JP6042699B2 - ポリイソシアネート組成物およびポリウレタン樹脂 - Google Patents

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本発明は、ポリイソシアネート組成物およびポリウレタン樹脂、詳しくは、ポリイソシアネート組成物、および、そのポリイソシアネート組成物が用いられるポリウレタン樹脂に関する。
ポリウレタン樹脂は、通常、ポリイソシアネートと活性水素化合物との反応により製造されており、例えば、塗料、接着剤、エラストマーなどとして、各種産業分野において広範に使用されている。
このようなポリウレタン樹脂が、例えば、塗膜などとして使用される場合には、優れた機械物性および耐薬品性が要求される場合があり、そのような場合には、原料として、ペンタメチレンジイソシアネートと、平均官能基数が2〜3.9の低分子量ポリオール、具体的には、トリメチロールプロパンなどとの反応により得られるポリイソシアネート組成物を用いることが、知られている(例えば、特許文献1(実施例1)参照。)。
このようなポリイソシアネート組成物とポリオールとの反応により得られるポリウレタン樹脂は、優れた機械物性および耐薬品性を備えることができる。
特開2010−265364号公報
一方、ポリウレタン樹脂としては、さらなる機械物性および耐薬品性の向上が要求される場合があり、また、ポリウレタン樹脂の製造時における作業性の向上も要求されている。
本発明の目的は、各種工業材料に優れた機械物性および耐薬品性を付与することができ、作業性よく製造することができるポリイソシアネート組成物、および、そのポリイソシアネート組成物が用いられるポリウレタン樹脂を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のポリイソシアネート組成物は、脂肪族ポリイソシアネートと、ジトリメチロールプロパンを含むポリオールとの反応により得られることを特徴としている。
また、本発明のポリイソシアネート組成物では、ポリオールが、ジトリメチロールプロパンとトリメチロールプロパンとからなり、ポリオールの総量に対するジトリメチロールプロパンの含有率が、5モル%以上であることが好適である。
また、本発明のポリイソシアネート組成物では、平均イソシアネート官能基数が、3〜5.5であることが好適である。
また、本発明のポリイソシアネート組成物では、ポリイソシアネートが、ペンタメチレンジイソシアネートからなることが好適である。
また、本発明のポリウレタン樹脂は、上記のポリイソシアネート組成物と、活性水素化合物との反応により得られることを特徴としている。
本発明のポリイソシアネート組成物は、脂肪族ポリイソシアネートと、ジトリメチロールプロパンを含むポリオールとの反応により得られるので、各種工業材料に優れた機械物性および耐薬品性を付与することができ、作業性よく製造することができる。
そのため、本発明のポリイソシアネート組成物が用いられるポリウレタン樹脂は、各種産業分野において、広範に用いることができる。
本発明のポリイソシアネート組成物は、脂肪族ポリイソシアネートとポリオールとの反応により得ることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート)、ペンタメチレンジイソシアネート(1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、PDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、HDI)、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプエートなどの脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
また、脂肪族ポリイソシアネートには、脂環族ポリイソシアネートが含まれる。脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート(1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート)、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロジイソシアネート)(IPDI)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(4,4’−、2,4’−または2,2’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート、これらのTrans,Trans−体、Trans,Cis−体、Cis,Cis−体、もしくはその混合物))(H12MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート)、ノルボルナンジイソシアネート(各種異性体もしくはその混合物)(NBDI)、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物)(HXDI)などの脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
これら脂肪族ポリイソシアネートは、単独使用または2種類以上併用することができる。
脂肪族ポリイソシアネートとして、好ましくは、ペンタメチレンジイソシアネートが挙げられる。
ペンタメチレンジイソシアネートを用いれば、イソシアネート基濃度が高く、また、優れた機械物性および耐薬品性を備えるポリウレタン樹脂を得られるポリイソシアネート組成物を、得ることができる。
ポリオールは、ジトリメチロールプロパン(略称:Di−TMP)を含有している。
ジトリメチロールプロパンは、ビス(2,2−ジヒドロキシメチルブチル)エーテルや、2,2’−ジエチル−2,2’−(オキシジメチル)ビス(プロパン−1,3−ジオール)とも称され、融点109℃の4価のポリオールであって、下記式(1)で示される。
Figure 0006042699
ジトリメチロールプロパンは、例えば、特開平9−268150号公報に記載の方法などによって、トリメチロールプロパン(略称:TMP)を原料として得ることができ、また、市販品として入手することもできる。
ジトリメチロールプロパンは、融点が比較的低温であるため、融点が比較的高温(150℃以上)であるその他の4価ポリオール(例えば、ペンタエリスリトールなど)を用いる場合に比べ、取り扱いが容易である。そのため、ジトリメチロールプロパンを用いれば、ポリイソシアネート組成物の製造における作業性の向上を図ることができる。
また、ポリオールは、好ましくは、ジトリメチロールプロパンの他、さらに、その他の低分子量ポリオール(ジトリメチロールプロパンを除く低分子量ポリオール)を含有することができる。
低分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有する数平均分子量300未満、好ましくは、400未満の化合物であって、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,2−トリメチルペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、アルカン(C7〜20)ジオール、1,3−または1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびそれらの混合物、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオールおよびそれらの混合物、水素化ビスフェノールA、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、ビスフェノールA、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの2価アルコール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリイソプロパノールアミンなどの3価アルコール、例えば、テトラメチロールメタン(ペンタエリスリトール)、ジグリセリンなどの4価アルコール、例えば、キシリトールなどの5価アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、アリトール、イジトール、ダルシトール、アルトリトール、イノシトール、ジペンタエリスリトールなどの6価アルコール、例えば、ペルセイトールなどの7価アルコール、例えば、ショ糖などの8価アルコールなどが挙げられる。
これら低分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
低分子量ポリオールとして、好ましくは、3価アルコール、より好ましくは、トリメチロールプロパンが挙げられる。
すなわち、ポリオールは、好ましくは、ジトリメチロールプロパンとトリメチロールプロパンとからなる。
ポリオールが、ジトリメチロールプロパンとトリメチロールプロパンとからなる場合には、ポリイソシアネート組成物の低粘度化を図ることができる。とりわけ、ジトリメチロールプロパンとトリメチロールプロパンとの含有割合が下記範囲であれば、より良好に低粘度化を図ることができる。
ポリオールがジトリメチロールプロパンと、その他の低分子量ポリオールとを含有する場合において、それらの含有割合は、ポリオールの総量(総モル)に対して、ジトリメチロールプロパンが、例えば、5モル%以上、好ましくは、50モル%以上であり、通常、100モル%未満、好ましくは、95モル%以下である。また、その他の低分子量ポリオールが、通常、0モル%を超過、好ましくは、5モル%以上であり、例えば、95モル%以下、好ましくは、50モル%以下である。
ポリオール中のジトリメチロールプロパンの含有割合が上記範囲であれば、硬度および柔軟性を兼ね備えるポリウレタン樹脂を得ることができる。
また、ポリオールの分子量(2種類以上が併用される場合の数平均分子量)は、例えば、100以上、好ましくは、140以上であり、例えば、400以下、好ましくは、260以下である。
また、ポリオールの水酸基価は、例えば、500mgKOH/g以上、好ましくは、890mgKOH/g以上であり、例えば、2000gKOH/g以下、好ましくは、1250mgKOH/g以下である。
なお、水酸基価は、公知の滴定法から求めることができ、また、水酸基価と水酸基当量とは、次式(2)の関係にある。
水酸基価=56100/水酸基当量 (2)
また、ポリオールの平均官能基数は、例えば、2.5以上、好ましくは、3以上、より好ましくは、3.5以上であり、例えば、6以下、好ましくは、5以下、より好ましくは、4以下である。
ポリオールの平均官能基数は、ジトリメチロールプロパンとその他の低分子量ポリオールとを併用する場合には、併用される各ポリオール化合物(ジトリメチロールプロパンおよびその他の低分子量ポリオール)の水酸基当量および分子量から、次式(3)により算出することができる。
(ポリオールの平均官能基数)=((各ポリオール化合物の質量/各ポリオール化合物の水酸基当量)の総和)/((各ポリオール化合物の質量/各ポリオール化合物の分子量)の総和) (3)
そして、本発明においては、脂肪族ポリイソシアネートとポリオールとをウレタン化反応させ、ポリイソシアネート組成物を得る。
より具体的には、ポリイソシアネート組成物を得るには、ポリオールの活性水素基(ヒドロキシ基)に対する、脂肪族ポリイソシアネートのイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/活性水素基)が、例えば、3〜20、好ましくは、3〜10、さらに好ましくは、4〜8となる割合で、それらを配合し、公知のウレタン化反応により反応させる。
このウレタン化反応における反応条件としては、例えば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気、常圧(大気圧)下において、反応温度が、例えば、40〜120℃、好ましくは、50〜100℃、さらに好ましくは、60〜90℃であり、反応時間が、例えば、0.5〜30時間、好ましくは、1〜20時間、さらに好ましくは、1〜10時間である。
また、ウレタン化反応は、反応系において、所望のイソシアネート基含有量(仕込み量から算出される、未反応のイソシアネート基濃度の理論量)となった時点で、終了する。
また、このウレタン化反応では、必要に応じて、例えば、アミン類や有機金属化合物などの公知のウレタン化触媒を添加してもよく、また、公知の有機溶媒を添加してもよい。
アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N−メチルモルホリンなどの3級アミン類、例えば、テトラエチルヒドロキシルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩、例えば、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類などが挙げられる。
有機金属化合物としては、例えば、酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジメチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジメルカプチド、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジネオデカノエート、ジオクチル錫ジメルカプチド、ジオクチル錫ジラウリレート、ジブチル錫ジクロリドなどの有機錫系化合物、例えば、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛などの有機鉛化合物、例えば、ナフテン酸ニッケルなどの有機ニッケル化合物、例えば、ナフテン酸コバルトなどの有機コバルト化合物、例えば、オクテン酸銅などの有機銅化合物、例えば、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマスなどの有機ビスマス化合物などが挙げられる。
さらに、ウレタン化触媒として、例えば、炭酸カリウム、酢酸カリウム、オクチル酸カリウムなどのカリウム塩が挙げられる。
これらウレタン化触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、例えば、アセトニトリルなどのニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのアルキルエステル類、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどのグリコールエーテルエステル類、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、例えば、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、臭化メチル、ヨウ化メチレン、ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミドなどの極性非プロトン類などが挙げられる。
これら有機溶媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。
また、このウレタン化反応では、遊離の(未反応の)脂肪族ポリイソシアネートを除去することもできる。
換言すると、ポリイソシアネート組成物は、未反応の脂肪族ポリイソシアネートが混入された状態、すなわち、脂肪族ポリイソシアネートとポリオールとの反応生成物(脂肪族ポリイソシアネートのポリオール付加体)と、未反応の脂肪族ポリイソシアネートとの混合物として得られる。
得られるポリイソシアネート組成物中における、未反応の脂肪族ポリイソシアネートの濃度(以下、残存モノマー濃度と称する場合がある。)が高い場合には、好ましくは、ポリイソシアネート組成物から未反応の脂肪族ポリイソシアネートを除去し、残存モノマー濃度を低減する。
未反応の脂肪族ポリイソシアネートを除去する方法としては、例えば、薄膜蒸留法などの蒸留法や、例えば、液−液抽出法などの抽出法などの公知の方法が挙げられる。
このようにして得られるポリイソシアネート組成物は、そのイソシアネート基濃度(無溶剤)が、例えば、13質量%以上、好ましくは、14質量%以上、より好ましくは、16.7質量%以上であり、例えば、22質量%以下、好ましくは、20質量%以下、より好ましくは、18.7質量%以下である。
また、このようにして得られるポリイソシアネート組成物においては、残存モノマー濃度(未反応の脂肪族ポリイソシアネートの濃度)が、例えば、3質量%以下、好ましくは、1質量%以下、より好ましくは、0.5質量%以下である。
また、このようにして得られるポリイソシアネート組成物(無溶剤)の、25℃における粘度は、例えば、1000mPa・s以上、好ましくは、2000mPa・s以上、より好ましくは、10000mPa・s以上であり、例えば、200000mPa・s以下、好ましくは、180000mPa・s以下、より好ましくは、150000mPa・s以下である。なお、粘度の測定方法は、後述する実施例に準拠する。
また、このようにして得られるポリイソシアネート組成物は、数平均分子量が、例えば、700以上、好ましくは、800以上、より好ましくは、900以上であり、例えば、1300以下、好ましくは、1200以下、より好ましくは、1100以下である。
なお、ここでいう数平均分子量は、ポリイソシアネート組成物を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリエチレンオキシド換算の数平均分子量である。
また、ポリイソシアネート組成物の平均イソシアネート官能基数は、例えば、2.5以上、好ましくは、3以上、より好ましくは、4以上であり、例えば、7以下、好ましくは、5.5以下、より好ましくは、5以下である。
ポリイソシアネート組成物の平均イソシアネート基数が上記範囲であれば、機械物性および耐薬品性に優れるポリウレタン樹脂を得ることができる。
なお、ポリイソシアネート組成物の平均イソシアネート官能基数は、ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基濃度、固形分濃度およびゲルパーミエーションクロマトグラフィーの数平均分子量から、下記式(4)により算出することができる。
平均イソシアネート官能基数=A/B×C/42.02 (4)
(式中、Aは、イソシアネート基濃度を示し、Bは、固形分濃度を示し、Cは、数平均分子量を示す。)
このようにして得られるポリイソシアネート組成物は、溶剤で希釈することなく、塗料、接着剤、その他、数多くの工業的用途に使用できるが、ポリイソシアネート組成物の調製において有機溶媒が添加される場合、その有機溶媒に溶解された状態で使用することもでき、また、必要であれば、さらに、各種有機溶剤に溶解させて使用することもできる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、例えば、アセトニトリルなどのニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのアルキルエステル類、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、メチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどのグリコールエーテルエステル類、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、例えば、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、臭化メチル、ヨウ化メチレン、ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミドなどの極性非プロトン類などが挙げられる。
さらに、有機溶剤としては、例えば、非極性溶剤(非極性有機溶剤)が挙げられ、これら非極性溶剤としては、脂肪族、ナフテン系炭化水素系有機溶剤を含む、アニリン点が、例えば、10〜70℃、好ましくは、12〜65℃の、低毒性で溶解力の弱い非極性有機溶剤や、ターペン油に代表される植物性油などが挙げられる。
また、ポリイソシアネート組成物が有機溶剤に溶解される場合には、その溶液の25℃における粘度は、例えば、100mPa・s以上、好ましくは、250mPa・s以上、より好ましくは、320mPa・s以上であり、例えば、1000mPa・s以下、好ましくは、750mPa・s以下、より好ましくは、500mPa・s以下である。なお、粘度の測定方法は、後述する実施例に準拠する。
本発明のポリイソシアネート組成物は、脂肪族ポリイソシアネートと、ジトリメチロールプロパンを含むポリオールとの反応により得られるので、各種工業材料に優れた機械物性および耐薬品性を付与することができ、作業性よく製造することができる。
具体的には、ポリイソシアネート組成物は、各種合成樹脂の架橋剤や硬化剤などとして用いることができ、とりわけ、ポリウレタン樹脂の原料として用いることができる。
そのため、本発明のポリイソシアネート組成物が用いられるポリウレタン樹脂は、各種産業分野において、広範に用いることができる。
具体的には、本発明のポリウレタン樹脂は、上記ポリイソシアネート組成物と、活性水素化合物とを反応させることにより、得ることができる。
本発明において、活性水素化合物としては、例えば、ポリオール成分(水酸基を2つ以上有するポリオールを主として含有する成分)、ポリアミン成分(アミノ基を2つ以上有するポリアミンを主として含有する化合物)などが挙げられる。
本発明において、ポリオール成分としては、低分子量ポリオールおよび高分子量ポリオールが挙げられる。
低分子量ポリオールとしては、上記した低分子量ポリオールと同様の低分子量ポリオールが挙げられる。
高分子量ポリオールは、水酸基を2つ以上有する数平均分子量300以上、好ましくは、400以上、さらに好ましくは、500以上の化合物であって、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、エポキシポリオール、植物油ポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、および、ビニルモノマー変性ポリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオールなどが挙げられる。
ポリオキシアルキレンポリオールは、例えば、上記した低分子量ポリオールなどや、芳香族ポリアミン、脂肪族ポリアミンなどを開始剤とする、アルキレンオキサイドの付加重合物である。
アルキレンオキサイドとしては、例えば、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイドなどが挙げられる。また、これらアルキレンオキサイドは、単独使用または2種類以上併用することができる。また、これらのうち、好ましくは、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイドが挙げられる。なお、ポリオキシアルキレンポリオールには、例えば、プロピレンオキサイドと、エチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドとのランダムおよび/またはブロック共重合体が含まれる。
ポリテトラメチレンエーテルポリオールとしては、例えば、テトラヒドロフランのカチオン重合により得られる開環重合物や、テトラヒドロフランなどの重合単位に、アルキル置換テトラヒドロフランや、上記した2価アルコールを共重合した非晶性(非結晶性)ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
なお、非晶性(非結晶性)とは、常温(25℃)において液状であることを示す。
非晶性のポリテトラメチレンエーテルグリコールは、例えば、テトラヒドロフランと、アルキル置換テトラヒドロフラン(例えば、3−メチルテトラヒドロフランなど)との共重合体(テトラヒドロフラン/アルキル置換テトラヒドロフラン(モル比)=15/85〜85/15、数平均分子量500〜4000、好ましくは、800〜2500)や、例えば、テトラヒドロフランと、分岐状グリコール(例えば、ネオペンチルグリコールなど)との共重合体(テトラヒドロフラン/分岐状グリコール(モル比)=15/85〜85/15、数平均分子量500〜4000、好ましくは、800〜2500)などとして、得ることができる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオールと多塩基酸とを、公知の条件下、反応させて得られる重縮合物が挙げられる。
多塩基酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、1,1−ジメチル−1,3−ジカルボキシプロパン、3−メチル−3−エチルグルタール酸、アゼライン酸、セバシン酸、その他の飽和脂肪族ジカルボン酸(C11〜13)、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、その他の不飽和脂肪族ジカルボン酸、例えば、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルエンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、その他の芳香族ジカルボン酸、例えば、ヘキサヒドロフタル酸、その他の脂環族ジカルボン酸、例えば、ダイマー酸、水添ダイマー酸、ヘット酸などのその他のカルボン酸、および、それらカルボン酸から誘導される酸無水物、例えば、無水シュウ酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水2−アルキル(C12〜C18)コハク酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水トリメリット酸、さらには、これらのカルボン酸などから誘導される酸ハライド、例えば、シュウ酸ジクロライド、アジピン酸ジクロライド、セバシン酸ジクロライドなどが挙げられる。
また、ポリエステルポリオールとして、例えば、植物由来のポリエステルポリオール、具体的には、上記した低分子量ポリオールを開始剤として、ヒドロキシル基含有植物油脂肪酸(例えば、リシノレイン酸を含有するひまし油脂肪酸、12−ヒドロキシステアリン酸を含有する水添ひまし油脂肪酸など)などのヒドロキシカルボン酸を、公知の条件下、縮合反応させて得られる植物油系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
また、ポリエステルポリオールとして、例えば、上記した低分子量ポリオール(好ましくは、2価アルコール)を開始剤として、例えば、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトン類や、例えば、L−ラクチド、D−ラクチドなどのラクチド類などを開環重合して得られる、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオール、さらには、それらに上記した2価アルコールを共重合したラクトン系ポリエステルポリオールなどが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオール(好ましくは、2価アルコール)を開始剤とするエチレンカーボネートの開環重合物や、例えば、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールや1,6−ヘキサンジオールなどの2価アルコールと、開環重合物とを共重合した非晶性ポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。
また、ポリウレタンポリオールは、上記により得られたポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリカーボネートポリオールを、イソシアネート基(NCO)に対する水酸基(OH)の当量比(OH/NCO)が1を超過する割合で、ポリイソシアネートと反応させることによって、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオール、ポリカーボネートポリウレタンポリオール、あるいは、ポリエステルポリエーテルポリウレタンポリオールなどとして得ることができる。
エポキシポリオールとしては、例えば、上記した低分子量ポリオールと、例えば、エピクロルヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリンなどの多官能ハロヒドリンとの反応により得られるエポキシポリオールが挙げられる。
植物油ポリオールとしては、例えば、ひまし油、やし油などのヒドロキシル基含有植物油などが挙げられる。例えば、ひまし油ポリオール、または、ひまし油脂肪酸とポリプロピレンポリオールとの反応により得られるエステル変性ひまし油ポリオールなどが挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、ポリブタジエンポリオール、部分ケン価エチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
アクリルポリオールとしては、例えば、ヒドロキシル基含有アクリレートと、ヒドロキシル基含有アクリレートと共重合可能な共重合性ビニルモノマーとを、共重合させることによって得られる共重合体が挙げられる。
ヒドロキシル基含有アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,2−ジヒドロキシメチルブチル(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシアルキルマレエート、ポリヒドロキシアルキルフマレートなどが挙げられる。好ましくは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
共重合性ビニルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート(炭素数1〜12)、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル、例えば、(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などのカルボキシル基を含むビニルモノマー、または、そのアルキルエステル、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどのアルカンポリオールポリ(メタ)アクリレート、例えば、3−(2−イソシアネート−2−プロピル)−α−メチルスチレンなどのイソシアネート基を含むビニルモノマーなどが挙げられる。
そして、アクリルポリオールは、これらヒドロキシル基含有アクリレート、および、共重合性ビニルモノマーを、適当な溶剤および重合開始剤の存在下において共重合させることにより得ることができる。
また、アクリルポリオールには、例えば、シリコーンポリオールやフッ素ポリオールが含まれる。
シリコーンポリオールとしては、例えば、上記したアクリルポリオールの共重合において、共重合性ビニルモノマーとして、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのビニル基を含むシリコーン化合物が配合されたアクリルポリオールが挙げられる。
フッ素ポリオールとしては、例えば、上記したアクリルポリオールの共重合において、共重合性ビニルモノマーとして、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンなどのビニル基を含むフッ素化合物が配合されたアクリルポリオールが挙げられる。
ビニルモノマー変性ポリオールは、上記した高分子量ポリオールと、ビニルモノマーとの反応により得ることができる。
これら高分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
これらポリオール成分は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリオール成分として、好ましくは、高分子量ポリオール、さらに好ましくは、ポリエステルポリオール、アクリルポリオールが挙げられる。
ポリアミン成分としては、例えば、芳香族ポリアミン、芳香脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、脂肪族ポリアミン、アミノアルコール、第1級アミノ基、または、第1級アミノ基および第2級アミノ基を有するアルコキシシリル化合物、ポリオキシエチレン基含有ポリアミンなどが挙げられる。
芳香族ポリアミンとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジアミン、トリレンジアミンなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリアミンとしては、例えば、1,3−または1,4−キシリレンジアミンもしくはその混合物などが挙げられる。
脂環族ポリアミンとしては、例えば、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン(別名:イソホロンジアミン)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、2,5(2,6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ジアミノシクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3−および1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンおよびそれらの混合物などが挙げられる。
脂肪族ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン(水和物を含む。)、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,2−ジアミノエタン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノペンタンなどが挙げられる。
アミノアルコールとしては、例えば、N−(2−アミノエチル)エタノールアミンなどが挙げられる。
第1級アミノ基、または、第1級アミノ基および第2級アミノ基を有するアルコキシシリル化合物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基含有モノアミン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
ポリオキシエチレン基含有ポリアミンとしては、例えば、ポリオキシエチレンエーテルジアミンなどのポリオキシアルキレンエーテルジアミンが挙げられる。より具体的には、例えば、日本油脂製のPEG#1000ジアミンや、ハンツマン社製のジェファーミンED―2003、EDR−148、XTJ−512などが挙げられる。
これらポリアミン成分は、単独使用または2種類以上併用することができる。
なお、本発明では、必要に応じて、公知の添加剤、例えば、可塑剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、耐光安定剤、酸化防止剤、離型剤、触媒(上記したウレタン化触媒など)、さらには、顔料、染料、滑剤、フィラー、加水分解防止剤などを添加することができる。これら添加剤は、各成分の合成時に添加してもよく、あるいは、各成分の混合・溶解時に添加してもよく、さらには、合成後に添加することもできる。
そして、本発明のポリウレタン樹脂は、例えば、塗料、接着剤、エラストマー、シーラント、フォームなどとして、各種産業分野において広範に使用することができる。
本発明のポリウレタン樹脂を、例えば、塗料および接着剤として用いる場合には、本発明のポリウレタン樹脂は、上記ポリイソシアネート組成物を硬化剤とし、上記活性水素化合物を主剤としてそれぞれ調製し、それらを使用時に配合する、二液硬化型ポリウレタン樹脂として調製する。
ポリイソシアネート組成物および活性水素化合物の配合割合は、例えば、活性水素化合物中の活性水素基に対する、ポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基の当量比(NCO/活性水素基)として、例えば、0.5〜1.5、好ましくは、0.8〜1.2となる割合である。
二液硬化型ポリウレタン樹脂は、好ましくは、二液硬化型塗料および/または二液硬化型接着剤として用いられ、具体的には、まず上記活性水素化合物を用意し、その活性水素化合物とは別途、ポリイソシアネート組成物を調製して、使用直前に、活性水素化合物とポリイソシアネート組成物とを混合して、二液硬化型ポリウレタン樹脂を調製し、その二液硬化型ポリウレタン樹脂を、被塗物または被着物に塗布する。
なお、本発明のポリウレタン樹脂を二液硬化型ポリウレタン樹脂として製造する場合においても、必要に応じて、さらに、公知の添加剤、例えば、塗料組成物としては、着色顔料、染料、紫外線吸収剤、硬化促進剤、光安定剤、つや消し剤など、接着剤組成物としては、塗膜の付着性向上のためのリンの酸素酸またはその誘導体やシランカップリング剤などを、適宜の割合で配合することができる。
着色顔料、染料としては、例えば、耐候性の良好なカーボンブラック、酸化チタンなどの無機顔料、例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドンレッド、インダンスレンオレンジ、イソインドリノン系イエローなどの有機顔料、染料などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、シアノアクリレート系の紫外線吸収剤が挙げられ、より具体的には、チヌビン213、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン571(以上、チバ・ジャパン社製、商品名)などが挙げられる。
硬化促進剤としては、例えば、ジブチル錫ジラウレートなどが挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤(例えば、アデカスタブLA62、アデカスタブLA67(以上、アデカアーガス化学社製、商品名)、チヌビン765、チヌビン144、チヌビン770、チヌビン622(以上、チバ・ジャパン社製、商品名)など)、ブレンド系光安定剤(例えば、チヌビンB75、チヌビンPUR866(以上、チバ・ジャパン社製、商品名)など)などが挙げられる。
つや消し剤としては、例えば、超微粉合成シリカなどが挙げられる。つや消し剤を配合すれば、優雅な半光沢、つや消し仕上げの塗膜を形成することができる。
リンの酸素酸またはその誘導体において、リンの酸素酸としては、例えば、次亜リン酸、亜リン酸、オルトリン酸、次リン酸などのリン酸類、例えば、メタリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸、ウルトラリン酸などの縮合リン酸類などが挙げられる。
また、リンの酸素酸の誘導体としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどのリン酸塩または縮合リン酸塩、例えば、オルトリン酸モノメチル、オルトリン酸モノエチル、オルトリン酸モノプロピル、オルトリン酸モノブチル、オルトリン酸モノ−2−エチルヘキシル、オルトリン酸モノフェニル、亜リン酸モノメチル、亜リン酸モノエチル、亜リン酸モノプロピル、亜リン酸モノブチル、亜リン酸モノ−2−エチルヘキシル、亜リン酸モノフェニルなどのモノエステル類、例えば、オルトリン酸ジ−2−エチルヘキシル、オルトリン酸ジフェニル、オルトリン酸トリメチル、オルトリン酸トリエチル、オルトリン酸トリプロピル、オルトリン酸トリブチル、オルトリン酸トリ−2−エチルヘキシル、オルトリン酸トリフェニル、亜リン酸ジメチル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジプロピル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジ−2−エチルヘキシル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリプロピル、亜リン酸トリブチル、亜リン酸トリ−2−エチルヘキシル、亜リン酸トリフェニルなどのジ、トリエステル類、または、縮合リン酸とアルコール類とから得られるモノ、ジ、トリエステル類などが挙げられる。
リンの酸素酸またはその誘導体は、上記した各種リンの酸素酸またはその誘導体を、単独使用または複数種類併用することができる。
シランカップリング剤は、例えば、構造式R−Si≡(X)またはR−Si≡(R’)(X)(式中、Rは、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、イミノ基、イソシアネート基またはメルカプト基を有する有機基を示し、R’は炭素数1〜4の低級アルキル基を示し、Xはメトキシ基、エトキシ基またはクロル原子を示す。)で示される。
シランカップリング剤として、具体的には、例えば、ビニルトリクロルシランなどのクロロシラン、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ジ(γ−グリシドキシプロピル)ジメトキシシランなどのエポキシシラン、例えば、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−プロピルメチルジメトキシシラン、n−(ジメトキシメチルシリルプロピル)エチレンジアミン、n−(トリエトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン、例えば、ビニルトリエトキシシランなどのビニルシラン、例えば、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシランなどのイソシアナトシランなどが挙げられる。
シランカップリング剤は、上記した各種シランカップリング剤を、単独使用または複数種類併用することができる。
これら添加剤は、予め、上記ポリイソシアネート組成物および/または活性水素化合物に配合してもよく、あるいは、ポリイソシアネート組成物および活性水素化合物の配合後の二液硬化型ポリウレタン樹脂に配合することもできる。
そして、このように二液硬化型ポリウレタン樹脂として製造された本発明のポリウレタン樹脂によれば、機械物性に優れる塗膜を得ることができる。
なお、二液硬化型ポリウレタン樹脂は、被塗物または被着物に対して、特に制限されず、例えば、スプレー塗装、エアスプレー塗装、はけ塗り、浸漬法、ロールコーター、フローコーターなどの任意の塗装方法により、塗装することができる。
また、被塗物としては、特に制限されず、例えば、コンクリート、自然石、ガラスなどの無機物、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、真鍮、チタンなどの金属、例えば、プラスチック、ゴム、接着剤、木材などの有機物が挙げられる。
また、被着物としては、特に制限されず、例えば、各種建材および各種積層フィルムが挙げられる。
より具体的には、プラスチックフィルム、金属箔、金属蒸着フィルムなどの包装材料、FRP、鋼材などの土木材料などが挙げられる。
また、二液硬化型ポリウレタン樹脂は、上記した二液硬化型塗料および/または二液硬化型接着剤の他、例えば、ポリウレタンフォーム、シーラントおよび化粧品、電子情報材料、文具などに用いられるマイクロカプセルの原材料などにも使用できる。
さらに、本発明のポリウレタン樹脂は、二液硬化型ポリウレタン樹脂として製造する以外に、例えば、エラストマーなどの用途では、例えば、バルク重合や溶液重合などの重合方法により製造する。
バルク重合では、例えば、窒素気流下において、ポリイソシアネート組成物を撹拌しつつ、これに、活性水素化合物を加えて、反応温度50〜250℃、さらに好ましくは50〜200℃で、0.5〜15時間程度反応させる。
溶液重合では、上記した有機溶剤に、ポリイソシアネート組成物、活性水素化合物を加えて、反応温度50〜120℃、さらに好ましくは50〜100℃で、0.5〜15時間程度反応させる。
さらに、上記重合反応においては、必要に応じて、例えば、アミン類や有機金属化合物などの、上記した公知のウレタン化触媒を添加してもよく、また、(未反応の)ポリイソシアネート組成物を、例えば、蒸留や抽出などの公知の除去手段により除去してもよい。
バルク重合および溶液重合では、例えば、ポリイソシアネート組成物と活性水素化合物とを、活性水素化合物中の活性水素基(水酸基、アミノ基)に対するポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基の当量比(NCO/活性水素基)が、例えば、0.75〜1.3、好ましくは、0.9〜1.1となるように配合する。
また、上記重合反応をより工業的に実施する場合には、ポリウレタン樹脂は、その用途に応じて、例えば、ワンショット法およびプレポリマー法などの公知の方法により、得ることができる。また、その他の方法により、ポリウレタン樹脂を、例えば、水系ディスパージョン(PUD)などとして得ることもできる。
ワンショット法では、例えば、ポリイソシアネート組成物と活性水素化合物とを、活性水素化合物中の活性水素基(水酸基、アミノ基)に対するポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基の当量比(NCO/活性水素基)が、例えば、0.75〜1.3、好ましくは、0.9〜1.1となるように処方(混合)した後、例えば、室温〜250℃、好ましくは、室温〜200℃で、例えば、5分〜72時間、好ましくは、4〜24時間硬化反応させる。なお、硬化温度は、一定温度であってもよく、あるいは、段階的に昇温または冷却することもできる。
また、プレポリマー法では、例えば、まず、イソシアネート組成物と活性水素化合物の一部(好ましくは、高分子量ポリオール)とを反応させて、分子末端にイソシアネート基を有するイソシアネート基末端プレポリマーを合成する。次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーと、活性水素化合物の残部(好ましくは、低分子量ポリオールおよび/またはポリアミン成分)とを反応させて、硬化反応させる。なお、プレポリマー法において、活性水素化合物の残部は、鎖伸長剤として用いられる。
イソシアネート基末端プレポリマーを合成するには、ポリイソシアネート組成物と活性水素化合物の一部とを、活性水素化合物の一部中の活性水素基に対するポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基の当量比(NCO/活性水素基)が、例えば、1.1〜20、好ましくは、1.3〜10、さらに好ましくは、1.3〜6となるように処方(混合)し、反応容器中にて、例えば、室温〜150℃、好ましくは、50〜120℃で、例えば、0.5〜18時間、好ましくは、2〜10時間反応させる。なお、この反応においては、必要に応じて、上記したウレタン化触媒を添加してもよく、また、反応終了後には、必要に応じて、未反応のポリイソシアネート組成物を、例えば、蒸留や抽出などの公知の除去手段により、除去することもできる。
次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーと、活性水素化合物の残部とを反応させるには、イソシアネート基末端プレポリマーと、活性水素化合物の残部とを、活性水素化合物の残部中の活性水素基に対するイソシアネート基末端プレポリマー中のイソシアネート基の当量比(NCO/活性水素基)が、例えば、0.75〜1.3、好ましくは、0.9〜1.1となるように処方(混合)し、例えば、室温〜250℃、好ましくは、室温〜200℃で、例えば、5分〜72時間、好ましくは、1〜24時間硬化反応させる。
また、ポリウレタン樹脂を水系ディスパージョンとして得るには、例えば、まず、ポリイソシアネート組成物と、後述する親水基を含有する活性水素化合物(以下、親水基含有活性水素化合物と略する。)を含む活性水素化合物とを反応させることにより、イソシアネート基末端プレポリマーを得る。
次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーと鎖伸長剤とを水中で反応させて分散させる。これによって、イソシアネート基末端プレポリマーが鎖伸長剤によって鎖伸長された水性ポリウレタン樹脂を、内部乳化型の水系ディスパージョンとして得ることができる。
イソシアネート基末端プレポリマーと鎖伸長剤とを水中で反応させるには、例えば、まず、イソシアネート基末端プレポリマーを水に添加して、イソシアネート基末端プレポリマーを分散させる。次いで、これに鎖伸長剤を添加して、イソシアネート基末端プレポリマーを鎖伸長する。
親水基含有活性水素化合物は、親水基と活性水素基とを併有する化合物であって、親水基としては、例えば、アニオン性基(例えば、カルボキシル基など)、カチオン性基、ノニオン性基(例えば、ポリオキシエチレン基など)が挙げられる。親水基含有活性水素化合物として、より具体的には、カルボン酸基含有活性水素化合物、ポリオキシエチレン基含有活性水素化合物などが挙げられる。
カルボン酸基含有活性水素化合物としては、例えば、2,2−ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロール乳酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸などのジヒドロキシルカルボン酸、例えば、リジン、アルギニンなどのジアミノカルボン酸、または、それらの金属塩類やアンモニウム塩類などが挙げられる。
ポリオキシエチレン基含有活性水素化合物は、主鎖または側鎖にポリオキシエチレン基を含み、2つ以上の活性水素基を有する化合物であって、例えば、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン側鎖含有ポリオール(側鎖にポリオキシエチレン基を含み、2つ以上の活性水素基を有する化合物)などが挙げられる。
これら親水基含有活性水素化合物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
鎖伸長剤としては、例えば、上記した2価アルコール、上記した3価アルコールなどの低分子量ポリオール、例えば、脂環族ジアミン、脂肪族ジアミンなどのジアミンなどを使用することができる。
これら鎖伸長剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
このように、親水基含有活性水素化合物を含む活性水素化合物を使用する場合には、必要により、親水基を公知の中和剤で中和する。
また、活性水素化合物として、親水基含有活性水素化合物を使用しない場合には、例えば、公知の界面活性剤を用いて乳化することにより、外部乳化型の水系ディスパージョンとして得ることができる。
以下に、実施例および比較例を参照して、本発明をさらに具体的に説明するが、これらは、本発明を何ら限定するものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、製造例などに用いられる測定方法を、以下に示す。
<イソシアネート基濃度(単位:質量%)>
ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基濃度は、電位差滴定装置を用いて、JIS K−1556に準拠したn−ジブチルアミン法により測定した。
<粘度(単位:mPa・s)>
東機産業社製のE型粘度計TV−30(ロータ:1°34’×R24、回転速度:測定レンジが20〜80%となるように0.1〜10rpmの範囲から選択)を用いて、25℃における粘度を測定した。
<平均イソシアネート官能基数>
平均イソシアネート官能基数は、ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基濃度、固形分濃度(NV)、および、以下の装置および条件にて測定されるゲルパーミエーションクロマトグラフィーの数平均分子量から、下記式により算出した。
平均イソシアネート官能基数=A/B×C/42.02
(式中、Aは、イソシアネート基濃度を示し、Bは、固形分濃度を示し、Cは、数平均分子量を示す。)
装置:HLC−8220GPC(東ソー製)
カラム:TSKgelG1000HXL、TSKgelG2000HXL、およびTSKgelG3000HXL(東ソー製)を直列に連結した
検出器: 示差屈折率計
測定条件
注入量:100μL
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:0.8mL/min
温度:40℃
検量線:106〜22450の範囲の標準ポリエチレンオキシド(東ソー製、商品名:TSK標準ポリエチレンオキシド)
<水酸基価(単位:mgKOH/g)>
ポリオールの水酸基価は、JIS K1557−1に準拠したA法(アセチル化法)により測定した。
[ペンタメチレンジイソシアネートの製造]
調製例1(ペンタメチレンジイソシアネートの製造)
電磁誘導撹拌機、自動圧力調整弁、温度計、窒素導入ライン、ホスゲン導入ライン、凝縮器、原料フィードポンプを備え付けたジャケット付き加圧反応器に、o−ジクロロベンゼン2000質量部を仕込んだ。次いで、ホスゲン2300質量部をホスゲン導入ラインから加え、撹拌を開始した。反応器のジャケットには冷水を通し、内温を約10℃に保った。そこへ、ペンタメチレンジアミン(純度99.9質量%)400質量部をo−ジクロロベンゼン2600質量部に溶解した溶液を、フィードポンプにて60分かけてフィードし、30℃以下、常圧下で冷ホスゲン化を開始した。フィード終了後、加圧反応器内は淡褐白色スラリー状液となった。
次いで、反応器の内液を徐々に160℃まで昇温しながら、0.25MPaに加圧し、さらに圧力0.25MPa、反応温度160℃で90分間熱ホスゲン化した。なお、熱ホスゲン化の途中で、ホスゲン1100質量部を、さらに添加した。熱ホスゲン化の過程で、加圧反応器内液は、淡褐色澄明溶液となった。熱ホスゲン化終了後、100〜140℃において、窒素ガスを100L/時で通気し、脱ガスした。
次いで、減圧下でo−ジクロルベンゼンを留去した後、同じく減圧下でペンタメチレンジイソシアネートを留去させた。次いで、攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導入管を備えた4つ口フラスコにペンタメチレンジイソシアネートを装入し、窒素を導入しながら、常圧下で、190℃、3時間加熱処理した。次いで、加熱処理後のペンタメチレンジイソシアネートを、ガラス製フラスコに装入し、充填物(住友重機械工業社製、商品名:住友/スルザーラボパッキングEX型)を4エレメント充填した蒸留管、還流比調節タイマーを装着した蒸留塔(柴田科学社製、商品名:蒸留頭K型)、および、冷却器を装備する精留装置を用いて、127〜132℃、2.7KPaの条件下、さらに還流しながら精留し、純度99.9質量%のペンタメチレンジイソシアネート(以下、PDIと略記する)を得た。ペンタメチレンジイソシアネートの加水分解性塩素の濃度は、0.004%であった。
[ポリイソシアネート組成物の製造]
実施例1(ポリイソシアネート組成物(a)の製造)
攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、ジトリメチロールプロパン(以下、Di−TMPと略記する)とトリメチロールプロパン(以下、TMPと略記する)とを、それらの総量に対してDi−TMPが5モル%、TMPが95モル%となるように、Di−TMPを8.9質量部、TMPを91.1質量部挿入し、窒素を導入しながら、常圧下で、130℃で3時間加熱混合し、ポリオール(a)を得た。
次いで、ポリオールの水酸基に対するPDI中のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)5.5として、ウレタン化反応させた。すなわち、滴下ロートにポリオール(a)を21.7質量部仕込み、リボンヒーターにより加熱した。次いで、攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、PDIを200質量部装入し、窒素雰囲気下、攪拌しながら95℃まで昇温した。次いで、溶融したポリオール(a)を約60分間かけて滴下した。その後、イソシアネート基濃度が計算値に達するまで、約3時間ウレタン化反応を継続した。得られた反応液を薄膜蒸留装置(真空度50Pa、温度130℃)に通液して未反応のPDIを除去し、さらに、固形分濃度が75質量%となるよう酢酸エチルを加え、ポリイソシアネート組成物(a)を得た。
得られたポリイソシアネート組成物(a)は、固形分濃度75.2%、イソシアネート基濃度13.6%、粘度340mPa・s/25℃、平均イソシアネート基数4.0であった。
実施例2(ポリイソシアネート組成物(b)の製造)
Di−TMPおよびTMPの含有率を表1に示した値とした以外は、実施例1と同様の方法にて、ポリオール(b)を得た。次いで、ポリオール(a)に代え、ポリオール(b)を25.9質量部仕込んだ以外は、実施例1と同様の方法にて、ポリイソシアネート組成物(b)を得た。表1に固形分濃度、イソシアネート基濃度、粘度、平均イソシアネート基数を示す。
実施例3(ポリイソシアネート組成物(c)の製造)
Di−TMPおよびTMPの含有率を表1に示した値とした以外は、実施例1と同様の方法にて、ポリオール(c)を得た。次いで、ポリオール(a)に代え、ポリオール(c)を29.2質量部仕込んだ以外は、実施例1と同様の方法にて、ポリイソシアネート組成物(c)を得た。表1に固形分濃度、イソシアネート基濃度、粘度、平均イソシアネート基数を示す。
実施例4(ポリイソシアネート組成物(d)の製造)
ポリオール(a)に代え、Di−TMPを29.5質量部仕込んだ以外は、実施例1と同様の方法にて、ポリイソシアネート組成物(d)を得た。表1に固形分濃度、イソシアネート基濃度、粘度、平均イソシアネート基数を示す。
実施例5(ポリイソシアネート組成物(e)の製造)
ポリオール(a)を19.8質量部仕込み、PDIに代えて、ヘキサメチレンジイソシアネート(三井化学製タケネート700、以下、HDIと略記する。)を200質量部装入した以外は実施例1と同様の方法にて、ポリイソシアネート組成物(e)を得た。表1にイソシアネート基濃度、粘度、固形分濃度、平均イソシアネート基数を示す。
比較例1(ポリイソシアネート組成物(f)の製造)
ポリオール(a)に代えて、TMPを21.1質量部仕込んだ以外は、実施例1と同様の方法にて、ポリイソシアネート組成物(f)を得た。表1に固形分濃度、イソシアネート基濃度、粘度、平均イソシアネート基数を示す。
比較例2(ポリイソシアネート組成物(g)の製造)
攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、ジグリセリン(以下、DGlyと略記する)とTMPとを、それらの総量に対してDGlyが95モル%、TMPが5モル%となるように、DGlyを95.9質量部、TMPを4.1質量部挿入し、窒素を導入しながら、常圧下で、80℃で3時間加熱混合し、ポリオール(d)を得た。
次いで、ポリオールの水酸基に対するPDI中のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)5.5として、ウレタン化反応させた。すなわち、滴下ロートにポリオール(d)を19.7質量部仕込み、リボンヒーターにより加熱した。次いで、攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、PDIを200質量部装入し、窒素雰囲気下、攪拌しながら95℃まで昇温した。次いで、溶融したポリオール(d)を約60分間かけて滴下した。滴下直後から不溶解物が発生し、滴下終了後5時間ウレタン化反応を継続したが、不溶解物は消失しなかった。このため、薄膜蒸留装置に通液して未反応のPDIを除去することが困難となったため、ポリイソシアネート組成物を得ることができなかった。
比較例3(ポリイソシアネート組成物(h)の製造)
ポリオールの水酸基に対するPDI中のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)5.5として、ウレタン化反応させた。すなわち、滴下ロートにTMPを0.8質量部仕込み、リボンヒーターにより加熱した。次いで、攪拌機、温度計、還流管、および、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、PDIを200質量部装入し、窒素雰囲気下、攪拌しながら95℃まで昇温した。次いで、ペンタエリスリトール(以下、PENTと略記する)3.1gを10分間隔で5回添加した。また、溶融したTMPを約60分間かけて滴下した。PENTを添加した直後から不溶解物が発生し、TMPの滴下終了後5時間ウレタン化反応を継続したが、不溶解物は消失しなかった。このため、薄膜蒸留装置に通液して未反応のPDIを除去することが困難となったため、ポリイソシアネート組成物を得ることができなかった。
Figure 0006042699
表中の略号の詳細を下記する。
PDI:ペンタメチレンジイソシアネート
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
Di−TMP:ジトリメチロールプロパン
TMP:トリメチロールプロパン
DGly:ジグリセリン
PENT:ペンタエリスリトール
合成例1(ポリオールAの製造)
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、有機溶剤として酢酸ブチル20質量部およびメチルイソブチルケトン80質量部を仕込み、窒素置換しながら95℃に加熱昇温した。次いでこの中に、重合可能な単量体として、メチルメタアクリレート35質量部、ブチルアクリレート25質量部、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート11.5部、スチレン28.5質量部、重合開始剤としてtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(以下、PBOと略記する。)0.4質量部を4時間かけてフィードした。フィード終了より1時間後と2時間後にPBOをそれぞれ0.2質量部添加した。PBOの添加後より2時間反応させてポリオールAを得た。ポリオールAの水酸基価は25mgKOH/gであった。
[ポリウレタン樹脂の製造]
実施例6(ポリウレタン樹脂(A)の製造)
主剤としてのポリオールAと、硬化剤としての実施例1で得られたポリイソシアネート組成物(a)とを、ポリオールA中の水酸基に対する、ポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が1.0となるように配合し、さらに触媒として主剤、硬化剤の固形分に対し50ppmのジブチル錫ジラウレート、および、主剤と硬化剤との固形分濃度が40%となるように酢酸ブチルを添加し、23℃で180秒間攪拌し、反応混合液を得た。
次いで、この反応混合液を、鋼板(JIS,G,3141(SPCC, SB))、および、硝子板(JIS,R,3202)に塗布し、80℃で30分間加熱硬化させた。その後、23℃、50%RHの室内にて7日間静置し、厚みが約20μmのポリウレタン樹脂(A)を得た。
なお、鋼板上に塗布し塗膜を形成したサンプルを、後述するマルテンス硬さ、耐おもり落下性(デュポン式)、耐カッピン性の試験に供し、硝子板上に塗布し塗膜を形成したサンプルを、後述する耐溶剤性の試験に供した。
実施例7〜10および比較例4(ポリウレタン樹脂(B)〜(F)の製造)
表2に示したポリイソシアネート組成物を用いた以外は、実施例6と同様の方法にて、ポリウレタン樹脂(B)〜(F)を得た。
物性評価
各実施例および各比較例において得られたポリウレタン樹脂について、マルテンス硬さ、耐おもり落下性(デュポン式)、耐カッピン性、および、耐溶剤性を、以下の方法で測定した。その結果を表2に示す。
<マルテンス硬さ(単位:N/mm)>
試験板に密着した状態の塗膜を、超微小硬度計(島津製作所製、DUH−211)を用いて、圧子の種類:Triangular115、試験モード:負荷−除荷試験、試験力:10.00mN、負荷速度3.0mN/sec、負荷保持時間:10secの条件にてマルテンス硬さ(HMT115)を測定した。
<耐おもり落下性(デュポン式)(単位:cm)>
JIS K 5600−5−3 6.デュポン式に準拠し、撃ち型、および受け台は1/2インチ、おもりの質量は500gとし測定した。
<耐カッピング性(単位:mm)>
JIS K 5600−5−2に準拠し、耐カッピング性を測定した。
<耐溶剤性(単位:回)>
試験液を充分に含浸させた綿棒を、試験板に密着した塗膜上に置き、一定荷重がかかるようにして約1cmの距離を往復させた。この作業を繰返し、塗膜に損傷が観察されたら時点で試験を終了させた。往復1回とし、塗膜に損傷が観察されるまでの回数を耐溶剤性とした。試験液は、酢酸エチルとした。
Figure 0006042699

Claims (5)

  1. 脂肪族ポリイソシアネート(ブロックポリイソシアネートを除く。)と、ジトリメチロールプロパンを含むポリオールとの反応物であることを特徴とする、ポリイソシアネート組成物。
  2. ポリオールが、ジトリメチロールプロパンとトリメチロールプロパンとからなり、
    ポリオールの総量に対するジトリメチロールプロパンの含有率が、5モル%以上であることを特徴とする、請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
  3. 平均イソシアネート官能基数が、3〜5.5であることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリイソシアネート組成物。
  4. 脂肪族ポリイソシアネートが、ペンタメチレンジイソシアネートからなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物と、活性水素化合物との反応により得られることを特徴とする、ポリウレタン樹脂。
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