JP2003292563A - ウレタンポリオール組成物およびポリウレタン - Google Patents

ウレタンポリオール組成物およびポリウレタン

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウレタンポリオールとして基本的にはヒマシ
油系ポリオールを用いた方法において、そのヒマシ油系
ポリオールの良さを生かしながらも、ヒマシ油系ポリオ
ールを用いたのでは到達できなかったレベルにまでポリ
ウレタンの性能をアップして、機械特性、耐水性(耐加
水分解性、防蝕性)、金属等の対象物との密着性などの
性能を確実かつ顕著に向上させることができる技術を提
供することを目的とする。 【解決手段】 (イ)ヒマシ油系ポリオール(CO)と、
(ロ)高級ヒドロキシ脂肪酸単位(A) と、第1級または
/および第2級のアミノ基を有するポリアミン単位(B)
とからなるアミド系ポリオール(AB)、との組成物からな
るウレタンポリオール組成物である。この組成物からな
るポリオール成分と、ポリイソシアネート成分とを反応
させて、ポリウレタンを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高級ヒドロキシ脂
肪酸単位を有するアミド系ポリオールと、ヒマシ油系ポ
リオールとの組成物からなるウレタンポリオール組成物
(つまりポリウレタン製造のためのポリオール成分)に
関するものである。また、その組成物をポリオール成分
として用いたポリウレタンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】〈ポリエステルポリオール、ポリエーテ
ルポリオール〉周知のように、ポリウレタンは、ポリオ
ール成分とポリイソシアネート成分とを反応させること
により得られる。ポリオール成分には多種のものがある
が、その代表的なものは、ポリエステルポリオールまた
はポリエーテルポリオールである。ポリエステルポリオ
ールには、縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系
ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオールな
どがある。ポリエーテルポリオールは、ポリアルキレン
グリコールのことであり、種々の変性体も用いられる。
【0003】〈ヒマシ油系ポリオール〉ポリオール成分
として、ヒマシ油系ポリオール(ヒマシ油やヒマシ油誘
導体)を用いるポリウレタンの製造法も知られている。
【0004】たとえば、本出願人の出願にかかる次に列
挙するような出願がある。 ・特公昭63−22216号公報(特開昭56−226
016号公報):ヒマシ油と、水酸基を実質上有しない
天然油脂とのエステル交換反応物とからなる水酸基含有
化合物。 ・特公平3−34766号公報(特開昭60−5352
2号公報):高粘度炭化水素系ポリオール(X) と脱水ま
たはアシル化したヒマシ油(Y) とよりなるポリオール組
成物。 ・特公平3−70731号公報(特開昭60−1770
13号公報):水酸基を実質上有しない天然油脂Aとヒ
マシ油BとからなるトリグリセライドABと、N,N,
N,N−テトラキス[2−ヒドロキシプロピル]エチレ
ンジアミンCと、必要に応じ低分子量ポリオールDとを
反応させてなるポリオール組成物。(なお、成分Cは第
3級窒素含有アルコールに属するものであり、この窒素
にはOH基は反応しないので、アミドが形成されるわけ
ではない。) 特公平4−10913号公報(特開昭62−22791
5号公報):ヒマシ油系ポリオールとビスフェノール系
ポリオールとをポリイソシアネートで架橋したOH末端
プレポリマーXと、多価アルコールにジイソシアネート
を付加させた末端イソシアネートプレポリマーYとより
なる二液ウレタン組成物。 ・特開昭64−22914号公報:MDI系液状ポリイ
ソシアネートとヒマシ油系モノオールとの反応物からな
るイソシアネート末端プレポリマー。 ・特開昭64−26534号公報:ビスフェノール類ア
ルキレンオキサイド付加物のヒマシ油脂肪酸モノまたは
ジエステル。 ・特開平1−110527号公報:ダイマー酸(X) 1モ
ルと、ヒマシ油系ポリオール(Y) 1モルまたは2モル
と、他のポリオール(Z) 1モルまたは0モルとのエステ
ル化物からなるポリエステルポリオール。 ・特開平3−81316号公報:高粘度炭化水素系ポリ
オールと、イソ系1価アルコールとを必須成分とする水
酸基含有化合物(他にポリオールやモノオールを併用
可、ヒマシ油系ポリオールやヒマシ油系モノオールにも
言及あり)。 ・特開平7−102046号公報:重合ヒマシ油のエス
テル交換反応物とカプロラクトンとの反応物。 ・特許第3076757号(特開平9−324027号
公報):2量体以上のオキシ脂肪酸オリゴマー。 ・特許第3076764号(特開平10−81728号
公報):OH含有液状イソプレン水素化物とオキシ脂肪
酸オリゴマーとの組成物。 ・特開平11−166032号公報:末端OH基を有す
る水添イソプレン系ポリオールと、オキシカルボン酸オ
リゴマーと多価アルコールとのエステルとの併用。 ・特開平11−166155号公報:オキシカルボン酸
オリゴマーと多価アルコールとのエステル。
【0005】ポリオール成分として、ヒマシ油系ポリオ
ール(ヒマシ油やヒマシ油誘導体)を用いるポリウレタ
ンの製造法については、他にも多数の出願がなされてい
る。そのいくつかを下記にあげる。 ・特開平7−165866号公報:ヒマシ油誘導体と、
末端カルボキシル基含有化合物とを反応または混合した
活性水素含有化合物と、ポリイソシアネートとからなる
無溶剤型ウレタン樹脂組成物。ここでヒマシ油誘導体の
例は、ヒマシ油、そのアルキレンオキシド付加物、その
エポキシ化物、そのハロゲン化物、ヒマシ油と多価アル
コールとのエステル交換物。末端カルボキシル基含有化
合物の例は、ロジン誘導体、多塩基酸、多塩基酸と多価
アルコールとのエステル化によって得られるポリエステ
ル、一塩基酸など。 ・特公平1−27109号公報(特開昭57−9201
5号公報):ビスフェノール類のオキシアルキレンエー
テルと、ヒマシ油系ポリオールまたはポリエンポリオー
ルを必須成分とするポリオールを用いたポリウレタン系
の硬質の床仕上用組成物。ヒマシ油系ポリオールとは、
ヒマシ油、ヒマシ油誘導体(たとえばヒマシ油脂肪酸の
ジグリセライドやモノグリセライド)。 ・特許第3191882号(特開平5−345876号
公報)には、ポリオール型キシレンホルムアルデヒド樹
脂を必須成分とし、その他のポリオールを含有するポリ
マー混合物を用いた二液型ウレタン樹脂組成物。その他
のポリオールの例として、ヒマシ油、ヒマシ油変性ポリ
オールについても言及。 ・特許第2623226号(特開平8−120043号
公報):ポリオール成分として、ヒマシ油、ヒマシ油脂
肪酸エステル等、ポリイソシアネート成分として、部分
脱水ヒマシ油または部分アシル化ヒマシ油と有機ポリイ
ソシアネートとからのプレポリマー。
【0006】特開2001−347603には、鋼材の
表面に前処理を施した後、無溶剤ポリウレタン樹脂から
なる被覆層を被覆して重防蝕被覆鋼材を得るにあたり、
前処理として二液反応型ウレタンプライマーを用いるこ
とについて開示があり、その二液反応型ウレタンプライ
マーの例として、脂肪族アミンポリオールとヒマシ油
(またはアルキレンポリオール)とを併用したポリオー
ル成分を用いることが記載されている。ここで脂肪族ア
ミンポリオールとは、脂肪族アミンやアルカノールアミ
ンにアルキレンオキサイドを付加させたものである。
【0007】〈アミド系ポリオール〉ポリオール成分と
して、アミド系ポリオールを用いるポリウレタンの製造
法もいくつか提案されている。
【0008】たとえば、特開2000−72732に
は、ジカルボン酸ジエステルとアミノアルコールとを反
応させることにより、 HO-Y1-NHCO-X-OCNH-Y2OH (Xは2価の炭化水素基、Y1 およびY2 は2価の有機
基)で示されるアミド基含有ポリオールの製造方法が示
されている。ジカルボン酸ジエステルの例は、マロン酸
ジメチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、ア
ジピン酸ジメチル、セバシン酸ジメチル、オルソフタル
酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメ
チル、無水コハク酸などである。得られたアミド基含有
ポリオールは、ポリウレタン樹脂の原料として用いら
れ、ポリウレタン樹脂の耐熱性、耐薬品性、耐加水分解
性を向上させることができるとしている。
【0009】特開平11−29619号公報には、 HO-R1NHC(=O)R2-OH (R1 は炭素数2〜10の炭化水素基、R2 は炭素数1
〜10の炭化水素基)で示されるアミドジオールを鎖延
長剤の一部として用いる熱可塑性ポリウレタン樹脂の製
造方法が示されている。アミドジオールは、たとえば、
モノアルカノールアミンとオキシ酸または環状エステル
との反応によって得られる。モノアルカノールアミンの
例は、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミ
ン、モノブタノールアミン、モノヘキサノールアミンな
どである。オキシ酸の例は、オキシ酢酸、オキシプロピ
オン酸、p−オキシプロピオン酸、乳酸、オキシ酪酸、
p−オキシ安息香酸などである。環状エステルの例は、
γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル
−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどであ
る。得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂は、機械的特性
にすぐれたものとなるとしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】〈ポリエステルポリオ
ール、ポリエーテルポリオール〉ポリエステルポリオー
ルをポリオール成分として用いたポリウレタンは、金属
等に対する密着性が良好であるという利点があるが、反
面、ポリオール成分の粘度が高くなること(固形、ペー
スト、高粘度液状体)、得られるポリウレタンの耐水性
や耐薬品性が劣り、また電気特性が劣る傾向があり、性
能や用途に制限がある。
【0011】ポリエーテルポリオールをポリオール成分
として用いたポリウレタンは、該ポリオールが低粘度で
あるという利点があるが、反面、耐水性が不足するため
吸水して強度が低下すること、ウレタン化反応時に発泡
を生じる傾向があること、電気特性が不足すること、機
械特性の点でも必ずしも満足しえないこと、金属等に対
する密着性も改良の余地があることなどの問題点があ
る。
【0012】上記のような問題点は、これらのポリオー
ルがエステル結合またはエーテル結合を骨格とすること
に起因する。そこで、ポリエステルポリオールやポリエ
ーテルポリオールを改良するため、種々の変性対策やブ
レンド処方が採られているが、組成が複雑となる上、満
足できるほどにまで問題点を解消することは容易ではな
い。
【0013】〈ヒマシ油系ポリオール〉ウレタンポリオ
ールとしてヒマシ油系ポリオールを用いる方法は、低粘
度でありかつウレタン化反応時に発泡を生じがたく、得
られるポリウレタンの電気特性も良好であるので、ポリ
エステルポリオールやポリエーテルポリオールを用いる
方法によっては達成できないような好ましい性質を持っ
ている。
【0014】しかしながら、防蝕塗料、接着剤、電気絶
縁封止剤などの分野のように、要求水準が日々に厳しく
なっていく状況下においては、機械物性、耐水性、防蝕
性、金属等の対象物に対する密着性などの点で、さらに
改良を図る必要がある。この場合、ヒマシ油系ポリオー
ルと共に、ポリエーテルポリオールなど他のポリオール
を併用することも考えられるが、このようなブレンド処
方では結局は両者の中間程度の性質が得られることにな
るので、根本的対策とは言い難い。
【0015】もし、基本的にヒマシ油系ポリオールを用
いても、上述のような要求特性を顕著に改良することが
できれば、ヒマシ油系ポリオールを用いることの利点を
維持しながら、ポリウレタンの性能をさらに向上させる
ことができ、また従来は困難であると見られていた新た
な分野への進出も可能となる。
【0016】なお、特開2001−347603に記載
の脂肪族アミンポリオールとヒマシ油とを併用したポリ
オール成分は、脂肪族アミンポリオール(脂肪族アミン
やアルカノールアミンにアルキレンオキサイドを付加さ
せたもの)を用いているため、耐水性などの点で問題が
残る。
【0017】〈アミド系ポリオール〉上に引用した文献
のうち、特開2000−72732のアミド基含有ポリ
オールの製造方法、特開平11−29619号公報の熱
可塑性ポリウレタン樹脂の製造方法も、アミノアルコー
ルないしモノアルカノールアミンを用いているため、ア
ミド結合のほかエステル結合を生ずることになり、耐水
性や耐薬品性などの点で支障を来すことがある。
【0018】〈発明の目的〉本発明は、このような背景
下において、ウレタンポリオールとして基本的にはヒマ
シ油系ポリオールを用いた方法において、そのヒマシ油
系ポリオールの良さを生かしながらも、ヒマシ油系ポリ
オールを用いたのでは到達できなかったレベルにまでポ
リウレタンの性能をアップして、機械特性、耐水性(耐
加水分解性、防蝕性)、金属等の対象物との密着性など
の性能を確実かつ顕著に向上させることができる技術を
提供することを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明のウレタンポリオ
ール組成物は、(イ)ヒマシ油系ポリオール(CO)と、
(ロ)高級ヒドロキシ脂肪酸単位(A) と、第1級または
/および第2級のアミノ基を有するポリアミン単位(B)
とからなるアミド系ポリオール(AB)との組成物からなる
ことを特徴とするものである。
【0020】本発明のポリウレタンは、ヒマシ油系ポリ
オール(CO)とアミド系ポリオール(AB)との組成物からな
る上記のポリオール成分と、ポリイソシアネート成分と
の反応物からなることを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0022】《ヒマシ油系ポリオール(CO)》本発明にお
けるヒマシ油系ポリオール(CO)とは、ヒマシ油またはヒ
マシ油誘導体からなる広義の意味のものとする。ヒマシ
油系ポリオール(CO)としては、ヒマシ油が好適に用いら
れ、そのほか、ヒマシ油と多価アルコールとのエステル
交換反応物、部分脱水ヒマシ油、部分アシル化ヒマシ油
(部分アセチル化ヒマシ油等)、ヒマシ油のアルキレン
オキシド付加物、ヒマシ油のエポキシ化物、ヒマシ油の
ハロゲン化物、ビスフェノール類アルキレンオキサイド
付加物のヒマシ油脂肪酸モノまたはジエステル、ダイマ
ー酸とヒマシ油系ポリオールとのエステル化物、重合ヒ
マシ油のエステル交換反応物とカプロラクトンとの反応
物、ヒマシ油脂肪酸の2量体以上の縮合体またはその縮
合体と多価アルコールとのエステルなども用いられる。
水添ヒマシ油のような、ヒマシ油またはヒマシ油誘導体
の水素添加物も用いることができる。上に例示したもの
以外のものであって差し支えない。また、2種以上を併
用しても差し支えない。
【0023】《アミド系ポリオール(AB)》アミド系ポリ
オール(AB)としては、高級ヒドロキシ脂肪酸単位(A)
と、第1級または/および第2級のアミノ基を有するポ
リアミン単位(B) とからなるものが用いられる。
【0024】そして、このアミド系ポリオール(AB)は、
高級ヒドロキシ脂肪酸単位を有する高級ヒドロキシ脂肪
酸系化合物(a) と、第1級または/および第2級のアミ
ノ基を有するポリアミン(b) とを反応させることにより
得ることができる。
【0025】〈高級ヒドロキシ脂肪酸系化合物(a) 〉高
級ヒドロキシ脂肪酸系化合物(a) としては、まず、炭素
数12以上の高級カルボン酸、特に炭素数12〜36ま
たはそれ以上の高級カルボン酸のうち、OH基を1ない
し複数個有する高級ヒドロキシカルボン酸があげられ
る。いくつかの例をあげると、 ・ヒマシ油脂肪酸(主成分:リシノール酸)、 ・水添ヒマシ油脂肪酸(主成分:12−ヒドロキシステ
アリン酸)、 ・11−または16−ヒドロキシヘキサデカン酸、 ・16−ヒドロキシヘキサデセン酸、 ・2−または18−ヒドロキシオクタデカン酸、 ・22−ヒドロキシドコサン酸、 ・2−ヒドロキシテトラコサン酸、 ・ジヒドロキシミリスチン酸、 ・ジヒドロキシパルミチン酸、 ・ジヒドロキシステアリン酸、 ・ジヒドロキシアラキン酸、 ・トリヒドロキシパルミチン酸、 ・レスクレラ油(Lesqurella Oil)から得られるレスクレ
ラ酸(Lesqurellic acid)酸、 ・デモルフォテカ油(Demorphotheca Oil) から得られる
デモルフェコリック酸(Demorphecolic Acid)、 ・エポキシ化不飽和油(エポキシ化大豆油、エポキシ化
アマニ油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化トール油
等)を分解して脂肪酸としてから開環したヒドロキシル
カルボン酸の如くである。これらの中では、ヒマシ油脂
肪酸が特に重要である。また、後述のものを含めて、2
種以上を併用しても差し支えない。
【0026】上に例示した高級ヒドロキシカルボン酸の
ほか、これらの高級ヒドロキシカルボン酸の低級アルキ
ルエステルや多価アルコールエステル、たとえば、ヒマ
シ油脂肪酸メチルエステル、ヒマシ油、ヒマシ油と多価
アルコールとのエステル交換反応物、部分脱水ヒマシ
油、部分アシル化ヒマシ油(部分アセチル化ヒマシ油
等)、ヒマシ油のアルキレンオキシド付加物、ヒマシ油
のエポキシ化物、ヒマシ油のハロゲン化物なども用いる
ことができ、またこれらに対応する水素添加物(水添ヒ
マシ油脂肪酸メチルエステル、水添ヒマシ油等)も用い
ることができる。
【0027】さらに、高級ヒドロキシ脂肪酸系化合物
(A) としては、上記のような高級ヒドロキシ脂肪酸同士
を、あるいはその高級ヒドロキシ脂肪酸とOH基を有し
ない高級脂肪酸とを、不活性ガス雰囲気下において18
0〜240℃程度の温度条件下に加熱して縮合反応させ
ることにより得た2量体以上のオリゴマーを用いること
もできる。ここでOH基を有しない高級脂肪酸の例とし
ては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、
モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸など
があげられ、これらの成分を含むヤシ油脂肪酸、パーム
油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、水添牛脂脂
肪酸などの脂肪酸や、これらの成分を含む合成脂肪酸も
用いることができる。
【0028】〈ポリアミン(b) 〉ポリアミン(b) として
は、第1級または/および第2級のアミノ基を有するポ
リアミンが用いられる。単一のポリアミンに限らず、2
種以上のポリアミンを併用することもできる。
【0029】このポリアミンの中で特に重要かつ好まし
いものは、第1級または/および第2級のアミノ基を有
する線状または環状の脂肪族ポリアミンである。脂肪族
ポリアミンとは、炭化水素基にNH基やNH2 が結合し
ている化合物を言い、他に芳香族を有していても差し支
えないことを意味するものとする。なお、脂肪族ポリア
ミンは、第1級または/および第2級のアミノ基を有し
ていれば、場合によってはさらに第3級窒素を有してい
ても差し支えない。
【0030】ここで線状の脂肪族ポリアミンの例は、エ
チレンジアミン(EDA)、1,3−ジアミノプロパン
(PDA)、1,4−ジアミノブタン(BDA)、2−
メチルペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン(HMDA)、2,5−ジメチルヘキサメチレンジア
ミン(DMHDA)、トリメチルヘキサメチレンジアミ
ン(TMD)、1,12−ドデカンジアミン、ジエチレ
ントリアミン(DETA)、イミノビスプロピルアミン
(DPTA)、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン(D
HTA)、トリ(メチルアミノ)ヘキサン(TMA
H)、トリス(3−アミノプロピル)アミン、トリエチ
レンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミ
ン(TEPA)、ペンタエチレンヘキサミン(PEH
A)などである。環状の脂肪族ポリアミンの例は、m−
キシリレンジアミン(MXDA)またはその水素添加物
(1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3−
BAC))、p−キシリレンジアミンまたはその水素添
加物、イソフォロンジアミン(IPD)、メンセンジア
ミン(MDA)、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ビ
ス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタ
ン、ジアミノジシクロヘキシルメタンなどである。
【0031】ポリアミン(b) としては、場合によって
は、メタフェニレンジアミン(MPDA)、4,4’−
ジアミノジフェニルメタン(DDM)、ジアミノジフェ
ニルスルフォン(DDS)、ジアミノジエチルジフェニ
ルメタン等の芳香族ポリアミンを用いることもできる。
【0032】なお、ジアルカノールアミンやモノアルカ
ノールアミン等のアルカノールアミンを用いたときは、
高級ヒドロキシ脂肪酸系化合物(a) との反応に際してア
ミド結合のほかにエステル結合を生じて耐水性低下の原
因となるので、上記のポリアミン(b) と併用して少量を
使用するような場合は別として、その使用を避けるべき
である。
【0033】〈反応〉高級ヒドロキシ脂肪酸系化合物
(a) とポリアミン(b) との反応は、窒素ガス等の不活性
ガス雰囲気中で、両者を温度130〜250℃程度の温
度条件下に加熱反応させることにより達成できる。反応
は、通常は無触媒下に行うが、場合によっては適当な触
媒を用いることもある。
【0034】反応中に副生する水、アルコール等の副生
物は、反応の進行中に系外に除去することが望ましい
(たとえば、高級ヒドロキシ脂肪酸系化合物(a) が高級
ヒドロキシカルボン酸であるときは水が副生し、高級ヒ
ドロキシカルボン酸の低級アルキルエステルであるとき
はアルコールが副生する)。
【0035】高級ヒドロキシ脂肪酸系化合物(a) とポリ
アミン(b) との反応割合は、前者のカルボキシル基と後
者のアミノ基の活性水素との当量比COOH/Hが1と
なることを目安にするが、どちらかを過剰にして反応を
行ってもよく、必要に応じて、反応後に過剰の分を除去
する。COOH/H比は、通常は 0.9〜1.2 と程度に設
定することが多い。
【0036】《ポリウレタン》ポリウレタンは、ポリオ
ール成分およびポリイソシアネート成分を反応させるこ
とにより得られる(鎖延長剤を配合することもある)。
なお、この分野において知られているように、両成分の
うちの一部を予め反応させて末端NCO型または末端O
H型のプレポリマーとしておき、使用に際し残部と混合
するようにしてもよい。
【0037】〈ポリオール成分〉ポリオール成分として
は、先に述べたヒマシ油系ポリオール(CO)とアミド系ポ
リオール(AB)との組成物が用いられる。このアミド系ポ
リオール(AB)はヒマシ油系ポリオール(CO)との相溶性が
非常に良好であり、ポリウレタンとしたときの物性も良
好である。
【0038】ヒマシ油系ポリオール(CO)とアミド系ポリ
オール(AB)との割合は、両者の合計量100重量%に占
めるヒマシ油系ポリオール(CO)の割合が95〜15重量
%(殊に90〜20重量%、さらには85〜25重量
%)で、アミド系ポリオール(AB)の割合が5〜85重量
%(殊に10〜80重量%、さらには15〜75重量
%)とすることが好ましい。ヒマシ油系ポリオール(CO)
の過多(アミド系ポリオール(AB)の過少)は、ポリオー
ル成分としてヒマシ油系ポリオール(CO)を単独で用いた
場合に比し改良効果が乏しくなる。一方、ヒマシ油系ポ
リオール(CO)の過少(アミド系ポリオール(AB)の過多)
は、系の粘度が高くなりすぎるため、取り扱いに支障を
来すおそれがある。
【0039】ポリオール成分としては、上記のヒマシ油
系ポリオール(CO)およびアミド系ポリオール(AB)と共
に、従来提案されているような他の種々のポリオールを
併用することができる。ここで他のポリオールとして
は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオー
ル、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、THF−
アルキレンオキサイド共重合ポリオール、エポキシ変性
ポリオール、炭化水素系ポリオール、アクリルポリオー
ル、部分ケン化EVA、難燃ポリオール、キシレン骨格
のポリオールをはじめとする汎用または特殊のポリオー
ルがあげられる。本発明の組成物を用いた分だけ効果が
得られるので、他のポリオールの併用割合は広い範囲か
ら選択できるものの、本発明の趣旨を損なわない範囲と
することが望ましい。たとえば、全ポリオールの合計量
を100重量%とするとき、他のポリオールの使用割合
は、たとえば50重量%以下、通常は30重量%以下、
好ましくは20重量%以下、殊に10重量%以下という
ように、できるだけ少ない方が好ましい。
【0040】〈ポリイソシアネート成分〉ポリイソシア
ネート成分としては、 ・2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート、 ・4,4’−、2,4’−または2,2’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、 ・1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、 ・2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネート、 ・p−フェニレンジイソシアネート、 ・4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、 ・3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシ
アネート、 ・1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネー
ト、 ・1,3−または1,4−テトラメチルキシレンジイソ
シアネート、 ・イソホロンジイソシアネート、 ・1,5−ナフタレンジイソシアネート、 ・trans −1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、 ・リジンジイソシアネート、 ・リジントリイソシアネート、 ・メチルシクロヘキサン−2,4−または2,6−ジイ
ソシアネート、 ・1,3−または1,4−(ジイソシアネートメチル)
シクロヘキサン、 ・ジアニシジンジイソシアネート、 ・ダイマー酸ジイソシアネート、 ・イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシア
ネート)、 ・トリフェニルメタンジイソシアネート、 ・トリフェニルメタントリイソシアネート、 ・ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネート、 ・トリス(イソシアネートフェニル)−チオリン酸、 などのモノマー体、ポリマー体が用いられる。
【0041】これらの化合物のウレタン変性体、アロハ
ネート変性体、ビウレット変性体、カルボジイミド変性
体、ウレトニミン変性体、ウレトジオン変性体(二量
体)、イソシアヌレート変性体(三量体)、ウレア変性
体、アシル化尿素変性体、ブロック化物(フェノール
類、オキシム類、イミド類、メルカプタン類、アルコー
ル類、ε−カプロラクタム、エチレンイミン、α−ピロ
リドン、マロン酸ジエチル、亜硫酸水素ナトリウム、ホ
ウ酸等でブロック化したもの)、通常のプレポリマーな
どが用いられる。たとえば、カルボジイミド変性ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、ポリメライズドジフェニ
ルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイ
ソシアネートなどである。
【0042】〈NCO/OHの当量比〉ポリオール成分
とポリイソシアネート成分の配合割合は、NCO/OH
の当量比が 0.7〜 1.6、さらには 0.8〜 1.4となるよう
にするのが、充分な硬化が図られるので好ましい。
【0043】ポリオール成分とポリイソシアネート成分
との少なくとも一方には、用途や目的に応じて、鎖延長
剤または架橋剤(多価アルコール類、多価アミン類
等)、フィラーまたは顔料(タルク、クレー、炭酸カル
シウム、バライタ粉、シリカ粉、硫酸バリウム、マイ
カ、アルミナ、水酸化アルミニウム、木粉、骨粉、カー
ボンブラック、酸化チタン、酸化鉄等)、可塑剤(フタ
ル酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリ
エステル系可塑剤、トメリット酸エステル系可塑剤、脂
肪族二塩基酸エステル系可塑剤等)、触媒(アミン系触
媒、無機金属系触媒、有機金属系触媒等)、油脂(麻実
油、あまに油、えの油、オイチシカ油、ケシ油、桐油、
クランベ油、ナタネ油、キャノーラ油、トール油等)、
難燃剤(リン化合物、ハロゲン化合物、酸化アンチモン
等)、有機溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止
剤、カップリング剤、加水分解防止剤、界面活性剤、レ
ベリング剤、消泡剤、脱水剤、発泡剤、離型剤、キシレ
ン樹脂、石油樹脂、香料、防黴剤などを適宜配合するこ
とができる。
【0044】〈作用〉高級ヒドロキシ脂肪酸単位(A)
と、第1級または/および第2級のアミノ基を有するポ
リアミン単位(B) とからなるアミド系ポリオール(AB)
は、ヒマシ油系ポリオール(CO)との相溶性が非常に良い
上、これらの組成物からなる本発明のウレタンポリオー
ル組成物は、ヒマシ油系ポリオール(CO)の良さを生かし
ながら、ヒマシ油系ポリオール(CO)では到達できなかっ
たレベルにまでポリウレタンの性能をアップすることが
でき、機械特性、耐水性(耐加水分解性、防蝕性)、金
属等の対象物との密着性などの性能を確実かつ顕著に向
上させることができる。
【0045】〈用途〉得られるポリウレタンは、塗料
(防食塗料、屋内外の床用塗料、ハイソリッド塗料、無
溶剤塗料等)、コーティング材、ライニング材、接着
剤、バインダー、バッキング、シーラント、コーキン
グ、注型材、封止材、フォームなどとして有用である。
【0046】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「部」とあるのは重量部である。
【0047】〈アミド系ポリオール(AB)の合成〉 合成例1 撹拌機、温度計、窒素導入管、検水管付き還流コンデン
サを備えた反応器(四つ口フラスコ)に、脂肪族ポリア
ミン(b) の一例としてのヘキサメチレンジアミン116
部(1.0 モル)と、高級ヒドロキシ脂肪酸系化合物(a)
の一例としてのヒマシ油脂肪酸654部(2.0 モル)と
を仕込み、窒素気流下、副生する水を系外に留去させな
がら、230℃で4時間反応させた。これにより、酸価
5.5、全アミン価 1.8、水酸基価 147.2の常温で固形状
の化合物(アミド系ポリオール(AB))が得られた。
【0048】合成例2〜5 高級ヒドロキシ脂肪酸系化合物(a) および脂肪族ポリア
ミン(b) として、後述の表1〜2にあげたものを用いた
ほかは、合成例1に準じてアミド系ポリオール(AB)を合
成した。
【0049】条件および得られた目的物の性質を表1お
よび表2に分けて示す。表中の符号の意味は次の通りで
ある。 COFA: ヒマシ油脂肪酸 HMDA: ヘキサメチレンジアミン DETA: ジエチレントリアミン TETA: トリエチレンテトラミン MXDA: メタキシリレンジアミン EDA: エチレンジアミン
【0050】〈試験片の作成条件〉ポリオール成分とポ
リイソシアネート成分とを当量比 1.0で配合し、85℃
×16時間加熱硬化させた後、23℃で168時間放置
したシート状成形物を切り抜いて使用した。ポリイソシ
アネート成分としては、クルードMDI(ジフェニルメ
タンジイソシアネート)(日本ポリウレタン工業株式会
社製の「ミリオネートMR−200」)を用いた。
【0051】〈機械物性の測定〉 ・引張強さ(JIS K7312) 引張強さの測定は、試験温度23℃でダンベル形状3号
形試験片にて行った。引張試験機(オートグラフAGS
−10kNG、株式会社島津製作所製)を用いて試験片
が切断するまでの最大引張力を読み取り、次の式により
算出した。 引張強さ(MPa) =最大引張力(N) /試験片の断面積(m
m2) ・切断時伸び(JIS K7312) 切断時伸びの測定は、試験温度23℃でダンベル状3号
形試験片にて行った。試験片に20mm間隔の標線を付
け、引張試験機を用いて試験片切断時の標線間の長さを
測定し、次の式により算出した。 切断時伸び(%) =100×[切断時の標線間距離(mm)−標
線間距離(mm)]/標線間距離(mm) ・引裂強さ(JIS K7312) 引裂強さは、試験温度23℃で切り込みなしアングル形
試験片にて行った。引張試験機を用いて試験片が切断に
至るまでの最大引裂力を読み取り、次の式により算出し
た。 引裂強さ(N/mm)=最大引裂力(N) /試験片の厚さ(mm) ・硬さ(JIS K7312) 厚さ10mmの平滑な平面を持った試験片を作成し、試験
温度23℃でタイプAおよびタイプDデュロメーターを
用いて硬さを測定した。測定値は試験機を10Nの力で
垂直に押しつけ、直ちに読み取った。 ・体積抵抗率試験 体積抵抗率(Ω・cm)は、10cm×10cm×2mmの試験
片を作成し、試験温度23℃で体積抵抗測定機(MOD
EL4329A RESISTANCE METER、
16008A RESISTIVITY CELL、横
河ヒューレットパッカード株式会社製)を用いて測定し
た。
【0052】〈接着強度試験〉 ・引張剪断接着強さ(JIS K6850) ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを当量比で
混合し、100mm×12.5mm×3mmのサンドブラスト冷間
圧延鋼板2枚を12.5mmの長さで重ね合わせ塗布接着し、
23℃で168時間放置したものを試験片とした。試験
温度23℃で引張試験機を用いて1mm/minで動かし、破
断時の力の最高値を破断力として読み取り、次の式によ
り算出した。 重ね合わせ剪断強さ(MPa) =破断力(N) /剪断面積(m
m2)
【0053】〈相溶性試験〉ヒマシ油に合成例のアミド
系ポリオール(AB)を加え、加温して溶解させた。これを
室温に戻し、状態を観察した。
【0054】〈耐水性試験〉ポリウレタンとしたときの
硬度が、 0.2 MPa×121℃×100%RH×100時
間のPCT(プレッシャー湿熱試験)でどの程度変化す
るかを調べた。変化率が小さい方が耐湿熱性がすぐれて
いる。
【0055】
【表1】 合成例1 合成例2 合成例3 合成例4 (a) 種類 COFA COFA COFA COFA (b) 種類 HMDA DETA TETA MXDA (a):(b) 重量比 650:116 650: 69 650: 73 650:136 (a):(b) モル比 2 : 1 2 : 1 2 : 1 2 : 1 (AB)の性質 酸価 (mgKOH/g) 5.5 4.0 4.8 4.8 全アミン価 (mgKOH/g) 1.8 25.4 25.0 0.8 水酸基価 (mgKOH/g) 147.2 183.9 146.8 139.7 粘度(mPa・s/25℃) - 16680 19400 - 外観 固形 ペースト ペースト 固形
【0056】
【表2】
【0057】表1〜2から、アミド系ポリオール(AB)
は、高粘度ないしペースト状または固形になりやすいこ
とがわかる。
【0058】合成例1〜5のうち、ポリオール成分とし
て合成例4のアミド系ポリオール(AB)のみを用い、ポリ
イソシアネート成分としてはクルードMDIを用いて、
上述の「〈試験片の作成条件〉」に従ってポリウレタン
を製造した。同様に、ポリオール成分として参考例1の
ヒマシ油のみを用い、ポリイソシアネート成分としては
クルードMDIを用いて、上述の「〈試験片の作成条
件〉」に従ってポリウレタンを製造した。結果を次の表
3に示す。
【0059】
【表3】
【0060】〈アミド系ポリオール(AB)とヒマシ油との
相溶性、ポリウレタンの特性〉合成例1〜5で得たアミ
ド系ポリオール(AB)とヒマシ油との相溶性、およびポリ
オール成分としてそれらのアミド系ポリオール(AB)とヒ
マシ油とを併用し、ポリイソシアネート成分としてはク
ルードMDIを用いて、上述の「〈試験片の作成条
件〉」に従ってポリウレタンを製造したときの特性を、
次の表4〜6に実施例1〜9として示す。また、比較例
1〜4を表7に示す。表7の比較例1〜3は、アミド系
ポリオール(AB)を用いずに、ポリオール成分として、#1
ではヒマシ油を100%、#2では部分脱水ヒマシ油を1
00%、#3では部分アセチル化ヒマシ油を100%用い
た場合である。表7の比較例4は、ヒマシ油(CO)と、ビ
スフェノールプロピレンオキサイド付加物のヒマシ油脂
肪酸エステル(#4)とを、重量比で4:6の割合で併用し
た場合である。
【0061】
【表4】 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 (AB)種類 合成例1 合成例1 合成例2 合成例3 (CO):(AB) 重量比 50:50 75:25 50:50 50:50 COとの相溶性(室温) ○ ○ ○ ○ ポリウレタン 硬度 (Shore) 94A 80A 94A 95A 引張強度 (MPa) 7.0 5.3 23.7 16.6 引裂強度 (N/mm) 29 17 94 50 伸び (%) 180 227 108 101 引裂/引張強度比 4.1 3.2 4.0 3.0 CO配合物の総合評価 ○ ○ ○ ○ 耐水性試験(硬度) 処理前 94A 80A 94A 95A 処理後 66A 49A 78A 80A 変化率 (%) ○ 30 ○ 39 ◎ 17 ◎ 16 引張剪断接着強さ(MPa) - - - -
【0062】
【表5】 実施例5 実施例6 実施例7 実施例8 (AB)種類 合成例5 合成例4 合成例4 合成例4 (CO):(AB) 重量比 50:50 75:25 50:50 25:75 COとの相溶性(室温) ○ ○ ○ ○ ポリウレタン 硬度 (Shore) 94A 72A 81A 95A 引張強度 (MPa) 10.3 14.3 19.4 22.4 引裂強度 (N/mm) 32 51 61 82 伸び (%) 237 172 120 140 引裂/引張強度比 3.1 3.6 3.1 3.7 CO配合物の総合評価 ○ ○ ○ ○ 耐水性試験(硬度) 処理前 94A 72A 81A 95A 処理後 62A 53A 53A 67A 変化率 (%) ○ 34 ◎ 26 ○ 35 ○ 29 引張剪断接着強さ(MPa) - ○ 4.4 ○ 4.4 ○ 3.7
【0063】
【表6】
【0064】
【表7】 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 ヒマシ油 #1 100% - - 40% ヒマシ油誘導体 - #2 100% #3 100% #4 60% ポリウレタン 硬度 (Shore) 68A 48A 52A 68D 引張強度 (MPa) 9.6 1.0 2.0 22.3 引裂強度 (N/mm) 14 3.9 3.0 119 伸び (%) 150 125 109 150 引裂/引張強度比 1.5 3.9 1.5 5.3 耐水性試験(硬度) 処理前 68A 48A 52A 68D 処理後 35A 0 26A 35D 変化率 (%) △ 49 ×100 △ 50 △ 49 引張剪断接着強さ(MPa) × 1.8 × 0.8 × 1.1 -
【0065】表4〜6の実施例のように、アミド系ポリ
オール(AB)とヒマシ油とは相溶性が非常に良く、その組
成物をポリオール成分として用いた場合は、ポリウレタ
ンの機械特性、耐水性、接着性がすぐれていることがわ
かる。
【0066】これに対し、ポリオール成分としてヒマシ
油系ポリオールを単独で用いた場合は、表7の比較例1
〜3のように、耐水性試験における耐水性が不足し(処
理後の変化率が大きく)、接着性(引張剪断接着強さ)
も不足している。表7の比較例4は、ビスフェノール骨
格を有するヒマシ油誘導体をヒマシ油と併用した場合で
あるが、耐水性が不足している。
【0067】
【発明の効果】作用の項で述べたように、高級ヒドロキ
シ脂肪酸単位(A) と、第1級または/および第2級のア
ミノ基を有するポリアミン単位(B) とからなるアミド系
ポリオール(AB)は、ヒマシ油系ポリオール(CO)との相溶
性が非常に良い上、これらの組成物からなる本発明のウ
レタンポリオール組成物は、ヒマシ油系ポリオール(CO)
の良さを生かしながら、ヒマシ油系ポリオール(CO)では
到達できなかったレベルにまでポリウレタンの性能をア
ップすることができ、機械特性、耐水性(耐加水分解
性、防蝕性)、金属等の対象物との密着性などの性能を
確実かつ顕著に向上させることができる。
フロントページの続き (72)発明者 森本 祥嗣 三重県四日市市末広町16番41号 伊藤製油 株式会社内 (72)発明者 飯場 雅美 三重県四日市市末広町16番41号 伊藤製油 株式会社内 (72)発明者 山田 義治 三重県四日市市末広町16番41号 伊藤製油 株式会社内 (72)発明者 鎌倉 大輔 三重県四日市市末広町16番41号 伊藤製油 株式会社内 Fターム(参考) 4J034 BA08 CA01 CA04 CB02 CB07 CC01 CD01 DA01 DB03 DB07 DC50 EA12 HA01 HC12 HC13 HC22 HC65 HC71 HD00 JA01 QA07 QB17 RA07 RA08 RA19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)ヒマシ油系ポリオール(CO)と、
    (ロ)高級ヒドロキシ脂肪酸単位(A) と、第1級または
    /および第2級のアミノ基を有するポリアミン単位(B)
    とからなるアミド系ポリオール(AB)との組成物からなる
    ことを特徴とするウレタンポリオール組成物。
  2. 【請求項2】ヒマシ油系ポリオール(CO)とアミド系ポリ
    オール(AB)との合計量100重量%に占めるヒマシ油系
    ポリオール(CO)の割合が95〜15重量%で、アミド系
    ポリオール(AB)の割合が5〜85重量%である請求項1
    記載のウレタンポリオール組成物。
  3. 【請求項3】アミド系ポリオール(AB)における高級ヒド
    ロキシ脂肪酸単位(A) の炭素数が12以上である請求項
    1記載のウレタンポリオール組成物。
  4. 【請求項4】アミド系ポリオール(AB)における炭素数1
    2以上の高級ヒドロキシ脂肪酸単位(A) が、ヒマシ油脂
    肪酸単位または/および水添ヒマシ油脂肪酸単位である
    請求項3記載のウレタンポリオール組成物。
  5. 【請求項5】ヒマシ油系ポリオール(CO)とアミド系ポリ
    オール(AB)との組成物からなる請求項1のポリオール成
    分と、ポリイソシアネート成分との反応物からなること
    を特徴とするポリウレタン。
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