JP2003133246A - 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子及び窒化ガリウム系化合物半導体の製造方法 - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体発光素子及び窒化ガリウム系化合物半導体の製造方法

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JP2003133246A
JP2003133246A JP2002228904A JP2002228904A JP2003133246A JP 2003133246 A JP2003133246 A JP 2003133246A JP 2002228904 A JP2002228904 A JP 2002228904A JP 2002228904 A JP2002228904 A JP 2002228904A JP 2003133246 A JP2003133246 A JP 2003133246A
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gan
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Akihiko Ishibashi
明彦 石橋
Yuzaburo Ban
雄三郎 伴
Hidemi Takeishi
英見 武石
Nobuyuki Kamimura
信行 上村
Masahiro Kume
雅博 粂
Isao Kidoguchi
勲 木戸口
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気的、光学的および結晶構造的等の性質に
優れた窒化ガリウム系半導体発光素子およびその製造方
法を提供する。 【解決手段】 本発明による窒化ガリウム系化合物半導
体素子の製造方法は、表面が(0001)面から[11
−20]方向に第1の角度で傾斜している炭化珪素基板
の該表面に、導電性を有する窒化アルミニウム層を形成
する工程と、該窒化アルミニウム層の上部に、窒化ガリ
ウム系化合物半導体積層構造体を形成する工程と、を包
含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、青色領域から紫外
領域で発光する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子、
およびこの発光素子に用いられる窒化ガリウム系化合物
半導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】青色より短い波長領域で発光する発光素
子は、フルカラーディスプレーや、高い密度で記録可能
な光ディスク用光源として期待されている。このような
発光素子に用いられる半導体として、ZnSe等のII−
VI族化合物半導体、SiC、およびGaN等のIII−V族
化合物半導体が知られている。これらの半導体に対する
研究は盛んになされている。最近、GaNやInxGa
1-xN(0<x<1、以下InGaNとも略称する)等の化
合物半導体を用いて、青色発光ダイオードが実現され、
窒化ガリウム系化合物半導体を用いた発光素子は注目さ
れている(特開平7−162038号公報)。
【0003】図19を参照しながら、従来の窒化ガリウ
ム系化合物半導体発光素子を説明する。この発光素子
は、サファイア(単結晶Al23)基板100上に、G
aNバッファ層101、n型AlxGa1-xN(0<x<
1、以下AlGaNとも略称する)クラッド層102、
InGaN活性層103、p型AlGaNクラッド層1
04、およびp型GaNコンタクト層105を順次積層
した構造を備えている。p型GaNコンタクト層105
の上には、p側電極(Au電極)107が形成され、n
型AlGaNクラッド層102の一部露出部分上に、n
側電極(Al電極)108が形成されている。
【0004】以下に、図20(a)〜(d)を参照しな
がら、上記従来の発光素子に用いられる窒化ガリウム系
化合部半導体の製造方法を説明する。
【0005】窒化ガリウム系化合物半導体の形成に、一
般的に、有機金属気相成長法(MOVPE法)や分子線
エピタキシー法(MBE法)が用いられている。ここで
は、例えば、MOVPE法を用いて、窒化ガリウム系化
合物半導体を形成する方法について説明する。
【0006】図20(a)に示されるようなサファイア
(単結晶Al23)基板121を、不図示のMOVPE
装置の反応炉に設置した後、600℃程度の温度で、有
機金属のトリメチルガリウム(TMG)と、アンモニア
(NH3)を基板121上に供給する。キャリアガス
は、水素である。このようにして、多結晶状態のGaN
層122aを基板121上に堆積させる。
【0007】次に、GaN多結晶層122aの上に、G
aN単結晶層を形成する。図2(b)は、GaN単結晶
層の成長シーケンスを示す。以下に、この工程をより詳
細に説明する。
【0008】Ga原料であるTMGの供給を停止し、基
板121の温度を1000℃程度に昇温した後、再びT
MGを基板上に供給する。これによって、図20(b)
に示されるように、結晶軸に沿った配向性の高いGaN
単結晶の核122bが形成される。このような温度(1
000℃)で形成されるGaN単結晶の核122bの粒
径の範囲は、約数μm〜数百μmである。
【0009】次に、基板温度を1000℃に維持しなが
ら、TMG、NH3の供給を続けると、図20(c)に
示されるように、GaN単結晶の核122bは、主に2
次元的に成長する。これによって、核122bは互いに
つながって、図20(d)に示されるように、GaNの
単結晶層122cが形成される。GaN多結晶層122
aおよびGaN単結晶層122cが、GaNバッファ層
122を構成する。
【0010】次に、GaNバッファ層122の上に、M
OVPE法によって、不図示の他の窒化ガリウム系半導
体層を成長させる。
【0011】上記成長法によると、GaN単結晶層12
2cは、1000℃での1段階の結晶成長で形成され
る。
【0012】以下に、図21を参照しながら、図19の
発光素子の製造方法を説明する。
【0013】図21に示されるように、サファイア基板
100上に、上記方法によって、600℃でGaN多結
晶層を堆積した後、その上にGaN単結晶層を1000
℃で成長させ、GaNバッファ層101を形成する。
【0014】その後、GaNバッファ層101の上に、
窒化ガリウム系化合物半導体積層構造109を成長させ
る。より詳細に説明すると、まず、1000℃で、TM
A(トリメチルアルミニウム)、TMG(トリメチルガ
リウム)、SiH4(モノシラン)、およびアンモニア
を用いて、n型AlGaNクラッド層102を成長す
る。次に、基板温度を700℃までに降温し、TMI
(トリメチルインジウム)、TMGおよびNH3を用い
て、InGaN活性層103を成長させる。その後、再
び基板温度を1000℃までに昇温し、TMA、TM
G、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)
およびNH3を用いてp型AlGaNクラッド層104
を成長させる。さらに、TMG、Cp2MgおよびNH
3を用いて、p型GaNコンタクト層105を成長させ
る。
【0015】次に、図19に示されるように、n型Al
GaNクラッド層102の一部が露出するまで、InG
aN活性層103、p型AlGaNクラッド層104、
およびp型GaNコンタクト層105を、プラズマ等を
用いて、部分的にドライエッチングする。
【0016】次に、p型GaNコンタクト層105上に
p側電極(Au電極)107を形成し、n型AlGaN
クラッド層102の一部露出部分上にn側電極(Al電
極)108を形成する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術におい
て、サファイア基板上に、1段階(1000℃)の結晶
成長で、GaNバッファ層101を構成するGaN単結
晶層を成長する方法では、GaN単結晶層の高品質を図
れない。すなわち、GaN単結晶層の電気的、光学的お
よび結晶構造的等のすべての性質を良好にすることはで
きない。
【0018】その理由は、次のようである。上記従来の
方法によると、比較的高い温度(1000℃)で、Ga
N多結晶層122aの上にGaN単結晶の核122bを
形成するので、図20(c)に示されるように、GaN
単結晶の核122bの配向性にばらつきを生じる。この
ため、最終的に得られるGaN単結晶層122cの構造
は、図20(d)に示されるように、幾つかの異なる配
向性を持った領域に分かれてしまう。
【0019】このように、GaN単結晶層122cの構
造が異なる配向性を持った複数の領域に分かれているの
で、GaN単結晶層122cとその上に形成される他の
半導体単結晶層との界面に多数の欠陥が存在する。これ
らの欠陥において、電子やホールの非発光再結合が起こ
り、注入電流密度の高い発光素子を製造するのが困難で
ある。
【0020】また、従来では、窒化物系化合物半導体発
光素子の基板として用いられたサファイア基板は絶縁性
であるため、図19に示されるように、n型AlGaN
クラッド層102、InGaN活性層103、p型Al
GaNクラッド層104、およびp型GaNコンタクト
層105を、部分的にエッチング除去して、一部が露出
しているn型AlGaNクラッド層102上に、n側電
極108を形成する工程が必要であった。
【0021】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは、(1)電気的、光学
的および結晶構造的等の性質に優れた窒化ガリウム系半
導体の製造方法を提供すること、および(2)n側電極を
形成するための半導体積層構造の一部をエッチング除去
する工程が不要であり、動作電圧の小さな窒化ガリウム
系半導体発光素子を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明による窒化ガリウ
ム系化合物半導体素子の製造方法は、表面が(000
1)面から[11−20]方向に第1の角度で傾斜して
いる炭化珪素基板の該表面に、導電性を有する窒化アル
ミニウム層を形成する工程と、該窒化アルミニウム層の
上部に、窒化ガリウム系化合物半導体積層構造体を形成
する工程と、を包含しており、そのことにより上記目的
が達成される。
【0023】ある実施形態では、前記第1の角度は、約
1°から18°までである。
【0024】ある実施形態では、前記第1の角度は、約
5°から12°までである。
【0025】ある実施形態では、前記窒化アルミニウム
層を形成する工程は、約800℃から1200℃までの
温度で行う。
【0026】ある実施形態では、前記窒化アルミニウム
層は単結晶からなっている。
【0027】ある実施形態では、前記窒化アルミニウム
層の上に、窒化ガリウム単結晶層を形成する工程をさら
に包含する。
【0028】ある実施形態では、前記窒化アルミニウム
層中に、不純物としてシリコンがドープされている。
【0029】本発明による窒化ガリウム系化合物半導体
発光素子は、表面が(0001)面から[11−20]
方向に第1の角度で傾斜している炭化珪素基板と、該炭
化珪素基板の表面に形成された導電性を有する窒化アル
ミニウム層と、該窒化アルミニウム層の上に設けられ
た、窒化ガリウム系化合物半導体積層構造体と、を備え
ており、そのことにより上記目的が達成される。
【0030】ある実施形態では、前記第1の角度は、約
1°から18°までである。
【0031】ある実施形態では、前記第1の角度は、約
5°から12°までである。
【0032】ある実施形態では、前記積層構造体の上方
に設けられた電極をさらに備えており、該積層構造体と
該電極との間に、前記基板の導電型と反対の導電型を有
するInxGa1-xN(0<x<1)層が設けられてい
る。
【0033】ある実施形態では、前記電極は白金から形
成されている。
【0034】本発明による他の窒化ガリウム系化合物半
導体発光素子の製造方法は、基板上に設けられた、Al
xGayInzN(0≦x<1、0≦y<1、0<z≦
1、x+y+z=1)活性層を含む窒化ガリウム系化合
物半導体積層構造体を備えた窒化ガリウム系化合物半導
体発光素子の製造方法であって、第1の温度範囲で、該
活性層を形成する工程と、該活性層の上に、Inの蒸発
を抑制するためのGaNキャップ層を形成する工程と、
該第1の温度範囲より高い第2の温度範囲で、該活性層
に対して熱処理を行う工程と、を包含しており、そのこ
とにより上記目的が達成される。
【0035】ある実施形態では、前記GaNキャップ層
の厚さは、約1nm以上10nm以下である。
【0036】ある実施形態では、前記第1の温度範囲は
約500〜800℃、前記第2の温度範囲は1000℃
以上である。
【0037】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を詳細
に説明する。なお、本願明細書において、「窒化ガリウ
ム系化合物半導体」とは、窒化ガリウム(GaN)のG
aが部分的に他のIII族元素に置き換えられた半導体、
例えば、InsGa1-sN(0≦s<1)およびAlt
1-tN(0≦t<1)を含み、各構成原子の一部がド
ーパント原子等に置き換えられた半導体や、他の不純物
が添加された半導体をも含むものとする。InsGa1-s
NおよびAltGa1-tNは、それぞれ「InGaN」お
よび「AlGaN」とも略称する。
【0038】また、本明細書では、「半導体発光素子」
は、発光ダイオードや半導体レーザを含む。
【0039】(第1の実施形態)図1および図2を参照
しながら、本発明による窒化ガリウム系化合物半導体の
製造方法を説明する。より詳細にいえば、サファイア基
板上にGaN単結晶層を形成する方法を説明する。な
お、本実施形態では、結晶層の形成に有機金属気相成長
法(MOVPE法)を用いる。
【0040】図1(a)〜(d)は、本発明によるGa
N単結晶層の成長方法を示す断面図である。図2(a)
は、GaN単結晶層の成長シーケンスを示す。
【0041】まず、結晶成長を行うため、サファイア
(単結晶Al23)C面基板10を不図示のMOVPE
装置の反応炉内のサセプター上に設置し、真空排気した
後、70Torrの水素雰囲気において、1050℃で
15分間加熱することによって、基板10の表面に対し
てクリーニング処理を施す。
【0042】次に、図2(a)に示されるように、基板
を600℃程度まで冷却した後、トリメチルガリウム
(TMG)を20μモル/分、アンモニアを2.5L/
分、およびキャリア水素を2L/分程度供給して、図1
(a)に示されるような多結晶状態のGaN層(GaN
多結晶層)11aを50nm堆積させる。GaN多結晶
層11aを堆積する温度範囲(第1の温度範囲)は、5
00〜600℃程度であることが好ましい。
【0043】次に、GaN多結晶層11a上に良好なG
aN単結晶層を形成するために、下記のような3段階の
結晶成長工程を行う。
【0044】第1段階は、GaN単結晶の核層を形成す
る工程である。TMGの供給のみを停止し、基板温度を
950℃程度まで昇温した後、図1(b)に示されるよ
うに、TMGを20μモル/分供給し、GaN単結晶の
核層11bを堆積させる。950℃でのGaN単結晶の
核層11bの形成時間は、約3分である。GaN単結晶
の核層11bを形成する温度範囲(第2の温度範囲)
は、700℃以上、1000℃以下であることが好まし
い。700℃より低いと、アンモニアは十分に分解でき
ない。1000℃より高いと、GaN多結晶層11aの
単結晶化が進み、GaN多結晶層11aの表面に凹凸が
形成してしまう。このため、GaN多結晶層11aの上
に、表面の平坦性が高いGaN単結晶の核層11bが成
長できない。このことについて、以下により詳細に説明
する。本発明によって形成されるGaN単結晶の核層1
1bの結晶粒径の範囲は、約数μm〜数百μmである。
【0045】次に、第2段階の結晶成長を行う。この工
程において、上記第1段階に続いて、TMGを供給しな
がら基板温度を950℃から1050℃程度まで(第3
の温度範囲)昇温(昇温時間:2分)し、この温度を3
分間維持する。
【0046】次に、第3段階の結晶成長を行う。この工
程において、上記第2段階に続いて、TMGを供給しな
がら基板温度を1050℃から1090℃程度まで(第
4の温度範囲)昇温し(昇温時間:2分)、この温度を
約60分間維持する。
【0047】上記第2および第3段階の工程によって、
第1段階で形成されたGaN単結晶の核層11bは、図
1(d)に示されるように、GaN単結晶層11cに成
長する。GaN単結晶層11cの厚さは、0.1μm以
上5μm以下程度である。よい結晶性を得るために、第
2および第3段階の成長温度(1050℃および109
0℃)を、1000℃以上、1200℃以下に設定する
ことが好ましい。
【0048】最後に、TMGの供給のみを停止し、アン
モニアと水素の混合雰囲気で、基板を室温まで冷却す
る。
【0049】上記のように、GaN多結晶層11a上
に、GaN単結晶層11cが形成される。GaN多結晶
層11aおよびGaN単結晶層11cが、GaNバッフ
ァ層11を構成する。このGaNバッファ層11の上
に、発光するための窒化ガリウム系半導体積層構造体が
堆積される。本実施形態において、バッファ層11を構
成する多結晶層としてGaNが用いられるが、GaNの
代わりに、AlxGa1-xN(0<x≦1)が用いられて
もよい。
【0050】本発明の重要な点は、GaN単結晶層11
cを形成するのに、複数段階(3段階)の成長工程で結
晶成長を行うことにある。これよって、高い品質のGa
N単結晶層11cが得られる。
【0051】GaN単結晶層11cの形成機構につい
て、以下に、より詳細に説明する。
【0052】本発明によると、GaN多結晶層11a上
に、上記第1段階において、比較的低い温度、すなわち
1000℃より低い温度(950℃)で、GaN単結晶
の核層11bを堆積させる。このような低い堆積温度を
用いることによって、GaN単結晶の核層11bの核
は、大きさが小さく、基板全面に緻密に形成できる。こ
のため、GaN単結晶の核層11bの表面の平坦性が上
がる。また、堆積温度が低いため、GaN単結晶の核層
11bの結晶の配向性は低く、多方向に向いている。
【0053】上記第2段階(1050℃)において、G
aN単結晶の核層11bの核のうち、基板10の表面の
配向性を持った核は、図1(c)に示されるように、特
に、基板10の表面に平行な方向に2次元的に大きく成
長する。この結果、隣接する配向性の低い核も取り込ま
れて、核が基板10の表面に平行な方向に2次元的につ
ながって、配向性の高いGaN単結晶の核層が形成され
る。すなわち、様々な方向にランダムに配向していたG
aN単結晶の核層11bの核結晶が、基板10の表面に
平行な方向に沿って、同一の方向に配向するように成長
する。
【0054】上記第3段階において、より高い温度(1
090℃)で結晶成長を進行させると、図1(d)に示
されるように、基板10の表面に平行な方向において配
向性の高いGaN単結晶の核層11cは、基板10の表
面に垂直な方向に成長する。すなわち、基板10の表面
の配向性に沿って、C軸に強く配向したGaN単結晶層
11cが、基板10上の広い範囲で形成される。このよ
うに形成されたGaN単結晶層11cは、高い表面平坦
性を有する。
【0055】本実施形態によって形成されるGaN単結
晶層11cの結晶性を評価するために、2結晶X線回折
における回折ピーク半値全幅を測定した。GaN単結晶
層11cの結晶は、3分という半値全幅を示す。一方、
従来の1段階(1000℃)の結晶成長法によって形成
されるGaN単結晶層の結晶は、5分という高い値の半
値全幅を有する。このことから、本実施形態によると、
結晶性に優れた良好なGaN単結晶層が得られることが
分かる。
【0056】さらに、光学顕微鏡を用いて、本実施形態
によって形成されるGaN単結晶層11cの表面の写真
を撮って、その平坦性について調べた。その結果は、図
3(a)および(b)に示されている。図3(c)およ
び(d)は、比較例として、従来技術によって得られた
GaN単結晶層の表面状態を示す。図3(a)および
(c)は、GaN単結晶層の平面図である。図3(b)
および(d)は、それぞれ図3(a)および(c)の線
3B−3Bおよび線3D−3Dに沿った断面の状態を示
す。
【0057】従来技術によると、GaN単結晶層の表面
において、ほぼ発光素子サイズの300μmの距離の範
囲で、凹凸が観測される(図3(c))。また、図3
(d)から分かるように、GaN単結晶層の表面のラフ
ネスは、およそ100オングストロームである。GaN
単結晶層の表面の平坦性が悪いため、その上に急峻な界
面を有する窒化ガリウム系半導体多層膜を堆積させるの
は困難である。
【0058】これに対して、本実施形態によると、図3
(a)に示されるように、均一で平坦な表面を有するG
aN単結晶層が得られる。また、図3(b)から分かる
ように、本実施形態によって得られたGaN単結晶層1
1cに対して、表面凹凸を検出できない。測定に用いた
光学顕微鏡の調査限界は50オングストロームであるた
め、本実施形態によって得られたGaN単結晶層11c
の表面のラフネスは、50オングストローム以下である
と推定した。本実施形態によると、GaN単結晶層11
cの表面は優れた平坦性を示すので、その上に、良好な
結晶性および急峻な界面を有する窒化ガリウム系半導体
多層膜を形成することができる。
【0059】本実施形態によって得られるGaN単結晶
層11cの上に、MOVPE法によって、InGaN層
を含む窒化ガリウム系半導体多層膜を堆積し、その室温
フォトルミネッセンスを観測した。観測結果は、図4
(a)に示される。図4(a)から分かるように、41
0nm付近に、バンド端発光のみが現れている。このこ
とは、高い品質を有する窒化ガリウム系半導体多層膜が
形成されていることを示す。
【0060】図4(b)は、従来技術によってGaN単
結晶層を形成し、その上に、InGaN層を含む窒化ガ
リウム系半導体多層膜を堆積した場合、室温フォトルミ
ネッセンスを観測した結果を示す。この図から分かるよ
うに、410nm付近のバンド端発光に加え、550n
m付近に欠陥に起因すると考えられる深い準位からの発
光が観測される。これは、InGaN層の品質が低下し
たためである。
【0061】(第2の実施形態)図5および6を参照し
ながら、本発明の第2の実施形態として、SiC基板2
10上にGaN単結晶層を形成する方法を説明する。
【0062】本実施形態において、基板210の材料と
して、6H構造を有するSiCが用いられている。Si
C基板210は、窒素がドープされており、n型導電型
を有する。SiC基板210は、(0001)面から
3.5度程度[11−20]方向に傾斜している。本願
明細書において、このような基板を「傾斜基板」または
「オフ基板」(misoriented substrate)と称する。
【0063】また、本実施形態では、基板210上に、
GaN単結晶層を形成するための多結晶層の堆積に、電
子サイクロトロン共鳴CVD法(ECR−CVD法)ま
たは電子サイクロトロン共鳴スパッタ法(ECRスパッ
タ法)を用いる。なお、多結晶層を形成する材料とし
て、AlNを用いる。
【0064】図5(a)〜(d)は、本発明によるGa
N単結晶層の成長方法を示す断面図である。図6は、G
aN単結晶層の成長シーケンスを示す。
【0065】まず、結晶成長を行うため、炭化珪素基板
210を不図示のECR−CVDまたはECRスパッタ
装置の反応炉内のサセプター上に設置し、真空排気した
後、70Torrの水素雰囲気において、1050℃で
15分間加熱することによって、基板210の表面に対
してクリーニング処理を施す。
【0066】次に、図6に示されるように、基板210
を200℃程度まで冷却した後、固体Al(純度6N)
と窒素ガスとをECR−CVDまたはECRスパッタの
反応炉内に供給する。ECR−CVDまたはECRスパ
ッタの反応炉内の圧力は、1×10-3Torrである。
次に、2.45GHz、500Wのマイクロ波をかけ、
図5(a)に示されるように、多結晶状態のAlN層
(AlN多結晶層)211aを50nm程度堆積させ
る。このように得られるAlN多結晶層211aの結晶
粒子のサイズの範囲は、数Å〜数千Å程度である。
【0067】次に、AlN多結晶層211aを堆積した
基板210を、MOVPE装置の反応炉内に設置し、ア
ンモニアと水素の混合雰囲気中で1000℃程度で10
分間熱処理する。GaN多結晶層211aの導電性を高
めるために、熱処理の温度を約800℃以上1200℃
以下に設定するのが好ましい。この処理によって、図5
(b)に示されるように、AlN多結晶層211aのC
軸配向性を向上させる。
【0068】次に、AlN多結晶層211a上に良好な
GaN単結晶層を形成するために、第1の実施形態で説
明した3段階の結晶成長工程とほぼ同様な工程を行う。
より詳細に説明すると、次のようである。
【0069】第1段階において、基板温度を1000℃
に維持し、水素ガスをキャリアガスとして、TMGとア
ンモニアを供給する。これにより、図5(c)に示され
るように、AlN多結晶層211aの上に、C軸配向性
の強いGaN単結晶の核層211bを形成する。GaN
単結晶の核層211bの形成時間は、約2分である。
【0070】第2段階において、基板温度を1050℃
程度まで昇温し、GaN多結晶層211aを成長させ
る。第3段階において、基板温度を1090℃程度まで
昇温し、GaN多結晶層211aをさらに成長させ、図
5(d)に示されるように、GaN単結晶層211c
(厚さ:0.1μm〜5μm程度)が形成される。第2段
階および第3段階におけるMOVPE法による他の結晶
成長条件は、第1の実施形態のそれと同様である。
【0071】AlN多結晶層211aおよびGaN単結
晶層211cが、バッファ層211を構成する。このバ
ッファ層211の上に、発光するための窒化ガリウム系
半導体積層構造が堆積される。
【0072】ECR−CVDまたはECRスパッタ法を
用いて、AlN多結晶層211aを堆積させるのは、次
の利点を有する。ECR−CVDまたはECRスパッタ
法によると、AlN多結晶層211aを200℃という
低い温度で堆積できる。一方、MOVPE法によると、
窒素の原料であるアンモニアが分解しないため、AlN
多結晶層は200℃では堆積できない。
【0073】本実施形態において、ECR−CVDまた
はECRスパッタ法を用いて、AlN多結晶層211a
を200℃程度の温度で形成するので、AlN多結晶層
211aの結晶粒子のサイズ(数Å〜数千Å)が小さ
い。このような小さなサイズを有する結晶粒子に対して
熱処理を行い、AlN多結晶層211aの配向性を向上
させることによって、AlN多結晶層211aの上に、
高い密度および高い配向性を有するGaN単結晶の核を
形成できる。一方、MOVPE法による温度(600℃
程度)で堆積したAlN多結晶層を用いた場合は、上記
ECR−CVDまたはECRスパッタ法を用いる場合に
比べて、AlN多結晶層の上に、高い密度および高い配
向性を有するGaN単結晶の核を形成するのが困難であ
る。本発明によると、約150〜250℃の範囲の温度
であれば、多結晶層として十分に機能するAlN多結晶
層211aが堆積できる。上記説明では、基板として炭
化珪素が用いられているが、炭化珪素の代わりに、サフ
ァイアが用いられてもよい。
【0074】本実施形態によって形成されたGaN単結
晶層211cの結晶性を評価するために、2結晶X線回
折における回折ピーク半値全幅を測定した。GaN単結
晶層11cは、3分という2結晶X線回折の半値全幅を
示す。このことから、本実施形態によって、表面がきわ
めて平坦で高い品質のGaN単結晶層211cが得られ
ることがわかる。
【0075】以下に、基板210として、SiC傾斜基
板を用いる理由について説明する。本実施形態では、
(0001)面から[11−20]方向に3.5度傾斜
するように研磨したn型SiC基板が用いられている。
これによって、SiC基板上に、特にAlGaN混晶を
堆積する場合、AlGaN混晶の表面の平坦性が向上す
る。なお、(0001)面から[1−100]方向に
3.5度傾斜するように研磨したn型SiC基板を用い
ても、上記と同様な効果が得られる。
【0076】図7は、SiC傾斜基板上に堆積されたA
lGaN層の表面のラフネスと、AlGaN中のAlの
組成との関係を示す。横軸は、AlGaN中のAlの組
成を示し、縦軸は、AlGaN層の表面のラフネスを示
す。図7において、点線は、(0001)ジャスト基板
を用いた場合を示す。本願明細書において、「(000
1)ジャスト基板」とは、(0001)面からいずれの
方向にも傾斜していない基板を指す。図7における実線
は、(0001)面から[11−20]方向に3.5度
傾斜している基板を用いた場合を示す。縦軸に対応する
値が大きくなればなるほど、AlGaNの表面のラフネ
スが大きくなり、表面の平坦性に欠けることを示す。図
7から分かるように、傾斜基板を用いる場合、Alの組
成が30%程度までに大きくなっても、AlGaN層の
表面の平坦性は劣らない。
【0077】図8は、AlGaN層の表面ラフネスと基
板の傾斜角度との関係を示す。AlGaN層の表面ラフ
ネスは、横軸に示される。傾斜角度は、基板が(000
1)面から[11−20]方向に傾斜する角度を指し、
図8の縦軸に示される。
【0078】図8に示されるように、AlGaNの表面
ラフネスは、傾斜角度が高くなるに従って小さくなる。
図8から分かるように、傾斜角度が約1度から18度ま
での範囲で、AlGaN層の表面は、平坦性が保たれ
る。
【0079】基板の傾斜角度が約5度から15度までの
範囲で、以下に説明するAlGaNへのp型ドーパント
の取り込まれ率も向上する。
【0080】p型AlGaN層を作製する際、(000
1)ジャスト基板が用いられる場合、Al組成の増加に
ともなって、p型ドーパントであるMgの取り込まれ率
が低下し、素子の抵抗が高くなるということが本願発明
者によってわかった。本実施形態によると、傾斜基板を
用いることによって上記問題は解決できる。
【0081】図9は、炭化珪素傾斜基板を用いる場合
の、ドーパントであるMgのAlGaN層への取り込ま
れ率とAlGaNのAl組成との関係を示す。横軸は、
AlGaNのAl組成を示し、縦軸は、MgのAlGa
N層への取り込まれ率を示す。図9に示されるように、
傾斜基板を用いる場合のAlGaNへのMgの取り込ま
れ率は、ジャスト基板を用いる場合のAlGaNへのM
gの取り込まれ率より高い。
【0082】さらに、図9から分かるように、Al組成
が増加するに従って、ジャスト基板を用いる場合のMg
の取り込まれ率は低下するが、傾斜基板を用いる場合の
Mgの取り込まれ率は低下しない。この傾向は、ドーパ
ントにMgを用いた場合に限らず、ドーパントとして、
Zn、C、Caを用いても同様である。
【0083】このように、本実施形態によると、窒化ガ
リウム系半導体中のp型ドーパントの濃度を高くできる
ので、発光素子の動作電圧を低減することが可能とな
る。
【0084】本実施形態では、傾斜基板が用いられてい
るが、その代わり、(0001)ジャスト基板が用いら
れてもよい。この場合、バッファ層を構成する多結晶層
としてn型AlN層を用いることによって、抵抗を小さ
くし、発光素子の動作電圧を低減できる。
【0085】傾斜基板を用いるもう1つの利点として、
基板上に形成されるInGaN活性層付近での結晶欠陥
が低減できる。
【0086】図10(a)は、(0001)ジャスト炭
化珪素基板上に形成されたInGaN/GaN/AlN
多層膜の断面を示すTEM(透過形電子顕微鏡、transm
ission electron microscopy)写真である。図10
(b)は、(0001)面から3.5度で[11−20]
方向に傾斜する炭化珪素基板上に形成されたInGaN
/GaN/AlN多層膜の断面を示すTEM写真であ
る。
【0087】図10(a)に示されるように、ジャスト
基板が用いられる場合、GaN膜中の結晶欠陥部分(枝
状の模様)は、基板の表面に垂直な方向(C軸方向)に
沿って存在し、InGaN層まで至っている。一方、図
10(b)に示されるように、傾斜基板が用いられる場
合、GaN膜中の結晶欠陥部分は、C軸方向に垂直な方
向に曲がるように存在する。このため、InGaN層付
近における欠陥の量が低減される。これは、傾斜基板の
表面のステップによって、結晶の格子緩和が起こるから
であると考えられる。
【0088】第1および第2の実施形態で説明した窒化
ガリウム系化合物半導体の製造方法は、発光素子の製造
に限定されることなく、受光素子の製造にも適用でき
る。
【0089】(第3の実施形態)図11および12を参
照しながら、上記第1および第2の実施形態で説明した
窒化ガリウム系化合物半導体の製造方法を用いて、窒化
ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法を説明す
る。本実施形態において、基板の材料として、サファイ
アが用いられている。なお、結晶層の形成にMOVPE
法を用いる。図12は、結晶層の成長シーケンスを示
す。
【0090】まず、結晶成長を行うため、サファイア
(単結晶Al23)C面基板10を不図示のMOVPE
装置の反応炉内のサセプター上に設置し、真空排気した
後、70Torrの水素雰囲気において、1050℃で
15分間加熱することによって、基板10の表面に対し
てクリーニング処理を施す(図12の(1))。
【0091】次に、基板10を600℃まで冷却した
後、アンモニアを2.5L/分の流量で1分供給し、基
板10の表面を窒化する(図12の(2))。その後、図
11に示されるように、トリメチルガリウム(TMG)
を20μモル/分、アンモニアを2.5L/分、および
キャリア水素を2L/分程度供給して、多結晶状態のG
aN層(GaN多結晶層)11aを50nm程度堆積さ
せる(図12の(3))。
【0092】次に、GaN多結晶層11a上に良好なG
aN単結晶層を形成するために、上記第1および第2の
実施形態で説明した3段階の結晶成長工程を行う(図1
2の(4))。すなわち、TMGの供給のみを停止し、基
板温度を950℃まで昇温した後、TMGを20μモル
/分供給し、GaN単結晶の核層を堆積させる(第1段
階)。次に、TMGを供給しながら基板温度を950℃
から1050℃および1090℃程度まで段階的に昇温
して、GaN単結晶層11cを成長する(第2および第
3段階)。GaN多結晶層11aおよびGaN単結晶層
11cが、図11に示されるGaNバッファ層11を構
成する。
【0093】次に、モノシラン(水素ベース50pp
m)を10cc/分、トリメチルアルミニウム(TMA)を
2μモル/分追加して供給し、n型AlGaNクラッド
層12を堆積させる(図12の(5))。
【0094】次に、TMG、TMAおよびモノシランの
供給のみを停止し、アンモニアと水素の混合雰囲気中
で、基板温度を700℃に降温して基板温度が一定にな
った後、トリメチルインジウム(TMI)を200μモ
ル/分、TMGを20μモル/分供給して、InGaN
混晶からなる活性層13を10nm堆積させる(図12
の(6))。InGaN活性層13を形成する温度の範囲
は、500℃以上800℃以下であればよい。活性層
は、AlxGayInzN(0≦x<1、0≦y<1、0<z
≦1、x+y+z=1)から形成されてもよい。
【0095】次に、TMIの供給のみを停止し、TMG
とアンモニアとの流量をそのまま維持し、アンドープG
aNキャップ層(InGaN活性層の蒸発抑制層)30
を1nm程度堆積させる(図12の(7))。このとき、T
MGの流量を変化させてもよい。
【0096】次に、TMGの供給も停止し、アンモニア
と水素の混合雰囲気で、基板温度を1000〜1090
℃程度まで昇温し、10分間熱処理を行う(図12の
(8))。
【0097】次に、TMA、TMGを上記の流量と同じ
流量で、さらにシクロペンタジエニルマグネシウム(C
p2Mg)を0.1μモル/分供給して、p型AlGa
Nクラッド層14を堆積させる(図12の(9))。その
後、TMAの供給のみを停止し、p型GaNコンタクト
層15を堆積させる(図12の(10))。次に、TMGお
よびCp2Mgの供給を停止し、基板温度を600℃に
降温した後、再びTMG、TMIおよびCp2Mgを供
給して、p型InxGa1-xN(0<x<1)からなる中間
層31(厚さ:0.01μm〜1μm程度)を堆積させる
(図12の(11))。p型InGaN中間層31のバンド
ギャップが小さいので、p型InGaN中間層31とそ
の上に形成されるp型電極(Pt)との間のショットキ
ー障壁を低減することができ、大幅に抵抗を低減するこ
とができる。
【0098】次に、アンモニアと水素の混合雰囲気で、
基板を500℃まで冷却した後、アンモニアの供給を停
止し、水素雰囲気中で5分間熱処理を行う(図12の(1
2))。
【0099】最後に、公知の技術を用いて、n型AlG
aNクラッド層12、InGaN活性層13、アンドー
プGaNキャップ層30、p型AlGaNクラッド層1
4、p型GaNコンタクト層15、およびp型InGa
N中間層31を、部分的にエッチング除去して、一部が
露出しているn型AlGaNクラッド層12上に、n型
電極(Al)18を形成する。また、p型InGaN中
間層31上に、p側電極(Pt)17を形成する。
【0100】図13(a)に示されるように、InGa
N活性層13とp型AlGaNクラッド層14との間に
p型GaNガイド層33、InGaN活性層13とn型
AlGaNクラッド層12との間にn型GaNガイド層
32が形成されてもよい。
【0101】以下に、アンドープGaNキャップ層30
を形成する理由を説明する。
【0102】InGaN活性層13上にアンドープGa
Nキャップ層30を設けることによって、InGaN活
性層13から蒸気圧の数桁高いInが再蒸発することを
抑制することができる。本実施形態のように、InGa
N活性層13の堆積温度と同じ温度、すなわち、700
℃でアンドープGaNキャップ層30を数原子層(1n
m程度)堆積することによって、図13(a)に示され
るように、急峻な活性層/ガイド層界面が実現できる。
【0103】図13(b)は、従来によるアンドープG
aNキャップ層30が形成されていない場合の、InG
aN活性層103と、InGaN活性層103を挟むn
型ガイト層132およびp型ガイト層133との断面を
示す。図13(b)に示されるように、InGaN活性
層103とp型GaNガイド層133との間の界面は、
急峻な界面ではなく、平坦性を欠けている。
【0104】さらに、アンドープGaNキャップ層30
を形成することによって、Inを効果的にInGaN活
性層中に混入させることができる。InGaN活性層1
3は、700℃という低い温度で堆積するので、InG
aN活性層13の配向性等の結晶性が悪い。本実施形態
のように、700℃の低温でIn再蒸発抑制層(アンド
ープGaNキャップ層)30をInGaN活性層13上
に設けることによって、基板温度を1090℃に昇温
し、InGaN活性層13に対して充分に熱処理を行う
ことができる。これよって、InGaN活性層13の配
向性を向上できる。
【0105】図14は、InGaN活性層13の室温フ
ォトルミネッセンス強度と、InGaN活性層13に対
する熱処理時間との関係を示す。熱処理時間の増加に伴
って、発光強度は約1桁増大し、発光効率が著しく向上
することが確認される。
【0106】上記説明では、図15(a)に示されるよ
うに、500〜800℃程度の温度で、アンドープGa
Nキャップ層30を形成した()後、一旦TMGの供
給を停止し、すなわち、結晶成長を停止してから、基板
温度を1000〜1090℃程度まで昇温し熱処理を行
った。この代わりに、図15(b)に示されるように、
500〜800℃程度の温度で、InGaN活性層13
を形成した()後、TMIのみの供給を停止すると同
時に、基板温度を1000〜1090℃まで昇温しても
よい。すなわち、昇温しながらアンドープGaNキャッ
プ層30を成長させる。
【0107】アンドープGaNキャップ層30の厚さ
は、10nm以下であればよい。アンドープGaNキャ
ップ層30の厚さのより好ましい範囲は、1〜3nm程
度である。アンドープGaNキャップ層30の厚さが小
さすぎる(1nm以下)と、十分にInの蒸発を抑制で
きない。アンドープGaNキャップ層30の厚さが大き
すぎる(3nm)と、デバイスの直列抵抗が高くなり、
発光を得るために、十分な電流が供給できない。なお、
GaNキャップ層30は、InがInGaN活性層13
からの蒸発を抑制することさえできれば、不純物でドー
プされていてもよい。
【0108】(第4の実施形態)以下に、図16を参照
しながら、第4の実施形態として窒化ガリウム系化合物
半導体発光素子を説明する。本実施形態では、基板41
0の材料として、サファイアを用いずに、6H構造を有
する炭化珪素(SiC)が用いられている。SiC基板
410は、窒素がドープされており、n型導電型を有す
る。SiC基板410は、(0001)面から3.5度
で[11−20]方向に傾斜している。SiC基板41
0は、(0001)面から[1−100]方向に3.5
度傾斜していても、同様な効果が得られる。
【0109】図16は、本実施形態の半導体発光素子の
断面を模式的に示す。この半導体発光素子は、図16に
示されるように、炭化珪素基板410と、基板410の
上に形成されたAlNバッファ層411と、バッファ層
411の上に設けられた半導体積層構造体419と、半
導体積層構造体419上に形成されたp型InGaN中
間層31と、発光に必要な電流(駆動電流)を供給する
ための一対の電極417および418を備えている。
【0110】半導体積層構造体419は、バッファ層4
11に近い側から順番に、n型AlGaNクラッド層1
2、n型GaNガイド層32、InGaN活性層13、
p型GaNガイド層33、p型AlGaNクラッド層1
4、およびp型GaNコンタクト層15を含んでいる。
【0111】次に、上記窒化ガリウム系化合物半導体発
光素子の製造方法を説明する。本実施形態において、バ
ッファ層411が良好な導電性を有するように、上記第
1および第2の実施形態で説明したバッファ層の形成方
法と異なる方法でバッファ層411を堆積させる。本実
施形態では、基板410上に、半導体結晶層の堆積に有
機金属気相成長法(MOVPE法)を用いる。
【0112】まず、結晶成長を行うため、6H炭化珪素
基板410を不図示のMOVPE装置の反応炉内のサセ
プター上に設置し、真空排気した後、70Torrの水
素雰囲気において、1050℃で15分間加熱すること
によって、基板410の表面に対してクリーニング処理
を施す。
【0113】次に、基板温度を1000℃まで降温した
後、アンモニアを2.5L/分の流量で1分供給し、基
板410の表面を窒化する。その後、図16に示される
ように、トリメチルアルミニウム(TMA)を10μモ
ル/分、アンモニアを2.5L/分、モノシラン(水素
ベース50ppm)を10cc/分、およびキャリア水素を
2L/分程度供給して、n型AlNバッファ層411を
200nm程度堆積させる。
【0114】バッファ層411をn型にすることによっ
て、基板410の裏面にn側電極を設けても、電気抵抗
は高くならない。なお、n型AlNバッファ層411
は、1000℃程度の高温で堆積したので、結晶欠陥が
少なくほぼ単結晶となっており、良好な導電性を有す
る。n型AlNバッファ層411を堆積させる温度の好
ましい範囲は、800℃以上1200℃以下である。堆
積温度が800℃より低いと、n型AlNバッファ層4
11の配向性が悪くなり、よい結晶性が得られない。堆
積温度が1200℃より高いと、AlおよびNの再蒸発
に起因して、n型AlNバッファ層411の結晶性が劣
る。
【0115】AlNバッファ層411の上に、第2の実
施形態で説明した方法を用いて、GaN単結晶層を形成
してもよい。この場合、AlNバッファ層とGaN単結
晶層とがバッファ層411を構成する。
【0116】次に、トリメチルアルミニウム(TMA)
の供給量を2μモル/分に変更すると同時に、モノシラ
ン(水素ベース50ppm)を10cc/分、トリメチルガ
リウム(TMG)を20μモル/分追加して供給し、n
型AlGaNクラッド層12を堆積させる。
【0117】次に、TMAの供給のみを停止し、n型G
aNガイド層32を堆積させる。その後、TMG、モノ
シランの供給のみを停止し、アンモニアと水素の混合雰
囲気中で、基板温度を700℃に降温して、基板温度が
一定になった後、トリメチルインジウム(TMI)を2
00μモル/分、TMGを20μモル/分供給して、I
nGaN混晶からなる活性層13を10nm堆積させ
る。InGaN活性層13を形成する温度の範囲は、5
00℃以上800℃以下であればよい。活性層は、Al
xGayInzN(0<x<1、0≦y<1、0<z≦1、x+
y+z=1)から形成されてもよい。
【0118】次に、TMIの供給のみを停止し、TMG
とアンモニアとの流量をそのまま維持し、アンドープG
aNキャップ層(InGaN活性層の蒸発抑制層)30
を1nm程度堆積させる。このとき、TMGの流量を変
化させてもよい。
【0119】InGaN活性層13を堆積させる後に、
アンドープGaNキャップ層30を形成する理由は、次
のようである。アンドープGaNキャップ層30を設け
ることによって、InGaN活性層13から蒸気圧の数
桁高いInが再蒸発することが抑制できる。本実施形態
のように、InGaN活性層13の堆積温度と同じ温
度、すなわち、700℃でアンドープGaNキャップ層
30を数原子層(1nm)程度堆積することによって、
活性層と後で形成されるガイド層との間に急峻な界面が
実現できる。
【0120】次に、TMGの供給も停止し、アンモニア
と水素の混合雰囲気で、基板温度を1000〜1090
℃程度まで昇温し、10分間熱処理を行う。InGaN
活性層13は、700℃程度の低温で堆積したため、配
向性等の結晶性が悪い。この熱処理は、InGaN活性
層13の配向性を上げるためである。本実施形態のよう
に、700℃の低温でIn再蒸発抑制層(アンドープG
aNキャップ層)30をInGaN活性層13上に設け
ることによって、基板温度を1000℃に昇温した後、
InGaN活性層13に対して充分に熱処理を行うこと
ができる。これによって、InGaN活性層13の配向
性は向上できる。
【0121】図14は、InGaN活性層13の室温フ
ォトルミネッセンス強度と、InGaN活性層13に対
する熱処理時間との関係を示す。熱処理時間の増加に伴
って、発光強度は約1桁増大し、発光効率が著しく向上
することが確認される。
【0122】次に、TMGを20μモル/分、さらに、
シクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)を
0.1μモル/分供給して、p型GaNガイド層33を
堆積させる。
【0123】次に、TMAを上記n型AlGaNクラッ
ド層12を形成する場合の流量と同じ流量で追加し、p
型AlGaNクラッド層14を堆積させる。その後、T
MAの供給のみを停止し、p型GaNコンタクト層15
を堆積させる。
【0124】次に、TMGおよびCp2Mgの供給を停
止し、基板温度を600℃に降温した後、再びTMG、
TMIおよびCp2Mgを供給してp型InxGa1-x
(0<x<1)からなる中間層31(厚さ:0.01μm
〜1μm程度)を堆積させる。p型InGaN中間層3
1のバンドギャップが小さいので、p型InGaN中間
層31とその上に形成されるp型電極(Pt)との間の
ショットキー障壁を低減することができ、大幅に抵抗を
低減することができる。
【0125】p型InGaN中間層31は、p型InG
aNを堆積後、500℃程度で70Torrの減圧水素
雰囲気中で熱処理を行うことにより形成できる。減圧の
水素雰囲気中であれば、400℃以上の熱処理で、p型
不純物の活性化が図れる。窒素原子の解離を抑制するこ
とを考慮すると、熱処理温度は、500℃程度の低温が
好ましい。
【0126】その後、アンモニアと水素の混合雰囲気
で、基板を500℃まで冷却した後、アンモニアの供給
を停止し、水素雰囲気中で5分間熱処理を行う。
【0127】最後に、n型SiC基板410側に、チタ
ン(Ti)を用いてn型電極418を、p型InGaN
中間層31側に白金(Pt)を用いてp型電極417を
形成する。Ptを選んだのは、Ptは仕事関数が大きい
ので、p型InGaN層31との障壁を小さくできるた
めである。
【0128】上記のように作製した窒化ガリウム系化合
物半導体発光素子に、電流を注入しレーザ発振させる
と、動作電圧は5Vという低い値である。一方、従来の
発光素子によると、動作電圧は30V程度である。すな
わち、本実施形態によると、発光素子の動作電圧は大幅
に低減できる。
【0129】本実施形態のように、n型SiC基板41
0の上に、低抵抗なn型AlNバッファ層411を設
け、導電性を有する基板410の裏面に電極418を形
成している。このことによって、従来のように、n側電
極を形成するために、基板上にエピタキシャル成長させ
た半導体多層膜をエッチングする必要がなくなる。
【0130】上記第2の実施形態および本実施形態にお
いて、炭化珪素基板が用いられていたが、本発明は、こ
れに限定されない。炭化珪素基板のかわりに、シリコン
基板を用い、シリコン基板の表面に、炭化処理によって
炭化珪素膜が形成されればよい。また、シリコン基板
が、(111)面から3.5度程度で[110]方向に傾
斜すれば、炭化珪素基板が用いられる場合と同様な効果
が得られる。
【0131】また、これまでの説明において、活性層は
InGaNからなるバルクまたはInGaN単一量子井
戸であるが、本発明はこれに限定されない。活性層は、
図17に示されるように、InGaN系多重量子井戸
(multi quantum well)であってもよい。多重量子井戸
型発光素子の方が、発光素子の高性能化を図れる。
【0132】多重量子井戸型発光素子の製造について
は、上記説明した方法が用いられる。InGaN系多重
量子井戸発光素子は、次のように形成される。基板上に
形成されたn型AlGaNクラッド層(厚さ:0.5μ
m程度)の上に、n型GaNガイド層(厚さ:0.1μm
程度)を成長させ、さらに、In0.2Ga0.8Nウエル層
(厚さ:30Å程度)と、In0.02Ga0.98Nバリア層
(厚さ:50Å程度)とを交互に9回繰り返して成長さ
せ、その後10番目のIn0.2Ga0.8Nウエル層を成長
させる。次に、10番目のIn0.2Ga0.8Nウエル層上
に順次、アンドープGaNキャップ層(厚さ:10〜3
0Å程度)、p型GaNガイド層(厚さ:0.1μm程
度)、p型AlGaNクラッド層(厚さ:0.5μm程
度)、およびp型GaNコンタクト層(厚さ:0.3μ
m程度)を成長させる。 (第5の実施形態)以下に、第5の実施形態として、窒
化ガリウム系化合物半導体発光素子を説明する。本実施
形態の発光素子において、p型GaNガイド層およびp
型AlGaNクラッド層のp型ドーパントとして、Mg
の代わりに、炭素(C)が用いられている点で、上記実
施形態の発光素子と異なる。
【0133】p型GaNガイド層の形成は、TMGを2
0μモル/分、プロパンを0.5μモル/分供給して行
う。p型AlGaNクラッド層の形成は、TMAを2μ
モル/分、TMGを20μモル/分、プロパンを0.5
μモル/分供給して行う。その他の堆積条件は、上記実
施形態の場合と同一である。
【0134】図18は、p型GaNガイド層およびIn
GaN活性層におけるp型不純物濃度のデプスプロファ
イルを示す。図18に示されるように、従来の発光素子
において、p型不純物であるMgは、GaNガイド層の成
長中に活性層側へ拡散してしまう。一方、本実施形態の
発光素子において、p型不純物である炭素は、GaNガ
イド層の成長中に活性層側へほとんど拡散していない。
炭素は、良好なp型ドーパントであることが分かる。
【0135】また、p型AlGaNクラッド層に対して
も、p型ドーパントとして炭素を用いることによって、
p型ドーパントがGaNガイド層を介して活性層へ拡散
することが防止し、デバイスの信頼性を向上させること
ができる。なお、GaNガイド層がアンドープの場合、
AlGaNクラッド層だけに、炭素をドープしてもよ
い。さらに、炭素をp型ドーパントとするのは、傾斜基
板が用いられている発光素子の場合だけでなく、(00
01)ジャスト基板が用いられている発光素子の場合で
も有効である。
【0136】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果が得られる。
【0137】(1) 基板上に、配向性および表面平坦性に
優れた高い品質のGaN単結晶層が作製できる。このG
aN単結晶層上に、窒化ガリウム系半導体多層膜を堆積
した場合、高い品質の多層膜の成長が可能である。この
ため、高い効率の発光素子を作製することができる。
【0138】(2) 200℃程度の低い温度で、バッファ
層を構成するn型AlN多結晶層を堆積できるので、n
型AlN多結晶層の上に、より緻密なGaN単結晶の核
を形成できる。このため、高い配向性を有するGaN単
結晶層が成長できる。
【0139】(3) 炭化珪素基板は(0001)面から
[11−20]方向に傾斜しているので、優れた表面平
坦性を有するGaN単結晶層を基板上に成長できる。さ
らに、炭化珪素基板上に形成されたp型AlGaN層に
おいて、Alの組成が増える場合に、p型ドーパントの
取り込まれ効率が低下することが抑制できる。
【0140】(4) Siをドープしたn型AlNバッファ
層を用いることにより、電気抵抗を小さくできる。しか
も、n型SiC基板側に直接n側電極を形成できるの
で、発光素子の作製において、大幅に工程を簡素化でき
る。
【0141】(5) InGaN活性層の上に、アンドープ
GaNキャップ層が形成されているので、InGaN活
性層/p型GaNガイド層、またはInGaN活性層/
p型AlGaNクラッド層の界面の急峻性を向上でき
る。このため、欠陥を低減でき、発光素子の効率および
信頼性が飛躍的に向上する。
【0142】(6) InGaN活性層に対して熱処理を行
うことにより、InGaN活性層の配向性が向上する。
このため、本発明による発光素子の発光効率は、従来の
発光素子のそれより10倍以上に増大する。
【0143】(7) p側電極の下にp型InGaN層が設
けられているので、p側電極のコンタクト抵抗を低減で
き、発光素子の動作電圧を1/6程度に低減できる。
【0144】(8) p型AlGaNクラッド層のp型ドー
パントとして炭素を用いることによって、InGaN活
性層にドーパントが拡散することが抑制できるので、発
光素子の信頼性および発光効率を大幅に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、本発明による窒化ガリウム
系半導体の製造工程を示す図
【図2】(a)は本発明による結晶成長のシーケンスを
示す図 (b)は従来技術による結晶成長のシーケンスを示す図
【図3】(a)および(b)は、本発明の製造方法によ
って成長させたGaN単結晶層の表面状態を示す図 (c)および(d)は、従来の製造方法によって成長さ
せたGaN単結晶層の表面状態を示す図
【図4】(a)は本発明の製造方法で成長させたInG
aN層の室温フォトルミネッセンスを示す図(b)は従
来の製造方法で成長させたInGaN層の室温フォトル
ミネッセンスを示す図
【図5】(a)〜(d)は、本発明による窒化ガリウム
系半導体の製造工程を示す図
【図6】本発明による結晶成長のシーケンスを示す図
【図7】炭化珪素基板を用いる場合のAlGaN層の表
面ラフネスとAlの組成との関係を示す図
【図8】炭化珪素基板の傾斜角度とAlGaN層の表面
ラフネスとの関係を示す図
【図9】炭化珪素基板を用いる場合のAlGaN層中の
Mgの取り込まれ率とAlの組成との関係を示す図
【図10】(a)は、(0001)ジャスト炭化珪素基
板上に形成されたInGaN/GaN/AlN多層膜の
断面を示すTEM写真 (b)は、炭化珪素傾斜基板上に形成されたInGaN
/GaN/AlN多層膜の断面を示すTEM写真
【図11】本発明によるサファイア基板を用いた発光素
子の構成を示す断面図
【図12】本発明による発光素子の製造するための結晶
成長シーケンスを示す図
【図13】(a)は、本発明によるアンドープGaNキ
ャップ層を用いた場合のInGaN活性層/p型GaN
ガイド層との界面を示す図 (b)は、従来のInGaN活性層/p型GaNガイド
層との界面を示す図
【図14】本発明によるInGaN層の発光効率と熱処
理の時間との関係を示す図
【図15】本発明によるアンドープGaNキャップ層を
形成するシーケンスを示す図であり、 (a)は結晶成長中断がある場合を示す図 (b)は結晶成長中断がない場合を示す図
【図16】本発明による炭化珪素基板を用いた発光素子
の構成を示す断面図
【図17】本発明による多重量子井戸型発光素子の構成
を示す図
【図18】炭素(本発明によるドーパント)およびMg
(従来のドーパント)が活性層への拡散を表す不純物の
デプスプロファイルを示す図
【図19】従来のサファイア基板を用いた発光素子の構
成を示す断面図
【図20】(a)〜(d)は、従来の窒化ガリウム系半
導体の製造工程を示す図
【図21】従来の発光素子の製造工程を示す図
【符号の説明】
10 サファイアC面基板 11、211 バッファ層 11a GaN多結晶層 11b、211b GaN単結晶の核層 11c、211c GaN単結晶層 12 n型AlGaNクラッド層 13 InGaN活性層 14 p型AlGaNクラッド層 15 p型GaNコンタクト層 17、417 p側電極 18、418 n側電極 30 アンドープGaNキャップ層(InGaN活性層
の蒸発抑制層) 31 p型InGaN中間層31 32 n型GaNガイド層 33 p型GaNガイド層 210、410 SiC基板 211a AlN多結晶層 411 AlNバッファ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武石 英見 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 上村 信行 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 粂 雅博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 木戸口 勲 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5F041 AA03 AA24 AA40 AA43 CA04 CA05 CA23 CA24 CA33 CA40 CA46 CA49 CA57 CA65 CA67 CA73 CA77 CA82 CB11 CB36 FF01 5F045 AA04 AA10 AA19 AB09 AB14 AC08 AC12 AD10 AD13 AD14 AF02 AF09 BB12 CA11 DA52 DA67 5F073 AA45 AA51 AA73 AA74 AA89 BA06 CA02 CA07 CB04 CB05 CB06 CB10 CB17 CB22 DA05 DA07 DA16 DA35 EA28 EA29

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が(0001)面から[11−2
    0]方向に第1の角度で傾斜している炭化珪素基板の該
    表面に、導電性を有する窒化アルミニウム層を形成する
    工程と、該窒化アルミニウム層の上部に、窒化ガリウム
    系化合物半導体積層構造体を形成する工程と、を包含す
    る、窒化ガリウム系化合物半導体素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の角度は、約1°から18°ま
    でである、請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半導
    体素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の角度は、約5°から12°ま
    でである、請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半導
    体素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記窒化アルミニウム層を形成する工程
    は、約800℃から1200℃までの温度で行う、請求
    項1に記載の窒化ガリウム系化合物半導体素子の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記窒化アルミニウム層は単結晶からな
    っている、請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半導
    体素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記窒化アルミニウム層の上に、窒化ガ
    リウム単結晶層を形成する工程をさらに包含する、請求
    項1に記載の窒化ガリウム系化合物半導体素子の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記窒化アルミニウム層中に、不純物と
    してシリコンがドープされている、請求項1に記載の窒
    化ガリウム系化合物半導体素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 表面が(0001)面から[11−2
    0]方向に第1の角度で傾斜している炭化珪素基板と、
    該炭化珪素基板の表面に形成された導電性を有する窒化
    アルミニウム層と、該窒化アルミニウム層の上に設けら
    れた、窒化ガリウム系化合物半導体積層構造体と、を備
    えている、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  9. 【請求項9】 前記第1の角度は、約1°から18°ま
    でである、請求項8に記載の窒化ガリウム系化合物半導
    体発光素子。
  10. 【請求項10】 前記第1の角度は、約5°から12°
    までである、請求項8に記載の窒化ガリウム系化合物半
    導体発光素子。
  11. 【請求項11】 前記積層構造体の上方に設けられた電
    極をさらに備えており、該積層構造体と該電極との間
    に、前記基板の導電型と反対の導電型を有するInx
    1-xN(0<x<1)層が設けられている、請求項8
    に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  12. 【請求項12】 前記電極は白金から形成されている、
    請求項8に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素
    子。
  13. 【請求項13】 基板上に設けられた、AlxGayIn
    zN(0≦x<1、0≦y<1、0<z≦1、x+y+
    z=1)活性層を含む窒化ガリウム系化合物半導体積層
    構造体を備えた窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の
    製造方法であって、第1の温度範囲で、該活性層を形成
    する工程と、該活性層の上に、Inの蒸発を抑制するた
    めのGaNキャップ層を形成する工程と、該第1の温度
    範囲より高い第2の温度範囲で、該活性層に対して熱処
    理を行う工程と、を包含する、窒化ガリウム系化合物半
    導体発光素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記GaNキャップ層の厚さは、約1
    nm以上10nm以下である、請求項13に記載の窒化
    ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記第1の温度範囲は約500〜80
    0℃、前記第2の温度範囲は1000℃以上である、請
    求項13に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子
    の製造方法。
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