JP2003286102A - 害虫防除薬剤組成物 - Google Patents
害虫防除薬剤組成物Info
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Abstract
濃度まで溶解でき、また、経時的に優れた安定性を示
し、実用面でも引火点が高い、毒性が低い等の安全性に
優れた害虫防除薬剤組成物を提供すること。 【解決手段】 難溶性殺虫剤成分を含有する害虫防除薬
剤組成物であって、該難溶性殺虫剤成分を、グリセリン
脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル又はポ
リオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルで溶解した
原液を含有する害虫防除薬剤組成物である。
Description
を用いた製剤であって、長期の経時安定性に優れた害虫
防除薬剤組成物に関する。さらに詳しくは、対象害虫に
忌避性を示さない害虫防除薬剤組成物に関するものであ
る。
製造する際、殺虫剤成分を溶解させる溶剤は、その選定
として、殺虫剤成分との相溶性の他に、引火点や毒性な
どの安全性、ニオイや刺激などの使用性なども実用上重
要なポイントである。従来から灯油系溶剤は、低毒性
で、引火点が高く安全性が高いなどから多用されている
が、殺虫剤成分の溶解性が総じて低い。特に、これら溶
剤に対して難溶性であるフィプロニル等の殺虫剤成分に
ついて、適した溶剤は知られていない。一方、アセト
ン、トルエン、キシレン、クロロホルムなど溶剤は溶解
性が高いが、引火点が低く、毒性が高く、また、ニオイ
が強いなどと総じて実用的でない。
溶解助剤として、乳化剤などが知られているが、難溶性
殺虫剤成分について、適した溶解助剤は知られていな
い。
難溶性殺虫剤成分の一つであるメトキサジアゾンの溶解
剤としてN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2
−ピロリドンが開示されている。
解する溶剤、或いは乳化、可溶化分散させる溶解助剤と
して実用上満足するものがない。そのために、散布など
する液状の製剤において、殺虫剤成分の液層が分離又は
殺虫剤成分が沈殿したり、また、塗布などする粘性の製
剤において、殺虫剤成分が析出したり、さらには、これ
ら不安定な製剤では殺虫剤成分の分解が加速するなどの
経時的悪影響を起こしやすい。
せたり、或いは誘き寄せ触れさせることで害虫を殺虫す
る目的の場合、選択した溶剤、或いは溶解助剤が、害虫
を忌避するものであってはいけない。
された溶解剤は、難溶性殺虫剤であるメトキサジアゾン
に優れた溶解性を有するが、害虫を誘き寄せ殺虫する目
的製剤には効力面で満足できる結果を得ることができな
かった。
あり、難溶性殺虫剤成分を含有する製剤の調製に対し
て、適した溶解性、可溶化分散性などを有し、得られた
製剤が経時的に優れた安定性を示し、また、害虫防除で
忌避するなど悪影響を与えない害虫防除薬剤組成物を提
供することを目的とするものである。
虫剤成分を用いた製剤について、害虫に対して悪影響を
及ぼさない溶解剤を検討中に、グリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪酸エステル又はポリオキシエチ
レングリセリン脂肪酸エステルが溶剤及び/又は溶解助
剤の作用を有することを見出して、本発明を開発した。
を含有する害虫防除薬剤組成物であって、難溶性殺虫剤
成分を、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂
肪酸エステル又はポリオキシエチレングリセリン脂肪酸
エステルで溶解した原液を含有する害虫防除薬剤組成物
である。請求項1に係る発明によれば、非常に溶け難い
難溶性殺虫剤成分を広範囲の濃度まで溶解できる。ま
た、経時的に優れた安定性を示し、実用面でも引火点が
高い、毒性が低い等の安全性に優れる。
及び植物油を含有する害虫防除薬剤組成物であって、該
難溶性殺虫剤成分及び植物油を、グリセリン脂肪酸エス
テル、ポリグリセリン脂肪酸エステル又はポリオキシエ
チレングリセリン脂肪酸エステルで溶解した原液を含有
する害虫防除薬剤組成物である。請求項2に係る発明に
よれば、非常に溶け難い難溶性殺虫剤成分及び植物油と
の混合物を広範囲の濃度まで溶解できる。
エステルが、ジオレイン酸グリセリル、モノオレイン酸
ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、ジ
オレイン酸ジグリセリルの少なくとも1種を含有するも
のである害虫防除薬剤組成物である。請求項4に係る発
明は、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル
が、モノオレイン酸POE(5)グリセリル、モノオレ
イン酸POE(15)グリセリルの少なくとも1種を含
有するものである害虫防除薬剤組成物である。請求項3
及び4に係る発明によれば、非常に溶け難い難溶性殺虫
剤成分又は植物油との混合物をより広範囲の濃度まで溶
解できる。
引接触殺虫剤である害虫防除薬剤組成物である。請求項
5に係る発明によれば、誘引食毒剤又は誘引接触殺虫剤
となるので、害虫を誘い寄せ、食させ殺虫する。又は害
虫の活動域で歩行中に接触させ殺虫する。また、溶解剤
として害虫が嫌う刺激臭、ニオイがないので、優れた防
除効果を得ることができる。
が、フィプロニルである害虫防除薬剤組成物である。請
求項6に係る発明によれば、非常に難溶であるフィプロ
ニルが溶解できる。
難溶性殺虫剤成分をグリセリン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリ
ン脂肪酸エステルで溶解した原液を含有する薬剤組成物
又は難溶性殺虫剤成分及び植物油をグリセリン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪酸エステルで溶解した原液を含
有する薬剤組成物からなる製剤である。
剤成分の溶解及び/又は、乳化、可溶化分散性などを有
すると共に、実用面でも引火点が高い、毒性が低いなど
安全性に優れ、また、ニオイや刺激臭がほとんどないも
のである。
は、グリセリン脂肪酸エステルであり、脂肪酸モノグリ
セライド、脂肪酸ジグリセライド、脂肪酸トリグリセラ
イドが挙げられる。例えば、モノステアリン酸グリセリ
ル、モノオレイン酸グリセリル、モノイソステアリン酸
グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ジオレイン酸
グリセリル、モノステアリン酸ジグリセリル、モノオレ
イン酸ジグリセリル、ジオレイン酸ジグリセリル、モノ
イソステアリン酸ジグリセリル、カプリン酸トリグリセ
リルが例示できる。また、ポリオキシエチレングリセリ
ン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルが挙
げられる。例えば、モノステアリン酸POE(5)グリ
セリル、モノステアリン酸POE(15)グリセリル、
モノオレイン酸POE(5)グリセリル、モノオレイン
酸POE(15)グリセリル、モノオレイン酸テトラグ
リセリル、モノステアリン酸テトラグリセリル、トリス
テアリン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸テト
ラグリセリル、ペンタオレイン酸テトラグリセリル、モ
ノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸ヘキ
サグリセリル、モノステアリン酸ヘキサグリセリル、モ
ノオレイン酸ヘキサグリセリル、トリステアリン酸ヘキ
サグリセリル、ペンタオレイン酸ヘキサグリセリル、ポ
リリシノール酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカ
グリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノス
テアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセ
リル、モノリノール酸デカグリセリル、モノイソステア
リン酸デングリセリル、ジステアリン酸デカグリセリ
ル、ジオレイン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸
デカグリセリル、トリステアリン酸デカグリセリル、ト
リオレイン酸デカグリセリル、トリイソステアリン酸デ
カグリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、ペ
ンタオレイン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリン
酸デカグリセリル、ヘプタステアリン酸デカグリセリ
ル、ヘプタオレイン酸デカグリセリル、ヘプタイソステ
アリン酸デカグリセリルなどが例示でき、単独、または
混合して用いることができる。また、従来の溶剤、溶解
助剤などと一緒に用いることができる。これらグリセリ
ン脂肪酸エステルの中で、難溶性殺虫剤成分を溶解する
時、少なくとも加温で液状化するジオレイン酸グリセリ
ル、ジオレイン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリ
セリル、モノイソステアリン酸ジグリセリルが好まし
く、また、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステ
ルの中で、モノオレイン酸POE(5)グリセリル、モ
ノオレイン酸POE(15)グリセリル、また、ポリグ
リセリン脂肪酸エステルの中で、モノオレイン酸テトラ
グリセリル、ペンタオレイン酸テトラグリセリル、ペン
タオレイン酸ヘキサグリセリルが好ましい。
わち害虫を誘き寄せ食し殺虫させる、或いは害虫の活動
域で歩行中に接触させ殺虫するなど製剤には、溶解剤と
して害虫が嫌う刺激臭、ニオイがなく忌避作用がないこ
とが好ましい。例えば、殺虫剤成分及び植物油を含有す
る薬剤組成物が挙げられ、この製剤の場合、前記グリセ
リン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル又
はポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルの中
で、殺虫剤成分及び植物油を溶解する時、少なくとも加
温で液状化するジオレイン酸グリセリル、ジオレイン酸
ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノイソ
ステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸POE
(5)グリセリル、モノオレイン酸POE(15)グリ
セリル、モノオレイン酸テトラグリセリル、ペンタオレ
イン酸テトラグリセリル、ペンタオレイン酸ヘキサグリ
セリルが好ましく、さらに害虫の接近を妨げないモノオ
レイン酸ジグリセリル、モノオレイン酸POE(5)グ
リセリルがより好ましい。
ては、例えば、灯油系溶剤などに溶解し難い、公知のピ
レスロイド系殺虫剤、カーバメイト系殺虫剤、有機リン
系殺虫剤、アミジノヒドラゾン系殺虫剤、ピラゾール系
殺虫剤、シラネオファン系殺虫剤、害虫成長阻害剤など
が挙げられるが、その他の難溶性殺虫剤成分も当然使用
できることは言うまでもない。本発明でいう難溶性殺虫
剤成分とは、例えば、フィプロニル、メトキサジアゾ
ン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、トラロメス
リン、イミプロトリン、エレミック等が挙げられる。ま
た、害虫を誘引し防除する製剤に用いる難溶性殺虫成分
としては、フィプロニル、ヒドラメチルノン、イミダク
ロプリド、トラロメスリン等が有効であり、さらに、フ
ィプロニル;5−アミノ−1−[2,6−ジクロロ−4
−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−[(トリフ
ルオロメチル)スルフィニル]−1H−ピラゾール−3
−カルボニトリルがより有効である。
をグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリ
セリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル
を用いて溶解した液を、油剤、乳剤のような液剤原液と
して、また、エアゾール剤、スプレー剤等の噴霧原液と
して、或いは、加熱マット、燻蒸剤、送風製剤等の蒸散
原液として、更には、シート、塗料等の塗布原液として
用いることができる。前記溶解液に公知の溶剤、溶解助
剤、また、各製剤の性能に応じて、噴射剤、酸化防止剤
やコート剤などを用いて調製される。
セリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン
脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルで溶解
した液を、ダンゴ剤、ゲル剤、粒剤等の製剤の混合原液
として、シート剤、マット剤等の製剤の含浸原液とし
て、捕獲容器、ボックス、塗料などの塗着原液として用
いることができる。前記溶解液に公知の溶剤、溶解助
剤、また、各製剤の性能に応じて、食餌物質、誘引物
質、ゲル化剤、防腐剤、粘着剤などを用いて調製され
る。
ゴマ油、オリーブ油、大豆油、アマニ油、菜種油、ツバ
キ油、綿実油、ヒマシ油、コーン油、やし油、パーム
油、ひまわり油、べに花油等が挙げられ、その単独、ま
たは混合して用いることができる。
などの害虫が誘き寄せられ食することで殺虫する食毒製
剤、害虫が誘き寄せられ接触し殺虫する接触製剤、或い
は食毒及び接触の両効果を有する製剤が挙げられる。本
発明の溶解剤は、害虫の接近を妨げる忌避作用がないこ
とから、この製剤に用いると効果的である。
剤成分とグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルとの配合割合は、難溶性殺虫剤成分1重量部に対
して、0.1〜5.0重量部、好ましくは0.5〜3.
0重量部の範囲で原液を調合することが好ましい。この
範囲で充分な溶解性を有するからである。また、原液の
調整は、加温状態で行われる。
てさらに詳細に説明するが、本発明はかかる試験例のみ
に限定されるものではない。
てフィプロニルを使用し、実施例として、グリセリン脂
肪酸エステル及びポリオキシエチレングリセリン脂肪酸
エステル、比較例として、エタノール、ネオチアゾール
を用いてその溶解状態を調べた。溶解試験の結果は、表
1に示す。また、表1における評価基準は下記の通りで
ある。本試験における溶解条件は、加温溶解し、1昼夜
放置後に溶解状態を観察した。 評価基準 ○:完全に溶解し、観察時にも不溶物を認めなかった。 △:完全に溶解していたが、観察時にはわずかな不溶物
を認めた。 ×:全く溶解しない、または完全に溶解しない。
ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルは、非常
に溶け難い殺虫剤成分フィプロニルについて広範囲の濃
度まで溶解し、モノオレイン酸ジグリセリル、モノオレ
イン酸POE(5)グリセリル、モノオレイン酸POE
(15)グリセリルは高い濃度まで溶解し、ジオレイン
酸グリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリルは若
干溶解性が弱いが、比較的高い溶解性を示すエタノール
(比較例1)と同等か、それ以上の溶解性を示し、実用
濃度では充分である。また、安全性が高く、無臭性であ
ることから多用されているネオチアゾール(比較例2)
は溶解性が小さかった。
としてフィプロニルを使用、その実用濃度内で、製剤ベ
ースとして植物油を用いて、グリセリン脂肪酸エステル
及びポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル(殺
虫剤成分と同重量を使用)をブランク(植物油のみ)と
対比しながら溶解状態を調べた。溶解試験の結果は、表
2に示す。また、表2における評価基準は下記の通りで
ある。本試験における溶解条件は、加温溶解をし、1昼
夜放置後に溶解状態を観察した。 評価基準 ○:完全に溶解し、観察時に不溶物を認めなかった。 △:完全に溶解していたが、観察時にはわずかな不溶物
を認めた。 ×:完全に溶解しない、または溶解に長時間かかる。
酸エステル及びポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エ
ステルは、落花生油(実施例6〜10)及び落花生油+
ゴマ油の混合物(実施例11〜15)を製剤ベースとし
た粘性剤において、いずれのブランクも難溶性殺虫剤成
分が分散状態であるのに対して、使用することで溶解状
態を示した。また、植物油の組み合わせによって、溶解
状態に高めることが可能であり、使用濃度に応じて選択
することができる。また、本試験で溶解剤の使用量につ
いて、難溶性殺虫剤成分1重量部に対して0.5〜3.
0重量部の範囲で調べた。その結果について、同量以外
は表2に記載していないが、0.5倍量、2倍量、3倍
量において、いずれのグリセリン脂肪酸エステル及びポ
リオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルも高い溶解
性を示した。同様の試験を行い溶解状態を調べた。その
結果について、省略したが、いずれの製剤ベースにおい
て、いずれのグリセリン脂肪酸エステル及びポリオキシ
エチレングリセリン脂肪酸エステルも高い溶解性を示し
た。
ース2(縦25×横25×高さ5cm)の片辺2箇所
に、アクリル製パイプ5(直径3cm、長さ15cm)
を接続し、その先端に供試剤7を設置する円筒容器6
(直径15cm、高さ10cm)を備えたものを用意し
た。そして、アクリル製ケース内に木製十字形シェルタ
ー3を2個、含水ガーゼ入り給水容器4を1個を配置
し、供試虫としてクロゴキブリ雌成虫10匹を放飼し
た。供試剤7として、グリセリン脂肪酸エステル及びポ
リオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、比較例と
してPharmasolve(N−メチル−2−ピロド
リン)、PEG200(ポリエチレングリコール20
0)の公知溶解剤を用い、落花生油との溶解物0.5g
を不織布(2×2cm)に塗着したものを準備した。試
験は、供試剤7を円筒容器6の上蓋内面に貼り付け、各
供試剤毎にブランク(溶解剤なし)を対象として比較
し、ゴキブリがアクリル製ケース2から円筒容器6内に
進入する回数(誘引回数)および滞在していた時間(誘
引時間)について約6時間観察し、溶解剤の忌避障害を
調べた。忌避性試験の結果は、表3に示す。但し、表中
の数字は、3回の試験結果の平均値である。
解助剤)は高い溶解性を示すものの、ブランクに比べ、
誘引回数、誘引総時間が著しく低い結果を示しことか
ら、避忌性を有することを示唆した。それに対し、実施
例16、17、18のグリセリン脂肪酸エステル及びポ
リオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルは、ブラン
クより同等以上の誘引回数、誘引総時間を示し、忌避性
がないことを示唆した。また、本試験では供試虫として
クロゴキブリを用いたが、別途、チャバネゴキブリにつ
いても同様の試験を行なったところ、クロゴキブリの試
験結果と同じような傾向を示した。
様のアクリル製ケース2を用意し、そして、ケース内に
木製十字形シェルター3を2個、含水ガーゼ入り給水容
器4を1個を配置し、供試虫としてチャバネゴキブリ雌
成虫20匹を放飼した。供試剤として、表4に示す処方
液からなる誘引殺虫剤9を備えた樹脂製殺虫容器8(幅
6×長さ12×高さ2cm。容器の側面が開放形状。)
を準備した。誘引殺虫剤9の備えは、処方液1.0gを
塗着した不織布(2×4cm)を殺虫容器8の底面中央
部分に貼り付けて試験に用いた。試験は、殺虫容器8を
試験ボックス1内に設置し、経過時間に伴うチャバネゴ
キブリの死亡数を計測し、各溶解剤の影響を調べた。殺
虫試験の結果は、表5に示す。但し、表中の数値は、3
回の試験結果の平均値である。
ブリが死亡したのに対して、グリセリン脂肪酸エステル
及びポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルを用
いた供試剤(実施処方19,20)は、同等若しくはそ
れ以上の殺虫効果を示した。それに比べ、Pharma
solveを用いた供試剤(比較処方5)は、全死亡に
8時間以上を要しブランクより悪い結果を示し、使用し
た溶解剤がゴキブリの接近を妨げていることを示唆し
た。
ルとした。各サンプルをガラス瓶に収納し、密閉した
後、25℃、40℃の暗室で1カ月間保管した。そし
て、1カ月後、サンプルの溶解状況を目視にて確認し
た。
変わらず、殺虫剤成分の析出など不溶物を認めず、安定
であることを示した。
トキサジアゾンを使用し、本発明のグリセリン脂肪酸エ
ステル及びポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステ
ルの溶解状態を調べた。溶解試験の結果は、表6に示
す。また、表6における評価基準は下記の通りである。
溶解条件は、加温溶解し、そして1昼夜放置した後、溶
解状態を観察した。 評価基準 ○:完全に溶解し、観察時に不溶物を認めなかった。 △:完全に溶解し、観察時にはわずかな不溶物を認め
た。 ×:完全に溶解しない、または溶解に長時間かかった。
テル及びポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル
(実施例21〜25)は、殺虫剤成分メトキサジアゾン
についても高い濃度まで溶解性を示した。これに比べ、
エタノール(比較例6)、ネオチアゾール(比較例7)
は溶解性が低く、本発明のグリセリン脂肪酸エステル及
びポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルに比べ
劣っていた。
溶け難い難溶性殺虫剤成分を広範囲の濃度まで溶解でき
る。また、経時的に優れた安定性を示し、実用面でも引
火点が高い、毒性が低い等の安全性に優れる。さらに、
害虫への忌避などの影響がなく、得られた誘引殺虫製剤
として顕著な効力を発揮する。
示す説明図である。
示す説明図である。
ェルター、4…給水容器、5…アクリル製パイプ、6…
円筒容器、7…供試剤、8…殺虫容器、9…誘引殺虫剤
Claims (6)
- 【請求項1】 難溶性殺虫剤成分を含有する害虫防除薬
剤組成物であって、該難溶性殺虫剤成分を、グリセリン
脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル又はポ
リオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルで溶解した
原液を含有することを特徴とする害虫防除薬剤組成物。 - 【請求項2】 難溶性殺虫剤成分及び植物油を含有する
害虫防除薬剤組成物であって、該難溶性殺虫剤成分及び
植物油を、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン
脂肪酸エステル又はポリオキシエチレングリセリン脂肪
酸エステルで溶解した原液を含有することを特徴とする
害虫防除薬剤組成物。 - 【請求項3】 前記グリセリン脂肪酸エステルが、ジオ
レイン酸グリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モ
ノイソステアリン酸ジグリセリル、ジオレイン酸ジグリ
セリルの少なくとも1種を含有したものである請求項1
又は2記載の害虫防除薬剤組成物。 - 【請求項4】 前記ポリオキシエチレングリセリン脂肪
酸エステルが、モノオレイン酸POE(5)グリセリ
ル、モノオレイン酸POE(15)グリセリルの少なく
とも1種を含有したものである請求項1又は2記載の害
虫防除薬剤組成物。 - 【請求項5】 誘引食毒剤又は誘引接触殺虫剤である請
求項1〜4のいずれか1項記載の害虫防除薬剤組成物。 - 【請求項6】 前記難溶性殺虫剤成分が、フィプロニル
である請求項1〜5のいずれか1項記載の害虫防除薬剤
組成物。
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---|---|---|---|
JP2002091995A JP2003286102A (ja) | 2002-03-28 | 2002-03-28 | 害虫防除薬剤組成物 |
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JP (1) | JP2003286102A (ja) |
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