JP3608618B2 - 多層モータのステータ支持構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイブリッド車や電気自動車の駆動装置等に適用される多層モータのステータ支持構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多層モータのステータ支持構造としては、例えば、特開2000−142135号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この従来公報には、インナーロータとアウターロータとの間にステータが配置された多層モータにおいて、ステータは、円周方向に隣接するステータピース積層体の間の位置に配置され軸方向に貫通するボルト・ナットを配置し、このステータピース積層体の軸方向両端位置にブラケットを設置し、両端のブラケットをボルト・ナットにより締め上げることで発生する摩擦力にてステータピース積層体を支持するステータ支持構造が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の多層モータのステータ支持構造にあっては、ステータ内周側に非磁性体からなるボルト・ナットを、同じ径方向位置の円周上に配列している、つまり、径方向に1本配置しているのみであったため、ステータピースの円周方向幅が減少してしまうという問題があった。
【0005】
すなわち、多層モータにおいて、出力、特にトルクが増加した場合、ステータは、ロータの出力トルクの反力を受けるので、ステータが動こうとする力を径方向に1本配置されたボルト・ナットのみで軸力を発生させ、ステータを支えなければならない。これに対し、ステータの外周位置にアウターロータが配置されていてステータの外周面をモータハウジングに支持固定することができない多層モータでは、ボルト軸径を大きくして対策することになる。この場合、隣接する円周方向のステータピースの間隔が決まっているので、ボルト軸径が大きくなるとボルトによる占有面積が拡大し、必然的にステータピースの円周方向幅が減少してしまう。
【0006】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、高いステータ支持力を確保しながら、ステータピースの円周方向幅を拡大することにより磁気性能を高めることができる多層モータのステータ支持構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、インナーロータとアウターロータとの間にステータが配置された多層モータにおいて、円周上に配列されたステータピース積層体の間の位置に配置され軸方向に貫通するボルト・ナットを、ステータピースを軸方向に積層したステータピース積層体の1つに対し異なる径方向位置にそれぞれ2本設け、該2本のボルト・ナットのうち一方はインナーロータ側に設けたインナー側ボルト・ナットとし、他方はアウターロータ側に設けたアウター側ボルト・ナットとした。
【0008】
【発明の効果】
よって、本発明にあっては、ステータピースを軸方向に積層したステータピース積層体の1つに対し径方向の異なる位置にそれぞれ2本のボルト・ナットを配置する構成としたため、径方向に1本のボルト・ナットを配置する場合に比べ、1本で受け持つ軸力が低くなり、これに伴ってボルト軸径を小さく抑えても要求されるステータ支持力を得ることができる。この結果、高いステータ支持力を確保しながら、ボルト軸の両側に配置されるステータピースの円周方向幅を拡大することにより磁気性能を高めることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の多層モータのステータ支持構造を実現する実施の形態を、請求項1,2,3,4,5,6に係る発明に対応する第1実施例に基づいて説明する。
【0010】
(第1実施例)
まず、全体構成を説明する。
図1は第1実施例のステータ支持構造が適用された多層モータMを示す縦断側面図、図2は第1実施例のステータ支持構造が適用された多層モータMを示す一部縦断正面図である。
【0011】
多層モータMは、インナーロータ中空軸1(第一の回転軸)に接続されたインナーロータ2と、該インナーロータ2の外周に配置され、モータハウジング3に固定されたステータ4と、該ステータ4の外周に配置され、アウターロータ軸5(第二の回転軸)に接続されたアウターロータ6と、を有する三層モータ構造とされている。
【0012】
前記インナーロータ2は、その内筒面がインナーロータ中空軸1の段差軸端部に対して圧入により固定されている。このインナーロータ2には、図2に示すように、ロータベース20に対し磁束形成を考慮した配置によるインナーロータマグネット21が軸方向に12本埋設されている。
【0013】
前記ステータ4は、ステータピース40とステータピース積層体41とコイル42と冷却水路43とインナー側ボルト・ナット44とアウター側ボルト・ナット45と非磁性体樹脂層46とを有して構成されている。そして、ステータ4の正面側端部が、正面側エンドプレート7とステータ固定ケース8とを介してモータハウジング3に固定されている。なお、前記コイル42に対しては、給電接続端子9と給電リング10と給電コネクタ11とコイル給電構造12を介して、外部から複合電流が印加される。
【0014】
前記アウターロータ6は、その外筒面がアウターロータ固定ケース13に対して圧入固定されている。そして、アウターロータ固定ケース13の背面側端部には連結ケース部14が固定され、この連結ケース部14にアウターロータ軸5がスプライン結合されている。このアウターロータ6には、図2に示すように、ロータベース60に対し磁束形成を考慮した配置によるアウターロータマグネット61が、両端位置に空間を介して軸方向に12本埋設されている。
【0015】
なお、図1において、80,81はアウターロータ6をモータハウジング3に支持する一対のアウターロータ軸受、82はインナーロータ2をモータハウジング3に支持するインナーロータ軸受、83はアウターロータ6の回転を許容しながらステータ4を支持するステータ軸受、84はインナーロータ中空軸1とアウターロータ軸5との間に介装される相対回転軸受である。また、85はインナーロータ2の回転位置を検出するインナーロータレゾルバ、86はアウターロータ6の回転位置を検出するアウターロータレゾルバである、
次に、ステータ4の構成を説明する。
図3は第1実施例のステータを端面側から視た図、図4は第1実施例のステータを示す縦断面図、図5は第1実施例のステータを示す一部側面図及びA−A断面図、図6は第1実施例のステータを構成するステータピース及びステータピースとブラケットとの位置関係を示す図である。
【0016】
前記ステータ4は、複数のステータピース40が軸方向に積層されたステータピース積層体41の外周にコイル42が巻かれ、このコイル42が巻かれたステータピース積層体41を円周上に配列する。次に、ステータピース積層体41の軸方向両端位置に、ステータピース40との位置決めをしながら正面側ブラケット47(ブラケット)と背面側ブラケット48(ブラケット)を設置する。次に、両ブラケット47,48の外側に正面側エンドプレート7と背面側エンドプレート15を配置し、インナー側ボルト・ナット44を挿通すると共に、アウター側ボルト・ナット45を挿通して、ナットを回しながら締め上げる。
【0017】
この両端のブラケット47,48をインナー側ボルト・ナット44とアウター側ボルト・ナット45により締め上げることで発生する摩擦力により、ステータピース積層体41を複数のステータピース40が軸方向に積層された状態で支持する。
【0018】
このようにしてステータ4の骨格構造体ができあがったら、ステータ形状に合致する凹型を有する型枠内に入れ、冷却水路43をパイプ等により確保しながら、高耐熱性で高強度の溶融樹脂を流し込み、コイル42やインナー側ボルト・ナット44やアウター側ボルト・ナット45等の周り部分に充填することで、非磁性体樹脂層46を有するステータ形状に成形される。
【0019】
これにより、ステータ4の異なる径方向位置の円周上にそれぞれ配列したインナー側ボルト・ナット44(18本)とアウター側ボルト・ナット45(18本)は、図3に示すように、コイル42が巻かれたステータピース積層体41の間の位置に配置され、各ボルト軸がモータ軸方向に貫通する。
【0020】
前記ステータピース積層体41の構成要素であるステータピース40は、図6(イ)に示すように、ステータ外周側のインナーロータ用ヨーク部40aと、ステータ内周側のアウターロータ用ヨーク部40bと、両ヨーク部40a,40bを連結するコイル巻き付け部40cと、を有する構成とされる。そして、ステータピース40は、アウターロータ用ヨーク部40bの円周方向幅W2よりインナーロータ用ヨーク部40aの円周方向幅W1の方を広く設定している。
【0021】
なお、ステータピース積層体41の両端部側のステータピース40’は、図6(イ)に示すように、ステータピース40の構成に加え、上下位置に位置決めピン穴40d,40eが開穴されている。なお、図6(イ)のハッチングに示す部分は、正面側ブラケット47及び背面側ブラケット48との接触部分である。
【0022】
前記正面側ブラケット47と背面側ブラケット48には、図5(イ)に示すように、インナー側ボルト穴47a,48aと冷却水路穴47b,48bとアウター側ボルト穴47c,48cと位置決めピン穴47d,47e,48d,48eが開穴される。そして、前記インナーロータ用ヨーク部40aと前記アウターロータ用ヨーク部40bにて個々のステータピース40と接する凸部47f,48fと、前記コイル巻き付け部40cでは内面が削除された凹部47g,48gとが形成され、図5(ロ)に示すように、コの字断面を持つ形状とされる。
【0023】
そして、図3に示すように、前記アウター側ボルト・ナット45の隣接する円周方向間隔OLを、前記インナー側ボルト・ナット44の隣接する円周方向間隔ILより広く設定している。
【0024】
前記アウター側ボルト・ナット45は、磁性材を素材とし、ボルト座面外周及びナット座面外周が前記両ブラケット47,48の外周とほぼ一致する径方向位置に配置し、前記インナー側ボルト・ナット44は、磁性材を素材とし、ボルト座面外周及びナット座面外周が両ブラケット47,48の内周とほぼ一致する径方向位置に配置している。つまり、アウター側ボルト・ナット45のボルト軸とステータ4の外周面との径方向クリアランスc1と、インナー側ボルト・ナット44のボルト軸とステータ4の内周面との径方向クリアランスc2を最小に抑える構成としている。
【0025】
前記アウター側ボルト・ナット45及びインナー側ボルト・ナット44は、それぞれのボルト軸と、該ボルト軸に隣接するステータピース40とのクリアランスc3,c4を、アウターロータ磁束の鎖交数とインナーロータ磁束の鎖交数とが両立する最適クリアランスとなる設定としている。なお、49は位置決めピンである。
【0026】
次に、作用を説明する。
【0027】
[多層モータの基本機能]
2ロータ・1ステータの多層モータMを採用したことで、図2に示すように、アウターロータ磁力線とインナーロータ磁力線との2つの磁力線が作られ、コイル42及び図外のインバータを2つのインナーロータ2とアウターロータ6に対し共用できる。そして、インナーロータ2に対する電流とアウターロータ6に対する電流を重ね合わせた複合電流を1つのコイル42に印加することにより、2つのロータ2,6をそれぞれ独立に制御することができる。つまり、外観的には、1つの多層モータMであるが、モータ機能とジェネレータ機能の異種または同種の機能を組み合わせものとして使える。
【0028】
よって、例えば、ロータとステータを持つモータと、ロータとステータを持つジェネレータの2つのものを設ける場合に比べて大幅にコンパクトになり、スペース・コスト・重量の面で有利であると共に、コイル共用化により電流による損失(銅損,スイッチングロス)を低減することができる。
【0029】
また、複合電流制御のみで(モータ+ジェネレータ)の使い方に限らず、(モータ+モータ)や(ジェネレータ+ジェネレータ)の使い方も可能であるというように、高い選択自由度を持ち、例えば、ハイブリッド車の駆動源に採用した場合、これら多数の選択肢の中から車両状態に応じて最も効果的或いは効率的な組み合わせを選択することができる。
【0030】
[ボルト2本によるステータ支持作用]
まず、多層モータMにおいて、出力、特にトルクが増加した場合、ステータ4は、インナーロータ2やアウターロータ6の出力トルクの反力を受けるので、ステータ4が動こうとする力をボルト・ナットのみで軸力を発生させ、ステータ4を支えなければならない。
【0031】
従来例のステータ支持構造は、ステータ内周側に非磁性体からなるボルト・ナットを、同じ径方向位置の円周上に配列している、つまり、径方向に1本配置しているのみであるため、ステータが大きなトルクを受ける場合には、ボルト軸径を大きくして対策することになる。この場合、隣接する円周方向のステータピースの間隔が決まっているため、ボルト軸径が大きくなるとボルトによる占有面積が拡大し、必然的にステータピースの円周方向幅が減少してしまう。
【0032】
これに対し、第1実施例のステータ支持構造では、径方向の異なる位置に2本のインナー側ボルト・ナット44とアウター側ボルト・ナット45を配置する構成としたため、径方向に1本のボルト・ナットを配置する場合に比べ、1本で受け持つ軸力が低くなり、これに伴ってボルト軸径を小さく抑えても要求されるステータ支持力を得ることができる。この結果、ボルト軸の両側に配置されるステータピース40の円周方向幅を拡大することができる。
【0033】
また、アウターロータ6の方がインナーロータ2よりエアギャップ径が大きいために大トルクを出しやすい。この場合、その反力は、アウターロータ6側のステータピース40が受ける。
【0034】
従来例のステータ支持構造のように、ボルト・ナットをステータの内周側に1本配置しているのみである場合、力の発生個所(ステータのアウターロータ側)とボルト・ナットとの距離が遠くなるため、より大きなトルクを支えなければならず、余計にボルト軸径を大きく設定する必要がある。
【0035】
これに対し、第1実施例のステータ支持構造では、径方向の異なる位置に2本のインナー側ボルト・ナット44とアウター側ボルト・ナット45を配置する構成としたため、例えば、アウターロータ6の発生するトルクの反力はアウター側ボルト・ナット45で受け、インナーロータ2の発生するトルクの反力はインナー側ボルト・ナット44で受けることで、支点と作用点の距離を短くすることができるため、径方向に1本のみのボルト・ナットで支える場合に比べ、少ない力で反力を支えることができる。
【0036】
また、例えば、インナーロータ2とアウターロータ6とが逆向きのトルクを発生した場合、ステータピース40は回転しようとするモーメントを受ける。このとき、ボルト・ナットが径方向に1本配置した場合には、ボルト周りに回転してしまうが、ボルト・ナットを径方向に2本配置した第1実施例の場合には、回転するモーメントに対しても強くすることができる。
【0037】
さらに、ステータ4の軸方向長さが長くなった場合、ボルト・ナットが径方向に1本配置した場合には、ボルト・ナットと両端のブラケットで構成される骨格構造自体がねじれようとする力に対して弱いが、ボルト・ナットを径方向に2本配置した第1実施例の場合には、2本のボルト・ナット44,45と両端のブラケット47,48で構成される骨格構造自体がねじれに対し構造的に強くなる。
【0038】
[ブラケットのステータピースに対する面圧増大作用]
ボルト・ナットで軸力を発生させ、ブラケットとステータピース間に発生する摩擦力でステータをブラケットに対して動かないように固定するステータ支持構造では、ステータピースとブラケットの接触面積は、多い方がステータの動こうとする力をより効果的の抑えることができる。
【0039】
従来例のステータ支持構造のように、ボルト・ナットをステータの内周側に1本配置しているのみである場合、ブラケットがステータピースのインナーロータ側の片寄った一部分のみでしか接触しておらず、大トルクに対して十分な接触面積を確保することが出来なかった。
【0040】
これに対し、第1実施例のステータ支持構造では、ステータピース40を、インナーロータ用ヨーク部40aとアウターロータ用ヨーク部40bにて個々のステータピース40と接する凸部47f,48fを形成したため、両ブラケット47,48とステータピース40とは、図6(ロ)に示すように、インナーロータ用ヨーク部40aとアウターロータ用ヨーク部40bとが接触する。この結果、両ブラケット47,48とステータピース40とは、大トルクに対しても十分に対抗することができる接触面積を確保することができる。
【0041】
なお、両ブラケット47,48は、ステータピース40のコイル巻き付け部40cに対応する位置に凹部47g,48gが形成されているため、コイル42が突出するコイルエリア(ステータピース積層体41の端部域)に、コイル42と干渉することのない十分な空間が確保される。
【0042】
[2本のボルトによる回転モーメント支持作用]
例えば、インナーロータ2側で発生したトルクを支える場合、アウター側ボルト・ナット45の間隔は広い方が、回転中心からの腕の長さを長くとることができるので、同じ力を支えるにも少ない力で回転モーメントを支えることができる。つまり、インナーロータ2のトルクを効果的に支えるには、アウター側ボルト・ナット45の間隔を広くとったほうが良く、同じくアウターロータ6のトルクを効果的に支えるには、インナー側ボルト・ナット44の間隔を広くとったほうが良い。
【0043】
これに対し、第1実施例のステータ支持構造では、アウター側ボルト・ナット45の隣接する円周方向間隔OLを、インナー側ボルト・ナット44の隣接する円周方向間隔ILより広く設定、つまり、インナー側ボルト・ナット44とアウター側ボルト・ナット45を放射状に配置しているため、両円周方向間隔OL,ILが広く確保され、インナーロータ2のトルクもアウターロータ6のトルクも効果的に支えることができる。
【0044】
[コイルエリア及び冷却エリアの確保作用]
第1実施例のステータ支持構造では、アウター側ボルト・ナット45は、磁性材を素材とし、ボルト座面外周及びナット座面外周が両ブラケット47,48の外周とほぼ一致する径方向位置に配置し、インナー側ボルト・ナット44は、磁性材を素材とし、ボルト座面外周及びナット座面外周が両ブラケット47,48の内周とほぼ一致する径方向位置に配置している。
【0045】
つまり、アウター側ボルト・ナット45はなるべく外周側に配置し、インナー側ボルト・ナット44はなるべく内周側に配置しているため、隣接するステータピース40,40間のスペースにおいて、両ボルト・ナット44,45が占有するスペースが最小に抑えられ、この結果、コイルエリアと冷却エリアを多くとることができる。
【0046】
[ボルトとステータピースによる磁束形成作用]
上記のように、アウター側ボルト・ナット45はなるべく外周側に配置し、インナー側ボルト・ナット44はなるべく内周側に配置した場合、ボルト軸がステータピース40と接触してしまうと、両ボルト・ナット44,45とステータピース40との絶縁が保てなくなる。
【0047】
そこで、第1実施例のステータ支持構造では、アウター側ボルト・ナット45及びインナー側ボルト・ナット44は、それぞれのボルト軸と、該ボルト軸に隣接するステータピース40とのクリアランスc3,c4を、アウターロータ磁束の鎖交数とインナーロータ磁束の鎖交数とが両立する最適クリアランスとなる設定としている。
【0048】
ここで、アウターロータ用ヨーク部40b側での磁束鎖交数において、インナーロータ磁束とアウターロータ磁束が両立するクリアランスc3とは、図7に示すように、インナーロータ磁束特性(クリアランスc3が大きいほどインナーロータ磁束を通すため右上がり特性)とアウターロータ磁束特性(クリアランスc3が大きいほどアウターロータ磁束の漏れ磁束が大きくなるため右下がり特性)との交点に対応するクリアランスである。
【0049】
また、インナーロータ用ヨーク部40a側での磁束鎖交数において、インナーロータ磁束とアウターロータ磁束が両立するクリアランスc4とは、図8に示すように、インナーロータ磁束特性(クリアランスc4が大きいほどインナーロータ磁束の漏れ磁束が大きくなるため右下がり特性)とアウターロータ磁束特性(クリアランスc4が大きいほどアウターロータ磁束を通すため右上がり特性)との交点に対応するクリアランスである。
【0050】
この結果、アウターロータ磁束とインナーロータ磁束とが両立し、高い磁気性能を達成することができる。
【0051】
次に、効果を説明する。
【0052】
第1実施例の多層モータのステータ支持構造にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0053】
(1) インナーロータ2とアウターロータ6との間にステータ4が配置された多層モータMにおいて、円周上に配列されたステータピース積層体41の間の位置に配置され軸方向に貫通するボルト・ナットを、異なる径方向位置の円周上にそれぞれ配列されたインナー側ボルト・ナット44とアウター側ボルト・ナット45としたため、高いステータ支持力を確保しながら、ボルト軸の両側に配置されるステータピース40の円周方向幅を拡大することにより磁気性能を高めることができる。
【0054】
(2) ステータピース40は、ステータ外周側のインナーロータ用ヨーク部40aと、ステータ内周側のアウターロータ用ヨーク部40bと、両ヨーク部40a,40bを連結するコイル巻き付け部40cと、を有する構成とし、ステータピース積層体41の軸方向両端位置に設置された両ブラケット47,48は、インナーロータ用ヨーク部40aとアウターロータ用ヨーク部40bにて個々のステータピース40と接し、コイル巻き付け部40cでは内面が削除されたコの字断面を持つ構成としたため、両ブラケット47,48とステータピース40との接触面積増大により、大トルクに対してステータ4を支持することができると同時に、コイルエリアを十分に確保することができる。
【0055】
(3) ステータピース40は、アウターロータ用ヨーク部40bよりインナーロータ用ヨーク部40aの方が円周方向幅を広く設定し、かつ、アウター側ボルト・ナット45の隣接する円周方向間隔OLを、インナー側ボルト・ナット44の隣接する円周方向間隔ILより広く設定、つまり、インナー側ボルト・ナット44とアウター側ボルト・ナット45を放射状に配置したため、両ボルト・ナット44,45による回転モーメントにより、インナーロータ2とアウターロータ6の大きなトルクを支えることができる。
【0056】
(4) アウター側ボルト・ナット45は、磁性材を素材とし、ボルト座面外周及びナット座面外周が両ブラケット47,48の外周とほぼ一致する径方向位置に配置し、インナー側ボルト・ナット44は、磁性材を素材とし、ボルト座面外周及びナット座面外周が両ブラケット47,48の内周とほぼ一致する径方向位置に配置したため、隣接するステータピース40,40間のスペースにおいて、両ボルト・ナット44,45が占有するスペースが最小に抑えられ、この結果、コイルエリアと冷却エリアを多くとることができる。
【0057】
(5) アウター側ボルト・ナット45及びインナー側ボルト・ナット44は、それぞれのボルト軸と、該ボルト軸に隣接するステータピース40とのクリアランスc3,c4を、アウターロータ磁束の鎖交数とインナーロータ磁束の鎖交数とが両立する最適クリアランスとなる設定としたため、アウターロータ磁束とインナーロータ磁束とが両立し、高い磁気性能を達成することができる。
【0058】
以上、本発明の多層モータのステータ支持構造を第1実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この第1実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のステータ支持構造が適用された多層モータMを示す縦断側面図である。
【図2】第1実施例のステータ支持構造が適用された多層モータMを示す一部縦断正面図である。
【図3】第1実施例のステータを端面側から視た図である。
【図4】第1実施例のステータを示す縦断面図である。
【図5】第1実施例のステータを示す一部側面図及びA−A断面図である。
【図6】第1実施例のステータを構成するステータピース及びステータピースとブラケットとの位置関係を示す図である。
【図7】アウターロータ用ヨーク部側でのクリアランスを横軸とする磁束鎖交数特性図及びクリアランスを示す図である。
【図8】インナーロータ用ヨーク部側でのクリアランスを横軸とする磁束鎖交数特性図及びクリアランスを示す図である。
【符号の説明】
M 多層モータ
1 インナーロータ中空軸(第一の回転軸)
2 インナーロータ
3 モータハウジング
4 ステータ
40 ステータピース
40a インナーロータ用ヨーク部
40b アウターロータ用ヨーク部
40c コイル巻き付け部
41 ステータピース積層体
42 コイル
43 冷却水路
44 インナー側ボルト・ナット
45 アウター側ボルト・ナット
46 非磁性体樹脂層
47 正面側ブラケット(ブラケット)
48 背面側ブラケット(ブラケット)
5 アウターロータ軸(第二の回転軸)
6 アウターロータ

Claims (6)

  1. 第一の回転軸に接続されたインナーロータと、該インナーロータの外周に配置され、モータハウジングに固定されたステータと、該ステータの外周に配置され、第二の回転軸に接続されたアウターロータと、を有し、
    前記ステータは、複数のステータピースが軸方向に積層されたステータピース積層体にコイルが巻かれ、円周上に配列されたステータピース積層体の間の位置に軸方向に貫通するボルト・ナットを配置し、前記ステータピース積層体の軸方向両端位置にブラケットを設置し、両端のブラケットをボルト・ナットにより締め上げることで発生する摩擦力にてステータを支持する多層モータのステータ支持構造において、
    前記ボルト・ナットを、ステータピースを軸方向に積層したステータピース積層体の1つに対し異なる径方向位置にそれぞれ2本設け、該2本のボルト・ナットのうち一方はインナーロータ側に設けたインナー側ボルト・ナットとし、他方はアウターロータ側に設けたアウター側ボルト・ナットとしたことを特徴とする多層モータのステータ支持構造。
  2. 請求項1に記載された多層モータのステータ支持構造において、
    円周上に配列されたステータピース積層体の間の位置に冷却水路を設け、該冷却水路を挟んだ異なる径方向位置に、インナー側ボルト・ナットとアウター側ボルト・ナットを軸方向に貫通して配置したことを特徴とする多層モータのステータ支持構造。
  3. 請求項1または請求項2の何れかに記載された多層モータのステータ支持構造において、
    前記ステータピースは、ステータ外周側のインナーロータ用ヨーク部と、ステータ内周側のアウターロータ用ヨーク部と、両ヨーク部を連結するコイル巻き付け部と、を有する構成とし、
    前記ステータピース積層体の軸方向両端位置に設置されたブラケットは、前記インナーロータ用ヨーク部と前記アウターロータ用ヨーク部にて個々のステータピースと接し、前記コイル巻き付け部では内面が削除されたコの字断面を持つことを特徴とする多層モータのステータ支持構造。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れかに記載された多層モータのステータ支持構造において、
    前記ステータピースは、アウターロータ用ヨーク部よりインナーロータ用ヨーク部の方が円周方向幅を広く設定する構成とし、
    前記アウター側ボルト・ナットの隣接する円周方向間隔を、前記インナー側ボルト・ナットの隣接する円周方向間隔より広く設定したことを特徴とする多層モータのステータ支持構造。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れかに記載された多層モータのステータ支持構造において、
    前記アウター側ボルト・ナットは、磁性材を素材とし、ボルト座面外周及びナット座面外周が前記ブラケットの外周とほぼ一致する径方向位置に配置し、
    前記インナー側ボルト・ナットは、磁性材を素材とし、ボルト座面外周及びナット座面外周が前記ブラケットの内周とほぼ一致する径方向位置に配置したことを特徴とする多層モータのステータ支持構造。
  6. 請求項5に記載された多層モータのステータ支持構造において、
    前記アウター側ボルト・ナット及びインナー側ボルト・ナットは、ボルト軸と該ボルト軸に隣接するステータピースとのクリアランスを、アウターロータ磁束の鎖交数とインナーロータ磁束の鎖交数とが両立する最適クリアランスとなる設定としたことを特徴とする多層モータのステータ支持構造。
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