JP3770385B2 - 光磁気ディスクの再生方法及び光磁気ディスク装置 - Google Patents

光磁気ディスクの再生方法及び光磁気ディスク装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ビームを用いて、情報の再生、記録及び消去を行う光ディスクの再生方法及び光ディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、再生、記録及び消去を行うことができる光ディスクは、開発が進められており、民生用やデータ保存用として広く使用されてきている。光ディスクにおいては、その大容量化への要望が大きく、鋭意実用化が目指されている。
【0003】
高密度化への対応としては、まず、光ビームスポット径を小さくすることが考えられた。光ディスクに照射された光ビームのスポット径は、光ビームの波長をλ、対物レンズの開口数をNAとすると、λ/NAに比例する。従って、光ビームの短波長化、対物レンズの高NA化を図ることによって、ビームスポットの小径化ができる。
【0004】
また、NAが大きくなれば焦点深度が浅くなること、光ディスクのチルトの影響を抑制することの点から、従来の、光ディスクに対して基板側から光ビーム入射を行うのではなく、層面側(膜面側)から光ビームを入射させることが検討されている。
【0005】
この場合、浮上スライダーに高NA化のために2枚のレンズを組み合わせた対物レンズを搭載し、線速を一定に保ち対物レンズと光ディスクとの間隔を一定にすることにより、焦点位置を合わせることができる。
【0006】
別の高密度化技術として、記録層を2層以上積層し各層で独立にデータの記録再生を行うことにより記録密度を上げる方法が提案されている。上記方法では、記録密度が記録層の層数の増加分だけ向上することになり高密度化の効果が非常に高い。
【0007】
このような方法においては、各記録層を光ビームの焦点深度以上に互いに離し、光ビームの焦点位置を変えることにより各記録層の信号を干渉させずに独立に再生する方法や、焦点深度内に2層以上を積層し、波長の異なる光ビームを用いて各層の信号を再生する方法等が提案されている。
【0008】
さらに、光磁気ディスクにおいては、高密度化技術として再生層に、情報としての記録マークを拡大転写し信号を増幅させて再生を行う磁区拡大再生方式が提案されている。磁区拡大再生を行うことにより、再生信号強度を増大させることが可能となり、高密度化により記録ビット径が小さくなった場合の再生特性を向上することができる。
【0009】
また、特開平8−7350号公報(公開日1996年1月12日)および第20回日本応用磁気学会学術講演概要集,22p,E-4,p313(1996)においては、記録信号に同期したパルス磁界を再生時に印加させて磁区拡大に加え、縮小させることにより、再生信号強度を増大させると共に再生のクロストークを改善した光磁気記録媒体の再生方法が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、磁区拡大再生方式と多層技術を組み合わせて高密度化を行おうとした場合、光ビームの入射側から遠い位置にある記録層の再生時に、光ビームの通過部に他の再生層及び記録層が存在するため、その影響を受ける。光ビームの入射側から遠い位置にある記録層に光ビームを到達させるためには、その手前にある再生層及び記録層の透過率を上げる必要がある。光入射側にある再生層及び記録層の透過率を上げるためには、層厚を薄くする必要があり、この場合、磁区拡大再生動作を実現するための層設計は非常に難しくなる。
【0011】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、磁区拡大再生媒体を多層化した場合にも、各記録層の信号を容易に再生できる、光ディスクの再生方法及び光ディスク装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、
本発明に係る光ディスクの再生方法は、上記課題を解決するために、少なくとも2層の記録層と、再生層とを有した光ディスク媒体に対して、少なくとも4値の再生磁界を印加しながら再生を行うことを特徴としている。
【0013】
上記方法によれば、少なくとも2層の記録層における層方向での垂直磁化方向により表される記録信号の各組み合わせに対して、少なくとも4値の再生磁界を印加しながら再生を行うことにより、上記各組み合わせに応じて、再生層に転写される垂直磁化方向である転写信号(再生信号)の転写領域の長さ、つまり時間的な長さを変化させることが可能となる。このとき、上記方法においては、各記録層より再生層を光入射側に配置することで、各記録層から再生層に対して磁区拡大転写できる。
【0014】
これにより、上記方法では、再生層に転写される垂直磁化方向の時間的な長さの変化に基づいて異なる記録層の記録信号を容易に、同時に再生することができ、記録密度を上げることが可能となると共に再生速度も大きくできる。
【0015】
その上、上記方法においては、再生層を介して各記録層の記録信号を同時に再生できるので、従来のように光入射側にある再生層及び記録層の透過率を上げるために、光入射側にある再生層及び記録層の層厚を薄くする必要を回避できて、磁区拡大再生動作を実現するための層設計の自由度を大きくできる。
【0016】
上記光ディスクの再生方法では、少なくとも2層の記録層の記録信号を、再生層に拡大転写することにより再生を行ってもよい。
【0017】
上記方法によれば、各記録層における記録マーク長を短くすることができ、記録密度をさらに上げることが可能となる。
【0018】
上記光ディスクの再生方法においては、光ディスクの層面側から光ビームを入射させ再生を行ってもよい。
【0019】
上記方法によれば、光ビームを集光する対物レンズを各記録層や再生層に、より近接させることができて、上記対物レンズのNAを上げることが容易となり、ビームスポット径を小さくでき、記録密度をさらに上げることが可能となる。
【0020】
上記光ディスクの再生方法では、再生磁界に加え、DCの補助磁界を印加しながら再生を行ってもよい。上記方法によれば、補助磁界の印加によって、再生磁界の大きさを低減することが可能となる。
【0021】
本発明の光ディスク装置は、前記課題を解決するために、記録層及び再生層を基板上に備える光ディスク媒体に対して、光学系からの光を照射して、上記記録層の情報が再生層を介して再生される光ディスク装置において、光ディスク媒体は、少なくとも2層の記録層を有し、光ディスク媒体に対して、少なくとも4値の再生磁界を印加する磁界印加手段が設けられていることを特徴としている。
【0022】
上記構成によれば、異なる記録層の記録信号を容易に再生することができ、記録密度を上げることが可能となると共に、磁区拡大再生動作を実現するための層設計の自由度を大きくできる。
【0023】
上記光ディスク装置においては、光ディスク媒体の層面側に光学系及び磁界印加手段を設けてもよい。上記構成によれば、光ディスクの層面側から光ビームを入射させ再生することができ、記録密度をさらに上げることが可能となる。
【0024】
上記光ディスク装置では、光ディスクの基板側に補助磁界印加手段を設けてもよい。
【0025】
上記構成によれば、基板側の補助磁界印加手段によってDCの補助磁界を印加することにより、再生磁界の大きさを低減することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の各形態について図1乃至図7に基づいて、それぞれ詳細に説明する。
【0027】
(第1の実施の形態)
本発明に係る光ディスク装置における第1の実施の形態について図1乃至図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0028】
図1は本実施の形態に係る光ディスク装置の構成図を示す。光源1から出射されて光ビーム2は、ビームスプリッタ3を通り、対物レンズ4を介して、基板12側から光ディスク5に照射される。光源1には青紫色半導体レーザを用い、その波長λは400nm〜410nmである。対物レンズ4のNAは0.55〜0.65である。
【0029】
光ディスク5の媒体面側には、磁気ヘッド6が光ディスク5を挟んで、上記対物レンズ4と対面する位置(つまり、対物レンズ4により集光される光ビーム2の光軸上)に配置されている。上記磁気ヘッド6は、光ディスク5内において、上記光ディスク5の再生層14、第1及び第2記録層16、18の垂直磁化の方向と略平行となる磁界を発生するようになっていて、上記光ディスク5に対して、記録磁界及び再生磁界を印加するために用いられる。
【0030】
光ディスク5からの戻り光は、ビームスプリッタ3にてほぼ90度の角度で反射され、続いて、ビームスプリッタ7を通り、偏光ビームスプリッタ9により2分割され、各光検出器10、11にそれぞれ入射される。
【0031】
各光検出器10、11に入射された光は電気信号に変換され、これらの差動信号から光磁気再生信号が生成される。また、ビームスプリッタ7で分離されたもう一方の光は、光検出器8に入射され、サーボ信号やクロック信号がそれぞれ生成される。
【0032】
よって、図には示していないが、上記光ディスク装置では、光ビーム2と光ディスク5の記録用トラックとを、互いに相対移動できるように、上記光ディスク5が、例えばスピンドルモータにより光ディスク5の中心軸を回転軸として回転駆動されるようになっている。上記記録用トラックは、らせん状又は同心円状に形成されている。
【0033】
図2は本実施の形態で用いた、光ディスク5としての光磁気ディスクの概略断面図を示す。本実施に用いた光ディスク5は、図2に示すように、基板12、透明誘電体層13、再生層14、非磁性中間層15、第1記録層16、非磁性中間層17、第2記録層18、記録補助層19、保護層20、放熱層21、オーバーコート層22が、この順にて積層された構成になっている。
【0034】
このような光ディスク5では、その記録方式としてキュリー温度記録方式が用いられており、第1記録層16や第2記録層18の記録用トラック上の各記録ビットに対する、昇温や記録磁界の大きさをそれぞれ変えることにより、第1及び第2記録層16、18に対して独立して情報をデジタル式にて記録を行うことができる。
【0035】
第1及び第2記録層16、18にそれぞれ記録された信号は、再生層14を介して、極カー効果として知られている光磁気効果によって再生されるようになっている。上記極カー効果とは、磁性層(例えば、再生層14)における、入射表面方向に対して垂直な磁化の反平行な各向きにより、上記磁性層からの反射光の偏光面における回転の向きが逆方向になる現象である。
【0036】
基板12は、光透過性を有するポリカーボネート等のプラスチック樹脂材からなり、ディスク状に形成される。図には示していないが、基板12上にはトラッキング用の案内溝やアドレス情報等が記録用トラックに沿ってプリフォーマットされている。透明誘電体層13は、AlN、SiN、AlSiN等の酸素を含まない材料で構成されている。
【0037】
再生層14は、GdFeCo等の希土類遷移金属合金、または、希土類金属、または、遷移金属を主成分とする磁性層であり、その磁気特性が、再生温度近傍において、垂直磁化を示し、かつ、保磁力が小さくなるように組成調整されている。
【0038】
各非磁性中間層15、17は、AlN、SiN、AlSiN等の誘電体、または、Al、Ti、Ta等の非磁性金属合金からなり、再生層14と、第1記録層16及び第2記録層18とが互いに静磁結合すべく、その層厚が1〜40nmに設定されている。
【0039】
第1記録層16、第2記録層18は、希土類遷移金属合金からなる垂直磁化層からなり、室温で保磁力の大きなTbFeCo、DyFeCoまたはTbDyFeCo等で構成されている。
【0040】
記録補助層19は、第2記録層18と交換結合し、第2記録層18の記録磁界を低減する目的で形成されるもので、希土類遷移金属合金、または、希土類金属、または、遷移金属を主成分とする磁性層で構成されている。
【0041】
保護層20は、AlN、SiN、AlSiN等の誘電体、または、Al、Ti、Ta等の非磁性金属合金からなり、再生層14、第1記録層16や第2記録層18に用いる希土類遷移金属合金の酸化を防止する目的で形成されるものであり、その層厚が5nm〜60nmの範囲に設定されている。
【0042】
放熱層21は、記録および再生時に熱を効率良く逃がすための層であり、AlもしくはAlを含む合金層からなり、反射層としても機能している。
【0043】
オーバーコート層22は、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂をスピンコートにより塗布して、紫外線を照射するか、または加熱するかによって形成される。オーバーコート層22上には、必要に応じて、潤滑層や帯電防止層が形成されている。
【0044】
次に、本実施の形態に係る再生方法について説明する。図3に再生磁界の印加方法を示す。まず、集光された光ビーム2を照射しながら回転する光ディスク5において、集光された光ビーム2が記録ビットの最短マークを通過する時間を1周期(T)として、1周期の間にL1、L2、L3、L4の4つレベル(4値)の再生磁界を、互いに同時間(T/4)ずつ、上記光ビーム2の照射位置に、その照射位置の反対側から、前記磁気ヘッド6によって順次印加し、これを繰り返しながら再生を行う。
【0045】
再生温度近傍での、再生層14の保磁力をHcr、第1記録層16から再生層14への静磁界の大きさをHs1、第2記録層18から再生層14への静磁界の大きさをHs2、再生層14への再生層14から以外の漏れ磁界(主に第1記録層16及び第2記録層18から)の向きが下向き(再生層14から第1記録層16に向かう方向、かつ光ビーム2の光軸と略平行)で大きさをHbとした場合、
Hs1>Hs2 ‐‐(1)
Hcr+Hs1+Hs2+Hb>L1>Hcr+Hs1−Hs2+Hb ‐‐(2)
Hcr+Hs1−Hs2+Hb>L2>Hcr−Hs1+Hs2+Hb ‐‐(3)
−Hcr−Hs1+Hs2+Hb>L3>−Hcr−Hs1−Hs2+Hb ‐‐(4)
L4<−Hcr−Hs1−Hs2+Hb ‐‐(5)
の条件を満足するよう、再生層14、第1記録層16及び第2記録層18の各層の磁気特性を調整する。
【0046】
光磁気ディスクである光ディスク5では垂直磁化の上向き(下向きに対して反平行)及び下向きが、記録信号としてデジタル信号の0及び1にそれぞれ対応しており、第1記録層16のデジタル信号が1、第2記録層18のデジタル信号が1の場合を記録信号(1、1)と表すとすると、第1及び第2各記録層16、18において、層方向に互いに隣り合った各記録信号は(1、1)、(1、0)、(0、1)、(0、0)の4つのパターンが存在する。
【0047】
上記(1)から(5)式を満足する場合、記録信号(1、1)では再生磁界L1、L2、L3で、記録信号(1、0)では再生磁界L1、L2で、記録信号(0、1)ではL1でそれぞれ磁区拡大再生が第1及び第2各記録層16、18から再生層14に対して行われる。また、記録信号(0、0)では磁区拡大再生は行われない。このような4値の再生磁界を用いたとき、各記録信号パターンに対する再生信号波形を図4に示す。
【0048】
再生信号は、記録信号(1、1)では長さ3T/4、記録信号(1、0)では長さ2T/4、記録信号(0、1)では長さT/4の磁区拡大再生信号が検出される。また、記録信号(0、0)では磁区拡大再生信号が検出されない。
【0049】
したがって、再生信号に対して、0から3T/4の4種類の長さを検出することにより、第1記録層16及び第2記録層18の各記録信号を同時に再生することが可能となる。
【0050】
以上の説明では、記録層が2層の場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、記録層が3層の場合は8値(2n 値、nは記録層の数)の再生磁界を印加することにより、同様にして各記録層の記録信号を再生することが可能である。
【0051】
次に、光磁気ディスクである上記光ディスク5を用いて磁区拡大再生を確認する試験を行った。試験には、基板12が0.6mm厚のポリカーボネート基板、透明誘電体層13、非磁性中間層15,17及び保護層20がSiN、再生層14がGdFeCo、第1記録層16及び第2記録層18がTbFeCo、記録補助層19がGdFe、放熱層21がAlTi、オーバーコート層22の層厚が5μmの光ディスク5を用いた。
【0052】
基板12には、0.8μmピッチで、幅0.4μm、深さ35nmの記録用トラックが形成されている。
【0053】
再生温度近傍での、再生層14の保磁力Hcrは30Oe、第1記録層16から再生層14への静磁界の大きさHs1は140Oe、第2記録層18から再生層14への静磁界の大きさHs2は70Oe、再生層14へのそれ以外の下向きの漏れ磁界の大きさHbは50Oeであった。
【0054】
本実施の形態に用いた光ディスク装置のレーザ波長は405nm、対物レンズのNAは0.6であった。
【0055】
上記光ディスク5に対しては、線速度3m/sで、最短マーク長0.3μmの(1,7)RLL(run length limited、実行長制限)変調コードを記録信号として第1記録層16及び第2記録層18それぞれに記録した。上記光ディスク5を、記録信号の1周期(T)に同期させた4値の再生磁界を印加することにより再生を行った。再生磁界の4値は、前記の式(1)〜(5)に基づいて、L1を+200Oe、L2を+100Oe、L3を−100Oe及び、L4を−200Oeとした。
【0056】
なお、+は、再生磁界の向きが上向き(再生層14から対物レンズ4に向かう方向)、−は、再生磁界の向きが下向き(対物レンズ4から再生層14に向かう方向)である。また、各L1、L2、L3、L4の設定については、それらの臨界値より20%程度、離れた値とするのが好ましく、より好ましくは、想定された漏れ磁界の大きさHb程度、離れた値とすることである。上記の上向き、下向きや、各L1、L2、L3、L4の設定に関しては、以下の各実施例でも同様である。
【0057】
実験の結果、図4に示した記録信号パターンの対応した再生信号が得られ、再生信号より、第1記録層16及び第2記録層18の記録信号を同時に再生することができた。
【0058】
最短マーク長を0.2μm、0.15μmで同様の実験を行った結果、最短マーク長0.3μmの場合と同程度の再生信号振幅が得られ、磁区拡大再生が行われていることが確認された。
【0059】
(第2の実施の形態)
本発明に係る光ディスク装置における第2の実施の形態について図5及び図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0060】
図5は本実施の形態に係る光ディスク装置の構成図を示す。光源1から出射されて光ビーム2は、ビームスプリッタ3を通り、ミラー23で反射し、浮上スライダー24に搭載された対物レンズ25を介して、層面側から光ディスク28に照射される。光源1には青紫色半導体レーザを用い、λは400nm〜410nmである。対物レンズ25は,例えばレンズ間隔一定の2枚のレンズから構成され、NAは0.8〜0.9である。
【0061】
浮上スライダー24は板ばねからなるサスペンション27に取り付けられており、光ディスク5の回転線速を一定にして浮上量を一定に保つことにより、記録層へのフォーカシングを行う。浮上スライダー24には、対物レンズ25以外に、記録磁界もしくは再生磁界を発生させるための磁気コイル26が搭載されている。
【0062】
光ディスク28からの戻り光は、ミラー23で反射し、ビームスプリッタ3及び7を通り、偏光ビームスプリッタ9により2分割され、各光検出器10、11にそれぞれ入射される。各光検出器10、11に入射された光は電気信号に変換され、これらの差動信号から光磁気再生信号が生成される。また、ビームスプリッタ7で分離されたもう一方の光は、光検出器8に入射されサーボ信号が生成される。
【0063】
図6は本実施の形態で用いた光磁気ディスクの断面図を示す。本実施に用いた光磁気ディスクである光ディスク28は、図6に示すように、オーバーコート層22、透明誘電体層13、再生層14、非磁性中間層15、第1記録層16、非磁性中間層17、第2記録層18、記録補助層19、保護層20、放熱層21、基板12が、この順にて積層された構成になっている。
【0064】
各層の材料は、第1の実施の形態と同様であり、基板12に対して逆順に積層されており、オーバーコート層22側から記録再生を行う。記録用トラックが形成された基板12に対して反対側から記録再生を行うため、基板12の反り(チルト)の影響が小さく、対物レンズ25のNAを高くすることができるので、光ディスク28の記録の高密度化が可能となる。
【0065】
次に、この光磁気ディスクである光ディスク28を用いて磁区拡大再生を確認する試験を行った。試験には、基板12が0.6mm厚のポリカーボネート基板、透明誘電体層13、各非磁性中間層15、17及び保護層20がSiN、再生層14がGdFeCo、第1記録層16及び第2記録層18がTbFeCo、記録補助層19がGdFe、放熱層21がAlTi、オーバーコート層22の層厚が5μmの光ディスク28を用いた。さらに、基板12には、0.5μmピッチで、幅0.25μm、深さ50nmの記録用トラックが形成されている。
【0066】
上記光ディスク28においては、再生温度近傍での、再生層14の保磁力Hcrは30Oe、第1記録層16から再生層14への静磁界の大きさHs1は140Oe、第2記録層18から再生層14への静磁界の大きさHs2は70Oe、再生層14へのそれ以外の下向きの漏れ磁界大きさHbは50Oeであった。
【0067】
本実施の形態に用いた光ディスク装置における光源1のレーザ波長は405nm、対物レンズ4のNAは0.9であった。
【0068】
用いた光ディスク28に対しては、線速度3m/sで、最短マーク長0.2μmにて、(1,7)RLL変調コードを記録信号として第1記録層16及び第2記録層18それぞれに記録した。その光ディスク28を、記録信号に同期させた4値の再生磁界を印加することにより再生を行った。再生磁界の4値は、前記の式(1)〜(5)に基づいて、+200Oe、+100Oe、−100Oe及び、−200Oeとした。
【0069】
試験の結果、図4に示した記録信号パターンの対応した再生信号が得られ、再生信号より、第1記録層16及び第2記録層18の記録信号を同時に再生することができた。
【0070】
最短マーク長を0.15μm、0.1μmで同様の試験をそれぞれ行った結果、最短マーク長0.2μmの場合と同程度の再生信号振幅が得られ、磁区拡大再生が行われていることが確認された。
【0071】
(第3の実施の形態)
本発明に係る光ディスク装置における第3の実施の形態について図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。図7は本実施の形態に係る光ディスク装置の構成図を示す。
【0072】
光ディスク28の基板12側に、新たな磁気ヘッド29が配置されている以外は、上述した第2の実施の形態と同様の構成である。磁気ヘッド29は、再生時にDCの補助磁界を上記光ディスク28に対して印加するために用いられる。
【0073】
次に、図6に示した光ディスクを用いて磁区拡大再生を確認するための試験を行った。試験には、基板12が0.6mm厚のポリカーボネート基板、透明誘電体層13、非磁性中間層15,17及び保護層20がSiN、再生層14がGdFeCo、第1記録層16及び第2記録層18がTbFeCo、記録補助層19がGdFe、放熱層21がAlTi、オーバーコート層22の層厚が5μmの光ディスク28を用いた。基板12には、0.5μmピッチで、幅0.25μm、深さ50nmの記録用トラックが形成されている。
【0074】
上記光ディスク28では、再生温度近傍での、再生層14の保磁力Hcrは30Oe、第1記録層16から再生層14への静磁界の大きさHs1は140Oe、第2記録層18から再生層14への静磁界の大きさHs2は70Oe、再生層14へのそれ以外の下向きの漏れ磁界大きさHbは50Oeであった。
【0075】
本実施の形態に用いた光ディスク装置のレーザ波長は405nm、対物レンズのNAは0.9であった。
【0076】
上記光ディスク28に対しては、線速度3m/sで、最短マーク長0.2μmの(1,7)RLL変調コードを第1記録層16及び第2記録層18それぞれに記録し、記録信号に同期させた4値の再生磁界を印加した。上記光ディスク28を、さらに、DCの補助磁界を印加することにより再生を行った。
【0077】
再生磁界の4値は+170Oe、+100Oe、−100Oe及び、−170Oeとし、DC補助磁界は下向きに20Oe印加した。
【0078】
試験の結果、図4に示した記録信号パターンの対応した再生信号が得られ、再生信号より、第1記録層16及び第2記録層18の記録信号を同時に再生することができた。
【0079】
上記光ディスク28に対して、最短マーク長を0.15μm、0.1μmで同様の試験をそれぞれ行った結果、最短マーク長0.2μmの場合と同程度の再生信号振幅が得られ、磁区拡大再生が行われていることが確認された。
【0080】
第2の実施の形態と比べ、再生時に補助磁界を印加することにより、再生磁界の大きさを±200Oeから±170Oeに低減することができた。
【0081】
【発明の効果】
本発明の光ディスクの再生方法は、以上のように、少なくとも2層の記録層と、再生層とを有した光ディスク媒体に対して、少なくとも4値の再生磁界を印加しながら再生を行う方法である。
【0082】
それゆえ、上記方法は、異なる記録層の記録信号を容易に再生することができ、記録密度を上げると共に、再生速度も向上できるという効果を奏する。
【0083】
本発明の光ディスク装置は、以上のように、少なくとも2層の記録層と、再生層を有した光ディスク媒体に対して、少なくとも4値の再生磁界を印加する磁界印加手段を設けた構成である。
【0084】
それゆえ、上記構成は、異なる記録層の記録信号を容易に再生することができ、記録密度を上げても、再生速度を改善することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態における光ディスク装置の構成図である。
【図2】本発明に係る第1の実施の形態で用いた光磁気ディスクの断面図である。
【図3】本発明に係る再生磁界の印加方法を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明に係る各記録信号パターンに対する再生信号波形を示す波形図である。
【図5】本発明に係る第2の実施の形態における光ディスク装置の構成図である。
【図6】本発明に係る第2の実施の形態で用いた光磁気ディスクの断面図である。
【図7】本発明に係る第3の実施の形態における光ディスク装置の構成図である。
【符号の説明】
1 光源
2 光ビーム
3、7 ビームスプリッタ
4、25 対物レンズ
5、28 光ディスク
6、29 磁気ヘッド
8、10、11 光検出器
9 偏光ビームスプリッタ
12 基板
13 透明誘電体層
14 再生層
15、17 非磁性中間層
16 第1記録層
18 第2記録層
19 記録補助層
20 保護層
21 放熱層
22 オーバーコート層
23 ミラー
24 浮上スライダー
26 磁気コイル
27 サスペンション

Claims (7)

  1. 光透過性を有する基板上に、少なくとも、その磁気特性が再生温度近傍において垂直磁化を示す磁性層からなる再生層と、垂直磁化層からなる第1の記録層および第2の記録層と、非磁性材料からなる非磁性中間層とが、再生層、非磁性中間層、第1の記録層、非磁性中間層、第2の記録層の順に積層され、再生層と第1および第2の記録層とが互いに静磁結合された磁区拡大再生される磁気ディスク媒体に対して、
    再生温度近傍での、再生層の保磁力をHcr、第1記録層から再生層への静磁界の大きさをHs1、第2記録層から再生層への静磁界の大きさをHs2、再生層への漏れ磁界の向きが第1記録層に向かう方向で大きさをHbとした場合、
    Hs1>Hs2
    Hcr+Hs1+Hs2+Hb>L1>Hcr+Hs1−Hs2+Hb
    Hcr+Hs1−Hs2+Hb>L2>Hcr−Hs1+Hs2+Hb
    −Hcr−Hs1+Hs2+Hb>L3>−Hcr−Hs1−Hs2+Hb
    L4<−Hcr−Hs1−Hs2+Hb
    の条件を満足する、L1、L2、L3、L4の4値の再生磁界を印加しながら再生を行うことを特徴とする光磁気ディスクの再生方法。
  2. 請求項1に記載の光磁気ディスクの再生方法において、
    少なくとも2層の記録層の記録信号を、再生層に拡大転写することにより再生を行うことを特徴とする光磁気ディスクの再生方法。
  3. 請求項1又は2に記載の光磁気ディスクの再生方法において、
    磁気ディスクの層面側から光ビームを入射させ再生を行うことを特徴とする光磁気ディスクの再生方法。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の光磁気ディスクの再生方法において、
    再生磁界に加え、DCの補助磁界を印加しながら再生を行うことを特徴とする光磁気ディスクの再生方法。
  5. 光透過性を有する基板上に、少なくとも、その磁気特性が再生温度近傍において垂直磁化を示す磁性層からなる再生層と、垂直磁化層からなる第1の記録層および第2の記録層と、非磁性材料からなる非磁性中間層とが、再生層、非磁性中間層、第1の記録層、非磁性中間層、第2の記録層の順に積層され、再生層と第1および第2の記録層とが互いに静磁結合された磁区拡大再生される磁気ディスク媒体に対して、光学系からの光を照射して、上記記録層の情報が再生層を介して再生される光磁気ディスク装置において、
    上記磁気ディスク媒体に対して、
    再生温度近傍での、再生層の保磁力をHcr、第1記録層から再生層への静磁界の大きさをHs1、第2記録層から再生層への静磁界の大きさをHs2、再生層への漏れ磁界の向きが第1記録層に向かう方向で大きさをHbとした場合、
    Hs1>Hs2
    Hcr+Hs1+Hs2+Hb>L1>Hcr+Hs1−Hs2+Hb
    Hcr+Hs1−Hs2+Hb>L2>Hcr−Hs1+Hs2+Hb
    −Hcr−Hs1+Hs2+Hb>L3>−Hcr−Hs1−Hs2+Hb
    L4<−Hcr−Hs1−Hs2+Hb
    の条件を満足する、
    L1、L2、L3、L4の4値の再生磁界を印加する磁界印加手段が設けられていることを特徴とする光磁気ディスク装置。
  6. 請求項5に記載の光磁気ディスク装置において、光磁気ディスク媒体の層面側に光学系及び磁界印加手段を設けたことを特徴とする光磁気ディスク装置。
  7. 請求項6に記載の光磁気ディスク装置において、光磁気ディスク媒体の基板側に補助磁界印加手段を設けたことを特徴とする光磁気ディスク装置。
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