JP2003297841A - 3−5族化合物半導体、その製造方法およびそれを用いた化合物半導体素子 - Google Patents

3−5族化合物半導体、その製造方法およびそれを用いた化合物半導体素子

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JP2003297841A
JP2003297841A JP2003016939A JP2003016939A JP2003297841A JP 2003297841 A JP2003297841 A JP 2003297841A JP 2003016939 A JP2003016939 A JP 2003016939A JP 2003016939 A JP2003016939 A JP 2003016939A JP 2003297841 A JP2003297841 A JP 2003297841A
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Yoshihiko Tsuchida
良彦 土田
Yoshinobu Ono
善伸 小野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 p型ドーパントがドープされた化合物半導体
層と電極金属との接触抵抗を低減せしめたp型3−5族
化合物半導体の製造方法を提供する。 【解決手段】 p型ドーパントがドープされた一般式I
x Gay Alz N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z
≦1、x+y+z=1)で表わされる3−5族化合物半
導体を、アンモニアと高温で不活性なガスとの混合ガス
であってアンモニアの分圧が0.005〜0.2気圧で
ある混合ガス雰囲気中で熱処理してp型3−5族化合物
半導体を製造する。これにより、結晶表面の欠陥が低減
されp型GaN層5に対して接触抵抗の低い電極を形成
でき、電極部の電気特性を著しく改善することができ
る。したがって、低い接触抵抗の電極形成が可能とな
り、電極部における電力損失を低く抑え、高効率の半導
体素子を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、p型窒化物系3−
5族化合物半導体、その製造方法およびそれを用いた化
合物半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外、青色もしくは緑色の発光ダイオー
ド、または紫外、青色もしくは緑色のレーザダイオード
等の発光素子の材料として、窒化物系3−5族化合物半
導体等と称されている一般式Inx Gay Alz N(た
だし、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦
z≦1)で表される3−5族化合物半導体が公知であ
る。この一般式中のx、yおよびzはそれぞれ窒素
(N)に対する組成比を示しており、本明細書中ではx
をInN混晶比、yをGaN混晶比、およびzをAlN
混晶比と称することがある。
【0003】窒化物系3−5族化合物半導体のうち、特
にInNを混晶比で10%以上含むものについては、I
nN混晶比に応じて可視領域での発光波長を調整できる
ため、表示用途に特に重要である。窒化物系3−5族化
合物半導体の製造方法としては、分子線エピタキシー
(以下、MBEと記すことがある。)法、有機金属気相
成長(以下、MOVPEと記すことがある。)法、ハイ
ドライド気相成長(以下、HVPEと記すことがあ
る。)法などが知られているが、これらの方法のなかで
は、MOVPE法が、大面積にわたり均一な結晶成長が
可能なため広く採用されている。
【0004】ところで、p型窒化物系3−5族化合物半
導体の製造方法としては、MOVPE法による気相成長
により、p型ドーパントをドープした窒化物系3−5族
化合物半導体を成長せしめた後、窒素などの不活性ガス
雰囲気下に、700〜1000℃という温度で熱処理す
る方法が提案されている(例えば特開平5 ‐183189号公
報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法によって得られたp型窒化物系3−5族化合物半導体
は、電極金属との接触抵抗が高い、オーミック性が不充
分である等の電気特性に問題があり、この点の改善が望
まれていた。本発明の目的は、従来技術における上述の
問題点を解決し得るp型窒化物系3−5族化合物半導
体、その製造方法およびそれを用いた化合物半導体素子
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、p型ドーパントがドー
プされた窒化物系3−5族化合物半導体を、特定濃度の
アンモニアガス雰囲気中で熱処理することにより、電極
金属との接触抵抗が低い、オーミック性に優れる等の電
気特性に優れたp型窒化物系3−5族化合物半導体を製
造し得ることを見出すとともにさらに種々の検討を加え
て、本発明に至ったものである。
【0007】本発明は、アンモニアと高温で不活性なガ
スとの混合ガスであってアンモニアの分圧が0.005
〜0.2気圧であるという特定アンモニア濃度の混合ガ
ス雰囲気下で、p型ドーパントがドープされた窒化物系
3−5族化合物半導体を熱処理する点に大きな特徴を有
する。
【0008】請求項1の発明によれば、p型ドーパント
がドープされた一般式Inx GayAlz N(0≦x≦
1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で表わ
される3−5族化合物半導体を、アンモニアと高温で不
活性なガスとの混合ガスであってアンモニアの分圧が
0.005〜0.2気圧である混合ガス雰囲気中で熱処
理することを特徴とするp型3−5族化合物半導体の製
造方法が提案される。
【0009】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
において、熱処理温度が、350〜1100℃であるこ
とを特徴とする3−5族化合物半導体の製造方法が提案
される。
【0010】請求項3の発明によれば、請求項1または
2の発明において、p型ドーパントがドープされた3−
5族化合物半導体が、キャリアガスとして、実質的に水
素を含まない不活性ガスを用いた有機金属気相成長法に
より製造されたものであることを特徴とする3−5族化
合物半導体の製造方法が提案される。
【0011】請求項4の発明によれば、請求項1〜3い
ずれかに記載の製造方法により製造されたp型3−5族
化合物半導体が提案される。
【0012】請求項5の発明によれば、請求項4記載の
p型3−5族化合物半導体を用いた化合物半導体素子が
提案される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
につき詳細に説明する。
【0014】本発明の対象となる3−5族化合物半導体
は、一般式Inx Gay Alz N(ただし、x+y+z
=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表され
る3−5族化合物半導体である。以下の説明中において
は、上記一般式で表される3−5族化合物半導体を窒化
物系化合物半導体、あるいは単に半導体と略称すること
がある。
【0015】本発明は、アンモニアと高温で不活性なガ
スとの混合ガスであってアンモニアの分圧が0.005
〜0.2気圧であるという特定アンモニア濃度の混合ガ
ス雰囲気下で、p型ドーパントがドープされた窒化物系
化合物半導体を熱処理する点に大きな特徴を有する。こ
こで、アンモニアの濃度は、重要であり、アンモニアの
分圧が0.005〜0.2気圧の範囲において、電極と
の接触抵抗が著しく低減した半導体が得られる。好まし
い分圧は、0.005〜0.15気圧の範囲であり、
0.01〜0.1気圧の範囲がさらに好ましい。また高
温で不活性なガスとしては、例えばヘリウム、アルゴ
ン、ネオン等の希ガス、窒素等の熱処理時における不活
性なガスが挙げられる。これらのなかでは、ヘリウム、
アルゴン、窒素が好適である。最も好適なガスは窒素で
ある。これらの不活性ガスは単独で用いることは勿論の
こと、それらのいくつかを任意に組み合わせて用いるこ
ともできる。
【0016】熱処理の温度は、350〜1100℃であ
ることが好ましい。より好ましくは600〜1000℃
である。350℃より低い場合本発明の効果が低下する
傾向にあり、1100℃より高い場合には半導体の結晶
性が劣化する傾向にあり何れの場合も好ましくない。ま
た熱処理の時間は、通常1秒〜40時間程度の範囲であ
る。熱処理の時の圧力は、通常0.01気圧〜10気圧
程度の範囲である。なお、本発明における熱処理として
は、例えば加熱、保温、冷却等の処理が挙げられる。
【0017】本発明は、p型ドーパントがドープされた
窒化物系化合物半導体を、上記のような特定アンモニア
濃度の混合ガス雰囲気下で熱処理するものであるが、p
型ドーパントがドープされた窒化物系化合物半導体とし
ては、p型ドーパント濃度が通常5×1018〜1×10
21cm-3程度のものが使用される。より好ましくは、1
×1019〜5×1020cm-3程度である。さらに好まし
くは2×1019〜2×1020cm-3程度である。ここ
で、p型ドーパントとしては、例えばMg、Zn、C
d、Ca、Be等が挙げられる。中でもMgが好ましく
使用される。
【0018】上記のようなp型ドーパントがドープされ
た窒化物系化合物半導体は、その製造方法については特
に限定はなく、公知の方法により製造されたものも使用
できる。なかでもキャリアガスとして、実質的に水素を
含まない不活性ガス、例えば水素濃度が0.5容量%以
下の不活性ガスを用いてMOVPE法により成長したも
のを使用することが好ましく、このものを用いることに
より、電気特性にいっそう優れた半導体を製造し得る。
ここで、不活性ガスとしては、例えばヘリウム、アルゴ
ン、ネオン等の希ガス、および窒素等が挙げられる。こ
れらのなかで、ヘリウムは動粘係数が高く、本発明のキ
ャリアガスとしては好適に用いることができる。アルゴ
ン、窒素は安価に大量に用いることができる点で、やは
り好適に用いることができる。これらの不活性ガスは単
独または任意の組み合わせで混合して用いることができ
る。
【0019】MOVPE法を用いてp型ドーパントがド
ープされた窒化物系化合物半導体を結晶成長させる場
合、以下のような原料を用いることができる。
【0020】3族原料としては、例えばトリメチルガリ
ウム[(CH3 3 Ga、以下TMGと記すことがあ
る。]、トリエチルガリウム[(C2 5 3 Ga、以
下TEGと記すことがある。]等の一般式R1 2 3
Ga(ここで、R1 、R2 、R 3 は、低級アルキル基を
示す。)で表されるトリアルキルガリウム;トリメチル
アルミニウム[(CH3 3 Al]、トリエチルアルミ
ニウム[(C2 5 3Al、以下TEAと記すことが
ある。]、トリイソブチルアルミニウム[(i−C4
9 3 Al]等の一般式R1 2 3 Al(ここで、R
1 、R2 、R3 は、低級アルキル基を示す。)で表され
るトリアルキルアルミニウム;トリメチルアミンアラン
[(CH3 3 N:AlH3 ];トリメチルインジウム
[(CH33 In、以下「TMI」と記すことがあ
る。]、トリエチルインジウム[(C 2 5 3 In]
等の一般式R1 2 3 In(ここで、R1 、R2 、R
3 は、低級アルキル基を示す。)で表されるトリアルキ
ルインジウム、ジエチルインジウムクロライド[(C2
5 2 InCl]などのトリアルキルインジウムから
1ないし3つのアルキル基をハロゲン原子に交換したも
の、インジウムクロライド[InCl]など一般式In
X(Xはハロゲン原子)で表わされるハロゲン化インジ
ウム等が挙げられる。これらは、単独でまたは混合して
用いられる。
【0021】また5族原料としては、例えばアンモニ
ア、ヒドラジン、メチルヒドラジン、1,1−ジメチル
ヒドラジン、1,2−ジメチルヒドラジン、t−ブチル
アミン、エチレンジアミンなどが挙げられる。これらは
単独でまたは任意の組み合わせで混合して用いることが
できる。これらの原料のうち、アンモニアとヒドラジン
は、分子中に炭素原子を含まないため、半導体中への炭
素の汚染が少なく好適である。
【0022】p型ドーパントであるMgの原料として
は、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム((C5
5 2 Mg)、ビスメチルシクロペンタジエニルマグネ
シウム((C5 4 CH3 2 Mg)、ビスエチルシク
ロペンタジエニルマグネシウム((C5 4 2 5
2 Mg)などを使用することができる。
【0023】また窒化ガリウム系化合物半導体を成長さ
せるための基板としては、窒化ガリウム系化合物半導
体、サファイア、SiC、Si、ZrB2 等を好適に用
いることができる。これらの基板上に直接該化合物半導
体を成長した場合、格子不整合等のため、十分高品質な
結晶が得られない場合がある。このような場合、Ga
N、AlN、SiC等の層を先ず基板上にバッファ層と
して成長した後、さらに該化合物半導体を成長させるこ
とで、高品質な結晶が得られる場合がある。p型ドーパ
ントをドープした化合物半導体を基板上に直接成長させ
るようにしても良いし、基板上にバッファ層を介して成
長させても良い。あるいは、基板上にバッファ層を介し
て成長した窒化ガリウム系化合物半導体上にさらに積層
させるようにしてもよい。
【0024】以上のような方法によって成長したp型ド
ーパントがドープされた窒化物系化合物半導体を用い
て、これを特定濃度のアンモニアガス雰囲気中で熱処理
する場合は、成長後、反応炉を所定の熱雰囲気にして熱
処理することもできるし、反応炉から取出し、これを別
の炉にセットし、この炉を所定の熱雰囲気にして熱処理
することもできる。前者の場合は、冷却工程の一部とす
ることもできる。
【0025】本発明における熱処理は、詳細については
明らかではないが、アンモニアを含む雰囲気中で熱処理
を行うことにより、p型ドーパントがドープした窒化物
系化合物半導体の結晶表面の欠陥を低減するなど表面の
改質効果が惹起され、電極金属との接触抵抗が低い、オ
ーミック性に優れる等の電気特性に優れた窒化物系化合
物半導体が得られるものと考えられる。実際に、p型ド
ーパントをドープした窒化物系化合物半導体を成長した
後に、冷却を、不活性ガスのみからなる雰囲気中で冷却
したものと、本発明の特定濃度のアンモニアガス雰囲気
中で冷却したものとを比較すると、得られた半導体のキ
ャリア濃度は、本発明による方法ではかえって減少する
ものの、電極との接触抵抗は大幅に減少する。また前者
の方法で得られた半導体を、さらに本発明に従って処理
することにより、電極との接触抵抗を大幅に減少し得
る。
【0026】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を詳
しく説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるも
のではない。 (実施例1〜6及び比較例1、2)サファイア基板上
に、図1に示す層構造の試料を常圧MOVPE法により
以下の如くして製造した。
【0027】先ず、サファイア基板1の(0001)面
を1060℃でクリーニングを行い550℃まで降温し
た後、同温度下、この面の上に、キャリアガスとして水
素を、原料ガスとしてアンモニア、TMGを用いてGa
N層を低温バッファ層2として約50nm成長させた。
次いで1040℃まで昇温し、ノンドープのGaN層3
を3.25μm成長させた。そして、同温度でGaN層
3の上に、MgをドープしたGaN層4を1μm成長さ
せた。MgをドープしたGaN層4の成長雰囲気では、
全体の供給ガス中のアンモニアの割合は、流量比で23
%である。Mgをドープした層でのMgの濃度は7×1
19cm-3であった。成長後、基板加熱を停止して、6
00℃になるまで冷却した後、アンモニアの供給を停止
し、さらに室温まで冷却した後、反応炉を一旦真空排気
した後、窒素で置換して、試料を取り出した。
【0028】このようにして製造した試料をいくつかに
分割した後、これを以下の比較例1、2及び実施例1〜
6に供した。 (比較例1)分割された試料の1つを熱処理炉にて、ア
ンモニアを含まない1気圧の窒素雰囲気中、温度800
℃で20分の熱処理を行った。この試料にNiを15n
m、Ptを30nm蒸着し、さらに接触抵抗測定用のT
LMパターンを形成後、10分間380℃でアロイ化し
て、Mgをドープしたp型GaN層4への電極とした。 (比較例2)熱処理温度を1000℃としたこと以外に
は比較例1と同様にして試料を作製した。 (実施例1、3、5)熱処理雰囲気中のアンモニア濃度
をそれぞれ1%、5%、10%としたこと以外は比較例
1と同様にして試料を作製した。尚、熱処理後の冷却工
程において、400℃に降温した時点でアンモニアの供給
を停止した。 (実施例2、4,6)熱処理雰囲気中のアンモニア濃度
をそれぞれ1%、5%、10%としたこと以外は比較例
2と同様にして試料を作製した。尚、熱処理後の冷却工
程において、400℃に降温した時点でアンモニアの供給
を停止した。
【0029】比較例1、2及び実施例1〜6についてT
LM法により求めた接触抵抗の値を図2に示す。図2で
は、接触抵抗の値は、比較例1に対する相対値で示され
ている。図2から、特定濃度のアンモニア雰囲気中で熱
処理した試料では、アンモニアを含まない雰囲気で熱処
理したものより接触抵抗が格段に小さくなっており、特
定濃度のアンモニア雰囲気中で熱処理することにより電
極における接触抵抗を減少させることの効果が明白であ
る。
【0030】(実施例7〜12)次に、別の実施例7〜
12について説明する。サファイア基板上に、図3に示
す層構造の試料を常圧MOVPE法により以下の如くし
て製造した。
【0031】先ず、サファイア基板11の(0001)
面上に、キャリアガスとして水素を用い、原料ガスとし
てアンモニア、TMGを用い、550℃でGaN層を低
温バッファ層12として約50nm成長させた。続け
て、ノンドープのGaN層13を1040℃で3.25
μm成長させた。
【0032】その後キャリアガスを窒素とし、成長温度
を775℃まで降温した。この状態でGa0.85Al0.15
N層14を25nm成長させた後、再び成長温度を上
げ、1040℃でMgをドープしたp型GaN層15を
1μm成長させた。p型GaN層15の成長雰囲気は、
キャリアガスが窒素であることを除いて、比較例1のp
型GaN層4の場合と同様である。Mgをドープしたp
型GaN層15でのMgの濃度は7×1019cm-3であ
る。p型GaN層15の成長終了後、基板加熱を停止
し、サファイア基板1が600℃になるまで冷却した
後、アンモニアの供給を停止し、さらにサファイア基板
1を室温まで冷却した後、反応炉を一旦真空排気した
後、窒素で置換して出来上がった試料を取り出した。
【0033】以上のようにして作製した試料をいくつか
に分割した後、以下のようにして実施例7〜12を作製
した。 (実施例7)分割された試料の1つを熱処理炉にて、ア
ンモニアを1%含む雰囲気中、処理温度800℃で20
分の熱処理を行った。この試料にNiを15nm、Pt
を30nm蒸着し、さらに接触抵抗測定用のTLMパタ
ーンを形成後、10分間380℃でアロイ化して、Mg
をドープしたp型GaN層15への電極とした。 (実施例8)熱処理温度を1000℃としたこと以外に
は実施例7と同様にして試料を作製した。 (実施例9、11)熱処理雰囲気中のアンモニア濃度を
それぞれ5%、10%としたこと以外は実施例7と同様
にして試料を作製した。 (実施例10、12)熱処理雰囲気中のアンモニア濃度
をそれぞれ5%、10%としたこと以外は実施例8と同
様にして試料を作製した。
【0034】実施例7〜12についてTLM法により求
めた接触抵抗の値を図4に示す。図4では、接触抵抗の
値は、比較例1に対する相対値で示されている。図4か
ら、図3に示した層構造の場合においても、特定濃度の
アンモニア雰囲気中で熱処理した試料では、アンモニア
を含まない雰囲気で熱処理したものより接触抵抗が格段
に小さくなっており、特定濃度のアンモニア雰囲気中で
熱処理することにより電極における接触抵抗を減少させ
ることの効果が明白である。
【0035】(実施例13)実施例13は、図5に示し
た層構造の窒化ガリウム系化合物半導体を常圧MOVP
E法により以下のようにして作製した場合の例である。
図5を参照して実施例13について説明すると、先ず、
サファイア等の絶縁基板あるいはSiC等の伝導性基板
のいずれかの基板21上にSi等のドナーをドープした
n型GaN層22を成長させる。なお、n型GaN層2
2は基板上にバッファ層を介して成長してもよい。さら
に、ノンドープのGaN層23を成長させた後、InG
aN層24による井戸層とGaN層23による障壁層を
繰り返し形成して成る多重量子井戸層25を作製し、キ
ャップ層26としてAlGaN層を成長させる。キャッ
プ層26の上にさらにMgをドープしたp型GaN層2
7をチッ素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスをキャ
リアガスとして成長させる。p型GaN層27の成長後
の基板21の冷却中にアンモニアの濃度を5%程度に調
整する。このようにして作製したLEDはInGaN/
GaN多重量子井戸層25を活性層とし、Mgをドープ
したp型GaN層27は、特に成長後に取り出し加熱処
理を行わなくても接触抵抗の低いp型電極をp型GaN
層27上に形成することができる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、p型ドーパントがドー
プされた窒化物系化合物半導体を、特定濃度のアンモニ
アガス雰囲気中で熱処理することにより、電極金属との
接触抵抗が低い、オーミック性に優れる等の電気特性に
優れたp型窒化物系化合物半導体を製造し得る。従って
該半導体を用いて発光ダイオード等の半導体素子を作製
した場合、その電気特性が格段に向上し、電極部におけ
る電力損失を低く抑えることができ、高効率の半導体素
子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1〜6及び比較例1、2に係る
3−5族化合物半導体の試料の層構造を模式的に示す層
構造図。
【図2】実施例1〜6及び比較例1、2についてアニー
ル条件と接触抵抗値とを示す図。
【図3】実施例7〜12に係る3−5族化合物半導体の
試料の層構造を模式的に示す層構造図。
【図4】実施例7〜12についてアニール条件と接触抵
抗値とを示す図。
【図5】実施例13に係る3−5族化合物半導体の試料
の層構造を模式的に示す層構造図。
【符号の説明】
1、11 サファイア基板 2、12 低温バッファ層 3、13、23 GaN層 4 GaN層(Mgドープ) 14 Ga0.85Al0.15N層 15、27 p型GaN層(Mgドープ) 21 基板 22 n型GaN層 24 InGaN層 25 多重量子井戸層 26 キャップ層
フロントページの続き Fターム(参考) 5F041 AA21 AA24 CA04 CA05 CA40 CA46 CA49 CA57 CA65 CA73 CA77 CA82 CA99

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p型ドーパントがドープされた一般式I
    x Gay Alz N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z
    ≦1、x+y+z=1)で表わされる3−5族化合物半
    導体を、アンモニアと高温で不活性なガスとの混合ガス
    であってアンモニアの分圧が0.005〜0.2気圧で
    ある混合ガス雰囲気中で熱処理することを特徴とするp
    型3−5族化合物半導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱処理温度が、350〜1100℃であ
    ることを特徴とする請求項1記載の3−5族化合物半導
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】 p型ドーパントがドープされた3−5族
    化合物半導体が、キャリアガスとして、実質的に水素を
    含まない不活性ガスを用いた有機金属気相成長法により
    製造されたものであることを特徴とする請求項1または
    2記載の3−5族化合物半導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれかに記載の製造方法
    により製造されたp型3−5族化合物半導体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のp型3−5族化合物半導
    体を用いた化合物半導体素子。
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