JP2004361788A - 液晶表示装置用基板の製造方法、および液晶表示装置用基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板上に形成された有機高分子層表面の少なくとも一部に凹凸を形成する液晶表示装置用基板の製造方法において、該有機高分子層表面を大気圧プラズマに曝すことにより凹凸を形成することを特徴とする液晶表示装置用基板の製造方法。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に用いられる基板に関し、中でも液晶表示装置をカラー化するために用いられるカラーフィルタの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラーフィルタの製造工程は、ガラス等の透明基板上に真空成膜法等を用いてクロムを成膜した後、フォトレジストを塗布し、フォトマスクを配置して露光、現像、クロムエッチング、フォトレジスト剥離を行い、パターン状のブラック遮光層を形成する。特に最近では地球環境への影響を考慮して、有害なクロムを使用せず、遮光性樹脂をブラック遮光層として使用する樹脂ブラックマトリックス(BM)が開発・生産されている。また、特定のブラック遮光層を設けず、着色層を重ね合わせて遮光層を形成するタイプのカラーフィルタも開発・生産されている。次にブラック遮光層の上から、1色目の着色有機高分子ペースト材料を塗布した後、フォトマスクを配置して露光し、その後現像、キュアを行い1色目のカラーパターンを形成し、同様にして2色目以降のカラーパターンを形成する。最後に液晶駆動用の電極として用いられる透明導電膜をカラーパターン上に形成する工程を経てカラーフィルタが完成する。このとき、カラーパターンと透明導電膜の間に、画素の保護やカラーパターンの平坦化を目的として、有機高分子材料からなるオーバーコート層を形成する場合もある。
【0003】
これらカラーフィルタの製造工程においては、基板の洗浄工程が必須であり、カラーフィルタの各製造工程の前後に数多く設けられている。カラーフィルタの洗浄方法としては、大きく乾式洗浄と洗浄液を用いた湿式洗浄に分けることをできる。乾式洗浄としては真空中でのプラズマ放電により被洗浄面をアッシングして汚れを除去するプラズマ洗浄(例えば特許文献1、特許文献2参照)、紫外線のエネルギーを利用して有機物の化学結合を切断するとともに空気中の酸素を励起し励起酸素により汚れを分解する紫外線オゾン洗浄などが主として用いられている。しかしこれら乾式洗浄においては、長時間の処理を実施した場合、被処理基板の品質に悪影響を及ぼすため、長時間の処理ができず、そのため特に分子量の大きい有機物の除去能力が劣る問題点が存在した。そこで筆者らは大気圧下で生成したプラズマで基板の洗浄、表面の改質を行う方式を提案している(例えば特許文献3、特許文献4参照)。大気圧下でプラズマ放電させることにより生成される励起活性種により基板表面の洗浄を実施するが、大気圧下での放電のため従来のプラズマ発生装置と異なり、真空装置を必要とせず、開放系で使用可能なため、装置を簡単かつ小型化でき、さらにはインライン設備による連続処理が可能である。また励起活性種を直接基板へ供給するため、従来の洗浄方法と比較し高速に洗浄を実施することができる。
【0004】
ところで近年、このカラーフィルタを利用した液晶表示装置は軽量、薄型、低消費電力等の特性を生かし、ノートPC、携帯情報端末、デスクトップモニタ、デジタルカメラなど様々な用途で使用されている。バックライトを使用した液晶表示装置においては、低消費電力化を進めるためにバックライト光の利用効率を高めることが求められ、カラーフィルタの高透過率化が要求されている。一方、カラーフィルタの透過率は年々向上しているが、透過率向上による消費電力の大幅な低下は望めなくなってきている。最近では電力消費量の大きなバックライト光源を必要としない反射型液晶表示装置の開発が進められており、透過型液晶表示装置にくらべ約1/7と大幅な消費電力の低減が可能であることが発表されている(例えば、非特許文献1参照)。反射型液晶表示装置は、透過型液晶表示装置に比べ消費電力が低く、屋外での視認性に優れるという利点はあるものの、十分な環境光強度が確保されない場所では表示が暗くなってしまい、視認性が極端に悪くなるという問題点がある。暗い環境下でも表示が視認されるようにするために、(1)バックライトを設け、反射膜の一部に切り欠きを入れ、一部を透過型表示方式、一部を反射型表示方式とした半透過半反射型表示方式(いわゆる半透過型表示方式、例えば、非特許文献2参照)、(2)フロントライトを設けた液晶表示装置などが考案されている。
【0005】
反射膜の一部に切り欠きを入れ、バックライトを設けた半透過型液晶表示装置では、バックライト光を利用する透過表示と環境光を利用する反射表示が1画素内に共存するため、環境光強度によらず、視認性のよい表示を行うことが出来る(例えば、特許文献5参照)。しかし、図3に示すような従来の構成のカラーフィルタ、すなわち、反射用領域7と透過用領域6が特別には設けられていない、1画素内での着色が均一なカラーフィルタを用いた場合には、鮮やかな透過表示を得ようとすると問題点が生じていた。これは透過色の色鮮やかさ(色純度)を向上させると、反射色もそれに伴いさらに色純度が高くなり、色純度とトレードオフの関係にある明るさが極端に低下し、十分な視認性が得られないというものである。この問題点は、透過表示を行うときにはバックライト光がカラーフィルタを1回透過するのに対して、反射表示では、環境光が入射時と反射時の2回カラーフィルタを透過することに起因する。また、半透過型液晶表示装置では透過表示での光源がバックライト光である一方、反射表示での光源が環境光であるために、色純度だけでなく色調も変化してしまうという問題点もある。これは、環境光がD65光源に代表されるような連続的なスペクトルを持つのに対して、バックライト光源がある特定の波長にスペクトルのピークをもつという光源のスペクトル特性の違いに起因する。
【0006】
透過用領域と反射用領域の表示色を同一にする(色純度、明るさ、色調を同一にする)方法として、反射用領域7に土台部3を形成して、透過用領域と反射用領域で着色層の膜厚を変えることが提案されている(例えば、特許文献6参照)。図4は、従来知られている膜厚を調整する方式での半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの断面図を模式的に示したものである。反射用領域7には透明樹脂層3が形成され、反射用領域7の着色層4の膜厚は、透過用領域6の着色層4の膜厚に比べて、薄くなっている。
【0007】
また、透過用領域と反射用領域の表示色を同一にする別の方法としては、図5に示すような透過用領域および/または反射用領域をバックライト光と環境光を考慮した適切な複数の色材料で塗り分ける方法がある(例えば、特許文献7参照)。透過用領域および/または反射用領域を塗り分ける方法では、透過用領域6と反射用領域7の色調を同じにして色純度、明るさを変え、目的にあった透過表示色と反射表示色を達成することができると考えられるが、現在主流のフォトリソ法では、一色の画素を形成するのに二度以上の色材料塗布、フォトリソ加工をすることになる。すなわち、赤、緑、青の三色の画素を形成するには各色2回、計6回のフォトリソ加工が必要となり、製造コストが増加してしまうという問題点がある。
【0008】
一方、製造コストを増加させず、明るい反射表示を実現する方法として、図6に示すような反射用領域7に着色層を形成する領域4と形成しない領域5とを含む構成が提案されている(特許文献8、参照)。この方法によれば、着色層を形成しない領域5を各色毎に異ならせることにより、反射表示での適切な色純度と明るさを得ることが出来るとされている。しかし、本来波長選択性が要求されるカラーフィルタに選択性のない無着色領域を形成することにより、カラーフィルタとしての特性が低下する問題点はある。
【0009】
こうした問題点を解消するために、一画素中に透過用領域と反射用領域を含み、少なくとも1色の画素については、非感光性樹脂を含む着色層24b上に感光性樹脂を含む着色層24aを積層させ、一括加工したカラーフィルタが提案されている(特許文献9、参照)。図7は、特許文献9に記載の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの断面図を模式的に示したものである。この方法によれば、反射用領域の感光性樹脂を含む着色層24aは、半透過フォトマスクを使用することにより、透過用領域の感光性着色層膜厚の1/2以下に調整することが出来、反射表示での明るさを向上させることが出来る。また、積層させる着色層の着色特性をそれぞれ最適化することで、透過用領域6と反射用領域7とでの表示特性を所望の色調にすることができる。
【0010】
このように様々な方式の反射型もしくは半透過型液晶表示装置が考案され、実用化されているが、これら表示装置の共通の問題点として反射表示での虹付き問題がある。これは太陽光の下で液晶表示装置を観察した場合に虹色の模様が見え、反射表示がギラついてしまう現象で、反射型または半透過型の液晶表示装置に使用されている反射膜による光の干渉現象によるものである。この問題を解決するための方法として、ガラス基板をスリガラス状にする、プラスチック基板や偏光フィルムの粘着剤に散乱機能を持たせる、カラーフィルタに散乱機能を持った保護膜を設ける、などの方法があるが、これらの方法は半透過型表示方式に用いた場合、反射表示部と同時に透過表示部にも必然的に散乱機能を持たせてしまう結果になり、透過表示における輝度やコントラストの低下を招いてしまう。そこでこの問題を解決する方法として、反射光の光路であるカラーフィルタに散乱機能を持たせることが考えられる。カラーフィルタを構成する着色層または/および透明樹脂層の表面に凹凸を形成することで、カラーフィルタに光散乱機能を持たせ光の干渉を防止するものである。この方法では例えば半透過型表示方式に用いた場合でも、反射用領域に存在する着色層や透明樹脂層に選択的に凹凸を形成することで、透過表示部での輝度やコントラストの低下を招くことなく、前記問題点を解決することができる。しかしながら従来知られている凹凸形成方法は、例えばブラシや研磨パットによる研磨法や、サンドブラスト法、エッチング法などがあるが、研磨法では凹凸が小さすぎるため、またサンドブラスト法、エッチング法では凹凸が大きすぎるため十分な拡散効果を得ることができない問題が生じた。
【0011】
【特許文献1】
特開昭58−147143号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平4−116837号公報
【0013】
【特許文献3】
特開2002−333516号公報
【0014】
【特許文献4】
特開2002−282807号公報
【0015】
【特許文献5】
特開平11−109417号公報(図1)
【0016】
【特許文献6】
特開2001−33778号公報(第3〜4頁、第2図、第8図)
【0017】
【特許文献7】
特開2001−183646号公報(第1図)
【0018】
【特許文献8】
特開2000−111902号公報
【0019】
【特許文献9】
特開2002−365419号公報
【0020】
【非特許文献1】
「日経マイクロデバイス別冊フラットパネル・ディスプレイ」、1998年、p.126。
【0021】
【非特許文献2】
「ファインプロセステクノロジージャパン’99、専門技術セミナーテキストA5」、1998年7月2日、p.6。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術の問題点ふまえてなされたものであり、有機高分子層表面に光拡散もしくは光散乱用の凹凸を経済性・生産性を損なうことなく作成することのできる液晶表示装置用基板の製造方法を提供するものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
前記問題点を解決するために、本発明のカラーフィルタは以下の構成をとる。(1)基板上に形成された有機高分子層表面の少なくとも一部に凹凸を形成する液晶表示装置用基板の製造方法において、該有機高分子層表面を大気圧プラズマに曝すことにより凹凸を形成することを特徴とする液晶表示装置用基板の製造方法。
(2)大気圧プラズマが、少なくともプラズマ中に酸素ラジカルを含有することを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置用基板の製造方法。
(3)液晶表示装置用基板が外光を反射する反射用領域を一画素内に有し、有機高分子層が該反射用領域に形成されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の液晶表示装置用基板の製造方法。
(4)有機高分子層が、感光性樹脂を硬化させた層であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の液晶表示装置用基板の製造方法。
(5)液晶表示装置用基板が、カラーフィルタ基板であることを特徴とする(1)〜(4)の何れかに記載の液晶表示装置用基板の製造方法。
(6)有機高分子層が、カラーフィルタを形成する着色層または透明樹脂層の少なくとも何れかであることを特徴とする(5)に記載の液晶表示装置用基板の製造方法。
(7)有機高分子層が形成された基板の有機高分子層表面の少なくとも一部に凹凸を有する液晶表示装置用基板において、該凹凸の算術平均粗さRaが0.01μm〜0.5μmの範囲内であることを特徴とする液晶表示装置用基板。
(8)液晶表示装置用基板が外光を反射する反射用領域を一画素内に有し、有機高分子層が該反射用領域に形成されていることを特徴とする(7)に記載の液晶表示装置用基板。
(9)有機高分子層が、感光性樹脂を硬化させた層であることを特徴とする(7)に記載の液晶表示装置用基板。
(10)液晶表示装置用基板が、カラーフィルタ基板であることを特徴とする(7)〜(10)の何れかに記載の液晶表示装置用基板の製造方法。
(11)有機高分子層が、カラーフィルタを形成する着色層または透明樹脂層の少なくとも何れかであることを特徴とする(10)に記載の液晶表示装置用基板。
(12)(7)〜(11)の何れかに記載の液晶表示装置用基板を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明において有機高分子層の材質は特に限定されるものではなく、180℃以上のアニール処理でも軟化、分解、着色を生じない材料が好適に用いることができ、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、ポリビニールアルコール樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1つの樹脂が好ましく用いることができる。これらの樹脂は感光性または非感光性の材料が好ましく用いられ、中でも耐熱性、密着性に優れているポリイミド樹脂、アクリル樹脂もしくはエポキシ樹脂がより好ましく用いられる。さらに本発明においては、表面に大気圧プラズマ処理により凹凸を形成するため、凹凸が形成されやすい材料を適宜選択することが処理時間の短縮には好ましく、例えば感光性のアクリル樹脂が品質・生産性を損なわない材料として好適に使用できる。なおこれらの樹脂のうち、1種類だけを用いても良いし、複数用いて、混合物層、もしくは異種樹脂の多層を形成しても良い。
【0025】
本発明における有機高分子層で如何なる種類の層を形成するかは特に限定されず、液晶表示装置を構成するTFTなどのアレイ基板や、カラーフィルタ、反射光やバックライト光を拡散・反射・散乱するための拡散板・反射板・導光板などに用いることができる。中でもカラーフィルタを構成する遮光層(ブラックマトリックス層)、着色層、オーバーコート層、スペーサー層、土台層、アンダーコート層として好適に用いられカラーフィルタの反領域として用いられる着色層もしくはオーバーコート層、土台層として最も好適に用いられる。
【0026】
本発明で使用する基板は特に限定されないが、光線透過率が高く、機械的強度、寸法安定性が優れたガラスが最適であり、ソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどが好適である。他にポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂などのプラスチック板や、ロール状に巻き上げられたフィルムなどが使用することができる。また金属、木材、紙なども使用することができる。特に限定はされないが、大気圧プラズマ処理によりダメージを受けにくい材料、例えばガラスや金属などを選択することが、有機高分子層への凹凸形成が容易であるため好ましい。
【0027】
本発明で使用するカラーフィルタ基板のブラックマトリックス層としては特に限定されないが、クロムやクロムと酸化クロムや窒化クロム、ニッケル合金、チタン合金の多層膜などからなる無機系や、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などに黒色顔料を分散した有機系の材料が用いられる。無機系、有機系とも本発明において好適に用いられるが、成膜に複雑な真空系を要する無機系に比べ製造コストの面で有利であり、地球環境への影響も少ない有機系を用いるのが望ましい。ブラックマトリックス層の厚みは無機系で0.1〜0.3μm、有機系で0.5〜2μmのものが多く用いられる。ブラックマトリックス層は通常フォトリソグラフィ法やインクジェット法、印刷法により所定のパターンを形成する。
【0028】
着色層としては特に限定はされないが、色素を樹脂中に分散したものを用いることができる。顔料は3原色を表すために適当なものを組み合わせて使用することができる。使用できる色素としては赤、橙、黄、緑、青、紫などの顔料や染料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また樹脂としては、前記した有機高分子材料が好適に用いられる。
【0029】
有機高分子層を形成する方法としては特に限定はされないが、例えば着色層を形成する場合、着色ペーストを基板上に塗布・乾燥した後にパターニングを行う方法などがある。着色ペーストを得る方法としては、溶媒中に樹脂と着色剤を混合させた後、三本ロール、サンドグラインダー、ボールミルなどの分散機中で分散させる方法などが用いられる。着色ペーストを塗布する方法としては、特に限定されずディップ法、ロールコータ法、スピナー法、ダイコーティング法、ワイヤーバー法などの方法が好適に用いられ、この後、オーブンやホットプレートを用いて加熱乾燥(セミキュア)を行う。セミキュアの条件は使用する樹脂、溶媒、ペースト塗布量により最適な値が選ばれるが、通常60〜200℃で1〜60分加熱することが好ましい。
【0030】
このようにして得られた着色ペースト被膜は、樹脂が非感光性の場合はその上にフォトレジストの被膜を形成した後に、また樹脂が感光性の場合はそのままかあるいはポリビニルアルコールなどの酸素遮断膜を形成した後に、露光・現像を行う。その後必要に応じて、フォトレジストまたは酸素遮断膜を除去し、再度加熱乾燥(本キュア、ポストベーク)を実施する。本キュア条件は、樹脂により異なるが、前駆体からポリイミド系樹脂を得る場合には、通常200〜300℃で1〜60分加熱するのが一般的である。以上のプロセスにより基板上にパターニングされた着色層が形成される。
【0031】
本発明はカラーフィルタが反射型領域と透過型領域の2つの領域を有する半透過型液晶表示装置においても良好に使用することができる。特に図5に示すように反射型領域と透過型領域とを別々の適正な複数の色材料で塗り分ける方法や、図4に示すように反射領域7には土台となる透明樹脂層3が形成され、反射用領域7の着色層4の膜厚は、透過用領域6の着色層4の膜厚に比べ薄くし、反射用領域と透過型領域とを区別する半透過型液晶表示装置においてより好適に用いることができる。例えば図5の構成のカラーフィルタの場合、基板上に反射用領域用の着色層を形成した後、基板全面を大気圧プラズマ処理し、その後透過用領域の着色層を形成することで、反射用領域の着色層のみに凹凸を形成することができる。その結果、透過光領域に凹凸による散乱機能を持たせてしまうことによる透過表示時の輝度やコントラストの低下を防止し、より鮮明な液晶表示装置を形成することができる。また図4に示すカラーフィルタにおいても同様に反射用領域の土台を形成した後、大気圧プラズマ処理を実施し土台表面に凹凸を形成し、その後着色層を形成することで、反射用領域にのみ凹凸をもつカラーフィルタを形成することができる。この時の土台となる透明樹脂層(土台層)は特に限定はされないが感光性レジストで形成することが好ましい。感光性樹脂材料としてはポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の材料が用いられ、アクリル系樹脂が好ましく用いられる。感光性アクリル系樹脂としては、感光性を持たせるため、少なくともアクリル系ポリマー、アクリル系多官能モノマーあるいはオリゴマー、光重合開始剤を含有させた構成を有するのが一般的であるがエポキシモノマーを加えたいわゆるアクリルエポキシ樹脂としてもよい。透明樹脂層を感光性レジストで形成した場合は、フォトリソ加工の露光工程で、露光マスクと透明樹脂層を形成する基板の距離を変えることで透明樹脂層の表面の丸みや平坦性を制御することが可能である。一方、透明樹脂層は非感光性ペーストを使用しても形成することができる。非感光性樹脂材料としてはポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の材料が使用でき、ポリイミド系樹脂が好ましく用いられる。透明樹脂層を非感光性ペーストで形成した場合は、透明樹脂層の上部表面が平坦な構造になり、より小さな面積の透明樹脂層を形成することが可能である。
【0032】
本発明のカラーフィルタは平坦性を向上するために着色層上にオーバーコート層を形成することが好ましい。オーバーコート層としては特に限定されないが、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、オルガノシランを縮重合して得られるシリコーン樹脂、オルガノシランとイミド基を有する化合物とを縮重合して得られるイミド変形シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、ポリビニールアルコール樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ゼラチンなどが用いられる。中でも、後工程の液晶表示装置製造工程での加熱や、有機溶剤への耐性を有する樹脂を用いることが好ましく、この点から感光性もしくは非感光性のポリイミド系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂が好ましく用いられる。オーバーコート層を形成する方法としては特に限定されず、遮光層、着色層と同様、ディップ法、ロールコーター法、スピナー法、ダイコーティング法、ワイヤーバーによる方法などが好適に用いられる。オーバーコート層の膜厚としては特に限定されないが、0.05〜3.0μmが好ましい。画素内段差を小さくする点からは厚いほうが好ましいが、均一塗布が難しくなる。もちろん遮光層と着色層の膜厚の組み合わせにより、オーバーコート層の厚みは好適に決定できる。
【0033】
本発明において大気圧プラズマ処理により凹凸を形成する際の、有機高分子層の状態としては、基板に有機高分子ペーストを塗布した直後、乾燥後、セミキュア後、露光後、現像後、剥離後、本キュア後など、有機高分子層を形成する工程のいずれの箇所においても実施することができるが、作業性・処理の均一性の面から考えるとセミキュア後もしくは本キュア後に実施することが好ましい。ただし、本キュア実施後の有機高分子層は熱による硬化が進んでいるため、有機高分子層の種類によっては処理速度が遅くなることもある。そのため、本発明においては例えばセミキュア後や、剥離後など有機高分子層が本キュアされる前に大気圧プラズマ処理により有機高分子層表面に凹凸を形成することも、処理時間の短縮のためには好ましい。
【0034】
本発明においては前記有機高分子層表面を大気圧化もしくは大気圧近傍下で放電させたプラズマに曝露して凹凸を形成する。大気圧下でプラズマ放電させることにより生成される励起活性種により基板表面の処理を実施するが、大気圧下での放電のため従来のプラズマ発生装置と異なり、真空装置を必要とせず、開放系で使用可能なため、装置を簡単かつ小型化でき、さらにはインライン設備による連続処理が可能である。また励起活性種を直接基板へ供給するため遙かに高速に有機高分子層表面に凹凸を形成することができる。
【0035】
また大気圧下で生成されたプラズマは平均自由工程が短く拡散が小さいため基板表面のみを処理して凹凸形成することが可能であり、基板自体への物理的および電気的なダメージを与えにくい。その結果減圧下で生成したプラズマと比較し被処理基板に与えるダメージが小さく、処理したい箇所のみを部分的にかつ選択的に処理することが可能であるため、本発明における生産性、経済性を損なうことない凹凸形成方法として、最も好適に使用することができる。
【0036】
大気圧プラズマでの処理方法としては特に限定されないが、供給された気体に直流の高電圧もしくは高周波電圧もしくはパルス電圧を印可してプラズマを発生させ、そのプラズマにより励起された気体を被処理物自体もしくはその表面に曝して有機高分子層表面に凹凸を形成することができる。このとき供給する気体は不活性ガスもしくは不活性ガスと反応ガスの混合気体を用いることが放電を安定させるために好ましい。また本発明においては例えば故意に放電を不均一にすることで、ランダムな凹凸を形成することも可能である。本発明におけるプラズマ発生のための処理ガスは、不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトンなどを使用することができるが、放電の安定性や経済性を考慮すると、ヘリウムもしくはアルゴンを使用することが好ましい。また反応ガスは処理を行う有機高分子層の材質、表面状態およびプラズマの放電状態により酸素、空気、CO2、N2などのガスを任意に選択することができる。例えば、感光性樹脂の表面に凹凸を形成する場合、限定はされないが、プラズマ中に酸素ラジカルを含有するように、酸素、空気などの反応ガスを選択することが処理を高速に実施するためには好ましい。もちろん本発明においては不活性ガスのみ、もしくは反応性ガスのみで処理することもできる。
【0037】
本発明における大気圧下もしくは大気圧近傍の圧力としては、特に限定はされないが好ましくは0.9〜1.05atmの範囲である。本発明における大気圧および大気圧近傍とは、チャンバーなどにより外圧を完全に遮断し、真空ポンプや加圧器など減圧や加圧のための特別な圧力調整装置を使用して真空および加圧状態を作り出す必要のない範囲の圧力である。例えば大気圧中でプラズマ処理をおこなっている基板の近傍に、処理に使用したガスや処理により発生したパーティクルを取り除くための排気ファンや送風ファンを取り付けることも本発明においては好ましく、そのときの圧力は大気圧近傍の圧力となる。
【0038】
プラズマの曝露方法としては、基板を直接プラズマ内へと搬送してプラズマ処理を実施する直接方式、プラズマ発生部にて生成された活性種を、プラズマに曝されない位置に配置された基板へとガスなどで導き処理を行う間接方式いずれの方法も好適に採用することができる。前者の直接方式においては基板表面に突起が存在した場合や、たとえば遮光層をクロムで作成した場合のように基板内部もしくは表面に金属が存在した場合、部分的に強いプラズマが発生し、その結果処理範囲にバラツキが発生したり、基板表面に放電痕などの電気的なダメージを発生する恐れがある。しかしながらプラズマによるスパッタリングなどの物理的な効果とプラズマ中のラジカルなどによる化学的な効果の両方を有効に活用することができるため、放電状態を制御し安定放電する条件を確立することにより本発明における凹凸形成方法として好適に使用することができる。
【0039】
一方、後者の間接方式でプラズマ処理を実施する場合、基板とプラズマ間の距離が重要になる。プラズマにより生成された活性種には寿命が存在するため、基板とプラズマとの距離が離れすぎると処理能力が著しく低下する。そのため基板とプラズマとの距離関係にはある制約が生じ、好ましくはプラズマと基板間の距離は30mm以内であり、より好ましくは10mm以内である。しかしながらプラズマによるダメージを受けにくく、XYステージなどの基板搬送設備を使用することで部分的かつ選択的な処理を実施することも可能でありことより、本発明における大気圧下プラズマによる凹凸形成方法として最も好適に使用することができる。
【0040】
本発明において大気圧プラズマ処理後の有機高分子層表面の凹凸は、特に限定はされないがJIS表面粗さ(B0601−2001)で定義されている算術平均粗さRaで測定することができる。本発明においては、光を散乱・拡散することができ反射での光の干渉を防止するレベルの凹凸を形成することが好ましい。大きすぎる場合は目視でのバラツキが大きくなり好ましくなく、小さすぎる場合は凹凸の効果が発揮されないため好ましくない。そのためのRaの大きさとしては評価長さlnを3μmとした場合のRaで0.01μm〜0.5μmの範囲が好ましく、0.04μm〜0.1μmの範囲が最も好ましい。
【0041】
【実施例】
以下本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】
実施例1
カーボンブラックからなる黒色顔料、ポリアミック酸、溶剤を攪拌混合し、黒色カラーペーストを得た。このようにして得られた黒色カラーペーストを無アルカリガラス(日本電気硝子(株)製、OA−10)からなる長さ400mm、幅500mm、厚さ0.5mmの透明基板上にスピンコートした後、110℃で15分間加熱乾燥し、膜厚1.5μmのポリイミド前駆体膜を得た。この膜上にポジ型フォトレジスト(東京応化株式会社製、OFP−800)をスピンコートし、80℃で20分加熱乾燥して膜厚1.0μmのレジスト膜を得た。次いで、フォトマスクを介して紫外線露光した後テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド2.4重量%の水溶液からなる現像液を用いて不要部分のフォトレジストおよびポリイミド前駆体膜をエッチング除去した後、残ったフォトレジストをメチルセロソルブアセテートにより除去した。これを300℃で30分加熱し、所定形状の遮光層を形成した。
【0043】
前記遮光層を形成したガラス基板上にポリアミック酸、赤顔料、溶剤からなる非感光性赤色カラーペーストをスピンコートの後、110℃で15分間加熱乾燥し、膜厚1.5μmのポリイミド前駆体膜を得た。この膜上にポジ型フォトレジストをスピンコートし、80℃で20分加熱乾燥して膜厚1.0μmのレジスト膜を得た。次いで、フォトマスクを介して紫外線露光した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド2.4重量%の水溶液からなる現像液を用いて不要部分のフォトレジストおよびポリイミド前駆体膜をエッチング除去した後、残ったフォトレジストをメチルセロソルブアセテートにより除去した。これを300℃で30分加熱し、所定形状の赤色着色パターンニング層を得た。同様にして緑色着色パターンニング層、青色着色パターンニング層を形成した。この時の赤、緑、青各着色層の表面のRaはそれぞれ0.006μm、0.004μm、0.009μmであった。なお表面の算術平均粗さRaは評価長さlnを3μmとして原子間力顕微鏡(AFM、NanoScope IIIa AFM Dimension 3000ユニット:Digita Instruments社製、走査範囲3μm×3μm、走査速度0.6Hz)で測定した。
【0044】
次に前記着色層上に反射用領域が開口部となるように、前記と同様の方法において厚さ1.5μmのポジ型フォトレジストのパターンを形成した後、有機高分子層表面の大気圧プラズマ処理を行った。大気圧プラズマ発生装置により大気圧下で生成されたプラズマを、前記反射領域が開口部となったフォトレジスト付き基板上に曝すことにより、反射領域の有機高分子層表面に凹凸を形成した。大気圧プラズマ発生装置は松下電工マシンアンドビジョン株式会社製の大気圧プラズマクリーニング装置“Aiplasma”を用いた。このとき、プラズマ発生装置の処理幅が50mmのため、基板をXYステージに載せ10mm/sのスピードにて左右に搬送させて基板全面を処理した。プラズマ発生装置は、13.56MHzの高周波電源を用い、印可電圧は700W、導入ガスはアルゴンと酸素(分圧比10:0.1、ガス流量10l/min)を使用した。プラズマ発生装置と基板との距離は4mmとした。その後透過部に形成したフォトレジストをメチルセロソルブアセテートにより除去し、図1に示すような反射領域への凹凸を形成したカラーフィルタを作成した。なお処理を行った後の、反射領域の着色層表面のRaは赤、緑、青それぞれ0.058μm、0.046μm、0.094μmであった。
【0045】
このカラーフィルタに140nmの膜厚でITO膜を製膜し、次に高さ3μmの固定スペーサーを形成した。一方、薄膜ダイオード(TFD)素子、走査線、信号線、透明電極からなる駆動素子基板上に、コンタクトホールを備えた光拡散用の樹脂突起層、さらにその上にアルミ蒸着膜をパターンニングした半透過反射膜を形成し、対向基板を作成した。次に、カラーフィルタ基板と対向基板の双方に配向膜を形成してラビング処理を施し、両基板を対向させて、シールし貼り合わせた。次に、シール部に設けられた注入口から液晶を注入した後に、注入口を封止した。配向膜、液晶としては、通常のTN方式用の配向膜ならびにTN液晶を用いた。次に、ICドライバー等を実装することにより液晶表示装置を完成させた。
完成した液晶表示装置の反射表示観察を行ったところ、虹付きの現象は見られなかった。
【0046】
実施例2
実施例1と同様にして無アルカリガラス上に遮光膜を形成した後、熱処理後の膜厚が2.0μmになるように、アクリルポリマー、アクリル系2官能モノマー、光開始剤、溶剤からなる感光性ペーストをスピンナーで塗布した。該塗膜を120℃のオーブンで20分乾燥し、透過用領域が画素の中央に配置され、赤、緑、青、各画素の透過用領域以外の領域に透明樹脂層が残るフォトマスクパターンを介して、60mJ/cm2(365nmの紫外線強度)で露光した。露光後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの2.0%の水溶液からなる現像液に浸漬し、パターニングを行った後、240℃で30分熱処理し、過用領域以外の領域に透明樹脂層を得た。この時の透明樹脂層表面のRaは0.003μmであった。
【0047】
次に、実施例1と同じ大気圧プラズマ装置を用いて、透明樹脂層表面を大気圧プラズマ処理し、透明樹脂層表面に凹凸を形成した。処理後の透明樹脂層表面のRaは0.410μmであった。このとき透過用領域となるガラス基板部にもプラズマが曝されたが、ガラス部の状態に変化は無かった。
【0048】
この基板上に、透過用領域となる透明樹脂層が形成されていない箇所の膜厚が1.5μm、反射用領域となる透明樹脂層上の膜厚が0.7μmとなるように、赤、青、緑の画素を実施例1と同様の方法により形成した。この着色層上に非感光性の透明アクリル樹脂をオーバーコート層として形成し、図2に示す反射領域の土台に凹凸を形成したカラーフィルタを作成した。
【0049】
次にこのカラーフィルタを用いて、その他は実施例1と同様に液晶表示装置を作成した。完成した液晶表示装置の反射表示観察を行ったところ、虹付きの現象は見られなかった。
【0050】
実施例3
実施例1と同様にして、遮光層、着色層を形成したカラーフィルタ上に、実施例2と同様にして非感光性の透明アクリル樹脂よりなるオーバーコート層を形成した。このオーバーコート層の表面を実施例1と同様に大気圧プラズマ処理を実施した。この時のオーバーコート層表面のRaは0.012μmであった。
【0051】
次にこのカラーフィルタを用いて、その他は実施例1と同様に液晶表示装置を作成した。完成した液晶表示装置の反射表示観察を行ったところ、虹付きの現象は見られなかった。
【0052】
比較例1
実施例1において、反射用領域への大気圧プラズマ処理を実施しなかった。その他は実施例1と同様にしてカラーフィルタおよび液晶表示装置を作成した。
完成した液晶表示装置の反射表示観察を行ったところ、虹付きの現象が見られた。
【0053】
比較例2
実施例2において、透明樹脂層をパターン形成した後、透明樹脂層表面を研磨装置を用いて研磨を行った。研磨装置はエバテック社製の全面研磨装置“CF−1100−TRS”を用い、研磨PADはカネボウ社製のポリウレタン研磨パット“K0024”、研磨材はロデール社製のシリカ系CMP用研磨剤“RODEL2371”を用いた。これら装置を用いて、プレッシャープレートの加圧量を面圧30g/cm2、研磨時間2分、プレッシャープレートの回転数40rpm、バックプレートの回転数20rpmにて表面の研磨を行った。研磨を行った後の表面のRaは0.009μmであった。この基板上に実施例2と同様にしてカラーフィルタおよび液晶表示装置を作成した。
【0054】
完成した液晶表示装置の反射表示観察を行ったところ、虹付きの現象が見られた。
【0055】
比較例3
実施例2において、透明樹脂層をパターン形成した後、透明樹脂層表面を不二製作所社製の平均粒径20μm(品番#600)のガラスビーズを用いてサンドブラスト処理を実施した。サンドブラスト処理後のRaは0.54μmであった。この基板上に実施例2と同様にしてカラーフィルタおよび液晶表示装置を作成した。
【0056】
完成した液晶表示装置の反射表示観察を行ったところ、虹付きの現象は見られなかったものの、部分的に凹凸の凹部と凸部での膜厚の違いに起因する反射むらが発生した。また、処理の不均一に起因すると思われるムラも観察された。
【0057】
なお、本発明の実施例および比較例においては、主にカラーフィルタを形成する有機高分子膜への凹凸の形成を行ったが、もちろんTFT基板などのアレイ基板側や、光を反射もしくは透過・拡散・散乱させるための反射板、拡散板、導光板などにも凹凸を形成して、同様の効果を発揮することができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明は基板上に有機高分子層を形成した液晶表示装置用基板において、有機高分子層の表面に大気圧プラズマ処理により凹凸を形成することで、光の散乱・反射・拡散を効果的に実施することができる液晶表示装置用基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの模式断面図 例(1)
【図2】本発明のカラーフィルタの模式断面図 例(2)
【図3】従来のカラーフィルタの模式断面図
【図4】従来のカラーフィルタの模式断面図
【図5】従来のカラーフィルタの模式断面図
【図6】従来のカラーフィルタの模式断面図
【図7】従来のカラーフィルタの模式断面図
【符号の説明】
1 :透明基板
2 :ブラックマトリックス
3 :透明樹脂層(土台層)
4 :着色層
5 :無着色領域
6 :透過用領域
7 :反射用領域
8B:青画素領域
8G:緑画素領域
8R:赤画素領域
9 :オーバーコート層
14a:濃色着色層(透過用領域用)
14b:淡色着色層(反射用領域用)
24a:感光性樹脂からなる着色層
24b:非感光性樹脂からなる着色層
Claims (12)
- 基板上に形成された有機高分子層表面の少なくとも一部に凹凸を形成する液晶表示装置用基板の製造方法において、該有機高分子層表面を大気圧プラズマに曝すことにより凹凸を形成することを特徴とする液晶表示装置用基板の製造方法。
- 大気圧プラズマが、少なくともプラズマ中に酸素ラジカルを含有することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置用基板の製造方法。
- 液晶表示装置用基板が外光を反射する反射用領域を一画素内に有し、有機高分子層が該反射用領域に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置用基板の製造方法。
- 有機高分子層が、感光性樹脂を硬化させた層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶表示装置用基板の製造方法。
- 液晶表示装置用基板が、カラーフィルタ基板であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の液晶表示装置用基板の製造方法。
- 有機高分子層が、カラーフィルタを形成する着色層または透明樹脂層の少なくとも何れかであることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置用基板の製造方法。
- 有機高分子層が形成された基板の有機高分子層表面の少なくとも一部に凹凸を有する液晶表示装置用基板において、該凹凸の算術平均粗さRaが0.01μm〜0.5μmの範囲内であることを特徴とする液晶表示装置用基板。
- 液晶表示装置用基板が外光を反射する反射用領域を一画素内に有し、有機高分子層が該反射用領域に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置用基板。
- 有機高分子層が、感光性樹脂を硬化させた層であることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置用基板。
- 液晶表示装置用基板が、カラーフィルタ基板であることを特徴とする請求項7〜10の何れかに記載の液晶表示装置用基板の製造方法。
- 有機高分子層が、カラーフィルタを形成する着色層または透明樹脂層の少なくとも何れかであることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置用基板。
- 請求項7〜11の何れかに記載の液晶表示装置用基板を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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2003
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