JP2003294931A - カラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

カラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法

Info

Publication number
JP2003294931A
JP2003294931A JP2002095963A JP2002095963A JP2003294931A JP 2003294931 A JP2003294931 A JP 2003294931A JP 2002095963 A JP2002095963 A JP 2002095963A JP 2002095963 A JP2002095963 A JP 2002095963A JP 2003294931 A JP2003294931 A JP 2003294931A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic polymer
layer
color filter
polymer layer
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002095963A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4254119B2 (ja
Inventor
Masanori Okamura
昌紀 岡村
Masayuki Ogawa
正幸 小川
Yasushi Kobayashi
裕史 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2002095963A priority Critical patent/JP4254119B2/ja
Publication of JP2003294931A publication Critical patent/JP2003294931A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4254119B2 publication Critical patent/JP4254119B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】基板上に有機高分子層を重ね合わせたカラーフ
ィルタの製造方法において、有機高分子層間の密着力不
足に起因する表示不良の発生を防止するために、下側有
機高分子層表面の洗浄・改質を経済性・生産性を損なう
ことなく実施し、有機高分子層間の密着力を強化する。 【解決手段】基板上に積層された有機高分子層(下側有
機高分子層)の表面にさらに有機高分子層(上側有機高
分子層)が積層された構造を有するカラーフィルタの製
造方法において、前記下側有機高分子層の、少なくとも
前記上側有機高分子層が積層される側の表面を、上側有
機高分子層が積層される前に、大気圧下もしくは大気圧
近傍下で生成された大気圧プラズマに曝すことを特徴と
するカラーフィルタの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー液晶表示装
置に用いられるカラーフィルタ及びカラーフィルタの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルタの製造工程は、ガラス等
の透明基板上に真空成膜法等を用いてクロムを成膜した
後、フォトレジストを塗布し、フォトマスクを配置して
露光、現像、クロムエッチング、フォトレジスト剥離を
行い、パターン状のブラック遮光層を形成する。特に最
近では地球環境への影響を考慮して、有害なクロムを使
用せず、遮光性樹脂をブラック遮光層として使用する樹
脂ブラックマトリックス(BM)が開発・生産されてい
る。また、特定のブラック遮光層を設けず、着色層を重
ね合わせて遮光層を形成するタイプのカラーフィルタも
開発・生産されている。ブラック遮光層の上から、1色
目の着色有機高分子材料を塗布した後、フォトマスクを
配置して露光し、その後現像を行い1色目のカラーパタ
ーンを形成し、同様にして2色目以降のカラーパターン
を形成する。最後に液晶駆動用の電極として用いられる
透明導電膜層をカラーパターン上に形成する工程を経て
カラーフィルタが完成する。このとき、カラーパターン
と透明導電膜層の間に、画素の保護やカラーパターンの
平坦化を目的として、有機高分子材料からなるオーバー
コート層を形成する場合もある。
【0003】このようにカラーフィルタの製造工程は基
板上に遮光層、着色層を順次パターン形成していく。そ
のため遮光層もしくは着色層のパターニングの際にアラ
イメントのズレが生じると、遮光層と着色層もしくは着
色層間に隙間が形成され、その隙間は白色光を透過させ
る白ヌケ欠陥となり、カラーフィルタの品質・歩留まり
を大きく低下させる原因となる。そこで通常、着色層の
一部分を遮光層の上に重ねた構造にすることで、アライ
メントズレの際に生じる白ヌケ欠陥の発生を防止し、遮
光層と着色層とのアライメントマージンを確保してい
る。しかしこの場合、遮光層の線幅を各着色層の間隔の
幅より大きく設定する必要があるため、カラーフィルタ
の開口率が低下し、表示輝度の低下をまねく問題点が存
在する。特に近年、たとえば低温poly-Si TFTに代表さ
れるような高精細の液晶表示装置の開発が進むにつれ、
カラーフィルタにもより高光透過・高開口率が求められ
るようになり、遮光膜の線幅はより狭くなっている。そ
のため例えば遮光膜上において2色以上の着色層が重な
りあう構造を有するカラーフィルタや、さらには特開平
2−287303号公報や特開平10−62768号公
報、特開2000−89215公報などに示されている
ように、特別な遮光膜層を設けず、2色以上の異なる色
の着色層を重ねた箇所で遮光をおこなうカラーフィルタ
が開発されている。
【0004】また従来のカラー液晶表示装置は、液晶層
の厚み(セルギャップ)を保持するために、薄膜トラン
ジスタ(TFT)や複数の走査電極などを具備した電極
基板とカラーフィルタ基板との間に球形のプラスチック
ビーズやガラス繊維ビーズを挿入しスペーサとして使用
している。しかしこのプラスチックビーズなどのスペー
サーは気流に乗せて散布されるため位置が定まらず、例
えば画素上に位置したスペーサーによって光の散乱や透
過により液晶表示装置の表示品位が低下する問題点があ
った。この問題点を解決するため例えば特開昭56−1
40324号公報、特開昭63−824054号公報、
特開平4−93924号公報、特開平5−196946
号公報、特開平7−318950号公報などに示されて
いるように、カラーフィルタを形成する着色層を重ね合
わせてスペーサーを形成した液晶表示装置や、さらに特
開2000−89026号公報に示させているように着
色層の上に別途有機高分子よりなるスペーサーを形成す
る方法が開示されている。
【0005】このようにカラーフィルタは、近年の高詳
細化・高性能化が進むにつれ遮光層や着色層などカラー
フィルタを構成する有機高分子層間の重ね合わせ、積層
構造がますます増加しており、かつその重ね合わせが遮
光層やスペーサなど、カラーフィルタやカラー液晶表示
装置にとって不可欠な機能・役割を有する場合が増えて
きている。ところが従来のカラーフィルタの作成方法で
は、この重ね合わせた有機高分子層間の密着性が悪く、
重ね合わせた層と層との間で剥がれや反り・ヌケなどが
生じ、例えば遮光層の白ヌケ・シワ・ムラなど外観不良
や、スペーサーの部分的な欠如によるギャップ不良な
ど、液晶表示装置にとって致命的な表示不良の発生原因
となる問題が生じた。
【0006】そこで通常、有機高分子間の密着力を向上
するため、有機高分子層を形成する前に下側有機高分子
層表面の洗浄・汚染物質の除去を行っている。洗浄方法
としては大別すると乾式洗浄と洗浄液を用いた湿式洗浄
とに分けられる。乾式洗浄としては、例えば、特開昭5
8−147143号公報や特開平4−116837号公
報に示されているように、真空中でのプラズマ放電によ
り被洗浄面をアッシングして汚れを除去するプラズマ洗
浄、紫外線のエネルギーを利用して有機物の化学結合を
切断するとともに空気中の酸素を励起し励起酸素により
汚れを分解する紫外線オゾン洗浄などがあり、なかでも
中心波長が172nmのエキシマランプを用いた紫外線
オゾン洗浄は、従来の低圧水銀ランプを用いた場合より
高密度で励起酸素を生成できるため高速洗浄として用い
られている。しかしながら前記プラズマ洗浄においては
減圧下で行うため真空ポンプやチャンバーなどの真空設
備が必要であり装置が大型化し製造コストが高くなる問
題点が存在する。また紫外線オゾン洗浄はより効果を高
めるためには長時間の処理が必要であるが、長時間の処
理を実施した場合、例えば着色層の変色などのように、
カラーフィルタを構成する有機高分子層の品質に悪影響
を及ぼす問題点が存在する。
【0007】一方、湿式洗浄は薬品水溶液、有機溶剤、
界面活性剤、洗浄剤溶液、イオン水、オゾン水、水など
の液体の洗浄液を使用しておこなう洗浄である。このと
きこれら洗浄液を洗浄すべき対象基板面や汚染物質など
により適宜選択するとともに、物理的洗浄方法と組み合
わせて使用する。物理的洗浄方法としては、回転するブ
ラシに洗浄液をかけながら被洗浄面に押し当ててこすり
洗いをするブラシ洗浄、ノズルから洗浄液を噴射して被
洗浄面にあて表面汚れを剥離するとともに洗い流すジェ
ットスプレー洗浄、洗浄液に浸漬した被洗浄物に超音波
をあてキャビテーションにより付着物の剥離や汚れの洗
浄液への溶解分散を促進して洗浄をおこなう超音波洗
浄、1MHz前後の周波数帯域の超音波により振動加速
度を洗浄液の分子に与えて被洗浄面を洗浄するメガソニ
ック洗浄などが一般的に使用されている。しかしこれら
湿式洗浄はいずれの方式においても、基板表面のパーテ
ィクルの除去には効果があるものの有機高分子膜間の密
着力強化のための本質改善には不十分である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らが、
有機高分子層間のさらなる密着力強化を図るための検討
を行った結果、密着力強化を達成するためには下側有機
高分子層表面の洗浄に加え、さらなる表面の改質が不可
欠であるという知見を得た。つまり本発明は、有機高分
子層間のさらなる密着力強化を目的としてなされたもの
であり、有機高分子層間の密着力を向上させるために下
側有機高分子層表面の洗浄・改質を経済性・生産性を損
なうことなく実施し、重ね合わせた部分の剥がれ・ヌケ
の発生しない信頼性の高いカラーフィルタおよびカラー
フィルタの製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記問題点を解決するた
めに、本発明のカラーフィルタは以下の構成をとる。す
なわち、基板上に積層された有機高分子層(下側有機高
分子層)の表面にさらに有機高分子層(上側有機高分子
層)が積層された構造を有するカラーフィルタの製造方
法において、前記下側有機高分子層の、少なくとも前記
上側有機高分子層が積層される側の表面を、上側有機高
分子層が積層される前に、大気圧下もしくは大気圧近傍
下で生成された大気圧プラズマに曝すことを特徴とする
カラーフィルタの製造方法である。
【0010】または、前記製造方法を用いて製造したこ
とを特徴とするカラーフィルタである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において有機高分子層(上
側有機高分子層と下側有機高分子層を総称して言う場
合、単に「有機高分子層」という)の材質は特に限定さ
れるものではなく、180℃以上のアニール処理でも軟
化、分解、着色を生じない材料が好適に用いることがで
き、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、
アクリル樹脂、ポリビニールアルコール樹脂、メラミン
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイ
ミド樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1つの樹脂
が好ましく用いることができる。これらの樹脂は感光性
または非感光性の材料が好ましく用いられる。これらの
中でも耐熱性、密着性に優れているポリイミド樹脂、ア
クリル樹脂もしくはエポキシ樹脂がより好ましい。これ
らの樹脂のうち、1種類だけを用いても良いし、複数用
いて、混合物層、もしくは異種樹脂の多層を形成しても
良い。また、これらを上側有機高分子層または下側有機
高分子層の何れに用いても良い。
【0012】本発明における有機高分子層で如何なる種
類の層を形成するかは特に限定されず、例えばカラーフ
ィルタを構成する遮光層(ブラックマトリックス層)、
着色層、オーバーコート層、スペーサー層、またカラー
フィルタ上に形成する配向膜、シール材として好適に用
いられ、中でも着色層を重ね合わせて遮光層やスペーサ
ー層を形成する際に最も好適に用いられる。もちろん例
えば遮光層上に着色層を重ね合わせる際や、着色層上に
オーバーコート層や、スペーサー層を形成する際のよう
に異なる有機高分子層・材料を重ね合わせる際にも良好
に使用することができる。
【0013】また、前記有機高分子層を形成する積層形
態も特に限定されるものではなく、例えば、前記有機高
分子層を基板の全面に積層しても良いし部分的に積層し
ても良い。これは上側有機高分子層、下側有機高分子層
のいずれの場合でも良い。更に上側有機高分子層や下側
有機高分子層をそれぞれ複数設けても良いし、1つの層
が上側高分子層も下側高分子層を兼ねていても良い。ま
た、基板と下側有機高分子層の間や上側有機高分子層の
上側(下側高分子層と面している面の反対側の面)にこ
れら以外の有機高分子や有機化合物の層や、金属、半導
体、セラミックス、無機物等の層などが設けられていて
も良い。
【0014】本発明で使用する基板は特に限定されない
が、光線透過率が高く、機械的強度、寸法安定性が優れ
たガラスが最適であり、ソーダガラス、無アルカリガラ
ス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどが好適である。
他にポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂などのプラスチック板や、ロ
ール状に巻き上げられたフィルム、さらには金属、木
材、紙なども使用できる。
【0015】本発明で使用するカラーフィルタ基板のブ
ラックマトリックス層としては特に限定されないが、ク
ロムやクロムと酸化クロムや窒化クロム、ニッケル合
金、チタン合金の多層膜などからなる無機系やアクリル
樹脂、ポリイミド樹脂などに黒色顔料を分散した有機系
の材料が用いられる。無機系、有機系とも本発明におい
て好適に用いられるが、成膜に複雑な真空系を要する無
機系に比べ製造コストの面で有利であり、地球環境への
影響も少ない有機系を用いるのが望ましい。ブラックマ
トリックス層の厚みは無機系で0.1〜0.3μm、有
機系で0.5〜2μmのものが多く用いられる。ブラッ
クマトリックス層は通常フォトリソグラフィ法やインク
ジェット法、印刷法により所定のパターンを形成する。
【0016】着色層としては特に限定されないが、顔料
を樹脂に分散したものなどが用いられる。
【0017】前記有機高分子層の積層方法は特に限定さ
れるものではなく、カラーフィルタを構成する遮光層
(ブラックマトリックス層)、着色層、オーバーコート
層、スペーサー層、またカラーフィルタ上に形成する配
向膜、またはシール材として、積層する場合は、それぞ
れ常法に従って積層成形できるものである。以下に着色
層を例にとり詳細に説明する。着色層を形成する方法と
しては、例えば、着色ペーストを基板上に塗布・乾燥し
た後にパターニングを行う方法などがある。着色剤を分
散または溶解させ着色ペーストを得る方法としては、溶
媒中に樹脂と着色剤を混合させた後、三本ロール、サン
ドグラインダー、ボールミルなどの分散機中で分散させ
る方法などが用いられる。着色ペーストを塗布する方法
としては、特に限定されずディップ法、ロールコータ
法、スピナー法、ダイコーティング法、ワイヤーバー法
などの方法が好適に用いられ、この後、オーブンやホッ
トプレートを用いて加熱乾燥(セミキュア)を行う。セ
ミキュアの条件は使用する樹脂、溶媒、ペースト塗布量
により最適な値が選ばれるが、通常60〜200℃で1
〜60分加熱することが好ましい。
【0018】このようにして得られた着色ペースト被膜
は、樹脂が非感光性の場合はその上にフォトレジストの
被膜を形成した後に、また樹脂が感光性の場合はそのま
まかあるいはポリビニルアルコールなどの酸素遮断膜を
形成した後に、露光・現像を行う。その後必要に応じ
て、フォトレジストまたは酸素遮断膜を除去し、再度加
熱乾燥(本キュア)を実施する。本キュア条件は、樹脂
により異なるが、前駆体からポリイミド系樹脂を得る場
合には、通常200〜300℃で1〜60分加熱するの
が一般的である。以上のプロセスにより基板上にパター
ニングされた着色層が形成される。
【0019】ところで前記カラーフィルタの製造方法に
おいて、前記着色層の一部分が、前記遮光層の上に重な
り合うようにパターニングを行う。これは、遮光層もし
くは各着色層のパターニングの際に生じるアライメント
ズレによって着色層と遮光層との間に隙間が発生するの
を防止するためである。この時の重なり幅は遮光膜の線
幅により異なり、必要とするアライメントマージンによ
り任意に設定することができる。特に限定はされない
が、たとえば遮光膜の線幅が6μmを越える場合は、遮
光膜の線幅の5〜45%が好ましく、より好ましくは2
0〜40%である。一方遮光層の線幅が6μm以下の場
合はアライメントマージンを確保するためにも重なり幅
は遮光層の線幅の30〜80%が好ましく、より好まし
くは50〜70%である。この時、遮光層の左右に配し
た各着色層同士が遮光膜上で重なり合う構造となる場合
もある。
【0020】また、本発明においては基板上に複数色の
着色層のみを形成することにより、別途遮光層を形成す
る必要のないカラーフィルタを作成することができる。
従来遮光層が形成されていた箇所を、赤色層、緑色層、
青色層などのカラーフィルタに使われる着色層を2色以
上重ね合わせた積層構造にすることで、遮光層としての
機能を持たせるものである。この積層による遮光層は、
各着色層間の間隔よりも幅の広い遮光層を形成した従来
の方式と比較し、遮光層の幅を狭くすることが可能であ
り、カラーフィルタの開口率を大きくすることができ
る。またカラーフィルタを形成するためのフォトリソ工
程が、黒、赤、緑、青の4回から赤、緑、青の3回に減
少することができ、製造コストの低減、および製造歩留
まりの向上が達成できる。
【0021】また本発明においては、必要に応じて有機
高分子層を重ね合わせた、スペーサーを形成することが
できる。積層スペーサーの構造は特に限定されず、様々
な積層構造のものが使用されるが、例えば遮光層の上に
1色もしくは複数色の着色層を重ね合わせてスペーサー
としたものが、着色層を形成する際のフォトリソ工程で
同時に形成することができ、その結果製造コストを低く
できるため好ましく用いられる。その他、遮光層もしく
は着色層のみでスペーサーを形成したもの、さらには別
途スペーサー専用の有機高分子層を遮光層や着色層の上
もしくは下に形成したものなども好適に使用することが
できる。
【0022】本発明においては、有機高分子層間の密着
力強化を図るため、大気圧下もしくは大気圧近傍下で生
成した大気圧プラズマにより、下側有機高分子層の表面
の洗浄・改質をおこなう。大気圧プラズマ処理は、大気
圧下でプラズマ放電させることにより生成される励起活
性種により基板表面の処理を実施するため、従来のプラ
ズマ洗浄装置と異なり、真空装置を必要とせず、開放系
で使用可能である。また装置を簡単かつ小型化でき、イ
ンライン設備による連続処理が可能であり、励起活性種
を直接基板照射するため従来の紫外線オゾン洗浄などと
比較すると短時間での処理が可能である。
【0023】大気圧下もしくは大気圧近傍の圧力として
は、特に限定はされないが好ましくは0.9〜1.05
atmである。本発明における大気圧および大気圧近傍と
は、チャンバーなどにより外圧を完全に遮断し、真空ポ
ンプや加圧器など減圧や加圧のための特別な圧力調整装
置を使用して真空および加圧状態を作り出す必要のない
範囲の圧力である。例えば大気圧中でプラズマ処理をお
こなっている基板の近傍に、処理に使用したガスや処理
により発生したパーティクルを取り除くための排気ファ
ンや送風ファンを取り付けることも本発明においては好
ましく、そのときの圧力は大気圧近傍の圧力となる。
【0024】また大気圧下で生成されたプラズマは平均
自由工程が短く拡散が小さいため基板の表面のみを処理
することが可能であり基板自体への物理的および電気的
なダメージを与えにくい。つまり減圧下で生成したプラ
ズマと比較し被処理基板に与えるダメージが小さく、処
理したい箇所のみを部分的かつ選択的に処理することが
可能であり、たとえば本発明における有機高分子層の重
なり部のみを処理する方法としても好適に使用すること
ができる。また表面のみを処理することができるので、
例えば着色層の処理に利用した場合にも処理前後での色
特性の変化など品質への影響も最小限に抑えることがで
きる。
【0025】大気圧プラズマの処理方法は、供給された
気体に直流の高電圧もしくは高周波電圧を印可してプラ
ズマを発生させ、そのプラズマにより励起された気体を
被処理物自体もしくはその表面に曝して基板表面を洗浄
・改質する方法が最も好適に使用できる。中でもより安
定してプラズマ放電を継続するためには、高周波電源を
使用することが好ましく、この時の供給電力として好ま
しくは300〜1000W、より好ましくは500〜7
00Wであり、周波数は1kHz以上の高周波が好まし
く、一般的に工業に用いられている13.56MHzが
最も好ましい。このとき供給する気体は不活性ガスもし
くは不活性ガスと反応ガスの混合気体を用いることが放
電を安定させるために好ましい。不活性ガスとしては、
ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトンなどを使用す
ることができるが、放電の安定性や経済性を考慮する
と、ヘリウムもしくはアルゴンもしくはこれらの混合ガ
スを使用することが好ましい。また、反応ガスは処理を
行う有機高分子層の状態に応じて任意に選択することが
できる。たとえばアクリル性の着色層表面の処理を行う
場合、酸素、空気、CO2、N2Oなどの酸化性のガスを
用いることが表面の汚染物除去・改質にはより好適であ
り、特に酸素がより効率的に表面の酸化反応を促進でき
るため好ましいが特に限定されるものではない。前記反
応性ガスの不活性ガスに対する分圧比として、好ましく
は0.001〜1であり、より好ましくは0.01〜
0.1であり、更に好ましくは0.03〜0.07であ
る。
【0026】前記プラズマ処理時間は好ましくは10〜
300秒であり、より好ましくは20〜120秒、さら
に好ましくは30〜60秒である。処理時間が短すぎる
と十分な改質効果が発揮できず、処理時間が長すぎると
生産性が大幅に悪化するのに加え処理基板にダメージを
与える恐れがある。
【0027】有機高分子層の大気圧プラズマへの曝露方
法としては、基板を直接プラズマ内へと搬送してプラズ
マ処理を実施する直接方式、プラズマ発生部にて生成さ
れた活性種を、プラズマに曝されない位置に配置された
基板へとガスなどで導き処理を行う間接方式いずれの方
法も好適に採用することができる。しかしながら、前者
の直接方式においては基板表面に突起や凹凸が存在した
場合や、たとえば遮光層をクロムで作成した場合のよう
に基板内部もしくは表面に金属が存在した場合、部分的
に強いプラズマが発生し、その結果処理範囲にバラツキ
が発生したり、基板表面に放電痕などの電気的なダメー
ジを発生するおそれがある。そのため直接方式を採用す
る場合、放電状態、処理基板によって、印可電力、導入
ガス、電極構造、電極−基板間距離などのプラズマ生成
条件を最適化することが好ましく、さらには被処理基板
の表面の凹凸、突起等を可能な限り無くすため、突起部
を研磨したり、取り除いたりすることが好ましい。
【0028】一方、後者の間接方式でプラズマ処理を実
施する場合、基板とプラズマ間の距離が重要になる。プ
ラズマにより生成された活性種には寿命が存在するた
め、基板とプラズマとの距離が離れすぎると処理能力が
著しく低下する。そのため基板とプラズマとの距離関係
にはある制約が生じ、好ましくはプラズマと基板間の距
離は30mm以内であり、より好ましくは10mm以内
である。しかしながらプラズマによるダメージを受けに
くく、XYステージなどの基板搬送設備を使用すること
で部分的かつ選択的な処理を実施することも可能であり
ことより、本発明における大気圧下で放電したプラズマ
により有機高分子層表面を洗浄・改質する方法として好
適に使用することが出来る。
【0029】ところで本発明における、大気圧プラズマ
による有機高分子層の洗浄・改質の効果は、水の接触角
および表面粗さにより測定することができる。大気圧プ
ラズマ装置により表面処理された有機高分子層の表面は
水の濡れ性が向上するため、水の接触角が小さくなる。
この時の接触角の大きさは処理条件により違いがあるも
のの、基本的にはプラズマ処理の強度・回数を増加する
につれ小さくなる。本発明においては有機高分子層間の
密着性を向上するため、大気圧プラズマ処理により下側
有機高分子層の少なくとも上側有機高分子層と重なる箇
所の表面の水の接触角を50°以下にすることが好まし
い。さらにより密着性を向上させ、カラーフィルタの信
頼性を向上するためには水の接触角がより小さいことが
好ましく、20°以下が最も好ましい。なお大気圧プラ
ズマ処理後の有機高分子層表面は経時変化により水の接
触角が徐々に悪く(大きく)なる。そのためプラズマ処
理後すぐに上側有機高分子層を形成することが本発明に
おいて最も好ましいが、例えば上側の有機高分子層形成
時の水の接触角が20°以下になるように、あらかじめ
経時による変化を考慮に入れてプラズマ処理後の水の接
触角をより小さくすることも本発明においては好まし
い。
【0030】なお、この時の水の接触角の定義は、基板
に形成した有機高分子層の表面に水をのせ、それが広が
らずに液滴となって平衡状態にある場合のなす角であ
る。この時、水,有機高分子膜、大気の角界面で働く力
は、Youngによって導かれた式(1)の関係式で釣
り合っている。
【0031】γSV−γSL=γLVcosθ ・・・(1) ここで、 γSV:有機高分子層表面のエネルギー γSL:有機高分子層/水界面のエネルギー γLV:水表面のエネルギー θ :なす角 である。なお一般にパターン化を行った後の有機高分子
層の表面幅は数100μmと非常に狭いため、表面の接
触角を測定するためには高度な技術が必要である。その
ため、例えばガラスのエッジ付近などパターン形成部以
外の部分に、接触角を測定するためのダミー着色層を形
成して、接触角の評価を行うことで簡易的に表面の接触
角を測定できる。
【0032】また本発明において大気圧プラズマ処理を
行った後の有機高分子層の表面には微細な凹凸が形成さ
れる。特に限定はされないが、本発明においては有機高
分子層同士の密着力をより強固にするため大気圧プラズ
マ処理後の有機高分子層表面の表面粗さを一定の範囲に
することが好ましい。例えば、前記有機高分子層が遮光
層である場合、表面に微細な凹凸が形成されていると、
遮光層と着色層の接触面積が増大し、かつ、着色層のア
ンカー効果による剪断応力の抑制効果も働いて、遮光層
と着色層の密着性が向上する。しかしながら凹凸が大き
くなりすぎると、凹凸部分に着色層の応力が局所集中
し、着色層が剥がれたり、クラックが発生する。また凹
凸が大きすぎると凹凸による光の乱反射が発生しカラー
フィルタとしての光学特性が著しく低下する問題もあ
る。そのためのプラズマ処理後の有機高分子層表面の微
細凹凸は、中心線平均粗さRaで0.1nm〜10nm
の範囲が良好な密着性を有し、かつ品質低下も引き起こ
さないため好ましく、より好ましくは0.5nm〜5n
mである。
【0033】なお、中心線平均粗さRaはANSI B
46.1−1985で定義されており、次に示す式
(2)で計算される。
【0034】
【数1】
【0035】ここで Ra:中心線平均粗さ L:測定長さ y:中心線から粗さ曲線までの距離 である。
【0036】ここで有機高分子層の表面の水の接触角お
よび表面の中心線平均粗さについて前記したが、通常の
有機高分子膜形成後の水の接触角は50゜以上であり、
また、中心線平均粗さRaは有機高分子層の材質や形成
条件により大きく変わる。また表面が汚染されてる場合
にはより接触角は大きくなる。
【0037】なお、大気圧プラズマによる処理の前後に
前記した乾式洗浄や湿式洗浄など従来の洗浄方法を組み
合わせて行うことも、有機高分子層表面の洗浄をより強
化する点で、本発明において好ましく利用することがで
きる。
【0038】
【実施例】以下本発明の実施例について説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】実施例1 赤、緑、青からなる顔料として各々Color index No.653
00 Pigment Red 177で示されるジアントラキノン系顔
料、Color index No.74265 Pigment Green 36で示され
るフタロシアニングリーン系顔料、Color index No.741
60 Pigment blue15-4で示されるフタロシアニンブルー
系顔料を用意した。次に溶媒のγ−ブチロラクトン 4
2.8g、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール
20.2g中に、着色用顔料であるピグメントレッド
PR177、4.0gと、ポリマー分散剤(PD) 2
2.5gを添加し、ガラスビーズ 90gと共に小型分
散機(ホモジナイザー)に封入し、7000rpmで5
時間分散した。ガラスビーズを濾過除去し、PR177
からなる分散液5重量%溶液を得た後、この分散液 5
0.0gをポリアミック酸溶液(PAA) 8.0gと
γ−ブチロラクトン 42.0gの希釈混合溶液に添加
混合し、赤色カラーペーストを得た。以下同様の手順に
より、着色用顔料としてピグメントグリーンPG36を
含む緑色カラーペースト、着色用顔料としてピグメント
ブルーPB15を含む青色カラーペーストを得た。
【0040】次に無アルカリガラス(日本電気硝子製、
OA−10)からなる長さ400mm、幅500mm、
厚さ0.5mmの透明基板上に赤色カラーペーストをス
ピンコートの後、110℃で15分間加熱乾燥し、膜厚
1.5μmのポリイミド前駆体膜を得た。この膜上にポ
ジ型フォトレジストをスピンコートし、80℃で20分
加熱乾燥して膜厚1.0μmのレジスト膜を得た。次い
で、フォトマスクを介して紫外線露光した後、テトラメ
チルアンモニウムハイドロオキサイド2.4重量%の水
溶液からなる現像液を用いて不要部分のフォトレジスト
およびポリイミド前駆体膜をエッチング除去した後、残
ったフォトレジストをメチルセロソルブアセテートによ
り除去した。これを300℃で30分加熱し、所定形状
の赤色着色パターニング層を得た。この時の赤着色層表
面の水の接触角は89°であり、表面のRaは0.05
nmであった。
【0041】次に赤着色層表面に大気圧プラズマ発生装
置により大気圧下で生成されたプラズマ中の活性種を吹
きつけ、表面の洗浄・改質をおこなった。大気圧プラズ
マ発生装置は松下電工マシンアンドビジョン株式会社製
の大気圧プラズマクリーニング装置Aiplasmaを
用いた。このとき、プラズマ発生装置の処理幅が50m
mのため、基板をXYステージに載せ150mm/sの
スピードにて左右に搬送させて基板全面を30秒間処理
した。プラズマ発生装置は、13.56MHzの高周波
電源を用い、印可電圧は700W、導入ガスはアルゴン
と酸素(分圧比10:0.1、ガス流量10l/mi
n)を使用した。プラズマ発生装置と基板との距離は5
mmとした。
【0042】上記プラズマ処理を行った結果、赤着色層
表面の水の接触角は18°、Raは1.2nmであっ
た。また、プラズマ処理前後の赤着色層表面の元素組
成、化学状態をESCA(X線光電子分光法 装置 英
国 VG SCIENTIFIC社製 ESCALAB220i-XL)により分析し
たところ、O/C(炭素に対する酸素の存在比)が増加
し、表面酸化が起こっていることが確認できた。この表
面酸化はCOO(エステルおよびカルボキシル基)、C
−O(エーテルおよび水酸基)の形で起こっており、大
気圧プラズマ処理により表面の改質が行われていること
が確認できた。なお、大気圧プラズマ処理前後での赤着
色層の色特性に変化は無かった。
【0043】次に同様にして緑色ペーストを用いて緑着
色層を所定形状にパターンニングを行った。この時緑着
色層の一部分が大気圧プラズマ処理を行った赤色着色層
の一部分と重なるようにパターニングを行った。この時
の重なり部の幅は6μmであった。ついで同様に緑色着
色層の表面を大気圧プラズマ装置により生成したプラズ
マに曝して、緑色着色層表面の改質を行った。プラズマ
処理後の緑色着色層表面の水の接触角は19°、Raは
1.4nmであり、プラズマ処理前後での色特性の違い
は無かった。
【0044】次に同様にして青色ペーストを用いて青着
色層を所定形状にパターニングを行った。この時同様に
青着色層の一部分が大気圧プラズマ処理を行った赤色着
色層および緑色着色層の一部分と重なるようにパターン
ニングを行った。この時の重なり幅も前記と同様に6μ
mとした。
【0045】次に、これら着色層上にマグネトロンスパ
ッタリング法によりITO膜をマスク成膜して別途ブラ
ック遮光層を設けることのないカラーフィルタが完成し
た。この時のITO膜の膜厚は140nmであり、表面抵
抗は17Ω/□であった。
【0046】このカラーフィルタ上にポリイミド系の配
向膜を設け、220℃で30分のキュアの後、ラビング
処理を行った。また、薄膜トランジスタ素子を設けた透
明電極付きの対向基板を作成し、同様にポリイミド系の
配向膜を設け、ラビング処理を行った。次にカラーフィ
ルタと薄膜トランジスタを備えた透明電極付き対向基板
とをシール剤を用いて貼り合わせた後に、シール部に設
けられた注入口から液晶を注入した。この時、カラーフ
ィルタと対向基板との間には直径4μmのプラスチック
ビーズのスペーサを散布した。また液晶の注入は空セル
を減圧下に放置後、注入口を液晶槽に浸漬し、常圧に戻
すことにより行った。液晶を注入後、注入口を封止し、
さらに偏光板を基板の外側に貼り合わせてセルを作成し
た。このようにして得られた液晶表示装置は表示不良も
なく、良好な表示品位が得られた。
【0047】実施例2 カーボンブラックからなる黒色顔料5g、ポリアミック
酸からなるポリイミド前駆体溶液25g、N−メチル−
2−ピロリドン45gおよびブチルセロソルブ14gか
らなる溶剤を攪拌混合し、黒色カラーペーストを得た。
このようにして得られた黒色カラーペーストを実施例1
と同じ無アルカリガラス上にスピンコートした後、11
0℃で15分間加熱乾燥し、膜厚1.5μmのポリイミ
ド前駆体膜を得た。この膜上にポジ型フォトレジストを
スピンコートし、80℃で20分加熱乾燥して膜厚1.
0μmのレジスト膜を得た。次いで、フォトマスクを介
して紫外線露光した後テトラメチルアンモニウムハイド
ロオキサイド2.4重量%の水溶液からなる現像液を用
いて不要部分のフォトレジストおよびポリイミド前駆体
膜をエッチング除去した後、残ったフォトレジストをメ
チルセロソルブアセテートにより除去した。これを30
0℃で30分加熱し、所定形状の遮光層を形成した。次
に実施例1と同じ大気圧プラズマ装置を用いて、前記遮
光膜の表面の改質を行った。処理前の表面の水の接触角
が78°であったのに対し、処理後は34°となった。
【0048】次に実施例1と同じ赤色着色ペーストを用
いて赤色着色層をパターン形成した。この時、着色層に
よる積層スペーサーを形成すべく、前記遮光層の上に赤
色着色ペーストよりなるスペーサーの一段目を形成し
た。スペーサーの1段目の面積は150μm2であっ
た。
【0049】次に再度、大気圧プラズマ装置を用いて、
赤色着色層の表面の処理を行った。処理後の赤色着色層
の表面の水の接触角は21°であった。その後同様にし
て緑色着色層の形成と遮光層の上に緑色ペーストを用い
てスペーサーの2段目を形成した。スペーサー2段目の
面積は130μm2であった。
【0050】次に、大気圧プラズマ装置を用いて、緑色
着色層の表面の処理を行った。処理後の緑色着色層の表
面の水の接触角は32°であった。その後同様にして青
色着色層の形成と遮光層の上に青色ペーストを用いてス
ペーサーの3段目を形成した。スペーサーの3断面の面
積は100μm2であった。
【0051】最後に、実施例1と同様にITO膜を成膜
し、スペーサー付きカラーフィルタが完成した。このカ
ラーフィルタを用いて、プラスチックビーズ製のスペー
サを散布しない以外は実施例1と同様の方法で液晶表示
装置を作成したところ、カラーフィルタと対向基板との
短絡もなく、また十分なセルギャップが確保でき、良好
な表示品位の液晶表示装置が得られた。
【0052】比較例1 実施例1と同様に、赤色着色層、緑色着色層、青色着色
層の形成とともに、色の重ね合わせによる遮光部を形成
した。このとき大気圧プラズマ装置による表面処理を実
施せずに、着色層の積層を行った。この時の赤色、緑色
着色層表面の水の接触角はそれぞれ、89°、83°で
あった。次に実施例1と同様にITO膜の成膜後、実施
例1と同様にポリイミド配向膜を形成し、その後液晶表
示装置の作成を行った。液晶表示装置の駆動を行ったと
ころ、着色層の積層部の剥がれに起因する、白ヌケの表
示不良が発生し、表示品位が悪かった。
【0053】比較例2 実施例2と同様に、黒色ペーストを用いて遮光層を形成
した後、遮光層の上に赤色、緑色、青色着色層を用いて
スペーサーを形成した。このとき実施例1と同じ大気圧
プラズマ装置による表面処理は実施せずに、スペーサー
の積層形成を行った。この時の遮光層、赤色着色層、緑
色着色層の表面の水の接触角はそれぞれ78°、88
°、83°であった。次に実施例2と同様にITOを成
膜しスペーサー付きカラーフィルタが完成した。このカ
ラーフィルタを用いて、実施例2と同様に液晶表示装置
を作成したところ、部分的にスペーサの剥がれが発生し
スペーサーの厚みのバラツキに起因するコントラストの
低下、表示ムラが発生、著しく表示品位が低下した。
【0054】以上の実施例、比較例は着色層を重ね合わ
せて遮光層やスペーサー層を形成する例を示したが、た
とえば、ポリイミド製の着色層上にアクリル製のオーバ
ーコート層、スペーサー層を形成する等のように、異な
る材質の有機高分子層を重ね合わせる際にも、本発明は
密着力改善に同様の効果を発揮する。
【0055】
【発明の効果】本発明においては、基板上に有機高分子
層を重ね合わせたカラーフィルタにおいて、前記高分子
層間の密着力を向上させるために下側有機高分子層表面
の洗浄・改質を経済性・生産性を損なうことなく実施
し、重ね合わせた部分の剥がれ・ヌケの発生しない信頼
性の高いカラーフィルタおよびその製造方法を提供でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H042 AA09 AA15 AA26 2H048 BA02 BA45 BB02 BB10 BB32 BB42 2H091 FA02X FA02Y FA02Z FA34X FA34Y FA34Z FB02 LA02 LA30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に積層された有機高分子層(下側
    有機高分子層)の表面にさらに有機高分子層(上側有機
    高分子層)が積層された構造を有するカラーフィルタの
    製造方法において、前記下側有機高分子層の、少なくと
    も前記上側有機高分子層が積層される側の表面を、上側
    有機高分子層が積層される前に、大気圧下もしくは大気
    圧近傍下で生成された大気圧プラズマに曝すことを特徴
    とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記有機高分子層は、アクリル樹脂、エ
    ポキシ樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、ポリビニールア
    ルコール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、イミド
    変形シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミ
    ド樹脂、およびポリイミド樹脂よりなる群から選ばれた
    少なくとも1つの樹脂より形成されることを特徴とする
    請求項1記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 【請求項3】カラーフィルタを形成する遮光層、有機着
    色層、オーバーコート層、スペーサー層、配向膜層の少
    なくともいずれか1つの層を、前記有機高分子層で形成
    することを特徴とする請求項1または2に記載のカラー
    フィルタの製造方法。
  4. 【請求項4】前記積層により、少なくとも遮光層もしく
    はスペーサー層を形成することを特徴とする請求項3記
    載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法
    を用いて製造したことを特徴とするカラーフィルタ。
JP2002095963A 2002-03-29 2002-03-29 カラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法 Expired - Lifetime JP4254119B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002095963A JP4254119B2 (ja) 2002-03-29 2002-03-29 カラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002095963A JP4254119B2 (ja) 2002-03-29 2002-03-29 カラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003294931A true JP2003294931A (ja) 2003-10-15
JP4254119B2 JP4254119B2 (ja) 2009-04-15

Family

ID=29239234

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002095963A Expired - Lifetime JP4254119B2 (ja) 2002-03-29 2002-03-29 カラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4254119B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012027385A (ja) * 2010-07-27 2012-02-09 Dainippon Printing Co Ltd 横電界駆動方式液晶表示装置用カラーフィルタ

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09213497A (ja) * 1996-02-05 1997-08-15 Seiko Epson Corp 表面処理方法及び装置、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶パネル及びその製造方法
JP2000089026A (ja) * 1998-07-13 2000-03-31 Toray Ind Inc カラ―フィルタおよびそれを用いたカラ―液晶表示装置
JP2000309657A (ja) * 1999-04-26 2000-11-07 Agency Of Ind Science & Technol 連続式プラズマ・グラフト処理装置
JP2000356714A (ja) * 1999-04-15 2000-12-26 Konica Corp 偏光板用保護フィルム
JP2001235754A (ja) * 2000-02-24 2001-08-31 Hitachi Ltd 液晶表示装置及び液晶表示装置の製造方法
JP2002062420A (ja) * 2000-08-14 2002-02-28 Canon Inc 光学素子とその製造方法、液晶素子

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09213497A (ja) * 1996-02-05 1997-08-15 Seiko Epson Corp 表面処理方法及び装置、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶パネル及びその製造方法
JP2000089026A (ja) * 1998-07-13 2000-03-31 Toray Ind Inc カラ―フィルタおよびそれを用いたカラ―液晶表示装置
JP2000356714A (ja) * 1999-04-15 2000-12-26 Konica Corp 偏光板用保護フィルム
JP2000309657A (ja) * 1999-04-26 2000-11-07 Agency Of Ind Science & Technol 連続式プラズマ・グラフト処理装置
JP2001235754A (ja) * 2000-02-24 2001-08-31 Hitachi Ltd 液晶表示装置及び液晶表示装置の製造方法
JP2002062420A (ja) * 2000-08-14 2002-02-28 Canon Inc 光学素子とその製造方法、液晶素子

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012027385A (ja) * 2010-07-27 2012-02-09 Dainippon Printing Co Ltd 横電界駆動方式液晶表示装置用カラーフィルタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4254119B2 (ja) 2009-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20110211147A1 (en) Liquid crystal display panel and fabricating method and apparatus thereof
JP2002282807A (ja) 基板の洗浄方法および洗浄装置
JP2003066218A (ja) カラーフィルタの欠陥修復方法
JP5212206B2 (ja) カラーフィルタの製造方法およびカラーフィルタ
JPH0784119A (ja) 機能性塗膜等の形成方法
JP4254119B2 (ja) カラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法
US20050084606A1 (en) Apparatus and method of fabricating liquid crystal display panel
JP2001147314A (ja) カラーフィルタ
JP2008158265A (ja) カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法
JP2005279376A (ja) 塗膜形成方法、および液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法
JP2004077904A (ja) カラーフィルタの製造方法
JP2000105310A (ja) カラ―フィルタ、カラ―フィルタの製造方法、このカラ―フィルタを用いた液晶素子及びブラックマトリクスの製造方法
JP2007260859A (ja) ディスプレイ基板の製造方法
JP2002333516A (ja) 透明基板および透明基板の製造方法
JPH10268285A (ja) 液晶表示装置
JP2000321418A (ja) カラーフィルタ及び液晶表示装置
JP3367081B2 (ja) カラーフィルタの製造方法
JP2002243926A (ja) カラーフィルタおよびその製造方法並びに液晶表示装置
JP2006251607A (ja) カラーフィルタの製造方法
JP2000338317A (ja) 液晶ディスプレイ用カラーフィルタおよびその製造方法
JP5182126B2 (ja) カラーフィルタ基板の修正方法
JP2004361788A (ja) 液晶表示装置用基板の製造方法、および液晶表示装置用基板
KR101943969B1 (ko) 경량 박형의 액정표시장치 제조방법
JP2008028156A (ja) ガラス基板端部のレジスト除去方法
KR100687332B1 (ko) 액정표시장치 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050315

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080116

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080722

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080922

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20081112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090106

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090119

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4254119

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130206

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130206

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140206

Year of fee payment: 5

EXPY Cancellation because of completion of term