JP3889305B2 - ブラシレスモータ及びブラシレスモータを搭載した電動パワーステアリング装置 - Google Patents

ブラシレスモータ及びブラシレスモータを搭載した電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシレスモータ及びブラシレスモータを搭載した電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブラシレスモータは、無整流子モータとも呼ばれ、モータから整流子やブラシ等の機械的な接触部を取り去り、これらを電気的に置き換えたモータである。このようなブラシレスモータとしては、例えば図10及び図11に示す構成が知られている。
【0003】
図10は従来のブラシレスモータの断面図であり、ブラシレスモータ200のモータ出力をトルクリミッタ230を介して減速機240に伝達するようにしたことを示す。
ブラシレスモータ200は、モータケース201と、モータケース201の開口部201aを塞ぐリッド202と、モータケース201内に嵌合した筒状のアウタステータ203と、アウタステータ203に備えた複数の電気子204・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)と、アウタステータ203の内部に配置したインナロータ205と、インナロータ205と一体のモータ軸206と、インナロータ205の位相を検知する位相検知センサ207とからなる。
複数の電気子204・・・は、複数のボビン(図示せず)に巻いた巻線211・・・からなる。インナロータ205は、複数条の永久磁石213・・・を備えるとともに、これらの永久磁石213・・・を非磁性体製カバー214で覆ったものである。
【0004】
図中、201bはリッド202を支える段、201cはフランジ、215は第1軸受、216は第2軸受、217は止め輪、241は入力軸、242はウォーム、243はホイール、244は出力軸、245は減速機ケース、245aはフランジである。
【0005】
図11は従来の3相ブラシレスモータの巻線の結線図であり、このブラシレスモータ200の結線構造は、U相の巻線211における巻始めの端子をU10とするとともに巻終りの端子をN11とし、V相の巻線211における巻始めの端子をV10とするとともに巻終りの端子をN12とし、W相の巻線211における巻始めの端子をW10とするとともに巻終りの端子をN13とする。
【0006】
この図は、U相の巻線211の端子N11とV相の巻線211の端子N12とW相の巻線211の端子N13とを連絡線221・・・で三相に結線するとともに、巻始めの各端子U10,V10,W10を電力線222・・・で三相電力源223に接続することによって、ブラシレスモータ200の結線をY結線(スター形結線)にしたことを示す。
このようにブラシレスモータ200は、U相、V相、W相からなる巻線211・・・の一端N11、N12、N13同士を連絡線221・・・にて三相に結線することで、各巻線211を三相電力により駆動するように接続したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術は図10に示すように、複数の電気子204・・・の後方に連絡線221・・・を、モータ軸206に絡まないよう通したものである。この結果、モータケース201の底(奥端)からアウタステータ203までの軸方向距離L2は、大きくならざるを得ない。その分、ブラシレスモータ200は大型になる。連絡線221・・・を通すためにモータケース201を大型にするのでは、モータケース201に無駄なスペースが生ずるので、改良の余地がある。
しかも、連絡線221・・・をモータ軸206に絡まないように通すのであるから、有効磁束を形成しない連絡線221・・・の線長は長くなる。その分だけ銅損失(「銅損(copper loss,ohmic loss)」とも言う。)があり、改良の余地がある。
【0008】
そこで本発明の目的は、ブラシレスモータをより小型化するとともに、複数の巻線同士を連絡する連絡線の長さをより短くすることができる技術を提供することにある。さらには、小型ながら操舵フィーリングの良好な電動パワーステアリング装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、複数の電気子を備える筒状のアウタステータにインナロータを組み合わせてなるブラシレスモータであって、複数の電気子が、複数のボビン並びに各ボビンに巻いた巻線からなり、これら複数の巻線の一端から延長された連絡線同士を結線したブラシレスモータにおいて、
複数のボビンの各一端からインナロータの軸へ向かって各々アーム片を延ばし、これらのアーム片の先端から更に軸に沿って軸端側へ各々舌片を延ばし、アーム片は、軸との間には一定間隔の隙間を有し、舌片の幅は、軸の周りに複数のボビンを配置したときに、複数の舌片によって軸をほぼ囲うことができる大きさであり、複数のボビンと複数のアーム片と複数の舌片とが隣接しあうことで略環状の空間部を形成し、この空間部に連絡線を通したことを特徴とする。
【0010】
複数のボビンの各一端からインナロータの軸へ向かって各々アーム片を延ばし、これらのアーム片の先端から更に軸に沿って軸端側へ各々舌片を延ばすことで、複数のボビンと複数のアーム片と複数の舌片とによって囲まれた略環状の空間部を形成することができる。
すなわち、モータケースにおいて、インナロータの周りを囲う複数のボビンとインナロータの軸との間には、径方向に空きスペースがあるので、この空きスペースを有効利用し、上述した略環状の空間部を設けることができる。
このようにして、狭いモータケース内でインナロータの軸の周りに略環状の空間部を確保し、この空間部に複数の連絡線を通すことができる。しかも、複数のアーム片及び複数の舌片とによってインナロータの軸の周囲を囲ったので、インナロータの軸の近傍に連絡線を通したにもかかわらず、連絡線がインナロータの軸に絡まる心配はない。従って、空きスペースを有効利用して連絡線を確実に通すことができる。
【0011】
この結果、モータケースの底(奥端)からアウタステータまでの軸方向距離を小さく設定することができる。しかも、空きスペースを利用するのであるから、モータケースの径を大きくする必要もない。従って、ブラシレスモータをより小型にすることができる。
さらには、インナロータの軸の近傍に連絡線を通すので、連絡線の長さをより短くすることができる。有効磁束を形成しない連絡線の線長は短くてすむ。その分だけ銅損失を抑制できる。この結果、ブラシレスモータの出力は増大する。
【0012】
請求項2は、請求項1のブラシレスモータと、車両のステアリングハンドルから操舵車輪に至るステアリング系と、ステアリングホイールで発生した操舵トルクを検出する操舵トルクセンサと、この操舵トルクセンサの検出信号に基づきブラシレスモータに制御信号を発する制御部と、ブラシレスモータが発した補助トルクをステアリング系に伝えるトルク伝達機構とを備えたことを特徴とするブラシレスモータを搭載した電動パワーステアリング装置である。
小型のブラシレスモータを電動パワーステアリング装置の電動モータとして採用したので、車両の狭いスペースに配置する電動パワーステアリング装置の全体を、より小型化することができる。従って、車両の狭いスペースに電動パワーステアリング装置を、より一層容易に配置することができる。さらには、有効磁束を形成しない連絡線の線長が短くなるため、銅損失が低下し、良好な操舵フィーリングが得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【0014】
図1は本発明に係る電動パワーステアリング装置の模式図である。
電動パワーステアリング装置10は、車両のステアリングハンドル11から操舵車輪21,21に至るステアリング系22に、操舵機構23並びにこの操舵機構23に補助トルクを加える補助トルク機構24を備える。
【0015】
操舵機構23は、ステアリングハンドル11にステアリングシャフト12及び自在軸継手13,13を介してラックアンドピニオン機構31のピニオン軸32を連結し、ラックアンドピニオン機構31のラック軸34に左右のボールジョイント36,36及び左右のタイロッド37,37を介して左右の操舵車輪21,21を連結したものである。ラックアンドピニオン機構31は、ピニオン軸32に形成したピニオン33と、ラック軸34に形成したラック35とからなる。
運転者がステアリングハンドル11を操舵し、この操舵トルクによりラックアンドピニオン機構31及び左右のタイロッド37,37を介して、左右の操舵車輪21,21を操舵することができる。
【0016】
補助トルク機構24は、ステアリングハンドル11に加えたステアリング系22の操舵トルクを操舵トルクセンサ41で検出し、この検出信号に基づき制御部42で制御信号を発生し、この制御信号に基づき操舵トルクに応じた補助トルクを電動モータ43で発生し、補助トルクをトルクリミッタ44並びに減速機45を介してピニオン軸32に伝達するようにした機構である。
【0017】
以上を要約すれば、電動パワーステアリング装置10は、ステアリングハンドル11に加えた操舵トルクをラックアンドピニオン機構31のピニオン軸32に伝達するとともに、操舵トルクに応じて電動モータ43が発生した補助トルクを減速機45を介してピニオン軸32に伝達し、ラックアンドピニオン機構31によって操舵車輪21,21を操舵するようにしたものである。
従って、運転者の操舵トルクに電動モータ43の補助トルクを加えた複合トルクによって、操舵車輪21,21を操舵することができる。
【0018】
図2は図1の2−2線断面図であり、電動モータ43とトルクリミッタ44と減速機45との組合わせ構造について示す。
トルクリミッタ44は、電動モータ43のモータ軸76にセレーション結合した雄テーパ状のインナ部材51を、後述するウォーム軸62にセレーション結合した雌テーパ状(カップ状)のアウタ部材52に嵌合したトルク制限機構である。インナ部材51の外周面にアウタ部材52の内周面を、所定の摩擦力を有して連結することができる。53は皿ばね、54はナットである。
【0019】
減速機45は、電動モータ43で発生した補助トルクをピニオン軸32に伝達するトルク伝達手段であって、減速機ケース61に収納したウォームギヤ機構からなる。詳しくは、減速機45は、電動モータ43のモータ軸76にトルクリミッタ44を介して連結したウォーム軸(入力軸)62と、ウォーム軸62に形成したウォーム63と、図の表裏方向に長いピニオン軸(出力軸)32に連結したウォームホイール64とからなる。
【0020】
ウォーム軸62は、モータ軸76と同心上に配置し、2個の軸受65,65を介して減速機ケース61にて回転可能に且つ軸長手方向への移動を規制して支承された軸である。66は板ばね、67は調整ボルトである。
【0021】
減速機ケース61は、モータ軸76側に開いた開口部61aを形成し、この開口部61aの周囲にフランジ61b及びフランジ61bよりもモータ軸76側へ延びる嵌合筒部61cを一体に形成した部材である。
モータケース71は、減速機ケース61のフランジ61b側に開いた開口部71aを形成し、この開口部71aの周囲にフランジ71bを一体に形成した、底付き筒状ケースである。
【0022】
開口部71aに嵌合筒部61cを嵌合することで、減速機ケース61に対するモータケース71の取付芯を正確に決めることができる。さらには、フランジ61b,71b同士をボルト91にて止めることで、減速機ケース61にモータケース71を取外し可能に取付けることができる。
92はモータ駆動制御部である。
【0023】
図3は本発明に係る電動モータの断面図であり、電動モータ43を上記図2に対応させて表す。
電動モータ43は、上記モータケース71と、モータケース71の開口部71aを塞ぐリッド72と、モータケース71内に嵌合した筒状の第1アウタステータ73と、第1アウタステータ73内に嵌合した筒状の第2アウタステータ74と、第2アウタステータ74の内部に配置した筒状のインナロータ75と、インナロータ75と一体のモータ軸76(出力軸76)と、インナロータ75の位相を検知する位相検知センサ77とからなる、ブラシレス式インナロータ型直流モータである。
以下、電動モータ43のことを、説明に応じて適宜「ブラシレスモータ43」と言い換えることにする。
【0024】
第1アウタステータ73と第2アウタステータ74の組合せ構造は、モータケース71に固定した1組のアウタステータ78をなす。アウタステータ78は周方向に配列された複数の電気子81・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)を備える。複数の電気子81・・・は、複数のボビン82・・・並びに各ボビン82・・・に巻いた巻線83・・・からなる。インナロータ75は、周方向に配列された複数条の永久磁石84・・・を備えるとともに、これらの永久磁石84・・・を薄肉円筒状の非磁性体製カバー85で覆ったものである。モータ軸76は、出力側の一端を減速機ケース61内に延ばした横向きの回転軸である。
位相検知センサ77は、モータ軸76に取付けた積層コアロータ77aと、コアロータ77aの位相を磁気的に検知する検知素子77bとからなる。
【0025】
このような電動モータ43(ブラシレスモータ43)は、モータ軸76における出力側の一端部76aを第1軸受86を介してリッド72で回転自在に支持させ、このリッド72をモータケース71の開口部71aに嵌めるとともに、モータ軸76における反出力側の他端部76bを第2軸受87を介してモータケース71で回転自在に支持させたことを特徴とする。第1・第2軸受86,87は、ボールベアリング等の転がり軸受である。
【0026】
さらに詳しく説明すると、モータケース71は、比較的大径の開口部71aと、それよりの奥側の小径の空間部71cとの、境に形成された段71dを有する。
モータケース71に設けた段71dと減速機ケース61に設けた押し面61dとで、リッド72の内側端面72a及び外側端面72bを挟持させることにより、モータ軸76方向(図の左右方向)のリッド72の移動を抑えることができる。88は皿ばねである。
【0027】
図4は図3の4−4線断面図であり、ブラシレスモータ43の断面構造を示す。
第2アウタステータ74は、筒状部分の外周面から9個の突極74a〜74iを等ピッチで放射状に延し、これら放射状に配置した9個の突極74a〜74iに1極毎に巻線83a〜83i(複数の巻線83・・・に符号a,b,・・・iを付けた)を巻くことで、周方向に9極の巻線83a〜83iを有した磁性体である。突極74a〜74iは所定厚みのフィンである。
複数条、例えば8個の永久磁石84・・・は、径方向(内・外面方向)に着磁した円弧状部材であり、周方向にN極とS極とが交互に配列するように並べたものである。図に示すように、複数条の永久磁石84・・・の相互間には隙間を有する。
【0028】
図5は本発明に係るブラシレスモータのアウタステータ並びにインナロータの要部拡大図であり、上記図4の一部を拡大して示す。
ブラシレスモータ43は、モータケース71に対して第1アウタステータ73を位置決めピン95にて周方向の位置決めをし、第1アウタステータ73の内周面に軸長手方向、すなわち図表裏方向に延びる複数の溝73a・・・を形成し、これらの溝73a・・・に各突極74a〜74iの先端を嵌合することで、第1アウタステータ73に対して第2アウタステータ74を周方向の位置決めをしたものである。
【0029】
巻線83a〜83iの巻き構造は、個別に巻線83a〜83iを巻いた筒状のボビン82・・・を、突極74a〜74iに挿入したものである。このようにして、突極74a〜74iに1極毎に巻線83a〜83iを巻くことができる。
第2アウタステータ74の内周面とカバー85の外周面との間には、若干の空隙(エアギャップ)96を有する。
【0030】
図6は本発明に係る巻線の模式図であり、突極74a〜74iに巻いた9極の巻線83a〜83iの、隣接し合う3極ずつを直列接続して各々1相とすることで、3相(U相、V相、W相)にしたことを示す。
具体的には、隣接し合う3極の巻線83a,83b,83cを直列接続することでU相の巻線とし、隣接し合う3極の電気子巻線83d,83e,83fを直列接続することでV相の巻線とし、隣接し合う3極の電気子巻線83g,83h,83iを直列接続することでW相の巻線とした。電気子巻線83a〜83iの巻き方向は、図6に示す通りである。
【0031】
U相の巻線の、巻始めの端子はUであり巻終りの端子はNである。V相の巻線の、巻始めの端子はVであり巻終りの端子はNである。W相の巻線の、巻始めの端子はWであり巻終りの端子はNである。
以上の説明から明らかなように、本発明のブラシレスモータ43の巻線の構成は、等ピッチで放射状に配置した9個の突極74a〜74iに1極毎に巻線83a〜83iを巻くようにした集中巻きであり、いわゆる突極巻きと称する。
【0032】
図7は本発明に係る巻線の結線図であり、U相の巻線の端子NとV相の巻線の端子NとW相の巻線の端子Nとを連絡線101・・・にて三相に結線するとともに、巻始めの各端子U,V,Wを電力線102・・・にて三相電力源103に接続することによって、ブラシレスモータ43の結線をY結線(スター形結線)にしたことを示す。
このようにブラシレスモータ43は、U相、V相、W相からなる複数の巻線の一端N、N、N同士を連絡線101・・・にて三相に結線することで、各巻線83a〜83iを三相電力により駆動するように接続したものである。複数の巻線の一端N、N、Nは中性端子(中性点)である。
【0033】
ブラシレスモータ43の駆動制御方式は、例えば、三相電力源103から各端子U,V,Wにパルス電圧を供給するパルス幅変調方式(PWM方式)である。パルス幅を制御されたパルス信号を、上記図1に示す制御部42から制御信号として発することで、操舵トルクに応じた補助トルクをブラシレスモータ43で発生させることができる。
【0034】
図8(a),(b)は本発明に係るボビンの構成図であり、(a)はボビン82の斜視構造を示し、(b)は(a)のb−b線断面構造を示す。
ボビン82は、電気絶縁性樹脂材料からなる平面視略矩形状の筒部材であって、この筒部材の上端並びに下端に一体に形成した鍔部111,112と、筒部材の一端113から想像線で示すモータ軸76へ向かって延ばしたアーム片114と、このアーム片114の先端から更にモータ軸76に沿って軸端76c側へ延ばした舌片115とを形成した部材である。軸端76cとは、上記図3に示す他端部76b側の端である。
【0035】
具体的には、(b)のように下の鍔部112において、軸76長手途中の位置から下方へアーム片114を延ばした。アーム片114と舌片115とによって、側面視L字状の線ガイド部116を成す。アーム片114とモータ軸76との間には一定間隔S1の隙間117を有する。
舌片115の幅Wdは、(a)に示す如くモータ軸76の周りに複数のボビン82・・・を配置したときに、複数の舌片115・・・によってモータ軸76をほぼ囲うことができる大きさである。
このようにして、複数のボビン82・・・の下の鍔部(軸76寄りの鍔部)112・・・と複数のアーム片114・・・と複数の舌片115・・・とによって囲まれた略環状の空間部118を形成することができる。
【0036】
図9は図3の9−9線断面図であり、モータ軸76を複数の舌片115・・・によって包囲したこと、及び、ボビン82・・・とアーム片114・・・と舌片115・・・とによって囲まれた略環状の空間部118に連絡線101・・・を通したことを示す。
【0037】
次に、上記構成のブラシレスモータ43の作用について、上記図3に基づき説明する。
インナロータ75の外径に比べてモータ軸76の径は小さい。当然のことながら、インナロータ75の周りを囲う複数のボビン82・・・とモータ軸76との間には、径方向に空きスペースがある。本発明は、この空きスペースを有効利用して、略環状の空間部118を設けたことを特徴とする。
【0038】
具体的には、ブラシレスモータ43は、複数のボビン82・・・の各一端からモータ軸76(インナロータ75の軸76)へ向かって各々アーム片114・・・を延ばし、これらのアーム片114・・・の先端から更にモータ軸76に沿って軸端76c側へ各々舌片115・・・を延ばすことで、複数のボビン82・・・と複数のアーム片114・・・と複数の舌片115・・・とによって囲まれた略環状の空間部118を形成することができる。
【0039】
このようにして、狭いモータケース71内でモータ軸76の周りに略環状の空間部118を確保し、この空間部118に連絡線101・・・を通すことができる。しかも、複数のアーム片114・・・及び複数の舌片115・・・とによってモータ軸76の周囲を囲ったので、モータ軸76の近傍に連絡線101・・・を通したにもかかわらず、連絡線101・・・がモータ軸76に絡まる心配はない。従って、空きスペースを有効利用して連絡線101・・・を確実に通すことができる。
【0040】
この結果、モータケース71の底(奥端)からアウタステータ78までの軸方向距離L1を小さく設定することができる。しかも、空きスペースを利用するのであるから、モータケース71の径を大きくする必要もない。従って、ブラシレスモータ43をより小型にすることができる。
ブラシレスモータ43が小型になるので、車両の狭いスペースに配置する電動パワーステアリング装置10(図1参照)の全体をも、より小型化することができる。
【0041】
さらには、モータ軸76の近傍に連絡線101・・・を通すので、連絡線101・・・の長さをより短くすることができる。有効磁束を形成しない連絡線101・・・の線長は短くてすむ。その分だけ銅損失を抑制できる。この結果、ブラシレスモータ43の出力が増大し、操舵フィーリングが向上する。
【0042】
なお、請求項1のブラシレスモータ43は、電動パワーステアリング装置10に適用する構成に限定されるものではない。
また、上記本発明の実施の形態において、ブラシレスモータ43は、複数の巻線83・・・の一端同士を連絡線にて単相に結線した構成であってもよい。また、4相以上のブラシレスモータとしてもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、複数のボビンの各一端からインナロータの軸へ向かって各々アーム片を延ばし、これらのアーム片の先端から更に軸に沿って軸端側へ各々舌片を延ばすことで、複数のボビンと複数のアーム片と複数の舌片とによって囲まれた略環状の空間部を形成することができる。
すなわち、モータケースにおいて、インナロータの周りを囲う複数のボビンとインナロータの軸との間には、径方向に空きスペースがあるので、この空きスペースを有効利用し、上述した略環状の空間部を設けることができる。
このようにして、狭いモータケース内でアーム片が軸との間に一定間隔の隙間を有することで、インナロータの軸の周りに略環状の空間部を確保し、この空間部に複数の連絡線を通すことができる。しかも、舌片の幅は、軸の周りに複数のボビンを配置したときに、複数の舌片によって軸をほぼ囲うことができる大きさであり、複数のアーム片及び複数の舌片とによってインナロータの軸の周囲を囲ったので、インナロータの軸の近傍に連絡線を通したにもかかわらず、連絡線がインナロータの軸に絡まる心配はない。従って、空きスペースを有効利用して連絡線を確実に通すことができる。
【0044】
この結果、モータケースの底(奥端)からアウタステータまでの軸方向距離を小さく設定することができる。しかも、空きスペースを利用するのであるから、モータケースの径を大きくする必要もない。従って、ブラシレスモータをより小型にすることができる。
さらには、アーム片は、軸との間には一定間隔の隙間を有し、インナロータの軸の近傍に連絡線を通すので、連絡線の長さをより短くすることができる。有効磁束を形成しない連絡線の線長は短くてすむ。その分だけ銅損失を抑制できる。この結果、ブラシレスモータの出力は増大する。
【0045】
請求項2は、小型のブラシレスモータを電動パワーステアリング装置の電動モータとして採用したので、車両の狭いスペースに配置する電動パワーステアリング装置の全体を、より小型化することができる。従って、車両の狭いスペースに電動パワーステアリング装置を、より一層容易に配置することができる。さらには、操舵フィーリングが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動パワーステアリング装置の模式図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】本発明に係る電動モータの断面図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】本発明に係るブラシレスモータのアウタステータ並びにインナロータの要部拡大図
【図6】本発明に係る巻線の模式図
【図7】本発明に係る巻線の結線図
【図8】本発明に係るボビンの構成図
【図9】図3の9−9線断面図
【図10】従来のブラシレスモータの取付構造の断面図
【図11】従来の3相ブラシレスモータの巻線の結線図
【符号の説明】
10…電動パワーステアリング装置、22…ステアリング系、43…ブラシレスモータ(電動モータ)、75…インナロータ、76…インナロータの軸(モータ軸)、76c…軸端、78…アウタステータ、81…電気子、82…ボビン、83…巻線、84…永久磁石、101…連絡線、113…ボビンの一端、114…アーム片、115…舌片、116…線ガイド部、117…隙間、118…空間部、N,N,N…巻線の一端。

Claims (2)

  1. 複数の電気子を備える筒状のアウタステータにインナロータを組み合わせてなるブラシレスモータであって、前記複数の電気子は、複数のボビン並びに各ボビンに巻いた巻線からなり、これら複数の巻線の一端から延長された連絡線同士を結線したブラシレスモータにおいて、
    前記複数のボビンの各一端からインナロータの軸へ向かって各々アーム片を延ばし、これらのアーム片の先端から更に前記軸に沿って軸端側へ各々舌片を延ばし、
    前記アーム片は、前記軸との間には一定間隔の隙間を有し、
    前記舌片の幅は、前記軸の周りに複数の前記ボビンを配置したときに、複数の舌片によって前記軸をほぼ囲うことができる大きさであり、
    複数のボビンと複数のアーム片と複数の舌片とが隣接しあうことで略環状の空間部を形成し、この空間部に前記連絡線を通したことを特徴とするブラシレスモータ。
  2. 請求項1のブラシレスモータと、車両のステアリングハンドルから操舵車輪に至るステアリング系と、前記ステアリングホイールで発生した操舵トルクを検出する操舵トルクセンサと、この操舵トルクセンサの検出信号に基づき前記ブラシレスモータに制御信号を発する制御部と、前記ブラシレスモータが発した補助トルクを前記ステアリング系に伝えるトルク伝達機構とを備えたことを特徴とするブラシレスモータを搭載した電動パワーステアリング装置。
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