトラエトキシシラン41.
6gを10分かけて仕込んだ後、10重量%水酸化テト
ラプロピルアンモニウム水溶液40gを10分かけて滴
下した。その後、内温25℃まで冷却し、同温度で攪拌
を継続していると、30分程度で固体が析出してスラリ
ー状となったが、さらに同温度で24時間攪拌、保持し
た。得られたスラリー液から、固体を濾取し、イオン交
換水100gで2回洗浄し、130℃で24時間乾燥
し、白色固体38.0gを得た。この白色固体を550
℃で6時間焼成し、白色のタングステン含有メソポアシ
リケート17.3gを得た。
【0111】XRDスペクトル:d値3.76オングス
トロームに頂点を持つブロードなピークを示した。酸化
タングステンに帰属されるシャープなピークがわずかに
見られた。 IRスペクトル(KBr) νmax:3480,1638,1078,956,80
0cm-1 元素分析値;W:11.0%,Si:31.4% 比表面積:573m2/g、細孔径:22オングストロ
ーム
【0112】実施例5<アルキルアミンを用いたモリブ
デン含有メソポアシリケートの調製> 誘導攪拌器付き500mLフラスコに、モリブデン金属
(粉末)2gとイオン交換水25gを加え、内温40℃
に昇温した後、60重量%過酸化水素水溶液15gを1
時間かけて滴下し、同温度で1時間保持し、モリブデン
酸化物含有溶液を得た。該モリブデン酸化物含有溶液
に、イオン交換水75gおよびエタノール80gを加え
た後、内温40℃で、テトラエトキシシラン41.6g
を10分かけて仕込んだ後、ドデシルアミン10gを1
0分かけて滴下した。すぐに固体が析出してスラリー状
となったが、内温25℃に冷却し、24時間攪拌、保持
した。得られたスラリー液から、固体を濾取し、イオン
交換水100gで2回洗浄し、110℃で6時間乾燥
し、次いで550℃で6時間焼成し、白色のモリブデン
含有メソポアシリケート15.5gを得た。
【0113】XRDスペクトル:d値3.8オングスト
ロームに頂点を持つブロードなピークと酸化モリブデン
に帰属されるシャープなピークの混合したスペクトルで
あった。 IRスペクトル(KBr) νmax:3470,1640,1090,956,91
5,802cm-1 元素分析値;Mo:13.9%,Si:32.4% 比表面積:171m2/g、細孔径:73オングストロ
ーム これらの結果から、得られた白色のモリブデン含有メソ
ポアシリケートには、酸化モリブデンが混じっているこ
とがわかった。
【0114】実施例6<第四級アンモニウム塩を用いた
モリブデン含有メソポアシリケートの調製> 誘導攪拌器付き500mLフラスコに、モリブデン金属
(粉末)2.5gとイオン交換水25gを加え、内温4
0℃に昇温した後、60重量%過酸化水素水溶液15g
を1時間かけて滴下し、同温度で1時間保持し、モリブ
デン酸化物含有溶液を得た。該モリブデン酸化物含有溶
液に、イオン交換水75gおよびエタノール80gを加
えた後、内温40℃で、テトラエトキシシラン41.6
gを10分かけて仕込んだ後、40重量%水酸化テトラ
ブチルアンモニウム水溶液20gを10分かけて滴下し
た。15分程度経過すると固体が析出してスラリー状と
なったが、イオン交換水200gを加え、内温25℃に
冷却し、24時間攪拌、保持した。得られたスラリー液
から、固体を濾取し、イオン交換水100gで2回洗浄
し、110℃で6時間乾燥し、次いで550℃で6時間
焼成し、白色のモリブデン含有メソポアシリケート1
5.9gを得た。
【0115】XRDスペクトル:d値3.79オングス
トロームに頂点を持つブロードなピークを示した。酸化
モリブデンに帰属されるシャープなピークは見られなか
った。 IRスペクトル(KBr) νmax:3470,1640,1080,956,91
3,796cm-1 元素分析値;Mo:5.22%,Si:37.0% 比表面積:649m2/g、細孔径:22オングストロ
ーム
【0116】実施例7<第四級アンモニウム塩を用いた
バナジウム含有メソポアシリケートの調製> 誘導攪拌器付き500mLフラスコに、バナジウム金属
(粉末)1.3gとイオン交換水25gを加え、内温4
0℃に昇温した後、30重量%過酸化水素水溶液15g
を30分かけて滴下し、同温度で1時間保持し、バナジ
ウム酸化物含有溶液を得た。該バナジウム酸化物含有溶
液に、イオン交換水75gおよびエタノール80gを加
えた後、内温40℃で、テトラエトキシシラン41.6
gを10分かけて仕込んだ後、40重量%テトラ−n−
プロピルアミン水溶液40gを10分かけて滴下した。
その後、内温25℃まで冷却し、攪拌を継続している
と、30分程度で固体が析出してスラリー状となった
が、同温度でさらに24時間攪拌、保持した。得られた
スラリー液から、固体を濾取し、イオン交換水100g
で2回洗浄し、130℃で8時間乾燥し、次いで550
℃で6時間焼成し、褐色のバナジウム含有メソポアシリ
ケート16.0gを得た。
【0117】XRDスペクトル:d値3.85オングス
トロームに頂点を持つブロードなピークを示した。酸化
バナジウムに帰属されるシャープなピークは見られなか
った。 IRスペクトル(KBr) νmax:1050,956,794,629cm-1 元素分析値;V:5.56%,Si:36.1%
【0118】実施例8<タングステン含有メソポアシリ
ケートを触媒とするオレフィン類の酸化> 磁気回転子および還流冷却管を付した50mLフラスコ
に、実施例1で調製したタングステン含有メソポアシリ
ケート800mg、60重量%過酸化水素水800m
g、tert−ブタノール2gおよび1−ヘプテン40
0mgを加え、内温40℃で16時間攪拌、保持し、反
応させた。得られた反応液にメチルtert−ブチルエ
ーテル5gを加え、攪拌した後、静置した。有機層をL
C分析したところ、2−ヒドロペルオキシ−1−ヒドロ
キシヘプタンおよび1−ヒドロペルオキシ−2−ヒドロ
キシヘプタンが生成していた。該有機層をGC分析した
ところ、2−ヒドロペルオキシ−1−ヒドロキシヘプタ
ンおよび1−ヒドロペルオキシ−2−ヒドロキシヘプタ
ンは、注入口部で熱分解し、1−ヘキサナールとして検
出されたため、GC分析(内部標準法)により、1−ヘ
キサナールの収率を求め、これを2−ヒドロペルオキシ
−1−ヒドロキシヘプタンおよび1−ヒドロペルオキシ
−2−ヒドロキシヘプタンの収率とした。収率:22
%。1−ヘキセンが67%回収された。
【0119】実施例9<タングステン含有メソポアシリ
ケートを触媒とするオレフィン類の酸化> 磁気回転子および還流冷却管を付した50mLフラスコ
に、実施例2で調製したタングステン含有メソポアシリ
ケート300mgと60重量%過酸化水素水760m
g、tert−ブタノール3gおよび1−オクテン50
0mgを加え、内温50℃で16時間攪拌、保持し、反
応させた。得られた反応液にメチルtert−ブチルエ
ーテル5gを加え、攪拌した後、静置した。上澄みの有
機層をLC分析したところ、2−ヒドロペルオキシ−1
−ヒドロキシオクタンおよび1−ヒドロペルオキシ−2
−ヒドロキシオクタンが生成していた。該有機層をGC
分析したところ、2−ヒドロペルオキシ−1−ヒドロキ
シオクタンおよび1−ヒドロペルオキシ−2−ヒドロキ
シオクタンは、注入口部で熱分解し、1−ヘプタナール
として検出されるため、GC分析(内部標準法)によ
り、1−ヘプタナールの収率を求め、これを2−ヒドロ
ペルオキシ−1−ヒドロキシオクタンおよび1−ヒドロ
ペルオキシ−2−ヒドロキシオクタンの収率とした。収
率:42%。
【0120】実施例10<タングステン含有メソポアシ
リケートを触媒とするアルコール類共存下のオレフィン
類の酸化> 磁気回転子および還流冷却管を付した50mLフラスコ
に、実施例1で調製したタングステン含有メソポアシリ
ケート200mg、60重量%過酸化水素水285m
g、エタノール24gおよびシクロヘキセン410mg
を加え、内温80℃で6時間攪拌、保持し、反応させ
た。得られた反応液をGC分析(内部標準法)して、生
成物の収率を求めた。 2−エトキシシクロヘキサノール 収率:50%。 1,2−シクロヘキサンジオール 収率:5% 原料シクロヘキセンが40%回収された。
【0121】実施例11<タングステン含有メソポアシ
リケートを触媒とするアルコール類共存下のオレフィン
類の酸化> 磁気回転子および還流冷却管を付した50mLフラスコ
に、実施例3で調製したタングステン含有メソポアシリ
ケート200mg、60重量%過酸化水素水285m
g、エタノール24gおよびシクロヘキセン410mg
を加え、内温80℃で6時間攪拌、保持し、反応させ
た。得られた反応液をGC分析(内部標準法)して、生
成物の収率を求めた。 2−エトキシシクロヘキサノール 収率:61%。 1,2−シクロヘキサンジオール 収率:2% 原料シクロヘキセンが35%回収された。
【0122】実施例12<タングステン含有メソポアシ
リケートを触媒とするアルコール類共存下のオレフィン
類の酸化> 磁気回転子および還流冷却管を付した100mLフラス
コに、実施例2で調製したタングステン含有メソポアシ
リケート300mg、メタノール10gおよびシクロヘ
キセン3.1gを仕込み、内温65℃に昇温した。攪拌
しながら、30重量%過酸化水素水4.3gとメタノー
ル10gからなる混合液を、3時間かけて滴下し、その
後同温度で1時間攪拌、保持し、反応させた。得られた
反応液をGC分析(内部標準法)して、生成物の収率を
求めた。2−メトキシシクロヘキサノール 収率:33
%。1,2−シクロヘキサンジオールは検出されず、原
料シクロヘキセンが65%回収された。
【0123】実施例13<タングステン含有メソポアシ
リケートを触媒とするアルコール類共存下のオレフィン
類の酸化> 実施例12において、実施例2で調製したタングステン
含有メソポアシリケート300mgに代えて、実施例3
で調製したタングステン含有メソポアシリケート300
mgを用いた以外は実施例12と同様に実施して、2−
メトキシシクロヘキサノールを、収率42%で得た。
1,2−シクロヘキサンジオールは検出されず、原料シ
クロヘキセンが55%回収された。
【0124】実施例14<タングステン含有メソポアシ
リケートを触媒とするアルコール類共存下のオレフィン
類の酸化> 実施例12において、実施例2で調製したタングステン
含有メソポアシリケート300mgに代えて、実施例4
で調製したタングステン含有メソポアシリケート300
mgを用いた以外は実施例12と同様に実施して、2−
メトキシシクロヘキサノールを、収率64%で得た。
1,2−シクロヘキサンジオールが、収率1%で生成し
ており、原料シクロヘキセンが、33%回収された。
【0125】実施例15<モリブデン含有メソポアシリ
ケートを触媒とするアルコール類共存下のオレフィン類
の酸化> 実施例12において、実施例2で調製したタングステン
含有メソポアシリケート300mgに代えて、実施例5
で調製したモリブデン含有メソポアシリケート300m
gを用いた以外は実施例12と同様に実施して、2−メ
トキシシクロヘキサノールを、収率55%で得た。1,
2−シクロヘキサンジオールが、収率1%で生成してお
り、原料シクロヘキセンが、42%回収された。
【0126】実施例16<モリブデン含有メソポアシリ
ケートを触媒とするアルコール類共存下のオレフィン類
の酸化> 実施例12において、実施例2で調製したタングステン
含有メソポアシリケート300mgに代えて、実施例6
で調製したモリブデン含有メソポアシリケート300m
gを用いた以外は実施例12と同様に実施して、2−メ
トキシシクロヘキサノールを、収率29%で得た。1,
2−シクロヘキサンジオールは検出されず、原料シクロ
ヘキセンが、70%回収された。
【0127】実施例17<タングステン含有メソポアシ
リケートを触媒とするアルコール類共存下の芳香族アル
デヒド類の酸化> 磁気回転子および還流冷却管を付した100mLフラス
コに、実施例2で調製したタングステン含有メソポアシ
リケート50mg、メタノール5gおよびベンズアルデ
ヒド500mgを仕込み、内温65℃に昇温した。攪拌
しながら、30重量%過酸化水素水1.6gとメタノー
ル5gからなる混合液を、3時間かけて滴下し、同温度
でさらに1時間攪拌、保持し、反応させた。得られた反
応液をGC分析(内部標準法)したところ、安息香酸メ
チルが、収率71%で生成しており、原料ベンズアルデ
ヒドが25%回収された。
【0128】実施例18<タングステン含有メソポアシ
リケートを触媒とするアルコール類共存下の芳香族アル
デヒド類の酸化> 実施例17において、実施例2で調製したタングステン
含有メソポアシリケート50mgに代えて、実施例4で
調製したタングステン含有メソポアシリケート50mg
を用いた以外は実施例17と同様に実施して、安息香酸
メチルを収率75%で得た。原料ベンズアルデヒドは2
0%回収された。
【0129】実施例19<モリブデン含有メソポアシリ
ケートを触媒とするアルコール類共存下の芳香族アルデ
ヒド類の酸化> 実施例17において、実施例2で調製したタングステン
含有メソポアシリケート50mgに代えて、実施例5で
調製したモリブデン含有メソポアシリケート50mgを
用いた以外は実施例17と同様に実施して、安息香酸メ
チルを収率75%で得た。原料ベンズアルデヒドは20
%回収された。
【0130】実施例20<バナジウム含有メソポアシリ
ケートを触媒とするアルコール類共存下の芳香族アルデ
ヒド類の酸化> 実施例17において、実施例2で調製したタングステン
含有メソポアシリケート50mgに代えて、実施例7で
調製したバナジウム含有メソポアシリケート50mgを
用いた以外は実施例17と同様に実施して、安息香酸メ
チルを収率95%で得た。原料ベンズアルデヒドは2%
回収された。
【0131】実施例21<タングステン含有メソポアシ
リケートを触媒とする環状ケトン類の酸化> 磁気回転子および還流冷却管を付した50mLフラスコ
に、実施例2で調製したタングステン含有メソポアシリ
ケート100mg、60重量%過酸化水素水340m
g、アセトニトリル5gおよびシクロペンタノン500
mgを加え、内温80℃で4時間攪拌、保持し、反応さ
せた。得られた反応液をGC分析(内部標準法)したと
ころ、δ−バレロラクトンが収率22%で生成してい
た。原料シクロペンタノンは77%回収された。
【0132】
【発明の効果】本発明によれば、入手容易なタングステ
ン金属、モリブデン金属、バナジウム金属等と過酸化水
素を反応せしめてなる金属酸化物とケイ素化合物とを、
有機テンプレートの存在下に、反応せしめ、得られた固
体を焼成処理または洗浄処理して得られる新規なタング
ステン等金属含有メソポアシリケートは、酸化反応触媒
能を有すると共に、アルキル化反応触媒能も有してお
り、工業的な観点から、有利な触媒となる。例えば、本
発明の金属含有メソポアシリケート触媒の存在下に、安
価な酸化剤である過酸化水素と、オレフィン類、ケトン
類、芳香族アルデヒド類等の有機化合物を反応させるこ
とにより、β−ヒドロキシヒドロペルオキシド類やジオ
ール類、ラクトン類、2−アルコキシアルコール類、芳
香族エステル類等の含酸素有機化合物を製造することが
できる。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タングステン金属、モリブデン金属、バナ
    ジウム金属、タングステン化合物(ただし、タングステ
    ン酸化物を除く。)、モリブデン化合物(ただし、モリ
    ブデン酸化物を除く。)およびバナジウム化合物(ただ
    し、バナジウム酸化物を除く。)からなる群から選ばれ
    る少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる金
    属酸化物と、ケイ素化合物とを、有機テンプレートの存
    在下に反応せしめ、得られた固体を洗浄処理または焼成
    処理せしめてなることを特徴とするタングステン、モリ
    ブデンおよびバナジウムからなる群から選ばれる少なく
    とも一種を含有する金属含有メソポアシリケート。
  2. 【請求項2】有機テンプレートが、アルキルアミンまた
    は第四級アンモニウム塩である請求項1に記載の金属含
    有メソポアシリケート。
  3. 【請求項3】ケイ素化合物が、テトラアルコキシシラン
    である請求項1に記載の金属含有メソポアシリケート。
  4. 【請求項4】アルキルアミンが、一級アミンである請求
    項2に記載の金属含有メソポアシリケート。
  5. 【請求項5】第四級アンモニウム塩が、水酸化テトラア
    ルキルアンモニウムである請求項2に記載の金属含有メ
    ソポアシリケート。
  6. 【請求項6】平均細孔径が10〜100オングストロー
    ムの細孔を有する請求項1に記載の金属含有メソポアシ
    リケート。
  7. 【請求項7】比表面積が、100m2/g以上である請
    求項1に記載の金属含有メソポアシリケート。
  8. 【請求項8】タングステン金属、モリブデン金属、バナ
    ジウム金属、タングステン化合物(ただし、タングステ
    ン酸化物を除く。)、モリブデン化合物(ただし、モリ
    ブデン酸化物を除く。)およびバナジウム化合物(ただ
    し、バナジウム酸化物を除く。)からなる群から選ばれ
    る少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる金
    属酸化物と、ケイ素化合物とを、有機テンプレートの存
    在下に反応せしめ、得られた固体を洗浄処理または焼成
    処理せしめることを特徴とするタングステン、モリブデ
    ンおよびバナジウムからなる群から選ばれる少なくとも
    一種を含有する金属含有メソポアシリケートの製造方
    法。
  9. 【請求項9】有機テンプレートが、アルキルアミンまた
    は第四級アンモニウム塩である請求項8に記載の金属含
    有メソポアシリケートの製造方法。
  10. 【請求項10】ケイ素化合物が、テトラアルコキシシラ
    ンである請求項8に記載の金属含有メソポアシリケート
    の製造方法。
  11. 【請求項11】アルキルアミンが、一級アミンである請
    求項9に記載の金属含有メソポアシリケートの製造方
    法。
  12. 【請求項12】第四級アンモニウム塩が、水酸化テトラ
    アルキルアンモニウムである請求項9に記載の金属含有
    メソポアシリケートの製造方法。
  13. 【請求項13】タングステン金属、モリブデン金属、バ
    ナジウム金属、タングステン化合物(ただし、タングス
    テン酸化物を除く。)、モリブデン化合物(ただし、モ
    リブデン酸化物を除く。)およびバナジウム化合物(た
    だし、バナジウム酸化物を除く。)からなる群から選ば
    れる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる
    金属酸化物と、ケイ素化合物とを、有機テンプレートの
    存在下に反応せしめ、得られた固体を洗浄処理または焼
    成処理せしめてなるタングステン、モリブデンおよびバ
    ナジウムからなる群から選ばれる少なくとも一種を含有
    する金属含有メソポアシリケートの存在下に、過酸化水
    素と有機化合物とを反応させることを特徴とする有機化
    合物の酸化方法。
  14. 【請求項14】タングステン金属、モリブデン金属、バ
    ナジウム金属、タングステン化合物(ただし、タングス
    テン酸化物を除く。)、モリブデン化合物(ただし、モ
    リブデン酸化物を除く。)およびバナジウム(ただし、
    バナジウム酸化物を除く。)化合物からなる群から選ば
    れる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる
    金属酸化物と、ケイ素化合物とを、有機テンプレートの
    存在下に反応せしめ、得られた固体を洗浄処理または焼
    成処理せしめてなる、過酸化水素と有機化合物とを反応
    させて、該有機化合物を酸化するためのタングステン、
    モリブデンおよびバナジウムからなる群から選ばれる少
    なくとも一種を含有する金属含有メソポアシリケート触
    媒。
  15. 【請求項15】タングステン金属、モリブデン金属、バ
    ナジウム金属、タングステン化合物(ただし、タングス
    テン酸化物を除く。)、モリブデン化合物(ただし、モ
    リブデン酸化物を除く。)およびバナジウム化合物(た
    だし、バナジウム酸化物を除く。)からなる群から選ば
    れる少なくとも一種と過酸化水素とを反応せしめてなる
    金属酸化物と、ケイ素化合物とを、有機テンプレートの
    存在下に反応せしめ、得られた固体を洗浄処理または焼
    成処理せしめてなるタングステン、モリブデンおよびバ
    ナジウムからなる群から選ばれる少なくとも一種を含有
    する金属含有メソポアシリケートの存在下に、過酸化水
    素と有機化合物とを反応させることを特徴とする含酸素
    有機化合物の製造方法。
  16. 【請求項16】有機化合物が、オレフィン類であり、含
    酸素有機化合物が、ジオール類またはβ−ヒドロキシヒ
    ドロペルオキシド類である請求項15に記載の含酸素有
    機化合物の製造方法。
  17. 【請求項17】有機化合物が、オレフィン類であり、一
    級または二級アルコール類の共存下に反応を実施し、含
    酸素有機化合物が、β−アルコキシアルコール類である
    請求項15に記載の含酸素有機化合物の製造方法。
  18. 【請求項18】有機化合物が、環状ケトン類であり、含
    酸素有機化合物が、ラクトン類である請求項15に記載
    の含酸素有機化合物の製造方法。
  19. 【請求項19】有機化合物が、芳香族アルデヒド類であ
    り、一級または二級アルコール類の共存下に反応を実施
    し、含酸素有機化合物が、芳香族エステル類である請求
    項15に記載の含酸素化合物の製造方法。
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