JP2003299290A - ブラシレスモータ及びブラシレスモータを搭載した電動パワーステアリング装置 - Google Patents

ブラシレスモータ及びブラシレスモータを搭載した電動パワーステアリング装置

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JP2003299290A JP2002100586A JP2002100586A JP2003299290A JP 2003299290 A JP2003299290 A JP 2003299290A JP 2002100586 A JP2002100586 A JP 2002100586A JP 2002100586 A JP2002100586 A JP 2002100586A JP 2003299290 A JP2003299290 A JP 2003299290A
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篤彦 米田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブラシレスモータをより小型化するととも
に、複数の巻線同士を連絡する連絡線の長さをより短く
すること。 【解決手段】 ブラシレスモータ43は、複数の電気子
81・・・を備える筒状のアウタステータ78にインナロ
ータ75を組み合わせてなる。複数の電気子は、複数の
ボビン82・・・並びに各ボビンに巻いた巻線83・・・から
なる。複数の巻線の一端同士を連絡線101・・・で三相
に結線した。複数のボビンの各一端からモータ軸76へ
向かって各々アーム片114・・・を延ばし、これらのア
ーム片の先端から更にモータ軸に沿って軸端76c側へ
各々舌片115・・・を延ばした。複数のボビンと複数の
アーム片と複数の舌片とによって囲まれた略環状の空間
部118を形成した。この空間部に連絡線を通した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラシレスモータ
及びブラシレスモータを搭載した電動パワーステアリン
グ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ブラシレスモータは、無整流子モータと
も呼ばれ、モータから整流子やブラシ等の機械的な接触
部を取り去り、これらを電気的に置き換えたモータであ
る。このようなブラシレスモータとしては、例えば図1
0及び図11に示す構成が知られている。
【0003】図10は従来のブラシレスモータの断面図
であり、ブラシレスモータ200のモータ出力をトルク
リミッタ230を介して減速機240に伝達するように
したことを示す。ブラシレスモータ200は、モータケ
ース201と、モータケース201の開口部201aを
塞ぐリッド202と、モータケース201内に嵌合した
筒状のアウタステータ203と、アウタステータ203
に備えた複数の電気子204・・・(・・・は複数を示す。以
下同じ。)と、アウタステータ203の内部に配置した
インナロータ205と、インナロータ205と一体のモ
ータ軸206と、インナロータ205の位相を検知する
位相検知センサ207とからなる。複数の電気子204
・・・は、複数のボビン(図示せず)に巻いた巻線211・
・・からなる。インナロータ205は、複数条の永久磁石
213・・・を備えるとともに、これらの永久磁石213・
・・を非磁性体製カバー214で覆ったものである。
【0004】図中、201bはリッド202を支える
段、201cはフランジ、215は第1軸受、216は
第2軸受、217は止め輪、241は入力軸、242は
ウォーム、243はホイール、244は出力軸、245
は減速機ケース、245aはフランジである。
【0005】図11は従来の3相ブラシレスモータの巻
線の結線図であり、このブラシレスモータ200の結線
構造は、U相の巻線211における巻始めの端子をU
10とするとともに巻終りの端子をN11とし、V相の
巻線211における巻始めの端子をV10とするととも
に巻終りの端子をN12とし、W相の巻線211におけ
る巻始めの端子をW10とするとともに巻終りの端子を
13とする。
【0006】この図は、U相の巻線211の端子N11
とV相の巻線211の端子N12とW相の巻線211の
端子N13とを連絡線221・・・で三相に結線するとと
もに、巻始めの各端子U10,V10,W10を電力線
222・・・で三相電力源223に接続することによっ
て、ブラシレスモータ200の結線をY結線(スター形
結線)にしたことを示す。このようにブラシレスモータ
200は、U相、V相、W相からなる巻線211・・・の
一端N11、N12、N13同士を連絡線221・・・に
て三相に結線することで、各巻線211を三相電力によ
り駆動するように接続したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術は図1
0に示すように、複数の電気子204・・・の後方に連絡
線221・・・を、モータ軸206に絡まないよう通した
ものである。この結果、モータケース201の底(奥
端)からアウタステータ203までの軸方向距離L2
は、大きくならざるを得ない。その分、ブラシレスモー
タ200は大型になる。連絡線221・・・を通すために
モータケース201を大型にするのでは、モータケース
201に無駄なスペースが生ずるので、改良の余地があ
る。しかも、連絡線221・・・をモータ軸206に絡ま
ないように通すのであるから、有効磁束を形成しない連
絡線221・・・の線長は長くなる。その分だけ銅損失
(「銅損(copper loss,ohmic loss)」とも言う。)
があり、改良の余地がある。
【0008】そこで本発明の目的は、ブラシレスモータ
をより小型化するとともに、複数の巻線同士を連絡する
連絡線の長さをより短くすることができる技術を提供す
ることにある。さらには、小型ながら操舵フィーリング
の良好な電動パワーステアリング装置を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、複数の電気子を備える筒状のアウタステ
ータにインナロータを組み合わせてなるブラシレスモー
タであって、複数の電気子が、複数のボビン並びに各ボ
ビンに巻いた巻線からなり、これら複数の巻線の一端同
士を連絡線にて単相又は三相に結線したブラシレスモー
タにおいて、複数のボビンの各一端からインナロータの
軸へ向かって各々アーム片を延ばし、これらのアーム片
の先端から更に軸に沿って軸端側へ各々舌片を延ばすこ
とで、複数のボビンと複数のアーム片と複数の舌片とに
よって囲まれた略環状の空間部を形成し、この空間部に
連絡線を通したことを特徴とする。
【0010】複数のボビンの各一端からインナロータの
軸へ向かって各々アーム片を延ばし、これらのアーム片
の先端から更に軸に沿って軸端側へ各々舌片を延ばすこ
とで、複数のボビンと複数のアーム片と複数の舌片とに
よって囲まれた略環状の空間部を形成することができ
る。すなわち、モータケースにおいて、インナロータの
周りを囲う複数のボビンとインナロータの軸との間に
は、径方向に空きスペースがあるので、この空きスペー
スを有効利用し、上述した略環状の空間部を設けること
ができる。このようにして、狭いモータケース内でイン
ナロータの軸の周りに略環状の空間部を確保し、この空
間部に複数の連絡線を通すことができる。しかも、複数
のアーム片及び複数の舌片とによってインナロータの軸
の周囲を囲ったので、インナロータの軸の近傍に連絡線
を通したにもかかわらず、連絡線がインナロータの軸に
絡まる心配はない。従って、空きスペースを有効利用し
て連絡線を確実に通すことができる。
【0011】この結果、モータケースの底(奥端)から
アウタステータまでの軸方向距離を小さく設定すること
ができる。しかも、空きスペースを利用するのであるか
ら、モータケースの径を大きくする必要もない。従っ
て、ブラシレスモータをより小型にすることができる。
さらには、インナロータの軸の近傍に連絡線を通すの
で、連絡線の長さをより短くすることができる。有効磁
束を形成しない連絡線の線長は短くてすむ。その分だけ
銅損失を抑制できる。この結果、ブラシレスモータの出
力は増大する。
【0012】請求項2は、請求項1のブラシレスモータ
と、車両のステアリングハンドルから操舵車輪に至るス
テアリング系と、ステアリングホイールで発生した操舵
トルクを検出する操舵トルクセンサと、この操舵トルク
センサの検出信号に基づきブラシレスモータに制御信号
を発する制御部と、ブラシレスモータが発した補助トル
クをステアリング系に伝えるトルク伝達機構とを備えた
ことを特徴とするブラシレスモータを搭載した電動パワ
ーステアリング装置である。小型のブラシレスモータを
電動パワーステアリング装置の電動モータとして採用し
たので、車両の狭いスペースに配置する電動パワーステ
アリング装置の全体を、より小型化することができる。
従って、車両の狭いスペースに電動パワーステアリング
装置を、より一層容易に配置することができる。さらに
は、有効磁束を形成しない連絡線の線長が短くなるた
め、銅損失が低下し、良好な操舵フィーリングが得られ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。
【0014】図1は本発明に係る電動パワーステアリン
グ装置の模式図である。電動パワーステアリング装置1
0は、車両のステアリングハンドル11から操舵車輪2
1,21に至るステアリング系22に、操舵機構23並
びにこの操舵機構23に補助トルクを加える補助トルク
機構24を備える。
【0015】操舵機構23は、ステアリングハンドル1
1にステアリングシャフト12及び自在軸継手13,1
3を介してラックアンドピニオン機構31のピニオン軸
32を連結し、ラックアンドピニオン機構31のラック
軸34に左右のボールジョイント36,36及び左右の
タイロッド37,37を介して左右の操舵車輪21,2
1を連結したものである。ラックアンドピニオン機構3
1は、ピニオン軸32に形成したピニオン33と、ラッ
ク軸34に形成したラック35とからなる。運転者がス
テアリングハンドル11を操舵し、この操舵トルクによ
りラックアンドピニオン機構31及び左右のタイロッド
37,37を介して、左右の操舵車輪21,21を操舵
することができる。
【0016】補助トルク機構24は、ステアリングハン
ドル11に加えたステアリング系22の操舵トルクを操
舵トルクセンサ41で検出し、この検出信号に基づき制
御部42で制御信号を発生し、この制御信号に基づき操
舵トルクに応じた補助トルクを電動モータ43で発生
し、補助トルクをトルクリミッタ44並びに減速機45
を介してピニオン軸32に伝達するようにした機構であ
る。
【0017】以上を要約すれば、電動パワーステアリン
グ装置10は、ステアリングハンドル11に加えた操舵
トルクをラックアンドピニオン機構31のピニオン軸3
2に伝達するとともに、操舵トルクに応じて電動モータ
43が発生した補助トルクを減速機45を介してピニオ
ン軸32に伝達し、ラックアンドピニオン機構31によ
って操舵車輪21,21を操舵するようにしたものであ
る。従って、運転者の操舵トルクに電動モータ43の補
助トルクを加えた複合トルクによって、操舵車輪21,
21を操舵することができる。
【0018】図2は図1の2−2線断面図であり、電動
モータ43とトルクリミッタ44と減速機45との組合
わせ構造について示す。トルクリミッタ44は、電動モ
ータ43のモータ軸76にセレーション結合した雄テー
パ状のインナ部材51を、後述するウォーム軸62にセ
レーション結合した雌テーパ状(カップ状)のアウタ部
材52に嵌合したトルク制限機構である。インナ部材5
1の外周面にアウタ部材52の内周面を、所定の摩擦力
を有して連結することができる。53は皿ばね、54は
ナットである。
【0019】減速機45は、電動モータ43で発生した
補助トルクをピニオン軸32に伝達するトルク伝達手段
であって、減速機ケース61に収納したウォームギヤ機
構からなる。詳しくは、減速機45は、電動モータ43
のモータ軸76にトルクリミッタ44を介して連結した
ウォーム軸(入力軸)62と、ウォーム軸62に形成し
たウォーム63と、図の表裏方向に長いピニオン軸(出
力軸)32に連結したウォームホイール64とからな
る。
【0020】ウォーム軸62は、モータ軸76と同心上
に配置し、2個の軸受65,65を介して減速機ケース
61にて回転可能に且つ軸長手方向への移動を規制して
支承された軸である。66は板ばね、67は調整ボルト
である。
【0021】減速機ケース61は、モータ軸76側に開
いた開口部61aを形成し、この開口部61aの周囲に
フランジ61b及びフランジ61bよりもモータ軸76
側へ延びる嵌合筒部61cを一体に形成した部材であ
る。モータケース71は、減速機ケース61のフランジ
61b側に開いた開口部71aを形成し、この開口部7
1aの周囲にフランジ71bを一体に形成した、底付き
筒状ケースである。
【0022】開口部71aに嵌合筒部61cを嵌合する
ことで、減速機ケース61に対するモータケース71の
取付芯を正確に決めることができる。さらには、フラン
ジ61b,71b同士をボルト91にて止めることで、
減速機ケース61にモータケース71を取外し可能に取
付けることができる。92はモータ駆動制御部である。
【0023】図3は本発明に係る電動モータの断面図で
あり、電動モータ43を上記図2に対応させて表す。電
動モータ43は、上記モータケース71と、モータケー
ス71の開口部71aを塞ぐリッド72と、モータケー
ス71内に嵌合した筒状の第1アウタステータ73と、
第1アウタステータ73内に嵌合した筒状の第2アウタ
ステータ74と、第2アウタステータ74の内部に配置
した筒状のインナロータ75と、インナロータ75と一
体のモータ軸76(出力軸76)と、インナロータ75
の位相を検知する位相検知センサ77とからなる、ブラ
シレス式インナロータ型直流モータである。以下、電動
モータ43のことを、説明に応じて適宜「ブラシレスモ
ータ43」と言い換えることにする。
【0024】第1アウタステータ73と第2アウタステ
ータ74の組合せ構造は、モータケース71に固定した
1組のアウタステータ78をなす。アウタステータ78
は周方向に配列された複数の電気子81・・・(・・・は複数
を示す。以下同じ。)を備える。複数の電気子81・・・
は、複数のボビン82・・・並びに各ボビン82・・・に巻い
た巻線83・・・からなる。インナロータ75は、周方向
に配列された複数条の永久磁石84・・・を備えるととも
に、これらの永久磁石84・・・を薄肉円筒状の非磁性体
製カバー85で覆ったものである。モータ軸76は、出
力側の一端を減速機ケース61内に延ばした横向きの回
転軸である。位相検知センサ77は、モータ軸76に取
付けた積層コアロータ77aと、コアロータ77aの位
相を磁気的に検知する検知素子77bとからなる。
【0025】このような電動モータ43(ブラシレスモ
ータ43)は、モータ軸76における出力側の一端部7
6aを第1軸受86を介してリッド72で回転自在に支
持させ、このリッド72をモータケース71の開口部7
1aに嵌めるとともに、モータ軸76における反出力側
の他端部76bを第2軸受87を介してモータケース7
1で回転自在に支持させたことを特徴とする。第1・第
2軸受86,87は、ボールベアリング等の転がり軸受
である。
【0026】さらに詳しく説明すると、モータケース7
1は、比較的大径の開口部71aと、それよりの奥側の
小径の空間部71cとの、境に形成された段71dを有
する。モータケース71に設けた段71dと減速機ケー
ス61に設けた押し面61dとで、リッド72の内側端
面72a及び外側端面72bを挟持させることにより、
モータ軸76方向(図の左右方向)のリッド72の移動
を抑えることができる。88は皿ばねである。
【0027】図4は図3の4−4線断面図であり、ブラ
シレスモータ43の断面構造を示す。第2アウタステー
タ74は、筒状部分の外周面から9個の突極74a〜7
4iを等ピッチで放射状に延し、これら放射状に配置し
た9個の突極74a〜74iに1極毎に巻線83a〜8
3i(複数の巻線83・・・に符号a,b,・・・iを付け
た)を巻くことで、周方向に9極の巻線83a〜83i
を有した磁性体である。突極74a〜74iは所定厚み
のフィンである。複数条、例えば8個の永久磁石84・・
・は、径方向(内・外面方向)に着磁した円弧状部材で
あり、周方向にN極とS極とが交互に配列するように並
べたものである。図に示すように、複数条の永久磁石8
4・・・の相互間には隙間を有する。
【0028】図5は本発明に係るブラシレスモータのア
ウタステータ並びにインナロータの要部拡大図であり、
上記図4の一部を拡大して示す。ブラシレスモータ43
は、モータケース71に対して第1アウタステータ73
を位置決めピン95にて周方向の位置決めをし、第1ア
ウタステータ73の内周面に軸長手方向、すなわち図表
裏方向に延びる複数の溝73a・・・を形成し、これらの
溝73a・・・に各突極74a〜74iの先端を嵌合する
ことで、第1アウタステータ73に対して第2アウタス
テータ74を周方向の位置決めをしたものである。
【0029】巻線83a〜83iの巻き構造は、個別に
巻線83a〜83iを巻いた筒状のボビン82・・・を、
突極74a〜74iに挿入したものである。このように
して、突極74a〜74iに1極毎に巻線83a〜83
iを巻くことができる。第2アウタステータ74の内周
面とカバー85の外周面との間には、若干の空隙(エア
ギャップ)96を有する。
【0030】図6は本発明に係る巻線の模式図であり、
突極74a〜74iに巻いた9極の巻線83a〜83i
の、隣接し合う3極ずつを直列接続して各々1相とする
ことで、3相(U相、V相、W相)にしたことを示す。
具体的には、隣接し合う3極の巻線83a,83b,8
3cを直列接続することでU相の巻線とし、隣接し合う
3極の電気子巻線83d,83e,83fを直列接続す
ることでV相の巻線とし、隣接し合う3極の電気子巻線
83g,83h,83iを直列接続することでW相の巻
線とした。電気子巻線83a〜83iの巻き方向は、図
6に示す通りである。
【0031】U相の巻線の、巻始めの端子はUであり
巻終りの端子はNである。V相の巻線の、巻始めの端
子はVであり巻終りの端子はNである。W相の巻線
の、巻始めの端子はWであり巻終りの端子はNであ
る。以上の説明から明らかなように、本発明のブラシレ
スモータ43の巻線の構成は、等ピッチで放射状に配置
した9個の突極74a〜74iに1極毎に巻線83a〜
83iを巻くようにした集中巻きであり、いわゆる突極
巻きと称する。
【0032】図7は本発明に係る巻線の結線図であり、
U相の巻線の端子NとV相の巻線の端子NとW相の
巻線の端子Nとを連絡線101・・・にて三相に結線す
るとともに、巻始めの各端子U,V,Wを電力線
102・・・にて三相電力源103に接続することによっ
て、ブラシレスモータ43の結線をY結線(スター形結
線)にしたことを示す。このようにブラシレスモータ4
3は、U相、V相、W相からなる複数の巻線の一端
、N、N同士を連絡線101・・・にて三相に結
線することで、各巻線83a〜83iを三相電力により
駆動するように接続したものである。複数の巻線の一端
、N、Nは中性端子(中性点)である。
【0033】ブラシレスモータ43の駆動制御方式は、
例えば、三相電力源103から各端子U,V,W
にパルス電圧を供給するパルス幅変調方式(PWM方
式)である。パルス幅を制御されたパルス信号を、上記
図1に示す制御部42から制御信号として発すること
で、操舵トルクに応じた補助トルクをブラシレスモータ
43で発生させることができる。
【0034】図8(a),(b)は本発明に係るボビン
の構成図であり、(a)はボビン82の斜視構造を示
し、(b)は(a)のb−b線断面構造を示す。ボビン
82は、電気絶縁性樹脂材料からなる平面視略矩形状の
筒部材であって、この筒部材の上端並びに下端に一体に
形成した鍔部111,112と、筒部材の一端113か
ら想像線で示すモータ軸76へ向かって延ばしたアーム
片114と、このアーム片114の先端から更にモータ
軸76に沿って軸端76c側へ延ばした舌片115とを
形成した部材である。軸端76cとは、上記図3に示す
他端部76b側の端である。
【0035】具体的には、(b)のように下の鍔部11
2において、軸76長手途中の位置から下方へアーム片
114を延ばした。アーム片114と舌片115とによ
って、側面視L字状の線ガイド部116を成す。アーム
片114とモータ軸76との間には一定間隔S1の隙間
117を有する。舌片115の幅Wdは、(a)に示す
如くモータ軸76の周りに複数のボビン82・・・を配置
したときに、複数の舌片115・・・によってモータ軸7
6をほぼ囲うことができる大きさである。このようにし
て、複数のボビン82・・・の下の鍔部(軸76寄りの鍔
部)112・・・と複数のアーム片114・・・と複数の舌片
115・・・とによって囲まれた略環状の空間部118を
形成することができる。
【0036】図9は図3の9−9線断面図であり、モー
タ軸76を複数の舌片115・・・によって包囲したこ
と、及び、ボビン82・・・とアーム片114・・・と舌片1
15・・・とによって囲まれた略環状の空間部118に連
絡線101・・・を通したことを示す。
【0037】次に、上記構成のブラシレスモータ43の
作用について、上記図3に基づき説明する。インナロー
タ75の外径に比べてモータ軸76の径は小さい。当然
のことながら、インナロータ75の周りを囲う複数のボ
ビン82・・・とモータ軸76との間には、径方向に空き
スペースがある。本発明は、この空きスペースを有効利
用して、略環状の空間部118を設けたことを特徴とす
る。
【0038】具体的には、ブラシレスモータ43は、複
数のボビン82・・・の各一端からモータ軸76(インナ
ロータ75の軸76)へ向かって各々アーム片114・・
・を延ばし、これらのアーム片114・・・の先端から更に
モータ軸76に沿って軸端76c側へ各々舌片115・・
・を延ばすことで、複数のボビン82・・・と複数のアーム
片114・・・と複数の舌片115・・・とによって囲まれた
略環状の空間部118を形成することができる。
【0039】このようにして、狭いモータケース71内
でモータ軸76の周りに略環状の空間部118を確保
し、この空間部118に連絡線101・・・を通すことが
できる。しかも、複数のアーム片114・・・及び複数の
舌片115・・・とによってモータ軸76の周囲を囲った
ので、モータ軸76の近傍に連絡線101・・・を通した
にもかかわらず、連絡線101・・・がモータ軸76に絡
まる心配はない。従って、空きスペースを有効利用して
連絡線101・・・を確実に通すことができる。
【0040】この結果、モータケース71の底(奥端)
からアウタステータ78までの軸方向距離L1を小さく
設定することができる。しかも、空きスペースを利用す
るのであるから、モータケース71の径を大きくする必
要もない。従って、ブラシレスモータ43をより小型に
することができる。ブラシレスモータ43が小型になる
ので、車両の狭いスペースに配置する電動パワーステア
リング装置10(図1参照)の全体をも、より小型化す
ることができる。
【0041】さらには、モータ軸76の近傍に連絡線1
01・・・を通すので、連絡線101・・・の長さをより短く
することができる。有効磁束を形成しない連絡線101
・・・の線長は短くてすむ。その分だけ銅損失を抑制でき
る。この結果、ブラシレスモータ43の出力が増大し、
操舵フィーリングが向上する。
【0042】なお、請求項1のブラシレスモータ43
は、電動パワーステアリング装置10に適用する構成に
限定されるものではない。また、上記本発明の実施の形
態において、ブラシレスモータ43は、複数の巻線83
・・・の一端同士を連絡線にて単相に結線した構成であっ
てもよい。また、4相以上のブラシレスモータとしても
よい。
【0043】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、複数のボビンの各一端からインナロ
ータの軸へ向かって各々アーム片を延ばし、これらのア
ーム片の先端から更に軸に沿って軸端側へ各々舌片を延
ばすことで、複数のボビンと複数のアーム片と複数の舌
片とによって囲まれた略環状の空間部を形成することが
できる。すなわち、モータケースにおいて、インナロー
タの周りを囲う複数のボビンとインナロータの軸との間
には、径方向に空きスペースがあるので、この空きスペ
ースを有効利用し、上述した略環状の空間部を設けるこ
とができる。このようにして、狭いモータケース内でイ
ンナロータの軸の周りに略環状の空間部を確保し、この
空間部に複数の連絡線を通すことができる。しかも、複
数のアーム片及び複数の舌片とによってインナロータの
軸の周囲を囲ったので、インナロータの軸の近傍に連絡
線を通したにもかかわらず、連絡線がインナロータの軸
に絡まる心配はない。従って、空きスペースを有効利用
して連絡線を確実に通すことができる。
【0044】この結果、モータケースの底(奥端)から
アウタステータまでの軸方向距離を小さく設定すること
ができる。しかも、空きスペースを利用するのであるか
ら、モータケースの径を大きくする必要もない。従っ
て、ブラシレスモータをより小型にすることができる。
さらには、インナロータの軸の近傍に連絡線を通すの
で、連絡線の長さをより短くすることができる。有効磁
束を形成しない連絡線の線長は短くてすむ。その分だけ
銅損失を抑制できる。この結果、ブラシレスモータの出
力は増大する。
【0045】請求項2は、小型のブラシレスモータを電
動パワーステアリング装置の電動モータとして採用した
ので、車両の狭いスペースに配置する電動パワーステア
リング装置の全体を、より小型化することができる。従
って、車両の狭いスペースに電動パワーステアリング装
置を、より一層容易に配置することができる。さらに
は、操舵フィーリングが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動パワーステアリング装置の模
式図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】本発明に係る電動モータの断面図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】本発明に係るブラシレスモータのアウタステー
タ並びにインナロータの要部拡大図
【図6】本発明に係る巻線の模式図
【図7】本発明に係る巻線の結線図
【図8】本発明に係るボビンの構成図
【図9】図3の9−9線断面図
【図10】従来のブラシレスモータの取付構造の断面図
【図11】従来の3相ブラシレスモータの巻線の結線図
【符号の説明】
10…電動パワーステアリング装置、22…ステアリン
グ系、43…ブラシレスモータ(電動モータ)、75…
インナロータ、76…インナロータの軸(モータ軸)、
76c…軸端、78…アウタステータ、81…電気子、
82…ボビン、83…巻線、84…永久磁石、101…
連絡線、113…ボビンの一端、114…アーム片、1
15…舌片、116…線ガイド部、117…隙間、11
8…空間部、N,N,N…巻線の一端。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 29/00 H02K 29/00 Z (72)発明者 栗林 隆司 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D033 CA03 5H019 AA07 CC03 CC08 CC09 DD01 DD09 DD10 EE14 5H603 AA04 BB01 BB10 BB12 CA01 CA05 CA10 CB16 CB23 CB26 CC04 CC11 CC17 CD32 5H604 BB17 CC01 CC05 CC14 PB02 PC01 PC03 QA01 QA05 QB01 QB12 QB15 5H607 AA12 BB01 BB09 BB14 CC01 DD01 DD19 EE21 EE31 FF24 GG08 JJ03 JJ04 KK02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電気子を備える筒状のアウタステ
    ータにインナロータを組み合わせてなるブラシレスモー
    タであって、前記複数の電気子は、複数のボビン並びに
    各ボビンに巻いた巻線からなり、これら複数の巻線の一
    端同士を連絡線にて結線したブラシレスモータにおい
    て、 前記複数のボビンの各一端からインナロータの軸へ向か
    って各々アーム片を延ばし、これらのアーム片の先端か
    ら更に前記軸に沿って軸端側へ各々舌片を延ばすこと
    で、複数のボビンと複数のアーム片と複数の舌片とによ
    って囲まれた略環状の空間部を形成し、この空間部に前
    記連絡線を通したことを特徴とするブラシレスモータ。
  2. 【請求項2】 請求項1のブラシレスモータと、車両の
    ステアリングハンドルから操舵車輪に至るステアリング
    系と、前記ステアリングホイールで発生した操舵トルク
    を検出する操舵トルクセンサと、この操舵トルクセンサ
    の検出信号に基づき前記ブラシレスモータに制御信号を
    発する制御部と、前記ブラシレスモータが発した補助ト
    ルクを前記ステアリング系に伝えるトルク伝達機構とを
    備えたことを特徴とするブラシレスモータを搭載した電
    動パワーステアリング装置。
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