JP2003296969A - 多層構造光記録媒体用感光性フィルム - Google Patents

多層構造光記録媒体用感光性フィルム

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JP2003296969A JP2002094437A JP2002094437A JP2003296969A JP 2003296969 A JP2003296969 A JP 2003296969A JP 2002094437 A JP2002094437 A JP 2002094437A JP 2002094437 A JP2002094437 A JP 2002094437A JP 2003296969 A JP2003296969 A JP 2003296969A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた光学的特性を有し、高密度化に対応可
能な多層構造光記録媒体用感光性フィルムを提供するこ
と。 【解決手段】 本発明の多層構造光記録媒体用感光性フ
ィルムは、紫外線照射後の400nmにおける光透過率
が90%以上である感光層を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層構造光記録媒
体感光性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータ装置技術、コンピュ
ータソフトウェア技術、通信技術等をはじめとする情報
技術の発展に伴い、より多くの情報を高速で伝達するこ
とが可能となってきている。また、映像技術の分野でも
デジタル化が急速に進み、2000年12月にはBSデ
ジタル放送が開始された。HDTVレベルでは23Mb
psの転送レートとなり、例えば120分以上の映画1
本を収録するためには20.7GB以上の要領が必要で
あるため、記録密度の高密度化技術の要請が高まりつつ
ある。そこで、かかる要請に応えるべく、高密度記録媒
体としてデジタルバーサタイルディスク(DVD)の開
発がより一層進められている。
【0003】再生専用型光ディスクは、大量複製が容易
である、ランダムアクセスが容易であるといった特徴を
有しており、映像・音声・コンピューターデータなどの
記録媒体に利用されている。その記録容量は光源の短波
長化(780nmから650nm)と対物レンズの高開
口化(0.45から0.6)、および様々な信号処理に
よってCDの688Mバイト(CD−ROM)からDV
Dの4.7Gバイトへと約7倍の増加となったが、近年
の青色半導体レーザの実用化を前に記録密度の大幅な向
上が要求されている。
【0004】このような高密度化に対応して、情報を担
持するピットあるいはグルーブが形成された単数又は複
数の情報記録層と単数又は複数のスペーサ層とが互いに
重なって多層を形成する光ディスクの多層化技術の開発
が進められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】多層構造の光記録媒体
において、情報記録層上の情報はレーザのフォーカスを
各情報記録層に合わせることで読み出されるため、スペ
ーサ層にはレーザ光の波長における透明性が必要とされ
る。また、情報を担持したピットあるいはグルーブを正
確に転写する必要がある。
【0006】一方、スペーサ層を成膜する際には、従
来、情報記録層上に液状紫外線硬化型樹脂をスピンコー
ト法によって塗布して光硬化させるのが一般的であっ
た。しかし、このようなスピンコート法を用いて塗布す
る場合、ディスクの中心部と外周部とにおいて全面的に
一様で、均一で、しかも十分な膜厚に塗布することが困
難で、得られる光記録媒体の光学的特性が不十分とな
り、さらには歩留りの低下を来すなどの問題を生じる。
【0007】本発明は、上述のような問題を解決するた
めになされたものであって、優れた光学的特性を有し、
高密度化に対応可能な多層構造光記録媒体用感光性フィ
ルムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の多層構造光記録媒体用感光性フィルムは、
紫外線照射後の400nmにおける光透過率が90%以
上である感光層を有することを特徴とする。
【0009】本発明においては、感光層の厚みが5〜1
00μmであることが好ましい。
【0010】また、本発明においては、感光層の厚み精
度がRa値で±0.30μmであることが好ましい。
【0011】また、本発明においては、感光層が、
(a)高分子結合剤、(b)分子内に少なくとも2個の
重合性不飽和二重結合を有する化合物及び(c)光開始
剤を含有することが好ましい。
【0012】また、本発明の感光性フィルムは、(a)
高分子結合剤、(b)分子内に少なくとも2個の重合性
不飽和二重結合を有する化合物及び(c)光開始剤を含
有し粘度が1〜3000cpsである感光性樹脂組成物
を支持体上に積層してなることが好ましい。
【0013】また、本発明においては、感光層の400
nmにおける屈折率が1.52±0.20であることが
好ましい。
【0014】また、本発明においては、感光層の400
nmにおける複屈折が0±20nmであることが好まし
い。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の多層構造光記録媒体用感
光性フィルムは、紫外線照射後の400nmにおける光
透過率が90%以上である感光層を備えるものである。
【0016】なお、本発明でいう光透過率とは、温度2
0℃で、膜厚20μmの感光層に露光量1J/cm2
紫外線を照射し、0.5時間経過した後に測定される値
をいう。
【0017】本発明の多層構造光記録媒体用感光性フィ
ルムにおいては、感光層の光透過率が上記の条件を満た
す限りその材料は制限されないが、(a)高分子結合
剤、(b)分子内に少なくとも2個の重合性不飽和二重
結合を有する重合性化合物、および(c)光開始剤を含
有することが好ましい。
【0018】上記成分(a)としては、具体的には、ポ
リメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、
ポリビニルアセテート、ポリビニルアセテート/アクリ
レートコポリマー、ビニルアセテート/メタクリレート
コポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマー、
ポリスチレン、ビニリデンクロリド/アクリロニトリル
コポリマー、ビニリデンクロリド/メタクリレートとビ
ニリデンクロリド/ビニリデンアセテートとのコポリマ
ー、ポリビニルクロリド、ブタジエン/アクリロニトリ
ルコポリマー、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレ
ンコポリマー、メタクリレート/アクリロニトリル/ブ
タジエン/スチレンコポリマー、2−クロロブタジエン
−1,3−ポリマー、塩素化ゴム、スチレン/ブタジエ
ン/スチレンコポリマー、スチレン/イソプレン/スチ
レンブロックコポリマー、アクリレート基またはメタク
リレート基を含むエポキシド、コポリエステル、ポリア
ミド、セルロースエステル、セルロースエーテル、ポリ
カーボネート、ポリビニルアセタール、ポリホルムアル
デヒドなどが挙げられる。また、例えば、アクリル酸、
メタクリル酸、p−ビニル安息香酸等の酸性極性基を有
するビニル単量体や、その他の各種ビニル単量体とを共
重合して得られる高分子結合剤を用いても良い。各種ビ
ニル単量体の好ましい例としては、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ベンジルメ
タクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジ
メチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエ
チルメタクリレート、2,3−ジブロモプロピルメタク
リレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタク
リレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等を挙げることができる。これらの高分子
結合剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0019】成分(a)の重量平均分子量は20,00
0〜200,000の範囲とすることが好ましい。重量
平均分子量が20,000未満ではレジストの可とう性
が低くなり、レジストの欠けなどが生じる傾向があり、
他方、200,000を超えると均一な膜が得られにく
く、膜厚精度が低下する傾向がある。なお、本発明でい
う重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィーにより得られる測定値を標準ポリスチレン換
算した値をいう。
【0020】成分(b)の分子中に少なくとも2個の重
合性不飽和二重結合を有する化合物の例としては、
(i)ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラ
エチレングリコールジアクリレート、ヘキサプロピレン
グリコールジアクリレート、トリメチロールプロパント
リアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジペン
タエリスリトールペンタアクリレート、トリメチロール
プロパントリメタクリレート等の多価アルコールの(メ
タ)アクリレート、(ii)2,2−ビス(4−メタク
リロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス
フェノールA、エピクロルヒドリン系のエポキシ樹脂の
アクリル酸又はメタクリル酸付加物等のエポキシアクリ
レート、無水フタル酸−ネオペンチルグリコール−アク
リル酸の1:2:2モル比の縮合物等の低分子不飽和ポ
リエステルなどの分子中にベンゼン環を有する(メタ)
アクリレート、(iii)トリメチロールプロパントリ
グリシジルエーテルのアクリル酸又はメタクリル酸との
付加物、(iv)トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ナートと2価アルコールのアクリル酸モノエステル又は
メタクリル酸モノエステルとの反応で得られるウレタン
アクリレート化合物又はウレタンメタクリレート化合物
などを挙げることができる。
【0021】成分(c)の光開始剤としては従来知られ
ているものを用いることができ、例えば、ベンゾフェノ
ン、p,p−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p−
ジエチルアミノベンゾフェノン、p,p−ジクロルベン
ゾフェノン等のようなベンゾフェノン類、これらの混合
物、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキ
ノン等のアントラキノン類、2−クロロチオキサント
ン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインエチ
ルエーテル、ベンジル、2,4,5−トリアリールイミ
ダゾール二量体等が挙げられる。
【0022】上記成分(a)〜(c)の組み合わせは、
感光層の光透過率が上記の条件を満たすように適宜選定
される。また、本発明における感光層には、成分(a)
を40〜80重量部、成分(b)を20〜60重量部の
範囲で(a)と(b)の総量が100重量部になるよう
に用い、この100重量部に対して(c)光開始剤を
0.1〜10重量部用いることが好ましい。(a)成分
の使用量が多すぎると光硬化性が低下し、少なすぎると
感光層のベタ付きにより取り扱い性が低下する傾向があ
る。(c)成分の使用量は0.1重量部未満では、光硬
化性が低下する傾向がある。
【0023】さらに、本発明にかかる感光層には、染
料、可塑剤、顔料、難燃剤、安定剤等を必要に応じて添
加することもできる。また、密着性付与剤を使用するこ
とも可能である。
【0024】(a)高分子結合剤、(b)分子内に少な
くとも2個の重合性不飽和二重結合を有する化合物及び
(c)光開始剤を含有してなる感光性樹脂組成物を支持
体上に積層する際の粘度は、塗工外観向上のため1〜3
000cpsが好ましく、1〜1500cpsがより好
ましく、200〜1500cpsが特に好ましい。1c
ps未満では塗工時に塗液の動きが生じる傾向にあり、
また、3000cpsを超えると気泡を巻き込みやすく
なる傾向にある。
【0025】多層構造光記録媒体用感光性フィルムの感
光層の厚みは、100μm以下であることが好ましく、
70μm以下であることがより好ましく、20μm以下で
あることが特に好ましい。この厚みが100μmを超え
ると前記感光層を均一、一様に完結な工程で形成するこ
とが難しく、また光学特性の維持が困難になる傾向があ
る。
【0026】また、多層構造光記録媒体用感光性フィル
ムの感光層の厚み精度はRa値で±0.30μmである
ことが好ましく、±0.25μmであることがより好ま
しく、±0.20μmであることが特に好ましい。この
厚み精度が±0.30μmを超えると、前記情報記録層
間に前記スペーサ層又は保護層として、前記多層構造光
記録媒体用感光性フィルムの感光層をラミネートする際
に、気泡を巻込み情報を上手く読み出せない傾向があ
る。
【0027】また、多層構造光記録媒体用感光性フィル
ムの感光層の400nmにおける屈折率は、記録・再生
特性の点から1.59±0.20であることが好まし
く、1.59±0.10であることが特に好ましい。こ
の屈折率が1.59±0.20を超えると基板材料の屈
折率値と異なり収差がずれて情報の読み取りが困難とな
る傾向がある。
【0028】また、多層構造光記録媒体用感光性フィル
ムの感光層の400nmにおける複屈折は、記録・再生
特性の点から0±20nmであることが好ましく、0±
10nmであることがより好ましい。一般に、光ディス
クは情報記録面にレーザ光を照射し、その反射をとらえ
て信号を読み取る仕組みになっている。この場合信号の
1か0かの判定は、反射光の検出部における強さを比較
することで行われる。よって、この屈折率が±20nm
を超えると、反射光の偏光方向が光学系でセットした偏
光面からずれ、検出部に到達する光が弱くなくなるの
で、正確に信号をとらえることができない傾向がある。
【0029】本発明の多層構造光記録媒体用感光性フィ
ルムは、上述のように優れた光学的特性を有するもので
ある。従って、本発明の感光性フィルムの感光層をスペ
ーサ層として備え、該スペーサ層と、情報を担持するビ
ットまたはグルーブが形成された情報記録層とが互いに
積層された多層構造光記録媒体によって、十分な高密度
化を達成することができる。
【0030】図1(a)〜(e)はそれぞれ本発明の感
光性フィルムを用いて多層構造光記録媒体を製造すると
きの各工程における基板又は積層体を示す模式断面図で
ある。
【0031】図1(a)中、透光性基板101は、所定
の光透過率を有する熱可塑性樹脂からなるもので、その
一方の面にはピットまたはグルーブに対応した凹凸形状
を有する情報記録面が形成されている。
【0032】この透光性基板101の情報記録面には、
情報記録層としての第1中間反射層(通常反射層)10
2が形成される(図1(b))。第1中間反射層102
は、例えば金属薄膜などを所定の厚みでコーティングす
ることによって得られるもので、所定の光の反射率およ
び透過率を有している。
【0033】次いで、第1中間反射層102が担持する
ピットまたはグルーブ上に、本発明の多層構造光記録媒
体用感光性フィルムをラミネートし、さらに第1中間層
102が担持するピットあるいはグルーブとは別のピッ
トあるいはグルーブが転写されたスタンパ105を転写
し、この状態で透光性基板101の情報記録面と反対側
の面から紫外線を照射して感光性フィルムを硬化させる
ことより第1スペーサ層106が形成される(図1
(c))。感光性フィルムのラミネートおよび素短波1
05の転写の際には、凹凸ピットへの追従性の点から、
常圧または真空ラミネータを用いることが好ましい。
【0034】また、ラミネートの際には、感光性フィル
ムの感光層を加熱することが好ましく、その加熱温度は
30〜150℃であることが好ましく、40〜120℃
であることがより好ましく、50〜110℃であること
が特に好ましい。この温度が30℃未満では樹脂の流動
性が低く、凸凹ピットへの追従性が不十分になる傾向が
あり、150℃を超えると樹脂組成物中における低沸点
物質あるいは低沸点溶媒等が気化及び、基板の変形をも
たらす傾向がある。
【0035】また、上記ラミネートの速度は、0.01
〜2.00m/minであることが好ましく、0.01
〜0.50m/minであることがより好ましく0.0
1〜0.20m/minあることが特に好ましい。この
速度が0.01m/min未満では、樹脂の染み出しが
発生する傾向があり、2.00m/minを超えると凸
凹ピットへの追従性不十分をもたらす傾向がある。
【0036】また、前記ラミネートの圧力は、0.3〜
1.0MPaであることが好ましく、0.4〜0.8M
Paであることがより好ましく、0.5〜0.6MPa
であることが特に好ましい。この速度が0.3MPa未
満では凸凹ピットへの追従性不十分をもたらす傾向があ
り、1.0MPaを超えると基板の変形をもたらす傾向
がある。
【0037】ラミネート後、例えば、紫外線等の活性光
線を照射して感光層を光硬化させることで情報記録層上
に存在する凸凹ピットを転写する。この場合、その情報
の再生は、例えば、1組の光学ヘッドによって、記録媒
体の同一側からの照射によって行うことができるように
することがドライブ装置の簡略化及び再生アクセス速度
を速める上で望まれる。
【0038】この積層体(ディスク)からスタンパ10
5が剥離された後(図1(d))、第1スペーサ層10
6上(図中の下面側)に、真空蒸着あるいはスパッタリ
ングによって形成された所定の反射率を有する金属薄膜
などからなる第2中間反射層(通常反射層)107が形
成される(図1(e))。次に、通常反射層上に保護層
(図示せず)が形成され、さらに保護層の上にはラベル
(図示せず)が形成されてピットあるいはグルーブが2
層から成る光ディスクが製造される。光記録媒体の多層
化は図1(b)〜(e)の工程を繰り返すことで実現さ
れる。
【0039】このようにして得られる多層構造光記録媒
体において、各情報記録層の再生は、光学ヘッドからの
光照射を各々の情報記録層にフォーカシングさせて行わ
れる。したがって、スペーサ層、すなわち光硬化後の感
光層の透過率は、光学ヘッドの光の波長に対して90%
以上を透過することが必要とされ、また光学特性を維持
するためにも塗膜精度±2.0μm以内に抑えることが
好ましい。
【0040】
【実施例】以下に本発明を実施例によって更に詳しく説
明する。実施例中及び比較例中の「部」は重量部を意味
し、「%」は重量%を意味する。
【0041】[実施例1] (多層構造光記録媒体用感光性フィルムの製造)表1に
示す成分(a)〜(c)を用いて感光性樹脂組成物の溶
液を得た。次いで、この感光性樹脂組成物の溶液を25
μm厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム上に均
一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾
燥した後、さらにポリエチレンフィルムをラミネートし
て多層構造光記録媒体用感光性フィルムを得た。感光層
の乾燥後の膜厚は20μmであった。
【0042】(光透過率の測定)以下の手順に従って感
光層の光透過率を測定した。
【0043】基板はポリカーボネート(厚み:0.5m
m)を用い、シートは膜厚20μmのものを使用した。
常圧ラミネータHLM−3000(日立エーアイシー
(株))を用いて、多層構造光記録媒体用感光性フィル
ムをロール温度110℃、ラミネート速度1.0m/m
in、ラミネート圧力0.5MPaの条件でラミネート
した。サンプルを15分以上放置した後、ポリエチレン
テレフタレートシートを剥離し、大型UV照射機(QR
M−2317−F−00 オーク社製)を用いて1J/
cm2紫外線照射した後の0.5時間後の400nmにお
ける光透過率を228A Spectrophotom
eter(日立製作所製)にて測定した。なお、光透過
率はポリカーボネート基板と多層構造光記録媒体用感光
性フィルム付きポリカーボネート基板の光透過率の差を
測定値とした。得られた結果を表2に示す。
【0044】(厚み精度の測定)以下の手順に従って、
感光性フィルムの感光層の厚み精度を測定した。
【0045】基板はSiウェハを用い、この基板上にカ
ップリング剤(KBM503の3%メタノール溶液)を
塗布して基板プライマ処理を行った。この基板を約30
分間自然乾燥させた後、アセトンで洗浄し、さらにエア
ーブローにより埃や塵を除去した。次いで、常圧ラミネ
ータHLM−3000(日立エーアイシー(株))を用
いて、多層構造光記録媒体用感光性フィルムをロール温
度50℃、ラミネート速度0.2m/min、ラミネー
ト圧力0.5MPaの条件でラミネートした。なお、こ
のとき基板の予熱は行わなかった。ラミネート後のサン
プルからポリエチレンテレフタレートシートを剥離し、
大型UV照射機(QRM−2317−F−00 オーク
社製)を用いて2J/cm2紫外線照射した後、200M
Mウェハー表面形状測定装置(Veeco社製(接触
型)DEKTAK V200−Si)を用いて、荷重3
mg、測定範囲5mmで感光層の厚みムラを測定し、厚
みムラの山と谷との差を求めた。この測定を位置を変え
て3回行い、山と谷との差の平均値を厚み精度Raとし
た。得られた結果を表2に示す。
【0046】(空気巻き込み性の評価)Niスタンパを
用いて、上記の感光性フィルム付きポリカーボネート基
板の感光層へのピットの転写を行い、光ディスクを作製
した。このとき、感光層とNiスタンパとの間に空気が
巻き込まれているか否かについて、以下の基準: A:空気の巻き込みが全く認められない B:空気の巻き込みが殆ど認められない C:空気の巻き込みが認められた に基づいて評価した。得られた結果を表2に示す。
【0047】[実施例2]感光層の厚み精度をRa値で
0.13μmとしたこと以外は実施例1と同様にして感
光性フィルムを作製し、光透過率を測定した。また、こ
の感光性フィルム付きポリカーボネートを用いて光ディ
スクを作製し、空気巻き込み性を評価した。得られた結
果を表2に示す。
【0048】[比較例1]表1に示す感光性樹脂組成物
を用いたこと、並びに感光層の厚み精度をRa値で0.
16μmとしたこと以外は実施例1と同様にして感光性
フィルムを作製し、光透過率を測定した。また、この感
光性フィルム付きポリカーボネートを用いて光ディスク
を作製し、空気巻き込み性を評価した。得られた結果を
表2に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】 表2に示したように、実施例1、2の感光性フィルムに
おいて、感光層の光透過率は98%と高い値を示した。
また、膜厚が100μmのシートを用いて同様な工程で
測定した場合も感光層の光透過率は96%から98%の
間で安定していた。これらの感光性フィルムを用いて作
製した光ディスクにおいては十分な高密度化を達成する
ことができた。さらに、実施例1、2のいずれの場合も
空気巻き込み性の評価において良好な結果を示したが、
感光層の厚み精度がRa値で±0.30μmの範囲内に
ある実施例2において空気の巻き込みがより高水準で防
止されていた。
【0051】これに対して、比較例1の感光性フィルム
における感光層の透過率は86%であり、この感光性フ
ィルムを用いて得られた光ディスクの場合は十分な高密
度化を達成することができなかった。
【0052】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の多層構造光
記録媒体用感光性フィルムは、優れた光学的特性を有す
るものであり、これにより高密度化に対応可能な多層構
造光記録媒体用感光性フィルムを実現することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)はそれぞれ本発明の感光性フィ
ルムを用いて多層構造光記録媒体を製造するときの各工
程における基板又は積層体を示す模式断面図である。
【符号の説明】
101…透光性基板、102…第1中間反射層、105
…スタンパ、106…スペーサ層、107…第2中間反
射層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 昭夫 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎事業所内 Fターム(参考) 5D029 LA03 LB03 LB07 LC04 LC06 LC07 LC11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線照射後の400nmにおける光透
    過率が90%以上である感光層を有することを特徴とす
    る多層構造光記録媒体用感光性フィルム。
  2. 【請求項2】 前記感光層の厚みが5〜100μmであ
    ることを特徴とする、請求項1に記載の多層構造光記録
    媒体用感光性フィルム。
  3. 【請求項3】 前記感光層の厚み精度がRa値で±0.
    30μmであることを特徴とする、請求項1又は2に記
    載の多層構造光記録媒体用感光性フィルム。
  4. 【請求項4】 前記感光層が、(a)高分子結合剤、
    (b)分子内に少なくとも2個の重合性不飽和二重結合
    を有する化合物及び(c)光開始剤を含有することを特
    徴とする、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の
    多層構造光記録媒体用感光性フィルム。
  5. 【請求項5】 (a)高分子結合剤、(b)分子内に少
    なくとも2個の重合性不飽和二重結合を有する化合物及
    び(c)光開始剤を含有し粘度が1〜3000cpsで
    ある感光性樹脂組成物を支持体上に積層してなることを
    特徴とする、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載
    の多層構造光記録媒体用感光性フィルム。
  6. 【請求項6】 感光層の400nmにおける屈折率が
    1.52±0.20であることを特徴とする、請求項1
    〜5のうちのいずれか一項に記載の多層構造光記録媒体
    用感光性フィルム。
  7. 【請求項7】 感光層の400nmにおける複屈折が0
    ±20nmであることを特徴とする、請求項1〜6のう
    ちのいずれか一項に記載の多層構造光記録媒体用感光性
    フィルム。
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