JP2003295501A - トナー用添加剤 - Google Patents

トナー用添加剤

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JP2003295501A
JP2003295501A JP2002102852A JP2002102852A JP2003295501A JP 2003295501 A JP2003295501 A JP 2003295501A JP 2002102852 A JP2002102852 A JP 2002102852A JP 2002102852 A JP2002102852 A JP 2002102852A JP 2003295501 A JP2003295501 A JP 2003295501A
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toner
organic resin
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monomer
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JP2002102852A
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Hiroshi Yamauchi
博史 山内
Takahiro Omura
貴宏 大村
Toshiharu Furukawa
敏治 古川
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 本発明はトナー樹脂を損傷することなく
又、マシンに傷を付けることもなく、適切な帯電性能を
賦与することができる有機樹脂微粒子であるトナー用添
加剤の提供することを目的とする。 【解決手段】本発明の有機樹脂微粒子トナー添加剤は、
平均粒子径が0.01から1.0マイクロメータである
有機樹脂微粒子分散液を、重合時又は重合後の液性調整
をして造り、或いはカルボキシル基及び/又はスルホン
酸基含有モノマーを共重合して造り、これを噴霧乾燥等
により有機樹脂微粒子とすることにより提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、電子写真トナー
への添加剤に関し、殊に有機樹脂微粒子からなるトナー
への添加剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリンター、コピー機等に用いられるト
ナーは、トナー樹脂とキャリアと呼ばれている鉄粉との
摩擦による帯電を利用した手法によって、画像を得るこ
とができるようにして、使用に供されている。
【0003】ところで、斯かる摩擦帯電の場合、接触す
る表面積、樹脂及び鉄粉双方の摩擦帯電列等により帯電
性能が決まると言われている。
【0004】しかしながら、樹脂単体では必要とされる
帯電量を得ることが困難であるとされ、当該樹脂に対し
て二酸化珪素微粉、アルミナ、酸化チタン等の金属酸化
物を添加して帯電制御することが試みられている。
【0005】例えば、特開昭58−216252号に開
示されているように、金属酸化物の表面をアミノシラン
例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
(2−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン等のシランカップリング剤及びシラザン例
えばヘキサメチルジシラザン、トリメチルエトキシシラ
ン、ジメチルシリコンオイル等の疎水化剤の両方で表面
処理したものを添加する。
【0006】斯かる金属酸化物微粉は強度が高いため
に、トナー樹脂との摩擦帯電の際、樹脂に埋没し、長時
間に亘る運転において、安定した帯電能を得ることがで
きないといった問題があり、又、斯かる添加物を樹脂に
添加すると強度が高いため、トナー樹脂を粉砕したり、
マシンを傷つけてしまうおそれがあり、長期運転で安定
した画像をだしづらいという問題があった。
【0007】そこで、マシンに傷を付けにくくするため
に上記無機系微粉の代わりに有機樹脂微粉を用いること
が試みられた。例えば特開平5−333585に開示さ
れているような電子写真トナー用外添剤である。斯かる
微粒子はトナー樹脂の粉砕を防止することやマシンに傷
を付けにくくすることができるが、十分な帯電性能が得
られないものであった。
【0008】十分な帯電性能とは主に、電子写真装置運
転環境によって帯電量が変化しないこと、つまり高温高
湿下、低温低湿下何れにおいても帯電量が変化しないこ
とである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは、トナー樹脂に対して、損傷を与えることなく優
れた帯電性能を与えると共に、経時的な帯電量変化を安
定に保つ機能を有する有機樹脂微粒子であるトナー用添
加剤を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らの知見によれ
ば、全酸価が2以上である有機樹脂微粒子をトナー樹脂
に加えるとき、又は液性がpH8以下である重合液から
得た有機樹脂微粒子をトナー樹脂に加えるとき、安定し
た帯電性能が得られることを見いだした。更に、カルボ
キシル基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマーを特
定量含んだ共重合体である有機樹脂微粒子をトナー樹脂
に加えることも安定な帯電性能が得られることに寄与す
ることが見いだされた。また、上記目的を達成すべくさ
らなる検討したところ、正帯電性モノマーを含む重合体
である樹脂微粒子をトナー樹脂に加えることも安定な帯
電性能が得られることに寄与することが見いだされた。
本発明は斯かる知見に基づいてなされたものである。
【0011】即ち、本発明は、(1)平均粒径が0.0
1〜1マイクロメータであり、全酸価が2以上である樹
脂微粒子からなることを特徴とするトナー用添加剤、
(2)平均粒径が0.01〜1マイクロメータであり、
樹脂微粒子を固形分換算で20重量%含む水分散液に調
製したときに、該水分散液がpH8以下を示す樹脂微粒
子であることを特徴とするトナー用添加剤、(3)平均
粒径が0.01〜1マイクロメータであり、カルボキシ
ル基含有モノマー及び/又はスルホン酸基含有モノマー
を0.1重量%以上含有する重合性モノマーを重合する
ことにより得られる樹脂微粒子であることを特徴とする
トナー用添加剤、(4)カルボキシル基含有モノマー及
びスルホン酸基含有モノマーを除く重合性モノマーの重
合が開始した後に、カルボキシル基含有モノマー及び/
又はスルホン酸基含有モノマーを添加し、重合すること
を特徴とするトナー用添加剤の製造方法、(5)平均粒
径が0.01〜1マイクロメータであり、正帯電性モノ
マーを含有する重合性モノマーを重合することにより得
られる樹脂微粒子であることを特徴とするトナー用添加
剤、である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において提供される有機樹
脂微粒子は、エチレン性不飽和モノマーを使用して、水
を主とする分散媒中で、必要に応じ保護コロイド、界面
活性剤を使用し、重合開始剤を加え、乳化重合、ソープ
フリー重合、懸濁重合,分散重合等の重合方法によって
重合を行い、スプレードライ、フリーズドライ、熱風乾
燥、真空乾燥等の手法で乾燥して造られる。
【0013】ここにおいて、使用されるエチレン性不飽
和モノマーとしては、スチレン系モノマー、アクリル系
モノマー、ビニル系モノマー等が挙げられ、単独又は2
種以上を混合して使用される。
【0014】使用される重合開始剤としては、過酸化水
素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナト
リウム、アゾビスイソブチロニトリル、過安息香酸、
4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸ナトリウム、ク
メンヒドロパーオキシド等ラジカル発生剤が、1種又は
2種以上好適に用いられる。
【0015】レドックス重合においては、上記過酸化物
と二価の鉄塩、亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン又はヒド
ラジン等を組み合わせて重合を行う。
【0016】重合に際し、使用される保護コロイドとし
ては、ポリビニールアルコール(全加水分解物、部分加
水分解物)が、界面活性剤を使用する場合における界面
活性剤としては、高級アルコール硫酸エステルナトリウ
ム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、スルホ
コハク酸ジアルキルエステルナトリウム、脂肪酸ナトリ
ウム、脂肪酸カリウム等のアニオン性界面活性剤、アル
キルフェノールエチレンオキサイド付加物、高級アルコ
ールエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコ
ールエチレンオキサイド付加物等のノニオン性界面活性
剤、高級アミンハロゲン酸塩、ハロゲン化アルキルピリ
ジニウム等のカチオン界面活性剤が挙げられる。
【0017】ここにおいて使用されるスチレン系モノマ
ーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチ
ルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4
−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,
4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、
2,4,5−トリメチルスチレン、2,4,6−トリメ
チルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、p−
n−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレンp−n−
ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n
−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェ
ニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロル
スチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プ
ロピルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、
ヨードスチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレン等
が挙げられる。中でもスチレンが好適に用いられる。こ
れらのスチレン系モノマーは単独で用いることもでき、
又2種類以上を併用することもできる。
【0018】次に、アクリル系モノマーとしては、(メ
タ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト等のアルキル(メタ)アクリレート、アクリロニトリ
ル、(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノアチル(メタ)アクリレート、グリ
シジル(メタ)アクリルアキド等が挙げられる。中でも
メタクリレート、殊にメチルメタクリレートが好適に用
いられる。これらのアクリル系モノマーは単独で用いる
こともでき、又2種以上を併用することもできる。
【0019】更に、ビニル系モノマーとしては、ビニル
ピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、ジ
ビニルベンゼン、酢酸ビニル、ブタジエン、イソプレ
ン、クロロプレン、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニ
リデン等が挙げられる。これらは単独で用いることもで
き、又2種以上を併用することもできる。
【0020】更に、本発明において、特定量のカルボキ
シル基及び/又はスルホン酸基を含む有機樹脂微粒子
は、カルボキシル基含有モノマー及び/又はスルホン酸
基含有モノマーと他の重合性モノマーとの共重合によっ
て造られるところ、その重合割合は、全重合性モノマー
100重量部の中、カルボキシル基含有モノマー及び/
又はスルホン酸基含有モノマーを0.1重量部〜50重
量部の割合で使用して、通常行われているラジカル重
合、レドックス重合等により共重合される。
【0021】共重合は水を媒体として、ポリビニルアル
コール、界面活性剤を分散させ、これに、所定量のカル
ボキシル基含有モノマー及び/又はスルホン酸基含有モ
ノマーと共重合される他の重合性モノマーの所定量とを
加えて、分散させ、攪拌下に重合開始剤を加えて、行わ
れる。
【0022】ここにおいて、カルボキシル基含有モノマ
ー及び/又はスルホン酸基含有モノマーは、最初から他
の重合性モノマーと一緒に加えて、同時期に重合を開始
しすることができ、他の重合性モノマーを先に重合開始
させ、暫くしてから添加して共重合させることもでき
る。好ましくは、他の重合性モノマーを先に重合開始さ
せ、その重合開始から10分以上後、更に好ましくは6
0分以上後から添加して、共重合させるのが良い。
【0023】これによって、カルボキシル基及び/又は
スルホン酸基が共重合体微粒子の表面側に多くなるから
である。従って、斯かる共重合体は、トナー用樹脂に添
加した際、トナー用樹脂の耐電性の向上効果を発揮す
る。
【0024】ここにおいて、本発明の有機樹脂微粒子か
らなるトナー添加剤は、カルボキシル基含有モノマー及
び/又はスルホン酸基含有モノマーを他の共重合性モノ
マーと重合することによって、所定の性能を備えた有機
樹脂微粒子からなるトナー添加剤が得られるところ、カ
ルボキシル基含有モノマー及び/又はスルホン酸基含有
モノマーとしては以下のものが挙げられる。
【0025】即ち、カルボキシル基含有モノマーとして
は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、ビニール
グリコール酸、ビニール酢酸などが挙げられる。スルホ
ン酸基含有モノマーとしては、スチレンスルホン酸、ビ
ニルスルホン酸、ビニルナフタレンスルホン酸等が挙げ
られる。
【0026】これらのカルボキシル基含有モノマー及び
/又はスルホン酸基含有モノマーは他の重合性モノマー
と共重合して本発明のトナー添加用樹脂を与えるとこ
ろ、その使用量は、全重合性モノマー100重量部の
中、0.1重量部〜50重量部であることが好ましい。
【0027】使用量が0.1重量部以下であるときは、
帯電性能に効果が観られない。一方、50重量部を超え
ると、分散媒中へ重合物が膨潤しゲル化が起こり適切な
重合物を得ることができない。
【0028】カルボキシル基含有モノマー及びスルホン
酸基含有モノマーと共重合する他の重合性モノマーとし
ては、上記したスチレン系モノマー、アクリル系モノマ
ー、ビニル系モノマーが挙げられる。
【0029】本発明に係る有機樹脂微粒子粉末は、上記
したところに従い得られる有機樹脂微粒子分散液から、
実質的に球状を保持できる方法であれば、いかなる方法
であっても良いが、乾燥して、粉末とすることによっ
て、トナー樹脂に添加する有機樹脂微粒子粉末を得る。
ここにおいて適用される乾燥方法としては、噴霧乾燥器
を用いるスプレードライ法、凍結乾燥器を用いるフリー
ズドライ法、熱風乾燥法、真空乾燥法等が挙げられる
が、中でもスプレードライ法、フリーズドライ法が生産
性の点で好ましい。スプレードライ法に使用される噴霧
乾燥器としては、四流体ノズルを備えた藤崎電機社製の
「MDL−050」、「MDP−050」が使用され
る。
【0030】ここにおいて得られる有機樹脂微粒子粉末
の全酸価を2以上にするためには、重合時に使用される
重合触媒の選択とその使用量が重要であるところ、使用
される重合触媒としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸
カリウム等の酸性触媒であり、その使用量は全重合性モ
ノマー100重量部に対して、0.1から10重量部と
するのがよい。少ないときは所望の全酸価が得られない
し、多いときは異常重合が起こりブロック状の重合物が
生成するので好ましくない。
【0031】更に、別の方法として、重合完了後の重合
液に酸、場合によってはアルカリを加えて、重合液の液
性をpH8以下に調整した後、乾燥して有機樹脂微粒子
を得ることが行われる。使用される酸としては、硫酸、
硝酸、燐酸等の無機酸、コハク酸、イタコン酸、酒石酸
等の有機酸が挙げられる。アルカリとしては水酸化ナト
リウム又は水酸化カリウム等の強アルカリでもよいし、
アンモニア、炭酸ナトリウムなどの弱アルカリでも構わ
ない。
【0032】本発明にかかるトナー用添加物の他の態様
としては、正帯電性モノマーを含有する重合性モノマー
を重合することにより得られる樹脂微粒子であって、前
記微粒子の平均粒径が0.01〜1マイクロメータであ
る樹脂微粒子が挙げられる。上記正帯電性モノマーとし
ては、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチル
アミノエチルメタクリレート若しくはジメチルアミノエ
チルメタクリレート四級化物等のジアルキルアミノエチ
ルエステル;フェニルグリシジルエーテルアクリレート
ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニルグリシジル
エーテルアクリレートトリレンジイソシアネート、ペン
タエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイ
ソシアネート、フェニルグリシジルエーテルアクリレー
トイソホロンジイソシアネート、グリセリンジメタクリ
レートイソホロンジイソシアネート、ペンタエリスリト
ールトリアクリレートトリレンジイソシアネート若しく
はペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジ
イソシアネート等のウレタンアクリレート;アクリロニ
トリル;メタクリロニトリル;アクリルアミド、N−n
−ジメチルアクリルアミド、N−n−ブトキシメチルア
クリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
若しくはジメチルアミノプロピルメタクリルアミド等の
アクリルアミド;トリアリルイソシアネート;2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェ
ニル)−2H−ペンゾトリアゾール;ビニルピロリド
ン;ビニルカプロラクタム;ビニルカルバゾール;1−
ビニルイミダゾール;2−メチル−1−ビニルイミダゾ
ール;ビニルピリジン、2−ビニル−6−メチルピリジ
ン、2−ビニル−5−エチルピリジン、2−(4−ピリ
ジル)−アリルアルコール、2−ヒドロキシメチル−2
−(4−ピリジル)−1,3−プロパンジオール、2,
6、−ルチジン、2,4−ルチジン、3,4−ルチジ
ン、2−クロルピリジン、2,6−ジクロルピリジン、
4−フェニルプロピルピリジン、2−アミノピリジン、
3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2,6−ジ
アミノピリジン、2−アミノ−6−ピコリン、2−(メ
チルアミノエチル)ピリジン、2−メチル−5−ブチル
ピリジン、2−プロピルピリジン、2,4,6−コリジ
ン若しくは4−ジメチルアミノピリジン等のピリジン塩
基類;またはピラジン、2−メチルピラジン、2,5−
ジメチルピラジン、2−ピラジンカルボン酸、2−アミ
ノピラジン、2−シアノピラジン、ピラジナマイド、ピ
ラジン−N−オキサイド若しくは2,5−ジメチルピラ
ジン−N−オキサイド等のピラジンが挙げられる。
【0033】上述のような正帯電性モノマーを重合する
方法は、公知の方法を用いてよい。また、正帯電性モノ
マーを重合する際に、正帯電性モノマー以外の重合成モ
ノマーが含まれていてもよい。正帯電性モノマーを重合
する方法として、具体的には懸濁重合法または乳化重合
法などが挙げられ、中でも乳化重合法を用いることが好
ましい。乳化重合法は、正帯電性モノマーを乳化剤によ
り、水性媒体中に乳化させ、水溶性重合開始剤で重合、
脱水乾燥することにより、樹脂微粒子を合成する方法で
ある。上記乳化重合法において用いられる乳化剤として
は、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル若しく
は脂肪酸ジエタノールアマイド等のポリオキシエチレン
アルキルアミン類;アルキルトリメチルアンモニウムク
ロライド若しくは第一工業製薬社製 シャロールDC等
の第四級アンモニウム塩系活性剤;アンモニウム−α−
スルホナト−ω−1−(アリルオキシメチル)アルキル
オキシポリオキシエチレン;ラウリル硫酸トリエタノー
ルアミン;ラウリル硫酸アンモニウム;ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン;ポリ
オキシエチレンアルキルアミン;アルキルアルカノール
アミド;アルキルアミンアセテート;アルキルアミン塩
酸塩;アルキルトリメチルアンモニウムクロライド;ま
たはアルキルペタインが挙げられる。また、上記乳化重
合法において用いられる水溶性重合開始剤も、当技術分
野で公知の化合物を用いることができ、例えば、過硫酸
アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス
(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、
2,2’−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸
塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’
−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、
硫酸第一鉄又は過酸化水素が挙げられる。
【0034】全酸価の測定方法 有機樹脂微粉末2gを30ミリリットルのメチルエチル
ケトンに分散し、1パーセントフェノールフタレンを数
滴加える。1/50NのKOH/イソプロピルアルコー
ル(IPA)溶液で滴定し、薄桃色に着色したときの滴
下量を計測し、次式に従い算出する。 全酸価量A=0.02 x b x 56.11/a a:有機微粉末量 b:KOH/IPA滴下量
【0035】平均粒子径の測定方法 レーザー回折散乱を利用した粒度分布計を用いて、イオ
ン交換水又は純水で希釈した有機樹脂微粒子分散液中の
有機樹脂微粒子の粒子径を測定し、体積平均粒子径をも
って平均粒子径とした。粒度分布計としては、堀場製作
所の「LA−910」、日機装社製の「マイクロトラッ
クUPA粒度分析計」がある。
【0036】pHの測定方法 重合液を固形分比率が20パーセントとなるように、水
を加えて希釈し、又は蒸発させて濃縮した分散液のpH
を、堀場製作所製のpH測定器を用い、3分後の値を読
みとり測定値とする。
【0037】帯電評価方法 トナー用樹脂8gと本発明の有機樹脂微粒子0.4gの
混合物0.8gを、キャリア鉄粉19.2gと共にポリ
エチレン瓶に入れ、開封のまま、高温高湿(C HH)(温
度30℃湿度85%RH)、中温中湿(CNN)(温度2
0〜25℃湿度50%RH)、低温低湿(CLL)(温度
10℃湿度25%RH)の雰囲気下で24時間以上静置
した後、容器の蓋を閉め、手振り15回を行った後、腕
振り振盪機又はペイントシェーカーで10分間振盪す
る。
【0038】得られた混合粉0.2gを秤量し、ブロー
オフ測定装置(ファラデーケージ、ブロー・吸引部、電
荷測定部で構成)ブローオフ電荷量を測定する。得られ
た電荷量をトナー用樹脂と本発明に係る有機樹脂微粒子
の混合物としての単位重量当りの電荷量に換算し、各々
の条件下の値とする。
【0039】CLL/CHHが0.8〜2.0未満を○、
2.0〜3.0未満を△、3.0以上をXとして、帯電
環境差を評価した。
【0040】
【実施例】以下に実施例を記述して、本発明を具体的に
詳述するが、これによって本発明が制限を受けるもので
はない。
【0041】実施例1 撹拌機、滴下ロート、窒素ガス導入管及び還流冷却器を
備えた2リットルのセパラブルフラスコ中に、イオン交
換水1044g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムの10重量パーセント水溶液24g、メチルメタクリ
レート120gを加え、ホモジナイザーで乳化した。窒
素ガス気流下、攪拌(150回/分)しながら70℃に
昇温し、30分経過後に、重合開始剤として過硫酸アン
モニウム0.6gを添加し、70℃で6時間重合反応を
行った。次いで40℃以下に冷却して、重合物である有
機樹脂微粒子分散液を得た。堀場製作所製の粒度分布計
により平均粒子径を測定したところ分散液の平均粒子径
は0.16マイクロメータであった。分散液の液性はp
H3.0であった。
【0042】ここに得られた有機樹脂微粒子分散液を、
藤崎電機社製の噴霧乾燥器「MDL−050」を用いて
乾燥し、白色粉末状の有機樹脂微粒子を得た。全酸価は
3.0であった。
【0043】実施例2 実施例1で得た有機樹脂微粒子分散液100重量部に対
し、1N硫酸0.1重量部添加、攪拌した。分散液の液
性はpH2.0であった。当該分散液を藤崎電機社製の
噴霧乾燥器「MDL−050」を用いて乾燥し、白色粉
末状の有機樹脂微粒子を得た。全酸価は4.0であっ
た。
【0044】実施例3 実施例1で得た有機樹脂微粒子分散液100重量部に対
し、1N水酸化ナトリウムを0.1重量部添加、攪拌し
た。分散液の液性はpH5.0であった。当該分散液を
藤崎電機社製の噴霧乾燥器「MDL−050」を用いて
乾燥し、白色粉末状の有機樹脂微粒子を得た。全酸価は
2.5であった。
【0045】実施例4 撹拌機、滴下ロート、窒素ガス導入管及び還流冷却器を
備えた2リットルのセパラブルフラスコ中に、イオン交
換水1044g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムの10重量パーセント水溶液24g、メチルメタクリ
レート115g、メタクリル酸5gを加え、ホモジナイ
ザーで乳化した。窒素ガス気流下、攪拌(150回/
分)しながら70℃に昇温し、30分経過後に、重合開
始剤として過硫酸アンモニウム0.6gを添加し、70
℃で6時間重合反応を行った。次いで40℃以下に冷却
して、重合物である有機樹脂微粒子分散液を得た。堀場
製作所製の粒度分布計により平均粒子径を測定したとこ
ろ分散液の平均粒子径は0.10マイクロメータであっ
た。分散液の液性はpH2.9であった。
【0046】ここに得られた有機樹脂微粒子分散液を、
藤崎電機社製の噴霧乾燥器「MDL−050」を用いて
乾燥し、白色粉末状の有機樹脂微粒子を得た。全酸価は
3.4であった。
【0047】実施例5 撹拌機、滴下ロート、窒素ガス導入管及び還流冷却器を
備えた2リットルのセパラブルフラスコ中に、イオン交
換水1044g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムの10重量パーセント水溶液24g、メチルメタクリ
レート115gを加え、ホモジナイザーで乳化した。窒
素ガス気流下、攪拌(150回/分)しながら70℃に
昇温し、30分経過後に、重合開始剤として過硫酸アン
モニウム0.6gを添加し、70℃で重合反応を開始
し、10分後にメタクリル酸5gを加え、6時間重合反
応を続けた。次いで40℃以下に冷却して、重合物であ
る有機樹脂微粒子分散液を得た。堀場製作所製の粒度分
布計により平均粒子径を測定したところ分散液の平均粒
子径は0.12マイクロメータであった。分散液の液性
はpH2.6であった。
【0048】ここに得られた有機樹脂微粒子分散液を、
藤崎電機社製の噴霧乾燥器「MDL−050」を用いて
乾燥し、白色粉末状の有機樹脂微粒子を得た。全酸価は
3.3であった。
【0049】実施例6 撹拌機、滴下ロート、窒素ガス導入管及び還流冷却器を
備えた2リットルのセパラブルフラスコ中に、イオン交
換水1044g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムの10重量パーセント水溶液24g、メチルメタクリ
レート115gを加え、ホモジナイザーで乳化した。窒
素ガス気流下、攪拌(150回/分)しながら70℃に
昇温し、30分経過後に、重合開始剤として過硫酸アン
モニウム0.6gを添加し、70℃で重合反応を開始
し、60分後にメタクリル酸5gを加え、5時間重合反
応を続けた。次いで40℃以下に冷却して、重合物であ
る有機樹脂微粒子分散液を得た。堀場製作所製の粒度分
布計により平均粒子径を測定したところ分散液の平均粒
子径は0.14マイクロメータであった。分散液の液性
はpH2.4であった。
【0050】ここに得られた有機樹脂微粒子分散液を、
藤崎電機社製の噴霧乾燥器「MDL−050」を用いて
乾燥し、白色粉末状の有機樹脂微粒子を得た。全酸価は
3.6であった。
【0051】比較例1 実施例1において、過硫酸アンモニウムの使用量を0.
05gとした外は、実施例1と同様にして有機樹脂微粒
子分散液を得た。堀場製作所製の粒度分布計により平均
粒子径を測定したところ分散液の平均粒子径は0.25
マイクロメータであった。
【0052】ここに得られた有機樹脂微粒子分散液を、
藤崎電機社製の噴霧乾燥器「MDL−050」を用いて
乾燥し、白色粉末状の有機樹脂微粒子を得た。全酸価は
1.5であった。
【0053】比較例2 平均粒子径が0.01マイクロメータのシリカ微粉を有
機樹脂微粒子粉末の代わりに使用した。全酸価は0.1
以下であった。
【0054】比較例3 比較例1で得た有機樹脂微粒子分散液100重量部に対
し、1N水酸化ナトリウム10重量部を加えた。分散液
の液性はpH10であった。藤崎電機社製の噴霧乾燥器
「MDL−050」を用いて乾燥し、白色粉末状の有機
樹脂微粒子を得た。全酸価は0.1以下であった。
【0055】比較例4 比較例1において、過硫酸アンモニウムの使用量を0.
01gとした外は同様にして、有機樹脂微粒子分散液を
得た。分散液の平均粒子径は0.25マイクロメータで
あった。藤崎電機社製の噴霧乾燥器「MDL−050」
を用いて乾燥し、白色粉末状の有機樹脂微粒子を得た。
全酸価は0.1以下であった。
【0056】比較例5 比較例として二酸化ケイ素を主成分とする平均粒子径
0.016マイクロメータのシリカを用いた。
【0057】トナー用樹脂の表面観察 実施例及び比較例で得た有機樹脂微粒子粉末1重量部を
スチレン−アクリル系トナー用樹脂100重量部に加
え、コーヒミルで1分混合し、トナー樹脂の表面を、電
子顕微鏡(SEM)により観察した。トナー樹脂への埋
没の有無(有はX、無は○)、トナー樹脂の傷の有無
(有はX、無は○)を評価した。
【0058】帯電性能 実施例及び比較例の微粒子粉末について、前記したとこ
ろに従い帯電性能を測定し、評価を行った。
【0059】結果を表1に示す。
【表1】 表中実施例4乃至6及び比較例4、5における帯電環境
差の欄はCNNにおける測定帯電量を、−0.1〜−5μ
C/gは◎、−5〜−10μC/gは○、−10〜−2
0μC/gは△、−20μC/g以下はXにランク分け
し、表示した。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、トナー樹脂への添加剤
が有機樹脂微粒子であるために、トナー樹脂に埋没した
り、これを傷つけたりすることがなく、又、帯電性能に
おいて、環境による帯電変化が少なく、従って安定した
帯電性能を維持できる電子写真用のトナーが得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が0.01〜1マイクロメータ
    であり、全酸価が2以上である樹脂微粒子からなること
    を特徴とするトナー用添加剤。
  2. 【請求項2】 平均粒径が0.01〜1マイクロメータ
    であり、樹脂微粒子を固形分換算で20重量%含む水分
    散液に調製したときに、該水分散液がpH8以下を示す
    樹脂微粒子であることを特徴とするトナー用添加剤。
  3. 【請求項3】 平均粒径が0.01〜1マイクロメータ
    であり、カルボキシル基含有モノマー及び/又はスルホ
    ン酸基含有モノマーを0.1重量%以上含有する重合性
    モノマーを重合することにより得られる樹脂微粒子であ
    ることを特徴とするトナー用添加剤。
  4. 【請求項4】 カルボキシル基含有モノマー及びスルホ
    ン酸基含有モノマーを除く重合性モノマーの重合が開始
    した後に、カルボキシル基含有モノマー及び/又はスル
    ホン酸基含有モノマーを添加し、重合することを特徴と
    するトナー用添加剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 平均粒径が0.01〜1マイクロメータ
    であり、正帯電性モノマーを含有する重合性モノマーを
    重合することにより得られる樹脂微粒子であることを特
    徴とするトナー用添加剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017194542A (ja) * 2016-04-20 2017-10-26 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用トナーの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017194542A (ja) * 2016-04-20 2017-10-26 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用トナーの製造方法

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