JP2881864B2 - 多値記録方法 - Google Patents

多値記録方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は多値記録方法に関し、特に光磁気記録媒体を
使用する多値記録方法に関する。
〔発明の概要〕
本発明は、光磁気記録媒体を互いに交換結合を行わな
いn層の光磁気記録層で構成し、上記n層の光磁気記録
層が同一のキュリー点を有する場合にはn種類のパルス
幅を有するレーザ光を用いるパルス幅変調記録を行って
各層における磁化の方向を独立に制御することにより、
再生信号に多段階のレベルを生成させて多値記録を実現
し、転送速度の向上,記録密度および記録容量の向上,C
N比の向上等を図ると共に、新規なオーバーライト方式
を提供するものである。
〔従来の技術〕
半導体レーザー光の熱エネルギーを用いて垂直磁化膜
に磁区を書き込むことにより情報を記録し、磁気光学効
果を用いてこの情報を読み出す光磁気記録媒体は、高密
度記録,高速記録の可能な媒体として研究開発が進めら
れているものである。しかし、真に実用性の高い媒体を
提供するためにはより一層の記録密度または記録容量の
向上、CN比の向上、転送レートの向上、およびオーバー
ライトの実現等が望まれている。
記録密度および記録容量の向上に関しては、たとえば
デジタル・オーディオ・ディスク(いわゆるコンパクト
・ディスク)ではピット深さを2倍,3倍…と増大させて
記録密度または記録容量を4倍,9倍…と増大させること
が考えられている。しかし、光磁気記録媒体では、情報
の有無を判別する根拠となるカー回転角±θ(もしく
はファラデー回転角±θ)が磁性体の物性によって決
まっており、中間値を得ることは難しい。したがって、
一般に記録密度および記録容量の向上は困難とされてい
る。
CN比の向上は、カー回転角±θ(もしくはファラデ
ー回転角±θ)が大きければ達成されるが、一般にカ
ー回転角±θが大きい材料は保持力が低い,キュリー
温度が高すぎる等の欠点を有している。これら全ての特
性を実用レベルで満足し得る材料は希土類金属−遷移金
属非晶質合金薄膜(以下、RE-TM薄膜と称する。)等ご
く限られており、今後の材料開発も困難を伴うことが予
想される。
転送レートの向上は、記録スポット長を小さくするこ
と,ディスクの回転数を増大させること,記録磁区の両
端に情報を担わせ(ピットエッジ記録)線密度を倍加す
ること,レーザー光を短波長化し再生線密度を増大させ
ること等を通じて実現することが試みられている。しか
し、これらの手段はCN比の低下を招くこと、高度なサー
ボ制御技術やレーザー光のハイパワー化を要すること等
の技術的困難を伴い、信頼性,経済性を低下させる虞れ
が大きい。
さらに、光磁気記録媒体の実用特性をハードディスク
のそれに匹敵させるには、消去動作を行うことなく重ね
書きが可能な、いわゆるオーバーライトを実現してアク
セス時間を短縮することも重要な課題である。
このように、実用特性を向上させるためには様々な課
題が存在しているが、これを解決する手段として光磁気
記録媒体の複合膜化あるいは多層膜化に関する研究が進
められている。
複合膜化とは、光磁気記録層を非磁性の誘電体干渉層
や金属反射層等と積層することにより、光磁気記録層に
不足する磁気光学効果を光学的に増幅する方法である。
この方法によれば、誘電体干渉層の屈折率や厚さ、金属
反射層の反射率等を適切に選ぶことによって、性能指数
R1/2・θを最適化することができる。TbFe合金からな
る垂直磁化膜とSiOからなる非磁性層を数〜数十nmの厚
さで交合に積層した組成変調膜等はその一例である。
一方の多層膜化とは、特性の異なる光磁気記録層を積
層して様々な効果を得るものである。
たとえば、特開昭60-55538号公報に開示される光磁気
記録媒体は、補償組成よりも希土類金属もしくは遷移金
属の含量を多くすることにより磁気光学ヒステリシスル
ープの感知性を互いに逆とした2層の希土類金属−遷移
金属合金薄膜(たとえばTbFe合金薄膜)を積層した構成
とし、これによりファラデー効果偏光回転とカー効果偏
光回転を一致させてCN比の向上を図ったものである。
また、特開昭62-80847号公報に開示される光磁気記録
媒体は、加熱により一定方向の磁化を発生するバイアス
磁性層を熱絶縁層を介して光磁気記録層と積層した構成
をとることにより、外部バイアス磁界を使用することな
くレーザー光加熱の制御のみで記録・消去を可能とした
ものである。
あるいは、複数の光磁気記録層の交換結合を利用して
オーバーライトを実現した例もある。たとえば、ジャパ
ニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス
第26巻4号155ページ(1987年)には、室温における保
磁力が相対的に高くキュリー点が相対的に低いTbFe薄膜
からなるメモリ層を、室温における保磁力が相対的に低
くキュリー点が相対的に高いTbFeCo薄膜からなる補助層
と積層し、上記メモリ層側から光強度変調されたレーザ
ー光を照射することによりオーバーライトを可能とした
光磁気記録媒体が発表されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上述のような光強度変調オーバーライト方式
にも幾つかの問題点がある。まず、この方式では、各光
磁気記録層(上述の例ではメモリ層と補助層)の室温特
性のみならず、温度特性が重要な要素となるが、光磁気
記録層を構成する材料の中には温度特性が成膜条件の変
化や組成に敏感なものが多く、最適化が難しい。また、
上記方式においては少なくともレーザー光が照射される
側に存在する光磁気記録層(上述の例ではメモリ層)は
レーザー光を透過させることが必要であり、その層厚の
上限はおおよそ200〜300Åとされるが、かかる薄い層厚
をもって各光磁気記録層間の交換力を適切に制御するこ
とが極めて困難である。さらに、各光磁気記録層間で上
下に隣接する磁区が互いに逆向きの磁化を有している場
合には、界面磁壁の存在により信号の安定性が低下する
という問題がある。
さらに、上記光強度変調オーバーライト方式において
は、情報記録部における磁化の方向は交換結合により必
ず上下層の間で一致されているので、たとえば磁化が共
にレーザー光の入射方向に配向する場合を″0″、共に
レーザー光の反射方向に配向する場合を″1″というよ
うに、磁化の方向に応じて対応させ得る値は2値のみで
ある。しかし、これでは大幅な転送レートの向上は望む
ことができない。
そこで本発明は、これらの諸問題を解決し、転送速度
の向上,記録密度および記録容量の向上,CN比の向上を
可能とする多値記録方法を提供すると共に、新規なオー
バーライト方式を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の多値記録方法は上述の目的を達成するために
提案されるものである。
すなわち、本発明にかかる多値記録方法は、基板上に
互いに交換結合せずキュリー点の等しいn層の光磁気記
録層が形成されてなり、上記光磁気記録層のうちレーザ
ー光照射側から少なくとも(n−1)層目まではレーザ
光を透過させる光磁気記録媒体に対し、n種類のパルス
幅を有するレーザ光を照射しながらパルス幅変調記録を
行うことを特徴とするものである。
本発明では、各光磁気記録層はキュリー点が等しけれ
ば同一材料あるいは異種材料のいずれにより構成される
ものであっても良い。後者の例としては、同一合金系の
組成を変動させることにより温度−保磁力曲線のパター
ンを変えた材料等も使用することができる。
なお、本発明ではn層の光磁気記録層に対するレーザ
ー光照射が一方向から行われることから自明である如
く、上記光磁気記録層のうちレーザー光照射側から少な
くとも(n−1)層目まではレーザ光を透過させる必要
がある。したがって、上記(n−1)層目までの各光磁
気記録層の層厚の上限はおおよそ200〜300Åとされるこ
とが特に望ましい。この範囲内であれば、各層の層厚は
任意に設定することができる。レーザー光照射が基板側
から行われる場合には、当然ながら基板も透明でなけれ
ばならない。レーザー光照射側から最も遠いn層目の光
磁気記録層は透過性,非透過性のいずれであっても良
い。
また本発明において使用される光磁気記録媒体の構成
は、従来公知の光磁気記録媒体の構成に準じて、非磁性
誘電体層や金属反射層等を適宜設けたものであっても良
い。ただし、上記非磁性誘電体層は、本発明では干渉層
としての作用ではなく、上下の光磁気記録層間の交換結
合を阻止し熱伝導を遅延させる作用を期待して設けられ
るものであって、数原子層の薄い層として形成されれば
十分である。しかし、非磁性誘電体層の層厚は位相補償
量が近似的にゼロとなるように設定されれば、媒体全体
としてカー回転角のエンハンスメントも可能となる。非
磁性誘電体層が複数形成される場合には、位相補償量の
解が多くなり、膜設計の自由度も増す。
また、本発明においてレーザー光照射側から最も遠い
n層目の光磁気記録層をある程度厚く形成すれば、金属
反射層は不要である。
〔作用〕
本発明の多値記録方法には、互いに交換結合を行わな
いn層の光磁気記録層を形成した光磁気記録媒体を使用
する。このことにより、信号レベルの数を増やすことが
可能となる。以下、簡単のためにn=2の場合を例とし
て説明する。
たとえば、上下2層の光磁気記録層が交換結合を行う
場合には、磁化の向きは両層とも上向き(↑)もしくは
両層とも下向き(↓)のいずれか一方に決まり、これに
対応する旋光角もたとえば+θもしくは−θのいず
れかの値しかとることができない。これに対し、本発明
では上下に積層された光磁気記録層が交換結合を行わな
いため、レーザー光により与えられる熱エネルギーの大
きさを制御するだけで両層における磁化の方向を独立に
制御することができるようになる。したがって、たとえ
ば上層のある磁区における磁化が上向き(↑)で、これ
に隣接する下層の磁区における磁化が下向き(↓)であ
る場合、あるいはその逆の場合には、磁気カー回転角が
相殺され、旋光角として見掛け上″0″の値をとらせる
ことができる。そこで、旋光角が各レベルをとる場合を
適当な論理形式により表現すれば、多値記録(この場合
は+θ,0,−θの3値記録)が可能となる。
ここで、熱エネルギーの大きさを制御する方法は、上
下の光磁気記録層を構成する材料のキュリー点により異
なる。
すなわち、まず本発明が提案するように両層のキュリ
ー点が等しい場合には、2種類のパルス幅t1,t2(ただ
し、t1<t2)を有するレーザー光を使用する。すなわ
ち、両層ともキュリー点を越えるい温度に加熱されるの
に必要な熱エネルギーはほぼ等しいので、レーザー光源
に近い光磁気記録層から遠い光磁気記録層への熱伝導に
要する時間を見込んでパルス幅の大小を設定することに
より、熱エネルギーを制御することが最も簡便な方法と
なる。ここで、パルス幅t1は、レーザー光源に近い側に
配置された光磁気記録層をキュリー点より高い温度に加
熱させるが、遠い側に配置された光磁気記録層をキュリ
ー点より高い温度に加熱させないように選ばれている。
また、パルス幅t2は、両層を共にキュリー点より高い温
度に加熱させることができるように選ばれている。した
がって、所定の方向に外部磁界を印加しながらかかるレ
ーザー光を照射すると、パルス幅t1を有するパルスが印
加された部分では、レーザー光源に近い側の光磁気記録
層の温度がそのキュリー点より高い温度に加熱されて磁
化を失い、その後冷却にともなって上記外部磁界の方向
にならった磁化を生ずる。この間、レーザー光源から遠
い光磁気記録層には若干の熱エネルギーが伝導する可能
性はあるものの、キュリー点を越えて加熱されるには至
らないので、元々有していた磁化の方向が保存される。
また、パルス幅t2を有するパルスが印加された部分で
は、両層が共にキュリー点より高い温度に加熱されるの
で、冷却にともなって両層に上記外部磁界の方向になら
った磁化が生ずる。
このように、本発明の方法によれば、2層の光磁気記
録層のうち1層のみの磁化を反転させることができ、各
々の磁化の状態を適当な論理形式によって定義すれば、
新規なオーバーライト方式が実現される。
以上、n=2の場合について説明を行ったが、同様の
説明はn=3以上の場合にも拡張することができる。
いずれにしても、光磁気記録媒体の回転数や記録スポ
ット径は従来と同様でありながら、従来の光磁気記録媒
体の単磁区に相当する面積が保持し得る情報は3値以上
となり、転送速度の向上,記録密度および記録容量の工
場,CN比の向上等が実現される。さらに、上述の方法を
磁界変調記録とも組み合わせれば、さらに多様な情報の
記録が可能となる。
以下、本発明の好適な実施例について、図面を参照し
ながら説明する。
ここでは、キュリー点の等しい2層の光磁気記録層を
有する光磁気ディスクを使用してオーバーライトを行う
場合について説明する。
まず、使用した光磁気ディスクの一構成例を第1図に
示す。
この光磁気ディスクは、ガラス,あるいはポリカーボ
ネート等の高分子材料からなり、必要に応じて予めガイ
ド溝が形成されたディスク状の透明基板(1)上に、第
1の光磁気記録層(2)、非磁性誘電体層(3)、第2
の光磁気記録層(4)が順次積層されてなるものであ
る。ここで、上記の第1および第2の光磁気記録層
(2),(4)はそれぞれスパッタリングにより形成さ
れたTbFe合金薄膜よりなるが、組成は補償組成(Tb23Fe
77,ただし数字は原子%を表す。)をはさんで若干異な
っており、第1の光磁気記録層(2)はFeリッチ、第2
の光磁気記録層(4)はTbリッチとされている。第1の
光磁気記録層(2)の層厚は約100Å、第2の光磁気記
録層(4)の層厚は約800Åである。なお、ここでは第
2の光磁気記録層(4)を厚く形成したが、これを100
Å程度に薄く形成してさらに別の非磁性誘電体層や金属
反射層を積層しても良い。上記非磁性誘電体層(3)は
光磁気記録層(2),(4)間の交換結合を阻止し、熱
伝導を遅延させるために数十〜数百Å程度の薄さに形成
されるものであり、その材料としては、Si3N4,SiO2,Zn
S,アルミナ,希土類酸化物等が使用される。
上述のような光磁気ディスクを使用して記録を行うた
めには、パルス幅変調(PWM)されたレーザー光を使用
するPWM記録が行われる。第2図に、かかるPWM記録を行
うための概略的な装置構成のブロック図を示す。
この装置においては、光磁気ディスク(10)の透明基
板側にレーザー光を照射または反射光を検出するための
光学ピックアップ(11)、光磁気記録層側に所定の方向
の外部磁界を印加するための永久磁石(12)が配置され
ている。上記光磁気ディスク(10)はスピンドルモータ
(13)の駆動軸に固定されて回転可能となされている。
また上記永久磁石(12)は反転装置(14)に接続され
て、必要に応じて印加磁界の方向を反転させられるよう
になされている。さらに上記光学ピックアップ(11)
は、図中矢印Aで示すように、光磁気ディスク(10)の
半径方向に移動可能となされている。その他、あらゆる
動作の制御を行う各種の周辺回路が設けられており、こ
れらすべてが一体となって、一定方向の外部磁界のもと
で光学ピックアップ(11)を記録エリア中の任意の部位
にアクセスさせ、レーザー光照射による局部加熱を行っ
て記録および再生を行うことが可能とされている。
情報の記録は、以下のようにして行われる。まず、記
録すべき情報信号が情報信号変調回路(15)に入力され
ると、該情報信号変調回路(15)はコントローラ(16)
からの制御信号にもとづいて上記情報信号に対して所定
の変調を行う。ここで、上記コントローラ(16)は、ホ
ストコンピュータ等の上位機器から送られる制御信号に
もとづいて、各種の制御信号を生成するものである。情
報信号の一部はこのコントローラ(16)にも送られ、永
久磁石(12)を反転させるための制御信号等を形成する
ために利用される。上記情報信号変調回路(15)の出力
信号はレーザーダイオード(18)のドライブ回路である
PWM回路(17)に送られ、さらにそこでコントローラ(1
6)から送られる制御信号にもとづいて所定のパルス幅
変調を受ける。このPWM回路(17)の出力信号にもとづ
いてレーザーダイオード(18)からPWM変調されたパル
スレーザー光が放出される。本実施例では、光磁気ディ
スク(10)の光磁気記録層が2層あるので、生成される
パルスの幅も2通りである。かかるパルスレーザー光
は、光学ピックアップ(11)中に配設されるコリメータ
ーレンズ(19)、偏光子(20)、ビームスプリッター
(21)、対物レンズ(23)等を介し、さらに光磁気ディ
スク(10)の透明基板を通過して光磁気記録層に焦点を
合わせて照射される。ここで、上記対物レンズ(23)は
アクチュエータ等から構成される対物レンズ駆動装置
(22)に保持されており、ディスクの面ブレや偏心に追
従してレーザー光が常に記録トラック上に正しく集光さ
れるようになされている。
一方、記録情報の再生は、以下のようにして行われ
る。まず、光磁気ディスク(10)からの反射光が対物レ
ンズ(23)、ビームスプリッター(21)、検光子(2
4)、集光レンズ(25)等を介してフォトディテクタ(2
6)により検出される。このとき、上記検光子(24)を
適当な角度に設定しておけば、光磁気記録層における磁
化の方向は所定の光量に変換され、さらに情報信号復調
回路(27)においてコントローラ(16)から送られる制
御信号にもとづいて所定の論理形式により復調された
後、情報信号として出力される。
さらに、上述のような記録・再生過程においては、各
種のサーボ制御が行われる。たとえば記録時には、記録
用のレーザー光のうちディスク面により反射された成分
がフォトディテクタ(26)に受光されて検出信号が生成
され、該検出信号がフォーカス/トラッキングサーボ回
路(28)に送られると、そこでコントローラ(16)から
送られる制御信号にもとづいてフォーカスエラー信号お
よびトラッキングエラー信号が生成される。これらのエ
ラー信号はフォーカスサーボ系およびトラッキングサー
ボ系の駆動電流に変換され、対物レンズ駆動装置(22)
にフィードバックされる。同様のサーボ制御は、再生時
にも同様に行われる。
次に、上述のような光磁気ディスクおよび装置を使用
したオーバーライトの原理を、第3図を参照しながら説
明する。
図中(A)は光磁気ディスクにおける磁化の方向を模
式的に示す図であり、上段は第1の光磁気記録層、下段
は第2の光磁気記録層を、また記号aないし記号hは磁
区を表している。2種類の太さの線で描かれた上向きお
よび下向きの矢印は磁化の方向を表しており、細い線の
矢印は元の記録状態における磁化の方向、太い矢印はオ
ーバーライト後の記録状態における磁化の方向をそれぞ
れ表している。またHextは外部磁界の方向を表してお
り、この図では下向きである。かかる下向きの外部磁界
Hextの存在ゆえに、オーバーライト後の磁化の方向はす
べて下向きとなる。ここで、磁区aおよび磁区cにおい
ては、短いレーザーパルスが照射されたために第1の光
磁気記録層においてのみ磁化の反転が生じており、また
磁区gおよび磁区hにおいては長いレーザーパルスが照
射されたために両方の光磁気記録層において磁化の反転
が生じている。
ここで使用される外部磁界Hextは、それほど強くなく
ても良く、しかも単一で良いことも本発明のメリットで
ある。たとえば前述のジャパニーズ・ジャーナル・オブ
・アプライド・フィジックス第26巻4号155ページ(198
7年)に発表されている技術において使用されるオーバ
ーライト方法では、先行補助磁界として7kOeもの強い磁
界を使用することにより一旦補助層の磁化を一方向に揃
えてから、別の磁界印加手段により弱磁界を印加しなが
ら記録を行っている。しかし、本発明では磁化の方向を
一方向に揃える過程が含まれないため、それほど強い外
部磁界を必要とせず、もちろん磁界印加手段を複数使用
する必要もない。
このような磁化の状態を各磁区a〜hに沿って旋光角
の変化として見ると、元の記録状態は(B)、オーバー
ライト後の記録状態は(C)のようにそれぞれ表すこと
ができる。ここでは、両方の光磁気記録層における磁化
が共に上向きの場合を+θ、互いに逆向きの場合を
0、共に下向きの場合を−θとしている。これによ
り、磁化の方向に応じて対応させ得る値は3値となり、
従来の2値記録に比べて転送レートの向上が実現され
る。
あるいは、次に述べるように、かかる旋光角の変化を
適当な論理形式により再び2値情報に置き換えることも
できる。たとえば、各磁区において旋光各+θのレベ
ルにおける検出と−θのレレベルにおける検出を同時
に行い、前者のレベルのみを検出した場合を(1,0)、
後者のレベルのみを検出した場合を(0,1)、どちらも
検出されなかった場合、すなわち見掛けの旋光角が0と
なる場合を(0,0)と定義し、さらに上記(1,0)および
(0,1)を″0″、上記(0,0)を″1″と定義し直すこ
とを考える。すると、元の記録情報は(D)、オーバー
ライト後の記録情報は(E)のようにそれぞれ表現され
る。ここで、オーバーライトにより記録情報が書き換え
られた磁区はa,b,およびgである。これらの磁区を見れ
ば明らかなように、本発明では2層の光磁気記録層のう
ちの1層の磁化を反転させただけでも、0→1もしくは
1→0の如く記録情報の書き換えが可能となる。あるい
は、磁区hから明らかなように、両層とも反転されると
記録情報としては同一となる。すなわち、表現上は″
0″であっても磁化の方向には2種類が存在するわけで
あり、情報処理の自由度が大きくなる。
なお、磁区fのように両方の光磁気記録層における元
々の磁化の方向が共に外部磁界Hextと同じ方向である場
合には、この方法では書き換えを行うことはできない。
しかし、さらに磁界変調を組み合わせれば書き換えが可
能となり、これにより両方の光磁気記録層の磁化を自在
に制御できる多値記録方法が提供される。磁界変調を行
う場合には、前述の第2図に示す永久磁石(12)と反転
装置(14)を電磁石および電磁石駆動回路に置き換えれ
ば良い。この場合、記録すべき情報信号は記録情報変調
回路〔たとえば第2図の(15)〕を経て上記電磁石駆動
回路にも入力され、該電磁石駆動回路の出力信号にもと
づいて光磁気ディスクの半径方向に電磁石を移動させ
る。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明は光磁気記
録媒体を構成する複数の光磁気記録層のキュリー点に応
じて適当な方式により変調された単一のレーザー光を使
用して記録を行うことにより、再生信号に多段階のレベ
ルを生成させて多値記録を実現するものである。したが
って転送レート,記録密度,記録容量の向上が実現され
る。かかる記録は、従来の光磁気記録媒体と同じ記録ス
ポット径、同じ回転速度で実現されるため、媒体の製造
や装置の構成を複雑化することがなく、信頼性が何ら損
なわれることはない。
また、本発明に適用される光磁気記録媒体は複数の光
磁気記録層を有しているので、干渉効果によるCN比の向
上も期待できる。
さらに、本発明は新規なオーバーライト方式を提供す
ることができる。このオーバーライト方式は、記録用と
消去用に独立の光学ピックアップやレーザー光源を必要
とせず、簡単な装置構成において実現することができ
る。
このように、本発明にかかる多値記録方法は、光磁気
記録媒体を汎用メディアとして普及させるに十分な産業
上の価値を有するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の多値記録方法に使用される光磁気記録
媒体の構成例を示す部分概略断面図である。第2図は本
発明の多値記録方法を実施するための一構成例を示すブ
ロック図である。第3図は本発明を適用したオーバーラ
イトの原理を説明するための図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−44843(JP,A) 特開 昭63−181143(JP,A) 特開 昭64−7352(JP,A) 特開 昭64−17248(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 11/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に互いに交換結合せずキュリー点の
    等しいn層の光磁気記録層が形成されてなり、上記光磁
    気記録層のうちレーザー光照射側から少なくとも(n−
    1)層目まではレーザ光を透過させる光磁気記録媒体に
    対し、n種類のパルス幅を有するレーザ光を照射しなが
    らパルス幅変調記録を行うことを特徴とする多値記録方
    法。
JP30276489A 1989-11-21 1989-11-21 多値記録方法 Expired - Fee Related JP2881864B2 (ja)

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