JP2007026669A - 多層構造光記録媒体感光性フィルム - Google Patents

多層構造光記録媒体感光性フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】優れた光学的特性を有し、高密度化に対応可能な多層構造光記録媒体用感光性フィルムを提供すること。
【解決手段】本発明の多層構造光記録媒体のスペーサ用感光性フィルムは、紫外線照射後の400nmにおける光透過率が90%以上であり、かつ、厚み精度がRa値で0.30μm以下である感光層を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層構造光記録媒体感光性フィルムに関する。
近年、コンピュータ装置技術、コンピュータソフトウェア技術、通信技術等をはじめとする情報技術の発展に伴い、より多くの情報を高速で伝達することが可能となってきている。また、映像技術の分野でもデジタル化が急速に進み、2000年12月にはBSデジタル放送が開始された。HDTVレベルでは23Mbpsの転送レートとなり、例えば120分以上の映画1本を収録するためには20.7GB以上の要領が必要であるため、記録密度の高密度化技術の要請が高まりつつある。そこで、かかる要請に応えるべく、高密度記録媒体としてデジタルバーサタイルディスク(DVD)の開発がより一層進められている。
再生専用型光ディスクは、大量複製が容易である、ランダムアクセスが容易であるといった特徴を有しており、映像・音声・コンピューターデータなどの記録媒体に利用されている。その記録容量は光源の短波長化(780nmから650nm)と対物レンズの高開口化(0.45から0.6)、および様々な信号処理によってCDの688Mバイト(CD−ROM)からDVDの4.7Gバイトへと約7倍の増加となったが、近年の青色半導体レーザの実用化を前に記録密度の大幅な向上が要求されている。
このような高密度化に対応して、情報を担持するピットあるいはグルーブが形成された単数又は複数の情報記録層と単数又は複数のスペーサ層とが互いに重なって多層を形成する光ディスクの多層化技術の開発が進められている。
多層構造の光記録媒体において、情報記録層上の情報はレーザのフォーカスを各情報記録層に合わせることで読み出されるため、スペーサ層にはレーザ光の波長における透明性が必要とされる。また、情報を担持したピットあるいはグルーブを正確に転写する必要がある。
一方、スペーサ層を成膜する際には、従来、情報記録層上に液状紫外線硬化型樹脂をスピンコート法によって塗布して光硬化させるのが一般的であった。しかし、このようなスピンコート法を用いて塗布する場合、ディスクの中心部と外周部とにおいて全面的に一様で、均一で、しかも十分な膜厚に塗布することが困難で、得られる光記録媒体の光学的特性が不十分となり、さらには歩留りの低下を来すなどの問題を生じる。
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであって、優れた光学的特性を有し、高密度化に対応可能な多層構造光記録媒体用感光性フィルムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、紫外線照射後の400nmにおける光透過率が90%以上であり、かつ、厚み精度がRa値で0.30μm以下である感光層を有することを特徴とする多層構造光記録媒体のスペーサ用感光性フィルムを提供する。
本発明においては、感光層の厚みが5〜100μmであることが好ましい。
また、本発明においては、感光層が、(a)高分子結合剤、(b)分子内に少なくとも2個の重合性不飽和二重結合を有する化合物及び(c)光開始剤を含有することが好ましい。
また、本発明においては、感光層の400nmにおける屈折率が1.32〜1.72であることが好ましい。
また、本発明においては、感光層の400nmにおける複屈折が−20nm〜+20nmであることが好ましい。
本発明の多層構造光記録媒体用感光性フィルムは、優れた光学的特性を有するものであり、これにより高密度化に対応可能な多層構造光記録媒体用感光性フィルムを実現することが可能となる。
本発明の多層構造光記録媒体用感光性フィルムは、紫外線照射後の400nmにおける光透過率が90%以上であり、かつ、厚み精度がRa値で0.30μm以下である感光層を備えるものである。
なお、本発明でいう光透過率とは、温度20℃で、膜厚20μmの感光層に露光量1J/cmの紫外線を照射し、0.5時間経過した後に測定される値をいう。
本発明の多層構造光記録媒体用感光性フィルムにおいては、感光層の光透過率が上記の条件を満たす限りその材料は制限されないが、(a)高分子結合剤、(b)分子内に少なくとも2個の重合性不飽和二重結合を有する重合性化合物、および(c)光開始剤を含有することが好ましい。
上記成分(a)としては、具体的には、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアセテート/アクリレートコポリマー、ビニルアセテート/メタクリレートコポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマー、ポリスチレン、ビニリデンクロリド/アクリロニトリルコポリマー、ビニリデンクロリド/メタクリレートとビニリデンクロリド/ビニリデンアセテートとのコポリマー、ポリビニルクロリド、ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンコポリマー、メタクリレート/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンコポリマー、2−クロロブタジエン−1,3−ポリマー、塩素化ゴム、スチレン/ブタジエン/スチレンコポリマー、スチレン/イソプレン/スチレンブロックコポリマー、アクリレート基またはメタクリレート基を含むエポキシド、コポリエステル、ポリアミド、セルロースエステル、セルロースエーテル、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリホルムアルデヒドなどが挙げられる。また、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、p−ビニル安息香酸等の酸性極性基を有するビニル単量体や、その他の各種ビニル単量体とを共重合して得られる高分子結合剤を用いても良い。各種ビニル単量体の好ましい例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ベンジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2,3−ジブロモプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を挙げることができる。これらの高分子結合剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
成分(a)の重量平均分子量は20,000〜200,000の範囲とすることが好ましい。重量平均分子量が20,000未満ではレジストの可とう性が低くなり、レジストの欠けなどが生じる傾向があり、他方、200,000を超えると均一な膜が得られにくく、膜厚精度が低下する傾向がある。なお、本発明でいう重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより得られる測定値を標準ポリスチレン換算した値をいう。
成分(b)の分子中に少なくとも2個の重合性不飽和二重結合を有する化合物の例としては、(i)ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ヘキサプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリレート、(ii)2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン系のエポキシ樹脂のアクリル酸又はメタクリル酸付加物等のエポキシアクリレート、無水フタル酸−ネオペンチルグリコール−アクリル酸の1:2:2モル比の縮合物等の低分子不飽和ポリエステルなどの分子中にベンゼン環を有する(メタ)アクリレート、(iii)トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルのアクリル酸又はメタクリル酸との付加物、(iv)トリメチルヘキサメチレンジイソシアナートと2価アルコールのアクリル酸モノエステル又はメタクリル酸モノエステルとの反応で得られるウレタンアクリレート化合物又はウレタンメタクリレート化合物などを挙げることができる。
成分(c)の光開始剤としては従来知られているものを用いることができ、例えば、ベンゾフェノン、p,p−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p−ジエチルアミノベンゾフェノン、p,p−ジクロルベンゾフェノン等のようなベンゾフェノン類、これらの混合物、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン等のアントラキノン類、2−クロロチオキサントン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジル、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体等が挙げられる。
上記成分(a)〜(c)の組み合わせは、感光層の光透過率が上記の条件を満たすように適宜選定される。また、本発明における感光層には、成分(a)を40〜80重量部、成分(b)を20〜60重量部の範囲で(a)と(b)の総量が100重量部になるように用い、この100重量部に対して(c)光開始剤を0.1〜10重量部用いることが好ましい。(a)成分の使用量が多すぎると光硬化性が低下し、少なすぎると感光層のベタ付きにより取り扱い性が低下する傾向がある。(c)成分の使用量は0.1重量部未満では、光硬化性が低下する傾向がある。
さらに、本発明にかかる感光層には、染料、可塑剤、顔料、難燃剤、安定剤等を必要に応じて添加することもできる。また、密着性付与剤を使用することも可能である。
(a)高分子結合剤、(b)分子内に少なくとも2個の重合性不飽和二重結合を有する化合物及び(c)光開始剤を含有してなる感光性樹脂組成物を支持体上に積層する際の粘度は、塗工外観向上のため1〜3000cpsが好ましく、1〜1500cpsがより好ましく、200〜1500cpsが特に好ましい。1cps未満では塗工時に塗液の動きが生じる傾向にあり、また、3000cpsを超えると気泡を巻き込みやすくなる傾向にある。
多層構造光記録媒体用感光性フィルムの感光層の厚みは、100μm以下であることが好ましく、70μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることが特に好ましい。この厚みが100μmを超えると前記感光層を均一、一様に完結な工程で形成することが難しく、また光学特性の維持が困難になる傾向がある。
また、多層構造光記録媒体用感光性フィルムの感光層の厚み精度はRa値で±0.30μmであることが好ましく、±0.25μmであることがより好ましく、±0.20μmであることが特に好ましい。この厚み精度が±0.30μmを超えると、前記情報記録層間に前記スペーサ層又は保護層として、前記多層構造光記録媒体用感光性フィルムの感光層をラミネートする際に、気泡を巻込み情報を上手く読み出せない傾向がある。
また、多層構造光記録媒体用感光性フィルムの感光層の400nmにおける屈折率は、記録・再生特性の点から1.59±0.20であることが好ましく、1.59±0.10であることが特に好ましい。この屈折率が1.59±0.20を超えると基板材料の屈折率値と異なり収差がずれて情報の読み取りが困難となる傾向がある。
また、多層構造光記録媒体用感光性フィルムの感光層の400nmにおける複屈折は、記録・再生特性の点から0±20nmであることが好ましく、0±10nmであることがより好ましい。一般に、光ディスクは情報記録面にレーザ光を照射し、その反射をとらえて信号を読み取る仕組みになっている。この場合信号の1か0かの判定は、反射光の検出部における強さを比較することで行われる。よって、この屈折率が±20nmを超えると、反射光の偏光方向が光学系でセットした偏光面からずれ、検出部に到達する光が弱くなくなるので、正確に信号をとらえることができない傾向がある。
本発明の多層構造光記録媒体用感光性フィルムは、上述のように優れた光学的特性を有するものである。従って、本発明の感光性フィルムの感光層をスペーサ層として備え、該スペーサ層と、情報を担持するビットまたはグルーブが形成された情報記録層とが互いに積層された多層構造光記録媒体によって、十分な高密度化を達成することができる。
図1(a)〜(e)はそれぞれ本発明の感光性フィルムを用いて多層構造光記録媒体を製造するときの各工程における基板又は積層体を示す模式断面図である。
図1(a)中、透光性基板101は、所定の光透過率を有する熱可塑性樹脂からなるもので、その一方の面にはピットまたはグルーブに対応した凹凸形状を有する情報記録面が形成されている。
この透光性基板101の情報記録面には、情報記録層としての第1中間反射層(通常反射層)102が形成される(図1(b))。第1中間反射層102は、例えば金属薄膜などを所定の厚みでコーティングすることによって得られるもので、所定の光の反射率および透過率を有している。
次いで、第1中間反射層102が担持するピットまたはグルーブ上に、本発明の多層構造光記録媒体用感光性フィルムをラミネートし、さらに第1中間層102が担持するピットあるいはグルーブとは別のピットあるいはグルーブが転写されたスタンパ105を転写し、この状態で透光性基板101の情報記録面と反対側の面から紫外線を照射して感光性フィルムを硬化させることより第1スペーサ層106が形成される(図1(c))。感光性フィルムのラミネートおよび素短波105の転写の際には、凹凸ピットへの追従性の点から、常圧または真空ラミネータを用いることが好ましい。
また、ラミネートの際には、感光性フィルムの感光層を加熱することが好ましく、その加熱温度は30〜150℃であることが好ましく、40〜120℃であることがより好ましく、50〜110℃であることが特に好ましい。この温度が30℃未満では樹脂の流動性が低く、凸凹ピットへの追従性が不十分になる傾向があり、150℃を超えると樹脂組成物中における低沸点物質あるいは低沸点溶媒等が気化及び、基板の変形をもたらす傾向がある。
また、上記ラミネートの速度は、0.01〜2.00m/minであることが好ましく、0.01〜0.50m/minであることがより好ましく0.01〜0.20m/minあることが特に好ましい。この速度が0.01m/min未満では、樹脂の染み出しが発生する傾向があり、2.00m/minを超えると凸凹ピットへの追従性不十分をもたらす傾向がある。
また、前記ラミネートの圧力は、0.3〜1.0MPaであることが好ましく、0.4〜0.8MPaであることがより好ましく、0.5〜0.6MPaであることが特に好ましい。この速度が0.3MPa未満では凸凹ピットへの追従性不十分をもたらす傾向があり、1.0MPaを超えると基板の変形をもたらす傾向がある。
ラミネート後、例えば、紫外線等の活性光線を照射して感光層を光硬化させることで情報記録層上に存在する凸凹ピットを転写する。この場合、その情報の再生は、例えば、1組の光学ヘッドによって、記録媒体の同一側からの照射によって行うことができるようにすることがドライブ装置の簡略化及び再生アクセス速度を速める上で望まれる。
この積層体(ディスク)からスタンパ105が剥離された後(図1(d))、第1スペーサ層106上(図中の下面側)に、真空蒸着あるいはスパッタリングによって形成された所定の反射率を有する金属薄膜などからなる第2中間反射層(通常反射層)107が形成される(図1(e))。次に、通常反射層上に保護層(図示せず)が形成され、さらに保護層の上にはラベル(図示せず)が形成されてピットあるいはグルーブが2層から成る光ディスクが製造される。光記録媒体の多層化は図1(b)〜(e)の工程を繰り返すことで実現される。
このようにして得られる多層構造光記録媒体において、各情報記録層の再生は、光学ヘッドからの光照射を各々の情報記録層にフォーカシングさせて行われる。したがって、スペーサ層、すなわち光硬化後の感光層の透過率は、光学ヘッドの光の波長に対して90%以上を透過することが必要とされ、また光学特性を維持するためにも塗膜精度±2.0μm以内に抑えることが好ましい。
以下に本発明を実施例によって更に詳しく説明する。実施例中及び比較例中の「部」は重量部を意味し、「%」は重量%を意味する。
[実施例1]
(多層構造光記録媒体用感光性フィルムの製造)
表1に示す成分(a)〜(c)を用いて感光性樹脂組成物の溶液を得た。次いで、この感光性樹脂組成物の溶液を25μm厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥した後、さらにポリエチレンフィルムをラミネートして多層構造光記録媒体用感光性フィルムを得た。感光層の乾燥後の膜厚は20μmであった。
(光透過率の測定)
以下の手順に従って感光層の光透過率を測定した。
基板はポリカーボネート(厚み:0.5mm)を用い、シートは膜厚20μmのものを使用した。常圧ラミネータHLM−3000(日立エーアイシー(株))を用いて、多層構造光記録媒体用感光性フィルムをロール温度110℃、ラミネート速度1.0m/min、ラミネート圧力0.5MPaの条件でラミネートした。サンプルを15分以上放置した後、ポリエチレンテレフタレートシートを剥離し、大型UV照射機(QRM−2317−F−00 オーク社製)を用いて1J/cm紫外線照射した後の0.5時間後の400nmにおける光透過率を228A Spectrophotometer(日立製作所製)にて測定した。なお、光透過率はポリカーボネート基板と多層構造光記録媒体用感光性フィルム付きポリカーボネート基板の光透過率の差を測定値とした。得られた結果を表2に示す。
(厚み精度の測定)
以下の手順に従って、感光性フィルムの感光層の厚み精度を測定した。
基板はSiウェハを用い、この基板上にカップリング剤(KBM503の3%メタノール溶液)を塗布して基板プライマ処理を行った。この基板を約30分間自然乾燥させた後、アセトンで洗浄し、さらにエアーブローにより埃や塵を除去した。次いで、常圧ラミネータHLM−3000(日立エーアイシー(株))を用いて、多層構造光記録媒体用感光性フィルムをロール温度50℃、ラミネート速度0.2m/min、ラミネート圧力0.5MPaの条件でラミネートした。なお、このとき基板の予熱は行わなかった。ラミネート後のサンプルからポリエチレンテレフタレートシートを剥離し、大型UV照射機(QRM−2317−F−00 オーク社製)を用いて2J/cm紫外線照射した後、200MMウェハー表面形状測定装置(Veeco社製(接触型)DEKTAK V200−Si)を用いて、荷重3mg、測定範囲5mmで感光層の厚みムラを測定し、厚みムラの山と谷との差を求めた。この測定を位置を変えて3回行い、山と谷との差の平均値を厚み精度Raとした。得られた結果を表2に示す。
(空気巻き込み性の評価)
Niスタンパを用いて、上記の感光性フィルム付きポリカーボネート基板の感光層へのピットの転写を行い、光ディスクを作製した。このとき、感光層とNiスタンパとの間に空気が巻き込まれているか否かについて、以下の基準:
A:空気の巻き込みが全く認められない
B:空気の巻き込みが殆ど認められない
C:空気の巻き込みが認められた
に基づいて評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例2]
感光層の厚み精度をRa値で0.13μmとしたこと以外は実施例1と同様にして感光性フィルムを作製し、光透過率を測定した。また、この感光性フィルム付きポリカーボネートを用いて光ディスクを作製し、空気巻き込み性を評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例1]
表1に示す感光性樹脂組成物を用いたこと、並びに感光層の厚み精度をRa値で0.16μmとしたこと以外は実施例1と同様にして感光性フィルムを作製し、光透過率を測定した。また、この感光性フィルム付きポリカーボネートを用いて光ディスクを作製し、空気巻き込み性を評価した。得られた結果を表2に示す。
Figure 2007026669
Figure 2007026669
表2に示したように、実施例1、2の感光性フィルムにおいて、感光層の光透過率は98%と高い値を示した。また、膜厚が100μmのシートを用いて同様な工程で測定した場合も感光層の光透過率は96%から98%の間で安定していた。これらの感光性フィルムを用いて作製した光ディスクにおいては十分な高密度化を達成することができた。さらに、実施例1、2のいずれの場合も空気巻き込み性の評価において良好な結果を示したが、感光層の厚み精度がRa値で±0.30μmの範囲内にある実施例2において空気の巻き込みがより高水準で防止されていた。
これに対して、比較例1の感光性フィルムにおける感光層の透過率は86%であり、この感光性フィルムを用いて得られた光ディスクの場合は十分な高密度化を達成することができなかった。
(a)〜(e)はそれぞれ本発明の感光性フィルムを用いて多層構造光記録媒体を製造するときの各工程における基板又は積層体を示す模式断面図である。
符号の説明
101…透光性基板、102…第1中間反射層、105…スタンパ、106…スペーサ層、107…第2中間反射層。

Claims (5)

  1. 紫外線照射後の400nmにおける光透過率が90%以上であり、かつ、厚み精度がRa値で0.30μm以下である感光層を有することを特徴とする多層構造光記録媒体のスペーサ用感光性フィルム。
  2. 前記感光層の厚みが5〜100μmであることを特徴とする、請求項1に記載の多層構造光記録媒体のスペーサ用感光性フィルム。
  3. 前記感光層が、(a)高分子結合剤、(b)分子内に少なくとも2個の重合性不飽和二重結合を有する化合物及び(c)光開始剤を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の多層構造光記録媒体のスペーサ用感光性フィルム。
  4. 感光層の400nmにおける屈折率が1.32〜1.72であることを特徴とする、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の多層構造光記録媒体のスペーサ用感光性フィルム。
  5. 感光層の400nmにおける複屈折が−20nm〜+20nmであることを特徴とする、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の多層構造光記録媒体のスペーサ用感光性フィルム。
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