JP2928835B2 - 開放型加熱塔循環液の濃度調整装置 - Google Patents

開放型加熱塔循環液の濃度調整装置

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JP2928835B2 JP10830590A JP10830590A JP2928835B2 JP 2928835 B2 JP2928835 B2 JP 2928835B2 JP 10830590 A JP10830590 A JP 10830590A JP 10830590 A JP10830590 A JP 10830590A JP 2928835 B2 JP2928835 B2 JP 2928835B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、開放型加熱塔循環液の濃度調整装置に係わ
り、特に開放型加熱塔において循環液に吸収された水分
を氷結除去することにより循環液の濃度を調整するよう
にした、開放型加熱塔循環液の濃度調整装置に関するも
のである。
【従来の技術】
大規模ビルの空調用として使用されるヒートポンプシ
ステム等において、近年では、冷房用のクーリングタワ
ー(冷却塔)を冬期にヒーティングタタワー(加熱塔)
として利用する方法、すなわち冷却用としての夏期の水
に代えて不凍液を使用し、ヒーティングタワーより外気
の熱を採熱し、それを熱源として冷凍機を運転して暖房
に使用する方法が試みられている。この方法によれば、
液体(不凍液溶液)を熱源としていることから空気熱源
のヒートポンプに比すれば効率的な熱交換を行うことが
可能となる。 ところで、上記の如く熱媒(循環液)として不凍液溶
液を用いる場合には、その溶液濃度を、該不凍液溶液が
最悪時でも凍結しない濃度(運転状態によって差がある
が、通常約40〜20%)に維持することが不可欠である。
しかしながら、開放型ヒーティングタワー(加熱塔)を
介して循環される循環液は、運転中において、特に外気
条件が悪い場合(低温・高湿度時)に外気中の水分が混
入して不凍液濃度が低下する。 そのため従来は、循環液内の水分を蒸発させることで
循環液濃度を所定濃度に維持する方法が取られていた。
この、従来における循環液内の水分を蒸発させる手段と
しては、濃度調整用ストレージタンク(貯留槽)をクッ
ションとすることにより、悪外気条件下において循環液
濃度が最低許容濃度を下回らないようにヒートポンプの
出力を制限するか、好外気条件時(高温・低湿度時)に
予めヒーティングタワーのみを運転してシステム内の循
環液を最適濃度以上に高濃縮しておく方法、あるいは、
循環液を水の蒸発温度以上に加熱して混入した水分のみ
を蒸発除去する方法、等がある。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、外気の好条件下で生ずるヒーティング
タワーの余力で予め循環液系内の循環液濃度を濃縮して
おき悪条件での運転に備える方法は、外部からの高濃度
循環液の補給がない限り、系内液量により悪条件下での
運転時間が左右される。つまり、悪条件下が長く、かつ
その間でもヒートポンプ運転が必要であれば、それに見
合った大容量の循環液準備槽が必要となるわけである。 また、加熱蒸発除去方式による循環液の濃縮には、混
入した水分を蒸発させるのに、循環液を、大気圧で100
℃以上に加熱しなければならならず、このため、ヒート
ポンプを利用した高効率利用(ヒートポンプを運転する
ことにより得られる廃熱を有効利用すること)が難し
い。また、真空蒸発式のように循環液周囲圧力を下げて
水の蒸発温度を40℃内外に保ち、ヒートポンプを利用し
ている例もあるが、イニシャルコストが高くかつ操作も
難しいものとなっている。このような理由で、現在では
燃焼加熱による蒸発除去が行なわれている。しかしなが
ら、混入水分を蒸発させるためには、常圧あるいは真空
蒸発式でも大きな蒸発潜熱が必要(大気圧で539Kcal/K
g)で、エネルギーを大量消費するといった不都合があ
った。 本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、外気条
件に拘わらず確実でかつ安定した効果が望め、しかもエ
ネルギー消費の少ない高効率な循環液濃度調整を行うこ
とのできる開放型加熱塔循環液の濃度調整装置を提供す
ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ヒートポンプシステムの熱源とし
て利用され、開放型加熱塔および冷凍機間を循環される
循環液の濃度を調整するための装置であって、前記循環
液を前記開放型加熱塔および前記冷凍機間に配設された
循環ラインから分岐させて取り出すための循環液抽出ラ
インと、該抽出ラインより取り出された循環液を、該循
環液に混入された水の凝固点以下に冷却して該循環液中
の水分を氷結させる氷結濃縮機と、該氷結濃縮機により
作成された高濃度循環液を前記循環ラインに送り戻すた
めの高濃度循環液供給ラインと、を備え、前記氷結濃縮
機に装備された冷凍装置の凝縮器が、該氷結濃縮機によ
り氷結除去された氷の融解熱により冷却されるよう構成
されてなるものである。 請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記氷
結濃縮機の前段に、前記循環ラインにより取り出した循
環液を予め冷却するための予冷装置が設けられてなるも
のである。 請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記予
冷装置は、該装置の冷熱源として、前記氷結濃縮機にて
作成された高濃度循環液を使用する構成とされたもので
ある。 請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発
明において、前記氷結濃縮機の後段に、該氷結濃縮機に
より循環液中より除去された水分を浄化するための排水
手段を備えたものである。
【作用】
外気水分が混入して希釈された循環液(不凍液溶液)
を、混入した水分の凝固点以下に冷却すると循環液中の
水分だけが氷の結晶となる。この氷を除去することによ
り、循環液中の水分を除去することができる。 本発明の装置は上記の作用を発揮し、水分の除去され
た濃縮循環液の貯留、および循環ラインへの供給を可能
とする。 特に、請求項1ないし請求項3の発明の装置はいずれ
も、氷結濃縮機に係る冷凍サイクルにおいて、熱エネル
ギーの有効利用が図れ、氷結濃縮機の冷凍サイクルの効
率運転を実現する。 請求項4の発明の装置は、循環液から除去した水分を
ほぼ真水に近い状態として廃棄することを可能とする。
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明す
る。 第1図は本発明に係る開放型加熱塔循環水の濃度調整
装置の一実施例を示すもので、該装置の該略構成図であ
る。 まず、本発明に係る開放型加熱塔循環水の濃度調整装
置の説明に入る前に、本装置が適用されるヒートポンプ
システムについて説明する。 図中右端に符号1で示すものはヒートポンプ機(冷凍
機)である。該ヒートポンプ機1において符号2は凝縮
器、符号3は蒸発器である。また符号4は、前記凝縮器
2と熱交換されるブラインを循環させるための温水配管
で、例えばビルの暖房用の熱媒循環用として配管され
る。符号5は、前記蒸発器3に熱源を与えるための循環
液を前記蒸発器3とヒーティングタワー(加熱塔)6と
の間で循環させる循環ラインである。すなわち、該循環
ライン5内を循環する循環液は、ヒーティングタワー6
にて外気熱を採熱して、ヒートポンプ機1の蒸発器3に
熱エネルギーを与える。ヒートポンプ機1は、蒸発器3
および前記凝縮器2間のヒートポンプサイクルにより凝
縮器2が高温となり、その熱エネルギーが前記温水配管
4内を循環する熱媒により所定箇所に導かれ暖房用に用
いられる、といった一連のサイクルが構成されている。
ここで、循環ライン5内を循環する循環液は、この場合
不凍液溶液である。また、前記ヒーティングタワー(加
熱塔)6は開放型のものである。 そして、本装置すなわち開放型加熱塔循環液の濃度調
整装置は、前記ヒーティングタワー6を介して循環され
ることにより該ヒーティングタワー6にて外気の水分を
取り入れてしまい、不凍液濃度の低下を生じた前記循環
液の濃度を調整するものである。 本発明に係る開放型加熱塔循環液の濃度調整装置(以
下、“循環液濃度調整装置”と略称する)Aは、第1図
に示すように、前記循環液を、前記ヒーティングタワー
6を介して配設された前記循環ライン5から分岐させて
取り出すための循環液抽出ライン10と、該循環液抽出ラ
イン10より取り出された循環液を、該循環液に混入され
た水の凝固点以下に冷却して前記循環液中の水分を氷結
させる氷結濃縮機20と、該氷結濃縮機20により作成され
た高濃度循環液を前記循環ライン5に送り戻すための高
濃度循環液供給ライン80と、を主体として構成されてい
る。 また、本実施例における循環液濃度調整装置Aは、前
記氷結濃縮機20の前段に循環ライン5より取り出した循
環液を予め冷却するための予冷装置50を、さらに、氷結
濃縮機20の後段には該氷結濃縮機20により作成された高
濃度循環液を貯留するための高濃度液槽70を備えたもの
となっている。符号11は、循環液を前記循環液抽出ライ
ン10に導くための制御バルブである。 前記氷結濃縮機20は例えば第2図に示す如き構成を成
しており、いわゆるハーベスト式製氷機構を備えたもの
となっている。該氷結濃縮機20において21はチラー部、
22は冷凍装置、23は結氷板、24は前記結氷板22に散水す
るための上部散水管、25は下部散水管、26は前記循環液
抽出ライン10を介して取り込まれた循環液を一時貯留す
るための循環液槽、27は該循環液槽26内に設置されて前
記上部散水管24に循環液を供給するための結氷板散水ポ
ンプ、28は同じく前記下部散水管25のための結氷板散水
ポンプ、29は前記結氷板23の下方に設置されたガイド
板、30はガイド板29の下方に設置された脱水装置、31は
該脱水装置30を構成する氷搬送ベルト、32は同じく脱水
装置30の脱水ローラ、35は脱水装置30により濃縮された
循環液を一時貯留するための濃縮液槽、36は脱水装置30
により脱水された氷を貯留して解かすための融解槽、37
は融解槽36内に貯留された液体を貯水槽89(第1図)に
移送するための排水ライン、38は融解槽36に隣接して設
けられ前記冷凍装置22の凝縮器(図示せず)を冷却する
ための冷却水を貯留する冷却水槽、39は冷却水槽38内の
水をライン40を介して冷凍装置22の凝縮器に供給するチ
ラー冷却水ポンプ、41は冷凍装置22の凝縮器からのチラ
ー冷却水戻りライン、42は前記融解槽36と前記冷却水槽
38とを結ぶ連絡ライン、43は連絡ラインに設けられた冷
却水温度制御弁、である。前記融解槽36からは、前記氷
搬送ベルト31を洗浄するために貯留水を該ベルト31に吹
き付けるためのベルト洗浄ラインが延びている。また、
前記脱水装置30としては、遠心力を利用した周知の遠心
脱水装置であってもよい。 前記構成となる氷結濃縮機20の前段に設けられた前記
予冷装置50は、抽出した循環液を濾過する濾過槽51、濾
過槽51にて不純物を濾過された循環液を貯留・予冷する
ための予冷槽52、予冷槽52内に設置された予冷コイル5
3、前記氷結濃縮機20の濃縮液槽36に一時貯留された濃
縮液を貯留するための低温槽54、を有して構成されてい
る。また、符号55は濾過用のフィルター、56は濾過槽51
底部に設けられた排泥弁、57は前記氷結濃縮機20の前記
濃縮液槽35より前記低温槽54に濃縮液を導くための低温
濃縮液供給ライン、58は前記予冷槽52と前記氷結濃縮機
20の前記循環液槽26とをつなぐ予冷済循環液供給ライ
ン、59は前記低温濃縮液供給ライン57から分岐して前記
予冷コイル53に低温濃縮液を導くためのコイル供給ライ
ン、60は前記低温槽54の出口および前記予冷コイル53の
出口から高濃度液槽70に延びる高濃度液排出ラインであ
る。 さらに、前記ヒーティングタワー6の下方からは、低
濃度循環液回収ライン85が低濃度液槽86に延びている。
該低濃度液槽86からは、該低濃度液槽86内の低濃度循環
液を前記予冷装置50に導びくための低濃度液供給ライン
87、および同じく低濃度循環液をヒーティングタワー6
に補給するための低濃度液補給ライン88が延びている。
一方、前記氷結濃縮機20の融解槽36から排出された水を
貯留する貯水槽89からも、該貯水槽89内の水をヒーティ
ングタワー6に補給するための融解水補給ライン90が延
びている。 符号100は貯水槽89に貯留された融解水を浄化するた
めの浸透膜装置で、ここでは逆浸透作用を利用したもの
となっている。101は貯水槽89内の水を前記浸透膜装置1
00に導くライン、102は排水ライン、103は浸透膜装置10
0にて除去された不凍液成分を前記低濃度液槽86に戻す
ためのラインである。 なお、両図中符号Pで示すものはポンプ、符号Vで示
すものは制御弁である。また、上記循環液濃度調整装置
Aは、図示は省略するが、前記各ポンプPおよび各制御
弁Vを所要状態に制御するための制御装置を備えたもの
となっている。 次に、上記の如く構成された濃度調整装置Aの作用に
ついて説明する。 前記循環ライン5を循環する循環液(不凍液溶液)が
規定濃度にある状態においては、循環液は該循環ライン
5内をヒートポンプ機1およびヒーティングタワー6間
のみにおいて循環される。 そして、循環ライン5内を循環する循環液が、ヒーテ
ィングタワー6において外気の水分を取り込み、不凍液
濃度が希釈されると、上述の図示しない制御装置の備え
る濃度計により循環液が低濃度となったことが検知され
る。この状態となると、前記循環液抽出ライン10に設け
られた制御バルブ11が開かれることにより循環ライン5
より直接、あるいはまた低濃度液槽86から前記低濃度液
供給ライン87を介して、循環液が前記予冷装置50の濾過
槽51に取り込まれる。 濾過槽51に取り込まれた低濃度循環液はフィルター55
により不純物を濾過された後、予冷槽52に貯留される。
予冷槽52に貯留された低濃度循環液は予冷コイル53によ
り冷却された後、予冷済循環液供給ライン58により氷結
濃縮機20の循環液槽26に一時貯留される(第2図)。 氷結濃縮機20の循環液槽26に貯留された低温の低濃度
循環液は、結氷板散水ポンプ27,28により揚水され、上
部散水管24および下部散水管25を介して結氷板23に散水
される。結氷板23は、チラー部21の冷凍装置22により、
前記低濃度循環液に含有された水の氷結温度以下でかつ
ねらいの不凍液濃度における凍結温度よりは高温となる
温度に冷却されており、これにより、散水された低濃度
循環液がねらいの濃度になるように、溶け込んだ水分が
結氷板23に氷着される。その際、散水される低濃度循環
液は前記予冷槽52で予め冷却されているので、上記氷結
は短時間で効率的に実施される。また、前記冷凍装置22
における図示しない凝縮器は冷却水槽38に貯留された冷
却水により冷却される。 そして、結氷板23に氷着してできた氷は、チラー部21
の前記冷凍装置22における冷凍サイクルの切り替え運転
により結氷板23より剥離させる。剥離されたシャーベッ
ト状の氷は、ガイド板29に案内されて脱水装置30の氷搬
送ベルト31上に載り、さらに該氷搬送ベルト31により搬
送されて脱水ローラ32によって脱水される。ここで、散
水された循環液のうち不凍液成分は氷結しないため、前
記循環液槽26にもどされるか、あるいは、脱水ローラ32
による脱水操作により、濃縮液槽35に貯留される。脱水
ローラ32により除去された液体分は高濃度の不凍液であ
り、これは濃縮液槽35に貯留される。すなわち、循環液
槽26に貯留された低濃度循環液は、上記の氷結操作を繰
り返すことにより設定値まで濃縮されるわけである。 また、上記の濃縮サイクルにおいて濃縮され濃縮液槽
35に貯留された高濃度循環液は、前記低温濃縮液供給ラ
イン57を介して、予冷装置50における予冷槽52内に設置
された前記低温槽54あるいは予冷コイル53に導かれ、予
冷槽52内に貯留された低濃度循環液と熱交換される。こ
れによって予冷された低濃度循環液が予冷済循環液供給
ライン58により氷結濃縮機20に至ることは先に述べた通
りである。 一方、脱水装置30により脱水されたこおりは融解槽36
に貯留される。融解槽36と前記冷却水槽38とは連絡ライ
ン42により連通されており、該連絡ライン42を介して、
融解槽36に冷却水槽38からの水を導くこと、あるいは逆
に融解槽36にて氷が融解してできた冷水を冷却水槽38に
導くことができる。つまり、冷却水槽38内の水は前記冷
凍装置22の凝縮器との熱交換により温度上昇するが、融
解槽36より冷水の補給を受けることができ、一方、融解
槽36内の氷は凝縮器との熱交換で温度上昇した冷却水槽
38内の水により融解されるのである。すなわち、該氷結
濃縮機20の冷凍装置22は、結氷板23で生成した氷の融解
熱により自身の凝縮機を冷却することのできる構成とな
っているわけである。なお、冷却水槽38内の冷却水温度
は、上記した図示しない制御装置の指令により前記冷却
水温度制御弁43を介して制御される。 そして、融解槽36内の水は排水ライン37により貯水槽
89に排水され、貯留される。該貯水槽89に貯留された融
解水の一部は、前記低濃度液槽86内に貯留された低濃度
循環液と同様、ヒーティングタワー6が濃縮運転となる
好外気条件時(高温・低湿度)の補給水として、融解水
補給ライン90によりヒーティングタワー6に補給され
る。また、残り分は、浸透膜装置100に導かれる。該浸
透膜装置100は逆浸透作用を持つもので、溶液(ここで
は貯留槽89に貯留された融解水)から溶媒(ここでは
水)のみを除去することができるものとなっている。従
って、この浸透膜装置100では、融解水に多少含有され
ている不凍液成分をほぼ完全に分離することができ、ほ
とんど不凍液を含まない水を排出ライン102より排出す
ることができる。 このように、上記循環液濃度調整装置Aは、希釈され
た循環液中の水分を凍結除去することにより循環液を濃
縮するものである。これにより、循環液濃度を外気条件
の善し悪しに拘わらず常に最適状態に維持することがで
き、常時ヒートポンプ機1の安定運転を約束する。ま
た、好条件時にヒーティングタワーの余力により循環液
の濃縮運転をして悪条件に備えることもないので、循環
液貯留用の大容量の準備槽も必要としない。 また、循環液中に混入された水分の不凍液成分との分
離操作を凍結により実施するため、混入水の凝固熱(約
80Kcal/Kg)で濃縮が図られ、濃縮に係る熱エネルギー
は加熱蒸発による従来方法に比べ約1/6〜1/7で済むもの
となり、エネルギー的に極めて高効率な濃縮を実現でき
る。 さらに、実施例に示した循環液濃縮装置Aでは、循環
液の濃縮を行う氷結濃縮機20の前段に予冷装置50を設け
た構成としたので、氷結濃縮機20における水分の氷結が
効率的に実施される。しかも予冷装置50の冷熱源とし
て、氷結濃縮機20により濃縮された高濃度循環液を利用
するよう、すなわち氷結濃縮機20の排冷熱を利用するよ
うにしたので、極めて効率的である。 またさらに、氷結濃縮機20のための冷凍装置22は、そ
の凝縮器を、該冷凍装置22自身が生成した氷の融解熱を
利用して冷却するよう構成したので冷凍装置22すなわち
氷結濃縮機20の効率運転が図られ、上記予冷装置50によ
る冷凍運転の効率化とあいまって極めて高効率な冷凍サ
イクルが実現される。 加えて、上記循環液濃縮装置Aにおいては、浸透膜装
置100を設けた構成としたので、これにより氷結濃縮機2
0によって除去された水分をほぼ完全に浄化して排出す
ることができる。 なお、氷結濃縮濃縮機20および予冷装置50、浸透膜装
置100等は、実施例で説明した上記構成のものに限定さ
れるものではなく、上記同様の作用を有するものであれ
ばその他の構造のものであってもよい。 また、実施例のものでは、氷結濃縮機20の後段に、作
成された高濃度循環液を一時貯留するための高濃度液槽
70を設けた構成とした。このような構成とすれば該高濃
度液槽70がいわゆるクッションとなり運転上有利となる
が、本発明の主旨は該高濃度液槽70を設けなくとも達成
できるものである。
【発明の効果】
以上説明したとおり、請求項1に係る開放型加熱塔循
環液の濃度調整装置は、希釈された循環液中の水分を凍
結除去することにより循環液を濃縮する構成であるか
ら、循環液濃度を、外気条件に拘わらず常に最適状態に
維持することができる。しかも、好条件時のヒーティン
グタワーの余力により循環液の濃縮運転をして悪条件に
備える従来手段に対して極めて効率的であり、かつ、循
環液貯留用の大容量の準備槽も必要としない。また、循
環液中に混入された水分を凍結により除去する構成であ
るため、混入水の凝固熱で濃縮が図られ、加熱蒸発によ
る濃縮方法に対し約1/6〜1/7の熱エネルギーで濃縮を行
うことができ、エネルギー的に極めて高効率なシステム
を実現できる。 特に、請求項1に係る発明の装置は、循環液抽出ライ
ン、氷結濃縮機、高濃度循環液供給ラインを備えるの
で、濃縮した循環液の貯留、あるいは循環ラインへの供
給を行うことで循環液濃度を常時最適状態に維持するこ
とができ、しかも、氷結濃縮機に装備した冷凍装置の凝
縮器が氷の融解熱により冷却される構成としたから、上
記効果に加えて、濃縮のための冷凍サイクルの熱エネル
ギーの授受を該冷凍サイクル内における系内で行うこと
ができ、氷結濃縮機の高効率運転がなされる。 また、請求項2に係る発明の装置では、氷結濃縮機に
より氷結するための液体を予め冷却することにより氷結
濃縮機の省エネ運転が実現できる。 さらに、請求項3に係る発明の装置では、予冷のため
の熱エネルギーを氷結濃縮機からの排冷熱で賄うことが
でき、濃縮に係る一連の冷凍サイクルの効率運転がなさ
れる。 そして、請求項4に係る発明の装置では、濃縮操作に
より循環液より除去された水分を、ほぼ真水に近い状態
として廃棄処分することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る解放型加熱塔循環液の濃縮装置の
一実施例で、解放型加熱塔循環液の濃縮装置の概略構成
図、第2図は当実施例に係る氷結濃縮機の概略構成図で
ある。 A……循環液濃縮装置、1……ヒートポンプ装置(冷凍
機)、5……循環ライン、6……ヒーティングタワー
(加熱塔)、10……循環液抽出ライン、20……氷結濃縮
機、22……冷凍装置、50……予冷装置、80……高濃度循
環液供給ライン、100……浸透膜装置(排水浄化手
段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F24F 5/00 101 F25B 43/00 F25D 9/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒートポンプシステムの熱源として利用さ
    れ、開放型加熱塔および冷凍機間を循環される循環液の
    濃度を調整するための装置であって、 前記循環液を前記開放型加熱塔および前記冷凍機間に配
    設された循環ラインから分岐させて取り出すための循環
    液抽出ラインと、該抽出ラインより取り出された循環液
    を、該循環液に混入された水の凝固点以下に冷却して該
    循環液中の水分を氷結させる氷結濃縮機と、該氷結濃縮
    機により作成された高濃度循環液を前記循環ラインに送
    り戻すための高濃度循環液供給ラインと、を備え、 前記氷結濃縮機に装備された冷凍装置の凝縮器が、該氷
    結濃縮機により氷結除去された氷の融解熱により冷却さ
    れるよう構成されてなることを特徴とする開放型加熱塔
    循環液の濃度調整装置。
  2. 【請求項2】前記氷結濃縮機の前段に、前記循環ライン
    より取り出した循環液を予め冷却するための予冷装置が
    設けられてなることを特徴とする請求項1記載の開放型
    加熱塔循環液の濃度調整装置。
  3. 【請求項3】前記予冷装置は、該装置の冷熱源として、
    前記氷結濃縮機にて作成された高濃度循環液を使用する
    構成であることを特徴とする請求項2記載の開放型加熱
    塔循環液の濃度調整装置。
  4. 【請求項4】前記氷結濃縮機の後段に、該氷結濃縮機に
    より循環液中より除去された水分を浄化するための排水
    手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載の開放型加熱塔循環液の濃度調整装置。
JP10830590A 1990-04-24 1990-04-24 開放型加熱塔循環液の濃度調整装置 Expired - Lifetime JP2928835B2 (ja)

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