JPH087385A - 光磁気信号記録再生方法 - Google Patents

光磁気信号記録再生方法

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JPH087385A
JPH087385A JP14287094A JP14287094A JPH087385A JP H087385 A JPH087385 A JP H087385A JP 14287094 A JP14287094 A JP 14287094A JP 14287094 A JP14287094 A JP 14287094A JP H087385 A JPH087385 A JP H087385A
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recording
magnetic field
film
magneto
optical
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JP14287094A
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Inventor
Atsushi Saito
温 斎藤
Takeshi Maeda
武志 前田
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Hitachi Ltd
Maxell Holdings Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁界変調記録方式により、再生光スポット径
内に複数の磁化ドメインを形成するとともに、信号の多
値記録が可能な光磁気記録媒体を併用することにより、
高密度記録可能な光磁気信号記録再生方式を提供する。 【構成】 情報に対応して印加磁界強度を変調できる磁
気ヘッド9、レーザ光スポットを記録媒体上に照射でき
る光ヘッド3,5,6,8からなる装置に対し、多値記
録可能な光磁気記録媒体1を用い、該高速変調磁界によ
り、光スポット径内に複数のドメインを形成し、再生時
には、多値レベルの差異を検出する。 【効果】 媒体の本来有する多値記録レベル数を、さら
に増加させることが可能となり、高密度記録が実現でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録媒体、およ
び光磁気記録再生装置に係り、特に高密度記録に好適な
光磁気信号記録再生方式に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光磁気ディスクの高密度記録に関
しては、インターナショナル シンポジュウム オン
オプティカル メモリ エフビー 4(1987年)
(International Symposium on Optical Memory FB-4)
において述べられているように、光変調記録によるもの
が提案されている。
【0003】光変調記録方式は、情報を記録する際に、
垂直磁化膜に磁化ドメインを形成するときに、一定強度
の外部磁界を印加し、該磁化膜上に照射する光スポット
の強度を記録すべき情報に対応させて変調することによ
り、局所的に温度上昇した部分に周囲とは反対向きの磁
化領域を形成する方式である。
【0004】光変調記録方式は、光源であるレーザ光の
スイッチングが比較的高速に行なえることが特長であ
る。しかし、情報の重ね書きを行なうには、1ビームを
持ちいた構成では、困難である。また、光変調記録方式
は、磁化ドメイン間の距離は、熱干渉が生じないか、あ
るいは無視できる範囲に限られるため、高密度化が困難
である。
【0005】これに対し、磁界変調記録方式は、印加す
る外部磁界を情報に対応させて変調する方式である。磁
界変調記録方式は、印加磁界の反転速度に高速性が要求
されるものの、情報の重ね書き、および多層記録膜を持
ちいた場合の多値記録を行なうには、有効な方式であ
る。さらに、光変調記録方式での課題である熱干渉は、
照射ビームが一様かあるいはパルス状であれば、均一化
することができるため、再生光スポットの有効径よりも
小さな磁化ドメインの形成も容易である。
【0006】一方、光磁気記録膜の工夫による多値記録
方式も考案されている。例えば、第13回日本応用磁気
学会学術講演内容梗概集(1989年発行)の第63頁
に記載されているような信号を多値記録する方式が提案
されている。
【0007】上記公知例の多値記録方式は、互いに保磁
力が異なる複数の記録層を積層し、記録層に印加する磁
界強度を多段階に変調することによって、特定の記録層
の磁化を選択的に反転させるものである。本方式によれ
ば、互いに保磁力が異なる3層の記録層を設けることに
よって、4値記録が可能になる。
【0008】しかし、上記の方式によると、信号の記録
時に光磁気記録媒体にレーザ光を照射して、各記録層を
キュリー温度付近まで昇温させたときに、各記録層の保
磁力の差がほとんど無くなるため、選択的な磁化反転
は、厳密に制御された環境下でないと、実現が困難であ
る。さらに、一旦記録された状態を長時間保持すること
も困難である。
【0009】この記録媒体は、記録層を2層に積層して
も3値記録が限度であり、4値記録を行なうには、3層
の積層が必要である。このように、層数に対する記録密
度の改善効果が悪いという問題もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術では、
光変調記録方式では、情報の重ね書きや、再生光スポッ
ト内に複数の磁化ドメインを形成し、高密度化を図るこ
とが困難であること、さらに磁界変調記録方式を従来の
多層記録膜に適用した場合には、層数に伴う多値レベル
が少ないことや、安定に多値記録を実施するための記録
条件変動のマージンが少ないことなどが、課題となる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決するために、光磁気記録媒体については、基板上に
互いに積層された少なくとも、2以上の記録層を有し、
これら各記録層のうちの少なくとも1の記録層は、印加
される外部磁界に対して2以上の異なる磁界領域に記録
状態が存在する光磁気記録膜で形成し、他の記録層は、
前記1の記録層とは異なる磁界領域に少なくとも1以上
の記録状態が存在する光磁気記録膜で形成するという構
成にした。さらに、記録再生装置においては、磁界強度
を可変とし、且つ高速駆動可能な駆動回路構成とし、光
学ヘッドと磁気ヘッドを相対的に駆動し、前記光学ヘッ
ドより前記光磁気記録媒体の情報トラックに沿って、レ
ーザ光を照射しつつ、当該レーザ光照射部に、前記磁気
ヘッドより情報に応じて多段階に印加磁界強度が変調さ
れた外部磁界を印加することにより、2層の記録層に対
して、4値記録を実現し、前述の高速磁界変調により、
熱干渉の影響の少ない、微小ドメインの形成を行なうこ
とで、本来の多値記録媒体の持つ多値レベルを、該微小
ドメインの数、および大きさにより、増加せしめるもの
である。すなわち、多値記録に好適な媒体と、微小ドメ
イン形成を組み合わせることにより、さらに記録レベル
の増加を図ることができる。
【0012】
【作用】本発明によれば、磁界変調記録方式により、再
生光スポット照射領域内の磁化ドメインの個数、ないし
は該照射領域に占める磁化ドメインの面積を情報に対応
させて変化させるとともに、情報記録媒体にも、層数に
比較して多値レベルを実現可能な媒体を用いることによ
り、安定な多値記録を実現することが可能になる。再生
時には、検出される磁化情報の信号振幅変化として検出
できるため、再生回路に複数のしきい値を有する多値量
子化回路を用いることで、実現することができる。
【0013】本発明によれば、印加される外部磁界に対
して2つの異なる磁界領域に記録状態が存在する第1の
記録層と、該第1の記録層とは異なる磁界領域に1つの
記録状態が存在する第2の記録層とを積層した光磁気記
録媒体を用いた場合、各記録層の各記録状態に対応する
4段階の異なる外部磁界を印加することによって、信号
の4値記録が可能になる。また、印加される外部磁界に
対して2つの異なる磁界領域に記録状態が存在する第1
の記録層と、該第1の記録層とは異なる磁界領域に2つ
の記録状態が存在する第2の記録層とを積層した光磁気
記録媒体を用いた場合にも、各記録層の各記録状態に対
応する4段階の異なる外部磁界を印加することによっ
て、信号の4値記録が可能になる。
【0014】例えば図23(a)に示すように、室温か
らキュリー温度にかけて希土類原子の副格子磁気モーメ
ントが遷移金属原子の副格子磁気モーメントよりも優勢
なフェリ磁性体からなる第1記録層Aと、室温からキュ
リー温度にかけて遷移金属原子の副格子磁気モーメント
が希土類原子の副格子磁気モーメントよりも優勢なフェ
リ磁性体からなる第2記録層Bとを積層し、下向きの外
部磁界を記録方向の外部磁界、上向きの外部磁界を消去
方向の外部磁界として信号の記録を行うと、 (i) 第1記録層Aの全体の磁化の向きを消去方向に向け
られる大きさの外部磁界H0 を消去方向に印加すること
によって、第1記録層Aの遷移金属原子の副格子磁気モ
ーメントを記録方向に、第2記録層Bの遷移金属原子の
副格子磁気モーメントを消去方向に向けることができ
る。
【0015】(ii)第1記録層Aの全体の磁化の向きを記
録方向に向けられる大きさの外部磁界H1 を消去方向に
印加することによって、第1記録層A及び第2記録層B
の遷移金属原子の副格子磁気モーメントを共に消去方向
に向けることができる。
【0016】(iii)第1記録層Aの全体の磁化の向きを
消去方向に向けられる大きさの外部磁界H2を記録方向
に印加することによって、第1記録層A及び第2記録層
Bの遷移金属原子の副格子磁気モーメントを共に記録方
向に向けることができる。
【0017】(iv)第1記録層Aの全体の磁化の向きを記
録方向に向けられる大きさの外部磁界H3 を記録方向に
印加することによって、第1記録層Aの遷移金属原子の
副格子磁気モーメントを消去方向に、第2記録層Bの遷
移金属原子の副格子磁気モーメントを記録方向に向ける
ことができる。
【0018】光磁気記録媒体より信号として検出される
カー回転角の変化の大きさは、第1記録層A及び第2記
録層Bの各遷移金属原子の副格子磁気モーメントの合計
に比例するから、H0 ,H1 ,H2 ,H3 の外部磁界が
順次印加された記録トラックからは、図23(b)に示
す相対信号出力が得られる。よって、例えば同図に示す
ように、外部磁界H1 による記録状態を“0”、外部磁
界H0 による記録状態を“1”、外部磁界H3 による記
録状態を“2”、外部磁界H2 による記録状態を“3”
にそれぞれ位置付けることによって、信号の4値記録が
できる。
【0019】このように、本発明の光磁気記録媒体は、
2層の記録層で信号の4値記録ができることから、2層
の記録層で信号の3値記録しかできない従来の光磁気記
録媒体に比べて、より簡単な構成でより高密度の信号記
録を実現できる。さらに、再生時に媒体上に照射する光
スポットの有効径に対して、微小な磁化ドメインを形成
し、該磁化ドメインを上記の多値状態に割り当て、かつ
磁化ドメインの光スポット内に同一時刻に存在する数、
ないしは光スポット内に占める面積を可変にすることに
よって、多値状態をさらに増加させることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1は、磁界変調記録方式を光磁気ディスクに適用する場
合の記録再生装置の構成例である。本図では、光磁気デ
ィスク1は、従来の2値記録媒体、あるいは本発明で示
すような多値記録媒体のいずれにも適用可能である。後
に詳細説明を行うが、磁気ヘッド駆動回路10、レーザ
駆動回路17の内部構成が対象媒体によって異なること
になる。
【0021】多値記録媒体についての詳細な説明、およ
び対応する記録再生回路構成に関しては、後述する。こ
こでは、始めに2値記録媒体を対象として説明を進める
ことにする。光磁気ディスク1は、スピンドル2により
回転している。半導体レーザ3は、レーザ駆動回路4に
より駆動される。情報記録時には、ディスク1上の磁化
膜の磁化が反転可能となる温度まで昇温されるような高
パワー光が照射される。半導体レーザ3から出射した光
は、レンズ5で平行光になり、ビームスプリッタ6を通
り、ガルバノミラー7で反射され絞り込みレンズ8によ
りディスク1上の記録膜上に微小スポットとして絞りこ
まれる。情報を記録する場合の一般的な動作としては、
記録膜の温度を連続的に上昇させながら、磁気ヘッド9
により変調磁界を印加することにより、磁化ドメインを
形成していく。磁気ヘッド9は、磁気ヘッド駆動回路1
0を介し、データ信号17を記録膜上に集光された光ス
ポットの相対的な移動速度よりも高速に切り換えること
により、光スポット照射領域内に複数の磁化ドメインを
形成することが可能になる。
【0022】情報を再生するには、形成された磁化ドメ
インの磁化方向を、磁気光学効果を利用して検出すれば
よい。磁気光学効果の一つであるカー効果は、磁化方向
の上下に伴い、反射光の偏光方向が入射方向に対して回
転する現象である。図1に示した再生信号検出光学系
は、差動検出系である。ディスク1からの反射光は、ガ
ルバノミラー7、ビームスプリッタ6、ビームスプリッ
タ11を介し、再生信号検出系と、サーボ信号検出系に
分離される。再生信号検出系は、1/2波長板12、偏
光ビームスプリッタ13、光検出器14、15、差動ア
ンプ16などで構成される。図2は、差動検出系の検出
原理を説明した図である。図2は、波長板12で45度
だけ偏光主軸、すなわちディスク1への入射光の偏光方
向が回転した様子を示している。例えば未記録部の磁化
方向に対応する反射光の偏光面がAのようにカー回転角
がαだけ回転したとする。一方、記録部分の磁化方向
は、未記録部とは逆向きになっているため、Bのように
やはりαだけAとは反対方向に回転する。偏光ビームス
プリッタ13がP偏光成分を全透過、S偏光成分を全反
射する特性を有するとすれば、光検出器14へは、P偏
光軸への射影分、すなわちaで示しただけの光量の増加
が生じる。同様に、光検出器15へは、S偏光軸への射
影分、すなわちbで示しただけの光量の減少が生じる。
したがって、両者の差を差動アンプ16でとることによ
り、偏光面の回転、すなわち磁化方向を検出することが
できる。
【0023】図3は、磁化ドメインを形成するための変
調磁界と、形成された磁化ドメイン、および得られる再
生信号を示した図である。図3(a)は、光スポット1
00の照射領域の面積の半分以下の磁化ドメイン101
を形成する場合を示した図である。いま、光スポットの
有効径をWs、光スポットの単位時間あたりの移動量、
すなわち線速度をvとすると、光スポット径の半分の長
さの磁化ドメインを形成するには、変調磁界のパルス長
をWs/2にすればよい。変調磁界パルスの時間はWs
/2vに対応する。例えば、絞り込みレンズ8の開口数
を0.5、レーザ3の波長を830nmとすると、光ス
ポットの有効径は約1.6μmになる。また、線速度を
10m/sとすれば、光スポットの半分の長さの磁化ド
メインを形成するには、約80nsの変調磁界パルスを
印加すればよい。図3(b)は、変調磁界パルス幅を
(a)の場合よりも増加させた場合である。図3(c)
は、(a)により形成された磁化ドメイン列から得られ
る再生信号の様子を示した図である。光スポット径に対
して磁化ドメインの占める割合が(d)の場合に比べて
少ないので、全体としての再生信号レベルは低い。ここ
で、しきい値110により再生信号を2値化することを
考える。(c)の場合は、しきい値110よりも再生信
号レベルが低く、一方、(d)の場合は、しきい値11
0よりも再生信号レベルが高い。したがって、変調磁界
パルス幅の制御により、複数のレベルを再現することが
可能となる。図3では、2つの場合について比較した
が、両者の中間的な変調磁界パルス幅で記録すれば、中
間段階のレベルが実現できることは、容易に想像でき
る。
【0024】図4は、図3で説明した実施例をさらに拡
張した方式である。ここでは、変調磁界パルス幅Tは一
定とし、近接する2つの変調磁界パルスの間隔τを変化
させたものである。図4において、(a)(b)の双方
とも、光スポット径に対して存在する磁化ドメインの占
有面積は等しい。しかし、実際には、光スポットの強度
分布は一様ではなく、中心を最大とするガウス分布に似
た分布となっているため、図4(a)では、光スポット
の中心付近に2つの磁化ドメインが存在する瞬間がある
ため、(b)の場合に比べて再生信号レベルは高くな
る。図3の場合と同様に、両者の間にしきい値110を
設定すれば、2つの状態は異なるものとして認識するこ
とができる。
【0025】これまでの実施例において、サーボ方式に
ついては、特に規定していない。しかしながら、一般に
は、予めディスクフォーマット上に記録再生に供するク
ロック信号生成の基準となるクロックピットを設けた、
サンプルサーボ方式のほうが、特に多値記録方式のよう
な、再生信号レベルが一様では無い記録再生方式におい
て都合がよい。すなわち、データ信号に依存することな
く、クロック生成や自動焦点サーボ、トラッキングサー
ボのための制御信号を得ることができるためである。
【0026】次に、本発明に係る光磁気記録媒体の全体
構成を、図5に基づいて説明する。図5は、本発明に係
る光磁気記録媒体の模式的な要部断面図である。
【0027】図5の左図に示すように、本発明に係る光
磁気記録媒体は、片面に所望のプリフォーマットパター
ン2が形成された透明基板201と、プリフォーマット
パターン202上に形成された第1エンハンス膜203
と、第1エンハンス膜203上に形成された第1記録層
204と、第1記録層204上に必要に応じて形成され
る第2エンハンス膜205と、第2エンハンス膜205
又は第1記録層204上に形成された第2記録層206
と、第2記録層206上に必要に応じて形成される第3
エンハンス膜207と、第3エンハンス膜207上に形
成された反射膜208と、反射膜208上に形成された
保護膜209とからなる。
【0028】透明基板201としては、例えばポリカー
ボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルペン
テン、エポキシなどの透明樹脂材料を所望の形状に成形
したものや、所望の形状に形成されたガラス板の片面に
所望のプリフォーマットパターン202が転写された透
明樹脂層を密着したものなど、公知に属する任意の透明
基板を用いることができる。なお、プリフォーマットパ
ターン202の構成、配列、形成方法等については、公
知に属する事項でありかつ本発明の要旨でもないので、
説明を省略する。
【0029】第1〜第3のエンハンス膜203,20
5,207は、膜内で再生用光ビームを多重干渉させ、
見掛け上のカー回転角を増加するために設けられるもの
であって、前記透明基板201よりも屈折率が大きい無
機誘電体にて形成される。エンハンス膜材料としては、
シリコン、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、タン
タルの酸化物又は窒化物が特に好適である。第1エンハ
ンス膜203は600Å〜1200Åの膜厚に形成され
る。また、第2及び第3のエンハンス膜205,207
は、必要に応じて形成されるものであって、0Å〜50
0Åの膜厚に形成される。
【0030】反射膜208は、反射率を高めることで媒
体の実効カー回転角を高めると共に、熱伝導率を調整す
ることで媒体の記録感度を調整するために設けられるも
のであって、再生用光ビームに対して高い反射率を有す
る物質から形成される。具体的には、(Al,Ag,A
u,Cu,Be)のグループから選択された1種以上の
金属元素と、(Cr,Ti,Ta,Sn,Si,Rb,
Pe,Nb,Mo,Li,Mg,W,Zr)のグループ
から選択された1種以上の金属元素からなる合金が特に
好適であり、この種の合金を用いた場合、300Å〜1
000Åの膜厚に形成される。
【0031】保護膜209は、膜体203〜208を機
械的衝撃や化学的な悪影響から保護するためのものであ
って、膜体全体を覆って被着される。保護膜材料として
は、樹脂材料を挙げることができる。特に、成膜が容易
であることから、紫外線硬化型樹脂が好適である。
【0032】第1記録層204は、室温からキュリー温
度の範囲、又は室温から記録時又は消去時の最高到達温
度までの温度範囲で希土類副格子磁化モーメントが優勢
な希土類−遷移金属系の非晶質合金からなる膜厚が10
0〜500Åの非晶質垂直磁化膜4aと、これに接して
設けられた膜厚が5〜100Åの補助磁性膜4bとをも
って構成される。
【0033】希土類−遷移金属系の非晶質垂直磁化膜と
しては、下記の一般式で表されるものが特に好ましい。
【0034】 一般式;(Tb100-AQA)XFe100-X-Y-ZCoYMZ 但し、20原子%≦X≦35原子% 5原子%≦Y≦15原子% 0原子%≦Z≦10原子% 0原子%≦A≦20原子% MはNb,Cr,Pt,Ti,Alから選択された少な
くとも1種類の元素。QはGd,Nd,Dyから選択さ
れた少くとも1種類の元素。
【0035】補助磁性膜204bは、遷移金属元素を含
有し、かつ垂直磁気異方性が小さい磁性体をもって構成
される。具体例としては、〔Pt,Al,Ag,Au,
Cu,Rh〕などの貴金属元素群から選択された少なく
とも1種類の元素と、〔Fe,Co,Ni〕などの遷移
金属元素群から選択された少なくとも1種類の元素との
合金薄膜、例えばGdFeCo合金、GdTbFeCo
合金、GdDyFeCo合金、NdFeCo合金など、
GdやNdを含有することにより、垂直磁気異方性を低
下させた希土類−遷移金属系合金、酸素や窒素を通常よ
り多量に(例えば5原子%以上)含有することにより、
垂直磁気異方性を低下させた希土類−遷移金属系合金、
〔Fe,Co,Ni〕などの遷移金属単体、あるいはこ
れらを多量に含有する合金を5〜30Åと数原子層の厚
さで積層した膜などを挙げることができる。
【0036】これらの補助磁性膜204bは、組成によ
っては垂直磁気異方性エネルギが形状異方性と同じか若
しくはそれより低くなり、外部磁界が印加される以前に
おいて、磁化を面内方向(補助磁性膜204bの膜面と
平行な方向)に向けることができる。このように調整さ
れた補助磁性膜204bは、キュリー温度近傍まで昇温
され、外部磁界が印加されると、磁化の方向が面内方向
より立ち上がって外部磁界方向の磁気モーメント成分を
生じ、これに接して積層されている非晶質垂直磁化膜2
04aの遷移金属磁気モーメントに交換結合力を及ぼ
す。したがって、非晶質垂直磁化膜4aと補助磁性膜2
04bとを積層してなる第1記録層は、外部磁界に対す
る光変調記録信号の搬送波及び雑音レベルの変化が、図
5右下図に示すように、2つのピークをもつようにな
る。
【0037】第2記録層206は、前記第1記録層20
4とは異なる磁界領域に少なくとも1以上の記録状態が
存在する光磁気記録膜で構成される。したがって、前記
第1記録層204と同種の非晶質垂直磁化膜及び補助磁
性膜からなり、前記第1記録層204とは異なる磁界領
域に2つの記録状態が存在するものを用いることもでき
るし、前記第1記録層204とは異なる構成を有し、図
5の右上図に示すように、前記第1記録層204とは異
なる磁界領域に1つの記録状態が存在するものを用いる
こともできる。後者に属する第2記録層206として
は、室温から記録、消去時の最高到達温度までの温度範
囲で遷移金属副格子磁化が優勢な希土類−遷移金属系の
非晶質垂直磁化膜からなるもの、前記と同様の温度範囲
で、希土類副格子磁化が優勢な希土類−遷移金属系の非
晶質垂直磁化膜からなるもの、室温からキュリー温度ま
での間に補償温度が存在する希土類−遷移金属系の非晶
質垂直磁化膜からなるものなどを挙げることができる。
具体的には、下記の一般式で表されるものが特に好まし
い。なお、この第2記録層6の膜厚は、100〜500
Åの範囲に形成することが好ましい。
【0038】一般式;TbXFe100-X-Y-ZCoYMZ 但し、15原子%≦X≦30原子% 5原子%≦Y≦15原子% 0原子%≦Z≦10原子% MはNb,Cr,Ptから選択された少くとも1種類の
元素。
【0039】前記の各膜体203〜208は、例えばス
パッタリングや真空蒸着などの真空成膜法によって、透
明基板1のプリフォーマットパターン形成面に順次積層
される。これらの各膜体203〜208は、多値記録さ
れた光情報記録媒体から信号を読み出したとき、各記録
レベルに応じた再生出力レベル(カー回転角の大きさ)
の差が、相互にできるだけ均等になるように膜厚及び光
学定数が選択される。その際の選択によっては、第2及
び第3のエンハンス膜及び/又は反射膜は、省略するこ
ともできる。また、第1記録層204と第2記録層20
6とは、積層位置が相互に入れ替わっても良い。各記録
層の積層位置を入れ替えると、記録時の外部磁界の大き
さや照射されるレーザパワーの大きさに対応する各記録
状態のカー回転角の大きさが変化するが、信号の多値記
録は可能であり、光磁気記録媒体としての特性や効果に
ついては何ら変化を有しない。また、記録層を3層以上
の多層に積層することによって、より高次の多値記録を
行うことも可能であり、それに応じて各膜の組成を適宜
変更することもできる。
【0040】以下に、本発明に係る光磁気記録媒体の実
施例を例示する。
【0041】〈第1実施例〉図6に示すように、本例の
光磁気記録媒体は、透明基板201のプリフォーマット
パターン形成面202に、膜厚が100nmのSiN膜
と、膜厚が15nmのTb19Fe62Co10Cr9(添数
字は原子%を示す。以下同じ)膜と、膜厚が10nmの
SiN膜と、膜厚が20nmのTb32Fe56Co12膜
と、膜厚が5nmのPt80Co20膜と、膜厚が10nm
のSiN膜と、膜厚が70nmのAl膜とを順次積層
し、これらの各膜を紫外線硬化性樹脂膜で覆っている。
【0042】膜厚が100nmのSiN膜は第1エンハ
ンス膜203、膜厚が10nmの2つのSiN膜は、そ
れぞれ第2及び第3のエンハンス膜205,207を構
成している。Tb19Fe62Co10膜は、単層で第1記録
層204を構成しており、特定の磁界領域に1つの記録
状態が存在する。互いに直接積層されたTb32Fe56C
o12膜とPt80Co20膜は、第2記録層206を構成し
ており、第1記録層204とは異なる磁界領域に2つの
記録状態が存在する。さらに、Al膜は反射膜208を
構成し、紫外線硬化性樹脂膜は保護膜209を構成して
いる。
【0043】〈第2実施例〉図7に示すように、本例の
光磁気記録媒体は、透明基板201のプリフォーマット
パターン形成面202に、膜厚が100nmのSiN膜
と、膜厚が15nmのTb32Fe56Co12膜と、膜厚が
2nmのGdFeCo膜と、膜厚が10nmのSiN膜
と、膜厚が20nmのTb19Fe62Co10Cr9膜と、
膜厚が10nmのSiN膜と、膜厚が70nmのAl膜
とを順次積層し、これらの各膜を紫外線硬化性樹脂膜で
覆っている。
【0044】互いに直接積層されたTb32Fe56Co12
膜とGdFeCo膜は、第1記録層204を構成してお
り、異なる磁界領域に2つの記録状態が存在する。Tb
19Fe62Co10膜は、単層で第2記録層206を構成し
ており、第1記録層204とは異なる磁界領域に1つの
記録状態が存在する。本例の光磁気記録媒体は、第1実
施例に係る光磁気記録媒体とは異なり、基板に近い側、
すなわち記録再生用レーザビームの入射側に設けられる
第1記録層204を、2つの磁性膜の積層体から構成し
たことを特徴とする。そこで、第2記録層206へのレ
ーザビームの入射量を減らさないことを目的として、第
1記録層204を構成する補助磁性膜としてレーザビー
ムの吸収率が低いGdFeCo膜を用いると共に、その
膜厚を2nmと極薄にした。その他の各部分について
は、第1実施例と同じであるので、対応する部分に同一
の符号を表示して説明を省略する。
【0045】〈第3実施例〉図8に示すように、本例の
光磁気記録媒体は、透明基板201のプリフォーマット
パターン形成面202に、膜厚が100nmのSiN膜
と、膜厚が15nmのTb32Fe56Co12膜と、膜厚が
7nmの(Tb32Fe56Co12)92O8 膜と、膜厚が1
0nmのSiN膜と、膜厚が20nmのTb19Fe62C
o10Cr9膜と、膜厚が10nmのSiN膜と、膜厚が
70nmのAl膜とを順次積層し、これらの各膜を紫外
線硬化性樹脂膜で覆っている。
【0046】互いに直接積層されたTb32Fe56Co12
膜と(Tb32Fe56Co12)92O8膜は、第1記録層2
04を構成しており、異なる磁界領域に2つの記録状態
が存在する。Tb19Fe62Co10膜は、単層で第2記録
層206を構成しており、第1記録層4とは異なる磁界
領域に1つの記録状態が存在する。本例の光磁気記録媒
体は、第2記録層206へのレーザビームの入射量を減
らさないことを目的として、第1記録層204を構成す
る補助磁性膜としてレーザビームの吸収率が低い(Tb
32Fe56Co12)92O8 膜を用いると共に、その膜厚を
7nmに調整した。その他の各部分については、第1実
施例と同じであるので、対応する部分に同一の符号を表
示して説明を省略する。
【0047】〈第4実施例〉図9に示すように、本例の
光磁気記録媒体は、透明基板201のプリフォーマット
パターン形成面202に、膜厚が100nmのSiN膜
と、膜厚が15nmのTb32Fe56Co12膜と、膜厚が
2nmのGdFeCo膜と、膜厚が10nmのSiN膜
と、膜厚が20nmのTb34Fe52Co14膜と、膜厚が
5nmのPtCo膜と、膜厚が10nmのSiN膜と、
膜厚が70nmのAl膜とを順次積層し、これらの各膜
を紫外線硬化性樹脂膜で覆っている。
【0048】互いに直接積層されたTb32Fe56Co12
膜とGdFeCo膜は、第1記録層204を構成してお
り、異なる磁界領域に2つの記録状態が存在する。ま
た、互いに直接積層されたTb34Fe52Co14膜とPt
Co膜は、第2記録層206を構成しており、第1記録
層204とは異なる磁界領域に2つの記録状態が存在す
る。本例の光磁気記録媒体は、第2記録層6へのレーザ
ビームの入射量を減らさないことを目的として、第1記
録層204を構成する補助磁性膜としてレーザビームの
吸収率が低いGdFeCo膜を用いると共に、その膜厚
を2nmに調整した。その他の各部分については、第1
実施例と同じであるので、対応する部分に同一の符号を
表示して説明を省略する。
【0049】次に、本発明に係る光磁気記録媒体を用い
た信号の多値記録方法について説明する。
【0050】〈多値記録方法の第1例〉本例の多値記録
方法は、外部磁界を記録信号に応じて4段階に変調する
と共に、記録用レーザビームをパルス状に変調すること
を特徴とする。光磁気記録媒体としては、第1実施例に
係る光磁気記録媒体(図6)を用いる。
【0051】まず、光磁気記録媒体をターンテーブル等
の媒体駆動部に装着し、透明基板側に光学ヘッドを、保
護膜側に磁気ヘッドを配置する。媒体駆動部を起動して
光磁気記録媒体と光学ヘッド及び磁気ヘッドとを相対的
に所定の線速度で駆動し、光学ヘッド及び磁気ヘッドを
所定のトラックに位置付ける。
【0052】しかる後に、図10(a)に示すように、
磁気ヘッドより記録信号に応じて印加磁界強度がH0 〜
H3 の4値に信号変調され、かつ記録クロックに同期さ
れた外部磁界を光情報記録媒体に印加する。そして、外
部磁界が所定の値に切り替わった後、光学ヘッドより図
10(b)に示す光パルスを照射して、光パルス照射部
の各記録層を、外部磁界によって磁化反転できる温度ま
で加熱する。これによって、各光パルスの照射部に、外
部磁界の大きさに応じた図10(c)の磁化ドメインが
形成される。
【0053】磁界強度の信号変調は、図11の方式及び
図12又は図13の信号変調回路によって行うことがで
きる。すなわち、図12の回路では、記録信号を偶数ビ
ットと奇数ビットとに分離し、タイミング合わせやパル
ス長の調整などの波形処理を行った後、ゲインが異なる
増幅器G1 ,G2 でそれぞれ増幅し、これを加算する。
次いで、この加算信号を磁気ヘッド駆動回路で電圧電流
変換することによって、磁気ヘッドより図10(a)に
示す外部磁界を印加するようにしている。また、図13
の回路では、記録信号を偶数ビットと奇数ビットとに分
離し、タイミング合わせやパルス長の調整などの波形処
理を行った後、ゲインが同一の増幅器Gでそれぞれ増幅
する。次いで、各増幅信号を別々の磁気ヘッド駆動回路
で電圧電流変換し、ターン数が異なる2本の巻線をもっ
た磁気ヘッドより図10(a)に示す外部磁界を印加す
るようにしている。なお、磁気ヘッドに代えて、例えば
電磁コイルなどの他の磁界発生装置を用いることも勿論
可能である。
【0054】磁化ドメイン列から読みだされる再生信号
は、図10(d)のようになる。この再生信号を各記録
状態からの再生信号出力に応じて所定の値に設定された
3つのスライスレベルでスライスすると、図10(e)
のタイミングチャートに示すように、3つの2値化信号
sig1,sig2,sig3が得られる。次に、当該
タイミングチャートのClock〜Sig.3の信号から、論理演
算を行うことによって、偶数ビットと奇数ビットとの分
離と、磁気ヘッド駆動信号を生成したときとは逆の手順
による偶数ビットと奇数ビットとの合成を行うことによ
って、記録信号を再生できる。図14に、信号再生回路
のブロック図を示す。
【0055】〈多値記録方法の第2例〉本例の多値記録
方法は、検出窓幅Tと同一か、あるいはその整数倍の一
定周波数で磁気ヘッド(電磁コイル)を駆動して光磁気
記録媒体に外部磁界を印加しつつ、レーザ照射のタイミ
ングを変調することを特徴とする。図15は本例の多値
記録に適用されるレーザの照射タイミング変調回路のブ
ロック図であり、図16は回路各部で取り扱われる信号
のタイミングチャートである。光磁気記録媒体として
は、第1実施例に係る光磁気記録媒体(図7)を用い
た。
【0056】本例の多値記録方法においては、外部磁界
の変化に同期して、その1周期に1回記録レーザパルス
を照射し、各記録層を充分保磁力が小さくなる温度まで
加熱して、冷却時に第1記録層の磁化及び第2記録層の
磁化の双方又は一方を選択的に反転させる。磁化を反転
させる状態の区別は、記録レーザパルスを照射するタイ
ミングをずらすことによって行う。すなわち、図16に
示すように、タイミングがずれた4個のパルス列pal
se1,palse2,palse3,palse4を
生成し、記録信号Dataから分離した偶数ビット、奇
数ビットの信号と論理演算して、各記録状態に相当する
記録レーザ駆動パルスを生成する。
【0057】図17に信号再生回路のブロック図を、図
18に信号再生方式を示す。磁化ドメイン列から読みだ
される再生信号を所定の値に設定された3つのスライス
レベルでスライスし、それによって得られる3つの2値
化信号sig1,sig2,sig3から、第1例の場
合と同様の手順で記録信号を再生できる。
【0058】〈多値記録方法の第3例〉本例の多値記録
方法は、検出窓幅Tと同一か、あるいはその整数倍の一
定周波数で磁気ヘッド(電磁コイル)を駆動して光磁気
記録媒体に外部磁界を印加しつつ、照射されるレーザの
強度を変調することを特徴とする。図19に本例の多値
記録に適用されるレーザ強度変調回路のブロック図を示
し、図20に回路各部で取り扱われる信号のタイミング
チャートを示す。
【0059】図21に信号再生回路のブロック図を、図
22に信号再生方式を示す。磁化ドメイン列から読みだ
される再生信号を所定の値に設定された3つのスライス
レベルでスライスし、それによって得られる3つの2値
化信号sig1,sig2,sig3から、第2例の場
合と同様の手順で記録信号を再生できる。
【0060】図24には、上記で説明した4値記録媒体
と、磁界変調記録方式により、光スポット有効径よりも
微小な磁化ドメインを形成する方式を併用した場合の多
値レベルの増加を説明する図である。説明の都合上、再
生光スポット内には、同時に2個までのドメインが存在
する場合を例にして説明する。すなわち、ドメインが存
在しないレベルを0、多値記録の第1のレベルのドメイ
ンの存在を1、第2のレベルを2、第3のレベルを3と
すると、00、01、02、03、11、12、13、
22、23、33の合計10レベルまで多値レベルを拡
張できる。ここで、01と10は同一レベルが得られる
組み合わせとして、除外してある。上記のレベルの組み
合わせでは、00と11のレベルの間に3レベル、11
と22のレベルの間に2レベル、22と33のレベルの
間には1レベルが存在する。したがって、各記録層の組
成を変えることで、レベル0とレベル1の間の再生信号
レベル差をもっとも大きくなるように設定し、次にレベ
ル1とレベル2の間、最後にレベル2とレベル3の間の
再生信号レベル差の順となるようにすれば、常に同一の
しきい値レベル間隔で、信号の量子化を行うことが可能
になる。
【0061】
【発明の効果】本発明によると、磁界変調記録方式を用
い、再生光スポット径よりも微小な磁化ドメインを形成
するとともに、多値記録媒体を用いることで、記録媒体
の本来有している多値レベル数をさらに増加させること
ができる。媒体としては、記録層を2層に積層すること
で信号の4値記録が可能になるので、より簡単な膜の積
層構造で、より高密度な信号記録を実現できる。また、
本発明の光磁気記録媒体は、各記録状態が外部磁界の変
動に対してきわめて安定であり、各記録層の磁気特性や
記録再生時のレーザビーム強度それに外部磁界強度を微
妙に制御する必要がないので、安定性、量産性、実用性
に優れた光磁気記録再生方式の提供が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光磁気記録再生装置の構成例を示
すブロック図である。
【図2】差動検出光学系の検出原理を説明するグラフ図
である。
【図3】磁界変調記録方式の説明図である。
【図4】本発明に係る磁界変調記録方式における記録再
生原理の説明図である。
【図5】本発明に係る光磁気記録媒体の説明図である。
【図6】第1実施例に係る光磁気記録媒体を模式的に示
す要部断面図である。
【図7】第2実施例に係る光磁気記録媒体を模式的に示
す要部断面図である。
【図8】第3実施例に係る光磁気記録媒体を模式的に示
す要部断面図である。
【図9】第4実施例に係る光磁気記録媒体を模式的に示
す要部断面図である。
【図10】4値記録再生方式の第1例を示す説明図であ
る。
【図11】外部磁界強度の信号変調方式を示す説明図で
ある。
【図12】外部磁界強度信号変調回路の第1例を示すブ
ロック図である。
【図13】外部磁界強度信号変調回路の第2例を示すブ
ロック図である。
【図14】信号再生回路のブロック図である。
【図15】光パルスの信号変調方式の第1例を示す説明
図である。
【図16】光パルス信号変調回路の第1例を示すブロッ
ク図である。
【図17】信号再生回路のブロック図である。
【図18】4値記録再生方式の第2例を示す説明図であ
る。
【図19】光パルス信号変調回路の第2例を示すブロッ
ク図である。
【図20】光パルスの信号変調方式の第2例を示す説明
図である。
【図21】信号再生回路のブロック図である。
【図22】4値記録再生方式の第3例を示す説明図であ
る。
【図23】本発明に係る光磁気記録媒体の多値記録原理
を示す説明図である。
【図24】本発明に係る光磁気記録再生方式を多値記録
媒体と併用した場合の多値化の原理を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1…光磁気ディスク、3…レーザ、4…レーザ駆動回
路、9…磁気ヘッド、10…磁気ヘッド駆動回路、20
…量子化回路、100…光スポット、101…磁化ドメ
イン、102…変調磁界、110…しきい値、201…
基板、202…プリフォーマットパターン、203…第
1エンハンス膜、204…第1記録層、204a…非晶
質垂直磁化膜、204b…補助磁性膜、205…第2エ
ンハンス膜、206…第2記録層、207…第3エンハ
ンス膜、208…反射膜、209…保護膜。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録膜として、互いに積層された少なくと
    も2以上の記録層を有し、これらの各記録層のうち、少
    なくとも1の記録層は、印加される外部磁界に対して2
    以上の異なる磁界領域に記録状態が存在する光磁気記録
    膜で構成され、他の記録層は、前記1の記録層とは異な
    る磁界領域に少なくとも1以上の記録状態が存在する光
    磁気記録膜で構成されている媒体を用い、該記録膜の磁
    化反転状態によって情報を記録するに際し、記録情報再
    生用の光スポットの照射領域内に、該磁化反転領域が少
    なくとも2個以上存在するように記録磁界を印加するこ
    とを特徴とする光磁気信号記録再生方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の記録再生方法において、上
    記磁化反転領域は、光学ヘッド、磁気ヘッドを相対的に
    該記録媒体に対して駆動し、前記光学ヘッドにより、前
    記光磁気記録媒体の記録トラックに沿って、レーザ光を
    照射しつつ、当該レーザ光照射部に、前記磁気ヘッドよ
    り記録信号に応じて、多段階に印加磁界強度および磁界
    方向を変調された磁界を印加することを特徴とする光磁
    気信号記録再生方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の記録再生方法にお
    いて、磁化反転領域の中で最小のものが、記録膜移動方
    向の幅をW1、それに直交する方向の幅をW2としたと
    き、W1がW2よりも狭いことを特徴とする光磁気信号
    記録再生方法。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載の記録再生方法にお
    いて、記録情報再生用光スポットの照射領域内に存在す
    る、磁化反転領域の面積の大小に対応させて情報を記録
    することを特徴とする光磁気信号記録再生方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載の記録再生方法において、適
    用する光磁気記録媒体として、前記1の記録層、および
    他の記録層のうち、印加される外部磁界に対して、2以
    上の異なる磁界領域に記録状態が存在する記録層が、垂
    直磁化膜と、この垂直磁化膜と磁気的に結合され、且つ
    該垂直磁化膜よりも記録または消去用のレーザ光照射時
    に磁化が外部磁界の方向に回転容易な磁性材料からなる
    補助磁性膜とから構成されていることを特徴とする光磁
    気信号記録再生方法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の記録再生方法において、前
    記垂直磁化膜が希土類と遷移金属との非晶質合金であっ
    て、希土類原子の副格子磁気モーメントが遷移金属原子
    の副格子モーメントよりも室温からキュリー温度にかけ
    て優勢なフェリ磁性体からなり、前記補助磁性膜が、遷
    移金属、遷移金属と貴金属との合金、酸素および窒素の
    うちの少なくともいずれか一方を含有する希土類と遷移
    金属との合金、および前記垂直磁化膜よりも垂直磁気異
    方性エネルギーが小さな希土類と遷移金属との合金から
    選択されるいずれかの磁性材料からなることを特徴とす
    る光磁気信号記録再生方法。
  7. 【請求項7】請求項1または2記載の記録再生方法にお
    いて、適用する媒体に対して、印加される外部磁界に対
    して2つの異なる磁界領域に記録状態が存在する第1の
    記録層と、該第1の記録層とは異なる磁界領域に1つの
    記録状態が存在する第2の記録層とを有し、外部磁界の
    大きさを4段階に切り換えることにより、信号の4値記
    録を行なうことを特徴とする光磁気信号記録再生方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004206852A (ja) * 2002-03-08 2004-07-22 Sony Corp 記録媒体、再生装置及び記録装置
US7689105B2 (en) 2002-03-08 2010-03-30 Sony Corporation Record medium and its reproducer, reproducing method, record medium manufacturing apparatus, record medium manufacturing method, and recorder

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