JP2003291278A - 化粧シート - Google Patents
化粧シートInfo
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Abstract
主成分とするトップコート樹脂層3を有する化粧シート
において、該トップコート樹脂層3の密着性やレベリン
グ性を悪化させることなく、例えば準外装用途にも使用
可能な、優れた耐候性を付与した化粧シートを提供す
る。 【解決手段】トップコート樹脂層3を、アクリル系樹脂
と繊維素系樹脂との混合組成物によって形成する。アク
リル系樹脂としては、アクリルポリオール系樹脂とイソ
シアネート系硬化剤との反応により生成するアクリルウ
レタン系樹脂を使用することが望ましい。化粧シート本
体1の表面にエンボス加工等による凹陥部16を形成し
た場合には、上記と同様の樹脂組成物に紫外線吸収剤又
は着色剤を添加した紫外線吸収性樹脂2を、該凹陥部1
6に充填することが望ましい。
Description
床材、天井材等の内外装材や、扉、扉枠、窓枠等の建
具、家具、車両内外装材等に使用するための化粧シート
に関するものであり、特に、直射日光に曝されることの
ある玄関扉や破風板等の準外装部位への用途に好適な、
耐候性に優れた化粧シートに関するものである。
脂若しくはそれらの積層体等からなる化粧シート本体の
表面に、表面保護のためのトップコート樹脂層が施され
るのが一般的であり、該トップコート樹脂層としては、
アクリルポリオール系樹脂とイソシアネート系硬化剤と
の反応生成物である2液硬化型ウレタン系樹脂に代表さ
れる、アクリル系樹脂を主成分とする樹脂組成物が使用
されるのが、最も一般的である(特開平6−79850
号、特開平10−58607号、特開平10−3154
23号、特開2000−280419号、特開2000
−289155号、特開2001−157872号
等)。
ル系樹脂は、耐溶剤性や耐摩耗性、耐候性等に優れる利
点はあるが、硬質で割れ易く、折り曲げ加工等には適し
ない場合があることや、特に、熱可塑性樹脂からなる化
粧シート本体に対しては、密着性が必ずしも十分でない
こと、塗液のレベリング性が不十分で、塗膜が柚肌状や
梨地状になり易く、意匠的にあまり望ましくないこと等
の欠点もある。そこで、係る欠点を補い、十分な強靱性
(割れ難さ)や密着性、レベリング性等を付与するため
に、トップコート樹脂層用のアクリル系樹脂には、塩化
酢酸ビニル系樹脂が少量(数%ないし十数%程度)添加
されるのが一般的である。ところが、塩化酢酸ビニル系
樹脂は、分子中に塩素を含むため、光(特に紫外線)の
作用により脱塩酸反応を起こして劣化するため、特に、
直射日光に曝されることのある準外装用途などとして
は、耐候性が必ずしも十分ではなく、使用が難しいとい
う問題点がある。
ート樹脂層を塗工形成する替わりに、耐候性に優れた熱
可塑性樹脂であるアクリル系樹脂やフッ素系樹脂からな
るフィルムをラミネートすることによって、優れた耐候
性を付与した化粧シートも、既に各種提案されている
(特開昭59−14151号、実開昭61−47634
号、特開昭61−169244号、特開平10−443
32号等)。しかし、アクリル系樹脂フィルムは、フィ
ルム成形可能な押出グレードのアクリル系樹脂は軟質タ
イプのため、耐溶剤性や耐摩耗性に劣り、一方、フッ素
系樹脂フィルムは、通常の熱可塑性樹脂フィルムと比較
して非常に高価であることに加え、接着性等の加工性に
も劣るので、必ずしも満足すべきものではない。
における上記した様な問題点を解決するためになされた
ものであり、その目的とするところは、化粧シート本体
の表面に、アクリル系樹脂を主成分とするトップコート
樹脂層を有する化粧シートにおいて、該トップコート樹
脂層の密着性やレベリング性を悪化させることなく、例
えば準外装用途にも使用可能な、優れた耐候性を付与し
た化粧シートを提供することにある。
化粧シート本体の表面に、トップコート樹脂層が形成さ
れてなる化粧シートにおいて、前記トップコート樹脂層
が、アクリル系樹脂と繊維素系樹脂との混合組成物から
なることを特徴とするものである。
リル系樹脂が、アクリルポリオール系樹脂とイソシアネ
ート系硬化剤との反応により生成するアクリルウレタン
系樹脂であることを特徴とするものである。
素系樹脂が、酢酸セルロース、セルロースアセテートプ
ロピオネート、カルボキシメチルセルロース及びエチル
セルロースから選ばれる1種又は2種以上の混合物であ
ることを特徴とするものである。
シート本体の表面に凹陥部を有し、該凹陥部に、アクリ
ル系樹脂と繊維素系樹脂との混合組成物からなり、紫外
線吸収剤及び/又は着色顔料を含有する紫外線吸収性樹
脂が充填されてなることを特徴とするものである。
線吸収性樹脂に含まれるアクリル系樹脂が、アクリルポ
リオール系樹脂とイソシアネート系硬化剤との反応によ
り生成するアクリルウレタン系樹脂であることを特徴と
するものである。
線吸収性樹脂に含まれる繊維素系樹脂が、酢酸セルロー
ス、セルロースアセテートプロピオネート、カルボキシ
メチルセルロース及びエチルセルロースから選ばれる1
種又は2種以上の混合物であることを特徴とするもので
ある。
プコート樹脂層の乾燥後の塗布量が8g/m2以上であ
ることを特徴とするものである。
シート本体の表面は、紫外線吸収剤を含有し厚みが90
μm以上の透明熱可塑性樹脂層からなることを特徴とす
るものである。
施の形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1及
び図2は、それぞれ本発明の化粧シートの実施の形態を
示す側断面図である。
た様に、化粧シート本体1の表面にトップコート樹脂層
3が設けられてなるものであって、該トップコート樹脂
層3が、アクリル系樹脂と繊維素系樹脂との混合組成物
からなることを特徴としている。
や構成は特に限定されず、従来の化粧シートにおけるそ
れと同様のものを使用すれば良い。具体的には、薄葉
紙、チタン紙、上質紙、樹脂含浸紙、樹脂混抄紙、紙間
強化紙等の紙や、織布又は不織布、ポリオレフィン系樹
脂やポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系
樹脂、ポリビニル系樹脂、繊維素誘導体系樹脂等の熱可
塑性樹脂からなるフィルム又はシート、アルミニウム箔
等の金属箔、木材を薄くスライスした突板等、或いはこ
れらから選ばれる2種以上の混合物、複合体、積層体等
を適宜使用することができる。
に、紙又は熱可塑性樹脂フィルム等からなる基材シート
12の表面に、所望の絵柄を印刷等により表した絵柄層
13を設け、その上に、絵柄層13を保護するための透
明熱可塑性樹脂層15を積層してなるもの(複層構成)
である。透明熱可塑性樹脂層15には、それ自身の紫外
線による劣化を防止すると共に、絵柄層13や基材シー
ト12を紫外線から保護する目的で、例えばベンゾトリ
アゾール系やベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤と、ヒ
ンダードアミン系等の光安定剤とが添加されるのが一般
的である。
場合には、図1に示した形態における基材シート12を
省略し、透明熱可塑性樹脂層15自体を謂わば基材シー
トとして、その裏面に絵柄層13等を形成した、単層構
成のシート(図2)が採用される場合もある。また逆
に、図1に示した形態における透明熱可塑性樹脂層15
を省略し、基材シート12上に設けた絵柄層13の表面
に直接、トップコート樹脂層3を形成した構成の化粧シ
ートもある。しかしこの場合には、化粧シートの表面物
性及び耐候性が、トップコート樹脂層3のみによって担
保されることになるので、特に耐候性の要求の厳しい用
途には、あまり適したものとは言えない。
などにも十分な耐候性を備えたものとするためには、上
記した様に、化粧シート本体1を、少なくともその表面
に紫外線吸収剤及び光安定剤が添加された透明熱可塑性
樹脂層15を具備したものとすると共に、該透明熱可塑
性樹脂層15の厚さを90μm以上とすることが望まし
い。透明熱可塑性樹脂層15の厚さの上限は特に限定さ
れないが、一般的には200μm以下であり、折り曲げ
加工性や経済性等を考慮すれば150μm以下とするこ
と望ましい。
を、適当なバインダー樹脂と共に、適当な溶剤中に溶解
又は分散してなる、印刷インキ又は塗料を使用して、公
知の印刷法又は塗工法により設けられるのが一般的であ
る。絵柄の種類は、例えば木目柄、石目柄、布目柄、抽
象柄、単色無地等、所望により任意である。印刷法とし
ては例えばグラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビ
アオフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷
法、インキジェット印刷法等、塗装法としては例えばグ
ラビアコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エ
アーナイフコート法、リップコート法、ダイコート法、
スプレーコート法等がある。
候性の良いものを選んで使用することが望ましい。着色
剤としては、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブ
ラック、弁柄、黄色酸化鉄、鉄黒、紺青、コバルトブル
ー等の無機顔料を使用することが最も望ましいが、有機
顔料であっても例えばアントラキノン、キナクリドン、
イソインドリノン、ペリレン、ジオキサジン、インダス
トロン等の縮合多環顔料やフタロシアニン等、耐候性の
特に高いものであれば使用できる。バインダー樹脂とし
ては、脱塩酸反応を起こす塩素系樹脂の使用を避け、例
えばアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系
樹脂、繊維素系樹脂等を単独又は混合系で使用すること
が望ましい。
着基材の表面の色彩や欠陥等に対する隠蔽性が要求され
る場合には、基材シート12を着色して隠蔽性とする
か、及び/又は、絵柄層13の裏面側に隠蔽層17を設
けると良い。この隠蔽層17は、絵柄層13と同様、印
刷インキ又は塗料を印刷又は塗工して設けることができ
るが、その際、例えば酸化チタンや酸化鉄、カーボンブ
ラック等、隠蔽性の高い顔料が配合された印刷インキ又
は塗料を使用することが望ましい。
2と透明熱可塑性樹脂層15との積層方法としては、接
着剤層14を介したドライラミネート法又はウェットラ
ミネート法や、接着剤層14を介するか又は介さない熱
ラミネート法、熱可塑性樹脂の溶融押出層を介して積層
するサンドラミネート法、透明熱可塑性樹脂層15を形
成するための樹脂を溶融押出して積層する押出ラミネー
ト法等、従来公知の方法から任意に選択すれば良い。
透明熱可塑性樹脂層15と共に、例えばマレイン酸変性
オレフィン系樹脂等の熱接着性樹脂層を共押出しして、
基材シート12との間に挟持させることにより、基材シ
ート12と透明熱可塑性樹脂層15との層間密着性を向
上させることもできる。
樹脂層15の絵柄層13印刷面や、基材シート12と透
明熱可塑性樹脂層15との積層面、透明熱可塑性樹脂層
15のトップコート樹脂層3形成面すなわち表面など
に、例えばコロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処
理、火炎処理、電離放射線処理、酸処理、アルカリ処
理、アンカー又はプライマー処理等の易接着化のための
表面処理を施すことにより、化粧シートの層間密着性を
更に向上させることもできる。
に応じて、エンボス加工による凹陥部16を設けること
もできる。凹陥部16のなす模様の種類としては、例え
ば木目における導管溝状や年輪模様状(浮造り状等)、
石目状(石材劈開面状)、布目状等を始め、艶消し面を
表す砂目状や梨地状、ヘアライン状、複雑な照り光沢を
表す平行直線又は曲線状パターンの集合体等、所望によ
り任意である。エンボス加工は、金属製のエンボス版又
はエンボスロールを用いたメカニカルエンボス加工によ
るほか、押出ラミネート法において表面にエンボス模様
が施された冷却ロールを使用する押出ラミネート同時エ
ンボス法によることもできる。
との接着に用いる汎用のラミネート用接着剤との接着性
を確保するために、裏面プライマー層11を設けておく
こともできる。裏面プライマー層11としては、例えば
ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂等からなる易接着
プライマー剤を適宜使用することができる。また、この
裏面プライマー層に例えばシリカ、タルク、炭酸カルシ
ウム、硫酸バリウム等の無機質粉末を添加しておくこと
により、投錨効果による接着性の向上と共に、巻取保存
時のブロッキングの防止を図ることもできる。
に、アクリル系樹脂と繊維素系樹脂との混合組成物から
なるトップコート樹脂層3が設けられるのが、本発明の
化粧シートの特徴である。トップコート樹脂層3は、ア
クリル系樹脂と繊維素系樹脂との混合組成物を、適当な
溶媒に溶解し、適当な塗工方法によって塗工後、乾燥固
化させて形成するのが一般的である。
リル系樹脂としては、例えばメタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シ
クロヘキシル、メタクリル酸エチルヘキシル、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル等の
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体を主成分
とし、これに必要に応じて他の共重合可能な単量体、例
えばアクリロニトリル、メタクリロニトリルや、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等のカル
ボキシル基含有単量体、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルアクリレート等の水酸基含有単量体、ジメチルアミノ
エチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタク
リレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチ
ルアミノプロピルアクリレート等のアミノ基含有単量
体、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレー
ト等のエポキシ基含有単量体等を配合して得た単独又は
共重合体を使用することができ、中でもメタクリル酸メ
チルを主成分とする単独又は共重合体を使用することが
最も望ましい。
要求される耐摩耗性や耐溶剤性等の表面物性を考慮する
と、上記アクリル系樹脂は、適宜の架橋剤(硬化剤)の
配合若しくは分子中に含む架橋性の官能基の反応により
架橋硬化する硬化型樹脂であることが望ましく、中で
も、化粧シート本体1を熱変形させない低温での架橋硬
化が可能な、イソシアネート系硬化剤の配合により硬化
するアクリルウレタン系樹脂を用いることが最も望まし
い。この場合において、イソシアネート系硬化剤と反応
させる主剤樹脂としては、分子中に水酸基、アミノ基又
はカルボキシル基等の活性水素基を含有するものであれ
ば使用可能であるが、中でも分子中に水酸基を含有する
アクリル系樹脂であるアクリルポリオール系樹脂を用い
ることが最も望ましい。
されるイソシアネート系硬化剤としては、例えばトリレ
ンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート等が最も一般的なもの
であるが、耐候性の観点からは、黄変の原因となる芳香
環を含まない脂肪族又は脂環族イソシアネート系硬化剤
を使用することが望ましい。具体的には、例えばヘキサ
メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加ジ
フェニルメタンジイソシアネート等を望ましく使用する
ことができる。
リル系樹脂に添加する繊維素系樹脂としては、例えば酢
酸セルロース、セルロースプロピオネート、セルロース
ブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等の
セルロース脂肪酸エステルや、硝酸セルロース、硫酸セ
ルロース、燐酸セルロース等のセルロース無機酸エステ
ル、メチルセルロース、エチルセルロース、ベンジルセ
ルロース等のセルロースエーテル、カルボキシメチルセ
ルロース、カルボキシエチルセルロース等のカルボキシ
ル基含有セルロースエーテル、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース等の水酸基含有セ
ルロースエーテル、アミノエチルセルロース等のアミノ
基含有セルロースエーテル等を使用することができる。
着性及びレベリング性の向上効果、耐候性等の面で、酢
酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネート、
カルボキシメチルセルロース及びエチルセルロースから
選ばれる1種又は2種以上の混合物を使用することが最
も望ましい。
するアクリル系樹脂に対して、適度の粘性や靱性を与
え、塗工時のレベリング性を向上すると共に、乾燥固化
後における化粧シート本体1の表面との密着性や、通常
の折り曲げ加工に耐える可撓性等を改善する作用を有す
る。しかも、基本的に分子中に塩素を含有しないので、
直射日光等の紫外線に曝されても脱塩酸反応による劣化
を生じることがなく、極めて耐候性に優れた被膜を与え
る。また、化粧シート本体1に添加されている紫外線吸
収剤や光安定剤のブリードを抑える効果もあり、優れた
耐候性が長期に亘り持続する化粧シートを得ることがで
きる。
リル系樹脂に対する繊維素系樹脂の配合量としては、少
なすぎると配合の効果が乏しく、多すぎるとアクリル系
樹脂の優れた物性(耐溶剤性、耐摩耗性等)を損なう虞
があるので、アクリル系樹脂と繊維素系樹脂との総和1
00重量部当たり0.5〜10重量部程度、より好まし
くは1〜4重量部程度とすることが望ましい。トップコ
ート樹脂層3に更に紫外線吸収剤及び/又は光安定剤を
添加することによって、耐候性を更に向上させることも
できる。
や表面物性の面では多い程有利であるが、あまり多すぎ
ても可撓性が失われて割れ易くなったり、不経済でもあ
るので、概ね乾燥後の塗布量20g/m2以下の程度と
することが望ましい。内装用途であれば通例4〜6g/
m2程度で十分である場合が多いが、直射日光に曝され
る機会の多い準外装用途であれば、少なくとも8g/m
2以上とすることが望ましい。
よる凹陥部16が形成されている場合、その凹陥部16
の分だけ化粧シート(特に、透明熱可塑性樹脂層15)
の厚みが薄くなるので、当該部分における耐候性が不十
分となる場合がある。この問題に対処するには、図1や
図2に示した様に、該凹陥部16に、紫外線吸収剤又は
紫外線吸収性を有する着色顔料等の着色剤を含有する紫
外線吸収性樹脂2を、ワイピング法等により充填するこ
とによって、凹陥部16において化粧シート本体1に入
射する紫外線を遮蔽すると良い。
本発明において上述のトップコート樹脂層3に使用した
ものと同様の、アクリル系樹脂と繊維素系樹脂との混合
組成物を主成分とするものと使用すると、凹陥部16に
おける耐候性を更に向上させることができる。この様に
すれば、深い凹陥部16の内部までは塗膜を形成させに
くいグラビアコート法やロールコート法等によってトッ
プコート樹脂層3を形成する場合にあっても、凹陥部1
6における耐候性を十分に確保することができる利点が
ある。
は、化粧シート本体1の表面の凹陥部16に紫外線吸収
性樹脂2を充填した後にトップコート樹脂層3を形成し
てあるが、紫外線吸収性樹脂2の充填とトップコート樹
脂層3の形成とは、この逆の順序で行われていても良
い。また、紫外線吸収性樹脂2には、紫外線吸収剤又は
紫外線吸収性の着色剤と共に、光安定剤が添加されてい
ることが望ましい。
例及び比較例を示し、本発明を更に詳細に説明する。
シートとして、その裏面にシリカ粉末を含有する2液硬
化型ウレタン系樹脂を乾燥後の塗布量1g/m 2に塗工
して裏面プライマー層を形成した後、表面にウレタン系
印刷インキを使用してグラビア印刷法により木目柄の絵
柄層を印刷形成し、該印刷面に2液硬化型ウレタン系ア
ンカー剤を乾燥後の塗布量1g/m2に塗工してアンカ
ー層を形成した。
ポリエチレン系熱接着性樹脂及び透明なポリプロピレン
系樹脂(いずれもベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及
びヒンダードアミン系光安定剤を添加)を、厚さがそれ
ぞれ20μm及び70μmとなるように、共押出ラミネ
ート法によりこの順に積層して、透明熱可塑性樹脂層を
形成すると同時に、木目導管状のエンボス模様が施され
た冷却ロールを用いて、透明熱可塑性樹脂層の表面に、
木目導管状の凹陥部を形成し、化粧シート本体を作製し
た。
リルポリオール系樹脂88重量部、セルロースアセテー
トプロピオネート樹脂2重量部、ヘキサメチレンジイソ
シアネート系硬化剤10重量部の混合組成物を主成分と
し、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びヒンダード
アミン系光安定剤を添加した紫外線吸収性樹脂を全面に
塗布し、余剰の樹脂をドクターにて掻き取って、凹陥部
に紫外線吸収性樹脂を充填した。
重量部、セルロースアセテートプロピオネート樹脂2重
量部、ヘキサメチレンジイソシアネート系硬化剤10重
量部の混合組成物を主成分とし、ベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤を添加し
たトップコート塗料を、グラビアコート法により全面に
乾燥後の塗布量9g/m2に塗工し、乾燥養生硬化させ
てトップコート樹脂層を形成して、本発明の化粧シート
を作製した。
ート塗料を、アクリルポリオール系樹脂81重量部、塩
化酢酸ビニル系樹脂9重量部、ヘキサメチレンジイソシ
アネート系硬化剤10重量部の混合組成物を主成分とす
るものに変更し、その他は上記実施例1と同一の要領に
て化粧シートを作製した。
ート塗料を、アクリルポリオール系樹脂90重量部及び
ヘキサメチレンジイソシアネート系硬化剤10重量部の
混合組成物を主成分とするものに変更し、その他は上記
実施例1と同一の要領にて化粧シートを作製した。
トップコート樹脂層の塗膜面状態(目視評価)、密着性
(セロハンテープ剥離試験)、メタルウェザー耐候性試
験機による耐候性(600時間まで、目視評価)を評価
したところ、結果は下表の通りであった。
粧シートは、トップコート樹脂層を構成するアクリル系
樹脂に対し、塩化酢酸ビニル系樹脂に替えて繊維素系樹
脂を配合したことにより、脱塩酸反応による劣化を発生
せず、耐候性に優れており、しかも、トップコート樹脂
層の塗工時におけるレベリング性が良く、意匠性に優れ
ると共に、熱可塑性樹脂等からなる化粧シート本体との
密着性も良好である。この様にして、玄関扉等の準外装
用途にも対応可能な優れた耐候性を備え、しかも意匠性
や密着性、耐溶剤性、耐汚染性、耐摩耗性等の基礎的表
面物性も十分に備えた化粧シートを得ることができると
いう優れた効果を奏するものである。
図である。
図である。
Claims (8)
- 【請求項1】化粧シート本体の表面に、トップコート樹
脂層が形成されてなる化粧シートにおいて、前記トップ
コート樹脂層が、アクリル系樹脂と繊維素系樹脂との混
合組成物からなることを特徴とする化粧シート。 - 【請求項2】前記アクリル系樹脂が、アクリルポリオー
ル系樹脂とイソシアネート系硬化剤との反応により生成
するアクリルウレタン系樹脂であることを特徴とする請
求項1に記載の化粧シート。 - 【請求項3】前記繊維素系樹脂が、酢酸セルロース、セ
ルロースアセテートプロピオネート、カルボキシメチル
セルロース及びエチルセルロースから選ばれる1種又は
2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1又は
2に記載の化粧シート。 - 【請求項4】前記化粧シート本体の表面に凹陥部を有
し、該凹陥部に、アクリル系樹脂と繊維素系樹脂との混
合組成物からなり、紫外線吸収剤及び/又は着色顔料を
含有する紫外線吸収性樹脂が充填されてなることを特徴
とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。 - 【請求項5】前記紫外線吸収性樹脂に含まれるアクリル
系樹脂が、アクリルポリオール系樹脂とイソシアネート
系硬化剤との反応により生成するアクリルウレタン系樹
脂であることを特徴とする請求項4に記載の化粧シー
ト。 - 【請求項6】前記紫外線吸収性樹脂に含まれる繊維素系
樹脂が、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピ
オネート、カルボキシメチルセルロース及びエチルセル
ロースから選ばれる1種又は2種以上の混合物であるこ
とを特徴とする請求項4又は5に記載の化粧シート。 - 【請求項7】前記トップコート樹脂層の乾燥後の塗布量
が8g/m2以上であることを特徴とする請求項1〜6
のいずれかに記載の化粧シート。 - 【請求項8】前記化粧シート本体の表面は、紫外線吸収
剤を含有し厚みが90μm以上の透明熱可塑性樹脂層か
らなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載
の化粧シート。
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Cited By (5)
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