JP2003287325A - 凍結濃縮方法およびその装置 - Google Patents

凍結濃縮方法およびその装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】濃縮分離性能を維持しながらも高倍率濃縮を可
能とする。 【解決手段】原液タンク2からの原液を凍結濃縮槽4に
おいて所定レベルまで凍結濃縮し、氷は槽4内に保持し
処理済液は処理済液タンク3に取り出す。そして、取り
出した処理済液を、後の工程の凍結濃縮処理において槽
4内に供給し、濃縮途中の被処理液に追加するようにす
る。取り出した処理済液を原液タンク2内の原液に追加
するようにしても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃水の減容化、海
水の淡水化のほか、食品、発酵、化学工業、製薬におけ
る濃縮処理、排水・汚水の処理等に用いられる、凍結濃
縮方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、かかる凍結濃縮はその重要性が増
してきており、各種の提案がなされている。凍結濃縮と
は、水溶液の水分のみを凍結させて、生成する氷結晶を
未凍結の濃縮液と分離することにより濃縮を達成する技
術であり、基本的には所定量の原液を所定の濃縮限度ま
で凍結濃縮するとともに、濃縮限度まで濃縮された処理
済液と氷分とを分離するものである。
【0003】凍結濃縮は、処理済液と氷分との分離の観
点からは、濃縮限度までの一回の濃縮処理を終えた後に
分離操作行う回分型と、濃縮過程で連続的に分離する連
続型とに大別される。また氷の生成・成長形態の観点か
らは、冷却伝熱面に氷を付着・成長させる前進凍結法
と、溶液中に粒状の氷を生成・成長させる懸濁結晶法と
に大別される。
【0004】特に前進凍結法の例としては、本出願人が
先の特開2001−47034号公報において提案して
いる凍結濃縮(凍結分離)装置がある。この凍結濃縮装
置は、晶析槽内に冷却コイルを設け、その上方に散水器
を設け、冷却コイルの下方に貯水部を設け、被処理液を
散水器から冷却コイルに対して散水し、この被処理液は
各冷却コイルと接触しながら下段側へ順次落下し、冷却
コイルと液膜状態で接触しながら流下する過程で被処理
液が冷却凍結されるように構成されたものである。ま
た、凍結せずに貯水部に至った被処理液は散水器に対し
て循環供給され、再度冷却される。これを繰り返すこと
によって、所定量の原液を濃縮限度(約10倍)まで濃
縮することができるというものである。濃縮限度に達し
た処理済液は系外に排出される。なお、以下ではこの技
術を流下液膜式凍結濃縮という。
【0005】また、特開平10−54629号公報記載
のものも前進凍結法の範疇に入るものである。この先行
技術は、冷却体表面における氷生成に際し、過冷却度が
大きすぎることによる氷結晶中への溶質取込を解決しよ
うとするものであり、このために蒸留水を用いて冷却体
表面に純氷を予め生成させておくことで、冷却体近傍の
処理液の過度な過冷却を抑制するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
凍結濃縮技術には下記のような問題点があった。第1
に、従来の凍結濃縮においては、所望の濃縮分離性能を
維持することを前提とした場合、濃縮倍率は10倍程度
が限界であることが問題であった。すなわち、従来の凍
結濃縮では、一回の濃縮(原液を所定の濃縮限度まで濃
縮すること)における濃縮倍率は10倍程度が限界であ
る。これに対して、処理済液を再び原液として凍結濃縮
処理を繰り返すことで濃縮倍率を更に上げることも考え
られるが、周知のように、凍結濃縮は濃縮開始時の処理
液濃度が高いほど、溶質が氷分に取り込まれやすくなり
濃縮分離性能が低下するため、10倍程度まで濃縮した
処理済液は高濃度故に濃縮分離効率が著しく低下する。
【0007】第2に、上記第1の問題点と関連して濃縮
分離性能を向上するために、前述の特開平10−546
29号公報記載の技術を採用することも考えられるが、
蒸留水およびこれを用いて冷却体表面に純氷を予め生成
するための機器・操作・エネルギーが必要になり、装置
が複雑になる、およびコストが嵩む等の問題点が発生す
る。
【0008】他方、第3に、上記本出願人による凍結濃
縮装置では、散水器からの落液量を多くする程、氷表面
の洗浄効果が高くなり濃縮分離効率が高くなる。また特
に製氷初期における濃縮分離性能が全体としての分離性
能に重大に影響する。しかるに落液量が多いほど、また
製氷初期ほど、散水器からの被処理液が各冷却コイルと
接触しながら下段側へ順次落下する際、部分的に被処理
液が冷却コイルに接触せずに落下する現象が発生し易く
なり、上記洗浄効果が低下する。したがって、かかる現
象を防止することが望まれた。
【0009】そこで、本発明の主たる課題は、濃縮分離
性能を維持しながらも高倍率濃縮を可能とすること、高
濃度原液であっても高い濃縮分離性能を発揮し、高純度
の氷の製造を可能とすること、および流下液膜式凍結濃
縮における冷却管と流下液との接触を確実にし、濃縮分
離効率を向上すること等にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明は次記のとおりである。 <請求項1記載の発明>原液を凍結濃縮処理により所定
レベルまで濃縮して氷分と処理済液とを得る工程、を繰
り返し行う凍結濃縮方法において、前記処理済液を、後
の工程における凍結濃縮処理の被処理液に追加する、こ
とを特徴とする凍結濃縮方法。
【0011】なお、以下の説明からも容易に理解される
ように、本発明の用語「処理済液」は、用語「被処理
液」とは概念的に異なるものである。用語「被処理液」
は原液または濃縮処理中の中途濃縮液を意味する。
【0012】(作用効果)本発明に従って、ある工程で
得た処理済液を以降の工程における凍結濃縮処理の被処
理液に追加した場合、両工程全体で見た場合の濃縮倍率
は、各工程単体で見た場合の濃縮倍率より大きく2倍未
満となる。しかも、処理済液の追加先工程における被処
理液の濃度が増加したとしても、当該追加先工程におけ
る凍結濃縮処理開始時の濃度は、当該追加した処理済液
の濃度と比べれば著しく低くて済む。
【0013】かかる本発明の原理を模式的に示したのが
図1である。同図では理解を容易にするために、原液が
処理済液となるまでの濃縮倍率を10倍とし、かつ処理
済液を原液に追加することとしているが、本発明はこれ
に限定されるものではない。
【0014】いま、図示のように第1工程において溶質
濃度1.0%,量100m3の原液を凍結濃縮により1
0倍濃縮した場合を考えると、得られる処理済液の溶質
濃度は10%で量は10m3であり、得られる氷は90
m3である。次いで第2工程において、本発明に従って
第1工程の処理済液を当該第2工程の新たな原液(量9
0m3)に追加し凍結濃縮により10倍濃縮を行うと、
処理開始時の濃度は1.9%以下であり、被処理液の濃
度は1.9%であり、得られる処理済液の溶質濃度は1
9%で量は10m3である。以降同様の工程を繰り返す
ことによって、更に高濃度への濃縮が可能となる。しか
も各工程における凍結濃縮処理開始時の溶質濃度は第5
工程に至っても、第1工程の処理済液濃度の半分以下で
ある。かくして、本発明によれば濃縮分離性能を維持し
ながらも高倍率濃縮が可能となるのである。
【0015】<請求項2記載の発明>前記追加に際し、
前記処理済液を、後の工程における凍結濃縮途中の中途
濃縮液に追加する、請求項1記載の凍結濃縮方法。
【0016】(作用効果)図1では、処理済液を原液に
追加した場合の例を示したが、本発明では処理済液を後
の工程における凍結濃縮途中の中途濃縮液に追加するの
も望ましい形態である。この場合、全ての工程において
濃縮処理開始時は溶質濃度の低い原液での処理が可能と
なるから、溶質取込のおそれが実質的になくなる。特に
中途濃縮液の濃度が処理済液のそれと略等しくなった時
点で、当該中途濃縮液に処理済液を追加するのが好まし
い形態である。
【0017】<請求項3記載の発明>原液を凍結濃縮処
理により所定レベルまで濃縮して氷分と処理済液とを得
る工程、を繰り返し行う凍結濃縮装置において、前記処
理済液を、後の工程における凍結濃縮処理の被処理液に
追加する手段を備えた、ことを特徴とする凍結濃縮装
置。
【0018】(作用効果)請求項1記載の発明と同様の
作用効果を奏する。
【0019】<請求項4記載の発明>原液を凍結濃縮処
理により所定レベルまで濃縮して氷分と処理済液とを得
る工程、を繰り返し行う凍結濃縮方法において、各工程
で製造した氷の一部を次工程の凍結濃縮処理の種晶とし
て利用する、ことを特徴とする凍結濃縮方法。
【0020】(作用効果)このように、各工程で製造さ
れた氷の一部を次工程の凍結濃縮処理の種晶として利用
すると、次工程の濃縮処理において新たに種晶を生成す
る必要がなくなる。
【0021】特に前進凍結法に対してこれを適用した場
合、特開平10−54629号公報記載のような蒸留水
による種晶生成を行う場合と比べて、種晶生成のための
特別な機器、操作、エネルギーを不要としながらも、前
工程において生成した種晶の存在によって処理液の過度
な過冷却を抑制できるようになるという利点がある。
【0022】<請求項5記載の発明>同一の濃縮槽内
に、相互独立に前記工程を可能な複数の凍結部を設け、
前記氷の一部を次工程の種晶として利用するための再利
用処理を行う凍結部を、前記各工程毎に切り替えて、同
一の凍結部が複数工程連続して前記再利用処理を行わな
いようにする、請求項4記載の凍結濃縮方法。
【0023】(作用効果)このように、同一の濃縮槽内
に、相互独立に前記工程を可能な複数の凍結部を設けた
装置においては、片方の凍結部に氷が残存していれば濃
縮槽内全体が当該残氷により適温に保たれる。したがっ
て、同一の凍結部が複数工程連続して前記再利用処理を
行わないようにしても、常に、濃縮槽内全体が当該残氷
により適温に保たれ、どの凍結部においても前述の過冷
却防止効果が発揮されることになる。
【0024】しかも、この場合、各工程で製造された氷
の一部を次工程の凍結濃縮処理の種晶として利用したと
しても、氷相互の一体化による過大な氷の生成や、それ
により氷分の取出しが困難となること等が発生し難くな
る。
【0025】<請求項6記載の発明>原液を凍結濃縮処
理により所定レベルまで濃縮して氷分と処理済液とを得
る工程、を繰り返し行う凍結濃縮装置において、各工程
で製造された氷の一部を次工程の凍結濃縮処理の種晶と
して利用する手段を備えた、ことを特徴とする凍結濃縮
装置。
【0026】(作用効果)請求項4記載の発明と同様の
作用効果を奏する。
【0027】<請求項7記載の発明>複数の冷却管が上
下方向に所定の間隔をおいて平行に配置され、これらの
冷却管の上方に設けられた落液口から被処理液が落下供
給され、この被処理液は各冷却管と接触しながら下段側
の冷却管へ順次落下供給され、冷却管と接触しながら流
下する過程で被処理液が冷却凍結されるように構成され
た凍結濃縮装置であって、前記落液口が、前記冷却管の
径方向両側部の各上方位置および前記冷却管の径方向中
央部の上方位置にそれぞれ設けられ、これら落液口相互
における落液量が実質的に等しくされた、ことを特徴と
する凍結濃縮装置。
【0028】(作用効果)前述のとおり、本出願人らが
提案した特開2001−47034号公報に記載の凍結
濃縮のように冷却管に対して被処理液を落下供給する場
合、落液量が多いほど、また製氷初期ほど、散水器から
の被処理液が各冷却コイルと接触しながら下段側へ順次
落下する際、部分的に被処理液が冷却コイルに接触せず
に落下するようになり、主に氷表面の洗浄効果の低下に
より濃縮分離性能が低下する。
【0029】例えば図2(a)に示すように、冷却管C
の径方向中央部の上方位置から被処理液を落液させる
と、管上部に達した被処理液L1は管Cの両側をそれぞ
れ周り伝って下部に至りそこで合流した後に下段の冷却
管側に落下する。このように液体を自由落下させた場
合、その量的または位置的な揺らぎや、液体が管C表面
を伝う速度の差によって、管Cの一方側を周る液の遠心
力と他方側を回る液の遠心力量との差が大きくなると、
図示のように上段の冷却管Cから落下する被処理液L2
は直下の下段の冷却管Cへ向かう方向から逸れてしまう
ことが多い。この原理からも理解できるように、落液量
が多いほど上記遠心力差が大きくなるため、この現象が
発生し易くなる。
【0030】しかるに、本発明に従って、冷却管Cの径
方向両側部の各上方位置および冷却管Cの径方向中央部
の上方位置に落液口をそれぞれ設けると、図2(b)に
示すように、被処理液は各落液口Fs,Fc,Fsの位
置と対応して3列で落下するようになる。すなわち、中
央落液口Fcからの被処理液Lcは管Cの上部に至りそ
の後管Cの両側をそれぞれ周り伝って移動しようとす
る。ここで、管Cの両側部に向う被処理液Lcに対し
て、両側の側部落液口Fs,Fsから落下してくる、下
方に沿って移動しようとする被処理液Ls,Lsが合流
する。しかる後に、合流した被処理液Laはそのまま真
下に落下するものLsと、管Cの下端部に回り込み他方
側からの被処理液と合流して真下に落下するものLcと
に分かれる。この傾向は下段の冷却管Cにおいても同様
の落下形態となる。
【0031】この理由は定かではないが、おそらく、中
央の落液口Fcからの被処理液Lcが管Cの両側に回り
こむときに、管Cの両側部において両側の落液口Fs,
Fsからの被処理液Ls,Lsの合流により矯正される
ためであると考えられる。かくして、全体としての分離
性能に重大な影響を及ぼす製氷初期にあって、落水量の
増加による分離性能の向上を確実に図ることができるよ
うになる。
【0032】他方、冷却管に氷が付着しある程度まで成
長し、両側の落液口Fs,Fsからの被処理液Ls,L
sが氷の両側ではなく中央寄りの位置に落液するように
なると、かかる作用効果は発揮されない。しかし、かか
るレベルまで氷が大きくなると、上下段の氷間の距離が
小さくなることも相まって、多少落液方向がずれたとし
ても下段の氷と接触しないような事態にはならない。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
添付図面を参照しつつ詳説する。 <第1の実施形態:請求項1〜3記載の発明に関する> (装置)図3は、請求項1〜3記載の本発明に係る凍結
濃縮装置例1を示している。この凍結濃縮装置1は、原
液を一時的に貯留する原液タンク2と、処理済液タンク
3と、冷却手段を備えた凍結濃縮槽4と、冷凍機5と、
冷水取出装置6とで構成されたものである。
【0034】凍結濃縮槽4としては特に限定されるもの
ではないが、図示例では冷凍機5からの製氷用冷媒が流
通する冷却コイル4cが内部に設けられ、冷却コイル4
cの上方に離間して散水パン4pが設けられ、この散水
パンの底部には冷却コイル4cと対応して図示しない落
液口が設けられ、一方、冷却コイル4cの下方に貯液部
4wが設けられ、貯液部4wの貯留液面が冷却コイル4
cの下方に離間するように維持する構成のものが好適に
使用できる。この凍結濃縮槽4自体は、本出願人による
特開2001−47034号公報に記載のものと基本的
に同じであり、流下液膜式のものである。
【0035】貯液部4wの下部と散水パン4pとは第1
循環路r1を介して接続されている。第1循環路r1の
貯液部4w側および散水パン4p側にはそれぞれバルブ
a1,a4が介在され、またこれらの間に第1循環ポン
プP1が介在されている。
【0036】原液タンク2の上部は、導入流路2iを介
して第1循環路r1におけるバルブa4と第1循環ポン
プとの間に接続され、下部は送出流路2xを介して貯液
部4wの上部に接続されている。これらの導入流路2i
および送出流路2xにはバルブa3,a2がそれぞれ介
在されている。
【0037】処理済液タンク3も同様な接続形態となっ
ている。すなわち、その上部は導入流路3iを介して第
1循環路r1におけるバルブa4と第1循環ポンプとの
間に接続され、下部は送出流路3xを介して貯液部4w
の上部に接続されている。これらの導入流路3iおよび
送出流路3xにはバルブa5,a6がそれぞれ介在され
ている。
【0038】他方、本実施形態の凍結濃縮槽は冷却体表
面に氷を付着させる前進凍結法の範疇に属するものであ
るので、一般に製造した氷はそのまま取り出さずに解氷
して取り出す(回分型)。したがって、本実施形態では
熱交換器7と清浄水タンク8とから主に構成された冷水
取出装置6が設けられている。
【0039】熱交換器7は、貯液部4wの下部と散水パ
ン4pとを接続する第2循環路r2に介在されている。
第2循環路r2にはバルブb4が介在されている。ま
た、第2循環路r2における熱交換器7と貯液部4wと
の間にはバルブb1が配され、このバルブb1と熱交換
器7との間に第2循環ポンプP2が介在されている。
【0040】清浄水タンク8は主に凍結濃縮槽4を洗浄
するための清水を貯留しておくものであり、その上部は
導入流路8iを介して第2循環路r2におけるバルブb
4と第2循環ポンプP2との間に接続され、下部は送出
流路8xを介して貯液部4wの上部に接続されている。
これらの導入流路8iおよび送出流路8xにはバルブb
3,b2がそれぞれ介在されている。
【0041】(方法)かくして構成された凍結濃縮装置
1は、本発明に従って例えば次のように動作させること
ができる。先ず、装置1の運転を開始すると、図示しな
い制御装置によって解氷運転を行うか、製氷運転を行う
かが決定される。この判別は時刻によって、例えば安価
な夜間電力を使用して製氷運転を行う場合には夜間にな
ると製氷運転を開始し、昼間になると解氷運転を行うよ
うにしたり、また冷却コイル4cの貯留氷量を適宜の方
法で検出し、検出結果に応じて製氷を行うか解氷を行う
かを決定するように構成することもできるし、これらを
併用することもできる。ちなみに、上記のような流下液
膜式凍結濃縮槽4では原液供給量と貯液部4wの貯液量
を計測することによって貯留氷量を簡易かつ正確に計測
できるので、かかる制御に好適である。
【0042】さて、いま製氷コイル4cに全く氷が蓄え
られていない初期状態にあるとする。装置1の運転を開
始すると制御装置により自動的に製氷運転に入る。製氷
運転においては、先ず図4に示すように、バルブa2が
開かれて原液タンク2に予め蓄えられている原液が凍結
濃縮槽4の貯液部4w内に供給される。なお、図4から
後述する図16までの図面においては、理解を容易にす
るために各状態で利用されている流路を相対的に太い線
で示してあることに留意されたい。
【0043】貯液部4w内に所定量の原液が供給される
と、図5に示すようにバルブa2が閉じ、バルブa4が
開かれるとともに、第1循環ポンプP1が始動される。
また冷凍機5も始動され、冷却コイル4cに対して製氷
用冷媒が循環供給される。かくして、貯液部4w内の原
液は第1循環路を介して散水パン4pに供給され、散水
パン4pから冷却コイル4cに向って落下供給され、冷
却コイル4cに接触し且つこれを伝って流下する過程で
冷却され、一部は氷icとなって冷却コイル4cに付着
し、残部は冷却後に貯液部に戻される。かかる循環を繰
り返すことによって冷却コイル4cに付着した氷icが
次第に成長し、かつ循環される被処理液が氷icの成長
に伴い濃縮される。
【0044】ここで、凍結濃縮槽4の被処理液循環可能
量よりも氷貯留量が著しく大きい場合など必要に応じ
て、図6に示すように上記凍結濃縮処理を行いながらバ
ルブa2を開き、原液タンク2の貯留原液を凍結濃縮槽
4の貯液部4wに補給することも可能である。
【0045】次いで、循環している被処理液の濃縮度が
所定レベル、例えば凍結濃縮手法に応じて定まる濃縮限
度(図示形態のような流下液膜式の場合で濃縮倍率約1
0倍以下)に達したら冷凍機5、冷媒循環ポンプP3お
よび第1循環ポンプをそれぞれ停止させ製氷運転を停止
する。この停止時期は製氷量により決定することができ
る。
【0046】続いて本発明の処理済液の再利用を行うた
めに、本形態では貯液部4w内の処理済液の排出及び貯
留を行う。具体的には図7に示すように、バルブa4を
閉じるとともにバルブa1,a5を開け、第1循環ポン
プを利用して貯液部4w内の処理済液を処理済液タンク
に供給し貯留する。
【0047】ここで、凍結濃縮槽4内を含む被処理液の
循環経路、および冷却コイルに蓄えられた氷icには処
理済液と同レベルの濃縮液が残存付着しているため、こ
れをそのまま解氷すると濃縮倍率が低下する上、例えば
廃水の凍結濃縮等のように氷分を清浄水として得る必要
がある場合には清浄度が低下する。そこで、好適には解
氷運転に入る前に洗浄運転を行う。
【0048】具体的には図8に示すように、バルブa
2,a4を開き、原液タンク2の貯留原液を凍結濃縮槽
4の貯液部4wに補給するとともに、第1循環ポンプP
1を作動させて、新たに原液を凍結濃縮槽4内に供給
し、製氷時と同様に原液を循環させる。ただし、このと
き冷凍機4および冷媒ポンプP3は動作させないほうが
好ましい(動作させても良い。後述の清水洗浄において
も同じ)。かくして、新たな原液により第1循環路r1
および凍結濃縮槽4内を含む被処理液の循環経路全体と
ともに、冷却コイル4cの付着氷icが洗浄される。洗
浄が終了したならば、図9に示すようにバルブa2,a
4を閉じるとともにバルブa3を開けて、貯液部4wに
貯留された洗浄使用原液を第1循環ポンプP1を利用し
て原液タンク2に返送するのが望ましい。
【0049】さらに循環経路の清浄化が必要な場合に
は、次いで冷水取出装置6を利用して清水による洗浄を
行う。すなわち、図10に示すように、バルブb2のみ
を開けて清浄水タンク8内に貯留された清水を凍結濃縮
槽4の貯液部4wに所定量供給した後、図11に示すよ
うにバルブb2を閉じるとともに、バルブa1,a4を
開け第1循環ポンプP1を始動する。これにより清水が
第1循環路r1および凍結濃縮槽4内を介して循環さ
れ、当該循環経路が清水により洗浄されるとともに、冷
却コイル4cの付着氷icが更に清浄化される。洗浄が
終了したならば、図12に示すようにバルブa4を閉じ
るとともに、バルブa3を開けて、貯液部4wに貯留さ
れた洗浄使用清水を第1循環ポンプP1を利用して原液
タンク2に返送するのが望ましい。
【0050】必要に応じてかかる洗浄運転を行ったなら
ば、次に解氷運転に入る。先ず、好適には凍結濃縮槽4
における貯液部4wの液位を確認し、清水を補給する。
すなわち、本形態のように循環経路に散水パン4pのよ
うなバッファが存在すると循環液量が不足することがあ
るので、循環系統に一時的な貯留を行う。具体的な動作
は前述の図10の場合と同様である。
【0051】そして、必要に応じてかかる清水補給を行
った後に、図13に示すように、バルブb1,b4のみ
を開けるとともに第2循環ポンプP2を始動させ、貯液
部の清水を第2循環路を介して散水パン4pに循環供給
する。散水パン4pに供給された清水は冷却コイル4c
に向って落下供給され、冷却コイル4cに蓄えられた氷
icの表面を液膜状をなして伝いながら流下し、この過
程で氷icとの直接熱交換により冷却されて冷水とな
り、また氷icが溶解されて冷水が生成され、これらが
ともに貯液部4wに落下供給される。また図示形態のよ
うに熱交換器7を設けることによって循環される冷水の
冷熱を取出し、空調等のように冷熱を必要とする外部機
器に供給することができる。
【0052】ここに、貯液部4wの容量が処理水量より
も小さい場合、かかる解氷運転中に冷水循環量を例えば
貯液部の冷水貯留量により監視し、また冷水温度を例え
ば貯液部4wに温度測定装置を設ける等して監視し、冷
水循環量が所定レベルを超えたときには、循環効率を上
げるためにバルブb3を開けて、循環する冷水の一部を
清浄水タンクに排出するようにし、所定レベル以下とな
ったときにはバルブb3を閉じて清浄水タンク8への循
環清水の排出は行わないようにするのが好ましい。これ
により、常に循環系内の清水量が適切に保たれる。この
状態が図14に示されている。
【0053】かくして、所望のレベルでの冷熱の取出し
を確実かつ効率的に行うことができる。解氷が終了した
ならば、バルブb4を閉じることにより貯液部4wに残
された清水を第2循環ポンプを利用して清浄水タンク8
に排出させることができる。上記の解氷制御により逐一
循環冷水を清浄水タンクに排出しておくと、解氷が終了
した時の循環冷水量は非常に少ないため、かかる清浄水
の排出は極めて短時間で実行できる。
【0054】ただし、本発明では基本的に上記の解氷制
御は必須ではない。したがって、例えば図示形態におい
て、上記の解氷制御を行わずに、冷却コイル4cに蓄え
られた氷を全て解氷してから循環系内の清水を取り出す
ようにすることもできる。
【0055】かくして解氷運転が終了したならば、必要
に応じて前述の製氷運転に戻り、製氷を行う。すなわ
ち、必要に応じて製氷運転と解氷運転とを交互に繰り返
し行う。
【0056】さて、かかる基本的な運転形態において本
発明を適用する場合、例えば図15に示すように、製氷
運転中にバルブa6を開き、処理済液タンク3に貯留し
ておいた前工程の処理済液を、凍結濃縮槽4の貯液部4
wに供給し、凍結濃縮途中の中途濃縮液に追加するのが
望ましい。追加する処理済液は直前の工程のもののほか
複数回にわたる処理済液を貯留混合しておいたものを使
うこともできる。
【0057】かくして、追加前の工程と追加先の工程と
を全体としてみれば、濃縮倍率は、各工程単体で見た場
合の濃縮倍率より大きく2倍未満となり、高倍率濃縮が
可能となる。しかも、処理済液の追加先工程における被
処理液の濃度が増加したとしても、当該追加先工程にお
ける凍結濃縮処理開始時の濃度は、当該追加した処理済
液の濃度と比べれば著しく低くて済む。原理については
前述したので、ここではこれ以上の説明は省略する。
【0058】さらにこの形態では、処理済液を後の工程
における凍結濃縮途中の中途濃縮液に追加するため、全
ての工程において濃縮処理開始時は溶質濃度の低い原液
での処理が可能となり、もって溶質取込のおそれを実質
的に無くすことができる。このことからも判るように、
追加時期を、中途濃縮液の濃度が処理済液タンク内の処
理済液と略等しくなった時点とするのも好ましい形態で
ある。この場合、処理済液の追加による濃度変化は実質
的に存在しなくなる。
【0059】(その他) (い)本発明では、処理済液を後の工程の被処理液(原
液または中途濃縮液)に追加する限り、種々の変形が可
能であり、例えば前述の特開平10−54629号公報
記載の技術を応用して、製氷開始当初に清水を冷却コイ
ル表面に付着させ過度な過冷却を防止することもでき
る。
【0060】(ろ)また前述のとおり処理済液を原液に
追加することもできる。例えば上記実施形態において、
処理済液を排出するにあたり直接原液タンク2に供給
し、処理済液タンクを省略することもできる。また原液
追加および中途濃縮液に対する追加の両方を併用するこ
ともできる。
【0061】(は)このことからも判るように、本発明
では、同一の製氷工程において処理済液を一度に追加す
ることもできるし、複数回に分けて追加することもでき
る。
【0062】(に)以上のような処理済液追加を行う本
発明は、図示形態のような流下液膜式のみならず他の前
進凍結法にも応用でき、また懸濁結晶法にも応用が可能
である。また図示形態のように氷の取り出しを一連の工
程毎に行う回分型のほか、同一工程中に連続的な取出し
を行う連続型にも適用可能である。
【0063】<第2の実施形態:請求項4〜6記載の発
明に関する>請求項4及び6記載の発明においては、機
器構成は基本的に上記第1実施形態のものを用いること
ができる。ただしこの場合、制御形態は異なる。具体的
には、上記第1の実施形態における解氷運転に際し、冷
却コイル4cに蓄えられた氷icを完全に解氷せずに一
部を残したまま、次工程の製氷運転に移行する。かくし
て、製造氷の一部を次工程の凍結濃縮処理の種晶として
利用することができるようになる。この場合、次工程の
製氷運転において高濃度の被処理液を凍結濃縮する場合
であっても、前述したような過度な過冷却による溶質取
込の問題は発生し難くなる。
【0064】ただし、別の観点からみると問題もある。
すなわち、上記のような氷の再利用を行うと次工程で氷
が過大に成長する(例えばいくつかの氷の塊が一体化し
大きな塊となるなど)おそれがある。しかしこれは予測
不能であるため、定常運転を行っているつもりでも氷の
塊が次第に成長し、氷をそのまま凍結濃縮槽外へ取り出
す場合にはそれが不能になったり、解氷して取り出す場
合には解氷効率が著しく低下したりすることが発生しう
る。これは、前進凍結法であろうと懸濁結晶法であろう
と、また氷分の取り出しが回分式であろうと連続式であ
ろうと発生する問題点である。
【0065】図16は、かかる問題点を解決するため
に、請求項5記載の発明の凍結濃縮手法を第1の実施形
態の装置に応用した例を示している。すなわち図示形態
では、同一の濃縮槽4内に凍結部A,Bを一組設け、各
凍結部が、原液を凍結濃縮処理により所定レベルまで濃
縮して氷分と処理済液とを得る工程を相互独立に行いう
るように散水パンを相互独立に形成し、これらに対する
液体の供給の開始及び停止を相互独立に制御できるよう
に構成している。符号OLは被処理液を示し、符号CL
は清水を示している。各凍結部A,Bの他の構成は、第
1の実施形態と同様であるので共通の符号4,4c,4
pを用い、説明は省略する。
【0066】いま、図16に状態(a)として示すよう
に、凍結部A及びBのいずれにも氷が蓄えられていない
初期状態(の左上図の状態)で製氷を開始したとする。
これによって、(b)に示すように両凍結部A,Bとも
に実質的に同量の均一な氷が蓄えられる。
【0067】次いで第1回目の解氷運転を開始し、状態
(c)として示すようにいずれか一方の槽、ここでは先
ず凍結部Aから解氷を開始する。状態(d)として示す
ように凍結部Aの解氷の途中(例えば、凍結部Aの解氷
により取り出した冷水の温度が上昇し始めたとき)で、
凍結部Bの解氷を開始する。これにより状態(e)とし
て示すように、凍結部Aは完全に解氷を終えたときには
凍結部Bは未だ解氷途中となる。凍結部Bについては状
態(f)に示されるように下部の一部の氷ic2を蓄え
た状態で解氷を終了する。かくして、両凍結部が並列的
に解氷運転を行いながらも、解氷開始時間をずらして順
番に解氷を開始することにより、容易に、最後に解氷を
開始したものだけに氷の一部を残すことができる。かく
して解氷運転が終了する。
【0068】しかる後、再び製氷運転に入り、状態
(f)として示すように、両凍結部A,B同時に且つ同
様の条件で製氷を行う。この際、凍結部Bの残氷により
濃縮槽4内全体が適温に保持され、残氷の存在する凍結
部Bのみなら残氷の存しない凍結部Aについても適温に
保たれ、両凍結部A,Bともに過度の過冷却が効果的に
防止される。この製氷により状態(g)として示すよう
に、凍結部Aの全体および凍結部Bの上部については通
常量の製氷となるが、凍結部B下部の残氷存在部は通常
よりも大きな氷に成長する。
【0069】続く、解氷運転においては図17に状態
(h)として示すように、残氷に基づく成長氷を有する
凍結部Bから解氷を開始し、次いで所定レベル(前述)
まで解氷が進行したならば、状態(i)として示すよう
に凍結部Aの解氷を開始する。これにより状態(j)と
して示すように、前述状態(e)とは反対に凍結部Bが
完全に解氷を終えたときには凍結部Aは未だ解氷途中と
なる。そして先の場合と同様に解氷を遅らせた方の凍結
部、この場合凍結部Aについては状態(k)に示される
ように下部の一部の氷ic2を蓄えた状態で解氷を終了
する。
【0070】かくして解氷運転を終了したならば、再び
製氷運転を開始し、状態(k)として示すように両凍結
部A,B同時に且つ同様の条件で製氷を行う。この際に
も前述の過冷却防止効果が発揮される。これにより、状
態(m)として示すように、凍結部Aの下部にのみ通常
よりも大きな氷ic3が成長する。
【0071】製氷運転を終えたならば、残氷に基づく成
長氷ic3を有する槽、すなわち今回は凍結部Aから解
氷を開始し、次いで凍結部Bの解氷を開始する。これに
より凍結部Aの氷全てを確実に解氷することができ、ま
た各凍結部A,Bが並列的な解氷運転を行うにもかかわ
らず凍結部Bに氷の一部を残すことができる。
【0072】以降はこの繰り返しである。かくして、氷
の一部を次工程の種晶として利用するための再利用処理
を行う槽が各工程毎に切り替えられ、同一の槽が複数工
程連続して氷を残すことがなくなる。よって、本発明に
従って各工程で製造した氷を次工程で種晶として利用
し、通常よりも大きな氷が製造されたとしても、その氷
は当該次工程中で確実に解氷されることになるため、前
述のような問題は発生しなくなる。
【0073】(その他)上記例からも明らかなように、
本再利用処理は第1実施形態への適用が可能である。さ
らに本再利用処理は、流下液膜式のみならず他の前進凍
結法にも応用でき、また懸濁結晶法にも応用が可能であ
り、また図示形態のように氷の取り出しを一連の工程毎
に行う回分型のほか、同一工程中に連続的な取出しを行
う連続型にも適用可能である。
【0074】<第3の実施形態:請求項7記載の発明に
関する>第3の実施形態は、図2(a)に示すように、
複数の冷却管C,Cが上下方向に所定の間隔をおいて平
行に配置され、これらの冷却管C,Cの上方に設けられ
た落液口から被処理液L1が落下供給され、この被処理
液L1は各冷却管Cと接触しながら下段側の冷却管Cへ
順次落下供給され、冷却管Cと接触しながら流下する過
程で被処理液が冷却凍結されるように構成された凍結濃
縮装置を対象とするものである。かかる凍結濃縮装置の
例については第1の実施形態において示したとおりであ
る。また、本発明の主要ポイントについては図2を用い
て既に説明したとおりである。したがって、以下では各
種応用形態についてのみ説明する。
【0075】図2で示す例では冷却管C,Cを上下方向
に沿って一列配置した部分しか示していないが、本発明
において、冷却管C,Cを水平方向に間隔をおいて複数
列設ける場合は、各列毎に、側部落液口Fs,Fsおよ
び中央落液口Fcを一組以上設けることができる。また
冷却管Cは平行に配置される限り、水平方向に沿ってい
ても傾斜していても適用できる。
【0076】また、冷却管のいずれか一方の端部が上段
の冷却管と、および他方の端部が下段の冷却管とそれぞ
れ連結され一体的な冷却コイル4cが形成されている場
合にも本発明は適用できる。反対に、各段の冷却管が相
互に独立している場合にももちろん適用できる。
【0077】<本発明の利用分野>前述したとおり、本
発明は、廃水の減容化、海水の淡水化のほか、食品、発
酵、化学工業、製薬における濃縮処理、排水・汚水の処
理等に用いることができる。特に第1実施形態のよう
に、解氷による冷熱を取り出すときには、取り出した冷
水を空調等の外部装置の冷媒として利用できる。
【0078】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば次記の利
点がもたらされる。第1に、請求項1〜3記載の発明に
よれば、濃縮分離性能を維持しながらも高倍率濃縮が可
能となる。第2に、請求項4〜6記載の発明によれば、
高濃度原液であっても高い濃縮分離性能が発揮され、高
純度の氷の製造が可能となる。第3に、請求項7記載の
発明によれば、流下液膜式凍結濃縮における冷却管と流
下液との接触が確実となり、濃縮分離性能が向上するよ
うになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】従来の落液状態と本発明の落液状態とを対比し
て示した縦断面図である。
【図3】第1の実施形態の凍結濃縮装置例を示す概要図
である。
【図4】原液供給ステップを示す概要図である。
【図5】製氷運転ステップを示す概要図である。
【図6】製氷運転中における原液補給ステップを示す概
要図である。
【図7】処理済液取出しステップを示す概要図である。
【図8】原液による洗浄ステップを示す概要図である。
【図9】原液に基づく洗浄液の回収ステップを示す概要
図である。
【図10】清水供給ステップを示す概要図である。
【図11】清水による洗浄ステップを示す概要図であ
る。
【図12】清水に基づく洗浄液の回収ステップを示す概
要図である。
【図13】解氷運転ステップを示す概要図である。
【図14】解氷運転中の清水回収ステップを示す概要図
である。
【図15】本発明のポイントである処理済液追加ステッ
プを示す概要図である。
【図16】第2の実施形態の処理ステップを示した説明
図である。
【図17】第2の実施形態の処理ステップを示した説明
図である。
【符号の説明】
1…凍結濃縮装置、2…原液タンク、3…処理済液タン
ク、4…凍結濃縮槽、5…冷凍機、6…冷水取出装置、
7…熱交換器、8…清浄水タンク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 9/02 605 B01D 9/02 605 607 607Z 608 608A 609 609Z 611 611A 614 614 616 616 618 618A 620 620 9/04 9/04 C02F 1/22 C02F 1/22 A D // A23L 3/36 A23L 3/36 A Fターム(参考) 4B022 LF13 LN09 LQ05 LT02 4D037 AA06 AA11 AB18 BA21 BB06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原液を凍結濃縮処理により所定レベルまで
    濃縮して氷分と処理済液とを得る工程、を繰り返し行う
    凍結濃縮方法において、 前記処理済液を、後の工程における凍結濃縮処理の被処
    理液に追加する、ことを特徴とする凍結濃縮方法。
  2. 【請求項2】前記追加に際し、前記処理済液を、後の工
    程における凍結濃縮途中の中途濃縮液に追加する、請求
    項1記載の凍結濃縮方法。
  3. 【請求項3】原液を凍結濃縮処理により所定レベルまで
    濃縮して氷分と処理済液とを得る工程、を繰り返し行う
    凍結濃縮装置において、 前記処理済液を、後の工程における凍結濃縮処理の被処
    理液に追加する手段を備えた、ことを特徴とする凍結濃
    縮装置。
  4. 【請求項4】原液を凍結濃縮処理により所定レベルまで
    濃縮して氷分と処理済液とを得る工程、を繰り返し行う
    凍結濃縮方法において、 各工程で製造した氷の一部を次工程の凍結濃縮処理の種
    晶として利用する、ことを特徴とする凍結濃縮方法。
  5. 【請求項5】同一の濃縮槽内に、相互独立に前記工程を
    可能な複数の凍結部を設け、 前記氷の一部を次工程の種晶として利用するための再利
    用処理を行う凍結部を、前記各工程毎に切り替えて、同
    一の凍結部が複数工程連続して前記再利用処理を行わな
    いようにする、請求項4記載の凍結濃縮方法。
  6. 【請求項6】原液を凍結濃縮処理により所定レベルまで
    濃縮して氷分と処理済液とを得る工程、を繰り返し行う
    凍結濃縮装置において、 各工程で製造された氷の一部を次工程の凍結濃縮処理の
    種晶として利用する手段を備えた、ことを特徴とする凍
    結濃縮装置。
  7. 【請求項7】複数の冷却管が上下方向に所定の間隔をお
    いて平行に配置され、これらの冷却管の上方に設けられ
    た落液口から被処理液が落下供給され、この被処理液は
    各冷却管と接触しながら下段側の冷却管へ順次落下供給
    され、冷却管と接触しながら流下する過程で被処理液が
    冷却凍結されるように構成された凍結濃縮装置であっ
    て、 前記落液口が、前記冷却管の径方向両側部の各上方位置
    および前記冷却管の径方向中央部の上方位置にそれぞれ
    設けられ、これら落液口相互における落液量が実質的に
    等しくされた、ことを特徴とする凍結濃縮装置。
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