JP2004039249A - 情報記録媒体、情報記録媒体の再生方法及び情報記録媒体の再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
光磁気記録と熱磁気再生とを組み合わせることにより高密度記録が可能な情報記録媒体、その再生方法及び再生装置を提供する。
【解決手段】
情報記録媒体10はMSR媒体であり、基板11上に保護層12、記録層13、中間層14、再生層15及び保護層16がこの順に積層されている。情報が記録された情報記録媒体10の基板11側(記録層13に近い側)にレーザ光を照射しつつ、レーザ光照射領域の近傍に再生磁界を印加し、保護層16側(再生層15に近い側)に対向せしめた磁気ヘッドにより再生層15の磁束変化を検出する。
【選択図】 図1
光磁気記録と熱磁気再生とを組み合わせることにより高密度記録が可能な情報記録媒体、その再生方法及び再生装置を提供する。
【解決手段】
情報記録媒体10はMSR媒体であり、基板11上に保護層12、記録層13、中間層14、再生層15及び保護層16がこの順に積層されている。情報が記録された情報記録媒体10の基板11側(記録層13に近い側)にレーザ光を照射しつつ、レーザ光照射領域の近傍に再生磁界を印加し、保護層16側(再生層15に近い側)に対向せしめた磁気ヘッドにより再生層15の磁束変化を検出する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、情報をこれに対応する磁化方向で磁性層に記録する情報記録媒体、このような情報記録媒体の再生方法及び再生装置に関する。
情報記録媒体を備える記録再生装置として、ハードディスク装置(HD)又は光磁気ディスク装置(MO)が主に使用されている。HDは面内磁気異方性を有する磁性層を備える磁気媒体と、記録用磁界発生部と再生用センサ部とを有する磁気ヘッドとを備えている。磁気ヘッドは磁気媒体面に対向して配され、磁気媒体を回転させつつ磁気ヘッドの磁界方向を変えることによって磁気媒体に記録ビットを記録する。記録ビットには情報に対応して異なる面内方向の磁化方向が記録されており、再生時には、再生用センサ部にて再生信号の振幅を検出することにより情報を再生する。現在では、薄膜センサを用いることにより1Gbit/inch2 の情報記録密度を実現している。
一方MOは、垂直磁気異方性を有する磁性層を備える光磁気媒体と、媒体にレーザ光を照射してその反射光を受光するセンサ部と、磁界発生部とを備えている。光磁気媒体を回転させつつレーザ光を照射し、磁界を印加することにより、光磁気媒体に記録ビットを記録する。記録ビットには情報に対応して異なる垂直方向の磁化方向が記録されており、再生時には、受光したレーザ光の反射光から偏光面の回転方向を検出することにより情報を再生する。近年開発された磁気超解像技術(MSR)を用いることにより、3Gbit/inch2 程度の情報記録密度を実現している。
特開昭58−83346号公報
特開昭56−77907号公報
以上の如きHD,MOにおいて、媒体の記録密度をさらに増大させるためにはビットの寸法、即ち、媒体の円周方向のビット長と径方向のビット幅とを小さくする必要がある。
HDにおいて、1.5Gbit/inch2 の記録密度を実現するためには、トラックピッチは2.5μm程度、最短ビット長は0.14μm程度が必要であり、5Gbit/inch2 の記録密度を実現するためには、トラックピッチは1.25μm程度、最短ビット長は0.09μm程度が必要である。また、MOにおいては、1Gbit/inch2の記録密度はすでに実現されており、トラックピッチは1.1μm、最短ビット長は0.48μm程度である。3.5Gbit/inch2 の記録密度を実現するためには、トラックピッチは0.7μm、最短ビット長は0.27μm程度が必要である。
このように、HD及びMOの媒体の高記録密度化において、HDではMRヘッドを用いることによりMOに比べて最短ビット長を短くできるがトラックピッチが広い。トラックピッチを狭くするにはクロストーク、トラッキング技術及びヘッド加工技術等の問題があり、1μm以下にすることが困難である。またMOはHDに比べてトラックピッチは狭いが最短ビット長が長く、MSR技術を用いてもMRヘッドのように分解能を0.1μm以下にすることは困難である。MOにおいて、光磁気媒体が備える磁性層を特定することにより、0.1μm程度の最短ビット長を再生することが可能であるが、この場合は光磁気再生信号のC/Nが低くなる傾向にあるという問題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、光磁気記録が可能な第1磁性層とこれと交換結合(又は静磁結合)可能な第2磁性層とを基板側から順に備えた情報記録媒体の再生時に、ビーム光を照射しつつ、第2磁性層に転写された磁化方向を検出して再生することにより、微小なビット長及びビット幅で磁化方向を記録再生でき、高密度記録を実現する情報記録媒体、情報記録媒体の再生方法及び再生装置を提供することを目的とする。
第1発明に係る情報記録媒体は、基板上に複数の磁性層を備えており、前記基板側に照射されるビーム光のスポット径よりも小さな記録ビットをビーム光照射領域に対応して再生層領域に形成されるマスク領域によって挟まれた開口部から磁気再生することが可能とされた情報記録媒体であって、光磁気記録が可能な第1磁性層を前記基板に近い側に、第2磁性層を前記基板から遠い側に備え、前記第1磁性層に記録された磁化方向が前記第2磁性層に転写される場合に、該転写は交換結合力により行われ、該交換結合力は温度により変化する構成とされていることを特徴とする。
第2発明に係る情報記録媒体は、基板上に複数の磁性層を備えており、前記基板側に照射されるビーム光のスポット径よりも小さな記録ビットをビーム光照射領域に対応して再生層領域に形成されるマスク領域によって挟まれた開口部から磁気再生することが可能とされた情報記録媒体であって、光磁気記録が可能な第1磁性層を前記基板に近い側に、第2磁性層を前記基板から遠い側に備え、前記第1磁性層に記録された磁化方向が前記第2磁性層に転写される場合に、該転写は静磁結合力により行われ、該静磁結合力は温度により変化する構成とされていることを特徴とする。
第1発明、第2発明にあっては、記録時には磁界を印加しつつ基板側にビーム光を照射して、基板に近い側の第1磁性層に磁化方向を光磁気記録するので、微小な記録ビットで記録ができる。また再生時には、ビーム光の照射により温度上昇した第2磁性層の領域に第1磁性層の磁化方向が転写され、基板から遠い側に設けた第2磁性層に対向して配した磁気ヘッドにより磁化方向を検出するので、第2磁性層に転写された磁化方向が高い分解能で再生される。
第3発明に係る情報記録媒体は、第1発明または第2発明において、前記第2磁性層がGdFeCo膜、Pt/Co多層膜、またはGdFeCo膜とPt/Co多層膜との交換結合膜のいずれかであることを特徴とする。
第3発明にあっては、第2磁性層を変更しうることとしたので、第2磁性層の飽和磁化を変更でき、磁気再生信号の大きさを適宜変更できる。
第4発明に係る情報記録媒体の再生方法は、第1発明ないし第3発明のいずれかの情報記録媒体の再生方法であって、前記基板側にビーム光を照射することにより該ビーム光の照射領域に対応する開口部を前記第2磁性層に形成し、前記第1磁性層から転写された前記開口部の磁化方向を前記情報記録媒体と相対移動する磁気ヘッドにより検出し、この検出結果に基づいて、前記情報記録媒体に記録された情報を再生する。
第5発明に係る情報記録媒体の再生方法は、第1発明ないし第3発明のいずれかの情報記録媒体の再生方法であって、前記基板側にビーム光を照射することにより該ビーム光の照射領域に対応する開口部を前記第2磁性層に形成し、前記第1磁性層から転写された前記開口部の磁化方向を前記基板と反対側の面に対向して配され前記情報記録媒体と相対移動する磁気ヘッドにより検出し、この検出結果に基づいて、前記情報記録媒体に記録された情報を再生することを特徴とする。
第6発明に係る情報記録媒体の再生装置は、第1発明ないし第3発明のいずれかの情報記録媒体の再生装置であって、前記情報記録媒体の基板側からレーザ光を照射するためのレーザ光照射手段と、前記情報記録媒体のレーザ光照射領域の近傍に再生磁界を印加する再生磁界印加手段と、前記第2磁性層側に配置され第2磁性層の磁化を検出する磁気ヘッドとを備えたことを特徴とする。
第4発明及び第5発明にあっては、第1磁性層に光磁気記録で磁化方向を記録することにより、径方向に微小な記録ビットが記録されており、基板側にビーム光を照射することにより媒体の温度が上昇して、第1磁性層に記録された記録ビットが第2磁性層の特定の温度領域でのみ転写される。これにより、磁気ヘッドを用いて第2磁性層の磁化方向を検出することにより、第2磁性層に転写された微小な記録ビットが高分解能で高信号レベルで再生される。
第6発明にあっては、第1発明ないし第3発明のいずれかの情報記録媒体を用いる再生装置とすることから、第2磁性層に転写された微小な記録ビットを高分解能、高信号レベルでの情報記録媒体の再生が可能となる。
本発明にあっては、基板に近い側に記録のための第1磁性層を形成し、基板から遠い側に再生のための第2磁性層を形成しているので、光磁気記録の際に第1磁性層に磁化方向が記録され、磁気再生の際に磁気ヘッドを第2磁性層に対向配置できる。光磁気記録により径方向に微小な記録ビットが記録でき、再生時のビーム光照射により、第2磁性層の微小な領域に記録ビットが転写され、磁気ヘッドによる磁化の検出により、高分解能及び高信号レベルで記録ビットを再生でき、これにより媒体の記録密度を大幅に増大できる等、本発明は優れた効果を奏する。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の情報記録媒体の膜構成を示す図である。情報記録媒体10はディスク形状を有するMSR媒体であり、表面に案内溝を設けた基板11上に保護層12、前記第1磁性層たる記録層13、前記制御層たる中間層14、前記第2磁性層たる再生層15及び保護層16がこの順に積層されている。各層の組成、膜厚及び製造条件を表1に示す。なお、各層の製膜はDCマグネトロンスパッタ法により行なっており、記録層13は希土類磁化優勢(REリッチ)で補償温度が略130℃である。また再生層15は遷移金属磁化優勢(TMリッチ)である。
図1は、実施の形態1の情報記録媒体の膜構成を示す図である。情報記録媒体10はディスク形状を有するMSR媒体であり、表面に案内溝を設けた基板11上に保護層12、前記第1磁性層たる記録層13、前記制御層たる中間層14、前記第2磁性層たる再生層15及び保護層16がこの順に積層されている。各層の組成、膜厚及び製造条件を表1に示す。なお、各層の製膜はDCマグネトロンスパッタ法により行なっており、記録層13は希土類磁化優勢(REリッチ)で補償温度が略130℃である。また再生層15は遷移金属磁化優勢(TMリッチ)である。
以上の如き構成の情報記録媒体10に、光磁気記録方式で情報をランド/グルーブ記録する。記録時には、記録層13の磁化方向を一定方向に揃えた後、磁界を印加しつつレーザ光を基板11側に照射し、光変調記録方式により記録層13に記録ビットを形成する。レーザ光は波長680nm、NAは0.55、記録パワーは10mWであり、Dutyが50%の単純発光を用いた。媒体の線速度は10m/sであり、ビット長及びビット間隔は夫々0.1μmである(50MHz)。なお、本実施の形態では光変調記録方式により記録層13に記録ビットを形成したが、これに限るものではなく、磁界を正負に変動させる磁界変調記録方式を用いても良い。
このように情報が記録された情報記録媒体10の再生方法及び再生装置について説明する。図2は情報記録媒体の再生時の磁化状態と再生装置の磁気ヘッドとを示す図であり、再生層15側から見た図も共に示している。なお、情報記録媒体10は基板11及び保護層12,16を省略して示している。情報記録媒体10の基板11側(記録層13に近い側)に図示しない再生装置のレーザ光照射手段によりレーザ光を3mWの再生パワーで照射しつつ、レーザ光照射領域の近傍に図示しない再生装置の再生磁界印加手段により再生磁界を印加し、保護層16側(再生層15に近い側)に対向せしめた磁気ヘッド17により再生層15の磁化方向を読出す。磁気ヘッド17はMR(magnet resistance read)素子17aを備え、レーザ光が照射された領域に対応する再生層15の記録ビットを読み出すように配置されている。
情報記録媒体10の基板11側にレーザ光を照射した際、記録層13、中間層14及び再生層15に周方向の温度勾配が生じ、図2に示すように、レーザスポットSに対応する再生層15の領域でフロントマスク領域及びリアマスク領域が形成される。両マスク領域で挟まれた開口部では、記録層13の記録ビットが再生層15に転写されており、磁気ヘッド17によりこれが読み出される。図3はMR素子17aにより磁化が検出された磁気再生信号の波形を示すグラフであり、縦軸は出力信号レベルを示し、横軸は時間を示している。グラフから、磁気再生により再生層15の磁化方向が読み出されていることが判る。また、隣接するトラックからのクロストークの影響を調べた。その結果、MR素子17aのトラック幅方向の寸法が1μmであるにも係わらず、クロストークは検出されていなかった。
以上の結果から、本実施の形態の情報記録媒体10は、記録時にはレーザ光を照射しつつ磁界を印加することにより、ビット幅が短いビットを形成でき、また再生時には、レーザ光を照射してレーザスポットSよりも短寸法の開口部を生ぜしめてビット長及びビット幅が短い記録ビットを転写してクロストークを低減し、且つ、MR素子17aによる磁化の検出により高分解能及び高信号レベルで磁気再生信号を得ることができる。また、磁気ヘッドは媒体の偏心によるトラッキング制御が通常では困難であるが、本実施の形態では隣接トラックにはマスクが形成されているので偏心が生じた場合でも隣接トラックの磁気信号を検出することはなく、クロストークは低減される。
実施の形態2.
次に、本発明に係る静磁結合タイプのMSR媒体について説明する。図4は実施の形態2の情報記録媒体の再生時の磁化状態と磁気ヘッドとを示す図であり、再生層側から見た図も共に示している。図に示すように、情報記録媒体20はディスク形状を有するMSR媒体であり、表面に案内溝を設けた基板上に保護層、前記第1磁性層たる記録層23、前記制御層たる中間層24、前記第2磁性層たる再生層25及び保護層がこの順に積層されている。なお、情報記録媒体20は基板及び保護層を省略して示している。各層の組成、膜厚及び製造条件を表2に示す。なお、各層の製膜はDCマグネトロンスパッタ法により行なっており、記録層23はTMリッチで補償温度が略ー10℃である。また再生層25はREリッチであり、室温で面内磁化を示し、補償温度は200℃近傍である。記録層23としてTbFeCoではなくDyFeCoを用いたのは、DyFeCoの方が飽和磁化の値が大きく、静磁結合力が大きいことによる。
次に、本発明に係る静磁結合タイプのMSR媒体について説明する。図4は実施の形態2の情報記録媒体の再生時の磁化状態と磁気ヘッドとを示す図であり、再生層側から見た図も共に示している。図に示すように、情報記録媒体20はディスク形状を有するMSR媒体であり、表面に案内溝を設けた基板上に保護層、前記第1磁性層たる記録層23、前記制御層たる中間層24、前記第2磁性層たる再生層25及び保護層がこの順に積層されている。なお、情報記録媒体20は基板及び保護層を省略して示している。各層の組成、膜厚及び製造条件を表2に示す。なお、各層の製膜はDCマグネトロンスパッタ法により行なっており、記録層23はTMリッチで補償温度が略ー10℃である。また再生層25はREリッチであり、室温で面内磁化を示し、補償温度は200℃近傍である。記録層23としてTbFeCoではなくDyFeCoを用いたのは、DyFeCoの方が飽和磁化の値が大きく、静磁結合力が大きいことによる。
以上の如き構成の情報記録媒体20に、光磁気記録方式で情報をランド/グルーブ記録する。記録方法及び条件は上述した実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。情報が記録された情報記録媒体20を再生する際には、情報記録媒体20の基板側(記録層23に近い側)にレーザ光を3mWの再生パワーで照射しつつ、保護層側(再生層25に近い側)に対向せしめた磁気ヘッド17により再生層25の磁化方向を読出す。なお、静磁結合タイプの情報記録媒体は再生磁界を印加することなくMSR再生が可能であるため、実施の形態2では再生時に再生磁界を印加しない。その他の再生手順は実施の形態1と同様である。
図4に示すように、情報記録媒体20の基板側にレーザ光を照射した際に、レーザスポットSに対応する再生層25の領域では、温度が上昇して面内磁化から垂直磁化に変化する。中間層24の交換結合力の制御により記録層23の磁化方向が再生層25に転写され、磁気ヘッド17のMR素子17aによりこれが読み出される。得られた磁気再生信号は、図3に示すものと同様であり、磁気再生により再生層25の記録ビットが読み出されていることが判る。また、隣接するトラックからのクロストークも検出されていなかった。
以上の結果から、本実施の形態の情報記録媒体20は、記録時にはレーザ光を照射しつつ磁界を印加することにより、ビット幅が短いビットを形成でき、また再生時にはレーザ光を照射して再生層25の磁化方向を垂直磁化に変えるので、レーザスポットSよりも短寸法の開口部を生ぜしめてクロストークを低減し、且つ、MR素子17aによる磁化の検出により高分解能及び高信号レベルで磁気再生信号を得ることができる。また、隣接トラックにはマスクが形成されているので、情報記録媒体20に偏心が生じた場合でも隣接トラックの磁気信号を検出することはなく、クロストークは低減される。
実施の形態3.
次に、本発明に係る情報記録媒体の再生層を多層膜に形成した媒体について説明する。図5は、実施の形態3の情報記録媒体の膜構成を示す図である。情報記録媒体30はディスク形状を有するMSR媒体であり、表面に案内溝を設けた基板31上に保護層32、前記第1磁性層たる記録層33、前記制御層たる中間層34、前記第3磁性層たる再生層35及び保護層36がこの順に積層されている。各層の組成、膜厚及び製造条件を表3に示す。なお、各層の製膜はDCマグネトロンスパッタ法により行なっており、記録層33は希土類磁化優勢(REリッチ)で補償温度が略130℃である。また再生層35はPt/Coの多層膜であり、Pt/Coの多層膜の飽和磁化の値がGdFeCo単層の値よりも大きいので、より大きな磁気再生信号を得ることができる。
次に、本発明に係る情報記録媒体の再生層を多層膜に形成した媒体について説明する。図5は、実施の形態3の情報記録媒体の膜構成を示す図である。情報記録媒体30はディスク形状を有するMSR媒体であり、表面に案内溝を設けた基板31上に保護層32、前記第1磁性層たる記録層33、前記制御層たる中間層34、前記第3磁性層たる再生層35及び保護層36がこの順に積層されている。各層の組成、膜厚及び製造条件を表3に示す。なお、各層の製膜はDCマグネトロンスパッタ法により行なっており、記録層33は希土類磁化優勢(REリッチ)で補償温度が略130℃である。また再生層35はPt/Coの多層膜であり、Pt/Coの多層膜の飽和磁化の値がGdFeCo単層の値よりも大きいので、より大きな磁気再生信号を得ることができる。
以上の如き構成の情報記録媒体30に、実施の形態1と同様の条件及び手順にて光磁気記録し、実施の形態1と同様の条件及び手順にてこれを再生する。再生時の磁化状態は、図2で示したものと同様である。情報記録媒体30の基板31側にレーザ光を照射した際に、レーザスポットに対応する再生層35の領域でフロントマスク領域及びリアマスク領域が形成される。両マスク領域で挟まれた開口部では、記録層33の記録ビットが転写されており、磁気ヘッドによりこれが読み出される。得られた再生信号は、実施の形態1で示した結果の略3倍の大きさであった。なお、このとき印加した再生磁界は600Oeであった。
以上の結果から、本実施の形態の情報記録媒体30は実施の形態1と同様の効果が得られ、さらに再生層35にPt/Coの多層膜を用いているので、実施の形態1よりも大きな信号レベルで再生信号を得ることができる。
実施の形態4.
実施の形態3よりも低い再生磁界の印加で再生できる情報記録媒体について説明する。図6は実施の形態4の情報記録媒体の膜構成を示す図である。情報記録媒体40はディスク形状を有するMSR媒体であり、表面に案内溝を設けた基板41上に保護層42、前記第1磁性層たる記録層43、前記制御層たる中間層44、前記第3磁性層たる第1の再生層45及び第2の再生層46、並びに保護層47がこの順に積層されている。各層の組成、膜厚及び製造条件を表4に示す。なお、各層の製膜はDCマグネトロンスパッタ法により行なっており、記録層43は希土類磁化優勢(REリッチ)で補償温度が略130℃である。また、第1の再生層45及び第2の再生層46は、GdFeCo膜とPt/Co多層膜との交換結合膜である。
実施の形態3よりも低い再生磁界の印加で再生できる情報記録媒体について説明する。図6は実施の形態4の情報記録媒体の膜構成を示す図である。情報記録媒体40はディスク形状を有するMSR媒体であり、表面に案内溝を設けた基板41上に保護層42、前記第1磁性層たる記録層43、前記制御層たる中間層44、前記第3磁性層たる第1の再生層45及び第2の再生層46、並びに保護層47がこの順に積層されている。各層の組成、膜厚及び製造条件を表4に示す。なお、各層の製膜はDCマグネトロンスパッタ法により行なっており、記録層43は希土類磁化優勢(REリッチ)で補償温度が略130℃である。また、第1の再生層45及び第2の再生層46は、GdFeCo膜とPt/Co多層膜との交換結合膜である。
以上の如き構成の情報記録媒体40に、実施の形態1と同様の条件及び手順にて光磁気記録し、実施の形態1と同様の条件及び手順にてこれを再生する。再生時の磁化状態は、図2で示したものと同様である。情報記録媒体40の基板41側にレーザ光を照射した際に、レーザスポットに対応する第2の再生層46の領域でフロントマスク領域及びリアマスク領域が形成される。両マスク領域で挟まれた開口部では、記録層43の記録ビットが転写されており、磁気ヘッドによりこれが読み出される。得られた再生信号の信号レベルは、実施の形態3と同程度の大きさであり、300Oeの再生磁界で再生可能であった。以上の結果から、本実施の形態の情報記録媒体40は実施の形態3と同様の効果が得られ、実施の形態3よりも低い再生磁界の印加で再生可能である。
11,31,41 基板
13,23,33,43 記録層
14,24,34,44 中間層
15,25,35 再生層
17 磁気ヘッド
45 第1再生層
46 第2再生層
13,23,33,43 記録層
14,24,34,44 中間層
15,25,35 再生層
17 磁気ヘッド
45 第1再生層
46 第2再生層
Claims (6)
- 基板上に複数の磁性層を備えており、前記基板側に照射されるビーム光のスポット径よりも小さな記録ビットをビーム光照射領域に対応して再生層領域に形成されるマスク領域によって挟まれた開口部から磁気再生することが可能とされた情報記録媒体であって、
光磁気記録が可能な第1磁性層を前記基板に近い側に、第2磁性層を前記基板から遠い側に備え、前記第1磁性層に記録された磁化方向が前記第2磁性層に転写される場合に、該転写は交換結合力により行われ、該交換結合力は温度により変化する構成とされていることを特徴とする情報記録媒体。 - 基板上に複数の磁性層を備えており、前記基板側に照射されるビーム光のスポット径よりも小さな記録ビットをビーム光照射領域に対応して再生層領域に形成されるマスク領域によって挟まれた開口部から磁気再生することが可能とされた情報記録媒体であって、
光磁気記録が可能な第1磁性層を前記基板に近い側に、第2磁性層を前記基板から遠い側に備え、前記第1磁性層に記録された磁化方向が前記第2磁性層に転写される場合に、該転写は静磁結合力により行われ、該静磁結合力は温度により変化する構成とされていることを特徴とする情報記録媒体。 - 前記第2磁性層がGdFeCo膜、Pt/Co多層膜、またはGdFeCo膜とPt/Co多層膜との交換結合膜のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の情報記録媒体。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載の情報記録媒体の再生方法であって、
前記基板側にビーム光を照射することにより該ビーム光の照射領域に対応する開口部を前記第2磁性層に形成し、前記第1磁性層から転写された前記開口部の磁化方向を前記情報記録媒体と相対移動する磁気ヘッドにより検出し、この検出結果に基づいて、前記情報記録媒体に記録された情報を再生することを特徴とする情報記録媒体の再生方法。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の情報記録媒体の再生方法であって、
前記基板側にビーム光を照射することにより該ビーム光の照射領域に対応する開口部を前記第2磁性層に形成し、前記第1磁性層から転写された前記開口部の磁化方向を前記基板と反対側の面に対向して配され前記情報記録媒体と相対移動する磁気ヘッドにより検出し、この検出結果に基づいて、前記情報記録媒体に記録された情報を再生することを特徴とする情報記録媒体の再生方法。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の情報記録媒体の再生装置であって、
前記情報記録媒体の基板側からレーザ光を照射するためのレーザ光照射手段と、前記情報記録媒体のレーザ光照射領域の近傍に再生磁界を印加する再生磁界印加手段と、前記第2磁性層側に配置され第2磁性層の磁化を検出する磁気ヘッドとを備えたことを特徴とする情報記録媒体の再生装置。
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JP (1) | JP2004039249A (ja) |
-
2003
- 2003-08-28 JP JP2003305505A patent/JP2004039249A/ja active Pending
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