JP2003297642A - チップインダクタおよびその製造方法 - Google Patents

チップインダクタおよびその製造方法

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JP2003297642A
JP2003297642A JP2002100169A JP2002100169A JP2003297642A JP 2003297642 A JP2003297642 A JP 2003297642A JP 2002100169 A JP2002100169 A JP 2002100169A JP 2002100169 A JP2002100169 A JP 2002100169A JP 2003297642 A JP2003297642 A JP 2003297642A
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core
chip inductor
exterior
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Minoru Takatani
稔 高谷
Atsushi Nakano
敦之 中野
Hisashi Kobuke
恆 小更
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Abstract

(57)【要約】 【課題】押し出し成形による製造が可能であって、生産
性が高く、かつ高周波特性および直流重畳特性が改善で
きるチップインダクタとその製造方法を提供する。 【解決手段】機能材料粉末を樹脂中に混合した複合材で
なる柱状をなす芯材1にコイル2を巻く。そして機能材
料粉末を樹脂中に混合した複合材でなる外装材3で外周
を覆い、両端に端子電極4を設ける。芯材1および外装
材3の樹脂中に含まれる機能材料粉末は平均粒径が1〜
10μmの磁性材料または誘電体材料でなる。芯材1お
よび外装材3を構成する樹脂はガラス転移温度が100
℃以上である熱硬化性樹脂または融点が260℃以上で
ある熱可塑性樹脂からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、樹脂中に機能材料
粉末を含有する複合材中にコイルを埋設してなるチップ
インダクタとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のチップインダクタの一般的なもの
は、フェライト等の磁性材料からなるドラムコアを成形
し、このドラムコアに、絶縁被覆した線材を巻線し、そ
の巻線の両端を外部端子となる金属フレームに圧着溶接
し、さらに射出成形等により外部に樹脂モールドするこ
とにより作製している。
【0003】その他、公知のチップインダクタとして下
記のようなものがある。特開平11-126719号に
は、コイルを金型に入れ、その金型に、磁性材料粉末を
樹脂中に含有させた複合材を注入することにより、コイ
ルを成形したチップインダクタが開示されている。
【0004】特開平8-83730号においては、磁性
材料粉末と結合材との混練材を押し出し成形により柱状
に押し出し、その押し出されたものにコイルとなる線材
を巻き付け、さらにその外部にも前記混練材と同じ材質
の混練材を押し出し成形により形成し、その後チップ状
に切断し、焼成し、チップの両端に焼付け等によって端
子を設けたものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】(高周波特性)上述の
ような一般的なフェライト焼結体でなるコアを用いたチ
ップインダクタや、前記特開平8-83730号におい
て開示された焼結体でなるコアを用いたチップインダク
タにおいては、フェライトの特性上、GHz帯以上での
使用が困難となる。例えばNi-Zn系等のスピネル型
フェライトをコアに用いる場合には、スネークの限界に
より、実質的には500MHz程度がコイルとしての使
用限界となる。それ以上の周波数帯域では、透磁率の低
下、損失の増大が見られるようになる。このような問題
点を解決するため、プラナー型のフェライトを用いるこ
とも考えられるが、低温で焼成することが難しく、銀や
銅といった低抵抗の金属材料とは同時に焼成が難しく、
チップ化が難しい。
【0006】(直流重畳特性)フェライト焼結体をコア
に用いたチップインダクタにおいては、フェライトの飽
和磁束密度が低いため、大電流を流すことが難しい。飽
和磁束密度の高い金属磁性材料を用いた場合には、絶縁
処理等を施す必要が生じ、製造工程が複雑となる。
【0007】(工程)従来の一般的なフェライトコア使
用のチップインダクタや、特開平11-126719号
に記載のように、個々のチップごとの成形によりコア成
形体を得る場合には、個々の成形体を得る工程や、個々
に巻線を巻く工程が必要であり、生産性が低い。
【0008】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑み、押し出し成形による製造が可能であって、生産性
が高く、かつ高周波特性が改善でき、比較的大電流用途
に応えることができるチップインダクタとその製造方法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】 本発明のチップインダ
クタは、機能材料粉末を樹脂中に混合した複合材でなる
柱状をなす芯材と、該芯材に巻かれたコイルと、機能材
料粉末を樹脂中に混合した複合材でなり、前記コイルお
よび芯材の外周を覆うように一体に設けられる外装材
と、前記芯材、コイルおよび外装材でなるインダクタ本
体の両端に設けられた端子電極とからなり、前記芯材お
よび外装材の樹脂中に含まれる機能材料粉末は平均粒径
が1〜10μmの磁性材料でなり、前記芯材および外装
材を構成する樹脂はガラス転移温度が100℃以上であ
る熱硬化性樹脂または融点が260℃以上である熱可塑
性樹脂からなることを特徴とする。
【0010】このように、チップインダクタを、芯材と
これに巻いた巻線とその外側の外装材とにより構成すれ
ば、押し出し成形と線材の巻線工程とからなる生産性に
優れた工程によりチップインダクタを得ることができ
る。また、芯材および外装材に機能材料粉末と樹脂から
なる複合材を用いているので、実効透磁率が10程度の
ものが容易に得られ、なおかつフェライトによる場合に
比較して、より高周波において使用でき、かつ大電流で
も飽和しないチップインダクタが実現できる。また、フ
ェライトの場合、誘電率が10〜15程度であり、一
方、複合材の場合には5〜7程度のものが容易に得ら
れ、最低3.5程度のものも得られる。したがって、共
振周波数が高くなり、これらのことから、従来より高周
波において使用可能なチップインダクタが提供可能とな
る。
【0011】また、ガラス転移温度が100℃以上であ
る熱硬化性樹脂または融点が260℃以上である熱可塑
性樹脂、すなわち耐熱性の高い樹脂を使用することによ
り、半田付け工程に耐えうる信頼性に優れたものが提供
できる。
【0012】前記複合材中の磁性体粉末の平均粒径は1
〜10μmとしているその理由は、平均粒径が1μm未
満であると、複合材の流動性が低下し、成形性が低下す
る一方、平均粒径が10μmを超えると、微小チップを
成形する際に表面の平滑性が低下し、巻線のばらつきが
発生し易くなり、特性のばらつきが大きくなるためであ
る。すなわち平均粒径を前記範囲に設定することによ
り、成形時における複合材の流動性を確保し、かつ巻線
のばらつきを抑さえることができる。
【0013】本発明のチップインダクタにおいて、複合
材を構成する機能材料粉末として磁性材料以外に誘電体
材料を用いることができ、この場合には、セラミック焼
結体を用いた場合に比較して、誘電率が3.5のように
低い誘電率のものも得られるため、高周波領域まで損失
が小さく、より高周波領域まで使用可能ないわば空芯コ
イル型インダクタが得られる。また、樹脂中に誘電体材
料、特にQ値の大きいものを添加することにより、単に
樹脂のみをコアに用いる場合に比較し、コア部分のQ値
を大きくすることができ、コイルとしても有効な低損失
材料とすることが可能となる。また、単に成形の点を考
慮すると、誘電体材料を添加しない樹脂のみを用いるこ
とも考えらえるが、樹脂中に誘電体材料を添加すること
により、成形性が向上すると共に、単なる樹脂を用いる
場合に比較し、成形体の熱膨張係数を巻線用線材に近づ
けることができるので、製品の寸法や特性の安定性を確
保することができる。
【0014】本発明のチップインダクタにおいて、前記
芯材および外装材を構成する樹脂が熱可塑性樹脂からな
り、かつ芯材に用いる熱可塑性樹脂の融点が外装材に用
いる熱可塑性樹脂の融点以上(好ましくは該融点より高
い)であるか、あるいは前記芯材および外装材を構成す
る樹脂が熱硬化性樹脂からなり、かつ芯材に用いる熱硬
化性樹脂のガラス転移温度が外装材に用いる熱硬化性樹
脂のガラス転移温度以上(好ましくは該ガラス転移温度
より高い)とする。これにより、芯材に巻線後、外装材
を成形する際における熱による芯材の変形、劣化を抑え
ることができる。
【0015】本発明のチップインダクタにおいて、前記
芯材および外装材を構成する樹脂中に含まれる機能材料
粉末の添加量が50〜90wt%である。添加量が50
wt%未満であると、粉末本来の機能を発揮することは
困難であり、また、90wt%を超えると、成形が困難
となる。また、機能材料粉末を前記範囲に抑えることに
より、完成品における熱膨張係数を巻線用線材に近づ
け、信頼性の向上が達成できる。また、機能材料粉末を
添加することにより、熱硬化性樹脂を用いた場合におけ
る樹脂の硬化収縮を抑えることができ、製品の寸法安定
性の向上に寄与することができる。
【0016】本発明のチップインダクタにおいて、前記
芯材および外装材を構成する樹脂中に含まれる機能材料
粉末のうち、全体の粒子に対する球形の粒子の割合が8
0%以上であることが好ましい。添加する機能材料粉末
の粒子の球形をなす割合を80%以上とすることによ
り、複合材の流動性が上がり、成形性の向上が図れる。
実際に、押し出し成形や射出成形時の流動性の評価パラ
メータの1つであるスパイラルフロー値を見ても、粒子
を球形化することにより、その値が上がり、流動性が向
上することが確認されている。
【0017】本発明のチップインダクタの製造方法は、
機能材料粉末を樹脂中に混合した溶融状態の複合材を押
し出し装置から押し出すことにより芯材を形成する工程
と、該押し出された芯材にコイルとなる線材を巻く工程
と、該線材が巻かれた芯材の外周を容器内に通し、該容
器に、機能材料粉末を樹脂中に混合した溶融状態の複合
材からなる外装材を外部から導入して前記線材および芯
材を覆い、かつ前記容器から押し出す工程と、前記容器
から押しされた素材を切断する工程と、切断された素材
の両端に端子電極を設ける工程とからなることを特徴と
する。
【0018】
【発明の実施の形態】 図1(A)は本発明によるチッ
プインダクタの一実施の形態を示す断面図である。図1
(A)において、1は断面が円形または矩形の柱状をな
す芯材、2はその外周に巻かれたコイル、3はコイル2
および芯材1を覆うように設けられた外装材、4はこれ
らにより構成されたインダクタ本体5の両端に設けられ
た端子電極である。
【0019】前記芯材1および外装材3は機能材料粉
末、すなわち磁性材料粉末または誘電体材料粉末を樹脂
中に混合した複合材でなる。前記機能材料粉末は前記し
た理由、すなわち複合材の流動性を確保し、かつ表面平
滑性を確保するため、平均粒径を1〜10μmとする。
また、複合材の流動性を確保するため、前記芯材1およ
び外装材3を構成する樹脂中に含まれる機能材料粉末の
うち、全体の粒子に対する球形の粒子の割合を80%以
上とすることが好ましい。
【0020】チップインダクタのリフロー時における耐
熱性を確保するため、前記芯材1および外装材3を構成
する樹脂はガラス転移温度が100℃以上である熱硬化
性樹脂または融点が260℃以上である熱可塑性樹脂と
する。また、後述の押し出し成形における芯材の変形、
劣化を防止するため、芯材1および外装材3の複合材に
熱可塑性樹脂を使用する場合、芯材1の熱可塑性樹脂の
融点は外装材3に用いる熱可塑性樹脂の融点以上(より
好ましくは該融点を超える)とする。また、芯材1およ
び外装材3の複合材に熱硬化性樹脂に用いる場合には、
同様の理由から、芯材1に用いる熱硬化性樹脂のガラス
転移温度を外装材3に用いる熱硬化性樹脂のガラス転移
温度以上の(より好ましくは該ガラス転移温度を超え
る)温度とする。
【0021】また、複合材の機能を確保し、かつ成形性
を確保するため、前記前記芯材1および外装材3を構成
する樹脂中に含まれる機能材料粉末の添加量は好ましく
は50〜90wt%とする。
【0022】図1(B)は図1(A)に示したチップイ
ンダクタの製造方法を示す図、図2はその製造工程の一
例を示す工程図である。図2に示すように、機能材料粉
末と樹脂とを所定の組成になるように予備混合し(ステ
ップS1)、これを粉砕して複合材を作製する(ステッ
プS2)。次に押し出し成形・巻線工程に入る(ステッ
プS3)。この工程は、芯材成形(ステップ31)、巻
線(ステップ32)、外装材成形(ステップ33)の各
工程を含む。
【0023】具体的には、前記押し出し成形・巻線工程
(ステップS3)は、図1(B)に示すように、機能材
料粉末を樹脂中に混合した溶融状態の複合材6を200
〜300℃に加熱された第1の押し出し成形装置7内か
ら出口7aより押し出すことにより、棒状に連続する芯
材1Aを形成する。この出口7aから出た芯材1Aは、
空気により冷却されてやや硬くなった状態となる。
【0024】次に回転式の線材供給装置8より銅線等の
導電性線材2Aを供給しながら、前記押し出された芯材
1Aに線材2Aをコイル状に巻く。次に線材2Aが巻か
れた芯材1Aを、2重円筒状の第2の押し出し成形装置
9の内筒9a内に通し、該内筒9aと外筒9bとの間
に、機能材料粉末を樹脂中に混合した溶融状態の複合材
10を供給し、前記線材2Aおよび芯材1Aに合流させ
ることにより、芯材1Aおよび線材2Aを外装材3Aと
してこれで包囲するように覆い、かつ前記第2の押し出
し成形装置9から押し出す。
【0025】次に前記第2の押し出し成形装置9から押
しされた素材11を所定の長さごとにカッタにより切断
する(ステップS4)。熱硬化性樹脂を複合材に用いる
場合には、樹脂の硬化をより確実にするため、切断後に
樹脂に応じて適切な温度で加熱処理してもよい。
【0026】さらに図1(A)に示したように、切断し
たチップインダクタ本体5の両端に端子電極4を設け
る。この端子電極4の形成は、図2に示すように、チッ
プインダクタ本体5との密着性を考慮して、スパッタリ
ングや蒸着等によりNi、Cr、Ti等の下地電極を形
成し(ステップS5)、その上に導電性を考慮したCu
やAg等を形成し、最外層には半田への濡れ性を考慮し
てAuやSnを形成する(ステップS6)。本例ではC
uとSnとの間にNiを介在させた例を示している。端
子電極4は、金属キャップを被せてもよく、導電性樹脂
ペーストの塗布によっても形成することもできる。
【0027】前記機能材料粉末として磁性材料を用いる
場合には、磁性を持つ酸化物として、Mn-Zn系フェ
ライト、Ni-Zn系フェライト、Mn-Mg-Zn系フ
ェライト、Ni-Cu-Zn系フェライト、Ba系フェラ
イト等を用いることができる。また、磁性材料として
は、その外、Fe、Fe等を用いることが
でき、さらに、磁性を持つ鉄および鉄基の合金であって
もよい。
【0028】機能材料粉末として誘電体材料を用いる場
合は、フォルステライト、コーデエライト、ベリリア、
ムライト、ステアライト、ジルコン、アルミナ、シリ
カ、チタン酸-バリウム-ネオジウム系セラミックス、チ
タン酸-バリウム-錫系セラミックス、鉛-カルシウム系
セラミックス、二酸化チタン系セラミックス、チタン酸
バリウム系セラミックス、チタン酸鉛系セラミックス、
チタン酸ストロンチウム系セラミックス、チタン酸カル
シウム系セラミックス、チタン酸ビスマス系セラミック
ス、チタン酸マグネシウム系セラミックスを挙げること
ができる。また、CaWO系セラミックス、Ba(M
g,Nb)O系セラミックス、Ba(Mg,Ta)O
系セラミックス、Ba(Co,Mg,Nb)O系セ
ラミックス、Ba(Co,Mg,Ta)O系セラミッ
クス等も挙げられる。磁性材料、誘電体材料のいずれに
おいても、単独で使用できることは勿論のこと、2種以
上混合して用いてもよい。
【0029】また、前述のように、複合材を構成する樹
脂としては熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも使用
可能であり、例えばエポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレ
ンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、
液晶ポリマー、フッ素系樹脂のうちの一種または2種以
上混合したものを使用することができる。
【0030】(実施例1)Fe:54mol%、
MnO:36mol%、ZnO:10mol%となるよ
うに秤量し配合した材料を、平均粒径が2.1μmとな
るように粉砕してフェライト粉末を得た。このフェライ
ト粉末が70wt%となるように液晶ポリマーに280
℃で混練して複合材6を得た。次に図1(B)に示した
第1の押し出し成形装置7により、 ℃で前記複合
材6を加熱し、出口7aから直径0.9mmとなるよう
に円柱状に押し出し成形し、その後、連続した柱状芯材
1Aの周囲を回転するように構成された線材供給装置8
から線材2Aを供給しながら直径が0.1mmの銅線で
なる線材2Aを芯材1Aに螺旋状に巻きつけた。
【0031】次に線材2Aが巻かれた芯材1Aを第2の
押し出し成形装置9に供給し、その第2の押し出し成形
装置9の出口付近で外周を被覆するように溶融状態の複
合材10を供給して芯材1Aおよび線材2Aを外装材3
Aとして被覆し、素材11を得た。この場合、素材11
の外径は1.2mmとした。次にこの素材11を1.9
mmの長さに切断した。さらに、その両端面にスパッタ
リングによりCrを成膜し、その上にCu、Ni、Sn
の順に電極膜を形成し、端子電極4としてチップインダ
クタを完成した。この場合の厚みはCrが0.02μ
m、Cuが10μm、Niが12μm、Snが5μmと
なるように形成した。また、チップインダクタにおける
コイルの巻数は3ターンとなるように、銅線の供給装置
8と押し出し成形装置7の速度の調整を行った。
【0032】(比較例1)Fe:48.6mol
%、NiO:44.9mol%、ZnO:1.4mol
%、CuO:5.1mol%となるように秤量し配合し
た材料を、700℃で仮焼きし、これをボールミルによ
り粉砕した。その後、ポリビニルブチラール等でなる有
機材料と適量の有機溶剤によりスラリー化した後、ドク
ターブレード法によりシート状に成形した。次にこのシ
ートにレーザー加工によりビアホールを形成し、そのビ
アホールに銀ペーストの充填を行うと同時にコイルパタ
ーンを印刷により形成した。このようにして作製したシ
ートを所定枚数積層して3ターンのヘリカル状コイルを
構成し、次に切断、焼成することにより内部にコイルを
形成した焼結フェライトからなるインダクタ本体を得、
両端に端子電極を設けて比較例のチップインダクタを得
た。
【0033】(特性比較)図3に実施例1と比較例1の
直流重畳特性、すなわち直流電流の変化によって変化す
るインダクタンス値の変化を示す。図3から明らかなよ
うに、実施例1によれば、比較例1の場合に比較し、直
流重畳特性が大幅に向上し、従来の焼結型に比較して大
電流で使用可能なチップインダクタが得られた。
【0034】(実施例2)Fe:70mol%、
BaO:20mol%、CoO:10mol%となるよ
うに秤量し配合した材料を用い、実施例1と同じ工程に
よりチップインダクタを作製し、インダクタンスの周波
数特性について評価した。結果について、従来より高周
波用としてNi-Zn系焼結フェライトを用いたチップ
インダクタと対比して図4に示す。図4から分かるよう
に、実施例2による場合、従来例に比較してGHz以上
の領域でもインピーダンスが確保できる高周波特性に優
れたチップインダクタが得られる。
【0035】(粒子形状と流動性)複合材に用いる粒子
の形状による流動性について検討した。Mn-Zn系フ
ェライト材料の粒子形状として球状のものと不定形のも
のとを準備し、エポキシ樹脂との混合物中におけるフェ
ライト粉末の含有率が65wt%となるように調合、混
練し、スパイラルフローについて流動性評価を行った。
スパイラルフローとは、射出成形等の成形時に樹脂を所
定の条件にて金型中に流し込んだ時の金型中における樹
脂の流れ量(距離)をいうものであり、流れ量が多い程
流動性が良く、各種形状に樹脂成形する場合に複雑な形
状に成形することも可能となるものである。スパイラル
フローの測定結果は、球状粒子の場合、65cmとな
り、不定形粒子の場合、51cmとなった。このよう
に、機能材料粉末に球状粒子とする(好ましくは80%
以上とする)ことにより、流動性が改善され、良好な成
形が行われることが期待される。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、押し出し成形による製
造が可能であって、生産性が高く、かつ高周波特性が改
善でき、大電流対応のチップインダクタが提供できる。
また、複合材の使用により、材料の選択幅が拡がり、チ
ップインダクタとしてのバリエーションの拡大が容易と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明によるチップインダクタの一実
施の形態を示す断面図、(B)はその製造工程を示す図
である。
【図2】図1に示したチップインダクタの製造工程の一
例を示す工程図である。
【図3】従来の焼結フェライトを用いたチップインダク
タと本発明によるチップインダクタの直流重畳特性を比
較して示す図である。
【図4】従来の焼結フェライトを用いたチップインダク
タと本発明によるチップインダクタのインダクタンスの
周波数特性図である。
【符号の説明】
1、1A:芯材、2:コイル、2A:線材、3、3A:
外装材、4:端子電極、5:インダクタ本体、6:溶融
状態の複合材、7:第1の押し出し成形装置、8:巻線
供給装置、9:第2の押し出し成形装置、10:溶融状
態の複合材、11:素材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小更 恆 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ −ディ−ケイ株式会社内 Fターム(参考) 5E062 FF01 FF02 FG11 5E070 AA01 BB03 DA13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機能材料粉末を樹脂中に混合した複合材で
    なる柱状をなす芯材と、 該芯材に巻かれたコイルと、 機能材料粉末を樹脂中に混合した複合材でなり、前記コ
    イルおよび芯材の外周を覆うように一体に設けられる外
    装材と、 前記芯材、コイルおよび外装材でなるインダクタ本体の
    両端に設けられた端子電極とからなり、 前記芯材および外装材の樹脂中に含まれる機能材料粉末
    は平均粒径が1〜10μmの磁性材料でなり、 前記芯材および外装材を構成する樹脂はガラス転移温度
    が100℃以上である熱硬化性樹脂または融点が260
    ℃以上である熱可塑性樹脂からなることを特徴とするチ
    ップインダクタ。
  2. 【請求項2】機能材料粉末を樹脂中に混合した複合材で
    なる柱状をなす芯材と、 該芯材に巻かれたコイルと、 機能材料粉末を樹脂中に混合した複合材でなり、前記コ
    イルおよび芯材の外周を覆うように一体に設けられる外
    装材と、 前記芯材、コイルおよび外装材でなるインダクタ本体の
    両端に設けられた端子電極とからなり、 前記芯材および外装材の樹脂中に含まれる機能材料粉末
    は平均粒径が1〜10μmの誘電体材料でなり、 前記芯材および外装材を構成する樹脂はガラス転移温度
    が100℃以上である熱硬化性樹脂または融点が260
    ℃以上である熱可塑性樹脂からなることを特徴とするチ
    ップインダクタ。
  3. 【請求項3】請求項1または2のいずれかに記載のチッ
    プインダクタにおいて、 前記芯材および外装材を構成する樹脂が熱可塑性樹脂か
    らなり、かつ芯材に用いる熱可塑性樹脂の融点が外装材
    に用いる熱可塑性樹脂の融点以上であることを特徴とす
    るチップインダクタ。
  4. 【請求項4】請求項1または2のいずれかに記載のチッ
    プインダクタにおいて、 前記芯材および外装材を構成する樹脂が熱硬化性樹脂か
    らなり、かつ芯材に用いる熱硬化性樹脂のガラス転移温
    度が外装材に用いる熱硬化性樹脂のガラス転移温度以上
    であることを特徴とするチップインダクタ。
  5. 【請求項5】請求項1から4までのいずれかに記載のチ
    ップインダクタにおいて、 前記芯材および外装材を構成する樹脂中に含まれる機能
    材料粉末の添加量が50〜90wt%であることを特徴
    とするチップインダクタ。
  6. 【請求項6】請求項1から5までのいずれかに記載のチ
    ップインダクタにおいて、 前記芯材および外装材を構成する樹脂中に含まれる機能
    材料粉末のうち、全体の粒子に対する球形の粒子の割合
    が80%以上であることを特徴とするチップインダク
    タ。
  7. 【請求項7】機能材料粉末を樹脂中に混合した溶融状態
    の複合材を押し出し装置から押し出すことにより芯材を
    形成する工程と、 該押し出された芯材にコイルとなる線材を巻く工程と、 該線材が巻かれた芯材の外周を容器内に通し、該容器
    に、機能材料粉末を樹脂中に混合した溶融状態の複合材
    からなる外装材を外部から導入して前記線材および芯材
    を覆い、かつ前記容器から押し出す工程と、 前記容器から押しされた素材を切断する工程と、 切断された素材の両端に端子電極を設ける工程とからな
    ることを特徴とするチップインダクタの製造方法。
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