JP2003300042A - 金属含有プラスチック製品処理方法及び処理装置 - Google Patents

金属含有プラスチック製品処理方法及び処理装置

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JP2003300042A JP2003025793A JP2003025793A JP2003300042A JP 2003300042 A JP2003300042 A JP 2003300042A JP 2003025793 A JP2003025793 A JP 2003025793A JP 2003025793 A JP2003025793 A JP 2003025793A JP 2003300042 A JP2003300042 A JP 2003300042A
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属材料を備えたプラスチック製品を油内に
投入することによってプラスチック材料を溶解させて金
属材料等を回収する方法において、発火を抑えて安全に
処理できるようにする。 【解決手段】 動物骨を焼成して得られた焼成骨材を油
に配合してなるアパタイト混合油を所定温度に加熱して
おき、当該アパタイト混合油中に金属含有プラスチック
製品を投入する。当該製品中のプラスチック材料は加熱
溶解されプラスチック材料と金属材料とに分離する。こ
の際、油層の下方に水層を形成することによって、加熱
溶解したプラスチック材料を油層上部に浮上させ、金属
材料を水層内に沈降させて分離する。アパタイト混合油
を使用することによって発火を抑えることができ、さら
にこの油層の下に水層を設けることで一層発火を抑える
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材料を備えた
熱可塑性プラスチック製品から有価物としての金属材料
等を回収する金属含有プラスチック製品処理方法及び当
該処理方法を好適に実現するための処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】OA機器、携帯端末、携帯電話、テレ
ビ、掃除機、冷蔵庫などの各種電気製品、特にこれらの
制御部に用いられているプリント配線基盤、更には溶融
管継手、樹脂被覆電線、光ケーブル、繊維強化プラスチ
ックなど、金属材料と一体に形成された金属含有プラス
チック製品は数多く存在する。
【0003】これらの金属含有プラスチック製品の廃棄
処理、或いは製造過程において成形不良となった製品の
再利用処理においては、金属材料とプラスチック材料と
をきれいに、しかも効率良く分離することが求められ
る。そこで従来、そのための処理方法として、金属含有
プラスチック製品のプラスチック材料を加熱溶解させて
金属材料等と分離させる処理方法が各種提案されてき
た。
【0004】例えば、特許文献1(特開平5−1470
41号)は、食用廃油を170〜175℃に加温し、こ
の食用廃油中に金属含有プラスチック製品を投入すると
共に食用廃油を攪拌してプラスチックを溶解させ、金属
素材が剥き出しになったところで食用廃油の加熱を中止
して自然冷却させ、その後、食用廃油中から金属素材を
取り出すというプラスチック廃棄物の金属素材選別方法
を開示している。また、特許文献2(特開昭10−13
7734号)は、プラスチック材が軟化溶融する温度に
加熱されたてんぷら油などの植物性油内に、OA機器や
家電製品などの電気製品の廃棄物を投入し、軟化溶融し
て植物性油の上部に浮上した溶解プラスチック材を取り
出し、その後、油槽内に残留する金属材を取り出す電気
製品の廃棄物の処理方法を開示している。
【0005】
【特許文献1】特開平5−147041号公報
【特許文献2】特開昭10−137734号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記提案の如く、加熱
媒体としての油中に金属含有プラスチック製品、例えば
携帯電話などを投入すると、食品を油で揚げる如くプラ
スチック材料が加熱溶解して塊となって油上に浮上する
一方、その他の金属材料等は油底に沈降することを本発
明者は確かめることができた。
【0007】しかしそれと同時に、上記提案の如く油中
にプラスチック材料を投入すると、プラスチック材料が
溶融した際に発火する場合があり、この発火を防ぐ手段
を講じなければ実際に実施することは難しいことも分か
った。
【0008】そこで本発明は、金属含有プラスチック製
品の処理において、プラスチック材料を油層中で安全か
つ効率良く加熱溶解させることができる金属含有プラス
チック製品の処理方法及びその処理に用いる装置を提供
せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、動物骨を焼
成して得られた焼成骨材を油に配合してなるアパタイト
混合油を所定温度に加熱する工程、このアパタイト混合
油中に金属含有プラスチック製品を投入し、当該製品中
のプラスチック材料を加熱溶解させてプラスチック材料
と金属材料とを分離する工程を包含する金属含有プラス
チック製品処理方法を提案する。
【0010】焼成骨材を配合してなるアパタイト混合油
を加熱媒体とすれば、金属含有プラスチック製品のプラ
スチック材料を加熱溶解し、金属材料とプラスチック材
料とををきれいに分離することができることは勿論、油
及びプラスチック材料の発火を防ぐことができる。これ
は、プラスチック材料が加熱溶解した際に発生するガス
等を焼成骨材、特にその気孔が吸収するために発火を抑
えることができるものと考えることができる。なお、上
記金属含有プラスチック製品処理方法において、焼成骨
材と共に、或いはその代わりに後述する難燃剤を配合し
てもよい。
【0011】本発明者はまた、冷却媒体としての水層上
に加熱媒体としての油層を形成し、当該油層を所定温度
に加熱する工程、当該油層中に金属含有プラスチック製
品を投入し、当該製品中のプラスチック材料を加熱溶解
させ、プラスチック材料を油層上部に浮上させ、金属材
料を水層内に沈降させてプラスチック材料と金属材料と
を分離する工程を包含する金属含有プラスチック製品処
理方法を提案する。
【0012】プラスチック材料を加熱溶解する加熱媒体
としての油層の下層に冷却媒体としての水層を形成する
ことによって、油層の温度が必要以上に上がるのを抑え
ることができ、油及びプラスチック材料の発火を防ぐこ
とができる。この場合の油層をアパタイト混合油又は難
燃剤配合油から構成すればより一層確実に発火を防ぐこ
とができる。しかも、比重差によってプラスチック材料
を油層内に浮上させ、金属材料などを水層内に沈降させ
ることができ、プラスチック材料と金属材料等とをより
一層きれいに分離することができる。また、油煙の原因
となる微細な炭化物が油層中に残らないようになるた
め、油煙を抑制することにもなる。
【0013】本発明者は、金属含有プラスチック製品の
処理に用いる装置に関し、動物骨を焼成して得られた焼
成骨材を油に配合して調製したアパタイト混合油或いは
難燃剤を油に配合してなる難燃剤配合油からなる油層を
有する分離処理槽を備えた金属含有プラスチック製品処
理装置を提案する。また、かかる構成の金属含有プラス
チック製品処理装置において、分離処理槽の油層の下方
に水層を形成する構成を備えた金属含有プラスチック製
品処理装置も提案する。
【0014】さらに本発明者は、油層を内部に備え、当
該油層を所定温度に加熱する機能を備えた分離処理槽
と、金属含有プラスチック製品を油層内で移送する製品
搬送手段と、油層上部に浮上して来る浮上物を回収する
浮上物回収手段とを備えた金属含有プラスチック製品処
理装置を提案する。金属含有プラスチック製品が製品搬
送手段によって油層内を移送される間に、加熱された油
によって当該製品中のプラスチック材料が溶解して当該
製品から分離し油層上部に浮上する。浮上したプラスチ
ック材料は浮上物回収手段により回収され、製品中の金
属材料等は製品搬送手段に残留してそのまま搬送され回
収される。かかる構成を備えた装置において、分離処理
槽は、少なくとも油層上部に一定方向の流れを形成する
機能を備えた構成とするのが好ましい。このように構成
すれば、油層上部に浮上して来る浮上物を浮上物回収手
段で容易に回収することができる。
【0015】さらにまた、本発明者は、金属含有プラス
チック製品処理装置として、油層及び水層を内部に備
え、当該油層を所定温度に加熱する機能及び当該油層の
油を水平方向に循環させる機能を備えた分離処理槽と、
金属含有プラスチック製品を油循環方向に油層内を移送
し得る製品搬送手段と、油層上部に浮上して来る浮上物
を回収する浮上物回収手段と、水層内に沈降して来る沈
降物を回収する沈降物回収手段とを備えた金属含有プラ
スチック製品処理装置を提案する。具体的には、例えば
油層の一部の下方に水層を形成し、金属含有プラスチッ
ク製品を当該油層内を水層上方まで移送するように構成
することができる。このように構成すれば、油層内を移
送中にプラスチック材料は溶解して油層上部に浮上して
浮上物回収手段に回収され、最後まで製品搬送手段に残
留する金属等は水層中に沈降して沈降物回収手段に回収
される。また、本発明者が提案する金属含有プラスチッ
ク製品処理装置の油層表面には、二酸化炭素、窒素など
の不燃性ガスを噴射するなどして、不燃性ガスを存在さ
せる機能を備えているのが好ましい。このようにすれ
ば、油層及びプラスチック材料(浮上物)の発火をより
一層防ぐことができる。
【0016】なお、本発明が提案する金属含有プラスチ
ック製品処理方法を実現するためには、本発明の金属含
有プラスチック製品処理装置を使用しなければならない
という意図は有していない。本発明の金属含有プラスチ
ック製品における金属材料に代えて、ガラス材料やセラ
ミックスなど、溶解温度がプラスチック材料と明らかに
異なる材料にも適用可能であり、本発明においてこれら
の材料は金属材料の均等物と考えることができる。本発
明において「金属含有プラスチック製品」とは、OA機
器、携帯端末、携帯電話、テレビ、掃除機、冷蔵庫など
の各種電気製品、特にこれらの制御部に用いられている
プリント配線基盤、更には溶融管継手、樹脂被覆電線、
光ケーブル、繊維強化プラスチックなど、金属材料とプ
ラスチック材料とが一体に形成された製品を意味する。
また、本明細書において、金属材料等が水層に沈降す
る、或いは金属材料等の沈降物において、「沈降」には
油層上部に浮上しない状態、例えば製品搬送手段上に残
留する状態も包含している。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づき、本発明の
実施形態について説明する。
【0018】(実施例1)処理装置1は、図1に示すよ
うに、加熱媒体としての油を収容して内部に油層Aを形
成することが可能であって、油層A中に金属含有プラス
チック製品を投入すると、当該製品のプラスチック材料
を加熱溶解し、加熱溶解したプラスチック材料を比重差
によって浮上させる一方、金属材料などを比重差によっ
て沈降させることができる分離処理槽2と、金属含有プ
ラスチック製品を分離処理槽2内に投入して油層A内を
移送する製品搬送手段3と、分離処理槽2の底部に沈降
して来る金属材料等を回収する沈降物回収手段4と、沈
降物回収手段4が回収した沈降物を収容する沈降物収容
槽5と、分離処理槽2の上部に浮上して来るプラスチッ
ク材料等を回収する浮上物回収手段6と、浮上物回収手
段6が回収した浮上物を収容する浮上物収容槽7と、分
離処理槽2から発生する油煙などのガスを回収するガス
回収手段8と、加熱媒体としての油を所定温度に加熱
し、処理装置1内に供給する油加熱装置9と、を備えて
いる。
【0019】分離処理槽2は、単に加熱媒体としての油
を収容するだけでなく、環状に一連となった油循環路槽
10を備え、当該油を水平方向に循環させる機能を備え
ている。油循環路槽10は、例えば図1に示すように、
上面視細長楕円形状を呈する外壁10a内の中央部に長
さ方向に沿って区画壁10bを設け、当該区画壁10b
の外周に沿って油が水平方向に循環するように形成する
ことができる。但し、このような構成に限定するもので
はない。油循環路槽10内において油を一定方向に循環
させる手段としては、後述するように油加熱装置9から
油循環路槽10内への油の供給によって油循環路槽10
内において油を一定方向に循環させ得るように構成する
こともできる。その他、例えば油循環路槽10内に別途
ポンプを設けたり、製品搬送手段3のコンベア3aに羽
根を設けて流れを形成するようにしたり、或いは油循環
路槽10内に攪拌羽根を配設したり、任意の手段を採用
することも可能である。油循環路槽10の外壁10aの
一部を耐熱ガラスや耐熱透明プラスチック等の耐熱性を
備えた透明素材から形成して油循環路槽10内部の様子
を観察できるように構成することもできる。
【0020】分離処理槽2には水貯留部11を設けて油
層Aの下方に水層Bを形成し得るように構成すると共
に、この水貯留部11内の水層Bの水温を一定以下に維
持するために水貯留部11に連通させて水冷却装置12
を並設してある。
【0021】水貯留部11は、図2に示すように、油循
環路槽10内の適宜箇所(図では左上コーナー部分)に
一段深い陥没部11aを設けると共に、この陥没部11
aの底面11bを循環路10の外壁10aの外側まで延
設し、外壁10aの外側において当該底面11bから周
側面11cを立設し、これら陥没部11a及び周側面1
1cに囲まれた空間内に水を収容できるように構成して
ある。当該空間すなわち水貯留部11に水を入れ、その
上から分離処理槽2内に油を入れれば油層Aの下方に水
層Bを形成することができる。循環路10の外壁10a
の下端部には水位計15を配設してあり、水層部Bの水
位を常に観察できるようにしてある。
【0022】水冷却装置12は、水貯留部11部分の外
壁10aに導管12a、12bを挿通させ、これら導管
12a、12bを介して冷却槽12cを水貯留部11内
と連通させてあり、水貯留部11内の水を導管12aを
通じて回収し、回収した水を冷却槽12cにおいて所定
温度まで冷却し、そして導管12bを通じて再び水貯留
部11内に供給し得るように構成してある。なお、冷却
槽12cにおける冷却手段(熱交換手段)は任意の冷却
手段を採用可能である。
【0023】沈降物回収手段4は、水貯留部11内に配
設してある。沈降物回収手段4は、図2に示すように、
水貯留部11の底面11bに沿ってコンベア4aを配設
すると共に、このコンベア4aを傾斜部4bを介して分
離処理槽2の外側の沈降物収容槽5まで延設し、水貯留
部11内に投入され沈降して来る沈降物をコンベア4a
上で受けとめ、コンベア4a上に載せたまま沈降物を沈
殿物収容槽5まで搬送し得るように構成してある。コン
ベア4aに磁石などを付設し、金属材料を確実に回収で
きるように構成することも可能である。
【0024】製品搬送手段3は、油循環路槽10におい
て、沈降物回収手段4の少なくとも上流側、本例の場合
には沈降物回収手段4から略一周分上流位置(図の左下
コーナー部分)を製品投入部とするように、すなわちこ
の部分から製品を油層A中に投入するように設けてあ
る。製品搬送手段3は、図3に示すように、分離処理槽
2の外側から分離処理槽2の底部付近にかけて斜めにコ
ンベア3aを配設すると共に、当該コンベア3aを油循
環路槽10の底部に沿うように上記陥没部11aの上縁
付近まで延設し、コンベア3a上に金属含有プラスチッ
ク製品を載せて油循環路槽10に沿って油層A内を移送
し得るように構成してある。この移送中に製品のプラス
チック材料は加熱溶解して製品から離脱するから、コン
ベア3a上に残留する金属材料等の沈降物を水貯留部1
1まで搬送してその中に投入することができるようにも
構成してある。但し、製品搬送手段3のコンベア3a
と、沈降物回収手段4のコンベア4aとを連結させて連
続した一本のコンベアを構成することも可能である。
【0025】浮上物回収手段6は、油循環路槽10内に
おける上記製品投入部の少なくとも下流側、本例の場合
には、当該製品投入部から略半周分下流位置(図の右下
コーナー部分)に配設してある。この浮上物回収手段6
は、図3に示すように、油循環路槽10の略全幅にわた
るコンベア6aの先端部分を油層A内に斜めに適宜長さ
突入させると共に、傾斜部6bを介して当該コンベア7
aの他端部を分離処理槽2の外側まで延設し、油層A上
部に浮上して来るプラスチック材料などの浮上物をコン
ベア6a上に収拾し、当該浮上物を分離処理槽2の外側
に配設してある浮上物収容槽7まで移送し得るように構
成してある。
【0026】油加熱装置9は、分離処理槽2の適宜箇
所、本例の場合には油循環10の右上コーナー部分に導
管9a、9bを連結し、これら導管9a、9bを介して
加熱槽9cを油循環路槽10に連通させ、油循環路槽1
0内の油を導管9aを通じて引き込み、引き込んだ油を
加熱槽9cにおいて所定温度まで加熱し、導管9bを通
じて再び油循環路槽10内に供給し得るように構成する
と共に、さらに本例では、油加熱装置9から油循環路槽
10内への油の供給によって油循環路槽10内において
油を一定方向に循環させ得るようにも構成してある。
【0027】加熱槽9cにおける加熱手段(熱交換手
段)は、電気ヒーター、燃焼バーナーなど任意の加熱手
段を採用可能であるが、設定温度を適宜調整することが
できる加熱手段を採用するのが好ましい。また、油層A
の温度制御に関しては、油循環路槽10の底部に沿って
温度設定ヒーターを配設し、分離処理槽2内の油の温度
を所定温度に確実に維持できるように構成することも可
能である。
【0028】ガス回収手段8は、分離処理槽2の上方
に、本例の場合には油循環路槽10上を覆うようにフー
ド状の回収口8aを設け、当該回収口8aをガス送通管
8bに収束させ、このガス送通管8bを排ガス処理槽3
0に連通させて構成してある。また、ガス送通管8b内
には、動物の骨を焼成してなる焼成骨材を含有してなる
アパタイトフィルター13を配設し、回収したガス中の
有害成分をこのアパタイトフィルター13で吸着し得る
ようにしてある。
【0029】アパタイトフィルター13は、例えば、動
物の骨に熱を加えて繊維状或いはフィラメント状に形成
してなる動物骨製繊維、又は、動物の骨を煮沸しこれを
加熱溶解して繊維状又はフィラメント状に形成してなる
動物骨製繊維をシート状に形成したものを使用すること
ができる。動物の骨は、アルカリ化作用、抗菌性、吸着
性などの各種作用を備えているが、これを繊維状或いは
フィラメント状としたものは比表面積が大きいためにこ
れら各種作用がより一層優れている。
【0030】なお、ガス回収手段8の構造は、分離処理
槽2内で発生したガス及び煙を吸引し得る構成であれば
その具体的構成は任意であり、必ずしもアパタイトフィ
ルター13を配設する必要もない。また、ガス回収手段
8は、分離処理槽2の上方ばかりでなく、側方,特に四
側方をも覆うように配設することがより一層好ましい。
また、回収口8aからガス送通管8b内に向けて窒素や
二酸化炭素などの不燃性ガスを噴射させたり、或いはア
パタイトフィルター13に向けて不燃性ガスを噴射させ
たりして、ガス回収手段8内に不燃性ガスを存在させる
ように構成してもよい。これにより、収集したガスの発
火をより一層確実に防ぐことができる。
【0031】排ガス処理槽30は、図4に示すように、
貯液槽31と、この貯液槽31に連通した液浄化槽33
と、ガス送出管35とを備えている。貯液槽31の内部
には円筒状の仕切壁32を設け、仕切壁32で囲まれた
壁内側部31aとその外側の壁外側部31bとに仕切
り、壁内側部31aには焼成骨材を散在させた水を入
れ、壁外側部31bには水を入れてある。焼成骨材につ
いては詳しく後述するが、焼成骨材は極めて吸着能に優
れており、ガス中の成分を吸着することができる。仕切
壁32には多数の孔が設けてあり、水や水の溶解物など
は通過可能であるが、焼成骨材は通過できないようにし
てある。貯液槽31と液浄化槽33とは液送通管34
a、34bを介して連通させてあり、液浄化槽33内の
ポンプ(図示なし)にて貯液槽31内の汚れた水を液送
通管34bを介して吸引し、液浄化槽33にて浄化した
後、液送通管34aを介して貯液槽31内に供給するよ
うに構成してある。なお、液浄化槽33の浄化手段は任
意の手段を採用可能である。
【0032】上記構成を備えた排ガス処理槽30の貯液
槽31内に、ガス送通管8bの先端部を延設し、その先
端部を水中に突入させてある。また、ガス送通管8bの
先端部付近内部に吸引装置(ブロウ)36を配設してあ
り、ガス回収手段8が集めたガスをガス送通管8bを介
して貯液槽31内の水中に供給しバブリングするように
構成してある。以上のように、ガス回収手段8に集めら
れたガスは、ガス送通管8bを介して貯液槽31内の水
中にバブリングされ、ガス中の有害成分(窒素系、硫黄
系など)は水に溶解するか或いは焼成骨材に吸着され
る。そして、水面上に到達したガスはガス送出管35に
よって系外に送り出される。他方、有害物質を含んだ水
は液送通管34bを介して液浄化槽33に送られ、液浄
化槽33にて浄化され後、液送通管34aを介して貯液
槽31内に戻されるようにしてある。ガス送出管35を
更に別の排ガス処理槽に連通させ、更に浄化処理するよ
うに構成することもできる。
【0033】(油層A:熱媒体)熱媒体としての油すな
わち油層Aを構成する油としては、鉱物油、動物油又は
植物油をそのまま使用することも可能であるが、次に説
明するアパタイト混合油を使用するのが好ましい。
【0034】アパタイト混合油は、鉱物油、動物油或い
は植物油、或いはこれらの二種類以上を混合してなる油
に、下記アパタイトすなわち焼成骨材を配合し、更に好
ましくは難燃剤を配合して調製することができる。
【0035】アパタイト混合油の好ましい一例として、
植物油と鉱物油とを7:3で配合した混合油に焼成骨材
を3〜10重量%、難燃剤としての塩化カルシウム又は
シリコンを2〜10重量%配合したものを挙げることが
できる。
【0036】(焼成骨材)油層A内のアパタイト混合油
に混入する焼成骨材、並びに排ガス処理槽20の貯液槽
21内の水中に混入する焼成骨材について説明する。焼
成骨材としては、動物の骨を適当な大きさに切断乃至粉
砕し、煮沸し、焼成したものを用いることができる。原
料とする「動物の骨」は、哺乳類、魚類、鳥類、その他
の生物の骨、貝殻及びサンゴからなる群から選択される
1種或いは2種類以上を用いることができるが、牛、
馬、羊等の草食動物の硬骨を主体とするもの、中でも畜
産場等で廃棄される生骨が好ましい。なお、豚、猪等は
軟骨が多く、製造途中の煮沸工程で大部分が溶けてしま
う可能性がある。原料とする「動物の骨」は、適度な大
きさ(例えば5mm〜50mm、好ましくは5mm〜3
0mm)に切断乃至粉砕して破砕片状、粒子状、或いは
粉状とした後に煮沸するのが好ましい。この際、あまり
に細かな粉状とすると熱圧によって骨材の溶解速度が遅
くなる。なお、骨材の破砕は、煮沸後の骨材を一旦凍結
庫(冷凍庫)等内で凍結させ、凍結した骨を粉砕するよ
うにしてもよい。煮沸後の骨は気孔の中に多数の水分が
残存しているため凍結し易く、凍結した骨は粉砕くなる
からである。この際の凍結時の温度はマイナス100度
〜マイナス40度程度で時間は1〜3時間前後とするの
が好ましい。煮沸は、にかわ、エナメル、脂肪、骨ずい
等の有機物を骨から分離除去するための工程であり、煮
沸によって骨の外側のみならず気孔内に付着している有
機物をも分離除去することができる。具体的に煮沸工程
では、上記処理した骨を圧力釜(圧縮釜)に投入し、5
気圧前後の圧力をかけて約200〜400℃で60分程
度煮沸する。この際、圧力釜の中にカセイソーダ又は製
造済みの骨粉を混入して煮沸すれば、カセイソーダや水
酸化カリウム等のアルカリの作用で有機物が鹸化されて
水に溶けやすくなり、有機物の分離作用が促進されて骨
から除去されやすくなるから、煮沸時間を短縮すること
ができる。この場合のカセイソーダまたは骨粉の混入量
としては、生骨200kg に対してカセイソーダを20
0〜300cc または骨粉を500g 〜1kg 程度混入す
るのが好ましい。このようにして得られた動物骨粒は9
00°C〜1100°C前後で焼成する。これによって
有機物などを充分に除去することができる。焼成した骨
材は、冷却後、必要に応じてパウダー機にかけて20〜
200メッシュ前後、例えば50〜100メッシュの粉
状の骨粉に粉砕した後充分に乾燥させておくのが好まし
い。この際、カセイソーダで処理することにより有機物
その他の汚れをより一層完全に落とすことができる。以
上の製造方法によれば、例えば、牛骨を原料とした場合
であれば原料生骨の重量比約40%の骨粉を得ることが
でき、当該骨粉は、カルシウム(約33重量%)を主成
分とし、リン(約16.7%)、バリウム(約1.03
%),ナトリウム(約0.76%),イオウ(約0.6
4%)、他にマグネシウム、カリウム、塩素、アミン、
鉄等を含有する。また、粒子の内外に渡って無数の微小
気孔が連通存在し、イオン化すればカルシウム、ナトリ
ウム等によりアルカリ性を呈する。このような焼成骨材
を油中に混入することで、油の酸化を抑えることができ
るほか、油の発火を抑えることができ、更には脱臭材と
しても作用する。
【0037】(難燃剤)難燃剤としては、臭素−アンチ
モン系難燃剤、有機リン系難燃剤(赤燐粒子、赤燐粒子
を樹脂コーティングした粒子、酸化チタン+赤燐粒子、
更に酸化アルミニウムを配合した粒子など)、無機水和
物系難燃剤、モリブデン酸亜鉛やシリコーン系ポリマー
を配合した非ハロゲン−非アンチモン系難燃剤、塩化カ
ルシウム、重曹、ミョウバンその他の難燃剤のいずれか
或いはそれらの二種類以上の組合わせを用いることがで
きる。中でもシリコン、重曹、ミョウバンなどが好まし
く、混入量としては油に対して2〜10重量%程度が好
ましい。
【0038】(金属含有プラスチック製品処理方法)次
に、上記の処理装置1を用いた金属含有プラスチック製
品処理方法の一例について説明する。
【0039】製品投入までの準備として、水貯留部11
に水を入れ、分離処理槽2内には油、好ましくはアパタ
イト混合油を入れ、分離処理槽2内に油層A及び水層B
を形成する。次に、油加熱装置9を作動させ、油循環路
槽10内の油層Aの温度を所定温度に加熱すると共に、
油循環路槽10内の油を一定方向に循環させる。
【0040】上記準備が終了したら、図3に示すよう
に、コンベア3a上に金属含有プラスチック製品(x+
y)を順次載せ、製品(x+y)を油層A内に投入す
る。ちなみに、金属含有プラスチック製品(x+y)の
「x」はプラスチック材料、「y」は金属材料等を示
し、「(x+y)」はプラスチック材料xと金属材料等
yが一体となった金属含有プラスチック製品を示してい
る。コンベア3a上の各金属含有プラスチック製品(x
+y)は、コンベア3a上に載ったまま油層A内を油循
環路槽10に沿って移送される。製品(x+y)が油層
A内を移送される間、熱媒体としての油によって製品
(x+y)は加熱され、溶融温度の低いプラスチック材
料xは油の熱によって加熱溶解して金属材料等yなどか
ら分離し、油層Aとの比重差によってプラスチック材料
xは塊となって油層A上部に浮上する。そして油層Aの
循環流に流されて浮上物回収手段6に到達し、ここでコ
ンベア6a上に収拾され、コンベア6aにより浮上物収
容槽7まで搬送され回収される。なお、分離が遅れて一
周目でプラスチック材料xを浮上物回収手段6が回収で
きない場合でも、油層Aは循環しているから次の周で回
収することができる。その一方、金属材料yなどはその
まま浮上することなくコンベア3a上に沈降した状態で
残留し、図2に示すように、コンベア3a上を移送され
貯留部11内に投入される。そして、水貯留部11内す
なわち水層B内を沈降してコンベア4a上に収拾され、
沈降物収容槽5まで搬送され回収される。
【0041】また、油層A上に発生した油煙及びその他
のガスは、回収口8aに回収され、ガス送通管8bを通
じて排ガス処理槽30に送られ、浄化処理される。
【0042】なお、上記処理において、加熱媒体として
の油(油層A)の温度は、一般的には100℃〜400
℃に設定するのが好ましい。ガラスなどの金属及びプラ
スチック以外の材料が含まれる場合には、溶解温度の低
い順に上記同様に処理すれば、それぞれを分離回収する
ことができる。
【0043】(実施例2)次に、上記処理装置1とは異
なる構成の処理装置21について説明する。
【0044】処理装置21は、図5に示すように、加熱
媒体としての油層Aとその下方の水層Bとを内部に収容
可能であって、油層A中に金属含有プラスチック製品を
投入すると、当該製品のプラスチック材料を加熱溶解
し、加熱溶解したプラスチック材料を比重差によって油
層A上部に浮上させる一方、金属材料などは比重差によ
って水層B内に沈降させることができる分離処理槽22
と、金属含有プラスチック製品を分離処理槽22内に投
入する製品搬送手段23と、分離処理槽22の底部に沈
降した金属材料等を回収する沈降物回収手段24と、分
離処理槽22の上部に浮上したプラスチック材料等を回
収する浮上物回収手段25と、油層Aの油を所定温度に
加熱する油加熱装置26と、水層Bの温度を所定温度以
下に維持する水冷却装置27と、を備えている。
【0045】分離処理槽22は、上部開放をした凹状を
呈しているが、特にその材料及び形状を特に限定するも
のではない。また、分離処理槽22の外壁の一部を耐熱
ガラスや耐熱透明プラスチックから形成して分離処理槽
22内部の様子を観察することができるように構成する
こともできる。
【0046】製品搬送手段23は、コンベア23aの先
端を分離処理槽22の開口上、好ましくは中央部よりも
手前側寄りの開口上まで延設し、移送して来た製品を分
離処理槽22内に落下投入することができるように構成
してある。
【0047】沈降物回収手段24は、分離処理槽22の
底部にコンベア24aを配設すると共に、傾斜部24b
を介して分離処理槽22の外側まで当該コンベア24a
を延設し、水層B内すなわち分離処理槽22の底部に沈
降して来る沈降物(金属材料など)をコンベア24a上
で受けとめ、コンベア24a上に載せて分離処理槽22
の外側まで移送し得るように構成してある。なお、コン
ベア24aに磁石などを付設し、金属材料を確実に回収
できるように構成することも可能である。
【0048】浮上物回収手段25は、分離処理槽22内
における上記製品搬送手段23とは反対側寄りにおい
て、コンベア25aの先端部分を油層A内に斜めに適宜
長さ突入させると共に、傾斜部25bを介して当該コン
ベア25aの他端部を分離処理槽2の外側まで延設し、
油層A上部に浮上して来たプラスチック材料などの浮上
物をコンベア25a上に収拾し、当該浮上物を分離処理
槽2の外側まで移送し得るように構成してある。
【0049】油加熱装置26は、分離処理槽22の周側
部上部すなわち油層A部分の適宜箇所に導管26a、2
6bを連結し、これら導管26a、26bを介して加熱
槽26cを油層Aに連通させ、油を導管26aを通じて
引き込み、引き込んだ油を加熱槽26cにおいて所定温
度まで加熱し、導管26bを通じて再び分離処理槽22
内に供給し、更にこの供給の際の噴射によって油層Aの
表面層を一定方向に流れを作るように構成してある。加
熱槽26cにおける加熱手段(熱交換手段)は、電気ヒ
ーター、燃焼バーナーなど任意の加熱手段を採用可能で
あるが、設定温度を適宜調整することができる加熱手段
を採用するのが好ましい。
【0050】水冷却装置27は、分離処理槽22の周側
部下部すなわち水層B部分の適宜箇所に導管27a、2
7bを連結し、これら導管27a、27bを介して加熱
槽26cを水層Bに連通させ、水を導管27aを通じて
引き込み、引き込んだ水を冷却槽27cにおいて所定温
度まで冷却し、導管27bを通じて再び分離処理槽22
内に供給し得るように構成してある。冷却槽27cにお
ける冷却手段(熱交換手段)は、任意の冷却手段を採用
可能である。
【0051】かかる構成を備えた処理装置21を用いた
金属含有プラスチック製品処理方法の一例について説明
する。
【0052】製品投入までの準備として、分離処理槽2
2に水を入れた後、油を入れ、油層Aに水層B及び油層
Aを形成する。次に、油加熱装置26及び水冷却装置2
7を作動させ、分離処理槽22内の油層A及び水層Bの
温度を所定温度に調製すると共に、油層Aの表面に一定
方向の流れを形成しておく。
【0053】上記準備が終了したら、コンベア23a上
に金属含有プラスチック製品(x+y)を順次載せ、製
品(x+y)を油層A内に投入する。油層A内に投入さ
れた製品(x+y)は、加熱媒体としての油によって加
熱され、溶融温度の低いプラスチック材料xは油の熱に
よって加熱溶解し、金属材料yなどから分離し、油層A
との比重差によってプラスチック材料xは塊となって油
層A上部に浮上し流れにのって浮上物回収手段25まで
到達し、ここでコンベア25a上に収拾され分離処理槽
22の外側に移送される。その一方、金属製品yなどは
水層B内を沈降してコンベア4a上に収拾され分離処理
槽22の外側まで回収される。
【0054】(実施例3)次に、上記処理装置1、21
とは異なる構成の処理装置41について説明する。
【0055】処理装置41は、図6及び図7に示すよう
に、油層Aを内部に備え、油層Aを所定温度に加熱し得
る機能を備えた分離処理槽42と、金属含有プラスチッ
ク製品を分離処理槽42の油層A内に移送し、油層A内
を移送し、残留物(沈降物)を分離処理槽42の外に搬
出する製品搬送手段43と、製品搬送手段43によって
分離処理槽42の外に搬出されて来る残留物(沈降物)
を収容する沈降物収容槽44と、分離処理槽42の油層
A上部に浮上して来るプラスチック材料等の浮上物を回
収する浮上物回収手段45と、浮上物回収手段45が回
収した浮上物を収容する浮上物収容槽46と、を周囲を
囲まれ略密閉状態にすることができる閉鎖室47内に備
え、この閉鎖室47の天井部47aには、分離処理槽4
2から発生する油煙などのガスを回収するガス回収手段
48を配設してある。
【0056】分離処理槽42は、加熱媒体としての油層
Aを内部に収容可能な貯液槽50と、油層Aを所定温度
に加熱する機能を備えた油加熱装置51と、少なくとも
油層A上部に一定方向の流れを形成する油循環形成手段
52と、を備えている。
【0057】貯液槽50は、本例では直方体状に形成し
てあるが、このような形状に限定するものではない。
【0058】油加熱装置51は、本例では、貯液槽50
内の底部付近数箇所に加熱ヒーターを配設し、油層Aを
100〜250℃に加熱し得るように構成してある。但
し、油加熱装置51は油層Aを所望温度に加熱保持でき
ればこのような構成に制限するものではなく、例えば上
記油加熱装置9と同様に構成することもできる。また、
温度検知装置で油層Aの温度を常に監視し、油層A内を
常に所望温度に保持するのが好ましい。
【0059】油循環形成手段52は、本例の場合、貯液
槽50の長手方向一側端部寄り部位に、貯液槽50の短
手方向略全幅に渡り、貯液槽50の上下部に油層Aの油
が流通し得る間隔ができるように仕切板52aを配設す
ると共に、この仕切板52aによって仕切られた貯液槽
50の一側端部の空間52b内に攪拌羽根52cを配設
して構成してある。攪拌羽根52cを回転させることに
よって空間52b内の油が上昇し、図6の矢印の如く、
油層A上部では製品移送方向の流れが形成され、貯液槽
50の他側端部では下降する流れが形成され、底部では
製品移送方向とは逆の流れが形成される。よって、縦断
面に見ると、油を一定の方向に対流させることができ
る。
【0060】この際、貯液槽50内に収容する油、すな
わち油層Aを構成する油としては、上記同様のアパタイ
ト混合油或いは難燃剤を配合した難燃剤配合油を使用す
るのが好ましい。
【0061】なお、図示はしないが、分離処理槽42の
上縁部付近で、少なくとも油層Aの表面より上方部にガ
ス噴射口を設け、このガス噴射口から油層Aの表面に窒
素や二酸化炭素などの不燃性ガスを噴射させて、油層A
の表面に不燃性ガスを存在させるように構成すれば、油
層Aの発火を確実に防ぐことができる。この際、不燃性
ガスを単に存在させるだけではなく、油面に噴射させる
のが好ましい。
【0062】製品搬送手段43は、貯液槽50の縁まで
金属含有プラスチック製品を移送する移送部43Aと、
当該移送部43Aに連結し、貯液槽50の底部まで下り
傾斜状に金属含有プラスチック製品を移送する移送部4
3Bと、当該移送部43Bに連結し、貯液槽50の底部
に沿って金属含有プラスチック製品を移送する移送部4
3Cと、当該移送部43Cに連結し、貯液槽50の底部
から分離処理槽42の外まで上り傾斜状に残留物(沈降
物)を移送する移送部43Dと、当該移送部43Dに連
結し、残留物(沈降物)を沈降物収容槽44まで移送す
る移送部43Eとから構成してある。具体的には、移送
部43A〜43Eはいずれも、貯液槽50の短手幅と略
同じ幅を有するネット状のコンベアから形成してあり、
この上に製品を載せて搬送することができる。なお、移
送部43D及び移送部43Eに磁石などを付設し、金属
材料を確実に確保できるように構成することもできる。
【0063】浮上物回収手段45は、少なくとも製品搬
送手段43(43B)が油層A内に侵入する位置、すな
わち製品投入部の下流側に設置してある。浮上物回収手
段45は、油層A上部を流れて来る浮上物を収拾するこ
とができれば、その具体的構成については格別な制約は
ない。例えば、上記浮上物回収手段6、25と同様に構
成することもできるし、又、図に示すように、一面を開
口してなる網材からなるケージ45aを、油層A上部で
開口し、かつ油の流れと直交する方向に移動可能に設置
し、開口部から浮上物をケージ内に収拾した後、ケージ
45aが移動して浮上物収容槽46に浮上物を移送する
ように構成することもできる。又、図示はしないが、ネ
ットを油層A上部に配設すると共に、このネットを油の
流れと直交する方向に順次送ることができるように構成
し、ネットが収拾した浮上物を浮上物収容槽46まで移
送し得るように構成することもできる。
【0064】沈降物収容槽44及び浮上物収容槽46の
構成には特別の制約はなく、任意に構成すればよい。例
えば、沈降物収容槽44内に水を収容して残留物(沈降
物)を沈降させるようにしてもよい。
【0065】ガス回収手段48は、略密閉可能な室47
の天井部47aに回収口48aを設け、当該回収口48
aにガス送通管48bを連結して上記ガス回収手段8と
同様に構成してある。
【0066】(金属含有プラスチック製品処理方法)次
に、上記処理装置41を用いた金属含有プラスチック製
品処理方法の一例について説明する。
【0067】製品投入までの準備として、分離処理槽4
2内に油を入れ、油加熱装置51により貯液槽50内の
油層Aの温度を所定温度に加熱し、油循環形成手段52
によって油層Aを図6の図に示すように油を循環させ、
少なくとも油層Aの上部に製品移送方向の流れを形成す
る。なお、加熱媒体としての油(油層A)の温度は、処
理する金属含有プラスチック製品の種類によって適宜調
整するのが好ましいが、一般的には100℃〜400℃
に設定する。
【0068】上記準備完了後、金属含有プラスチック製
品を順次製品搬送手段43(移送部43A)上に載せ、
当該製品を油層A内に移送する。油層Aの中で、製品搬
送手段43(移送部43B及び43C)上の各金属含有
プラスチック製品は、油層A内を移動する間に熱媒体と
しての油によって加熱され、溶融温度の低いプラスチッ
ク材料は油の熱によって加熱溶解され、金属材料等から
分離し、油層Aとの比重差によって塊となって油層A上
部に浮上する。そして、油層A上部の循環流に流されて
浮上物回収手段45に収拾され、浮上物収容槽46まで
搬送される。その一方、プラスチック材料が分離して製
品搬送手段43(移送部43B及び43C)上に残され
た金属材料等(残留物)は、製品搬送手段43(移送部
43C及び43D)に載ったまま油層Aからやがて貯液
槽50の外まで移送され、製品搬送手段43(移送部4
3E)によって沈降物収容槽44まで搬送される。沈降
物収容槽44及び浮上物収容槽46内に回収された沈降
物或いは浮上物を再び分離処理槽42内に投入するよう
にしてもよい。
【0069】なお、実施例1〜3の装置を含む本発明の
処理装置において、分離処理槽の油層A内に、油の流れ
を妨げないように、スクリュー羽根等の攪拌手段を配設
してもよい。浮上物を攪拌手段で攪拌することにより浮
上物に付着した金属材料等を沈降させることができる。
また、実施例1及び3では、製品搬送手段としてコンベ
アを採用しているが、その他任意の搬送手段を採用する
ことができる。例えば、螺旋状に形成されたスクリュー
を油層A内に配設し、スクリューを回転させることで製
品を回転させながら軸方向に搬送する構成を採用するこ
ともできる。また、通液穴を多数備えた円筒内で螺旋状
に形成されたスクリューが回転する構成の搬送手段を油
層A内に配設することもできる。
【0070】また、実施例1〜3の装置を含む本発明の
処理装置において、実施例1の油加熱装置9の如く、分
離処理槽の油層Aの油を別の油処理槽に引き込み、この
油処理槽で油を適宜処理した後、油を分離処理槽に供給
する構成を加えることもできる。この際、油処理槽で
は、油加熱装置9の如く油の温度調整をするようにして
もよいし、又、フィルターを通して油の異物を除去する
ようにしてもよいし、又、油の還元処理を行ってもよ
い。又、古くなった油を新たな油と交換するようにして
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る金属含有プラスチッ
ク製品処理装置の一例を示した上面図である。
【図2】 図1に示した装置の奥側半分部分の構成を示
した縦断面図である。
【図3】 図1に示した装置の手前側半分部分の構成を
示した縦断面図である。
【図4】 排ガス処理槽の構成例を示した縦断面図であ
る。
【図5】 図1とは異なる構成の金属含有プラスチック
製品処理装置の一例を示した縦断面図である。
【図6】 図1及び図5とは異なる構成の金属含有プラ
スチック製品処理装置の一例を示した縦断面図である。
【図7】 図6に示した装置の内部を上視した平面図で
ある。
【符号の説明】
1 処理装置 A 油層 B 水層 2 分離処理槽 3 製品搬送手段 4 沈降物回収手段 5 沈降物収容槽 6 浮上物回収手段 7 浮上物収容槽 8 ガス回収手段 9 油加熱装置 10 油循環路槽 11 水貯留部 12 水冷却装置 13 アパタイトフィルター 15 水位計 21 処理装置 22 分離処理槽 23 製品搬送手段 24 沈降物回収手段 25 浮上物回収手段 26 油加熱装置 27 水冷却装置 30 排ガス処理槽 31 貯液槽 31a 壁内側部 31b 壁外側部 32 仕切壁 33 液浄化槽 34a、34b 液送通管 35 ガス送出管 41 処理装置 42 分離処理槽 43 製品搬送手段43 44 沈降物収容槽 45 浮上物回収手段45 46 浮上物収容槽 47 室 48 ガス回収手段 50 貯液槽 51 油加熱装置 52 油循環形成手段 52a 仕切板 52b 空間 52c 攪拌羽根
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09B 5/00 Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物骨を焼成して得られた焼成骨材を油
    に配合してなるアパタイト混合油を所定温度に加熱する
    工程、このアパタイト混合油中に金属含有プラスチック
    製品を投入し、当該製品中のプラスチック材料を加熱溶
    解させてプラスチック材料と金属材料とを分離する工程
    を包含する金属含有プラスチック製品処理方法。
  2. 【請求項2】 難燃剤を油に配合してなる難燃剤配合油
    を所定温度に加熱する工程、この難燃剤配合油中に金属
    含有プラスチック製品を投入し、当該製品中のプラスチ
    ック材料を加熱溶解させてプラスチック材料と金属材料
    とを分離する工程を包含する金属含有プラスチック製品
    処理方法。
  3. 【請求項3】 冷却媒体としての水層上に加熱媒体とし
    ての油層を形成し、当該油層を所定温度に加熱する工
    程、当該油層中に金属含有プラスチック製品を投入し、
    当該製品中のプラスチック材料を加熱溶解させ、プラス
    チック材料を油層上部に浮上させ、金属材料を水層内に
    沈降させてプラスチック材料と金属材料とを分離する工
    程を包含する金属含有プラスチック製品処理方法。
  4. 【請求項4】 動物骨を焼成して得られた焼成骨材を油
    に配合して調製したアパタイト混合油からなる油層を有
    する分離処理槽を備えた金属含有プラスチック製品処理
    装置。
  5. 【請求項5】 難燃剤を油に配合してなる難燃剤配合油
    からなる油層を有する分離処理槽を備えた金属含有プラ
    スチック製品処理装置。
  6. 【請求項6】 上記油層の下方に水層を形成してなる構
    成を備えた請求項4又は5に記載の金属含有プラスチッ
    ク製品処理装置。
  7. 【請求項7】 油層を内部に備え、当該油層を所定温度
    に加熱する機能を備えた分離処理槽と、金属含有プラス
    チック製品を油層内で移送する製品搬送手段と、油層上
    部に浮上して来る浮上物を回収する浮上物回収手段とを
    備えた金属含有プラスチック製品処理装置。
  8. 【請求項8】 分離処理槽は、少なくとも油層上部に一
    定方向の流れを形成する機能を備えている請求項4〜7
    のいずれかに記載の金属含有プラスチック製品処理装
    置。
  9. 【請求項9】 油層及び水層を内部に備え、当該油層を
    所定温度に加熱する機能及び当該油層の油を水平方向に
    循環させる機能を備えた分離処理槽と、金属含有プラス
    チック製品を油循環方向に油層内を移送し得る製品搬送
    手段と、油層上部に浮上して来る浮上物を回収する浮上
    物回収手段と、水層内に沈降して来る沈降物を回収する
    沈降物回収手段とを備えた金属含有プラスチック製品処
    理装置。
  10. 【請求項10】 二酸化炭素、窒素などの不燃性ガスを
    油層表面に存在させる機能を備えた請求項4〜9のいず
    れかに記載の金属含有プラスチック製品処理装置。
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