JP2003289903A

JP2003289903A - ミッドソール及びカップインソール

Info

Publication number: JP2003289903A
Application number: JP2002093803A
Authority: JP
Inventors: Naotaka Yamamoto; 尚孝山本; Takeshi Takeshita; 豪竹下; Sadaji Kawasaki; 貞治川崎
Original assignee: Mizuno Corp
Current assignee: Mizuno Corp
Priority date: 2002-03-29
Filing date: 2002-03-29
Publication date: 2003-10-14

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】本発明のミッドソール、及びカップインソー
ルは、屈曲性、クッション性、及び軽量性を損なうこと
なく、着用者が蹴り出し時にキック力をロスなく接地面
に伝えることができるミッドソール、及びカップインソ
ールを提供することを目的とする。【解決手段】本発明のミッドソール、及びカップイン
ソールは、屈曲性、及びクッション性に優れた軟質弾性
部５と、軟質弾性部５よりも曲げ剛性が高い第２弾性部
６とを有し、前記第２弾性部５がシューズの屈曲性、及
びクッション性、及び軽量性を損なわずしかも着用者の
蹴り出し時のキック力をロスなく接地面に伝えることが
できるようにその位置と形状を設定したミッドソール、
及びカップインソールである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、スポーツ用シュー
ズ及びシューズに装着するミッドソールとカップインソ
ール、及びその構造に係るものである

【０００２】

【従来の技術】従来、シューズのミッドソールやアウト
ソールに異硬度又は、剛性の違った材料を部分的に配す
ことによって、種々の特性を有するよう設計されたシュ
ーズは存在する。例えば、実開平４−３６８０３号には
靴底に後部補強プレートと前部補強プレートとを備えて
なることを特徴とする靴底が開示されている。また、実
開平３−７９７０４号には爪先部のミッドソールの硬度
が踏み付け部のミッドソールの硬度よりも低い構成のシ
ューズが開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記実開平４
−３６８０３号に記載された靴底は実質的にはゴルフシ
ューズにおけるスパイクによる突き上げを防止すること
を目的としており、補強プレートの存在によって靴の屈
曲性やクッション性の低下、重量の増加という点につい
て十分に対処できていないという問題点があった。ま
た、実開平３−７９７０４号に記載されたシューズでは
爪先部のミッドソールの硬度が踏み付け部のミッドソー
ルの硬度よりも低い構成であれば、走行時のグリップ力
とキック力を高めることができるとされている。しか
し、爪先部のミッドソールの硬度が低いと、蹴り出し時
にシューズの爪先が屈曲変形し、アウトソールと接地面
との間で滑りが発生しやすくなる。したがって、実開平
３−７９７０４号に記載された構成のシューズでは、着
用者のキック力を必ずしも十分に伝えることはできな
い。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで本発明のミッドソ
ール、及びカップインソールは、屈曲性、クッション
性、及び軽量性を損なうことなく、着用者が蹴り出し時
にキック力をロスなく接地面に伝えることができるミッ
ドソール、及びカップインソールを提供することを目的
とする。すなわち、本発明のミッドソール、及びカップ
インソールは、屈曲性、及びクッション性に優れた軟質
弾性部と、軟質弾性部よりも曲げ剛性が高い第２弾性部
とを有し、前記第２弾性部がシューズの屈曲性、及びク
ッション性、及び軽量性を損なわずしかも着用者の蹴り
出し時のキック力をロスなく接地面に伝えることができ
るようにその位置と形状を設定したミッドソール、及び
カップインソールである。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、以
下に説明する。本発明のミッドソールは軟質弾性部と、
軟質弾性部よりも曲げ剛性が高い第２弾性部とを有し、
第２弾性部が着用者の足の第１基節骨から拇趾球の下方
領域をカバーする領域に配置されたことを特徴とするミ
ッドソールである。シューズの先端部分に、比較的曲げ
硬度が高い材料が存在すると着用者が蹴り出しの際、シ
ューズの爪先部先端が屈曲しにくくなる。これにより、
蹴り出し時にシューズ先端部分のアウトソールと接地面
との間で、滑りが発生するのを抑制でき、その結果、キ
ック力をロスなく接地面に伝えることができるようにな
り、推進性を向上できる。しかし、比較的曲げ硬度が高
い材料の位置や形状が、適切でなく、拇指球の後方に存
在するシューズの屈曲ラインに大きくかかると、シュー
ズの屈曲性が阻害される。

【０００６】本発明のミッドソールは、ランニング中の
足圧分布測定の結果に基づき設定したものであって、軟
質弾性部と、軟質弾性部よりも曲げ硬度が高い材料を第
２弾性部とし、第２弾性部の位置と形状を着用者のキッ
ク力をロスなく接地面に伝えることができ、しかも屈曲
性が阻害されないように設定したミッドソールである。
図７（ａ）乃至図７（ｄ）にランニングにおける着地か
ら蹴り出しにおける足圧分布を等圧線によって示した。
なお、これら等圧線によって示した足圧分布の中で、最
も足圧が高い領域Ｎを黒塗りとして示した。また、これ
ら図７（a）乃至図７（ｄ）をもとに、足圧分布と足の
骨の位置との関係を図８（ａ）乃至図８（ｅ）に示し
た。なお、図７（ａ）乃至図７（ｄ）が、それぞれ図８
（ａ）乃至図８（ｄ）に対応し、図７（ａ）乃至図７
（ｄ）に実線で示した等圧線をそれぞれ図８（ａ）乃至
図８（ｄ）において点線にて示した。図８（ｂ）乃至図
８（ｄ）によると、蹴り出し時にはまず拇趾球１の下方
領域に力が大きく加わり、ついで、親指の根本から先端
に向かって（第１基節骨２から第１末節骨３に向かっ
て）その大きく加わる力が移動していることが分かっ
た。従って、かかる位置に第２弾性部が位置すれば、シ
ューズのつま先部分が蹴り出し時に屈曲変形しにくくな
り、着用者のキック力をロスなく接地面に伝えることが
できる。ただし、図９に示すとおり、拇趾球１の位置よ
り後方側にある中足骨４の中央部付近にはシューズの屈
曲ラインＫが存在するため、該屈曲ラインに第２弾性部
が大きくかからないようにに第２弾性部の形状を設定す
る。

【０００７】また、蹴り出し時の後半には前記の足圧分
布の移動に関する説明のとおり、主に着用者の親指、及
び親指の前方によってキックされ、かかる位置に力がか
かる。従って、蹴り出し時の後半をも考慮すると、第２
弾性部が、着用者の足の第１末節骨から第１基節骨、及
び拇趾球の下方領域をカバーする領域に配置されたもの
であれば、蹴り出しの動作全体を通して、よりキック力
をロスなく地面に伝えることができるミッドソールであ
るといえる。本発明のミッドソールの軟質弾性部は、樹
脂またはラバー素材の発泡体から構成される。また、本
発明のミッドソールの第２弾性部は、樹脂またはラバー
の材料よりなり、それぞれの未発泡（ソリッド）のもの
である場合や、それぞれの発泡体である場合も可能であ
る。

【０００８】前記第２弾性部は、ポリウレタン、ポリア
ミド、ＡＢＳ樹脂、ポリカーボネート等の樹脂を材料と
して使用される。第２弾性部が樹脂またはラバーの材料
よりなる場合には、その硬度はＪＩＳＫ６２５３Ｄの
スケールで、１５度以上８０度以下であり、好ましく
は、３０度以上７５度以下である。または、第２弾性部
の硬度はＪＩＳＫ６２５３Ａのスケールで、５０度以
上１００度以下であり、好ましくは、６０度以上９８度
以下である。

【０００９】前記第２弾性部は、ＥＶＡやポリウレタン
等の樹脂の発泡体またはラバー素材の発泡体を材料とし
て使用されていてもよい。この場合の硬度は、アスカー
のＣスケールで、６０度以上８５度以下であり、好まし
くは、６０度以上８０度以下であって、前記軟質弾性部
を構成する材料の硬度よりもアスカーＣのスケール５以
上、好ましくは１０度以上高くなっている。

【００１０】本発明のミッドソールは、前記のとおりの
構成であるが、カップインソールにおいても同様の構成
（軟質弾性部と第２弾性部）を設定した。カップインソ
ールは取り替え可能であり、使用によるへたりが生じて
も取り替えることによって、機能を持続させることが可
能である。よってミッドソールだけでなく、カップイン
ソールにおいても本発明の技術を応用した。本発明のカ
ップインソールは、ランニング中の足圧分布測定の結果
に基づき設定したものであって、軟質弾性部と、軟質弾
性部よりも曲げ硬度が高い材料を第２弾性部とし、第２
弾性部の位置と形状を着用者のキック力をロスなく接地
面に伝えることができ、しかも屈曲性が阻害されないよ
うに設定したカップインソールである。

【００１１】本発明のカップインソールは、軟質弾性部
と、軟質弾性部よりも曲げ剛性が高い第２弾性部とを有
し、第２弾性部が着用者の足の拇趾球の下方領域をカバ
ーする領域に配置されたことを特徴とするカップインソ
ールである。また、本発明のカップインソールは、軟質
弾性部と、軟質弾性部よりも曲げ剛性が高い第２弾性部
とを有し、第２弾性部が着用者の足の第１基節骨から拇
趾球の下方領域をカバーする領域に配置されたことを特
徴とするカップインソールである。さらに本発明のカッ
プインソールは、軟質弾性部と、軟質弾性部よりも曲げ
剛性が高い第２弾性部とを有し、第２弾性部が着用者の
足の第１末節骨から第１基節骨、及び拇趾球の下方領域
をカバーする領域に配置されたことを特徴とするカップ
インソールである。なお、本発明のカップインソールに
おける、軟質弾性部と、第２弾性部の配置の詳細説明
は、前記ミッドソールにおける配置の説明と同じである
ため、省略する。

【００１２】本発明のカップインソールの軟質弾性部
は、樹脂またはラバー素材の発泡体から構成される。ま
た、本発明のカップインソールにおける第２弾性部は、
樹脂またはラバーの材料よりなり、それぞれの未発泡
（ソリッド）のものである場合や、それぞれの発泡体で
ある場合も可能である。

【００１３】

【実施例】本発明の実施例を図面に基づき説明する。図
１（ａ）及び１（ｂ）に本発明の実施例１のミッドソー
ルを示した。また図２（ａ）及び図２（ｂ）に本発明の
実施例１のミッドソールと着用者の足の骨の位置との関
係を示した。図１（ａ）及び図１（ｂ）に示すとおり、
本実施例１のミッドソールは、軟質弾性部５と、軟質弾
性部５よりも曲げ剛性が高い第２弾性部６とを有する。
また図２（ａ）及び図２（ｂ）に示すとおり、第２弾性
部６が着用者の足の第１末節骨３から第１基節骨２、及
び拇趾球１の下方領域をカバーする領域に配置されてい
る。本実施例１のミッドソールにおける軟質弾性部はＥ
ＶＡスポンジよりなり、また第２弾性部はウレタン樹脂
（未発泡）よりなる。なお、図２（ｂ）において便宜
上、着用者の足骨は点線によって示した。

【００１４】本実施例１のミッドソールの成形方法は、
ミッドソール成形金型に予め所定の形状に打ち抜き加工
したウレタン樹脂の第２弾性部をインサートし、その
後、ＥＶＡスポンジの生地を同金型に挿入し加圧、加熱
して成形する方法である。本実施例１の第２弾性部の硬
度はＪＩＳＫ６２５３Ａのスケールで９０度である。
また、本実施例１のミッドソールにアウトソール７を接
着し、ソールを構成した場合の縦方向の断面図を図１
（ｃ）に示した。

【００１５】図３（ａ）及び図３（ｂ）に本発明の実施
例２のミッドソールを示した。また図４（ａ）及び図４
（ｂ）に本発明の実施例２のミッドソールと着用者の足
の骨の位置との関係を示した。図４（ａ）及び図４
（ｂ）に示すとおり、本実施例２のミッドソールは、軟
質弾性部５と、軟質弾性部５よりも曲げ剛性が高い第２
弾性部６とを有し、第２弾性部６が着用者の足の第１末
節骨３から第１基節骨２、及び拇趾球１の下方領域をカ
バーする領域に配置されている。なお、図４（ｂ）にお
いて便宜上、着用者の足骨は点線によって示した。図３
（ｂ）及び図３（ｂ）に示すとおり、本実施例２の第２
弾性部６は、突起Ｔを有し、ミッドソールにおける軟質
弾性部５の接地面側に前記突起Ｔが露出した状態であ
る。そして、図３（ｃ）に示すとおり、アウトソール７
をミッドソールの前足部分には接着せず、踵部分にのみ
接着しソールを作成した。かかる構成により本実施例１
のソールの構成と比較して、本実施例２のソールの構成
は、前足部のアウトソール７がない分、軽量化を図った
構成である。本実施例２の第２弾性部はラバー（未発
泡）よりなり、その硬度はＪＩＳＫ６２５３Ａのスケ
ールで６５度である。

【００１６】図５（ａ）及び図５（ｂ）に本発明の実施
例３のカップインソールを示した。また図６（ａ）及び
図６（ｂ）に本発明の実施例３のカップインソールと着
用者の足の骨の位置との関係を示した。なお、図５
（ｂ）は、図５（ａ）におけるＣＣ'断面図であるが、
便宜上側面形状を点線によって示した。また、図６
（ｂ）においても便宜上、着用者の足骨は点線によって
示した。図６（ａ）及び図６（ｂ）に示すとおり、本実
施例３のカップインソールは、軟質弾性部５と、軟質弾
性部５よりも曲げ剛性が高い第２弾性部６とを有し、第
２弾性部６が着用者の足の第１末節骨３から第１基節骨
２、及び拇趾球１の下方領域をカバーする領域に配置さ
れている。本実施例３のカップインソールにおける軟質
弾性部５はＥＶＡスポンジよりなり、また第２弾性部６
はウレタン樹脂（未発泡）よりなる。

【００１７】

【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。本発明
のミッドソール、及びカップインソールは、軽量性、及
び屈曲性を損なうことなく、蹴り出し時にシューズ先端
部分のアウトソールと接地面との間で、滑りが発生せ
ず、キック力をロスなく接地面に伝えることができ、推
進性を向上できる。また、拇指球の下方をカバーする領
域に比較的曲げ剛性が高い第２弾性部が存在するため、
ランニング時にプロネーションを防止し正しい蹴り出し
位置に導くことができる。さらに、ランニング時、大き
く力のかかる領域に比較的曲げ剛性が高い第２弾性部を
有していることにより、走者が意識的に第２弾性部に力
を入れ、地面を力強くキックすることができるという付
帯効果をも得ることが可能となる。

【００１８】

【図面の簡単な説明】

【図１】図１（ａ）は実施例１のミッドソールの底面図
であり、図１（ｂ）は図１（ａ）におけるＡＡ'断面図
であり、図１（ｃ）は実施例１のミッドソールにアウト
ソール７を接着した時の縦断面図である。

【図２】図２（ａ）及び図２（ｂ）は実施例１のミッド
ソールと着用者の足の骨の位置との関係を示す図であ
る。

【図３】図３（ａ）は実施例２のミッドソールの底面図
であり、図３（ｂ）は図３（ａ）におけるＢＢ'断面図
であり、図３（ｃ）は実施例２のミッドソールにアウト
ソール７を接着した時の縦断面図である。

【図４】図４（ａ）及び図４（ｂ）は実施例２のミッド
ソールと着用者の足の骨の位置との関係を示す図であ
る。

【図５】図５（ａ）は実施例３のカップインソールの底
面図であり、図５（ｂ）は図５（ａ）におけるＣＣ'断
面図である。

【図６】図６（ａ）及び図６（ｂ）は実施例３のカップ
インソールと着用者の足の骨の位置との関係を示す図で
ある。

【図７】図７（ａ）乃至図７（ｄ）はランニングにおけ
る着地から蹴り出しにおける足圧分布を等圧線によって
示した図である。

【図８】図８（ａ）乃至図８（ｄ）はランニングにおけ
る足圧分布と足の骨の位置との関係を示した図であり、
図８（ｅ）は足の骨を表した図である。

【図９】図９は足の骨と屈曲ラインＫの位置を表した図
である。

【符号の説明】

１拇趾球２第１基節骨３第１末節骨４中足骨４−１第１中足骨５軟質弾性部６第２弾性部７アウトソールＫ屈曲ラインＮ足圧分布の中で、最も足圧が高い領域Ｔ突起

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ミッドソールにおいて、軟質弾性部と、軟
質弾性部よりも曲げ剛性が高い第２弾性部とを有し、第
２弾性部が着用者の足の拇趾球の下方領域をカバーする
領域に配置されたことを特徴とするミッドソール。
【請求項２】ミッドソールにおいて、軟質弾性部と、軟
質弾性部よりも曲げ剛性が高い第２弾性部とを有し、第
２弾性部が着用者の足の第１基節骨から拇趾球の下方領
域をカバーする領域に配置されたことを特徴とするミッ
ドソール。
【請求項３】ミッドソールにおいて、軟質弾性部と、軟
質弾性部よりも曲げ剛性が高い第２弾性部とを有し、第
２弾性部が着用者の足の第１末節骨から第１基節骨、及
び拇趾球の下方領域をカバーする領域に配置されたこと
を特徴とするミッドソール。
【請求項４】前記第２弾性部が樹脂製の材料よりなり、
その硬度がＪＩＳＫ６２５３Ｄのスケールで、１５〜８
０度であることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか
に記載のミッドソール。
【請求項５】前記第２弾性部が樹脂製の材料よりなり、
その硬度がＪＩＳＫ６２５３Ａのスケールで、５０〜１
００度であることを特徴とする請求項１乃至３のいずれ
かに記載のミッドソール。
【請求項６】前記第２弾性部が樹脂またはラバー素材の
発泡体の材料よりなり、その硬度がアスカーのＣスケー
ルで、６０〜８５度であって、軟質弾性部を構成する材
料の硬度よりもアスカーＣのスケールで少なくとも５度
高くなっていることを特徴とする請求項１乃至３のいず
れかに記載のミッドソール。
【請求項７】カップインソールにおいて、軟質弾性部
と、軟質弾性部よりも曲げ剛性が高い第２弾性部とを有
し、第２弾性部が着用者の足の拇趾球の下方領域をカバ
ーする領域に配置されたことを特徴とするカップインソ
ール
【請求項８】カップインソールにおいて、軟質弾性部
と、軟質弾性部よりも曲げ剛性が高い第２弾性部とを有
し、第２弾性部が着用者の足の第１基節骨から拇趾球の
下方領域をカバーする領域に配置されたことを特徴とす
るカップインソール。
【請求項９】カップインソールにおいて、軟質弾性部
と、軟質弾性部よりも曲げ剛性が高い第２弾性部とを有
し、第２弾性部が着用者の足の第１末節骨から第１基節
骨、及び拇趾球の下方領域をカバーする領域に配置され
たことを特徴とするカップインソール。