JP2003292090A - 保温形単位体パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 保護カバーの割れ発生を防止し、品質が安定
した保温形単位体パネルを提供する。 【解決手段】 方形の受圧面９の周縁に槽外となる方向
に接合用縁辺１０を連設した単位体パネル５の接合用縁
辺の内部に保護カバー４を有する保温層３を設けた複数
の保温形単位体パネル１，１を接合用縁辺同士を相互に
組合わせボルト・ナット１１で接合するようにした保温
タンクの保護カバー４を固定する際に、保護カバー４と
螺具２との間に弾性体１３を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、複数個の単位体パ
ネルを相互に組合わせ接合し、各種壁面を構成すること
のできる保温形タンクにおける保温形単位体パネルに関
する。 【０００２】 【従来の技術】一般に単位体パネルは、図６に示すよう
にプラスチックまたは金属等の材料で作られているため
比較的熱を通しやすく、特に高い保温性能、耐結露性能
を要求される場合には、単位体パネルに保温層を設けて
熱を通しにくい構造とした保温形単位体パネル１を使用
するのが一般的である。この保温形単位体パネル１は、
図４に示すようにプラスチックまたは金属等の単位体パ
ネル５本体に、プラスチック発泡体、グラスウール等の
熱が通りにくい部材からなる保温層３を取付け、さらに
この保温層３を単位体パネル５と同材質または他の材質
でできた保護カバー４で覆ったものである。 【０００３】ここで、保温形単位体パネル１は一般的
に、工場内にて単位体パネル５に保温層３及び保護カバ
ー４を取付け加工を行うが、その固定方法は螺具２によ
る固定方法と、接着材６（図５参照）による固定方法に
大別される。螺具２による固定方法は、図４に示すよう
に、単位体パネル５に複数のボス８が一体に形成され、
このボス８に保護カバー４の上から螺具２をねじ込ん
で、単位体パネル５と保温層３と保護カバー４とを一体
にしたものである。一方、接着材６による固定方法は図
５に示すように、保温層３の寸法よりも５〜１５ｍｍ周
囲寸法が大きく、フランジ部７を有した保護カバー４を
形成し、単位体パネル５に保温層３を載置する。その上
面には保温層３を一面覆うように保護カバー４を載せる
が、保護カバー４の周囲フランジ部７には接着材６を塗
布し配置して単位体パネル５と接着固定している。 【０００４】しかし、前述のように、螺具による固定方
法においては、単位体パネルに一体に形成されたボス部
に保護カバーを螺具にて固定しており、保温層はプラス
チックの発泡体やグラスウール等で構成されているた
め、発泡成形時の条件や単位体パネルへの配置等により
寸法のバラツキが発生する場合がある。例えば保温材が
規定寸法よりも厚くなった場合には、保護カバーを螺具
にてボス部へ固定する際、保護カバーに過大な締付け力
が発生する。また、保温形タンクを設置し使用する際に
は、槽内に水を貯留することにより単位体パネルが変形
するため、保護カバーの固定部には、常時応力が発生し
ていることになる。さらに、保温形タンクは屋外に設置
されることもあるため、当然保護カバーは耐候性がある
材料を使用しているが、設置場所の環境条件によって
は、耐候劣化が促進され材料強度が低下し、前述したよ
うに保温層が厚くなり、保護カバーの固定部に過大な応
力が発生している状態での使用においては、割れが発生
する可能性があった。 【０００５】一方、接着による固定方法においては、螺
具等による機械的な固定がないため、接着作業時のバラ
ツキが生じた場合には接着部に剥がれが発生する等の問
題があった。 【０００６】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解消すること、すなわち、保護カバーの割れ発生
を防止し、品質が安定した保温形単位体パネルを提供す
ることである。 【０００７】 【課題を解決するための手段】本発明は、次のものに関
する。 （１）方形の受圧面の周縁に槽外となる方向に接合用縁
辺を連設した単位体パネルの接合用縁辺の内部に保護カ
バーを有する保温層を設けた複数の保温形単位体パネル
を接合用縁辺同士を相互に組合わせボルト・ナットで接
合してなる保温タンクであって、保護カバーを固定する
際に保護カバーと螺具との間に弾性体を設ける構成とし
た技術手段を講じている。 【０００８】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図１〜図３
に基づき説明する。図１において、５は方形の受圧面９
の周縁に該受圧面９に直交して接合用縁辺１０を連接し
た単位体パネルであり、該単位体パネル５はＦＲＰ等の
合成樹脂またはステンレス等の金属により形成される。
１１は単位体パネル５の接合用縁辺１０同士を水封用パ
ッキン１２を介して締結するボルト・ナットであり、複
数の単位体パネル５の接合用縁辺１０を槽外となる方向
に位置させて相互接続することによりタンクの底壁、側
壁が形成される。 【０００９】３は、単位体パネル５の直交する接合用縁
辺１０に固定されるボルト・ナット１１の位置より低い
位置に配置された約１０〜３０ｍｍの厚さからなる板状
体の保温層であり、該保温層３の上面は保護カバー４に
よって一帯に覆われている。 【００１０】単位体パネル５と保温層３および保護カバ
ー４は工場にて組立てられる。単位体パネル５に複数の
ボス部８が一体に形成され、保護カバー４には、このボ
ス部８と同位置に固定用の穴が設けられている。固定の
際には、このボス部８と保護カバー４の固定用穴部との
位置をあわせ配置するとともに、保護カバー４の表面側
には固定用の穴を設けたゴム製の弾性体１３を配置し、
螺具２をボス部８にねじ込んで、単位体パネル５と保温
層３と保護カバー４とを一体にしたものである。弾性体
は、実施の形態ではゴム製の構成としたが、弾性体とし
ては、例えば合成樹脂製の発泡体や金属製のスプリング
ワッシャー等でもよい。また、弾性体は螺具と別体とし
ても、螺具と一体の構成のものでもよい。 【００１１】図２、図３は、本発明に係る別の実施の形
態を示す。図２は、保護カバー４の上面にプラスチック
製または金属製のワッシャー１４と弾性体としてのコイ
ル状伸縮材１５、さらにその上に前記ワッシャー１４を
配置し、螺具２をボス部８にねじ込み固定する構成のも
のである。本構成においては、保温層３の厚さのバラツ
キや水圧による単位体パネル５の変形が発生した際でも
ワッシャー１４の間に配置された弾性体としてのコイル
状伸縮材１５が伸縮することにより、保護カバー４への
発生応力を緩和する。また、ワッシャー１４は製作上他
の部品との干渉がない限り外形寸法は大きい方が有効で
ある。 【００１２】図３は、保護カバー４と螺具２との間に、
弾性体としての皿ばね座金１６を挿入し固定する構成の
もので、ばねの弾性を利用し、応力緩和を図るものであ
る。 【００１３】 【発明の効果】本発明は上記により構成されるため、製
作時の保温材の厚みにバラツキが生じた際や、設置先で
の使用状態の水圧による単位体パネルの変形が生じた場
合においても、保護カバーに作用する応力を小さくでき
るため、保護カバーに割れが発生することがなく、信頼
性の高い保温形タンクを提供することができる。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明の一実施例を示す部分断面図である。 【図２】本発明の別実施例を示す部分断面図である。 【図３】本発明の他の実施例を示す部分断面図である。 【図４】従来例を示す部分断面図である。 【図５】従来例を示す部分断面図である。 【図６】単位体パネル組立式タンクの斜視図である。 【符号の説明】 １ 保温形単位体パネル ２ 螺具 ３ 保温層 ４ 保護
カバー ５ 単位体パネル ６ 接着
材 ７ フランジ部 ８ ボス
部 ９ 受圧面 １０ 接合
用縁辺 １１ ボルト・ナット １２ 水
封用パッキン １３ 弾性体 １４ ワ
ッシャー １５ 弾性体（コイル状伸縮材） １６ 弾
性体（皿ばね座金）

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 方形の受圧面の周縁に槽外となる方向に
   接合用縁辺を連設した単位体パネルの接合用縁辺の内部
   に保護カバーを有する保温層を設けた複数の保温形単位
   体パネルを接合用縁辺同士を相互に組合わせボルト・ナ
   ットで接合してなる保温タンクであって、保護カバーを
   固定する際に保護カバーと螺具との間に弾性体を設けて
   なる保温形単位体パネル。