JP3308030B2 - 溶液の淡水化システム - Google Patents

溶液の淡水化システム

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JP3308030B2
JP3308030B2 JP09369393A JP9369393A JP3308030B2 JP 3308030 B2 JP3308030 B2 JP 3308030B2 JP 09369393 A JP09369393 A JP 09369393A JP 9369393 A JP9369393 A JP 9369393A JP 3308030 B2 JP3308030 B2 JP 3308030B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、凍結濃縮を利用して海
水を始めとする各種溶液を濃縮する淡水化システムに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】溶液の一部を凍結し、純粋な氷の部分だ
けを分離して溶液を濃縮するいわゆる凍結濃縮法につい
ては、従来多くの提案がなされているが、蒸発濃縮法や
膜濃縮法と較べると装置の開発や普及が遅れているのが
実状である。その原因は従来の凍結濃縮技術にみられる
装置の大型化や処理に要するエネルギーの膨大化に問題
がある。
【0003】具体的に従来の凍結濃縮法をみると大別し
て、遠心分離法、洗浄塔法、加圧法の3つの方法が挙げ
られる。まず遠心分離法は、溶液を部分的に凍結させて
得た氷結晶と濃厚液からなるシャーベット状のスラリー
を、遠心分離器にかけて固:液分離を行うものである。
また洗浄塔法は、熟成させた大粒径の氷を塔状の移動層
でゆっくりと洗浄液と交流させながら洗浄して、氷晶中
の溶質濃度を低下させる方法である。最後の加圧法は、
氷スラリーを加圧し、融解した濃厚液部分をメッシュな
どを通して系外に排出させて固:液分離操作を行うもの
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の方
法では、装置全体、とりわけが固:液分離を実施するた
めの分離装置が大型化してしまい、実用上問題があっ
た。しかも上記従来の方法は、いずれもエネルギー所要
量が多くてコストがかさみ、この点からも上記従来の方
法での凍結濃縮方法は普及していなかったのである。
【0005】本発明はそのような点に鑑みてなされたも
のであり、基本的には凍結濃縮の原理を利用しつつ、さ
らに固:液分離が容易でかつ連続処理が可能な淡水化
ステムを提供して、上記問題の解決を図ることを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、まず請求項1においては、濃縮対象とする溶液を
冷却状態にする過冷却手段と、この過冷却手段から吐出
される過冷却状態の溶液の落下経路に配置したベルトコ
ンベアと、当該ベルトコンベアの搬送経路下方に位置す
る水槽と、当該水槽から取水した水を前記ベルトコンベ
アに向けて散水する散水手段とを有し,前記ベルトコン
ベアには透水孔が多数設けられていることを特徴とす
る,溶液の淡水化システムが提供される。 ここでいう透
水孔とは、過冷却状態が解除された際に生成される氷・
水スラリーのうち、氷をトラップして水のみを通過させ
る適宜の貫通孔をいう。 この場合,前記散水手段から散
水する前に水槽から取水した前記水を、溶液と熱交換さ
せる熱交換手段とを有していてもよい。
【0007】ここでいう過冷却手段の例としては、例え
ば本出願人の開示による特開昭63−217171号公
報、特開昭63−231157号公報、特開平1−11
4682号公報などに記載されている、過冷却水を連続
的に生成する過冷却器などが挙げられる。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】また本発明によれば,溶液を過冷却状態に
する過冷却手段と、この過冷却手段から吐出される過冷
却状態の溶液の該過冷却状態を解除する過冷却解除手段
と、この過冷却解除手段によって生成された氷・水スラ
リーから氷を分離する分離手段と、当該分離手段によっ
て分離された氷を他の場所に搬送する搬送手段と、搬送
された氷を融解する融解手段と,前記過冷却状態を槽内
で解除するための水槽と,前記水槽から取水した液体を
前記溶液と熱交換させる熱交換手段とを有し,前記熱交
換手段を経た後の前記液体の一部も前記過冷却手段に送
られるように構成されたことを特徴とする,溶液の淡水
化システムが提供される。
【0012】本発明においては,濃縮対象とする溶液
が,海水であってもよい,
【0013】
【作用】本発明によれば,過冷却手段によって生成され
るのが氷と濃縮水とのスラリー状態であるから、その
固:液分離が容易であり、しかも開放系でのプロセスと
なるから、目的溶液を凍結濃縮の原理を用いて、効率よ
くかつ連続して溶液を淡水化することが可能である。
【0014】
【0015】
【0016】そして本発明によれば,過冷却状態の液体
がベルトコンベアに衝突した際の衝撃でその過冷却状態
が解除され、その結果微細な氷がベルトコンベア上に析
出する。またベルトコンベアには、透水孔が多数設けら
れているので,そのようにして析出した氷のみをトラッ
プして残りの水(濃縮溶液)をそのまま水槽内に落下さ
せることができる。さらに析出した氷の融解は散水手段
からの散水によって行われる そして請求項2の発明に
よれば,この融解に使用される水槽内の水は、氷の融解
によって生成された淡水であって、かつ溶液との熱交換
によって昇温されたものであるから、融解に使用される
熱エネルギーを別途確保する必要がない。しかも当該熱
交換によって低温化された溶液を原水として過冷却器に
供給することにより、過冷却器の負担も軽減され、省エ
ネに合致した極めて効率のよいシステムを構築できる。
【0017】また請求項3のように,溶液を過冷却状態
にする過冷却手段と、この過冷却手段から吐出される過
冷却状態の溶液の該過冷却状態を解除する過冷却解除手
段と、この過冷却解除手段によって生成された氷・水ス
ラリーから氷を分離する分離手段と、当該分離手段によ
って分離された氷を他の場所に搬送する搬送手段と、搬
送された氷を融解する融解手段と,前記過冷却状態を槽
内で解除するための水槽と,前記水槽から取水した液体
を前記溶液と熱交換させる熱交換手段とを有し,前記熱
交換手段を経た後の前記液体の一部も前記過冷却手段に
送られるように構成してもよい。 かかる発明によれば,
氷と濃縮水との固:液分離が容易であり、効率よく連続
して処理することができる。しかも例えば前記水槽内に
落下した氷がそのまま取水中に流入しても、前記熱交換
手段における熱交換によって、当該氷は融解する。従っ
て水槽内の水を取水して前記過冷却手段に送る場合,氷
核による管路閉塞等が防止される,という効果をさらに
有するものである。したがって前記熱交換手段は,濃縮
溶液からの冷熱の回収と、過冷却手段での凍結の原因と
なる氷核を消すための加熱の役割を兼用している。
【0018】
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
れば、図1は本実施例の系統フローを示しており、ポン
プ1によって取水された海水(原水)は、まず第1熱交
換器2を経由して流路3を通じてさらに第2熱交換器4
へと移送される用に構成されている。そしてこの第2熱
交換器4を経た海水(原水)はそのまま流路6を経て過
冷却器7へと供給されるようになっている。
【0020】過冷却器7は、円筒形のシェル内の軸方向
に複数のチューブ(伝熱管)8を配設した所謂シェルア
ンドチューブ型熱交換器の構成を有し、これらチューブ
8の一端は過冷却器7の入口ヘッダ部9内に開口し、他
端は大気中に開口している。そしてシェル内には冷凍ブ
ラインが流通し、上記チューブ8内に通水される液体
(本実施例では海水)が当該冷凍ブラインとの熱交換に
よって過冷却状態にされるように構成されている。
【0021】本実施例において、上記冷凍ブラインは、
LNGから都市ガスや発電用燃焼ガスを生産するLNG
基地において大量に廃棄されるLNGの気化潜熱を冷凍
源としている。即ち、地下等に設置されているLNG貯
蔵タンク11から供給されるLNGは一般的に−150
゜C程度の低温であるが、これを例えばフロン22など
の一次ブラインと、LNG/フロン熱交換器12によっ
て一旦熱交換させて例えば−25゜Cまで昇温させる。
そしてさらにその後ヒータ13によって所望温度例えば
0゜Cにまで昇温してから、その後の加臭処理などに付
されるようになっている。
【0022】本実施例では、上記LNG/フロン熱交換
器12によって熱交換された一次ブライン(例えば−6
0゜C)を、さらにフロン/ブライン熱交換器14によ
って、二次ブラインと熱交換させ、当該二次ブラインを
前記過冷却器7の冷凍ブラインに適する温度、例えば−
15゜Cまで昇温させ、この二次ブラインを前記過冷却
器7のシェル内に供給するようにしている。なおその際
の冷凍ブラインの温度調整は、二次ブラインの流通量を
制御するバルブ15に付設されているサーモコントロー
ラ16によってなされるようになっている。
【0023】前記過冷却器7は、隔壁21を介してA
槽、B槽を隣接して有する独立二槽型の水槽22におけ
る前記A槽側の上方近傍に設置されており、吐出口とな
るチューブ8の大気側開口端は、このA槽上部で水平に
向けられ、当該吐出口から落下する過冷却状態の液体
(海水)は、このA槽内に落下するようになっている。
【0024】上記水槽22の上方空間には、A槽とB槽
に跨り、かつ隔壁21に設けられた搬送口23内を通過
するように、ベルトコンベア24が設置されており、上
記の如く、過冷却器7から吐出されてA槽内に落下する
過冷却状態の液体は、A槽内で上記ベルトコンベア24
に衝突するように配置されている。従って過冷却状態の
液体は、このベルトコンベア24に衝突した際の衝撃で
その過冷却状態が解除され、その結果微細な氷がベルト
コンベア24上に析出するものである。なおこのベルト
コンベア24には、そのようにして析出した氷をのみを
トラップして残りの水(濃縮海水)をそのままA槽内に
落下させるための透水孔が多数設けられている。
【0025】そしてベルトコンベア24から跳ね落ちた
り、上記透水孔を通過してA槽内に溜まった濃縮海水
は、取水ポンプ25によって既述の第2熱交換器4へと
移送され、その後一部は流路5を経て流路6から過冷却
器7へと送られ、残りの一部は流路26を通じて排水さ
れるようになっている。この第2熱交換器4は、濃縮海
水からの冷熱の回収と、過冷却器7での凍結の原因とな
る氷核を消すための加熱の役割を兼用しているものであ
る。
【0026】水槽22の上方にはB槽並びにA槽におけ
る搬送口23近傍にまで渡り、かつ上記ベルトコンベア
24の上方に位置する散水装置27が設けられ、この散
水装置27には、取水ポンプ28によって取水されたB
槽内の一部の水が、既述の第1熱交換器2を経て供給さ
れるようになっている。さらに上記取水ポンプ28によ
って取水されたB槽内の残りの水は、そのまま流路2を
経て、その後の使用に供されるようになっている。
【0027】本実施例にかかる海水の淡水化システム
は、以上のように構成されており、次にその淡水化プロ
セスについて説明すると、淡水化しようとする例えば2
0゜Cの海水(原水)は、ポンプ1によって第1熱交換
器2を経て、後述の氷が融解したときの、例えば5゜C
の淡水との熱交換によって8゜Cまで温度が下げられ、
その後第2熱交換器4へと移送される。
【0028】この第2熱交換器4では、後述の過冷却状
態が解除されたときに生成される氷・水スラリーのうち
の0゜Cの濃縮海水との熱交換が行われ、水温はさらに
2゜Cまで下げられる。そしてそのように低温化された
海水(原水)の一部はそのまま流路5を経て排水される
が、残りの一部は流路6を経て過冷却器7の入口ヘッダ
部9へと供給される。
【0029】過冷却器7では、既述のLNG基地からの
冷廃熱を利用した冷凍ブラインが供給され、この冷凍ブ
ラインとの熱交換によって入口ヘッダ部9に供給された
海水(原水)は、−7゜C〜−10゜Cの過冷却状態と
なって吐出口から吐出され、そのまま水槽22のA槽内
に向けて落下する。
【0030】ところが落下途中には、ベルトコンベア2
4が位置しているので、上記過冷却状態の海水はこのベ
ルトコンベア24に衝突し、その衝撃によって該海水の
過冷却状態は解除され、微細な氷がベルトコンベア24
上に析出する。このとき当該氷の析出によって結果的に
濃縮された残りの0゜Cの海水は、そのままベルトコン
ベア24にある透過孔を通じて水槽22のA槽内に落下
し、以後取水ポンプ25によって取水されて既述の第2
熱交換器4へと送られ、ポンプ1によって移送されてく
る20゜C海水(原水)との熱交換に付され、その後流
路26を経て排水される。
【0031】一方ベルトコンベア24上に析出した氷
は、搬送口23を通過してそのまま水槽22のB槽側へ
と搬送される。このとき予めB槽内にあった水が取水ポ
ンプ28によって取水され、さらに第2熱交換器2で2
0゜Cの海水(原水)と熱交換されて例えば17゜Cま
で昇温されて、槽上部に設置されている散水装置27に
よってベルトコンベア24上の氷に散水されるので、当
該氷は融解し、5゜C程度の淡水となってB槽内に落下
する。またそのようにベルトコンベア24上には常に散
水されているから、析出した氷がベルトコンベア24上
に氷結固着することはない。そして融解せずにベルトコ
ンベア24上に残存した氷も、ベルトコンベア24の復
動時における上下面逆転の際に、B槽内に落下し、槽内
に溜まっている淡水によって完全に融解する。
【0032】以上のようにして氷が融解して生成された
淡水は、取水ポンプ28によって取水され、その一部は
上述の如く第1熱交換器2において海水(原水)との熱
交換に付されて17゜Cまで昇温され、その後散水装置
27に供給されるが、残りの一部は流路29を経てその
ままその後の利用に供されるのである。
【0033】以上のプロセスからわかるように、上記淡
水化システムは凍結現象を利用した淡水化システムであ
るものの、一過式のフローによる開放系のプロセスであ
り、連続して海水を淡水化することが可能となってい
る。従って大量の処理を極めて効率よく実施することが
可能である。
【0034】例えば叙上のような温度設定で運転すると
き、海水(原水)の取水を51m3/minとし、過冷却器
7は過冷却度が−2゜Cで氷生成率が0.025のもの
を使用することにより、上記実施例では毎分7m3、1
日当たり約10,000m3の淡水を製造することが可
能である。
【0035】しかも固:液分離にあたっても、例えば上
記実施例で図ったような、単純なベルトコンベア方式で
実現することができる。なお上記の実施例においては、
過冷却解除手段と搬送手段とを1つの装置、即ちベルト
コンベア24によって兼用しているので、装置のコンパ
クト化、システムの簡素化が大いに図られている。もち
ろんそれに代えて、それぞれの機能を別の独立した装置
に負担させてもよい。
【0036】その場合においても、例えば過冷却解除手
段を適宜の衝撃板や縦パイプとして構成し、それらによ
って発生した氷・水スラリーを一旦そのままA水槽に落
下させ、その後は浮力によって水面上に上昇した氷のみ
を、金網やパンチングメタル等の材質を使用した単純な
掻取り装置のようなもので、掻き取ることにより、容易
に固:液分離が行える。そして以後そのようにして分離
した氷を別の場所に移送してこれを融解するようにして
もよい。いずれにしろ、従来凍結濃縮を利用した濃縮/
浄化方法においてとかく問題の多く、装置の構成が難し
い過程であった固:液分離が、極めて容易に実施できる
ものである。
【0037】また上記実施例では、比較的温度の高い
(20゜C)海水(原水)を第1熱交換器2に送って、
氷の融解用に供するB槽の水と熱交換させているから、
無駄なくかつ海水の顕熱を有効利用して氷の融解を実施
することができる。
【0038】さらに上記の第1熱交換器2での熱交換に
よってある程度温度が下がった海水(原水)は、今度は
0゜CになっているA槽の海水と第2熱交換器4によっ
て熱交換されるので、過冷却器7に導入する時点では、
かなり温度の低い(上記実施例では2゜C)ものとなっ
ているので、過冷却器7の負担は軽減している。
【0039】しかもそのようにA槽から取水される水
は、一旦上記第2熱交換器4によって海水(原水)と熱
交換されて昇温されるので、例えばA槽内に落下した氷
がそのまま取水中に流入しても、この第2熱交換器4に
おける熱交換によって、当該氷は融解する。従ってA槽
内の水を取水するにあたり、氷核による管路閉塞等の弊
害は防止されている。即ち、第21熱交換器4は、氷核
消去装置としても機能しているものである。以上のよう
に各処理過程において要する熱エネルギーは極めて効率
よく使用されており、システム全体に要するエネルギー
は、従来の凍結濃縮システムにおいて要するエネルギー
と比較すればかなり小さくて済むものである。
【0040】また上記実施例においては、散水装置27
による散水が、A槽内における隔壁21の搬送口23近
傍においても行われているので、ベルトコンベア24上
に滞留する濃縮海水を洗い流すことができ、氷の融解に
よって生成される淡水に海水が混入することが防止され
ている。
【0041】加えて上記実施例においては、過冷却器7
の冷熱源となる冷凍ブラインは、LNG基地から従来海
に廃棄されていた冷熱によって生成されているものであ
るから、冷廃熱の有効利用が図れ、極めて省エネルギー
なシステムとなっている。
【0042】なお上記実施例において、例えばB槽内の
水をそのままRO逆浸透圧式淡水化装置に供給するよう
に構成すれば、極めて効率よく純度の高い淡水を生成す
ることができる。
【0043】またそのように全く他の方式の淡水化装置
を用いずに淡水のグレード自体を上げる(塩分濃度を下
げる)には、例えば水槽をさらに増加し、B槽内の水を
原水としてさらに上記と同様なプロセスを繰り返せばよ
い。
【0044】なお上記のようなシステム構成に則り、か
つ上記実施例における海水(原水)を濃縮対象とする溶
液とみて、これを濃縮するシステムとして構成する場合
には、散水装置27によるA槽側での散水を停止すると
ともに、好ましくは析出した氷がベルトコンベア24か
らA槽内に落下しないように適宜の氷核捕獲フェンス等
を設ければ、A槽には溶液が効率よく濃縮された状態で
蓄えられ、取水ポンプ25によってこれを取水すること
ができることになる。この場合、濃縮グレードを高める
には、A槽内の水をさらに原水として上記フローと同様
な処理を繰り返していけばよい。
【0045】
【発明の効果】請求項1によれば、過冷却器手段によっ
て生成されるのが氷と濃縮水とのスラリー状態であるか
ら、その固:液分離が容易であり、しかも開放系でのプ
ロセスとなるから、目的溶液を効率よく連続して淡水化
することが可能である。そして過冷却状態の液体がベル
トコンベアに衝突した際の衝撃でその過冷却状態が解除
され、微細な氷がベルトコンベア上に析出する。またそ
のようにして析出した氷のみをトラップして残りの水
(濃縮溶液)をそのまま水槽内に落下させることができ
る。
【0046】請求項2の発明によれば,搬送中に融解処
理を実施することができるので、効率のよい融解処理が
可能である。また融解に使用される熱エネルギーを別途
確保する必要がない。しかも過冷却器の負担も軽減さ
れ、省エネに合致した極めて効率のよいシステムを構築
できる。
【0047】請求項3では,氷と濃縮水との固:液分離
が容易であり、効率よく連続して処理することができ
る。しかも氷核による管路閉塞等が防止される。
【0048】請求項4によれば、効率よく連続して海水
を淡水化することが可能である。
【0049】
【0050】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例かかる海水の淡水化システムの
系統フローを示した説明図である。
【符号の説明】
2 第1熱交換器 4 第2熱交換器 7 過冷却器 11 LNG貯蔵タンク 12 LNG/フロン熱交換器 14 フロン/ブライン熱交換器 22 水槽 24 ベルトコンベア 25 取水ポンプ 27 散水装置 28 取水ポンプ A A槽 B B槽

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶液を過冷却状態にする過冷却手段と、 この過冷却手段から吐出される過冷却状態の溶液の落下
    経路に配置したベルトコンベアと、 当該ベルトコンベアの搬送経路下方に位置する水槽と、 当該水槽から取水した水を前記ベルトコンベアに向けて
    散水する散水手段とを有し, 前記ベルトコンベアには透水孔が多数設けられているこ
    とを特徴とする, 溶液の淡水化システム。
  2. 【請求項2】 前記散水手段から散水する前に水槽から
    取水した前記水を、溶液と熱交換させる熱交換手段とを
    有することを特徴とする、請求項1に記載の溶液の淡水
    化システム。
  3. 【請求項3】 溶液を過冷却状態にする過冷却手段と、 この過冷却手段から吐出される過冷却状態の溶液の該過
    冷却状態を解除する過冷却解除手段と、 この過冷却解除手段によって生成された氷・水スラリー
    から氷を分離する分離手段と、 当該分離手段によって分離された氷を他の場所に搬送す
    る搬送手段と、搬送された氷を融解する融解手段と, 前記過冷却状態を槽内で解除するための水槽と, 前記水槽から取水した液体を前記溶液と熱交換させる熱
    交換手段とを有し, 前記熱交換手段を経た後の前記液体の一部も前記過冷却
    手段に送られるように構成されたことを特徴とする,溶
    液の淡水化システム。
  4. 【請求項4】 前記溶液が海水であることを特徴とす
    る,請求項1,2又は3に記載の溶液の淡水化システ
    ム。
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