JP3728519B2 - 凍結濃縮方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は凍結濃縮方法とその装置に係り、更に詳細に言えば、食品加工業における食品や発酵食品、化学工業、製薬工業、あるいは金属加工業等における汚水の浄化、機械油やメッキ廃液等の廃水処理、その他、海水の淡水化等の広範囲にわたって適用可能な凍結濃縮方法及び凍結濃縮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水溶液を凍結させることにより、水と溶質との凝固点の差に起因して氷結晶を析出させて水溶液の濃度を高め、濃縮された水溶液中から氷結晶を分離するようにした凍結濃縮方法は、気液間の物質移動が無く、香りの成分のように揮発しやすい成分を保持したまま脱水することができること、及び熱に対して不安定な水溶液や雑菌に汚染されやすい成分を含む水溶液から水分を除去する方法に好適であること、しかも水の凝固潜熱が蒸発潜熱の1/7であり、蒸発による方法よりも省エネルギーとなること等の理由から、上記のようにジュース、ワイン、ビール等の液状食品や飼料の濃縮、あるいは廃水中の汚染物質の除去、さらには海水や塩水の淡水化等に広く利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来のこの種の方法では、以下のような問題があった。すなわち、水溶液を凍結させて氷結晶を析出した際、この氷結晶の表面には溶質が付着するため、氷結晶を濃縮された溶液から分離する際に溶質が氷結晶に同伴されることになり、溶質の回収率及び氷融液の清澄度が低減するという問題があった。特に溶質の付着が氷結晶の比表面積の大きさに比例して多くなるため、比表面積が小さい大粒径の氷結晶を生成させることが要件となった。
【0004】
かかる問題を解決する手段として、凍結濃縮装置内に大きな面積をもった冷却板を配置し、濃縮用の水溶液を前記冷却板の上部から自然落下させたり、あるいはポンプ駆動により冷却板上を強制的に流動せしめ、冷却板の上に氷結晶を生成させる方法も提案されている。そして、かかる方法では氷結晶の成長に伴って、水溶液の占める容積が急減するために、原理的には、1段での高い濃縮が可能である。また、固形物を含む水溶液については、固形物を氷間に封入することなく、溶液を凍結濃縮することも可能である。
【0005】
しかしながら、上記の装置では、高い生成速度で氷結晶を冷却板上に生成せしめるためには、冷却板温度を定める冷媒の温度を水溶液の凝固点よりも大きく低下させて、過冷却度を大にする必要がある。
一般的に、水溶液の凝固点とは、水溶液と氷結晶が熱力学的に共存できる温度であり、多くの場合、凝固点では氷結晶の生成は開始されず、水溶液の凝固点以下の過冷却状態おいて氷結晶の生成が開始される。また、氷結晶の形状は、氷結晶の成長速度と核発生速度により決定され、水溶液の過冷却度に比例するため、氷結晶の生成開始時に大きな過冷却度がつけられると、冷却体表面には、微細な氷結晶が生成され、これらが最終的な氷の清澄度を低下させる。
【0006】
本発明の目的は、かかる従来の問題点を解決するためになされたもので、粒氷を形成させる工程と、この粒氷を冷却板に付着させる工程により、溶質の混入の少ない清澄な氷が高い生産性で得ることができるようにした凍結濃縮方法及び凍結濃縮装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、 濃縮を要する原液である水溶液の凝固温度よりも低い冷却温度に保持した円筒形状ジャケットを有する冷却部と、該冷却部内を撹拌しながら冷却することにより微小粒氷結晶を析出させるとともに該冷却部内周面に析出する氷結晶をその外周で掻き取るための攪拌スクリューとからなる粒氷形成器と、
前記粒氷形成器の冷却部上方に、前記粒氷形成器により生成された微小粒氷結晶とこの微小粒氷結晶に付着した水溶液とを含む氷スラリーを形成するスラリー形成部と、
却板からなるジャケットに囲まれた板氷形成器とを用意し
前記板氷形成器内部を、冷却板表面に形成される板氷の凝固点より低く且つ前記微小粒氷結晶が融解する冷却温度に保持して、
前記粒氷形成器の上方から被濃縮水溶液を導入して冷却部で微小粒氷結晶を析出させ、微小粒氷結晶から分離される濃縮液を下方から排出し、さらに前記板氷形成器の上方から前記スラリー形成部で形成した氷スラリを、冷却板上に供給降下させて前記冷却板上に板氷を生成させるとともに、前記微小粒氷結晶が板氷形成器において融解する際の融解潜熱によって新たな氷を前記板氷に付着させて、水溶液から氷結晶を分離することを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明は請求項2記載のように、被濃縮溶液の凝固点よりも低い冷却温度に保持された冷却板からなるジャケットに囲まれた板氷形成器と、
前記板氷形成器の底部より供給される水溶液の凝固温度よりも低い冷却温度に保持されている円筒形状ジャケットを有する冷却部と、該冷却部内周面に析出する氷結晶を掻き取って微小粒氷結晶を形成するための氷掻き取り手段とからなる粒氷形成器とを用意し、
前記板氷形成器の上方から被濃縮水溶液を導入し、前記冷却板上に前記水溶液を降下させて板氷を析出させて濃縮された水溶液を得るとともに、この濃縮された水溶液を前記粒氷形成器に供給し冷却部で微小粒氷結晶を析出させ、分離された濃縮液を下方から排出し、かつ微小粒氷結晶を前記濃縮された水溶液に浮上させて上方から回収することにより、水溶液から氷結晶を分離することを特徴とする。
【0009】
なお、請求項1若しくは2に記載の前記発明において、粒氷形成器の内部の冷却部では溶液を撹拌するか、あるいは冷却部に付着した氷を掻き落とすことにより微小粒氷結晶を形成することが好ましい。また、微小氷粒というのは1mm以下の粒径のものであることが好ましい。
【0010】
更に、請求項3記載の本発明は前記請求項1記載の発明を効率的に実行するための凍結濃縮装置であり、濃縮を要する原液である水溶液の凝固温度よりも低い冷却温度に保持した円筒形状ジャケットを有する冷却部と、該冷却部内を撹拌しながら冷却することにより微小粒氷結晶を析出させるとともに該冷却部内周面に析出する氷結晶をその外周で掻き取るための攪拌スクリューとからなる粒氷形成器と、
前記粒氷形成器の冷却部上方に、前記粒氷形成器により生成された微小粒氷結晶とこの微小粒氷結晶に付着した水溶液とを含む氷スラリーを形成するスラリー形成部と、
却板からなるジャケットに囲まれた板氷形成器とを具え、
前記スラリー形成部と板氷形成器を結ぶとともに前記氷スラリーを板氷形成器に供給する供給路とを有しかつ前記スラリー形成部に濃縮を要する水溶液の供給口を設けるとともに、前記板氷形成器内部を、冷却板表面に形成される板氷の凝固点より低く且つ前記微小粒氷結晶が融解する冷却温度に保持して構成したことを特徴とすることを特徴とする。
本発明の請求項1記載の凍結濃縮方法及び請求項3記載の凍結濃縮装置によると、生産性が大きいが比表面積の大きなミクロンオーダーの微粒氷の析出を粒氷形成器で行い、さらに、生産性は良くないが比表面積の小さな板氷の析出を板氷形成器で行い、析出された氷には溶質の含有量が少なく、溶質の回収率、及び水溶液の清澄度が向上する。
【0011】
更に又、請求項4記載の本発明は前記請求項2記載の発明を効率的に実行するための凍結濃縮装置であり、被濃縮溶液の凝固点よりも低い冷却温度に保持された冷却板からなるジャケットに囲まれた板氷形成器と
前記板氷形成器の底部より供給される水溶液の凝固温度よりも低い冷却温度に保持されている円筒形状ジャケットを有する冷却部と、該冷却部内周面に析出する氷結晶を掻き取って微小粒氷結晶を形成するための氷掻き取り手段とからなる粒氷形成器
前記粒氷形成器の冷却部上方に位置するするスラリー形成部とを具え、
前記板氷形成器底部とスラリー形成部とを結ぶとともに板氷形成器底部の水溶液をスラリー形成部に供給する供給路とを有し、かつ粒氷形成器の底部に濃縮液の排出口を設けたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の凍結濃縮方法及び凍結濃縮装置を図に示される実施形態について更に詳細に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置などは特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1には本発明の第1の実施形態に係る凍結濃縮装置のシステムの説明図であり、図2は本発明の第2の実施形態にかかる凍結濃縮装置のシステムの説明図であり、同凍結濃縮装置が符号1にて示されている。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1に基づき第1の実施形態を説明する。図面の左側には粒氷形成器2が長手方向に立設されており、右側には板氷形成器3が長手方向に立設されている。また、粒氷形成器2と板氷形成器3の上部には供給路4が設けられていて、氷スラリー5を回転羽根ポンプ8の作用により前記粒氷形成器2から板氷形成器3へ供給可能に形成されている。
前記粒氷形成器2は円筒形をなし、ジャケット6に囲まれた冷却部7を備えている。この冷却部7は内部に図示しない装置からジャケット6の内部に送られる低温冷媒液の蒸発潜熱又はブラインクーラーで所定の温度に冷却された冷媒(例えばNH等)が循環することにより、冷却部7を水溶液の凝固温度よりも低い冷却温度に保持されている。又、冷却部7にはモータ9により回転自在なスクリュー11が挿入されていて、このスクリュー11は冷却部7に析出する氷結晶を掻き取って微小粒氷結晶10を形成するための氷掻き取り手段を形成する。
さらに、粒氷形成器2の上方には、前記氷掻き取り手段により形成された微小粒氷結晶とこの微小粒氷結晶に付着した水溶液とを含む氷スラリーを形成するスラリー形成部を有し、該スラリー形成部には濃縮を要する原液である水溶液12を内部に導く原液入口13を設ける。
又冷却部7下方に濃縮液15を排出するための濃縮液排水口14を備えている。
【0014】
前記板氷形成器3は断面が四角形の容器形状であって、ジャケット16に囲まれた広い面積の4枚の冷却板17を備える。また、ジャケット16には図示しないブラインクーラーで冷却された上記第1の実施の形態と同様の冷媒NH等が循環することにより冷却板17を所定の温度に冷却している。板氷形成器3は底部18が角錐形状をなし、かつ開放可能に構成されている。また、前記底部18には開口部19を設けてあり、底部18に滞留する希液23を粒氷形成器2の上部に設けられた開口部20に供給する希液帰還路21に連通している。なお、希液帰還路21には回転羽根ポンプ22が介装されていて希液23を強制的に粒氷形成器3の上部に帰還させるようになっている。
【0015】
次に本発明の凍結濃縮方法を図1に基づいて説明する。まず粒氷形成器2の上方の原液入口13から濃縮を要する水溶液(例えば溶質の濃度が8%程度のワイン原液)12を導入すると、水溶液12はこの水溶液の凝固温度よりも低い冷却温度に保持されている下方の冷却部7において、モータ9により回転するスクリュー11で撹拌されながら冷却され、ミクロンオーダーの直径をもつ微小粒氷結晶10が迅速かつ高能率に析出される。
また、前記スクリュー11はその外周面において冷却部7の表面に付着した氷結晶を掻き取って微小粒氷結晶10を生じさせる。このために、残りの水溶液は溶質を含んで濃度の高い濃縮液15となり、上方から導入された原液である水溶液12との間に濃度勾配が形成され、この濃縮液15は下方の濃縮液排出口14から容器24に排出される。
【0016】
一方、前記の微小粒氷結晶10は前記スクリュー11によって巻き上げられると共に、原液12に浮上する。さらに、供給路4に設けられた回転羽根ポンプ8を駆動して、微小粒氷結晶10とこの微小粒氷結晶10に付着した水溶液12を含む氷スラリー5を板氷形成器3の上方へ供給する。なお、微小粒氷結晶10の容積率が60%であると仮定すると、少なくとも60%は純粋な水であり、残余が水溶液(原液)である。
氷スラリー5を前記氷板形成器3に供給し、被濃縮溶液の凝固点よりも低い冷却温度に保持された冷却板17の表面を降下させる。すると、前記冷却板17には氷スラリー5に含まれる水溶液が氷結晶10として析出して板氷25が形成される。この板氷25は次第にその厚みが増していく。そして、板氷25はジャケット16内を流れるブライン(冷媒液)の冷却度を伝えないようになっている。その結果、冷媒と水溶液との温度差が小さくなり、板氷25が多量に溶質を含むようなことはなく、そのために氷の清澄度は損なわれない。
【0017】
なお、凝固点は氷の直径の大きさに比例し、直径が大きければ純粋の水の凝固点である0℃に近づくのであるから、前記板氷25の凝固点は0℃であると言える。また、逆にミクロンオーダーの直径を有する微小粒氷結晶10の凝固点は前記板氷25の凝固点に比し低い(例えば−1℃)。そして、氷の粒径が小であればあるほど板氷25に付着する速度が増す。
さらに、微小粒氷結晶10が板氷形成器3に導かれると、微小粒氷結晶10は凝固点が低いから潜熱を吐き出して融解し、板氷25の表面に付着する。融解したときの潜熱は新たな製氷に向けられるから、板氷25の生産性が向上する。また、板氷25が成長して次第に厚みを増してきたら、凍結濃縮装置1の運転を停止して板氷25を溶かし、板氷形成器3の底部18を開いて清澄な液を得る。この場合、板氷25の融解潜熱を他の冷却システムに用いてもよい。
また、氷スラリー5の一部は融解して冷却板17に付着することなく板氷25の表面を流れてこの板氷25を洗浄して一部は希液23となり、板氷形成器3の底部18に滞留する。この希液23は回転羽根ポンプ22によって開口部19から粒氷形成器2の上方の開口部20へ希液帰還路21を経て前記粒氷形成器2に流入し、再び冷却部7において微小粒氷10を析出する。
【0018】
上記のことから、ミクロンオーダーの微小粒氷結晶10が板氷25に比して凝固点が低いこと、及びジャケット16の冷却度が板氷25により断熱されて板氷形成器3の内部に伝わらないから、冷媒と水溶液の温度差を小さく保つことができ、板氷25の析出が容易となる。その結果、清澄な氷の析出が容易である。しかも、微小粒氷結晶10が板氷形成器3において融解する際の融解潜熱が新たな氷の形成に向けられることになり、生産性の高い凍結濃縮が実現する。
【0019】
(第2の実施の形態)
図2に基づき第2の実施形態を説明する。図1と同様に図面の左側には粒氷形成器2が長手方向に立設されており、右側には板氷形成器3が長手方向に立設されている。また、粒氷形成器2の上部と板氷形成器3の下部には供給路4が設けられており、さらに回転羽根ポンプ8が介装されている。また、板氷成型器3には上方から水溶液供給口13を介して水溶液である原液12を導入するようになっている。前記粒氷形成器2と板氷形成器3の内部構造は、前述の第1の実施の形態で用いられたものと同一構造を有するので、均等個所には同一符号を付して説明を省略する。
本実施の形態の凍結濃縮装置1によれば、原液12として前述の第1の実施の形態で用いられた水溶液よりも溶質の濃度の薄いもの、例えばコーヒー、茶などの液12を板氷形成器3の上方から導入し、ジャケット16の冷却板17の表面を降下させる。このジャケット16内は冷却された冷媒液もしくはブライン等によって原液12の凝固点よりも−1℃程度低く冷却されて過冷却状態になっている。冷却板17上に氷結晶が析出し、60%程度に濃縮された水溶液12aが得られて底部18に滞留する。
【0020】
回転羽根ポンプ8を駆動して、前記のように濃縮された水溶液12aを供給路4を経て粒氷形成器2の上方のスラリ形成部に供給する。スラリ形成部下方の粒氷形成器2の冷却部7はジャケット6内を循環する冷媒によって過冷却状態になっているから濃縮された原液12aはスクリュー11によって撹拌されながら冷却されて直径がミクロンオーダーの微小粒氷結晶10が析出し、濃縮液15を分離する。
また、冷却部7にも氷粒が付着するが、この氷粒はスクリュー11の外周により掻き取られて上方に巻き上げられる。そして、水溶液12aには濃度勾配が形成される。そして濃縮された原液12aに浮上し、粒氷排出口26を経て容器27に排出する。原液である水溶液12は前記第1の実施の形態に比して低濃度であるから、微小粒氷結晶10には濃縮された原液12aが付着しても濃縮効率を大きく低下することはない。一方濃縮液15は比重が大きいため下方の濃縮液排出口14から容器24に排出する。このため、低濃度の原液から高濃縮液を形成することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の凍結濃縮方法及び凍結濃縮装置によれば、生産性は大きいが比表面積の大きなミクロンオーダーの粒氷の析出と、生産性は良くないが比表面積の小さな板氷の析出とを、それぞれ別工程で行うようにしたから、析出された氷には溶質の含有量が少なくなり、溶質の回収率及び水溶液の清澄度を向上させることができる。したがって、廃液処理に適用すると、清浄な氷の溶融水は河川や海への投棄が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態にかかる凍結濃縮装置のシステムの説明図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態にかかる凍結濃縮装置のシステムの説明図である。
【符号の説明】
1 凍結濃縮装置
2 粒氷形成器
3 板氷形成器
4 供給路
7 冷却部
10 微小粒氷結晶
11 スクリュー(水溶液撹拌手段、氷掻き取り手段)
12 水溶液(原液)
13 原液入口
14 濃縮液排出口
15 濃縮液
17 冷却板
25 板氷
26 粒氷排出口

Claims (4)

  1. 濃縮を要する原液である水溶液の凝固温度よりも低い冷却温度に保持した円筒形状ジャケットを有する冷却部と、該冷却部内を撹拌しながら冷却することにより微小粒氷結晶を析出させるとともに該冷却部内周面に析出する氷結晶をその外周で掻き取るための攪拌スクリューとからなる粒氷形成器と、
    前記粒氷形成器の冷却部上方に、前記粒氷形成器により生成された微小粒氷結晶とこの微小粒氷結晶に付着した水溶液とを含む氷スラリーを形成するスラリー形成部と、
    却板からなるジャケットに囲まれた板氷形成器とを用意し
    前記板氷形成器内部を、冷却板表面に形成される板氷の凝固点より低く且つ前記微小粒氷結晶が融解する冷却温度に保持して、
    前記粒氷形成器の上方から被濃縮水溶液を導入して冷却部で微小粒氷結晶を析出させ、微小粒氷結晶から分離される濃縮液を下方から排出し、さらに前記板氷形成器の上方から前記スラリー形成部で形成した氷スラリを、冷却板上に供給降下させて前記冷却板上に板氷を生成させるとともに、前記微小粒氷結晶が板氷形成器において融解する際の融解潜熱によって新たな氷を前記板氷に付着させて、水溶液から氷結晶を分離することを特徴とする凍結濃縮方法。
  2. 被濃縮溶液の凝固点よりも低い冷却温度に保持された冷却板からなるジャケットに囲まれた板氷形成器と、
    前記板氷形成器の底部より供給される水溶液の凝固温度よりも低い冷却温度に保持されている円筒形状ジャケットを有する冷却部と、該冷却部内周面に析出する氷結晶を掻き取って微小粒氷結晶を形成するための氷掻き取り手段とからなる粒氷形成器とを用意し、
    前記板氷形成器の上方から被濃縮水溶液を導入し、前記冷却板上に前記水溶液を降下させて板氷を析出させて濃縮された水溶液を得るとともに、この濃縮された水溶液を前記粒氷形成器に供給し冷却部で微小粒氷結晶を析出させ、分離された濃縮液を下方から排出し、かつ微小粒氷結晶を前記濃縮された水溶液に浮上させて上方から回収することにより、水溶液から氷結晶を分離することを特徴とする凍結濃縮方法。
  3. 濃縮を要する原液である水溶液の凝固温度よりも低い冷却温度に保持した円筒形状ジャケットを有する冷却部と、該冷却部内を撹拌しながら冷却することにより微小粒氷結晶を析出させるとともに該冷却部内周面に析出する氷結晶をその外周で掻き取るための攪拌スクリューとからなる粒氷形成器と、
    前記粒氷形成器の冷却部上方に、前記粒氷形成器により生成された微小粒氷結晶とこの微小粒氷結晶に付着した水溶液とを含む氷スラリーを形成するスラリー形成部と、
    却板からなるジャケットに囲まれた板氷形成器とを具え、
    前記スラリー形成部と板氷形成器を結ぶとともに前記氷スラリーを板氷形成器に供給する供給路とを有しかつ前記スラリー形成部に濃縮を要する水溶液の供給口を設けるとともに、前記板氷形成器内部を、冷却板表面に形成される板氷の凝固点より低く且つ前記微小粒氷結晶が融解する冷却温度に保持して構成したことを特徴とする凍結濃縮装置。
  4. 被濃縮溶液の凝固点よりも低い冷却温度に保持された冷却板からなるジャケットに囲まれた板氷形成器と
    前記板氷形成器の底部より供給される水溶液の凝固温度よりも低い冷却温度に保持されている円筒形状ジャケットを有する冷却部と、該冷却部内周面に析出する氷結晶を掻き取って微小粒氷結晶を形成するための氷掻き取り手段とからなる粒氷形成器
    前記粒氷形成器の冷却部上方に位置するするスラリー形成部とを具え、
    前記板氷形成器底部とスラリー形成部とを結ぶとともに板氷形成器底部の水溶液をスラリー形成部に供給する供給路とを有し、かつ粒氷形成器の底部に濃縮液の排出口を設けたことを特徴とする凍結濃縮装置。
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