JPH06147706A - 管内製氷ユニット及び管内製氷方法 - Google Patents

管内製氷ユニット及び管内製氷方法

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JPH06147706A
JPH06147706A JP29505392A JP29505392A JPH06147706A JP H06147706 A JPH06147706 A JP H06147706A JP 29505392 A JP29505392 A JP 29505392A JP 29505392 A JP29505392 A JP 29505392A JP H06147706 A JPH06147706 A JP H06147706A
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JP
Japan
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ice
aqueous solution
heat storage
ice making
refrigerant
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Application number
JP29505392A
Other languages
English (en)
Inventor
Osayuki Inoue
修行 井上
Masakazu Fujimoto
正和 藤本
Mikio Masumoto
幹夫 増本
Seishiro Igarashi
征四郎 五十嵐
Kazuyoshi Nasuhara
和良 那須原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】比較的高い温度で高効率でかつ金属腐蝕の起り
にくい管内製氷ユニット及び管内製氷方法。 【構成】シェル1内に複数の細いチューブ2を配し、蓄
熱水をチューブ内に満液状態にしてシャーベット状の氷
を生成するユニット。蓄熱水として低濃度吸湿性水溶液
を、チューブ外側には不凍液又は冷媒を通す。静止状態
の蓄熱水の凍結温度以下の不液液又は蒸発温度の冷媒を
チューブ外側に通しシャーベット状氷を生成する。強い
浸透力(水和性)と濃度に応じた凝固点以下の性質を持
つ低濃度の吸湿材水溶液を蓄熱水として使用することに
より、氷の生成に伴って放出された酢酸化合物が浸透し
て濃度が高められて凝固点が降下するので、氷化されな
い吸湿材水溶液の中にシャーベット状氷の生成が可能と
なる。低濃度の吸湿性水溶液は−1℃前後が凝固点であ
るので、−5℃前後の従来に比べ高温の不凍液又は冷媒
を使用可能となり効率が良くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シェル内に複数の細い
チューブを配置し、蓄熱水をチューブ内に満液状態にし
てシャーベット状の氷を生成する管内製氷ユニット及び
管内製氷方式に関する。
【0002】
【従来の技術】氷蓄熱システムは、水蓄熱システムに比
べて蓄熱容積が小さいためコンパクトに構成することが
でき有利である。しかし、氷でも大きな塊になってしま
うと搬送性が悪いため、氷蓄熱システムでは、流動性が
あり搬送性のよいシャーベット状の氷を製氷している。
【0003】管内で製氷し、その氷を蓄熱水槽へ搬送し
蓄積する氷蓄熱システムとしては、従来より薄膜降下式
の製氷システム、回転式の製氷システム、水の過冷却現
象を利用した製氷システム等がある。
【0004】図9は薄膜降下式の製氷システムの従来例
を示す図、図10は水の過冷却現象を利用した製氷シス
テムの従来例を示す図である。図中、61はフリーザ
ー、62はフリーザーヘッド、63は循環液レシーバ
ー、64は循環液入口、65は循環液出口、66は冷媒
出口、67は冷媒入口、68はチューブ、71は冷凍
器、72はブラインクーラー、73は過冷却器、74は
フィルター、75は蓄熱槽、76は二次側システムを示
す。
【0005】薄膜降下式の製氷システムは、米国のCB
I社で開発されたものであり、図9に示すように製氷器
として縦型のシェル&チューブ式熱交換器を使ったもの
である。シェル部分は、チューブ68を内部に配置し、
冷媒を使った満液直膨脹式のフリーザー61からなり、
冷媒入口67から冷媒を送り込み、冷媒出口66から冷
媒ガスを引き出すものである。チューブ68は、内面が
鏡面仕上げされ、氷蓄熱槽より循環液入口64を通して
蓄熱水のエチレングリコール水溶液がフリーザーヘッド
62に送られると、エチレングリコール水溶液がチュー
ブ68からオーバーフローして鏡面仕上げされた内面に
沿って落下するようになっている。したがって、エチレ
ングリコール水溶液は、この間に冷媒との熱交換により
冷却され、ブライン中の水分子だけが氷結して微細な氷
の結晶となり、リキッド状の氷となってフリーザー61
下部の循環液レシーバー63に落下する。この落下した
氷が氷蓄熱槽へ搬送され蓄熱される。
【0006】回転式の製氷システムは、カナダのSunwe
ll Engineering社で開発されたものであり、直膨張式
蒸発器であるジャケット内の製氷管内に蓄熱水のエチレ
ングリコール水溶液を旋回させるものである。このよう
にすることによって外周部の氷結管面圧力を上げ、過冷
却現象を利用して圧力が低い中心部にリキッド状の氷を
生成している。
【0007】また、水の過冷却現象を利用した製氷シス
テムは、図10に示すように例えばフィルター74を設
け、不安定な過冷却現象を維持するために蓄熱水のクリ
ーン化を行い、安定した冷却温度を維持するためにブラ
イン利用の間接冷却、管内加圧と高水速化等の配慮がな
されている。
【0008】従来より知られたものとしては、上記のよ
うにエチレングリコール水溶液の特性を利用して蓄熱時
に冷凍機でリキッド状の氷を製造し、これを蓄熱水槽に
貯氷しておき、利用時にこの蓄熱冷熱を冷房熱源として
熱交換器を介して放熱させている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように従来の製氷システムでは、氷結面の氷着による問
題点を解決するために、産業廃棄物であるエチレングリ
コール水溶液を使って氷結温度を下げたり、補機動力を
多く使ったり、また、過冷却現象を利用するものでは、
過冷却現象を維持するために間接冷却や蓄熱水搬送に多
大なエネルギーやコストを投入し、システム全体の効率
を低下させている。
【0010】さらに、エチレングリコール水溶液は、1
0%以下の低濃度の場合、30℃以内ではカビが発生す
るため、暖房用蓄熱材としての利用が困難であり、ヒー
トポンプに適用する場合には、冬期に蓄熱を中止させる
か、エチレングリコール水溶液を水と交換させるか、或
いは温熱専用蓄熱水槽を冷房用とは別個に設ける必要が
あった。しかも、エチレングリコール水溶液は、産業用
廃棄物として指定されているために、熱交換器を介した
間接利用が一般的であり、熱媒体として開放型ヒーティ
ングタワーの循環水に直接利用するには、循環水の飛散
および漏水対策が困難になるという問題を有している。
【0011】また、ヒーティングタワーシステムでは、
循環水に空気中の水が取り込まれて濃度が低下する。そ
こで、この循環水の不凍液濃度を上げるため、湿気が低
く天気のよい日にヒートポンプを停止してヒーティング
タワーとポンプを運転することによって自然蒸発させて
濃縮したり、循環水の一部を加熱して水分を蒸発させて
濃縮することが必要となるが、通常は、自然蒸発による
濃縮以外の濃縮方式、すなわち、加熱方式による濃縮が
必要であるため、システムが複雑になると共に効率が悪
く、システム全体の効率を低下させているという問題も
ある。
【0012】本発明は、上記の課題を解決するものであ
って、シンプルな構成で且つ安価にシャーベット状の氷
を生成することができる管内製氷ユニット及び管内製氷
方法の提供を目的とするものである。本発明の他の目的
は、金属腐食が起こりにくく比較的高い温度で高い効率
の管内製氷ユニット及び管内製氷方法を提供することで
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】そのために本発明は、シ
ェル内に複数の細いチューブを配置し、蓄熱水をチュー
ブ内に満液状態にしてシャーベット状の氷を生成する管
内製氷ユニットであって、蓄熱水として低濃度の吸湿材
水溶液を使用し、チューブの周囲に不凍液又は冷媒を通
すように構成したことを特徴とするものであり、製氷方
法としては、シェル内に複数の細いチューブを配置し、
蓄熱水をチューブ内に満液状態にしチューブの周囲に不
凍液又は冷媒を通してシャーベット状の氷を生成する管
内製氷方法であって、蓄熱水として低濃度の吸湿材水溶
液を使用し静止状態で吸湿材水溶液の凍結温度以下の不
凍液又は蒸発温度が吸湿材水溶液の凍結温度以下に設定
された冷媒をチューブの周囲に通す製氷モードによりシ
ャーベット状の氷を生成することを特徴とするものであ
る。
【0014】
【作用】本発明の管内製氷ユニット及び管内製氷方法で
は、強い浸透力(水和性)と濃度に応じた凝固点降下の
性質を持つ低濃度の吸湿材水溶液を蓄熱水として使用す
ることによって、氷の生成に伴い吸湿材水溶液が氷の結
晶間に滞留するために氷が単一結晶となりにくく、その
他の放出された酢酸化合物で濃度が高められ、凝固点降
下によって氷化されない吸湿材水溶液の中にシャーベッ
ト状の氷を生成することができる。しかも、低濃度の吸
湿材水溶液は、−1℃前後が凝固点であるので、吸湿材
水溶液の凍結温以下である従来のものに比べて高い温度
で不凍液又冷媒を使用することができる。また、静止し
た満液状態で製氷を行うため、製氷時には通水動力が不
要である。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図1は本発明に係る管内製氷ユニットの1実施
例構成を示す図、図2は図1に示す製氷ユニットの断面
図、図3乃至図5は製氷モードと脱氷モードを説明する
ための図である。図中、1はシェル、2はチューブ、3
は吸湿材水溶液出口、4は吸湿材水溶液入口、5は不凍
液又は冷媒出口、6は不凍液又は冷媒入口、7は不凍液
又は冷媒室、8は断熱材、9はシャーベット状の氷を示
す。
【0016】本発明に係る管内製氷ユニットは、図1に
示すようにシェル1の中に複数の細いチューブ(コイ
ル)2が入ったシェル&チューブ型の製氷器を使用した
ものであり、蓄熱材としては、低濃度の酢酸カリウム
(CH3 COOK)や酢酸ナトリウム(CH3 COON
a)等の酢酸化合物水溶液からなる吸湿材水溶液を使用
したものである。そして、シェル1のチューブ2の中に
は吸湿材水溶液入口4から吸湿材水溶液を、チューブ2
の周囲には不凍液又は冷媒入口6から不凍液又は冷媒を
それぞれ送り込んでチューブ2を冷却し、吸湿材水溶液
を静止状態にしてチューブ2内にシャーベット状の氷を
生成する。そして、生成されたシャーベット状の氷は、
吸湿材水溶液入口4から吸湿材水溶液を通水して吸湿材
水溶液出口3から押し出すものである。図2はこの断面
図を示したものであり、シェル1の中央部に両側が吸湿
材水溶液入口4と吸湿材水溶液出口3に連通する複数の
細いチューブ2を設け、このチューブ2の両端部の周囲
を断熱材8で仕切って不凍液又は冷媒室7にし、不凍液
又は冷媒入口6から不凍液又は冷媒出口5に連通するよ
うにしている。
【0017】次に製氷モードと脱氷モードの動作を図3
乃至図5により説明する。
【0018】製氷モードでは、シェル1内に蓄熱水とし
ての吸湿材水溶液を満液状態で静止させ、不凍液又は冷
媒入口6から吸湿材水溶液の凍結温度以下の不凍液又は
蒸発温度が吸湿材水溶液の凍結温度以下に設定された冷
媒を不凍液又は冷媒室7に約5〜10分間程度通してチ
ューブ2を冷却する。そうすると、チューブ2内におけ
る吸湿材水溶液の水分の一部が氷結し、図3に示すよう
にシャーベット状の氷9が生成される。
【0019】このように、本発明者は、従来のようなエ
チレングリコール水溶液や過冷却現象を利用することな
く、低濃度の酢酸カリウム(CH3 COOK)等の吸湿
材水溶液を蓄熱水として用いると、比較的高い温度でし
かも簡便にシャーベット状の氷9を生成できることが判
った。酢酸カリウム等の吸湿材水溶液は、高い水和性
(水への強い浸透力)を有し、また、低濃度の吸湿材水
溶液は、濃度が高くなるにしたがって凝固点が降下する
性質(凝固点降下現象)を有するという特徴がある。し
たがって、蓄熱水である低濃度の吸湿材水溶液を静止し
た状態で冷却することによって氷が結晶状態になってゆ
くと、酢酸カリウム等を放出するが、この酢酸カリウム
は、強い浸透力で氷化しないで残留している吸湿材水溶
液の中に一様に浸透するため氷が単一結晶になりにくく
かつ残留している吸湿材水溶液の濃度が高くなり、その
濃度変化に追随して凝固点が降下する。そのため、氷結
面温度が吸湿材水溶液の凍結温度よりも多少低くなった
としても、それに追随した濃度でチューブ2の中には、
吸湿材水溶液が残留することになるので、管内氷結面に
固い氷板を生成することなく、チューブ2内全体に細か
なシャーベット状の氷が生成されることが判った。しか
も、数%(例えば2〜3%)の低濃度の吸湿材水溶液の
凝固点温度は、−1℃前後であるので、比較的高い温度
で効率よく製氷を行うことができる。
【0020】また、臭化リチウム(LiBr)等の臭化
物水溶液も、蓄熱水として上記と同様の効果を期待でき
るが、臭化物水溶液を用いた場合には金属腐食が生じや
すく、そのために装置の寿命を延ばすことが難しいとい
う問題がある。これに比べると、酢酸化合物水溶液から
なる吸湿材水溶液は、金属腐食が起こりにくく、藻が発
生にくい、コストも比較的安くできる等の点において蓄
熱水として優れた特性を有している。
【0021】上記のようにしてシャーベット状の氷が生
成されると、次に脱氷モードに切り換え、チューブ2内
からシャーベット状の氷を取り出すことになる。この脱
氷モードでは、まず、不凍液又は冷媒を使って1分以下
(数十秒)の短時間に、氷結管面温度を低濃度の吸湿材
水溶液の凝固点温度近く(例えば2〜3%の吸湿材水溶
液で約0℃)の低温度で加熱して、僅かな氷着力で氷結
管面に付着しているシャーベット状の氷9を剥離させる
(図4)。そして、数十秒間、ポンプ等で低濃度の吸湿
材水溶液を蓄熱水槽から汲み上げ、図5に示すようにそ
の水圧によりシャーベット状の氷9を含んだ吸湿材水溶
液をチューブ2内から吸湿材水溶液出口3を通して蓄熱
水槽に押し出すと共に、チューブ2内を新しい吸湿材水
溶液と入れ換える。
【0022】図6は管内製氷ユニットを使った製氷シス
テムの冷媒系の1実施例構成を示す図、図7は水系の1
実施例構成を示す図である。図中、11と15はコンプ
レッサー、12はコンデンサー、13はエバポレータ
ー、14はサクションヘッダー、16はサクションダン
パー、17はサクション支管、18は冷媒切替弁、19
は冷媒スプレーノズル、20は製氷チューブ、21は冷
媒支管、22はエバポレーターブロック、23はオリフ
ィス、24は低圧冷媒液槽、25は冷媒ポンプ、26は
冷媒主管、27は冷媒流量調節弁、28は蓄熱水切替弁
を示す。
【0023】図6及び図7に示す実施例は、汎用冷凍機
部と本発明に係る製氷器部とを一体化したシステムであ
り、製氷器部は、複数の管内製氷ユニットを使用して構
成したものである。図において、4つのエバポレーター
ブロック22がそれぞれ図1に示す製氷ユニットに相当
するものである。冷媒液切替弁18は、それぞれのエバ
ポレーターブロック22に対して製氷モードか脱氷モー
ドかに応じて冷媒液の供給系をコンデンサー12か低圧
冷媒液槽24かに切り替えるものであり、蓄熱水切替弁
28は、製氷モード時に蓄熱水の供給を止めてエバポレ
ーターブロック22の製氷チューブ20内の蓄熱水を静
止状態にし、脱氷時に蓄熱水を供給して製氷チューブ2
0内に生成されたシャーベット状の氷を押し出し、蓄熱
水を入れ替えるものである。
【0024】まず、製氷運転時には、冷凍機部のコンプ
レッサー11、コンデンサー12で加圧、凝縮された高
圧常温冷媒液が冷媒流量調節弁27を通して製氷部に導
かれ、脱氷中のエバポレーターブロック22の冷媒スプ
レーノズル19から散布される。この冷媒液は、オリフ
ィス23を通して下部の低圧冷媒液槽24に溜まり、冷
媒ポンプ25から冷媒主管26、冷媒液切替弁18を通
して製氷中のエバポレーターブロック22の冷媒スプレ
ーノズル19から散布される。エバポレーターブロック
22において吸湿材水溶液の凍結温度以下で蒸発した低
温低圧の冷媒ガスは、製氷器部のコンプレッサー15で
吸引、加圧されて冷凍機部のエバポレーター13に戻
り、冷媒循環サイクルが形成される。
【0025】このように製氷時には、冷媒が製氷機部か
ら冷凍機部のエバポレーター13へ冷媒ガスで供給され
るため、冷凍機部のエバポレーター13内の水を凍らせ
ないというメリットがある。そのため、昼間の冷水運転
を蓄熱運転から円滑に切り替えることができる。
【0026】また、蓄熱水は、蓄熱水ポンプによって床
下等の蓄熱水槽から汲み上げられ、蓄熱水切替弁28等
の制御弁を経て順次製氷機部の脱氷中のエバポレーター
ブロック22に送水され、一部シャーベット状の氷とな
って各エバポレーターブロック22から順次、連続的に
蓄熱水槽へ戻り、蓄熱水槽内に蓄氷される。
【0027】図3乃至図6に示す製氷システムでは、複
数のエバポレーターブロック22でシーケンシャルに順
次製氷モード→脱氷モードを繰り返すように冷媒切替弁
18及び蓄熱水切替弁28の開閉を制御することによっ
て連続的に製氷することができる。このようにすると、
各エバポレーターブロック22への蓄熱水をブロック毎
に製氷時には止め、管内で製氷された氷の搬出、蓄熱水
の入れ替えのために脱氷時の後半で数十秒間だけ通水す
るように蓄熱水切替弁28が切り替えられるので、従来
の製氷機に比べて著しく蓄熱水の搬送動力を低減するこ
とができる。
【0028】図6において、図示左端のエバポレーター
ブロック22が脱氷モードの状態を示している。この脱
氷モードでは、サクションダンパー16を閉にしサクシ
ョン支管17を塞いだ状態で、冷媒切替弁18を通して
冷媒スプレーノズル19からエバポレーターブロック2
2の中に冷媒を散布することにより製氷チューブ20を
低温度で加熱する。そして、蓄熱水切替弁28を開にす
ることにより蓄熱水で製氷チューブ20内に生成された
シャーベット状の氷を押し出し、蓄熱水を入れ替える。
【0029】上記の製氷システムによると、蓄熱の必要
がない昼間の冷水運転では、冷凍機11側のみを運転す
ることによって、冷凍機11側のエバポレーター13に
接続されたクローズドシステムの二次側冷水を約5℃ま
で直接冷却することができる。
【0030】また、夏季の蓄熱水冷却運転では、約5℃
までの一般冷却と約0℃までの低温冷却に分けて二段階
冷却を行うことができる。いずれも双方のコンプレッサ
ー11、15が直列運転され、ブロック割された製氷器
部のエバポレーターブロック22の全てに蓄熱水か送水
される。
【0031】冬季は、ヒートポンプ機として運転する
と、低温度蓄熱による著しい蓄熱効率の向上と低温度の
ビル廃熱利用が可能になる。
【0032】暖房負荷の大きい朝の運転において、蓄熱
水が他の熱源機等で深夜加熱されて例えば15℃以上に
なっている場合には、冷凍機部のエバポレーターブロッ
ク22に蓄熱水を流し、冷凍機部のコンプレッサー11
のみ運転すると、コンデンサー12から温熱を効率よく
取り出すことができる。
【0033】また、暖房立ち上がり後の冷えた蓄熱水か
ら集熱する場合には、夏季の低温度冷水や製氷運転と同
様に運転すると、空気熱源式ヒートボンプ機より効率よ
くコンデンサー12から温熱を取り出すことができる。
【0034】蓄熱水が0℃近くまで低下すると、下水等
のビル廃熱回収、大気からの集熱、室内空調からの廃熱
回収等が可能となり、冬季も高い熱効率が確保できる。
また、低温度蓄熱のため、従来の冷温水蓄熱方式に比
べ、蓄熱水槽の断熱工事や冷暖房のシーズン切り替え等
も有利となる。
【0035】上記のように本発明の製氷システムを使用
すると、昼間の一般冷水運転時にクローズ化された二次
側冷水を直接冷却したり、その他の冷暖房熱源機として
の重要な幾つかの運転パターンを円滑に切り替え効率よ
く運転することができる。
【0036】図8はヒーティングタワー循環水の濃縮に
本発明に係る製氷ユニットを使用した例を示す図であ
る。ヒーティングタワー32は、循環水が外気と直接接
触するために、空気中の水分を取り込み希釈される。こ
のような循環水を濃縮するために、先に説明した本発明
の製氷ユニットを濃縮装置31として使用することがで
きる。この濃縮装置31は、製氷、脱氷サイクルを利用
するものであり、製氷及び脱氷の温度を濃縮の程度に応
じて変えることによって、ヒートポンプ運転で混入した
水分をシャーベット状に凍らせる。そして、この氷を例
えばすくい取って除去することにより所望の濃度に濃縮
することができる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、低濃度の酢酸カリウム等の吸湿材水溶液を蓄
熱材として使用することにより、シャーベット状の氷を
吸湿材水溶液の凍結温度以下で生成することができるの
で、比較的高い温度で製氷することができ、しかも、吸
湿材水溶液の特徴である凝固点降下と高い水和性により
長時間たっても硬い氷の塊にはならないので、普通の水
を氷結させたときのような管内閉塞状態に至ることはな
い。且つ0℃程度の低温度の加熱により短時間に円滑な
氷結面からの脱氷を行うことができ、0℃に近い低温度
脱氷ができるので、蓄熱水の予冷吸収熱や蒸発前の高圧
常温度冷媒液の予冷熱が利用でき、運転効率を向上さ
せ、冷凍システム全体のシンプル化を図ることができ
る。
【0038】また、蓄熱水に低濃度の吸湿材水溶液を使
用するので、蓄熱水にエチレングリコール水溶液等、水
以外の蓄熱水を使用する従来の製氷システムに比べ、腐
敗性もなく混入量も少ないので、安全性が高くメンテナ
ンスの向上、コストの低減を図ることができる。しかも
低濃度のため、氷結温度が−1℃前後と高く、且つ冷媒
直接膨脹方式が利用できるため、製氷効率、能力を左右
する冷凍機蒸発温度も従来のものに比べて約5℃程度高
くできるので、製氷時の効率と能率を向上させることが
できる。蓄熱水として臭化物水溶液を使った場合のよう
な金属腐食の問題も回避することができ、装置の寿命を
延ばすことができる。
【0039】さらには、補助動力が殆ど必要なく、無流
水管内製氷であるため、脱氷用通水時間以外には動力が
必要でなく、その通水時間も運転時間全体の1/10以
下と短いので、従来のものに比べて動力の使用量を大幅
に低減することができる。
【0040】ヒーティングタワー循環水の濃縮装置とし
て利用した場合にも、従来の蒸発潜熱利用法に比べる
と、水の凝固熱を利用することから、熱回収用熱交換機
を設けない限り、約1/7程度までエネルギーの使用量
を低減することができる。また、蒸発潜熱利用に比べて
機構もシンプルにすることができ、システム全体として
もシンプルな構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る管内製氷ユニットの1実施例構
成を示す図である。
【図2】 図1に示す製氷ユニットの断面図である。
【図3】 製氷モードと脱氷モードを説明するための図
である。
【図4】 製氷モードと脱氷モードを説明するための図
である。
【図5】 製氷モードと脱氷モードを説明するための図
である。
【図6】 管内製氷ユニットを使った製氷システムの冷
媒系の1実施例構成を示す図である。
【図7】 水系の1実施例構成を示す図である。
【図8】 ヒーティングタワーの循環水濃縮に本発明に
係る製氷ユニットを使用した例を示す図である。
【図9】 薄膜降下式の製氷システムの従来例を示す図
である。
【図10】 水の過冷却現象を利用した製氷システムの
従来例を示す図である。
【符号の説明】
1…シェル、2…チューブ、3…吸湿材水溶液出口、4
…吸湿材水溶液入口、5…不凍液又は冷媒出口、6…不
凍液又は冷媒入口、7…不凍液又は冷媒室、8…断熱
材、9…シャーベット状の氷
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増本 幹夫 東京都大田区羽田旭町11番1号株式会社荏 原製作所内 (72)発明者 五十嵐 征四郎 東京都港区芝浦一丁目2番3号清水建設株 式会社内 (72)発明者 那須原 和良 東京都港区芝浦一丁目2番3号清水建設株 式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シェル内に複数の細いチューブを配置
    し、蓄熱水をチューブ内に満液状態にしてシャーベット
    状の氷を生成する管内製氷ユニットであって、蓄熱水と
    して低濃度の吸湿材水溶液を使用し、チューブの周囲に
    不凍液又は冷媒を通すように構成したことを特徴とする
    管内製氷ユニット。
  2. 【請求項2】 シェル内に複数の細いチューブを配置
    し、蓄熱水をチューブ内に満液状態にしチューブの周囲
    に不凍液又は冷媒を通してシャーベット状の氷を生成す
    る管内製氷方法であって、蓄熱水として低濃度の吸湿材
    水溶液を使用し静止状態で吸湿材水溶液の凍結温度以下
    の不凍液又は蒸発温度が吸湿材水溶液の凍結温度以下に
    設定された冷媒をチューブの周囲に通す製氷モードによ
    りシャーベット状の氷を生成することを特徴とする管内
    製氷方法。
  3. 【請求項3】 吸湿材水溶液として、酢酸化合物水溶液
    を用いたことを特徴とする請求項2記載の管内製氷方
    法。
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