JP2003299273A - 多層モータのステータ支持構造 - Google Patents

多層モータのステータ支持構造

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JP2003299273A
JP2003299273A JP2002098292A JP2002098292A JP2003299273A JP 2003299273 A JP2003299273 A JP 2003299273A JP 2002098292 A JP2002098292 A JP 2002098292A JP 2002098292 A JP2002098292 A JP 2002098292A JP 2003299273 A JP2003299273 A JP 2003299273A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いステータ支持力を確保しながら、ステー
タピースの円周方向幅を拡大することにより磁気性能を
高めることができる多層モータのステータ支持構造を提
供すること。 【解決手段】 インナーロータ2とアウターロータ6と
の間にステータ4が配置された多層モータMにおいて、
円周上に配列されたステータピース積層体41の間の位
置に配置され軸方向に貫通するボルト・ナットを、異な
る径方向位置の円周上にそれぞれ配列されたインナー側
ボルト・ナット44とアウター側ボルト・ナット45と
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイブリッド車や
電気自動車の駆動装置等に適用される多層モータのステ
ータ支持構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、多層モータのステータ支持構造と
しては、例えば、特開2000−78408号公報に記
載のものが知られている。
【0003】この従来公報には、インナーロータとアウ
ターロータとの間にステータが配置された多層モータに
おいて、ステータは、円周方向に隣接するステータピー
ス積層体の間の位置に配置され軸方向に貫通するボルト
・ナットを配置し、このステータピース積層体の軸方向
両端位置にブラケットを設置し、両端のブラケットをボ
ルト・ナットにより締め上げることで発生する摩擦力に
てステータピース積層体を支持するステータ支持構造が
記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
多層モータのステータ支持構造にあっては、ステータ内
周側に非磁性体からなるボルト・ナットを、同じ径方向
位置の円周上に配列している、つまり、径方向に1本配
置しているのみであったため、ステータピースの円周方
向幅が減少してしまうという問題があった。
【0005】すなわち、多層モータにおいて、出力、特
にトルクが増加した場合、ステータは、ロータの出力ト
ルクの反力を受けるので、ステータが動こうとする力を
径方向に1本配置されたボルト・ナットのみで軸力を発
生させ、ステータを支えなければならない。これに対
し、ステータの外周位置にアウターロータが配置されて
いてステータの外周面をモータハウジングに支持固定す
ることができない多層モータでは、ボルト軸径を大きく
して対策することになる。この場合、隣接する円周方向
のステータピースの間隔が決まっているので、ボルト軸
径が大きくなるとボルトによる占有面積が拡大し、必然
的にステータピースの円周方向幅が減少してしまう。
【0006】本発明は、上記問題点に着目してなされた
もので、高いステータ支持力を確保しながら、ステータ
ピースの円周方向幅を拡大することにより磁気性能を高
めることができる多層モータのステータ支持構造を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、インナーロータとアウターロータとの
間にステータが配置された多層モータにおいて、円周上
に配列されたステータピース積層体の間の位置に配置さ
れ軸方向に貫通するボルト・ナットを、異なる径方向位
置の円周上にそれぞれ配列されたインナー側ボルト・ナ
ットとアウター側ボルト・ナットとした。
【0008】
【発明の効果】よって、本発明にあっては、径方向の異
なる位置に2本のボルト・ナットを配置する構成とした
ため、径方向に1本のボルト・ナットを配置する場合に
比べ、1本で受け持つ軸力が低くなり、これに伴ってボ
ルト軸径を小さく抑えても要求されるステータ支持力を
得ることができる。この結果、高いステータ支持力を確
保しながら、ボルト軸の両側に配置されるステータピー
スの円周方向幅を拡大することにより磁気性能を高める
ことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の多層モータのステ
ータ支持構造を実現する実施の形態を、請求項1,2,
3,4,5に係る発明に対応する第1実施例に基づいて
説明する。
【0010】(第1実施例)まず、全体構成を説明す
る。図1は第1実施例のステータ支持構造が適用された
多層モータMを示す縦断側面図、図2は第1実施例のス
テータ支持構造が適用された多層モータMを示す一部縦
断正面図である。
【0011】多層モータMは、インナーロータ中空軸1
(第一の回転軸)に接続されたインナーロータ2と、該
インナーロータ2の外周に配置され、モータハウジング
3に固定されたステータ4と、該ステータ4の外周に配
置され、アウターロータ軸5(第二の回転軸)に接続さ
れたアウターロータ6と、を有する三層モータ構造とさ
れている。
【0012】前記インナーロータ2は、その内筒面がイ
ンナーロータ中空軸1の段差軸端部に対して圧入により
固定されている。このインナーロータ2には、図2に示
すように、ロータベース20に対し磁束形成を考慮した
配置によるインナーロータマグネット21が軸方向に1
2本埋設されている。
【0013】前記ステータ4は、ステータピース40と
ステータピース積層体41とコイル42と冷却水路43
とインナー側ボルト・ナット44とアウター側ボルト・
ナット45と非磁性体樹脂層46とを有して構成されて
いる。そして、ステータ4の正面側端部が、正面側エン
ドプレート7とステータ固定ケース8とを介してモータ
ハウジング3に固定されている。なお、前記コイル42
に対しては、給電接続端子9と給電リング10と給電コ
ネクタ11とコイル給電構造12を介して、外部から複
合電流が印加される。
【0014】前記アウターロータ6は、その外筒面がア
ウターロータ固定ケース13に対して圧入固定されてい
る。そして、アウターロータ固定ケース13の背面側端
部には連結ケース部14が固定され、この連結ケース部
14にアウターロータ軸5がスプライン結合されてい
る。このアウターロータ6には、図2に示すように、ロ
ータベース60に対し磁束形成を考慮した配置によるア
ウターロータマグネット61が、両端位置に空間を介し
て軸方向に12本埋設されている。
【0015】なお、図1において、80,81はアウタ
ーロータ6をモータハウジング3に支持する一対のアウ
ターロータ軸受、82はインナーロータ2をモータハウ
ジング3に支持するインナーロータ軸受、83はアウタ
ーロータ6の回転を許容しながらステータ4を支持する
ステータ軸受、84はインナーロータ中空軸1とアウタ
ーロータ軸5との間に介装される相対回転軸受である。
また、85はインナーロータ2の回転位置を検出するイ
ンナーロータレゾルバ、86はアウターロータ6の回転
位置を検出するアウターロータレゾルバである、次に、
ステータ4の構成を説明する。図3は第1実施例のステ
ータを端面側から視た図、図4は第1実施例のステータ
を示す縦断面図、図5は第1実施例のステータを示す一
部側面図及びA−A断面図、図6は第1実施例のステー
タを構成するステータピース及びステータピースとブラ
ケットとの位置関係を示す図である。
【0016】前記ステータ4は、複数のステータピース
40が軸方向に積層されたステータピース積層体41の
外周にコイル42が巻かれ、このコイル42が巻かれた
ステータピース積層体41を円周上に配列する。次に、
ステータピース積層体41の軸方向両端位置に、ステー
タピース40との位置決めをしながら正面側ブラケット
47(ブラケット)と背面側ブラケット48(ブラケッ
ト)を設置する。次に、両ブラケット47,48の外側
に正面側エンドプレート7と背面側エンドプレート15
を配置し、インナー側ボルト・ナット44を挿通すると
共に、アウター側ボルト・ナット45を挿通して、ナッ
トを回しながら締め上げる。
【0017】この両端のブラケット47,48をインナ
ー側ボルト・ナット44とアウター側ボルト・ナット4
5により締め上げることで発生する摩擦力により、ステ
ータピース積層体41を複数のステータピース40が軸
方向に積層された状態で支持する。
【0018】このようにしてステータ4の骨格構造体が
できあがったら、ステータ形状に合致する凹型を有する
型枠内に入れ、冷却水路43をパイプ等により確保しな
がら、高耐熱性で高強度の溶融樹脂を流し込み、コイル
42やインナー側ボルト・ナット44やアウター側ボル
ト・ナット45等の周り部分に充填することで、非磁性
体樹脂層46を有するステータ形状に成形される。
【0019】これにより、ステータ4の異なる径方向位
置の円周上にそれぞれ配列したインナー側ボルト・ナッ
ト44(18本)とアウター側ボルト・ナット45(1
8本)は、図3に示すように、コイル42が巻かれたス
テータピース積層体41の間の位置に配置され、各ボル
ト軸がモータ軸方向に貫通する。
【0020】前記ステータピース積層体41の構成要素
であるステータピース40は、図6(イ)に示すよう
に、ステータ外周側のインナーロータヨーク部40a
と、ステータ内周側のアウターロータヨーク部40b
と、両ヨーク部40a,40bを連結するコイル巻き付
け部40cと、を有する構成とされる。そして、ステー
タピース40は、アウターロータヨーク部40bの円周
方向幅W2よりインナーロータヨーク部40aの円周方向
幅W1の方を広く設定している。
【0021】なお、ステータピース積層体41の両端部
側のステータピース40'は、図6(イ)に示すよう
に、ステータピース40の構成に加え、上下位置に位置
決めピン穴40d,40eが開穴されている。なお、図
6(イ)のハッチングに示す部分は、正面側ブラケット
47及び背面側ブラケット48との接触部分である。
【0022】前記正面側ブラケット47と背面側ブラケ
ット48には、図5(イ)に示すように、インナー側ボ
ルト穴47a,48aと冷却水路穴47b,48bとア
ウター側ボルト穴47c,48cと位置決めピン穴47
d,47e,48d,48eが開穴される。そして、前
記インナーロータヨーク部40aと前記アウターロータ
ヨーク部40bにて個々のステータピース40と接する
凸部47f,48fと、前記コイル巻き付け部40cで
は内面が削除された凹部47g,48gとが形成され、
図5(ロ)に示すように、コの字断面を持つ形状とされ
る。
【0023】そして、図3に示すように、前記アウター
側ボルト・ナット45の隣接する円周方向間隔OLを、前
記インナー側ボルト・ナット44の隣接する円周方向間
隔ILより広く設定している。
【0024】前記アウター側ボルト・ナット45は、磁
性材を素材とし、ボルト座面外周及びナット座面外周が
前記両ブラケット47,48の外周とほぼ一致する径方
向位置に配置し、前記インナー側ボルト・ナット44
は、磁性材を素材とし、ボルト座面外周及びナット座面
外周が両ブラケット47,48の内周とほぼ一致する径
方向位置に配置している。つまり、アウター側ボルト・
ナット45のボルト軸とステータ4の外周面との径方向
クリアランスc1と、インナー側ボルト・ナット44のボ
ルト軸とステータ4の内周面との径方向クリアランスc2
を最小に抑える構成としている。
【0025】前記アウター側ボルト・ナット45及びイ
ンナー側ボルト・ナット44は、それぞれのボルト軸
と、該ボルト軸に隣接するステータピース40とのクリ
アランスc3,c4を、アウターロータ磁束の鎖交数とイン
ナーロータ磁束の鎖交数とが両立する最適クリアランス
となる設定としている。なお、49は位置決めピンであ
る。
【0026】次に、作用を説明する。
【0027】[多層モータの基本機能]2ロータ・1ス
テータの多層モータMを採用したことで、図2に示すよ
うに、アウターロータ磁力線とインナーロータ磁力線と
の2つの磁力線が作られ、コイル42及び図外のインバ
ータを2つのインナーロータ2とアウターロータ6に対
し共用できる。そして、インナーロータ2に対する電流
とアウターロータ6に対する電流を重ね合わせた複合電
流を1つのコイル42に印加することにより、2つのロ
ータ2,6をそれぞれ独立に制御することができる。つ
まり、外観的には、1つの多層モータMであるが、モー
タ機能とジェネレータ機能の異種または同種の機能を組
み合わせものとして使える。
【0028】よって、例えば、ロータとステータを持つ
モータと、ロータとステータを持つジェネレータの2つ
のものを設ける場合に比べて大幅にコンパクトになり、
スペース・コスト・重量の面で有利であると共に、コイ
ル共用化により電流による損失(銅損,スイッチングロ
ス)を低減することができる。
【0029】また、複合電流制御のみで(モータ+ジェ
ネレータ)の使い方に限らず、(モータ+モータ)や
(ジェネレータ+ジェネレータ)の使い方も可能である
というように、高い選択自由度を持ち、例えば、ハイブ
リッド車の駆動源に採用した場合、これら多数の選択肢
の中から車両状態に応じて最も効果的或いは効率的な組
み合わせを選択することができる。
【0030】[ボルト2本によるステータ支持作用]ま
ず、多層モータMにおいて、出力、特にトルクが増加し
た場合、ステータ4は、インナーロータ2やアウターロ
ータ6の出力トルクの反力を受けるので、ステータ4が
動こうとする力をボルト・ナットのみで軸力を発生さ
せ、ステータ4を支えなければならない。
【0031】従来例のステータ支持構造は、ステータ内
周側に非磁性体からなるボルト・ナットを、同じ径方向
位置の円周上に配列している、つまり、径方向に1本配
置しているのみであるため、ステータが大きなトルクを
受ける場合には、ボルト軸径を大きくして対策すること
になる。この場合、隣接する円周方向のステータピース
の間隔が決まっているため、ボルト軸径が大きくなると
ボルトによる占有面積が拡大し、必然的にステータピー
スの円周方向幅が減少してしまう。
【0032】これに対し、第1実施例のステータ支持構
造では、径方向の異なる位置に2本のインナー側ボルト
・ナット44とアウター側ボルト・ナット45を配置す
る構成としたため、径方向に1本のボルト・ナットを配
置する場合に比べ、1本で受け持つ軸力が低くなり、こ
れに伴ってボルト軸径を小さく抑えても要求されるステ
ータ支持力を得ることができる。この結果、ボルト軸の
両側に配置されるステータピース40の円周方向幅を拡
大することができる。
【0033】また、アウターロータ6の方がインナーロ
ータ2よりエアギャップ径が大きいために大トルクを出
しやすい。この場合、その反力は、アウターロータ6側
のステータピース40が受ける。
【0034】従来例のステータ支持構造のように、ボル
ト・ナットをステータの内周側に1本配置しているのみ
である場合、力の発生個所(ステータのアウターロータ
側)とボルト・ナットとの距離が遠くなるため、より大
きなトルクを支えなければならず、余計にボルト軸径を
大きく設定する必要がある。
【0035】これに対し、第1実施例のステータ支持構
造では、径方向の異なる位置に2本のインナー側ボルト
・ナット44とアウター側ボルト・ナット45を配置す
る構成としたため、例えば、アウターロータ6の発生す
るトルクの反力はアウター側ボルト・ナット45で受
け、インナーロータ2の発生するトルクの反力はインナ
ー側ボルト・ナット44で受けることで、支点と作用点
の距離を短くすることができるため、径方向に1本のみ
のボルト・ナットで支える場合に比べ、少ない力で反力
を支えることができる。
【0036】また、例えば、インナーロータ2とアウタ
ーロータ6とが逆向きのトルクを発生した場合、ステー
タピース40は回転しようとするモーメントを受ける。
このとき、ボルト・ナットが径方向に1本配置した場合
には、ボルト周りに回転してしまうが、ボルト・ナット
を径方向に2本配置した第1実施例の場合には、回転す
るモーメントに対しても強くすることができる。
【0037】さらに、ステータ4の軸方向長さが長くな
った場合、ボルト・ナットが径方向に1本配置した場合
には、ボルト・ナットと両端のブラケットで構成される
骨格構造自体がねじれようとする力に対して弱いが、ボ
ルト・ナットを径方向に2本配置した第1実施例の場合
には、2本のボルト・ナット44,45と両端のブラケ
ット47,48で構成される骨格構造自体がねじれに対
し構造的に強くなる。
【0038】[ブラケットのステータピースに対する面
圧増大作用]ボルト・ナットで軸力を発生させ、ブラケ
ットとステータピース間に発生する摩擦力でステータを
ブラケットに対して動かないように固定するステータ支
持構造では、ステータピースとブラケットの接触面積
は、多い方がステータの動こうとする力をより効果的の
抑えることができる。
【0039】従来例のステータ支持構造のように、ボル
ト・ナットをステータの内周側に1本配置しているのみ
である場合、ブラケットがステータピースのインナーロ
ータ側の片寄った一部分のみでしか接触しておらず、大
トルクに対して十分な接触面積を確保することが出来な
かった。
【0040】これに対し、第1実施例のステータ支持構
造では、ステータピース40を、インナーロータヨーク
部40aとアウターロータヨーク部40bにて個々のス
テータピース40と接する凸部47f,48fを形成し
たため、両ブラケット47,48とステータピース40
とは、図6(ロ)に示すように、インナーロータヨーク
部40aとアウターロータヨーク部40bとが接触す
る。この結果、両ブラケット47,48とステータピー
ス40とは、大トルクに対しても十分に対抗することが
できる接触面積を確保することができる。
【0041】なお、両ブラケット47,48は、ステー
タピース40のコイル巻き付け部40cに対応する位置
に凹部47g,48gが形成されているため、コイル4
2が突出するコイルエリア(ステータピース積層体41
の端部域)に、コイル42と干渉することのない十分な
空間が確保される。
【0042】[2本のボルトによる回転モーメント支持
作用]例えば、インナーロータ2側で発生したトルクを
支える場合、アウター側ボルト・ナット45の間隔は広
い方が、回転中心からの腕の長さを長くとることができ
るので、同じ力を支えるにも少ない力で回転モーメント
を支えることができる。つまり、インナーロータ2のト
ルクを効果的に支えるには、アウター側ボルト・ナット
45の間隔を広くとったほうが良く、同じくアウターロ
ータ6のトルクを効果的に支えるには、インナー側ボル
ト・ナット44の間隔を広くとったほうが良い。
【0043】これに対し、第1実施例のステータ支持構
造では、アウター側ボルト・ナット45の隣接する円周
方向間隔OLを、インナー側ボルト・ナット44の隣接す
る円周方向間隔ILより広く設定、つまり、インナー側ボ
ルト・ナット44とアウター側ボルト・ナット45を放
射状に配置しているため、両円周方向間隔OL,ILが広く
確保され、インナーロータ2のトルクもアウターロータ
6のトルクも効果的に支えることができる。
【0044】[コイルエリア及び冷却エリアの確保作
用]第1実施例のステータ支持構造では、アウター側ボ
ルト・ナット45は、磁性材を素材とし、ボルト座面外
周及びナット座面外周が両ブラケット47,48の外周
とほぼ一致する径方向位置に配置し、インナー側ボルト
・ナット44は、磁性材を素材とし、ボルト座面外周及
びナット座面外周が両ブラケット47,48の内周とほ
ぼ一致する径方向位置に配置している。
【0045】つまり、アウター側ボルト・ナット45は
なるべく外周側に配置し、インナー側ボルト・ナット4
4はなるべく内周側に配置しているため、隣接するステ
ータピース40,40間のスペースにおいて、両ボルト
・ナット44,45が占有するスペースが最小に抑えら
れ、この結果、コイルエリアと冷却エリアを多くとるこ
とができる。
【0046】[ボルトとステータピースによる磁束形成
作用]上記のように、アウター側ボルト・ナット45は
なるべく外周側に配置し、インナー側ボルト・ナット4
4はなるべく内周側に配置した場合、ボルト軸がステー
タピース40と接触してしまうと、両ボルト・ナット4
4,45とステータピース40との絶縁が保てなくな
る。
【0047】そこで、第1実施例のステータ支持構造で
は、アウター側ボルト・ナット45及びインナー側ボル
ト・ナット44は、それぞれのボルト軸と、該ボルト軸
に隣接するステータピース40とのクリアランスc3,c4
を、アウターロータ磁束の鎖交数とインナーロータ磁束
の鎖交数とが両立する最適クリアランスとなる設定とし
ている。
【0048】ここで、アウターロータヨーク部40b側
での磁束鎖交数において、インナーロータ磁束とアウタ
ーロータ磁束が両立するクリアランスc3とは、図7に示
すように、インナーロータ磁束特性(クリアランスc3が
大きいほどインナーロータ磁束を通すため右上がり特
性)とアウターロータ磁束特性(クリアランスc3が大き
いほどアウターロータ磁束の漏れ磁束が大きくなるため
右下がり特性)との交点に対応するクリアランスであ
る。
【0049】また、インナーロータヨーク部40a側で
の磁束鎖交数において、インナーロータ磁束とアウター
ロータ磁束が両立するクリアランスc4とは、図8に示す
ように、インナーロータ磁束特性(クリアランスc4が大
きいほどインナーロータ磁束の漏れ磁束が大きくなるた
め右下がり特性)とアウターロータ磁束特性(クリアラ
ンスc4が大きいほどアウターロータ磁束を通すため右上
がり特性)との交点に対応するクリアランスである。
【0050】この結果、アウターロータ磁束とインナー
ロータ磁束とが両立し、高い磁気性能を達成することが
できる。
【0051】次に、効果を説明する。
【0052】第1実施例の多層モータのステータ支持構
造にあっては、下記に列挙する効果を得ることができ
る。
【0053】(1) インナーロータ2とアウターロータ6
との間にステータ4が配置された多層モータMにおい
て、円周上に配列されたステータピース積層体41の間
の位置に配置され軸方向に貫通するボルト・ナットを、
異なる径方向位置の円周上にそれぞれ配列されたインナ
ー側ボルト・ナット44とアウター側ボルト・ナット4
5としたため、高いステータ支持力を確保しながら、ボ
ルト軸の両側に配置されるステータピース40の円周方
向幅を拡大することにより磁気性能を高めることができ
る。
【0054】(2) ステータピース40は、ステータ外周
側のインナーロータヨーク部40aと、ステータ内周側
のアウターロータヨーク部40bと、両ヨーク部40
a,40bを連結するコイル巻き付け部40cと、を有
する構成とし、ステータピース積層体41の軸方向両端
位置に設置された両ブラケット47,48は、インナー
ロータヨーク部40aとアウターロータヨーク部40b
にて個々のステータピース40と接し、コイル巻き付け
部40cでは内面が削除されたコの字断面を持つ構成と
したため、両ブラケット47,48とステータピース4
0との接触面積増大により、大トルクに対してステータ
4を支持することができると同時に、コイルエリアを十
分に確保することができる。
【0055】(3) ステータピース40は、アウターロー
タヨーク部40bよりインナーロータヨーク部40aの
方が円周方向幅を広く設定し、かつ、アウター側ボルト
・ナット45の隣接する円周方向間隔OLを、インナー側
ボルト・ナット44の隣接する円周方向間隔ILより広く
設定、つまり、インナー側ボルト・ナット44とアウタ
ー側ボルト・ナット45を放射状に配置したため、両ボ
ルト・ナット44,45による回転モーメントにより、
インナーロータ2とアウターロータ6の大きなトルクを
支えることができる。
【0056】(4) アウター側ボルト・ナット45は、磁
性材を素材とし、ボルト座面外周及びナット座面外周が
両ブラケット47,48の外周とほぼ一致する径方向位
置に配置し、インナー側ボルト・ナット44は、磁性材
を素材とし、ボルト座面外周及びナット座面外周が両ブ
ラケット47,48の内周とほぼ一致する径方向位置に
配置したため、隣接するステータピース40,40間の
スペースにおいて、両ボルト・ナット44,45が占有
するスペースが最小に抑えられ、この結果、コイルエリ
アと冷却エリアを多くとることができる。
【0057】(5) アウター側ボルト・ナット45及びイ
ンナー側ボルト・ナット44は、それぞれのボルト軸
と、該ボルト軸に隣接するステータピース40とのクリ
アランスc3,c4を、アウターロータ磁束の鎖交数とイン
ナーロータ磁束の鎖交数とが両立する最適クリアランス
となる設定としたため、アウターロータ磁束とインナー
ロータ磁束とが両立し、高い磁気性能を達成することが
できる。
【0058】以上、本発明の多層モータのステータ支持
構造を第1実施例に基づき説明してきたが、具体的な構
成については、この第1実施例に限られるものではな
く、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱
しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のステータ支持構造が適用された多
層モータMを示す縦断側面図である。
【図2】第1実施例のステータ支持構造が適用された多
層モータMを示す一部縦断正面図である。
【図3】第1実施例のステータを端面側から視た図であ
る。
【図4】第1実施例のステータを示す縦断面図である。
【図5】第1実施例のステータを示す一部側面図及びA
−A断面図である。
【図6】第1実施例のステータを構成するステータピー
ス及びステータピースとブラケットとの位置関係を示す
図である。
【図7】アウターロータヨーク部側でのクリアランスを
横軸とする磁束鎖交数特性図及びクリアランスを示す図
である。
【図8】インナーロータヨーク部側でのクリアランスを
横軸とする磁束鎖交数特性図及びクリアランスを示す図
である。
【符号の説明】
M 多層モータ 1 インナーロータ中空軸(第一の回転軸) 2 インナーロータ 3 モータハウジング 4 ステータ 40 ステータピース 40a インナーロータヨーク部 40b アウターロータヨーク部 40c コイル巻き付け部 41 ステータピース積層体 42 コイル 43 冷却水路 44 インナー側ボルト・ナット 45 アウター側ボルト・ナット 46 非磁性体樹脂層 47 正面側ブラケット(ブラケット) 48 背面側ブラケット(ブラケット) 5 アウターロータ軸(第二の回転軸) 6 アウターロータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の回転軸に接続されたインナーロー
    タと、該インナーロータの外周に配置され、モータハウ
    ジングに固定されたステータと、該ステータの外周に配
    置され、第二の回転軸に接続されたアウターロータと、
    を有し、 前記ステータは、複数のステータピースが軸方向に積層
    されたステータピース積層体にコイルが巻かれ、円周上
    に配列されたステータピース積層体の間の位置に軸方向
    に貫通するボルト・ナットを配置し、前記ステータピー
    ス積層体の軸方向両端位置にブラケットを設置し、両端
    のブラケットをボルト・ナットにより締め上げることで
    発生する摩擦力にてステータを支持する多層モータのス
    テータ支持構造において、 前記ボルト・ナットを、異なる径方向位置の円周上にそ
    れぞれ配列されたインナー側ボルト・ナットとアウター
    側ボルト・ナットとしたことを特徴とする多層モータの
    ステータ支持構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された多層モータのステ
    ータ支持構造において、 前記ステータピースは、ステータ外周側のインナーロー
    タヨーク部と、ステータ内周側のアウターロータヨーク
    部と、両ヨーク部を連結するコイル巻き付け部と、を有
    する構成とし、 前記ステータピース積層体の軸方向両端位置に設置され
    たブラケットは、前記インナーロータヨーク部と前記ア
    ウターロータヨーク部にて個々のステータピースと接
    し、前記コイル巻き付け部では内面が削除されたコの字
    断面を持つことを特徴とする多層モータのステータ支持
    構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2の何れかに記載
    された多層モータのステータ支持構造において、 前記ステータピースは、アウターロータヨーク部よりイ
    ンナーロータヨーク部の方が円周方向幅を広く設定する
    構成とし、 前記アウター側ボルト・ナットの隣接する円周方向間隔
    を、前記インナー側ボルト・ナットの隣接する円周方向
    間隔より広く設定したことを特徴とする多層モータのス
    テータ支持構造。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3の何れかに記載
    された多層モータのステータ支持構造において、 前記アウター側ボルト・ナットは、磁性材を素材とし、
    ボルト座面外周及びナット座面外周が前記ブラケットの
    外周とほぼ一致する径方向位置に配置し、 前記インナー側ボルト・ナットは、磁性材を素材とし、
    ボルト座面外周及びナット座面外周が前記ブラケットの
    内周とほぼ一致する径方向位置に配置したことを特徴と
    する多層モータのステータ支持構造。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載された多層モータのステ
    ータ支持構造において、 前記アウター側ボルト・ナット及びインナー側ボルト・
    ナットは、ボルト軸と該ボルト軸に隣接するステータピ
    ースとのクリアランスを、アウターロータ磁束の鎖交数
    とインナーロータ磁束の鎖交数とが両立する最適クリア
    ランスとなる設定としたことを特徴とする多層モータの
    ステータ支持構造。
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