JP2003292516A - ポリブタジエンの製造方法及びポリブタジエン - Google Patents

ポリブタジエンの製造方法及びポリブタジエン

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Abstract

(57)【要約】 【課題】遷移金属メタロセンを触媒成分として使用し、
1,2−結合が少なく、マイルドな条件で高分子量の重
合体を安定して得ることの可能なポリブタジエンの重合
方法を提供する。 【解決手段】(A)遷移金属メタロセン触媒、(B)有
機アルミニウム化合物及びアルミノキサンから選択され
る少なくとも1種の化合物、及び(C)電子吸引性化合
物を添加してブタジエンを重合するポリブタジエンの製
造方法とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶液重合法による
ポリブタジエンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブタジエンゴム(BR)は、分子量
が低いとこれを使用したゴム材料の機械的強度が十分得
られないという問題があり、高分子量のBRが求められ
る。一方においてBRをタイヤに使用した場合に、1,
2−結合が多いものは耐摩耗性に劣るという問題があ
り、1,2−結合が少なく、シス1,4−結合の割合の
高いBRが求められる。
【0003】遷移金属メタロセン触媒を使用してポリブ
タジエンを製造すると、比較的高分子量のBRが得られ
やすいということは公知である。遷移金属メタロセン触
媒を使用したポリブタジエンの製造方法としては、特開
平11−236411号公報、特開2000−2122
09号公報記載の技術が公知である。
【0004】特開平11−236411号公報記載の発
明は、高分子量ポリブタジエン成分と低分子量ポリブタ
ジエン成分の混合物からなる二峰性ポリブタジエンゴム
組成物の製造法であって、 イ)(a)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、並びに
(b)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物
及び/又はアルミノキサンから得られる触媒の存在下に
ブタジエンを重合し、1,2−構造含有率が4〜30
%、シス−1,4−構造含有率が65〜95%、及びト
ランス−1,4−構造含有率が5%以下である二峰を構
成する成分を有するポリブタジエンの製造法 ロ)(a)遷移金属化合物のメタロセン型錯体、(b)
非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物及び/
又はアルミノキサン、並びに(c)周期表第1〜3族元
素の有機金属化合物から得られる触媒の存在下にブタジ
エンを重合することを特徴とするポリブタジエンの製造
法が開示されている。
【0005】また特開2000−212209号公報に
開示の発明は、ハイシス構造に適度に1, 2−構造を含
みトランス構造が少ないミクロ構造を有する低分子ポリ
ブタジエン、および、さらに適度に二重結合が水添され
たポリブタジエンの高活性な製造方法であり、(A)遷
移金属化合物のメタロセン型錯体、(B)非配位性アニ
オンとカチオンとのイオン性化合物、(C)周期表第1
〜3族元素の有機金属化合物、及び(D)水(但し、
(C)/(D)=0.66〜5(モル比)である。)か
ら得られる触媒を用いることを特徴とするポリブタジエ
ンの製造方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平11−
236411号公報記載の技術によれば、特許請求の範
囲においては1,2−構造含有率は、4〜30%とは記
載されているものの、実施例の重合体は表2、表4にお
いて示されているように、いずれも15%を超えてお
り、10%以下の重合体は得られていない。
【0007】一方、特開2000−212209号公報
に開示の技術によれば、実施例表4に記載されているよ
うに、1,2−構造含有率が10%以下の重合体が得ら
れている。しかし、この重合体の重量平均分子量は23
600と低く、実用的な機械的強度を有しないものであ
る。また他の例は、いずれも1,2−構造含有率が10
%を超えるものである。
【0008】本発明の目的は、遷移金属メタロセンを触
媒成分として使用し、1,2−結合が少なく、マイルド
な条件で高分子量の重合体を安定して得ることの可能な
ポリブタジエンの重合方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のポリブタジエン
の製造方法は、(A)遷移金属メタロセン触媒、(B)
有機アルミニウム化合物及びアルミノキサンから選択さ
れる少なくとも1種の化合物、及び(C)電子吸引性化
合物を添加してブタジエンを重合することを特徴とす
る。
【0010】本発明の最も大きな特徴構成は、(C)電
子吸引性化合物を添加してブタジエンを重合することに
ある。
【0011】係る構成の製造方法により、高分子量であ
って実用的な機械的強度を有し、同時に1,2−構造含
有率が低い重合体が得られる。
【0012】(A)〜(C)成分の好ましい添加量は、
ブタジエンモノマーに対して(A)成分はモノマー/
(A)=102 〜105 (モル比)である。(A)/
(B)の比率は、(B)成分として有機アルミニウム化
合物を使用する場合には1/0.1〜1/1000(モ
ル比)であることが好ましく、(B)成分としてアルミ
ノキサンを使用する場合には、1/10〜1/5000
であることが好ましい。また(A)/(C)の比率は、
1/0.1〜1/10であることが好ましい。
【0013】上述の発明においては、得られるポリブタ
ジエンが、重量平均分子量80万以上かつ1,2−結合
分率が10%以下であることが好ましい。
【0014】重量平均分子量が80万以上であることに
より、ゴム成形品とした場合に高い機械的強度を有する
ポリブタジエンとなり、1,2−結合分率が10%以下
であることにより、耐摩耗性等に優れた成形品を形成す
るポリブタジエンが得られる。
【0015】1,2−結合含有率は、重合体を構成する
シス1,4−結合、トランス1,4−結合、1,2−結
合の合計を100%としたときの分率(%)である。本
発明の1,2−結合含有率は、赤外線吸収スペクトル法
により測定する。
【0016】本発明のポリブタジエンの製造方法は、有
機溶剤中において重合反応を行う溶液重合であることが
好ましい。
【0017】溶液重合であることが、容易に高分子量の
ポリブタジエンを製造することができる。
【0018】本発明のポリブタジエンは、重量平均分子
量80万以上かつ1,2−結合含有率が10%以下であ
ることを特徴とする。
【0019】本発明の1,2−結合は、重合体を構成す
るブタジエンのシス1,4−結合、トランス1,4−結
合、1,2−結合の合計を100%としたときの分率
(%)である。本発明のシス1,4−結合分率は、赤外
線吸収スペクトル法により測定する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明においては、(A)遷移金
属化合物のメタロセン型錯体、(B)有機アルミニウム
化合物及びアルミノキサンから選択される少なくとも1
種の化合物、及び(C)電子吸引性化合物を用いて、ブ
タジエンを重合させる。
【0021】(A)遷移金属化合物のメタロセン型錯体
としては、周期表第4〜8族遷移金属化合物の公知のメ
タロセン型錯体を使用できる。具体的には、チタン、ジ
ルコニウムなどの周期表第4族遷移金属のメタロセン型
錯体(例えば、CpTiCl 3 など)、バナジウム、ニ
オブ、タンタルなどの周期表第5族遷移金属のメタロセ
ン型錯体、クロムなどの第6族遷移金属メタロセン型錯
体、コバルト、ニッケルなどの第8族遷移金属のメタロ
セン型錯体が挙げられる。
【0022】これらの中でも、周期表第5族遷移金属の
メタロセン型錯体の使用が好適である。周期表第5族遷
移金属化合物のメタロセン型錯体としては、下記の一般
式にて表される化合物が挙げられる。 (1)RM・La (2)Rn MX2-n ・La (3)Rn MX3-n ・La (4)RMX3 ・La (5)RM(O)X2 ・La (6)Rn MX3-n (NR' ) (式中、nは1又は2、aは0,1又は2である) 上記の化合物の中でも、(1)RM・La ,(4)RM
3 ・La ,(5)RM(O)X2 ・La の使用がより
好ましい。金属Mは、バナジウム、チタンの少なくとも
一方であることが好ましい。
【0023】一般式(1)〜(6)において、Rとして
はシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル
基、インデニル基、置換インデニル基、フルオレニル基
又は置換フルオレニル基を示す。置換シクロペンタジエ
ニル基、置換インデニル基又は置換フルオレニル基にお
ける置換基としては、メチル、エチル、プロピル、i−
プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、
t−ブチル、ヘキシルなどの直鎖状脂肪族炭化水素基ま
たは分岐状脂肪族炭化水素基、フェニル、トリル、ナフ
チル、ベンジルなど芳香族炭化水素基、トリメチルシリ
ルなどのケイ素原子を含有する炭化水素基などが挙げら
れる。さらに、シクロペンタジエニル環がXの一部と互
いにジメチルシリレン(Me2 Si)、ジメチルメチレ
ン(Me 2 C)、メチルフェニルメチレン(PhMe
C)、ジフェニルメチレン(Ph2C)、エチレン、置
換エチレンなどの架橋基で結合されたものも含まれる。
【0024】置換シクロペンタジエニル基の具体例とし
ては、メチルシクロペンタジエニル基、1,2−ジメチ
ルシクロペンタジエニル基、1,3−ジメチルシクロペ
ンタジエニル基、1,2,3−トリメチルシクロペンタ
ジエニル基、1−ベンジル−2,3,4,5−テトラメ
チルシクロペンタジエニル基、1−トリメチルシリル−
2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル基
などが挙げられる。
【0025】置換インデニル基の具体例としては、1,
2,3−トリメチルインデニル基、ヘプタメチルインデ
ニル基、1,2,4,5,6,7−ヘキサメチルインデ
ニル基などが挙げられる。置換フルオレニル基の具体例
としては、メチルフルオレニル基などが挙げられる。
【0026】以上に例示したRの中でも、シクロペンタ
ジエニル基(Cp)、メチルシクロペンタジエニル基、
ペンタメチルシクロペンタジエニル基、インデニル基、
1,2,3−トリメチルインデニル基の使用がより好ま
しい。
【0027】一般式(1)〜(6)において、Xは水
素、ハロゲン(F,Cl,Br,I)、炭素数1から2
0の炭化水素基、アルコキシ基、又はアミノ基を示す。
Xはすべて同じであっても、互いに異なっていてもよ
い。炭素数1から20の炭化水素基の具体例としては、
メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチ
ル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ヘキシ
ルなどの直鎖状脂肪族炭化水素基または分岐状脂肪族炭
化水素基、フェニル、トリル、ナフチル、ベンジルなど
の芳香族炭化水素基である。これらの中でも、メチル、
ベンジルなどが好ましい。Rは、トリメチルシリルメチ
ル基であってもよい。
【0028】アルコキシ基としては、メトキシ、エトキ
シ、フェノキシ、プロポキシ、ブトキシなどのアルキル
オキシ基が例示される。アミノ基としては、ジメチルア
ミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノなどが例
示される。
【0029】一般式(1)〜(6)において、Lはルイ
ス塩基であり、金属に配位できるルイス塩基性の一般的
な無機、有機化合物である。活性水素を有しない化合物
が特に好ましく、具体例としては、エ−テル、エステ
ル、ケトン、アミン、ホスフィン、シリルオキシ化合
物、オレフィン、ジエン、芳香族化合物、アルキンなど
が例示される。
【0030】一般式(6)Rn MX3-n (NR' )にお
けるNR' はイミド基であり、R'は炭素数1から25
の炭化水素置換基である。R' の具体例としては、メチ
ル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i
−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オ
クチル、ネオペンチルなどの直鎖状脂肪族炭化水素基ま
たは分岐状脂肪族炭化水素基、フェニル、ナフチル、ベ
ンジル、1−フェニルエチル、6−ジメチルフェニルな
どの芳香族炭化水素基などが挙げられる。トリメチルシ
リルなどのアルキルシリル基であってもよい。
【0031】一般式(1)RM・La 、すなわち、シク
ロアルカジエニル基の配位子を有する酸化数+1の周期
表第5族遷移金属化合物としては、シクロペンタジエニ
ル(ベンゼン)バナジウム、シクロペンタジエニル(ト
ルエン)バナジウム、シクロペンタジエニル(キシレ
ン)バナジウム、シクロペンタジエニル(フェロセン)
バナジウム、テトラメチルシクロペンタジエニル(ベン
ゼン)バナジウム、インデニル(ベンゼン)バナジウ
ム、シクロペンタジエニルテトラカルボニルバナジウム
などを挙げることができる。
【0032】一般式(2)Rn MX2-n ・La で表わさ
れる化合物のうち、n=1、即ちシクロアルカジエニル
基を配位子として1個有する場合には、他のシグマ結合
性配位子として、水素原子、塩素などのハロゲン原子、
メチル基、フェニル基、ベンジル基、ネオペンチル基、
トリメチルシリル基などの炭化水素基、メトキシ基、エ
トキシ基、イソプロポキシ基などのアルコキシ基、ジメ
チルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基などのジアルキ
ルアミノ基を有することができる。
【0033】さらに、他の配位子としては、アミン、ア
ミド、ホスフィン、エ−テル、ケトン、エステル、オレ
フィン、ジエン、芳香族炭化水素、アルキンなどの中性
のルイス塩基を有することもできる。活性水素のないル
イス塩基が好ましい。
【0034】一般式(2)Rn MX2-n ・La で表わさ
れる化合物において、n=2、即ちシクロアルカジエニ
ル基を配位子として2個有する場合には、各々のシクロ
アルカジエニル環が互いにジメチルシリレン、ジメチル
メチレン、メチルフェニルメチレン、ジフェニルメチレ
ン、エチレン、置換エチレンなどの架橋基で結合された
ものであってもよい。
【0035】本発明の(2)Rn MX2-n ・La で表わ
される化合物のうち、n=1であり、酸化数+2の周期
表第5族遷移金属化合物の具体例としては、クロロシク
ロペンタジエニル(テトラヒドロフラン)バナジウム、
クロロシクロペンタジエニル(トリメチルホスフィン)
バナジウムなどが挙げられる。
【0036】本発明の(2)Rn MX2-n ・La で表わ
される化合物のうち、n=2、即ちシクロアルカジエニ
ル基を配位子として2個有する酸化数+2の周期表第5
族遷移金属化合物の具体例としては、ビスシクロペンタ
ジエニルバナジウム、ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)バナジウム、ビス(1,2−ジメチルシクロペンタ
ジエニル)バナジウムなどが挙げられる。
【0037】(3)Rn MX3-n ・La で表される具体
的な化合物のうち、n=1の化合物としては、シクロペ
ンタジエニルバナジウムジクロライド、メチルシクロペ
ンタジエニルバナジウムジクロライド,フルオレニルバ
ナジウムジクロライドなどのジクロライド体、あるいは
これらの化合物の塩素原子をメチル基で置換したメチル
体などが挙げられる。
【0038】(3)Rn MX3-n ・La にて表される化
合物としては、さらにシクロペンタジエニルバナジウム
ジメトキサイド、シクロペンタジエニルバナジウムジi
−プロポキサイド、シクロペンタジエニルバナジウムジ
t−ブトキサイド、シクロペンタジエニルバナジウムジ
フェノキサイド、シクロペンタジエニルバナジウムメト
キシクロライド、シクロペンタジエニルバナジウムi−
プロポキシクロライド、シクロペンタジエニルバナジウ
ムt−ブトキシクロライド、シクロペンタジエニルバナ
ジウムフェノキシクロライドなどのアルコキシド体、あ
るいはこれらの化合物の塩素原子をメチル基で置換した
メチル体等例示される。
【0039】(3)Rn MX3-n ・La で表される具体
的な化合物のうち、n=2の化合物としては、ジシクロ
ペンタジエニルバナジウムクロライド、ビス(メチルシ
クロペンタジエニル)バナジウムクロライド、ビス
(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)バナジウム
クロライド、ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエ
ニル)バナジウムクロライド、ジインデニルバナジウム
クロライドなどのクロライド体、あるいはこれらの化合
物の塩素原子をメチル基で置換したメチル体が挙げられ
る。
【0040】一般式(3)Rn MX3-n ・La で表され
る化合物においては、Rが炭化水素基、シリル基によっ
て結合されたものであってもよい。かかる化合物として
は、ジメチルビス(η5 −シクロペンタジエニル)シラ
ンバナジウムクロライド、ジメチルビス(テトラメチル
−η5 −シクロペンタジエニル)シランバナジウムクロ
ライドなどのクロライド体、あるいはこれらの化合物の
塩素原子をメチル基で置換したメチル体などが挙げられ
る。
【0041】一般式(4)RMX3 ・La で示される具
体的な化合物としては、以下の(i)〜(vii)の化
合物が挙げられる。
【0042】(i)シクロペンタジエニルバナジウムト
リクロライド,モノ置換シクロペンタジエニルバナジウ
ムトリクロライド、シクロペンタジエニルチタントリク
ロライド (ii)1,2−又は1,3−ジ置換シクロペンタジエ
ニルバナジウムトリクロライド、1,2−又は1,3−
ジ置換シクロペンタジエニルチタントリクロライド (iii)(1,2,3−トリメチルシクロペンタジエ
ニル)バナジウムトリクロライド、1,2,4−トリメ
チルシクロペンタジエニル)バナジウムトリクロライド
等のトリ置換シクロペンタジエニルバナジウムトリクロ
ライドが挙げられる。
【0043】(iv)テトラ置換ないしペンタ置換シク
ロペンタジエニルバナジウムトリクロライド (v)インデニルバナジウムトリクロライド、(vi)
置換インデニルバナジウムトリクロライド (vii);(i)〜(vi)の化合物の塩素原子をア
ルコキシ基で置換したモノアルコキシド、ジアルコキシ
ド、トリアルコキシド等 一般式(5)RM(O)X2 で表される具体的な化合物
としては、シクロペンタジエニルオキソバナジウムジク
ロライド、メチルシクロペンタジエニルオキソバナジウ
ムジクロライド、ベンジルシクロペンタジエニルオキソ
バナジウムジクロライド、(1,3−ジメチルシクロペ
ンタジエニル)オキソバナジウムジクロライドなどが挙
げられる。上記の各化合物の塩素原子をメチル基で置換
したメチル体も挙げられる。
【0044】一般式(5)RM(O)X2 で表される化
合物としては、またシクロペンタジエニルオキソバナジ
ウムジメトキサイド、シクロペンタジエニルオキソバナ
ジウムジi−プロポキサイドなどが挙げられる。上記の
各化合物の塩素原子をメチル基で置換したメチル体、
(シクロペンタジエニル)ビス(ジエチルアミド)オキ
ソバナジウム、(シクロペンタジエニル)ビス(ジi−
プロピルアミド)オキソバナジウムなどが挙げられる。
【0045】一般式(6)Rn MX3-n (NR' )で表
される具体的な化合物としては、シクロペンタジエニル
(メチルイミド)バナジウムジクロライド、シクロペン
タジエニル(フェニルイミド)バナジウムジクロライ
ド、シクロペンタジエニル(2,6−ジメチルフェニル
イミド)バナジウムジクロライドなどが挙げられる。
【0046】(6)Rn MX3-n (NR' )で表される
化合物としては、さらにシクロペンタジエニルバナジウ
ム(フェニルイミド)ジメトキサイド、シクロペンタジ
エニルバナジウム(フェニルイミド)ジi−プロポキサ
イド、シクロペンタジエニルバナジウム(フェニルイミ
ド)(i−プロポキシ)クロライド、(シクロペンタジ
エニル)ビス(ジエチルアミド)バナジウム(フェニル
イミド)、(シクロペンタジエニル)ビス(ジi−プロ
ピルアミド)バナジウム(フェニルイミド)などが挙げ
られる。
【0047】本発明において(B)成分として、使用す
る有機アルミニウム化合物としては、公知の有機アルミ
ニウム化合物が使用可能である。具体的にはトリメチル
アルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチ
ルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチ
ルアルミニウムクロライド等のジアルキルハライド等が
例示される。
【0048】また(B)成分として使用可能である鎖状
アルミノキサンとしては、有機アルミニウム化合物と縮
合剤とを接触させることによって得られるものであっ
て、一般式(−Al(R’)O−)nで示される鎖状ア
ルミノキサンが挙げられる。R’は炭素数1〜10の炭
化水素基であり、一部ハロゲン原子及び/又はアルコキ
シ基で置換されたものも含む。nは鎖状アルミノキサン
の重合度であり、5以上、好ましくは10以上である。
R’として、はメチル、エチル、プロピル、イソブチル
基が挙げられる。これらの中でもメチル基及びエチル基
が好ましい。アルミノキサンの原料として用いられる有
機アルミニウム化合物としては、例えば、上述のトリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム及
びその混合物などが挙げられる。
【0049】鎖状アルミノキサンの製造に使用する縮合
剤としては、典型的なものとして水が挙げられるが、こ
の他に該トリアルキルアルミニウムが縮合反応する任意
のもの、例えば無機物などの吸着水やジオ−ルなどが挙
げられる。
【0050】本発明の(C)電子吸引性化合物として
は、公知の電子吸引性化合物が使用可能である。具体的
にはトリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の酢酸誘導
体、テトラクロロベンゾキノン(クロラニル)、テトラ
フルオロベンゾキノン等のベンゾキノン誘導体、テトラ
シアノキノジメタン(TCNQ)等が例示される。これ
らの電子吸引性化合物は、単独で使用してもよく、2種
以上を併用してもよい。
【0051】本発明のポリブタジエンの製造方法におい
ては、モノマーとしてはブタジエンを使用するが、ポリ
ブタジエンの特性を損なわない範囲において他のモノマ
ーを共重合することは、特性の改善等の観点より好適な
態様である。かかる他のモノマーとしては、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエ
ン、2,4−ヘキサジエン、4−メチルペンタジエン等
の共役ジエンモノマー、エチレン、プロピレン、ブテン
−1、ブテン−2、イソブテン、ペンテン−1、ヘキセ
ン−1、オクテン−1等のモノオレフィン、ノルボルネ
ン等の環状モノオレフィン、スチレン等の芳香族モノオ
レフィン等が例示される。
【0052】本発明のポリブタジエンの製造方法におい
て使用する溶剤は、ポリブタジエンの重合において使用
する公知の溶剤は限定なく使用可能である。具体的に
は、トルエン、キシレン、テトラリン等の芳香族系溶
剤、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−ヘプタン、シク
ロヘキサン、シクロペンタン、シクロヘプタン、デカリ
ン等の脂肪族系ないし脂環族系溶剤等が好適な溶剤とし
て例示される。
【0053】ポリブタジエンを製造する重合方法は、公
知の方法が使用可能である。重合は溶液重合、塊状重合
のいずれであってもよいが、前述のように溶液重合であ
ることが好ましい。
【0054】溶液重合方法は、例えば反応容器中に有機
溶剤、並びにブタジエンモノマーを仕込み、所定温度に
調整し、触媒を添加することにより行う。
【0055】重合温度は、−10℃〜150℃程度であ
り、0〜120℃であることがより好ましく、10〜8
0℃であることがさらに好ましい。重合時間は、温度と
目的とする分子量に応じて適宜設定されるが、3分〜1
0時間程度である。
【0056】重合反応の停止は、例えばアルコール等の
溶剤や禁止剤を含む溶剤を重合系に添加、撹拌すること
により行う。重合完了後、例えば溶液をポリブタジエン
の非溶剤に再沈させ、ろ別した後、乾燥することによ
り、或いは溶液から溶剤を除去することによりポリブタ
ジエンを得ることができる。
【0057】
【実施例】以下、本発明の実施例を実験例に基づいて説
明する。 (実施例1)撹拌機付き1.5L容量のオートクレーブ
を窒素置換し、溶剤としてトルエンを300ml、シク
ロペンタジエニルチタントリクロライド(CpTiCl
3 )を2.1mmol,メチルアルミノキサン(MA
O)を210mmol,クロラニルを2.1mmol
(CpTiCl3 /クロラニル=1/1(モル比))投
入し、ブタジエン75mlを添加して30℃にて10分
間重合を行った。重合開始10分後に、重合禁止剤であ
るp−t−ブチルカテコールを少量溶解したメタノール
溶液を重合溶液に添加し、重合反応を停止させた。この
溶液からトルエンを除去することにより、ポリブタジエ
ンポリマーを得た。
【0058】(実施例2)クロラニルの添加量を21m
mol(CpTiCl3 /クロラニル=1/10(モル
比))とした以外は実施例1と同様にしてポリブタジエ
ンポリマーを得た。
【0059】(比較例1)クロラニルを添加しない点以
外は、実施例1と同様にしてリブタジエンポリマーを得
た。
【0060】<評価> (分子量の測定)GPC LC−10(島津製作所製)
を使用し、移動相としてテトラヒドロフラン(THF)
を使用し、40℃にて測定を行い、標準ポリスチレン換
算の重量平均分子量、数平均分子量を求めた。
【0061】(ミクロ構造)1,2−結合の含有率、シ
ス1,4−結合の含有率は、赤外線吸収スペクトル法に
より測定した。測定にはパラゴン1000(パーキンエ
ルマー社製)を使用した。測定は透過法にて行った。結
果は、シス1,4−結合に帰属される735cm-1の吸
収強度、トランス1,4−結合に帰属される967cm
-1の吸収強度、1,2−結合に帰属される911cm-1
の吸収強度をそれぞれ測定し、その強度比から求めた。
【0062】評価結果を表1に示した。この表の結果か
ら、本願発明にかかるポリブタジエンは、重量平均分子
量が1,003,000(実施例1)、1,121,0
00(実施例2)であって高分子量であり、しかも1,
2−結合分率が10%以下である。これに対して電子吸
引性化合物(構成(C))を使用しない比較例1のポリ
ブタジエンは、重量平均分子量は782,000と大き
いが、1,2−結合分率が15.8%であった。
【0063】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J100 AA02Q AA03Q AA04Q AA05Q AA06Q AA07Q AA16Q AA19Q AB02Q AR11Q AS01Q AS02P AS02Q AS03Q AS04Q CA01 CA04 CA15 DA01 DA47 JA29 4J128 AA01 AB00 AB01 AC10 AC28 AC31 AC39 AC42 AC47 AC48 AD01 AD05 AD06 AD07 AD11 AD13 AD16 AD18 AD19 BA00A BA01B BB00A BB01B BC15B BC16B BC25B CB53C CB54C CB68C EB02 EB04 EB05 EB06 EB07 EB08 EB09 EB12 EB13 EB14 EB26 EC01 EC02 FA02 GA01 GA11 GA26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)遷移金属メタロセン触媒、(B)
    有機アルミニウム化合物及びアルミノキサンから選択さ
    れる少なくとも1種の化合物、及び(C)電子吸引性化
    合物を添加してブタジエンを重合するポリブタジエンの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 得られるポリブタジエンが、重量平均分
    子量80万以上かつ1,2−結合含有率が10%以下で
    ある請求項1に記載のポリブタジエンの製造方法。
  3. 【請求項3】 有機溶剤中において重合反応を行う請求
    項1又は2に記載のポリブタジエンの製造方法。
  4. 【請求項4】 重量平均分子量80万以上かつ1,2−
    結合含有率が10%以下であることを特徴とするポリブ
    タジエン。
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