JP2003295533A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

画像形成装置および画像形成方法

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JP2003295533A
JP2003295533A JP2002098961A JP2002098961A JP2003295533A JP 2003295533 A JP2003295533 A JP 2003295533A JP 2002098961 A JP2002098961 A JP 2002098961A JP 2002098961 A JP2002098961 A JP 2002098961A JP 2003295533 A JP2003295533 A JP 2003295533A
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Yoshihiro Nakajima
好啓 中島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単に、しかも高精度に画像濃度を安定化さ
せることができる画像形成装置および画像形成方法を提
供する。 【解決手段】 直流現像バイアスVavgと露光エネルギ
ーEとの組み合わせからなる5組(V2、E1)、(V
2、E2)、(V2、E3)、(V1、E3)、(V3、E3)
の画像形成条件が予めメモリ127に記憶されている。
これらの画像形成条件を構成する直流現像バイアスVav
gおよび露光エネルギーEはそれぞれ濃度飽和範囲およ
び漸近範囲に存在している。各画像形成条件(V2、E
1)、(V2、E2)、(V2、E3)、(V1、E3)、
(V3、E3)で低濃度用パッチ画像としてトナー像PI
を形成する。そして、こうして形成したパッチ画像の画
像濃度に基づき最適現像条件および最適露光条件を決定
しメモリに記憶する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、感光体の表面に
光ビームを露光してその表面に静電潜像を形成するとと
もに、トナーを担持するトナー担持体に現像バイアスを
印加して前記トナー担持体から前記感光体にトナーを移
動させることで前記静電潜像を顕像化して目標濃度のト
ナー像を形成する画像形成装置および方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】この種の画像形成装置では、感光体およ
びトナーの疲労・経時変化や、装置周辺における温湿度
の変化などに起因して、画像濃度が変化することがあ
る。そこで、従来より帯電バイアス、現像バイアス、露
光エネルギーなどの画像形成条件を適宜調整して画像濃
度を安定化させる技術が数多く提案されている。例えば
特開2001−100471号公報に記載の発明では、
高濃度側および低濃度側トナー像の画像濃度がそれぞれ
所定の高濃度側目標濃度および低濃度側目標濃度となる
ように2段階で画像形成条件(帯電バイアスおよび現像
バイアス)を制御している。
【0003】具体的には、まず第1段目として、高濃度
側目標濃度のトナー像を形成するために必要な現像バイ
アスを最適現像条件として求めている。ここでは、帯電
バイアスを固定する一方、現像バイアスを多段階に変化
させながら各現像バイアスで高濃度用パッチ画像として
ベタ画像を形成する。そして、それら高濃度用パッチ画
像の濃度をパッチセンサで測定し、その測定結果に基づ
いて最適現像条件を決定している。
【0004】一方、次の2段目では、現像バイアスを最
適現像条件に固定する一方、もう一つの画像形成条件と
して帯電バイアスを変化させながら、各帯電バイアスで
低濃度用パッチ画像としてライン画像を順次形成する。
そして、それら低濃度側パッチ画像の画像濃度をパッチ
センサで測定し、その測定結果に基づいて最適帯電条件
を決定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように従来装置で
は、広範囲な濃度にわたってトナー像の画像濃度を安定
化させるために画像形成条件を2段階に分けて求めてい
るため、画像形成条件の制御が複雑となり、しかも数多
くのパッチ画像を形成する必要があったため、装置コス
トの上昇を招いたり、処理に長時間がかかって画像形成
のスループットが低下するという問題があった。
【0006】この発明は、上記課題に鑑みてなされたも
のであり、簡単に、しかも高精度に画像濃度を安定化さ
せることができる画像形成装置および画像形成方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は帯電した感光
体の表面に光ビームを露光して静電潜像を形成する露光
手段と、その表面にトナーを担持するトナー担持体を有
して該トナー担持体に印加される現像バイアスに応じて
トナーを感光体表面に移動させて静電潜像をトナーによ
り顕像化する現像手段と、現像バイアスを最適現像条件
に設定して所定の目標濃度のトナー像を形成する制御手
段とを備える画像形成装置および画像形成方法に関する
ものであり、上記目的を達成するため、以下のように構
成している。なお、以下の構成中の用語「漸近範囲」と
は、感光体の光減衰特性のうち、光ビームを感光体に照
射して高濃度用パッチ画像に対応する静電潜像を形成す
るとき、光ビームのエネルギー密度が増大するのに伴っ
て感光体の表面電位が所定の電位に漸近するエネルギー
密度の範囲を意味し、また用語「濃度飽和範囲」とは現
像バイアスの設定可能な範囲のうち、高濃度用パッチ画
像に対応する静電潜像に付着するトナー密度の増加に対
する光学濃度の増加がほぼ飽和する現像バイアスの範囲
を意味している。
【0008】この発明にかかる画像形成装置は、現像バ
イアスと光ビームのエネルギー密度との組み合わせから
なる画像形成条件を濃度飽和範囲および漸近範囲で変更
設定しながら各画像形成条件で低濃度用パッチ画像を形
成し、その画像濃度に基づいて最適現像条件および最適
露光条件を決定するように構成している。
【0009】この発明にかかる画像形成方法は、現像バ
イアスと光ビームのエネルギー密度との組み合わせから
なる画像形成条件を濃度飽和範囲および漸近範囲で変更
設定しながら各画像形成条件で低濃度用パッチ画像を形
成する工程と、低濃度用パッチ画像の画像濃度を検出す
る工程と、検出された画像濃度に基づいて最適現像条件
および最適露光条件を求める工程とを備えている。
【0010】このように構成された発明(画像形成装置
および方法)では、細線画像やハーフトーン画像などの
低濃度画像、すなわち画像全体に対するドットの面積率
の低い画像の画質に着目し、その画像濃度に影響を与え
る現像バイアスおよび光ビームのエネルギー密度の組み
合わせを画像形成条件とし、画像形成条件を変更設定し
ながら各画像形成条件下で実際に形成した低濃度用パッ
チ画像の濃度に基づいて最適現像条件および最適露光条
件を求めている。そのため、低濃度側については所定の
画像濃度を確保しつつ、しかも現像バイアスのみを変更
することですみ従来の最適化処理技術と比較してその処
理を大幅に簡略化することが可能となっている。
【0011】そして、このように最適現像条件および最
適露光条件をいわゆるパッチ処理により求めた画像形成
装置や方法では、低濃度画像において良好な画質を得る
ことができるのはもちろんであるが、高濃度画像、すな
わちベタ画像などの画像全体に対するドットの面積率の
高い画像についても安定した画質のトナー像を形成する
ことが可能である。その理由は以下の通りである。
【0012】上記のようにして決定された最適露光条件
は当然のことながら漸近範囲に含まれており、この漸近
範囲内で高濃度画像の静電潜像を形成する場合、後述す
る図3に示すように光ビームの照射により感光体上に形
成される静電潜像の表面電位は光ビームのエネルギー密
度にかかわらず、ほぼ一定となる。したがって、高濃度
画像の画像濃度は現像バイアスに依存することとなる。
つまり、低濃度画像の場合と同様に、高濃度画像におい
ても現像バイアスを変化させることでトナー像を構成す
るトナーの密度が変化する。
【0013】しかしながら、高濃度画像では、静電潜像
のうちトナーを付すべき部分の面積が比較的広くなって
おり、このように広い面積にわたってトナーが付着して
いる状態では、トナー密度がある程度以上であれば、そ
れ以上トナー密度を高くしても画像濃度はあまり増加し
なくなる。このようにトナー密度に対する画像濃度の変
化の小さい濃度飽和範囲が存在する。そして、この発明
では低濃度画像の濃度を調整すべく現像バイアスを濃度
飽和範囲で変更設定し、最適現像条件を求めているた
め、その最適現像条件も当然のことながら濃度飽和範囲
に含まれており、高濃度画像の濃度が目標濃度から大き
く外れることはない。こうすることにより、この画像形
成装置および方法は、低濃度画像から高濃度画像までの
広い濃度範囲について、画質の良好なトナー像を安定し
て形成することができる。
【0014】なお、最適現像条件を決定するにあたっ
て、各画像形成条件での低濃度用パッチ画像の画像濃度
から現像バイアスの変更設定に伴う画像濃度の変化率を
求め、該変化率に基づいて最適現像条件を演算するよう
にしてもよい。すなわち、該変化率を予め求めておくこ
とで、現像バイアスの変化が画像濃度の変化にどの程度
寄与するのかを把握することができ、最適露光条件を如
何なるエネルギー密度に設定したとしても目標濃度のト
ナー像を得るために必要となる現像バイアス、つまり最
適現像条件を精度良く求めることができる。
【0015】また、最適露光条件についても、最適現像
条件と同様に、各画像形成条件での低濃度用パッチ画像
の画像濃度から光ビームのエネルギー密度の変更設定に
伴う画像濃度の変化率を求め、該変化率に基づいて最適
露光条件を演算するようにしてもよい。すなわち、該変
化率を予め求めておくことで、光ビームのエネルギー密
度の変化が画像濃度の変化にどの程度寄与するのかを把
握することができ、最適現像条件を如何なる現像バイア
スに設定したとしても目標濃度のトナー像を得るために
必要となる光ビームのエネルギー密度、つまり最適露光
条件を精度良く求めることができる。
【0016】もちろん、上記した2つの変化率をともに
求めておき、両変化率を考慮しつつ最適露光条件および
最適現像条件を演算により求めるようにしてもよいこと
は言うまでもない。
【0017】
【発明の実施の形態】図1はこの発明にかかる画像形成
装置の一実施形態を示す図である。また、図2は図1の
画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。こ
の画像形成装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マ
ゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合
わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)の
トナーのみを用いてモノクロ画像を形成する装置であ
る。この画像形成装置では、ホストコンピュータなどの
外部装置から画像信号が制御ユニット1のメインコント
ローラ11に与えられると、このメインコントローラ1
1からの指令に応じてエンジンコントローラ12がエン
ジン部EGの各部を制御して複写紙、転写紙、用紙およ
びOHP用透明シートなどのシートSに画像信号に対応
する画像を形成する。
【0018】このエンジン部EGでは、7つのユニッ
ト:(a)感光体ユニット2;(b)イエロー現像ユニット
(以下「Y現像ユニット」という)3Y;(c)マゼンタ
現像ユニット(「M現像ユニット」)3M;(d)シアン
現像ユニット(「C現像ユニット」)3C;(e)ブラッ
ク現像ユニット(「K現像ユニット」)3K;(f)中間
転写ユニット4および(g)定着ユニット5が装置本体6
に対して着脱自在となっている。そして、すべてのユニ
ット2、3Y、3M、3C、3K、4、5が装置本体6
に装着された状態で、図1に示すように、感光体ユニッ
ト2の感光体21が図1の矢印方向D1に回転するとと
もに、その感光体21の周りにその回転方向D1に沿っ
て、帯電部22、現像ユニット3Y、3M、3C、3K
からなるロータリー現像部3およびクリーニング部23
がそれぞれ配置される。
【0019】7つのユニット2、3Y、3M、3C、3
K、4、5のうち感光体ユニット2には感光体21、帯
電部22およびクリーニング部23が収容されており、
これらを一体的に装置本体6に対して着脱自在となって
いる。帯電部22には帯電バイアス発生部121から帯
電バイアスが印加されており、感光体21の外周面を均
一に帯電させる。また、この感光体ユニット2には、感
光体21の回転方向D1における帯電部22の上流側に
クリーニング部23が設けられており、一次転写後に感
光体21の外周面に残留付着しているトナーを掻き落と
す。こうして、感光体21の表面クリーニングを行って
いる。
【0020】帯電部22によって帯電された感光体21
の外周面に向けて露光ユニット8から光ビームLが照射
される。この露光ユニット8は、図2に示すように、画
像信号切換部122と電気的に接続されており、この画
像信号切換部122を介して与えられる画像信号に応じ
て露光パワー制御部123が露光ユニット8を制御し、
光ビームLを感光体21上に露光して画像信号に対応す
る静電潜像を感光体21上に形成する。
【0021】このように構成された画像形成装置では、
例えば、エンジンコントローラ12のCPU124から
の指令に基づき、画像信号切換部122がパッチ作成モ
ジュール125と導通している際には、パッチ作成モジ
ュール125から出力されるパッチ画像信号が露光パワ
ー制御部123に与えられてパッチ潜像が形成される。
一方、画像信号切換部122がメインコントローラ11
のCPU111と導通している際には、ホストコンピュ
ータなどの外部装置よりインターフェース112を介し
て与えられた画像信号に応じて光ビームLが感光体21
上に露光されて画像信号に対応する静電潜像が感光体2
1上に形成される。
【0022】この実施形態では、特に図3(a)に示す
光減衰特性を有する感光体21が採用されている。通
常、高濃度画像(例えば高濃度用パッチ画像)を形成す
る場合と、低濃度画像(例えば低濃度用パッチ画像)を
形成する場合とで光減衰特性は相互に相違している。す
なわち、帯電部22により均一の表面電位Vdに帯電し
た感光体21を部分的に光ビームLにより露光すると、
その部分の電荷が中和されて感光体21の表面に静電潜
像が形成されるが、ベタ画像のような高濃度用パッチ画
像では感光体21表面の比較的広い範囲が露光されてい
るため、その表面電位プロファイルは井戸型となり、光
ビームLの単位面積当たりのエネルギー(以下、単に
「露光エネルギー」という)が比較的小さい間では露光
エネルギーの増大にしたがって露光部分の表面電位、い
わゆる明部電位は徐々に低下していく。そして、感光体
21の特性で決まる残留電位程度まで低下すると、露光
エネルギーを増大させたとしても、露光部分の表面電位
はほとんど変化しない。その結果、高濃度用パッチ画像
については、図3の曲線Chに示すような光減衰特性と
なり、この光減衰特性は露光エネルギーが増大するのに
伴って感光体21の表面電位が所定の電位Vrに漸近す
る漸近範囲を有している。
【0023】これに対し、ライン画像のような低濃度用
パッチ画像では露光される領域が狭いため、その表面電
位は鋭いディップ状のプロファイルを有することとな
る。このため、実際に測定される感光体21の表面電位
の変化は、露光された部分の表面電位(明部電位)の変
化と、非露光部分と露光部分とのコントラスト比の変化
とにより決定されることとなり、特にこの実施形態で
は、後者の変化が支配的となっている。その結果、感光
体21の低濃度用パッチ画像については、図3の直線C
lに示すような光減衰特性となる。
【0024】図1に戻って装置構成の説明を続ける。こ
うして形成された静電潜像は本発明の「現像手段」に相
当するロータリー現像部3によってトナー現像される。
このロータリー現像部3では、ブラック用の現像ユニッ
ト3K、シアン用の現像ユニット3C、マゼンタ用の現
像ユニット3M、およびイエロー用の現像ユニット3Y
が軸中心に回転自在に設けられている。そして、これら
の現像ユニット3Y、3M、3C、3Kは予め決められ
た複数の位置に移動位置決めされるとともに、感光体2
1に対して選択的に現像位置で位置決めされる。図1で
はブラック用の現像ユニット3Kが現像位置に位置決め
されており、この位置決め状態で現像ユニット3Kに設
けられた現像ローラ31が感光体21から離間した状態
で対向配置されるが、その他の現像ユニット3Y、3
M、3Cについても現像ユニット3Kと全く同様に現像
ユニットの現像位置への位置決めにより各現像ユニット
に設けられた現像ローラ31が感光体21と対向配置さ
れる。
【0025】また、現像位置に位置決めされた現像ユニ
ットでは、ユニットハウジング内に貯留されたトナーは
現像ローラ31に担持されながら、現像位置に搬送され
る。このように、この実施形態では、現像ローラ31が
本発明の「トナー担持体」に相当している。なお、トナ
ーが負に帯電するものとして以下説明するが、装置各部
の電位を適宜変更することで正に帯電するトナーも使用
可能である。
【0026】そして、現像ローラ31に対して、図4に
示す交番電圧が現像バイアスとして現像バイアス発生部
126から印加される。この現像バイアスは、図4に示
すように、直流成分Vavgに対して振幅Vppなる矩形波
電圧が重畳された波形を有する交番電圧である。ここで
は、交流成分として振幅Vpp(=|Vbmax−Vbmin|)
で、しかも交流成分の一周期Taに対する電位Vmax側の
ピーク電位期間Tbの割合、つまりデューティーパーセ
ント(=(Tb/Ta)×100%)が50%の矩形波状
の交流成分を印加している。このような波形の現像バイ
アスを印加することにより、その振幅Vppによりトナー
の飛翔量を制御することができる一方、その直流成分V
avgにより画像濃度を制御することが可能である。
【0027】ここで、現像バイアスとトナー像の光学濃
度との関係を注目すると、次のような関係が存在する。
すなわち、ベタ画像などの高濃度側では、図5に示すよ
うに、現像バイアスの直流成分(以下、「直流現像バイ
アス」という)Vavgの絶対値が比較的小さい、つまり
低コントラスト電位Vcont(図3参照)では直流現像バ
イアスの増加(コントラスト電位Vcontの増大)に伴っ
て比例的にトナー付着量が多くなり、その結果、トナー
像の画像濃度が高くなる。しかし、単位面積当たりのト
ナー付着量が一定値以上となると、それ以上に直流現像
バイアスVavgを増加させたとしても光学濃度はあまり
変化しなくなり、トナー飽和濃度Dsを示すようにな
る。このように直流現像バイアスVavg_s以上の現像バ
イアス範囲では光学濃度がほぼ飽和しており、この範囲
を本発明では「濃度飽和範囲」と称している。また、こ
の「ベタ画像」には、パッチ画像の全面にドットを形成
した画像が含まれるのはもちろんのこと、部分的に濃淡
が存在する画像であっても画像全体として見た場合に実
質的に画像全面にトナーが付着している画像も含まれ
る。後者としては、例えばパッチ画像に相当する静電潜
像の各部での表面電位が10V以下の範囲に揃っている
ものが実質的にベタ画像に含まれる。また、パッチ画像
全体に対するドットの面積率が約80%以上である画像
も後者に含まれる。
【0028】なお、現像バイアスとしての交番電圧の波
形はこれに限定されるものではなく、例えば直流成分に
正弦波や三角波を重畳したものであってもよい。また、
そのデューティ比が50%でない波形を用いてもよい。
この場合には、その直流成分Vavgとしては、加重平均
電圧、すなわち、時間とともに振幅の変化する電圧波形
の瞬時値をある時間範囲について平均化して直流電圧値
に換算した値を用いることができる。
【0029】この現像ローラ31への交番電圧の印加に
よって現像ローラ31と感光体21との間で交番電界が
形成され、現像位置に選択位置決めされたユニットハウ
ジング内のトナーが現像ローラ31から感光体21に飛
翔して静電潜像を顕像化する。こうして、選択された色
のトナー像が感光体21の表面に形成される。
【0030】上記のようにして現像部3で現像されたト
ナー像は、一次転写領域TR1で中間転写ユニット4の
中間転写ベルト41上に一次転写される。すなわち、中
間転写ユニット4は複数のローラに掛け渡された中間転
写ベルト41と、中間転写ベルト41を回転駆動する駆
動部(図示省略)とを備えており、カラー画像をシート
Sに転写する場合には、感光体21上に形成される各色
のトナー像を中間転写ベルト41上に重ね合わせてカラ
ー画像を形成する一方、単色画像をシートSに転写する
場合には、感光体21上に形成されるブラック色のトナ
ー像のみを中間転写ベルト41上に転写して単色画像を
形成する。
【0031】また、本実施形態にかかる画像形成装置で
は、パッチ画像の濃度を検出するために、中間転写ベル
ト41が掛け渡された一のローラに対向してパッチセン
サPSが配置されている。
【0032】こうして中間転写ベルト41上に形成され
た画像については、所定の二次転写領域TR2におい
て、カセット9から取り出されたシートS上に二次転写
する。そして、トナー画像が転写されたシートSを、ヒ
ータ(図示省略)が内蔵された定着ユニット5に導入
し、ここで加熱しながら圧力を加えることによってトナ
ーをシートSに定着させる。こうして画像が形成された
シートSは装置本体6の上面部に設けられた排出トレイ
部に搬送される。
【0033】なお、図2において、符号113はホスト
コンピュータなどの外部装置よりインターフェース11
2を介して与えられた画像を記憶するためにメインコン
トローラ11に設けられた画像メモリであり、符号12
7はCPU124で行う演算プログラム、CPU124
における演算結果、エンジン部EGを制御するための制
御データ、最適化処理でのパッチ画像の画像形成条件な
どを記憶するためのメモリ(記憶部)である。
【0034】上記のように構成された画像形成装置で
は、高濃度側では露光エネルギーを漸近範囲に設定する
ことで静電潜像の表面電位をほぼ一定にすることがで
き、しかも直流現像バイアスVavgを直流現像バイアス
Vavg_s以上の濃度飽和範囲に設定して静電潜像をトナ
ー現像すると、光ビームLのエネルギー密度の値にかか
わらずトナー像の光学濃度の変動を抑えることができ
る。そこで、この実施形態にかかる画像形成装置では、
直流現像バイアスVavgを濃度飽和範囲内に設定し、し
かも光ビームLのエネルギー密度を漸近範囲内に設定し
た状態でトナー像を形成することで高濃度側でのトナー
像の安定形成を図っている。
【0035】一方、直流現像バイアスVavgを濃度飽和
範囲内に設定し、しかも光ビームLのエネルギー密度を
漸近範囲内に設定した場合、低濃度側では図3(a)の
直線Clで示すように静電潜像の表面電位は露光エネル
ギーに対して比例的に変化し、また直流現像バイアスV
avgに応じてトナー像の光学濃度が比例的に変化する。
そこで、本実施形態では低濃度側については所定の目標
濃度の画像を得るために、電源投入時などの適当なタイ
ミングで所定のパッチ画像を形成し、その画像濃度に基
づいて画像形成条件を最適化する最適化処理を行ってい
る。具体的には、エンジンコントローラ12のCPU1
24が予め記憶されたプログラムを実行して、各トナー
色毎に図6に示す処理を行っている。
【0036】図6は、この画像形成装置における画像形
成条件(現像バイアスおよび露光エネルギー)の最適化
処理を示すフローチャートである。この実施形態では、
直流現像バイアスVavgと露光エネルギーEとの組み合
わせからなる5組(V2、E1)、(V2、E2)、(V
2、E3)、(V1、E3)、(V3、E3)の画像形成条件
が予めメモリ127に記憶されている。これらの画像形
成条件を構成する直流現像バイアスVavgおよび露光エ
ネルギーEは図3(b)に示すようにそれぞれ濃度飽和
範囲および漸近範囲に存在している。
【0037】そして、最適化処理の開始とともに、メモ
リ127から画像形成条件を読出した(ステップS1
1)後、各画像形成条件(V2、E1)、(V2、E2)、
(V2、E3)、(V1、E3)、(V3、E3)で低濃度用
パッチ画像として例えば図7に示す1オン10オフの1
ドットライン群からなるトナー像PIを形成する(ステ
ップS12)。こうすることで、中間転写ベルト41上
には、それぞれの画像形成条件に応じた濃度の5個の低
濃度用パッチ画像が形成されることとなる。
【0038】ここで、特に直流現像バイアスVavgの変
更設定範囲については、濃度飽和範囲であれば、その振
り幅については任意であるが、この実施形態では画質向
上のために最小値V1から最大値V3に制限している。す
なわち、直流現像バイアスVavgが大きくなると図3
(a)に示すコントラスト電位Vcontが大きくなる。そ
のため、直流現像バイアスVavgが大きすぎると、エッ
ジ効果として知られるように画像の端部が極端な高濃度
となったり、トナー付着量が過大となって後段での転写
・定着プロセスにおいてトナーの散りが生じ画質が低下
するなどの問題がある。一方、直流現像バイアスVavg
が小さすぎる場合、コントラスト電位Vcontが小さくな
るのでトナーを感光体21に付着させる力が弱くなり、
例えば図8(a)に示す矩形パターンRIの例のよう
に、特に感光体21の移動方向から見たときの画像の左
右および下流側のトナーが剥ぎ取られて画像が歪むとい
う現象が発生する。この歪み量Dは、図8(b)に示す
ように、コントラスト電位Vcontの増加とともに減少
し、次第に一定値に漸近するという特性を示す。
【0039】したがって、画質が良好で安定したトナー
像形成を行うためには、コントラスト電位Vcontが、エ
ッジ効果やトナーの散りが出ない程度に低く、かつ画像
の歪み量Dが許容範囲内に収まる程度に高い値となって
いることが必要である。この範囲は、種々のコントラス
ト電位Vcontでトナー像を形成しながらその画質を評価
することで予め求めることができ、発明者らの実験で
は、この実施形態の画像形成装置においてコントラスト
電位Vcontとしては50〜250V程度、また直流現像
バイアスVavgとしては、−(100〜380)V程度
が好ましい範囲であり、さらに−(180〜220)V
程度がさらに好ましい範囲であった。
【0040】上記のようにして5個の低濃度用パッチ画
像が中間転写ベルト41上に形成されると、各パッチ画
像が中間転写ベルト41の移動に伴ってパッチセンサP
Sと対向する位置に移動してくるタイミングで該センサ
PSからの出力信号を読み込み、その信号に基づいて各
パッチ画像の光学濃度を求める(ステップS13)。
【0041】ここで、上記したように直流現像バイアス
Vavgおよび露光エネルギーEが変化すると、低濃度用
パッチ画像の画像濃度は変化するが、ステップS14で
直流現像バイアスVavgが変化するのに伴う画像濃度の
変化率ΔDvを演算するとともに、次のステップS15
で露光エネルギーEが変化するのに伴う画像濃度の変化
率ΔDeを演算し、それらの変化率ΔDv、ΔDeをメモ
リ127に記憶しておく。
【0042】そして、直流現像バイアスV2で、しかも
露光エネルギーEの下限値E1および上限値E3でそれぞ
れ形成されたパッチ画像の画像濃度Dmin、Dmaxが目標
濃度D(op)よりも濃いか否かをステップS16,S17
で判断する。ここで、図9(a)に示すように Dmin≦D(op) Dmax≧D(op) であるときには、ステップS18に進んで各低濃度用パ
ッチ画像の画像濃度のうちその濃度が予め設定された目
標濃度にほぼ一致するときの露光エネルギーEを変化率
ΔDeを利用して求め、その値を最適露光条件としてメ
モリ127に記憶する。また、直流現像バイアスV2を
最適現像条件としてメモリ127に記憶する。このよう
に、この実施形態では直流現像バイアスV2を暫定的に
最適現像条件とし、その最適現像条件に対して最適露光
条件を演算により決定している。なお、露光エネルギー
E2を最適露光条件とし、その最適露光条件に対して最
適現像条件を変化率ΔDvに基づき演算により決定した
り、直流現像バイアスおよび露光エネルギーをともに演
算補正して最適現像条件および最適露光条件を決定する
ようにしてもよい。
【0043】このように直流現像バイアスおよび露光エ
ネルギーの少なくとも一方を変化率に基づき演算補正す
ればよく、この点に関しては次に説明するステップS1
9、S20においても同様である。
【0044】一方、暫定値V2では最適化できないケー
スとして、例えば図9(b)に示すように画像濃度Dmi
nが目標濃度D(op)よりも濃い場合がある。この場合に
は、露光エネルギーEの下限値E1を最適露光条件とし
て設定するとともに、その最適露光条件で目標濃度D(o
p)のトナー像を形成するために必要な直流現像バイアス
を変化率ΔDvを利用して演算し、それを最適現像条件
として設定する(ステップS19)。
【0045】また暫定値V2では最適化できない別のケ
ースとして、例えば図9(c)に示すように画像濃度D
maxが目標濃度D(op)よりも薄い場合がある。この場合
には、露光エネルギーEの上限値E3を最適露光条件と
して設定するとともに、その最適露光条件で目標濃度D
(op)のトナー像を形成するために必要な直流現像バイア
スを変化率ΔDvを利用して演算し、それを最適現像条
件として設定する(ステップS20)。
【0046】ここで、最適化処理における各ステップで
の処理内容の理解を助けるために、図1の画像形成装置
において実際に得られる具体例を例示して説明する。ま
ず、直流現像バイアスV1、V2、V3を、それぞれ V1=−180(V) V2=−200(V) V3=−220(V) と予め設定し、露光エネルギーE1、E2、E3を、それ
ぞれ E1=0.2(μJ/cm) E2=0.3(μJ/cm) E3=0.4(μJ/cm) と予め設定するとともに、メモリ127から5つの画像
形成条件(−200、0.2)、(−200、0.
3)、(−200、0.4)、(−180、0.3)、
(−220、0.3)を読出し(ステップS11)、図
1の画像形成装置により各画像形成条件(−200、
0.2)、(−200、0.3)、(−200、0.
4)、(−180、0.3)、(−220、0.3)で
図7に示す1オン10オフの1ドットライン群からなる
トナー像PIを形成した(ステップS12)。
【0047】そして、各パッチ画像の画像濃度を検出す
ると、画像濃度はそれぞれ 画像形成条件(−200、0.2)…濃度0.15、 画像形成条件(−200、0.3)…濃度0.20、 画像形成条件(−200、0.4)…濃度0.25、 画像形成条件(−180、0.3)…濃度0.16、 画像形成条件(−220、0.3)…濃度0.24、 であった(ステップS13)。
【0048】したがって、直流現像バイアスVavgが変
化するのに伴う画像濃度の変化率ΔDvは0.1/(−
50V)となり(ステップS14)、露光エネルギーE
が変化するのに伴う画像濃度の変化率ΔDeは0.1/
(0.2μJ/cm)となる(ステップS15)。
【0049】そして、低濃度側での目標濃度が例えば
「0.23」、「0.13」、「0.27」の場合でそ
れぞれ異なった処理がなされる。それぞれの場合に分け
て説明する。
【0050】(1)目標濃度D(op)=0.23の場合 この場合、画像形成条件(−200、0.2)、(−2
00、0.4)で形成されたパッチ画像の画像濃度Dmi
n、Dmaxはそれぞれ濃度0.15、0.25であるた
め、 Dmin≦D(op) Dmax≧D(op) をともに満足することとなる(図9(a))。そのた
め、直流現像バイアスV2(=−200V)が最適現像
条件としてメモリ127に記憶される。一方、画像形成
条件(−200、0.3)では濃度0.20となり、目
標濃度D(op)=0.23に達せず、0.03(=0.2
3−0.20)だけ濃度不足が生じている。そこで、そ
の不足分を補うためにステップS15で求めた変化率Δ
Deから露光エネルギーを補正値ΔE ΔE=0.03/{0.1/(0.2μJ/cm)} =0.06μJ/cm だけ増大させて露光エネルギーE E2+ΔE=0.3+0.06=0.36(μJ/cm
) が最適露光条件としてメモリ127に記憶される(ステ
ップS18)。
【0051】(2)目標濃度D(op)=0.13の場合 この場合、画像形成条件(−200、0.2)で形成さ
れたパッチ画像の画像濃度Dmin、Dmaxはそれぞれ濃度
0.15であるため、 Dmin>D(op) となる(図9(b))。そのため、直流現像バイアスV
2(=−200V)に設定したのでは目標濃度D(op)=
0.13を得るためには露光エネルギーの下限値E1よ
りも低い露光エネルギーが最適露光条件となってしま
う。そこで、露光エネルギーの下限値E1(=0.2μ
J/cm)を最適露光条件に設定するとともに、濃度
過剰分を直流現像バイアスVavgをΔVだけ変更するこ
とで補正する。すなわち、画像形成条件(−200、
0.2)では濃度0.15であり、0.02だけ濃度過
剰となっているので、その過剰分を削減するためにステ
ップS14で求めた変化率ΔDvから直流現像バイアス
を補正値ΔV ΔV=−0.02/{0.1/(−50V)} =10(V) だけ加えて直流現像バイアスVavg V2+ΔV=−200+10=−190(V) が最適現像条件としてメモリ127に記憶される(ステ
ップS19)。
【0052】(3)目標濃度D(op)=0.27の場合 この場合、画像形成条件(−200、0.4)で形成さ
れたパッチ画像の画像濃度Dmaxは濃度0.25である
ため、 Dmax<D(op) となる(図9(c))。そのため、直流現像バイアスV
2(=−200V)に設定したのでは目標濃度D(op)=
0.27を得るためには露光エネルギーの上限値E3よ
りも高い露光エネルギーが最適露光条件となってしま
う。そこで、露光エネルギーの上限値E3(=0.4μ
J/cm)を最適露光条件に設定するとともに、濃度
不足分を直流現像バイアスVavgをΔVだけ変更するこ
とで補正する。すなわち、画像形成条件(−200、
0.4)では濃度0.25であり、0.02だけ濃度不
足となっているので、その不足分を補うためにステップ
S14で求めた変化率ΔDvから直流現像バイアスを補
正値ΔV ΔV=0.02/{0.1/(−50V)} =−10(V) だけ加えて直流現像バイアスVavg V2+ΔV=−200+(−10)=−210(V) が最適現像条件としてメモリ127に記憶される(ステ
ップS20)。
【0053】以上のように、この実施形態によれば、細
線画像やハーフトーン画像などの低濃度用パッチ画像を
形成して画像形成条件(最適現像条件および最適露光条
件)を最適化し、この画像形成条件で画像を形成するた
め、低濃度画像において良好な画質を得ることができる
のはもちろんであるが、最適現像条件および最適露光条
件はそれぞれ濃度飽和範囲および漸近範囲に存在してい
るため、上記「課題を解決するための手段」の項で詳述
したと同様の理由により、高濃度側についても安定した
画質でトナー像を形成することが可能となっている。
【0054】また、画像濃度を調整するために予め設定
された5つの画像形成条件(V2、E1)、(V2、E
2)、(V2、E3)、(V1、E3)、(V3、E3)で低
濃度用パッチ画像PIを形成するだけで最適現像条件お
よび最適露光条件を精度良く決定することができるた
め、制御が簡単であるとともに、短時間にて処理を行う
ことが可能である。
【0055】また、画質向上の観点から直流現像バイア
スVavgの可変範囲を制限しているので、一定の画質の
トナー像をさらに安定して形成することができる。
【0056】ところで、上記実施形態では直流現像バイ
アスV2を暫定的な最適現像条件として予めメモリ12
7に設定記憶させているが、直流現像バイアスV2につ
いてはいわゆるパッチ処理により求めるようにしてもよ
い。すなわち、漸近範囲の露光エネルギーで、かつ濃度
飽和範囲で直流現像バイアスVavgを多段階に変更設定
しながら各画像形成条件で高濃度用パッチ画像を形成
し、それらのパッチ画像の画像濃度に基づき直流現像バ
イアスV2を求めてもよい。
【0057】また、パッチセンサPSの出力特性を考慮
すると、次のようにして直流現像バイアスV2ならびに
直流現像バイアスV1、V3を求めるのが望ましい。以
下、図10ないし図13を参照しつつ詳述する。
【0058】図1の画像形成装置において用いられてい
るパッチセンサは例えば図10に示すような出力特性を
有している。すなわち、パッチ画像を構成するトナーの
量が比較的少なく、比較的低濃度である場合には濃度変
化に応じてセンサ出力が大きく変化するのであるが、パ
ッチ画像が次第に濃くなってくると、濃度変化に伴うセ
ンサ出力の変動量は少なくなっていき、高濃度領域では
濃度が変化したとしてもセンサ出力の変動量はゼロ、あ
るいは微小となっている。つまり高濃度領域ではパッチ
センサのダイナミックレンジが狭くなっている。そのた
め、高濃度用パッチ画像の濃度をパッチセンサにより正
確に測定することが困難であった。このように高濃度側
での測定精度が低かったために、直流現像バイアスV2
を高精度に求めることが難しい。
【0059】しかしながら、図11に示すバイアス設定
処理を実行することで上記問題を解消して直流現像バイ
アスV2ならびにV1、V3を精度良く設定することが可
能となる。すなわち、このバイアス設定処理では、まず
露光エネルギーEを上限値E3に固定する(ステップS
31)。直流現像バイアスVavgを初期値Vavg_Aに設定
する(ステップS32)。この初期値Vavg_Aは図3
(a)に示すように高濃度側目標濃度D(op)に対応する
直流現像バイアス、つまり最適現像条件よりも残留電位
Vrに近い値に設定されている。したがって、初期値Va
vg_Aに設定した状態で高濃度用パッチ画像として例えば
ベタ画像を形成する(ステップS33)と、高濃度側目
標濃度D(op)よりも低濃度のパッチ画像が形成される
(図12)。
【0060】そして、ステップS33〜S35を繰り返
すことで、さらに直流現像バイアスVavgをバイアスVa
vg_B,Vavg_Cに変更設定しながら、各バイアス下で高
濃度側目標濃度D(op)よりも低濃度のパッチ画像を形成
する。なお、この実施形態では、直流現像バイアスVav
gとして3種類のVavg_A,Vavg_B,Vavg_Cをこの順序
で変更設定しているが、個数および順序は任意であるこ
とはいうまでもない。
【0061】こうして3種類の高濃度用パッチ画像が形
成されると、各パッチ画像の画像濃度をパッチセンサP
Sにより検出する(ステップS36)。これによって、
例えば図12に示すように、各直流現像バイアスVavg_
A,Vavg_B,Vavg_C下で形成されたパッチ画像の画像
濃度D(A),D(B),D(C)がそれぞれ検出される。これ
に続いて、直流現像バイアスと画像濃度との組み合わせ
(Vavg_A,D(A))、(Vavg_B,D(B))、(Vavg_
C,D(C))に基づき直流現像バイアスと画像濃度との相
関関係を示す式、つまり図12中の1点鎖線で示す直線
式を求める(ステップS37)。この理由は以下のとお
りである。
【0062】同図中の実線は直流現像バイアスと濃度と
の関係を示しており、直流現像バイアスを除く画像形成
条件を一定に維持している場合には単位面積当たりのト
ナー付着量と濃度との関係と実質的に等しい。同図に示
すように、直流現像バイアスVavgを表面電位Vdに近づ
けてコントラスト電位Vcont(図3(a)参照)を大き
くすれば、トナー付着量が多くなり、その結果、トナー
像の画像濃度も高くなる。しかし、単位面積当たりのト
ナー付着量が一定値以上となると、それ以上に直流現像
バイアスを変化させたとしても濃度はあまり変化しなく
なり、トナー飽和濃度を示すようになる。また、限界濃
度D(lmt)を超える高濃度領域ではパッチセンサPSの
ダイナミックレンジは狭く、このパッチセンサPSによ
りパッチ画像の濃度を正確に測定することが困難となっ
ている。
【0063】そこで、この実施形態では、上記のように
目標濃度D(op)よりも低濃度のパッチ画像を形成するこ
とでパッチセンサPSにより各パッチ画像の濃度を正確
に測定する一方、限界濃度D(lmt)を超える高濃度領域
については上記のようにして求めた直線式に基づいて直
流現像バイアスと濃度との関係を外挿的に求めることを
可能としている。具体的には、ステップS38で上記相
関関係(図12の直線式)に基づき高濃度側目標濃度D
(op)に対応する直流現像バイアスVavg_opを先の実施形
態の直流現像バイアスV2として求め、これを暫定的な
最適現像条件としてメモリ127に記憶する。
【0064】それに続いて、その直流現像バイアスV2
に定数αを加えて直流現像バイアスV1を求め(ステッ
プS39)、また直流現像バイアスV2に定数βを差し
引いて直流現像バイアスV3を求め(ステップS4
0)、メモリ127に記憶する。
【0065】なお、上記実施形態の如く直流現像バイア
スと画像濃度との相関関係に基づき最適現像条件を外挿
的に求める場合、図12に示すように、実際のトナー特
性は相関関係を示す直線(1点鎖線)から乖離して、濃
度に関して乖離ΔD(op)が存在するとともに、直流現像
バイアスに関して乖離ΔVavg(op)が存在している。そ
して、目標濃度がトナー飽和濃度に近づくにしたがって
それらの乖離は大きくなる。例えば目標濃度D(op)より
高い目標濃度D(op1)では、各乖離ΔD(op1)、ΔVavg
(op1)は、 ΔD(op1)>ΔD(op) ΔVavg(op1)>ΔVavg(op) となってしまう。したがって、これらの乖離について
は、極力小さくなるように構成するのが望ましい。具体
的には、図13に示すように、トナー飽和濃度がそれぞ
れDs1、Ds2、Ds3(ただし、Ds1<Ds2<Ds3)とな
るトナー特性を有する3種類のトナー(図中の符号T
1,T2,T3)と、高濃度側目標濃度D(op)との比がそ
れぞれ {Ds1/D(op)}×100=100% {Ds2/D(op)}×100=105% {Ds3/D(op)}×100=110% となっている場合には、図1の構成の画像形成装置では
目標濃度D(op)における乖離ΔVavg(op)のそれぞれは
例えば50V、10V、3Vとなった。また、上記実施
形態と同様にして求めた最適現像条件Vavg(op)で実際
に形成されるトナー像の濃度と、目標濃度D(op)とのパ
ーセント比は、トナーT1で80%、トナーT2で95
%、トナーT3で98%となった。
【0066】これらの結果から明らかなように、トナー
飽和濃度が目標濃度に対して十分高くないと、相関関係
に基づき求めた最適現像条件Vavg(op)で画像を形成す
ると、濃度不足を起こすことになり、不都合が生じる場
合がある。したがって、好ましくはトナー飽和濃度が高
濃度側目標濃度D(op)に対して少なくとも5%以上高い
トナーを用いて画像形成を行うのが好適である。さらに
好ましくはトナー飽和濃度が高濃度側目標濃度D(op)に
対して少なくとも10%以上高いトナーを用いて画像形
成を行う。
【0067】なお、本発明は上記した実施形態に限定さ
れるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて
上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能であ
る。例えば、上記実施形態では、高濃度用パッチ画像と
してベタ画像を、また低濃度用パッチ画像として互いに
離隔配置された複数の1ドットラインからなるライン画
像を用いているが、パッチ画像として用いることのでき
る画像はこれらに限定されるものではなく、他のパター
ンを有する画像であってもよい。これらは使用されるト
ナーの特性やパッチセンサPSの感度等に応じて適宜変
更されるべきものである。また、各パッチ画像の低濃度
側目標濃度も上記の数値に限定されるものではなく、適
宜変更してよい。
【0068】また、上記実施形態では、現像ローラ31
に交番電圧を現像バイアスとして印加することでトナー
を感光体21に移動させて静電潜像を顕像化させる、い
わゆる非接触現像方式の画像形成装置に本発明を適用し
ているが、直流電圧を現像バイアスとして印加する装置
や接触現像方式の装置に対しても本発明を適用すること
ができることはいうまでもない。
【0069】また、上記実施形態では、パッチセンサP
Sは、感光体21から一次転写された直後の中間転写ベ
ルト41上でパッチ画像の濃度を検出するように構成さ
れているが、パッチセンサPSの位置は他の位置であっ
てもよく、例えば感光体21上に形成されたパッチ画像
の濃度を検出するようにしてもよい。
【0070】さらに、上記実施形態は、4色のトナーを
用いてカラー画像を形成可能な装置であったが、これ以
外にも、例えば、モノクロ画像のみを形成する装置に対
しても本発明を適用することができる。
【0071】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、現像
バイアスと光ビームのエネルギー密度との組み合わせか
らなる画像形成条件を濃度飽和範囲および漸近範囲で変
更設定しながら各画像形成条件で低濃度用パッチ画像を
形成し、その画像濃度に基づいて最適現像条件および最
適露光条件を求めているため、低濃度画像において良好
な画質を得ることができるのはもちろんのこと、高濃度
画像についても安定した画質のトナー像を形成すること
ができ、低濃度画像から高濃度画像までの広い濃度範囲
について、画質の良好なトナー像を簡単に、しかも高精
度で安定して形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる画像形成装置の一実施形態を
示す図である。
【図2】図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】図1の画像形成装置に採用されている感光体の
光減衰特性、ならびに現像バイアスおよび露光エネルギ
ーの設定範囲を示す図ある。
【図4】図1の画像形成装置において現像ローラに印加
される交番電圧の電気的特性を示す図である。
【図5】現像バイアスとトナー像の画像濃度との関係を
示す図である。
【図6】この画像形成装置の最適化処理を示すフローチ
ャートである。
【図7】この最適化処理に用いる低濃度用パッチ画像の
例を示す図である。
【図8】直流現像バイアスが不適正な場合の画像の歪み
を例示する図である。
【図9】最適化処理の動作を示す図である。
【図10】パッチセンサの出力特性を示すグラフであ
る。
【図11】この発明にかかる画像形成装置の他の実施形
態を示す図である。
【図12】現像バイアスとトナー像の画像濃度との関係
を示す図である。
【図13】現像バイアスとトナー像の画像濃度との関係
を示す図である。
【符号の説明】
3…ロータリー現像部(現像手段) 8…露光ユニット(露光手段) 12…エンジンコントローラ(制御手段) 21…感光体 31…現像ローラ(トナー担持体) 124…CPU(制御手段) L…光ビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H027 DA09 DA10 DE02 DE07 EA02 EA05 EC03 EC06 EC07 EC18 EE08 EF01 2H073 AA02 BA03 BA04 BA13 BA28 BA35 CA14 2H076 AB02 DA07 EA01 2H077 AD06 AD35 AD36 BA10 DA04 DA31 DA47 DA62 DB08 DB13 EA16 GA13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯電した感光体の表面に光ビームを露光
    して静電潜像を形成する露光手段と、その表面にトナー
    を担持するトナー担持体を有して該トナー担持体に印加
    される現像バイアスに応じてトナーを前記感光体表面に
    移動させて前記静電潜像をトナーにより顕像化する現像
    手段と、前記現像バイアスを最適現像条件に設定すると
    ともに前記光ビームのエネルギー密度を最適露光条件に
    設定して所定の目標濃度のトナー像を形成する制御手段
    とを備える画像形成装置において、 前記感光体の光減衰特性のうち、光ビームを前記感光体
    に照射して高濃度用パッチ画像に対応する静電潜像を形
    成するとき、光ビームのエネルギー密度が増大するのに
    伴って前記感光体の表面電位が所定の電位に漸近する前
    記エネルギー密度の範囲を漸近範囲とし、 前記現像バイアスの設定可能な範囲のうち、前記高濃度
    用パッチ画像に対応する静電潜像に付着するトナー密度
    の増加に対する光学濃度の増加がほぼ飽和する現像バイ
    アスの範囲を濃度飽和範囲とするとき、 前記制御手段は、前記現像バイアスと前記光ビームのエ
    ネルギー密度との組み合わせからなる画像形成条件を前
    記濃度飽和範囲および前記漸近範囲で変更設定しながら
    各画像形成条件で低濃度用パッチ画像を形成し、その画
    像濃度に基づいて最適現像条件および最適露光条件を決
    定することを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、各画像形成条件での低
    濃度用パッチ画像の画像濃度から現像バイアスの変更設
    定に伴う画像濃度の変化率を求め、該変化率に基づいて
    前記最適現像条件を演算する請求項1記載の画像形成装
    置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、各画像形成条件での低
    濃度用パッチ画像の画像濃度から光ビームのエネルギー
    密度の変更設定に伴う画像濃度の変化率を求め、該変化
    率に基づいて前記最適露光条件を演算する請求項1また
    は2記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記高濃度用パッチ画像がベタ画像であ
    る請求項1ないし3にいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記低濃度用パッチ画像は、互いに離隔
    配置された複数のドット、または互いに離隔配置された
    複数の1ドットラインのいずれかで構成されている請求
    項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 帯電した感光体の表面に光ビームを露光
    して静電潜像を形成する露光手段と、その表面にトナー
    を担持するトナー担持体を有して該トナー担持体に印加
    される現像バイアスに応じてトナーを前記感光体表面に
    移動させて前記静電潜像をトナーにより顕像化する現像
    手段と、前記現像バイアスを最適現像条件に設定すると
    ともに前記光ビームのエネルギー密度を最適露光条件に
    設定して所定の目標濃度のトナー像を形成する制御手段
    とを備える画像形成方法において、 前記感光体の光減衰特性のうち、光ビームを前記感光体
    に照射して高濃度用パッチ画像に対応する静電潜像を形
    成するとき、光ビームのエネルギー密度が増大するのに
    伴って前記感光体の表面電位が所定の電位に漸近する前
    記エネルギー密度の範囲を漸近範囲とし、 前記現像バイアスの設定可能な範囲のうち、前記高濃度
    用パッチ画像に対応する静電潜像に付着するトナー密度
    の増加に対する光学濃度の増加がほぼ飽和する現像バイ
    アスの範囲を濃度飽和範囲とするとき、 前記現像バイアスと前記光ビームのエネルギー密度との
    組み合わせからなる画像形成条件を前記濃度飽和範囲お
    よび前記漸近範囲で変更設定しながら各画像形成条件で
    低濃度用パッチ画像を形成する工程と、 前記低濃度用パッチ画像の画像濃度を検出する工程と、 検出された画像濃度に基づいて前記最適現像条件および
    前記最適露光条件を求める工程とを備えたことを特徴と
    する画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007298949A (ja) * 2006-04-06 2007-11-15 Canon Inc 画像形成装置の制御方法
JP2009093007A (ja) * 2007-10-10 2009-04-30 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2014122977A (ja) * 2012-12-20 2014-07-03 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

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