JP2003300025A - クリーンな製品の製造方法及び製造装置。 - Google Patents

クリーンな製品の製造方法及び製造装置。

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JP2003300025A
JP2003300025A JP2002103074A JP2002103074A JP2003300025A JP 2003300025 A JP2003300025 A JP 2003300025A JP 2002103074 A JP2002103074 A JP 2002103074A JP 2002103074 A JP2002103074 A JP 2002103074A JP 2003300025 A JP2003300025 A JP 2003300025A
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Katsuzo Okada
勝蔵 岡田
Kazuyoshi Ishida
和義 石田
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Yamanashi TLO Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塵芥の付着が極めて少ないクリーンな製品、と
くにクリーンなプラスチックフィルムの製造方法とこれ
に用いる製造装置を提供する。 【解決手段】クリーニング対象のフィルムを、超音波で
振動させつつ界面活性剤を含有する洗浄液で洗浄した
後、フィルム両面に、エアノズルが、スリットノズル又
は直列多孔ノズルであって、フィルムの進行方向前方か
ら斜めにエアの吹き付けて乾燥することでクリーンな製
品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、製品に付着して
いる塵芥を除去してクリーンな製品を製造する方法及び
製造装置に関する。この発明は、特に電子機器例えば携
帯電話に使用されるフレキシブルフィルム基板等のプラ
スチックフィルムに付着している塵芥を除去し、クリー
ンなこれらの製品を製造するのに適する。
【0002】
【従来の技術】パソコン、携帯電話等に使用される部
品、例えば、フレキシブルフィルム基板等は通常大気中
において製造される。このためフレキシブルフィルム基
板に塵芥が付着したまま携帯電話等に部品として組み込
まれると、表示装置に塵芥が投影表示されるという課題
がある。
【0003】このような課題を解消するには、例えばフ
レキシブルフィルム基板の場合、粘着テープを巻き付け
たローラを使い、人が1枚ずつ手作業でフィルムに付着
している塵芥を除去している。しかし、作業者の払拭は
ムラが生じる場合が多く、微細な塵芥は必ずしも十分に
除去できないという問題がある。
【0004】フレキシブルフィルム基板に空気を吹き付
けて塵芥を除去し、クリーンなフィルムを製造する方法
もある。この方法においても、人がフィルムを1枚ずつ
手にとり空気を吹き付けて塵芥を除去するため、多くの
時間がかかるという問題がある。またこの方法では空気
をブローする時間が長く、その間に静電気が発生するた
め、以前よりも多量の塵芥が付着してしまうという問題
がある。
【0005】クリーンなフレキシブルフィルム基板を製
造する方法として、イオンを吹きつけて塵芥を除去し製
造する方法がある。しかしこの方法は、イオン発生装置
等の設備が必要であり、コストが嵩むという問題があ
る。また、イオンを吹き付けてもすぐに塵芥が再付着す
るという問題もある。このような問題点は、フレキシブ
ルフィルム基板等、多くの精密部品が抱える共通の問題
である。
【0006】そこで本発明の課題は、塵芥の付着が極め
て少ない、クリーンな製品の製造方法を提供することに
ある。特に、製品がプラスチックフィルムである場合に
好適な、クリーンな製品の製造方法を提供することを課
題とする。また、製品に付着した塵芥を除去するクリー
ンな製品の製造装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決する手段】本発明のクリーンな製品の製造
方法は、塵芥の付着した製品を界面活性剤を含む水で洗
浄する洗浄工程と、前記洗浄工程で洗浄された製品にエ
アノズルからエアを吹き付けて、これを乾燥する乾燥工
程とを含む。
【0008】上記の洗浄工程は、界面活性剤を含む水で
洗浄するステップと、次いで界面活性剤を含まない水で
すすぎ洗浄するステップとを含むことが好ましい。これ
により、油脂類等の粘着力により付着している塵芥を除
去することができる。この場合において、前記の界面活
性剤を含有する水中の界面活性剤濃度は、重量で0.1
〜100ppmであることが好ましく、1〜10ppm
であることがさらに好ましい。
【0009】また、前記洗浄工程のすすぎ洗浄に用いら
れる水は、少量の電解質を含むものであってもよい。こ
れにより、静電力により付着している塵芥を除去するこ
とができる。この場合において、前記すすぎ洗浄に用い
られる水中の電解質濃度は、重量で1〜1000ppm
であることが好ましい。
【0010】また、前記洗浄工程は、超音波により製品
を振動させる、及び/又は機械的に製品を振動させる工
程を含むことが好ましい。これにより、ファンデル・ワ
ールス力により付着している塵芥を除去することができ
る。
【0011】上記のクリーンな製品の製造方法は、前記
製品がプラスチックフィルムである場合に特に好適であ
る。プラスチックフィルムの表面にエアノズルからエア
を吹き付けることにより、きわめて短時間で付着水を除
去して乾燥することができるため、静電気により再度塵
芥が付着するのを防止することができる。
【0012】上記製品がプラスチックフィルムである場
合には、一対の同形のエアノズルを前記製品の両側の対
称的な位置に配置するともに、前記製品と前記エアノズ
ルとの相対位置を連続的に変えつつエアの吹き付けを行
うことが好ましい。これにより、プラスチックフィルム
の両面に作用するエアの慣性力が均等になって、フィル
ムの保持が容易になるとともに、乾燥に要する時間を短
縮することができる。
【0013】また、上記製品がプラスチックフィルムで
ある場合には、前記エアノズルが、スリットノズル又は
直列多孔ノズルであって、前記製品の進行方向前方から
斜めにエアの吹き付けを行うことが好ましい。さらに、
前記製品の表面と前記エアノズルの吹きつけ方向との間
の角度が5〜30度であり、かつ前記エアノズル先端に
おけるエア速度が10m/秒以上音速以下であることが
好ましい。これにより、フィルムの表面に付着した水を
均等にかつ極めて速やかに除去することができる。
【0014】また本発明は、クリーニング対象物である
製品に付着した塵芥を洗浄する洗浄槽と、前記製品を固
定する固定治具と、前記製品に振動を与える超音波洗浄
装置、及び/又は機械振動装置と、クリーニング対象物
である前記製品にエアを吹き付けて、これを乾燥するエ
アノズルを有する乾燥装置とを備えたことを特徴とする
クリーンな製品の製造装置を提供する。
【0015】また、前記の製造装置は、界面活性剤含有
水を供給する界面活性剤液槽と、前記洗浄槽に前記界面
活性剤液槽から界面活性剤含有水を供給する供給ポンプ
を含む界面活性剤含有水供給系統とを更に備えていても
よい。
【0016】さらに、前記の製造装置は、前記洗浄槽の
界面活性剤含有水を循環させる循環ポンプを含む界面活
性剤含有水循環系統と、該循環系統に設けられ界面活性
剤含有水中の不純物をろ過するフィルターとを更に備え
ていてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0018】製品に付着している塵芥を除去しクリーン
製品を製造するには、塵芥がどのような凝着力により製
品に付着しているのかを知る必要がある。これについて
は、本発明の発明者がApplied Surface Science 169-17
08(2001)644-648 で公表しているが、凝着力は油成分や
その他の表面に付着している不純物による粘着力、水膜
による吸着力、静電気による静電力、及び分子間に働く
ファンデル・ワールス力である。
【0019】図9は、原子間力顕微鏡のフォースカーブ
モード測定により、二硫化モリブデン、マイカ、カーボ
ン膜をサンプルとし、これらに付着する塵芥の凝着力を
分析した結果を示す。これらのサンプルはいずれもアセ
トンで洗浄し、粘着力を事前に除去してある。なお、原
子間力顕微鏡のフォースカーブモードとは、カンチレバ
ーの先に付いているプローブを試料表面に接近、接触、
引き離すことにより試料表面とプローブ間に働く力をプ
ロットしたものである。
【0020】図9に示すとおり、固体表面に付着する塵
芥の付着力は、物質により相違する。しかし、ファンデ
ル・ワールス力は物質の違いによらず、約13nNであ
り、静電力も同様に約4〜6nNである。水膜による吸
着力は湿度に依存し、湿度が高くなるに従って吸着力は
高くなる。
【0021】ファンデル・ワールス力は固体間に必ず働
く力であることからこれを除去することはできない。こ
のため、製品に付着している塵芥を除去するには、粘着
力を除去し、かつ静電力と水膜による吸着力が働かない
環境下で機械的な力、例えば超音波振動により除去する
ことが有効である。粘着力がなく、静電力と水膜による
凝着力が働かない環境下であれば、より少ない力で綺麗
に塵芥を除去することができるためである。
【0022】プラスチックフィルムは、成形時に油分そ
の他の汚れが付着することが多い。表面に油分が存在す
ると粘着力が生じて、塵芥の除去を困難にするので、ま
ず界面活性剤を含む水で洗浄して油分等の汚れを除去す
る。この目的で使用する界面活性剤の種類はとくに限定
を要しないが、通常の家庭用の液体洗剤を好適に用いる
ことができる。家庭用洗剤には、アニオン性やノニオン
性の界面活性剤が用いられことが多く、また各種の洗浄
力補助剤(ビルダー)が含まれるが、洗剤の種類を問わ
ず適用可能である。
【0023】また、洗浄工程で用いられる水の界面活性
剤濃度は、重量で0.1〜100ppmであることが好
ましく、1〜10ppmあることがさらに好ましい。
0.1ppm未満では、油分を除去する能力が過小にな
り、100ppmを超えると、洗浄後のフィルムに表面
荒れ(腐食による表面粗さの増大)が生じるおそれがあ
るためである。なお、かかる表面荒れをより完全に防止
するためには、洗浄工程が、界面活性剤を含む水で洗浄
するステップと、次いで界面活性剤を含まない水ですす
ぎ洗浄するステップとから構成されていることが好まし
い。
【0024】静電力を除去する環境は、ある程度の導電
性を有する水中に製品を浸すことで実現できる。界面活
性剤は、非イオン性のものを除いて電解質である。ま
た、洗浄力補助剤も電解質成分を含むことが多い。した
がって、界面活性剤とくに洗剤を添加することにより、
水の電気伝導度を高めて静電力を除去する環境を確保す
ることができる。より確実に静電力を除去するために
は、前記のすすぎ洗浄に用いられる水が重量で1〜10
00ppm程度の電解質を含むものであることが好まし
い。
【0025】このように粘着力を除去し、導電性を有す
る水中に浸して、水膜による吸着力と静電力とを除去し
て、製品に超音波等の機械的な振動を与えることによ
り、ファンデル・ワールス力で付着している塵芥を綺麗
に除去できる。
【0026】図1にプラスチックフィルムの洗浄装置の
構成概略図を示す。洗浄装置1は、洗浄槽2に界面活性
剤を含有する洗浄液(以下、単に洗浄液という)を供給
する洗浄液貯槽5、洗浄液貯槽5に貯留されている洗浄
液6を洗浄槽2に供給する洗浄液供給ポンプ7、洗浄液
貯槽5と洗浄槽2とを接続する洗浄液供給配管、洗浄液
供給ポンプ7と洗浄槽側入口との間に設置されている洗
浄液流入バルブ8、洗浄槽2に設けられプラスチックフ
ィルムを固定するフィルム固定治具4、洗浄槽2の洗浄
液を循環させるための洗浄液循環ポンプ12、洗浄液循
環出口に設置する循環用出口バルブ10、洗浄液循環ポ
ンプ12と洗浄槽2との間に設けられ洗浄液6を濾過す
る洗浄液濾過フィルター11、洗浄液濾過フィルター1
1と洗浄槽2とを接続する配管と洗浄槽2との間に設置
する循環用入口バルブ9、洗浄液を排水するための洗浄
液排水バルブ17を含んで構成される。
【0027】なお、上記の構成は、界面活性剤を含む洗
浄液のみで洗浄する場合である。洗浄工程を2ステップ
にする場合は、洗浄液貯槽5を2槽設けて、それぞれ界
面活性剤を含む洗浄液と、界面活性剤を含まないすすぎ
洗浄用の洗浄液とを貯留し、切り替えバルブ(図示して
いない)で切り替えて、洗浄液供給ポンプ7で洗浄槽2
に供給するようにすればよい。
【0028】洗浄槽2の洗浄液は、洗浄液循環ポンプ1
2等を含む循環系統により濾過されるが、一定回数以上
プラスチックフィルムの洗浄を行ったときは、洗浄液を
排水し入れ替えることが好ましい。洗浄液濾過フィルタ
ーにゴミが堆積し、洗浄液中に塵芥が多く含まれるよう
になるためである。
【0029】図2にクリーンなプラスチックフィルムを
製造する際の洗浄工程の一例を示す。先ず、プラスチッ
クフィルムをフィルム固定治具4に固定する(ステップ
1)。次に、プラスチックフィルムを固定したフィルム
固定治具4を洗浄槽2に入れる(ステップ2)。洗浄液
流入バルブ8を開き、洗浄槽2に洗浄液貯槽5の洗浄液
6を洗浄液供給ポンプ7により満たす(ステップ3)。
洗浄液6が洗浄槽2に満たされるまで洗浄液供給ポンプ
7を稼働させる(ステップ4)。
【0030】洗浄液循環ポンプ12を稼働させたまま、
超音波発生装置13を動かしプラスチックフィルム3に
付着している塵芥を取り除く(ステップ5)。洗浄液6
は洗浄槽2の出口バルブ10から洗浄液濾過フィルター
11により浄化され、洗浄液循環用入口バルブ9より洗
浄槽2に入る。
【0031】プラスチックフィルム3の洗浄後、洗浄液
循環ポンプ12を停止し、洗浄液入口バルブ9、出口バ
ルブ10、洗浄液濾過フィルター入口バルブ18を閉じ
る(ステップ6)。洗浄液循環ポンプ12を稼働させな
がら洗浄液排水バルブ17を開き洗浄液を排水する(ス
テップ7)。フィルムの入った固定冶具4を洗浄槽2か
ら取り出し、乾燥装置に移送する(ステップ8)。
【0032】なお、上記の工程は、界面活性剤を含む洗
浄液のみで洗浄する場合である。洗浄工程を2ステップ
にする場合は、界面活性剤を含む洗浄液でステップ1か
らステップ7までを実施した後、洗浄液6を界面活性剤
を含まないすすぎ洗浄用の洗浄液に切り替えて、再度ス
テップ1からステップ7までを実施し、その後ステップ
8に移行すればよい。
【0033】一連の洗浄工程が終了した後、洗浄液濾過
フィルター11に塵芥が堆積し性能が劣化しているかど
うかを検出する。汚れていなければステップ1に戻り、
汚れている場合は、電解液濾過フィルター11を交換す
る。プラスチックフィルムの洗浄において、超音波発生
装置13によりプラスチックフィルムに振動を与える代
わりに、機械振動によりプラスチックフィルムを振動さ
て塵芥を除去してもよい。
【0034】図3は洗浄前のプラスチックフィルム3の
表面に塵芥が付着している状況と、洗浄装置1により、
プラスチックフィルム3を上記洗浄工程に従って洗浄し
た後のフィルム表面の状況とを示したものである。洗浄
前にフィルムに付着していた塵芥はほぼ完全に取り除か
れている。
【0035】図4は本発明の実施例で用いた乾燥装置の
構成を示す斜視概要図、図5はこの装置のエアノズルの
配置を示す平面概要図である。この装置は、一対のエア
ノズル14、プラスチックフィルム3の入った固定冶具
4、この固定冶具を搬送するコンベア、コンベアの駆動
装置(図示していない)及びエアの供給源(図示してい
ない)などから構成されている。
【0036】コンベアは、上下に所定の間隔で対向し、
同期して矢印方向に移動する2枚のベルト15の間に固
定冶具4を挟んで搬送する方式である。エアノズル14
は、開口部が同形の2個のスリットノズルが用いられ、
プラスチックフィルム3の表面に対して対称的に(両ノ
ズルの先端とフィルム間の距離dが同じで、フィルム表
面とエアの流れ方向との間の角度θが同じになるよう
に)配置されている。また、プラスチックフィルム3の
進行方向前方から斜めにエアが吹き付けられるように構
成されている。このように構成することにより、エアの
吹き付けによるプラスチックフィルムの振動が小さいこ
と、きわめて短時間で乾燥しうるため、塵芥の再付着が
ないことなどの効果が得られる。
【0037】
【実施例】固定冶具内に収容したプラスチックフィルム
(寸法約35×50×0.5mm)をクリーニング対象
物として、図1に示すような洗浄装置と、図4及び5に
示すような乾燥装置を用いて、クリーンな製品を製造す
るテストを行った。なお洗浄装置は、洗浄液貯槽を2槽
設け、それぞれ界面活性剤を含む洗浄液と含まない洗浄
液を入れて、弁で切り替えて洗浄槽に供給した。
【0038】テストに際して、洗浄液の種類と洗浄後
の製品のクリーン度、洗浄液中の界面活性剤濃度の製
品表面粗さに及ぼす影響、エアノズルの種類と乾燥後
の製品のクリーン度、エアの吹き付け角度の乾燥後の
製品のクリーン度に及ぼす影響等について調査した。
【0039】洗浄液の種類と洗浄後の製品のクリーン
度の関係 実施例1:界面活性剤を0.001wt%含む水で洗浄
した場合(すすぎ洗浄なし) 実施例2:界面活性剤を0.001wt%含む水で洗浄
した後、NaClを0.002wt%含む水ですすぎ洗浄し
た場合 比較例1:純水で洗浄した場合 比較例2:NaClを0.002wt%含む水で洗浄した場
【0040】上記のいずれの場合も(2ステップ洗浄の
場合は各ステップとも)、超音波振動を与えて30秒間
洗浄した。洗浄後の製品のクリーン度の評価は、洗浄前
後のフィルム表面をレーザー顕微鏡で撮影し、画像処理
により汚れ部分の面積率を求めてフィルム汚染率とし
た。この汚染率は、フィルム表面に付着した塵芥、しみ
・汚れ、残存液滴等の全ての異物の面積率を測定するも
のである。評価結果をまとめて表1に示す。
【0041】
【表1】 表に見られるように、実施例2が洗浄後のフィルム汚染
率が最も低く、次いで実施例1の汚染率が低い。また、
比較例1の場合に最も汚染率が高くなっている。
【0042】 洗浄液中の界面活性剤濃度の製品表面
粗さに及ぼす影響 洗浄液中の界面活性剤の濃度が過大になると、界面活性
剤中の親油性成分がフィルムの表面と反応して腐食さ
せ、そのミクロな表面粗さを増大させるおそれがあるた
め、適正な濃度範囲について調査した。
【0043】前項実施例2の場合の界面活性剤を含む洗
浄液中の界面活性剤濃度を0.00001〜1wt%の
範囲で変え、他の条件は前項実施例2と同じにして洗浄
を行った後、フィルムの表面粗さを粗度計で測定した。
測定結果を図6に示す。図に見られるように、界面活性
剤濃度が0.01wt%を超えると表面粗さが急激に大
きくなるので、洗浄液中の界面活性剤濃度は0.01w
t%(100ppm)以下であることが好ましい。一
方、油分の除去能力を確保するためには、界面活性剤濃
度は0.1ppm以上であることが好ましい。
【0044】エアノズルの種類と乾燥後の製品のクリ
ーン度の関係 前記の実施例2と同じ条件で洗浄したプラスチックフィ
ルムにエアを吹き付けて乾燥するに際して、エアノズル
として下記の4種類のノズルを用い、ノズル先端形状の
相違によるフィルム汚染率への影響を調査した。 (a)丸型単孔ノズル(径2.5mm) (b)角型単孔ノズル(2.5×2.5mm) (c)直列角型マルチノズル(1×1mm、ピッチ3.
5mm、15個配列) (d)スリットノズル(0.5×50mm)
【0045】上記のいずれのノズルも、同形のもの2個
をフィルムを挟んで対称的に配置し、ノズル中心とフィ
ルター表面間の距離を10mm、フィルム表面とエアの
流れ方向との間の角度を15度として、固定冶具内のフ
ィルムの進行方向前方からエアを吹き付けた。ノズル先
端でのエア流速はいずれの場合も230m/sとした。
エア吹き付け後のフィルム汚染率の測定結果を図7に示
す。なお、フィルム汚染率の測定は、第項と同じ方法
で行なった。
【0046】図7に見られるように、丸型単孔ノズルと
角型単孔ノズルでは、汚染率が4%前後と高いのに対し
て、スリットノズルと直列マルチノズルでは、汚染率が
0.1%以下になっており、これらのノズルが好ましい
ことが明らかになった。
【0047】エアの吹き付け角度の乾燥後の製品のク
リーン度に及ぼす影響 第項の実施例2と同じ条件で洗浄したプラスチックフ
ィルムにエアを吹き付けて乾燥するに際して、エアノズ
ルとして前項(d)のスリットノズルを用い、エアの吹
き付け角度(図5のθ)を5〜45度の範囲で変えて、
エア吹き付け後のフィルム汚染率に及ぼす吹き付け角度
θの影響を調査した。他の吹き付け条件は前項と同じに
した。フィルム汚染率の測定方法も前項と同じにした。
測定結果を図8に示す。図に見られるように、θは5〜
30度の範囲が好ましく、10〜20度の範囲がさらに
好ましいことが知れた。このような条件でエアの吹き付
けを行うことにより、フィルム汚染率を0.1〜0.2
%以下に低減しうることが知れた。
【0048】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明よれば、粘
着力、水膜による吸着力、静電気による静電力、及び分
子間に働くファンデル・ワールス力等の凝着力により製
品に付着している塵芥を、洗浄工程でこれらの凝着力の
原因を取り除いて、効率良く除去することができる。ま
た、エアを吹き付けることにより、きわめて短時間で乾
燥することができ、塵芥の再付着を防止することができ
る。
【0049】本発明の方法は、とくにクリーンなプラス
チックフィルムの製造に適しており、この方法で得られ
た製品には塵芥の付着が極めて少ない。そのため、塵芥
が対象製品の品質に与える影響を最小限とすることがで
き、製品の寿命が長くなる。さらに、本発明で提供する
製品の製造装置を用いることにより、クリーンな製品を
安価かつ大量に生成することができる特有の効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製品を洗浄する洗浄装置の概略構成
図である。
【図2】 プラスチックフィルムの洗浄工程を示す図で
ある。
【図3】 洗浄前後のプラスチックフィルムに付着して
いる塵芥の様子を示す写真である。
【図4】 本発明の実施例で用いた乾燥装置の構成を示
す斜視概要図である。
【図5】 本発明の実施例で用いた乾燥装置のエアノズ
ルの配置を示す平面概要図である。
【図6】 本実施例における洗浄液中の界面活性剤濃度
の製品表面粗さに及ぼす影響を示す図である。
【図7】 本実施例におけるエアノズルの種類と乾燥後
の製品のクリーン度の関係を示す図である。
【図8】 本実施例におけるエアの吹き付け角度の乾燥
後の製品のクリーン度に及ぼす影響を示す図である。
【図9】 凝着力を分析した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 洗浄装置 2 洗浄槽 3 プラスチックフィルム 4 フィルム固定治具 5 洗浄液貯槽 6 洗浄液 7 洗浄液供給ポンプ 8 洗浄液流入バルブ 9 循環用入口バルブ 10 循環用出口バルブ 11 循環液ろ過フィルター 12 洗浄液循環ポンプ 13 超音波発生装置 14 エアノズル 15 コンベアベルト 17 洗浄液排水バルブ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クリーニング対象物である製品を界面活性
    剤を含む水で洗浄する洗浄工程と、前記洗浄工程で洗浄
    された製品にエアノズルからエアを吹き付けて、これを
    乾燥する乾燥工程とを含むことを特徴とするクリーンな
    製品の製造方法。
  2. 【請求項2】前記洗浄工程が、界面活性剤を含む水で洗
    浄するステップと、次いで界面活性剤を含まない水です
    すぎ洗浄するステップとを含むことを特徴とする請求項
    1記載のクリーンな製品の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の方法において、前記
    界面活性剤含有水中の界面活性剤濃度が、重量で100
    ppm以下であるクリーンな製品の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項2又は3記載の方法において、前記
    すすぎ洗浄に用いられる水中に少量の電解質を含むこと
    を特徴とするクリーンな製品の製造方法。
  5. 【請求項5】前記すすぎ洗浄に用いられる水中の電解質
    濃度が、重量で1〜1000ppmである請求項4記載
    のクリーンな製品の製造方法。
  6. 【請求項6】前記洗浄工程が、超音波により製品を振動
    させ、及び/又は機械的に製品を振動させて洗浄する工
    程を含むものである請求項1乃至5のいずれかに記載の
    クリーンな製品の製造方法。
  7. 【請求項7】前記製品が、プラスチックフィルムである
    請求項1乃至6のいずれかに記載のクリーンな製品の製
    造方法。
  8. 【請求項8】請求項7記載のクリーンな製品の製造方法
    において、一対の同形のエアノズルを前記製品の両側の
    対称的な位置に配置するともに、前記製品と前記エアノ
    ズルとの相対位置を連続的に変えつつエアの吹き付けを
    行うことを特徴とするクリーンな製品の製造方法。
  9. 【請求項9】前記エアノズルが、スリットノズル又は直
    列多孔ノズルであって、前記製品の進行方向前方から斜
    めにエアの吹き付けを行うことを特徴とする請求項8記
    載のクリーンな製品の製造方法。
  10. 【請求項10】前記製品の表面と前記エアノズルの吹き
    付け方向との間の角度が5〜30度であって、かつ前記
    エアノズル先端におけるエア速度が10m/秒以上音速
    以下である請求項9記載のクリーンな製品の製造方法。
  11. 【請求項11】クリーニング対象物である製品に付着し
    た塵芥を洗浄する洗浄槽と、前記製品を固定する固定治
    具と、前記製品に振動を与える超音波洗浄装置、及び/
    又は機械振動装置と、クリーニング対象物である前記製
    品にエアを吹き付けて、これを乾燥するエアノズルを有
    する乾燥装置とを備えたことを特徴とするクリーンな製
    品の製造装置。
  12. 【請求項12】前記洗浄槽に界面活性剤を含有する洗浄
    液を供給する洗浄液貯槽と、前記洗浄槽に前記洗浄液貯
    槽から前記洗浄液を供給する供給ポンプを含む洗浄液供
    給系統とを更に備えたことを特徴とする請求項11に記
    載のクリーンな製品の製造装置。
  13. 【請求項13】前記洗浄槽内の前記洗浄液を循環させる
    循環ポンプを含む洗浄液循環系統と、該循環系統に設け
    られ前記洗浄液中の不純物をろ過するフィルターとを更
    に備えたことを特徴とする請求項11又は請求項12に
    記載のクリーンな製品の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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