JP2003288741A - 再生装置 - Google Patents

再生装置

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JP2003288741A
JP2003288741A JP2002092833A JP2002092833A JP2003288741A JP 2003288741 A JP2003288741 A JP 2003288741A JP 2002092833 A JP2002092833 A JP 2002092833A JP 2002092833 A JP2002092833 A JP 2002092833A JP 2003288741 A JP2003288741 A JP 2003288741A
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Akiyoshi Ito
彰義 伊藤
Katsuji Nakagawa
活二 中川
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Nihon University
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の記録層を有する光磁気記録媒体から情
報を再生する。 【解決手段】 補償温度の前後で、記録層に形成されて
いる磁気モーメントの磁気分極の向きが逆極性となる記
録層と、上記補償温度の前後で、記録層に形成されてい
る磁気モーメントの磁気分極の向きが変わらない記録層
と、上記記録層の情報が拡大転写される磁区拡大再生層
が積層されている光磁気記録媒体に、上記補償温度より
も低い温度のビームを照射するとともに外部磁界を印加
し、2つの記録層の情報を磁区拡大再生層に第1の情報
として拡大転写し、拡大転写した第1の情報を読み出
し、また、第1の情報を読み出した位置に、上記補償温
度よりも高い温度のビームを照射するとともに外部磁界
を印加し、2つの記録層の情報を磁区拡大再生層に第2
の情報として拡大転写し、拡大転写した第2の情報を読
み出し、第1の情報と第2の情報とを加算及び減算処理
する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、第1及び第2の記
録層と磁区拡大再生層とが積層されている光磁気記録媒
体から情報を再生する再生装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、IT産業の目覚ましい発展によ
り、家庭等においてもデータ量の大きな情報を扱う機会
が多くなってきている。これにともない、光磁気記録媒
体の大容量化が求められている。例えば、光磁気記録媒
体に形成する記録マークサイズの微小化により記録密度
を向上し、光磁気記録媒体の大容量化を図っている。以
下に光磁気記録媒体の高密度化について述べる。 【0003】光磁気記録媒体は、一般的に、光磁気記録
装置により記録信号に対応したレーザ光が照射され、上
記レーザ光の熱エネルギーを用いて、記録層に記録マー
クを形成することにより情報が記録される記録媒体であ
る。また、光磁気記録媒体は、光磁気再生装置によりレ
ーザ光が照射され、磁気光学効果を利用して記録された
情報が再生される。 【0004】光磁気記録媒体の記録密度は、記録及び再
生に用いる光学系のレーザ光の波長λ及び上記レーザ光
を情報記録面に手交する対物レンズの開口数NAに依存
する。光磁気記録装置のレーザ光のスポット径Rは、以
下の式に示すとおり、上記波長λと開口数NAにより決
まる。 R∝λ/NA (1) 従って、光磁気記録媒体の記録密度の向上には、スポッ
ト径Rの小規模化を図る必要がある。 【0005】従来の光磁気記録装置及び光磁気再生装置
は、レーザ光のスポット径よりも細かい記録信号を記録
再生することが困難であった。そのため、従来の光磁気
記録媒体の記録密度は、レーザ光のスポット径Rによっ
て制限されていた。したがって、従来の光磁気記録媒体
を用いて高記録密度化を実現するためには、レーザ光の
波長λを短くするとともに、対物レンズの開口数NAを
大きくする必要があった。 【0006】光磁気記録媒体は、記録層となる磁性薄膜
の膜構成、信号の記録方式、あるいは信号の再生方式等
を工夫することにより、高記録密度化が図られている。 【0007】このような高密度化の方法には、磁気超解
像(MSR、Magnetically induced Super Resolution)が
ある。MSRには、前方開口検出(FAD、Front Aperture
Detection)、後方開口検出(RAD、Rear Aperture Dete
ction)及び中央開口検出(CAD、Center Aperture Detec
tion)の検出方法がある。また、MSRに使用する光磁
気記録媒体は、記録層の上に直接、再生層が積層されて
いる。再生層の磁気モーメントは、室温においては面内
方向を向いており、室温では磁気光学効果による信号を
生じない。一方、再生レーザの照射により再生層の所定
の場所が昇温された場合、再生レーザ中心付近の磁気モ
ーメントが面内方向から垂直方向に変化しやすい状態に
なる。再生レーザの中心付近は、温度上昇が大きいため
にこのようなことが起こる。上述の状態のとき、再生層
の磁気モーメントは、再生層と記録層との交換結合によ
り記録層の磁気モーメントと同じ方向に揃う。 【0008】MSRは、再生ビームのスポット径Rより
小さい領域で記録層の磁気モーメントを再生層に磁気転
写するので、空間分解能が大幅に向上する。しかし、M
SRは、再生ビームのスポット径Rより小さい領域から
信号を検出する必要があり、信号強度の低下が問題とな
っている。 【0009】上述のMSRの問題点を解決するのが磁区
拡大再生方式(MAMMOS、Magnetic Amplifying Magneto-O
ptical System)である。MAMMOSに使用する光磁
気記録媒体は、磁区拡大再生層、補助層及び記録層が積
層されている。MAMMOSは、記録層の磁気モーメン
トが補助層を介して磁区拡大再生層に磁気転写される。
そして、MAMMOSは、情報を再生する際、外部磁界
を光磁気記録媒体に照射し、磁区拡大再生層に磁気転写
されている磁気モーメントを拡大する。 【0010】また、上述のMAMMOSを利用して、多
層の記録層に情報を多値記録する方法及び再生方法がOP
TRONICS(1998)No.4 pp.115-124に提案されている。上記
資料には、基板上に互いに保持力が異なる複数の磁性層
を積層した光磁気記録媒体に、磁界強度を多段階に変調
した記録磁界を印加し、特定の磁性層の磁気モーメント
を選択的に磁化反転させることにより情報を多値記録す
ることが記載されている。 【0011】ここで、上記資料について詳細を述べる。
上記資料に記載の光磁気記録媒体は、基板上に下地層、
第1の記録層、中間層及び第2の記録層が積層されてい
る。下地層、第1の記録層及び第2の記録層は、希土類
元素(以下REと呼ぶ。)と遷移金属元素(以下TMと
呼ぶ。)との合金性の非晶質膜であり、磁気モーメント
が互いに逆向きに結合しているフェリ磁性体である。下
地層は、PtCoのフェリ磁性体であり、TMリッチの
磁性層である。第1の記録層及び第2の記録層は、Tb
FeCoのフェリ磁性体であり、REリッチの磁性層で
ある。また、第2の記録層は、下地層の上部に積層され
ており、下地層と交換結合している。 【0012】ここで、当該光磁気記録媒体を用いて情報
を多値記録する多値記録方法について述べる。レーザ照
射部は、光磁気記録媒体の所定の場所にレーザビームを
照射する。また、磁界印加部は、上述のレーザビームが
照射されている所定の場所に記録磁界を印加する。この
ときの磁界強度又は/及び磁界方向に応じて、4つの記
録状態で光磁気記録媒体に情報が記録される。 【0013】ここで第1の記録層及び第2の記録層のそ
れぞれの磁気モーメントの状態について、以下に説明す
る。 【0014】第2の記録層の磁気モーメントは、記録磁
界が負バイアスのときには、負バイアス方向(↓)を向
き、記録磁界が正バイアスのときには、正バイアス方向
(↑)を向く。つまり、第2の記録層の磁気モーメント
は、外部磁界のバイアス方向に応じた方向を向く。 【0015】また、第1の記録層の磁気モーメントは、
記録磁界が負バイアスの磁界Haより小さいとき(H<
Ha)は、負バイアス方向(↓)を向き、記録磁界が負
バイアスの磁界Haより大きくゼロより小さいとき(H
a<H<0)は、正バイアス方向(↑)を向き、また、
記録磁界がゼロより大きく正バイアスの磁界Hbより小
さいとき(0<H<Hb)は、負バイアス方向(↓)を
向き、記録磁界が正バイアスの磁界Hbより大きいとき
(H>Hb)は、正バイアス方向(↑)を向く。 【0016】第1の記録層の磁気モーメントは、負バイ
アスの磁界Haから正バイアスの磁界Hbの領域では、
印加される記録磁界よりも第1の記録層及び下地層間に
働く交換結合の方が影響力が強いために記録磁界のバイ
アス方向とは異なる方向に反転する。したがって、記録
磁界の磁界強度とバイアス方向とにより、第1の記録層
及び第2の記録層には垂直方向に、(↑↑)、(↑
↓)、(↓↑)及び(↓↓)の4つの磁化状態が形成さ
れる。この4つの磁化状態は、4値信号(0)、
(1)、(2)及び(3)にそれぞれ対応している。 【0017】 【発明が解決しようとする課題】光磁気再生装置は、上
述のように4つの磁化状態で記録されている光磁気記録
媒体に外部磁界を照射し、磁区拡大再生層に磁気転写さ
れている磁気モーメントを拡大し、4つの磁化状態に応
じた信号を読み出す。 【0018】しかし、上記光磁気再生装置では、読み出
した信号を複数のレベルでスライスし、4値信号を区別
しているが、各磁化状態に相当する信号振幅の差が大き
く取れないことがあり、信号振幅の差が近い2つの状態
間を明確に区別することが困難な場合がある。 【0019】そこで、本発明は、上述したような実情に
鑑みて提案されたものであり、多値記録されている光磁
気記録媒体の磁区拡大再生層から信号を読み出し、読み
出した信号に基づいて所定の演算を行い、第1の記録層
及び第2の記録層の磁化状態を個別に検出することが可
能な再生装置を提供することを目的とする。 【0020】 【課題を解決するための手段】本発明に係る再生装置
は、上述の課題を解決するために、記録磁区が形成され
ている第1及び第2の記録層と、上記第1及び第2の記
録層の記録磁区が磁気転写されて外部磁界の印加により
拡大される磁区拡大再生層とが積層されており、上記第
1又は第2の記録層が、補償温度の前後で磁性が逆極性
となる性質を有する光磁気記録媒体から情報を再生する
再生装置において、上記光磁気記録媒体に上記補償温度
よりも低温の光ビームを照射する第1の光ビーム照射手
段と、上記光磁気記録媒体に上記補償温度よりも高温の
光ビームを照射する第2の光ビーム照射手段と、上記外
部磁界を発生する磁界発生手段と、上記光磁気記録媒体
に上記第1の光ビーム照射手段により光ビームを照射す
るとともに上記磁界発生手段により外部磁界を印加し
て、上記磁区拡大再生層に拡大転写された情報を第1の
情報として読み出し、上記第1の情報を読み出した位置
に上記第2の光ビーム照射手段により光ビームを照射す
るとともに上記磁界発生手段により外部磁界を印加し
て、上記磁区拡大再生層に拡大転写された情報を第2の
情報として読み出す情報読出手段と、上記第1の情報及
び上記第2の情報を加算演算する加算演算手段と、上記
第1の情報及び上記第2の情報を減算演算する減算演算
手段とを備える。 【0021】このような再生装置は、光磁気記録媒体に
第1の光ビーム照射手段により光ビームを照射するとと
もに磁界発生手段により外部磁界を印加して、磁区拡大
再生層に拡大転写された情報を第1の情報として読み出
し、上記第1の情報を読み出した位置に第2の光ビーム
照射手段により光ビームを照射するとともに磁界発生手
段により外部磁界を印加して、磁区拡大再生層に拡大転
写された情報を第2の情報として読み出して、上記第1
の情報及び上記第2の情報を加算演算し、かつ上記第1
の情報及び上記第2の情報を減算演算する。 【0022】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。 【0023】本発明の光磁気記録媒体1は、例えば、図
1に示すように、基板10上に第1の記録層11と、第
2の記録層12と、補助層13と、磁区拡大再生層14
とが積層されている。第1の記録層11は、希土類元素
(以下REと呼ぶ。)と遷移金属元素(以下TMと呼
ぶ。)との合金性の磁性層であり、図2(a)に示すよ
うに、補償温度TCOMPの前後で磁性が逆極性となる
性質を有するTMリッチのフェリ磁性層である。第2の
記録層12は、REとTMとの合金性の磁性層であり、
REリッチのフェリ磁性層である。第2の記録層12の
磁気モーメントは、第1の記録層11の磁気モーメント
が作る磁界の方向を向く。これは、交換結合と呼ばれる
磁気的な結合で、量子力学的な効果の一つである。交換
結合は、二つの隣接した磁気モーメント間において、互
いに平行に並ぼうとする性質のものである。また、交換
結合は、隣接する原子間でのみ働くもので、直接積層さ
れた磁性層の界面に働く。 【0024】補助層13は、磁気的性質のない非磁性層
である。磁区拡大再生層14は、REとTMとの合金性
の非晶質膜である。また、磁区拡大再生層14は、例え
ば、TMリッチのフェリ磁性層である。 【0025】光磁気記録媒体1は、リムーバブル方式の
媒体でもよいし、固定方式の媒体でもよい。 【0026】光磁気記録媒体1の第1の記録層11及び
第2の記録層12には、例えば、OPTRONICS(1998)No.4
pp.115-124に記載の記録方法により、図3(a)〜図3
(d)に示すような磁化状態が形成される。磁区拡大再
生層14には、第1の記録層11及び第2の記録層12
の磁気モーメントの磁化状態に応じた情報が磁気転写さ
れる。例えば、磁区拡大再生層14は、図3(a)に示
すように、第1の記録層11の磁気モーメントの磁化状
態が下向き(↓)で第2の記録層12の磁気モーメント
の磁化状態が下向き(↓)の場合には、(↓↓)の磁化
状態で情報が磁気転写される。また、同様に、磁区拡大
再生層14は、図3(b)に示すように、第1の記録層
11の磁気モーメントの磁化状態が上向き(↑)で第2
の記録層12の磁気モーメントの磁化状態が下向き
(↓)の場合には、(↓↑)の磁化状態で情報が磁気転
写され、図3(c)に示すように、第1の記録層11の
磁気モーメントの磁化状態が上向き(↑)で第2の記録
層12の磁気モーメントの磁化状態が下向き(↓)の場
合には、(↑↓)の磁化状態で情報が磁気転写され、図
3(d)に示すように、第1の記録層11の磁気モーメ
ントの磁化状態が上向き(↑)で第2の記録層12の磁
気モーメントの磁化状態が上向き(↑)の場合には、
(↑↑)の磁化状態で情報が磁気転写される。なお、図
3では、TMとREの合成磁気モーメントで向きを表わ
している。 【0027】上記光磁気記録媒体1は、図4に示すよう
な、第1のビーム照射部20と、第2のビーム照射部2
1と、再生光発生部22と、第1のハーフミラー23
と、第2のハーフミラー24と、第3のハーフミラー2
5と、対物レンズ26と、磁界発生部27と、波長板2
8と、ビームスプリッタ29と、第1の光検出器30
と、第2の光検出器31と、演算部32とを備えている
再生装置2により情報が再生される。 【0028】ここで、再生装置2により光磁気記録媒体
1から情報を読み出す動作について図4を用いて説明す
る。 【0029】第1のビーム照射部20は、第1の記録層
11の補償温度TCOMPよりも低い温度のビーム(以
下、第1のビームという。)を第1のハーフミラー23
を介して光磁気記録媒体1に照射する。このとき、光磁
気記録媒体1の第1の記録層11及び第2の記録層12
が、図3(a)に示すように、(↓↓)の場合には、第
1のビームにより第1の記録層11の磁気モーメント
は、上向き(↑)となり、磁区拡大再生層14には、
(↑↓)の磁気モーメントが磁気転写される。また、磁
区拡大再生層14の磁気モーメントは、磁界発生部27
による外部磁界の印加により拡大される。再生光発生部
22は、上述のように(↑↓)の磁気モーメントが拡大
転写されている磁区拡大再生層14に、第1のハーフミ
ラー23、第2のハーフミラー24、第3のハーフミラ
ー25及び対物レンズ26を介して再生光を照射する。 【0030】光磁気記録媒体1は、照射された再生光を
反射する。上記反射光は、対物レンズ26、第3のハー
フミラー25、波長板28及びビームスプリッタ29を
介して第1の光検出器30及び第2の光検出器31に入
射される。第1の光検出器30及び第2の光検出器31
は、入射した反射光から磁区拡大再生層14の磁化状態
(↑↓)を検出し、検出結果を演算部32に出力する。 【0031】一方、第2のビーム照射部21は、第1の
記録層11の補償温度TCOMPよりも高い温度のビー
ム(以下、第2のビームという。)を第2のハーフミラ
ー24を介して光磁気記録媒体1に照射する。なお、第
2のビーム照射部21は、上記第2のビーム照射部21
が照射した位置に第2のビームを照射することとする。
したがって、光磁気記録媒体1の第1の記録層11及び
第2の記録層12は、図3(a)に示すように、(↓
↓)の磁化状態で磁気モーメントが記録されている。磁
区拡大再生層14には、第2のビームの照射により、
(↓↓)の磁気モーメントが磁気転写される。また、磁
区拡大再生層14の磁気モーメントは、磁界発生部27
による外部磁界の印加により拡大される。再生光発生部
22は、上述のように(↓↓)の磁気モーメントが拡大
転写されている磁区拡大再生層14に、第1のハーフミ
ラー23、第2のハーフミラー24、第3のハーフミラ
ー25及び対物レンズ26を介して再生光を照射する。 【0032】光磁気記録媒体1は、照射された再生光を
反射する。上記反射光は、対物レンズ26、第3のハー
フミラー25、波長板28及びビームスプリッタ29を
介して第1の光検出器30及び第2の光検出器31に入
射される。第1の光検出器30及び第2の光検出器31
は、入射した反射光から磁区拡大再生層14の磁化状態
(↓↓)を検出し、検出結果を演算部32に出力する。 【0033】演算部32では、上述のようにして入力さ
れた磁化状態(↓↓)と磁化状態(↑↓)とを加算及び
減算処理する。 【0034】以下に加算処理の例を示す。便宜上、磁化
状態(↑)を(+1)とし、磁化状態(↓)を(−1)
として、磁化状態(↑↓)を(+1、−1)とし、磁化
状態(↓↓)を(−1、−1)として表す。 【0035】磁化状態(↓↓)と磁化状態(↑↓)とを
加算処理することにより、第2の記録層12の磁化状態
のみが取り出せる。 (−1、−1)+(+1、−1)=(0、−2) したがって、上述例の場合は、演算部32は、加算処理
により第2の記録層12の磁化状態(↓)を2倍の検出
感度で取り出せたことになる。 【0036】つぎに減算処理の例を示す。磁化状態(↓
↓)と磁化状態(↑↓)とを減算処理することにより、
第1の記録層11の磁化状態のみが取り出せる。 (−1、−1)−(+1、−1)=(−2、0) したがって、上述例の場合は、演算部32は、減算処理
により第1の記録層11の磁化状態(↓)を2倍の検出
感度で取り出せたことになる。 【0037】このようにして、演算部32では、加算又
は減算処理により、第1又は第2の記録層12の磁化状
態のみを取り出す処理をする。 【0038】なお、上述例では、光磁気記録媒体1に
は、図2(a)に示すように、補償温度TCOMPより
も低い温度のビームが照射されると、記録層に形成され
ている磁気モーメントの磁気分極の向きが逆極性とな
り、補償温度TCOMPよりも高い温度のビームが照射
されると、記録層に形成されている磁気モーメントの磁
気分極の向きが変わらない(以下、正極性という。)性
質を有する第1の記録層11と、上記補償温度T
COMPの前後で、記録層に形成されている磁気モーメ
ントの磁気分極の向きが正極性となる性質を有する第2
の記録層12とが形成されているものとしたが、補償温
度TCOMPの前後で、記録層に形成されている磁気モ
ーメントの磁気分極の向きが逆極性となる記録層と、上
記補償温度TCOM の前後で、記録層に形成されてい
る磁気モーメントの磁気極性の向きが正極性となる記録
層とが積層されていれば良く、図2(b)〜図2(h)
に示すような第1の記録層11と第2の記録層12を有
した光磁気記録媒体であっても良い。 【0039】このように構成された再生装置2は、補償
温度TCOMPの前後で、記録層に形成されている磁気
モーメントの磁気分極の向きが逆極性となる記録層と、
上記補償温度TCOMPの前後で、記録層に形成されて
いる磁気モーメントの磁気分極の向きが変わらない記録
層とが積層されている光磁気記録媒体1に、上記補償温
度TCOMPよりも低い温度のビームを照射するととも
に外部磁界を印加し、上記2つの記録層の情報を磁区拡
大再生層14に第1の情報として拡大転写し、拡大転写
した第1の情報を読み出し、また、上記第1の情報を読
み出した位置に、上記補償温度TCOMPよりも高い温
度のビームを照射するとともに外部磁界を印加し、上記
2つの記録層の情報を磁区拡大再生層14に第2の情報
として拡大転写し、拡大転写した第2の情報を読み出
し、上記第1の情報と上記第2の情報とを加算及び減算
処理するので、光磁気記録媒体1に積層されている一方
の記録層と他方の記録層の磁化状態を個々に2倍の大き
さで導き出すことができる。また、再生装置2は、光磁
気記録媒体1に積層されている一方の記録層と他方の記
録層の磁化状態を個々に2倍の大きさで導き出すことが
できるので、磁区拡大再生層14に磁気転写されている
多値記録の情報を正確に読み出すことができる。 【0040】 【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る再生装置は、補償温度TCOMPの前後で、記録層に
形成されている磁気モーメントの磁気分極の向きが逆極
性となる記録層と、上記補償温度TCOMPの前後で、
記録層に形成されている磁気モーメントの磁気分極の向
きが変わらない記録層と、上記記録層の情報が拡大転写
される磁区拡大再生層が積層されている光磁気記録媒体
に、上記補償温度TCO MPよりも低い温度のビームを
照射するとともに外部磁界を印加し、上記2つの記録層
の情報を磁区拡大再生層に第1の情報として拡大転写
し、拡大転写した第1の情報を読み出し、また、上記第
1の情報を読み出した位置に、上記補償温度TCOMP
よりも高い温度のビームを照射するとともに外部磁界を
印加し、上記2つの記録層の情報を磁区拡大再生層に第
2の情報として拡大転写し、拡大転写した第2の情報を
読み出し、上記第1の情報と上記第2の情報とを加算及
び減算処理するので、光磁気記録媒体1に積層されてい
る一方の記録層と他方の記録層の磁化状態を個々に2倍
の大きさで導き出すことができる。また、再生装置は、
光磁気記録媒体1に積層されている一方の記録層と他方
の記録層の磁化状態を個々に2倍の大きさで導き出すこ
とができるので、磁区拡大再生層に磁気転写されている
多値記録の情報を正確に読み出すことができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】光磁気記録媒体の断面図である。 【図2】光磁気記録媒体に積層されている第1の記録層
及び第2の記録層の磁気分極−温度特性を示した図であ
る。 【図3】光磁気記録媒体に情報を記録した際の第1の記
録層及び第2の記録層の磁気モーメントの磁化状態を示
す図である。 【図4】本発明を適用した再生装置の構成を示すブロッ
ク図である。 【符号の説明】 1 光磁気記録媒体、2 再生装置、10 基板、11
第1の記録層、12第2の記録層、13 補助層、1
4 磁区拡大再生層、20 第1のビーム照射、21
第2のビーム照射部、22 再生光発生部、23 第1
のハーフミラー、24 第2のハーフミラー、25 第
3のハーフミラー、26 対物レンズ、27 磁界発生
部、28 波長板、29 ビームスプリッタ、30 第
1の光検出器、31 第2の光検出器、32 演算部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 11/105 586 G11B 11/105 586M 586U

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 記録磁区が形成されている第1及び第2
    の記録層と、上記第1及び第2の記録層の記録磁区が磁
    気転写されて外部磁界の印加により拡大される磁区拡大
    再生層とが積層されており、上記第1又は第2の記録層
    が、補償温度の前後で磁性が逆極性となる性質を有する
    光磁気記録媒体から情報を再生する再生装置において、 上記光磁気記録媒体に上記補償温度よりも低温の光ビー
    ムを照射する第1の光ビーム照射手段と、 上記光磁気記録媒体に上記補償温度よりも高温の光ビー
    ムを照射する第2の光ビーム照射手段と、 上記外部磁界を発生する磁界発生手段と、 上記光磁気記録媒体に上記第1の光ビーム照射手段によ
    り光ビームを照射するとともに上記磁界発生手段により
    外部磁界を印加して、上記磁区拡大再生層に拡大転写さ
    れた情報を第1の情報として読み出し、上記第1の情報
    を読み出した位置に上記第2の光ビーム照射手段により
    光ビームを照射するとともに上記磁界発生手段により外
    部磁界を印加して、上記磁区拡大再生層に拡大転写され
    た情報を第2の情報として読み出す情報読出手段と、 上記第1の情報及び上記第2の情報を加算演算する加算
    演算手段と、 上記第1の情報及び上記第2の情報を減算演算する減算
    演算手段とを備えることを特徴とする再生装置。
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