JP2003285075A - フッ素含有乳化剤回収方法 - Google Patents

フッ素含有乳化剤回収方法

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宙 舟木
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昌隆 江田
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浩樹 神谷
Kota Omori
浩太 大森
Takeshi Kamiya
武志 神谷
Yasuteru Miura
康輝 三浦
Nobukazu Yanase
亙一 簗瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フッ素含有ポリマーの凝集排水などから、フッ
素含有乳化剤を簡便な方法で効率よく回収する方法を提
供する。 【解決手段】フッ素含有乳化剤を含み、浮遊固形分およ
び浮遊固形分になりうる物質の含有量が1質量%以下で
あるフッ素含有ポリマー重合後の排水からフッ素含有乳
化剤を回収する方法であって、2価金属イオンおよび3
価金属イオンを用いて層状複水酸化物を形成し、前記排
水に含まれているフッ素含有乳化剤を該層状複水酸化物
の層間に内包させた後、該層状複水酸化物を前記排水か
ら分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、層状複水酸化物を
用いたフッ素含有乳化剤の回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、フッ素含有ポリマーの乳化重
合に使用されるフッ素含有乳化剤の回収方法として、陰
イオン交換樹脂(以下、IERという。)を用いる技術
が知られている。
【0003】特許文献1には、乳化重合のラテックスを
凝集・洗浄し、乳化剤を水溶液として捕集、濃縮後、有
機溶剤で該フッ素含有乳化剤を回収する方法が記載され
ており、本文中には陰イオン交換樹脂を用いた該フッ素
含有乳化剤の回収方法も記載されている。特許文献2に
は、希薄乳化剤水溶液をpH0〜7の範囲で弱塩基性陰
イオン交換樹脂に接触させ、該乳化剤を吸着させ、アン
モニア水で脱着させる方法が記載されている。特許文献
3には、フッ素含有ポリマーの凝集排水にノニオン又は
カチオン性界面活性剤を添加し、凝集排水中のポリ四フ
ッ化エチレン(以下、PTFEという。)微粒子を安定
化し、IERの充填塔の閉塞を防止する方法が記載され
ている。特許文献4、5、および6には、PTFEの凝
集排水を限外濾過法で濃縮するとともにPTFE製造に
用いたフッ素含有乳化剤の一部を回収した後、IERで
フッ素含有乳化剤を吸着・回収する方法が記載されてい
る。前記特許文献2、および特許文献7、8には、ペル
フルオロオクタン酸アンモニウムをIERに吸着させ、
ついで酸と有機溶剤との混合物を用いてペルフルオロク
タン酸を脱着し回収する方法が開示されている。
【0004】特許文献9には、四フッ化エチレン/ペル
フルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(以下、
PFAという。)の凝集排水に、予め石灰水を添加して
pHを6〜7.5に調整後、塩化アルミニウム、塩化鉄
等の金属塩を添加して未凝集のPFAを凝集させ、つい
で機械的に凝集物を分離・除去した後に、得られた排水
のpHを硫酸で7以下に調整し、強塩基性IERを用い
てフッ素含有乳化剤を吸着・回収する方法が記載されて
いる。特許文献10には、イオン交換樹脂に吸着したフ
ッ素含有乳化剤を水、アルカリ、有機溶剤の混合液を用
いて脱着する方法が記載されている。また、非特許文献
1および非特許文献2では、アルミニウムと亜鉛の層状
複水酸化物を用いて、ペルフルオロクタン酸およびその
アンモニウム塩を挿入固定する技術が報告されている。
【0005】
【特許文献1】特公昭47−51233号公報
【特許文献2】米国特許第4282162号明細書(U
S3882153)
【特許文献3】国際公開第99/62830号パンフレ
ット(WO99/62830)
【特許文献4】特開昭55−120630号公報
【特許文献5】米国特許第5312935号明細書(U
S4369266)
【特許文献6】独国特許発明第2908001号明細書
(DE2908001)
【特許文献7】特開昭55−104651号公報
【特許文献8】独国特許第2903981号明細書(D
E2903981)
【特許文献9】国際公開第99/62858号パンフレ
ット(WO99/62858)
【特許文献10】特開2001−62313号公報
【非特許文献1】日本化学会第76回春季年会講演予稿
集、平成11年3月15日発行、第600頁
【非特許文献2】日本化学会第80回秋季年会講演予稿
集、平成13年9月7日発行、第41頁
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、IER
を用いる方法では、IERとの接触の前に、未凝集のフ
ッ素含有ポリマーをはじめとする、凝集排水中の浮遊固
形分(以下、SS成分と記す。)を高度に除去する必要
があり、このSS成分の除去がフッ素含有乳化剤の回収
効率に多大な影響を与えるだけでなく、有効なSS成分
除去方法が見つかっていないなど、実際の操作上での課
題が多く残されている。一方、前記非特許文献1および
前記非特許文献2で報告された層状複水酸化物を用いた
フッ素含有界面活性剤の挿入固定方法では、あくまでペ
ルフルオロクタン酸およびそのアンモニウム塩のみが溶
解した水溶液での技術が示されただけで、他の夾雑物が
含まれているフッ素含有ポリマーの凝集排水を用いて実
際に回収を行った報告は知られていない。
【0007】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、SS成分を含有する、フッ素含有ポリマーの凝集排
水などから、フッ素含有乳化剤を簡便な方法で効率よく
回収する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、フッ素含有乳化剤を含む水性媒体中で少
なくとも1種のフッ素含有モノマーを重合させて得られ
るフッ素含有ポリマーを分離した後の排水であって、前
記フッ素含有乳化剤を含み、かつ浮遊固形分および浮遊
固形分になりうる物質の含有量が1質量%以下である前
記排水に、2価金属イオンと3価金属イオンとを含む混
合水溶液を添加するとともに、前記混合水溶液を添加す
る際の前記排水のpHを、前記混合水溶液中に含まれる
前記2価金属イオンおよび前記3価金属イオンが層状複
水酸化物を形成し得るpHの値に保持して、前記フッ素
含有乳化剤を層間に含む層状複水酸化物を生成させる乳
化剤固定化工程と、該乳化剤固定化工程の後、前記層状
複水酸化物を前記排水から分離して、前記フッ素含有乳
化剤を回収する回収工程とを含むことを特徴とするフッ
素含有乳化剤回収方法を提供する。前記混合水溶液に代
えて、2価金属イオンを含む2価金属水溶液と、3価金
属イオンを含む3価金属水溶液を、それぞれ前記排水に
添加してもよい。
【0009】また、本発明は、フッ素含有乳化剤を含む
水性媒体中で少なくとも1種のフッ素含有モノマーを重
合させて得られるフッ素含有ポリマーを分離した後の排
水であって、浮遊固形分および浮遊固形分になりうる物
質の含有量が1質量%以下である排水から、前記フッ素
含有乳化剤を回収する方法であって、2価金属イオンと
3価金属イオンを含む混合水溶液と、前記フッ素含有乳
化剤を構成するアニオンとは異なるアニオンを含有し、
かつpHが前記2価金属イオンと3価金属イオンとが層
状複水酸化物を形成する値に保たれた反応液とを混合す
ることにより、前記フッ素含有乳化剤を構成するアニオ
ンとは異なるアニオンを層間に含む層状複水酸化物を予
め生成させる層状複水酸化物生成工程と、 前記排水の
pHを、前記2価金属イオンと前記3価金属イオンとが
層状複水酸化物を形成する値に保ちながら、前記層状複
水酸化物と前記排水とを混合することにより、該排水中
に含まれるフッ素含有乳化剤を層間に含む層状複水酸化
物を生成させる乳化剤固定化工程と、該乳化剤固定化工
程の後、前記層状複水酸化物を前記排水から分離して、
前記フッ素含有乳化剤を回収する回収工程とを含むフッ
素含有乳化剤回収方法を提供する。
【0010】また本発明は、フッ素含有乳化剤を含む水
性媒体中で少なくとも1種のフッ素含有モノマーを重合
させて得られるフッ素含有ポリマーを分離した後の排水
であって、浮遊固形分および浮遊固形分になりうる物質
の含有量が1質量%以下である排水から、前記フッ素含
有乳化剤を回収する方法であって、2価金属イオンと3
価金属イオンを含む混合水溶液と、前記フッ素含有乳化
剤を構成するアニオンとは異なるアニオンを含有し、か
つpHが前記2価金属イオンと3価金属イオンとが層状
複水酸化物を形成する値に保たれた反応液とを混合する
ことにより、前記フッ素含有乳化剤を構成するアニオン
とは異なるアニオンを層間に含む層状複水酸化物を生成
させ、生成した層状複水酸化物を焼成することによりそ
の層間に含まれていた前記アニオンを除去して層状複水
酸化物の焼成体を得る焼成体形成工程と、前記排水のp
Hを、前記2価金属イオンと前記3価金属イオンとが層
状複水酸化物を形成する値に保ちながら、前記層状複水
酸化物の焼成体と前記排水とを混合することにより、該
排水中に含まれるフッ素含有乳化剤を層間に含む層状複
水酸化物を生成させる乳化剤固定化工程と、該乳化剤固
定化工程の後、前記層状複水酸化物を前記排水から分離
して、前記フッ素含有乳化剤を回収する回収工程とを含
むことを特徴とするフッ素含有乳化剤回収方法を提供す
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、フッ素含有乳化
剤としては、炭素原子数5〜13の、ペルフルオロアル
カン酸、ペルフルオロアルカンスルホン酸およびこれら
の化合物中のフッ素の一部が塩素もしくは水素で置換さ
れた酸の塩、例えば炭素原子数5〜13の、ペルフルオ
ロアルカン酸、ω−ヒドロペルフルオロアルカン酸、ω
−クロロペルフルオロアルカン酸,ペルフルオロアルカ
ンスルホン酸等の塩が好ましく、これらは直鎖構造でも
分岐構造でもよく、それらの混合物でもよい。また、分
子中にエーテル性の酸素原子を含有してもよい。炭素原
子数が上記の範囲内にあると乳化剤としての作用効果に
優れる。前記酸の塩としては、リチウム塩、ナトリウム
塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩
が好ましく、アンモニウム塩又はナトリウム塩がより好
ましく、アンモニウム塩が最も好ましい。
【0012】前記酸の具体例としては、ペルフルオロペ
ンタン酸、ペルフルオロヘキサン酸、ペルフルオロヘプ
タン酸、ペルフルオロオクタン酸、ペルフルオロノナン
酸、ペルフルオロデカン酸、ペルフルオロドデカン酸、
ω−ヒドロペルフルオロヘプタン酸、ω−ヒドロペルフ
ルオロオクタン酸、ω−ヒドロペルフルオロノナン酸、
ω−クロロペルフルオロヘプタン酸、ω−クロロペルフ
ルオロオクタン酸、ω−クロロペルフルオロノナン酸
等、CF3CF2CF2OCF(CF3)COOH、CF3
CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CO
OH、CF3CF2CF2O[CF(CF3)CF2O]2
F(CF3)COOH、CF3CF2CF2O[CF(CF
3)CF2O]3CF(CF3)COOH、CF3CF2CF
2CF2CF2OCF(CF3)COOH等、ペルフルオロ
ヘキサンスルホン酸、ペルフルオロヘプタンスルホン
酸、ペルフルオロオクタンスルホン酸、ペルフルオロノ
ナンスルホン酸、ペルフルオロデカンスルホン酸等、が
挙げられる。
【0013】アンモニウム塩の具体例としては、ペルフ
ルオロペンタン酸アンモニウム、ペルフルオロヘキサン
酸アンモニウム、ペルフルオロヘプタン酸アンモニウ
ム、ペルフルオロオクタン酸アンモニウム(以下、AP
FOという。)、ペルフルオロノナン酸アンモニウム、
ペルフルオロデカン酸アンモニウム、ペルフルオロドデ
カン酸アンモニウム、ω−ヒドロペルフルオロヘプタン
酸アンモニウム、ω−ヒドロペルフルオロオクタン酸ア
ンモニウム、ω−ヒドロペルフルオロノナン酸アンモニ
ウム、ω−クロロペルフルオロヘプタン酸アンモニウ
ム、ω−クロロペルフルオロオクタン酸アンモニウム、
ω−クロロペルフルオロノナン酸アンモニウム等、CF
3CF2CF2OCF(CF3)COONH4、CF3CF2
CF2OCF(CF 3)CF2OCF(CF3)COONH
4、CF3CF2CF2O[CF(CF3)CF 2O]2CF
(CF3)COONH4、CF3CF2CF2O[CF(C
3)CF2O]3CF(CF3)COONH4、CF3CF
2CF2CF2CF2OCF(CF3)COONH4等、ペル
フルオロヘキサンスルホン酸アンモニウム、ペルフルオ
ロヘプタンスルホン酸アンモニウム、ペルフルオロオク
タンスルホン酸アンモニウム、ペルフルオロノナンスル
ホン酸アンモニウム、ペルフルオロデカンスルホン酸ア
ンモニウム等、が挙げられる。
【0014】リチウム塩の具体例としては、ペルフルオ
ロペンタン酸リチウム、ペルフルオロヘキサン酸リチウ
ム、ペルフルオロヘプタン酸リチウム、ペルフルオロオ
クタン酸リチウム、ペルフルオロノナン酸リチウム、ペ
ルフルオロデカン酸リチウム、ペルフルオロドデカン酸
リチウム、ω−ヒドロペルフルオロヘプタン酸リチウ
ム、ω−ヒドロペルフルオロオクタン酸リチウム、ω−
ヒドロペルフルオロノナン酸リチウム、ω−クロロペル
フルオロヘプタン酸リチウム、ω−クロロペルフルオロ
オクタン酸リチウム、ω−クロロペルフルオロノナン酸
リチウム等、CF3CF2CF2OCF(CF3)COOL
i、CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(C
3)COOLi、CF3CF2CF2O[CF(CF3
CF2O]2CF(CF3)COOLi、CF3CF2CF2
O[CF(CF3)CF2O]3CF(CF3)COOL
i、CF3CF2CF2CF2CF2OCF(CF3)COO
Li等、ペルフルオロヘキサンスルホン酸リチウム、ペ
ルフルオロヘプタンスルホン酸リチウム、ペルフルオロ
オクタンスルホン酸リチウム、ペルフルオロノナンスル
ホン酸リチウム、ペルフルオロデカンスルホン酸リチウ
ム等、が挙げられる。
【0015】ナトリウム塩の具体例としては、ペルフル
オロペンタン酸ナトリウム、ペルフルオロヘキサン酸ナ
トリウム、ペルフルオロヘプタン酸ナトリウム、ペルフ
ルオロオクタン酸ナトリウム、ペルフルオロノナン酸ナ
トリウム、ペルフルオロデカン酸ナトリウム、ペルフル
オロドデカン酸ナトリウム、ω−ヒドロペルフルオロヘ
プタン酸ナトリウム、ω−ヒドロペルフルオロオクタン
酸ナトリウム、ω−ヒドロペルフルオロノナン酸ナトリ
ウム、ω−クロロペルフルオロヘプタン酸ナトリウム、
ω−クロロペルフルオロオクタン酸ナトリウム、ω−ク
ロロペルフルオロノナン酸ナトリウム等、CF3CF2
2OCF(CF3)COONa、CF3CF2CF2OC
F(CF3)CF2OCF(CF3)COONa、CF3
2CF2O[CF(CF3)CF2O]2CF(CF3)C
OONa、CF3CF2CF2O[CF(CF3)CF
2O]3CF(CF3)COONa、CF3CF2CF2CF
2CF2OCF(CF3)COONa等、ペルフルオロヘ
キサンスルホン酸ナトリウム、ペルフルオロヘプタンス
ルホン酸ナトリウム、ペルフルオロオクタンスルホン酸
ナトリウム、ペルフルオロノナンスルホン酸ナトリウ
ム、ペルフルオロデカンスルホン酸ナトリウム等、が挙
げられる。
【0016】カリウム塩の具体例としては、ペルフルオ
ロペンタン酸カリウム、ペルフルオロヘキサン酸カリウ
ム、ペルフルオロヘプタン酸カリウム、ペルフルオロオ
クタン酸カリウム、ペルフルオロノナン酸カリウム、ペ
ルフルオロデカン酸カリウム、ペルフルオロドデカン酸
カリウム、ω−ヒドロペルフルオロヘプタン酸カリウ
ム、ω−ヒドロペルフルオロオクタン酸カリウム、ω−
ヒドロペルフルオロノナン酸カリウム、ω−クロロペル
フルオロヘプタン酸カリウム、ω−クロロペルフルオロ
オクタン酸カリウム、ω−クロロペルフルオロノナン酸
カリウム等、CF3CF2CF2OCF(CF3)COO
K、CF3CF2CF2OCF(CF3)CF2OCF(C
3)COOK、CF3CF2CF2O[CF(CF3)C
2O]2CF(CF3)COOK、CF3CF2CF2
[CF(CF3)CF2O]3CF(CF3)COOK、C
3CF2CF2CF2CF2OCF(CF3)COOK等、
ペルフルオロヘキサンスルホン酸カリウム、ペルフルオ
ロヘプタンスルホン酸カリウム、ペルフルオロオクタン
スルホン酸カリウム、ペルフルオロノナンスルホン酸カ
リウム、ペルフルオロデカンスルホン酸カリウム等、が
挙げられる。
【0017】本発明におけるフッ素含有乳化剤として
は、特に、炭素原子数6〜12のペルフルオロアルカン
酸のアンモニウム塩が好ましく、ペルフルオロヘプタン
酸アンモニウム、APFO、ペルフルオロノナン酸アン
モニウム又はペルフルオロデカン酸アンモニウムがより
好ましく、APFOが最も好ましい。
【0018】本発明において、フッ素含有ポリマーを分
離した後の排水としては、フッ素含有モノマーの重合体
の製造工程又はフッ素含有モノマーとフッ素含有モノマ
ー以外のモノマーとの共重合体の製造工程からの凝集排
水が好ましい。具体的に、前記製造工程からの凝集排水
とは、フッ素含有乳化剤を含む水性媒体中で、少なくと
も1種のフッ素含有モノマーを、又は少なくとも1種の
フッ素含有モノマーとフッ素含有モノマー以外のモノマ
ーとを、乳化重合又は水性分散重合して得られたフッ素
含有ポリマー水分散液から、フッ素含有ポリマーを塩析
等で凝集して、製造目的物であるフッ素含有ポリマーを
分離した後の排水をいう。また、ポリマーの洗浄排水お
よびポリマーの乾燥・焼成で発生する排ガス中のフッ素
含有乳化剤を捕捉した吸収液も本発明における排水に含
まれるものとする。該排水には、フッ素含有モノマーの
重合時に使用されたフッ素含有乳化剤が含有される。ま
た凝集排水には、該フッ素含有乳化剤のほか、未凝集の
フッ素含有ポリマーなどのSS成分も含まれる。本発明
において、特に乳化重合後の凝集排水が好適である。以
下、本発明における前記排水の典型例として凝集排水を
挙げて説明を行うものとする。
【0019】フッ素含有モノマーとしては、四フッ化エ
チレン(テトラフルオロエチレン、以下、TFEとい
う。)、CF2=CFCl、CFH=CF2、CFH=C
2、CF2=CH2(フッ化ビニリデン、以下、VdF
という。)等のフルオロエチレン、六フッ化プロピレン
(ヘキサフルオロプロピレン、以下、HEPとい
う。)、CF2=CHCF3等のフルオロプロピレン、C
2=CFOCF3、CF2=CFO(CF22CF3(以
下、PPVEという。)、CF2=CFO(CF24
3等の炭素原子数3〜10のペルフルオロビニルエー
テル、CH2=CH(CF 23CF3等の炭素原子数4〜
10の(ペルフルオロアルキル)エチレン等が挙げられ
る。これらのフッ素含有モノマーは、単独で用いてもよ
いし、2種以上を併用してもよい。本発明においてフッ
素含有モノマーの少なくとも1種はTFEであることが
好ましい。
【0020】フッ素含有モノマー以外のモノマーとして
は、酢酸ビニル等のビニルエステル、エチルビニルエー
テル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチ
ルビニルエーテル等のビニルエーテル、ノルボルネン、
ノルボナジエン等の環状構造を有する単量体、メチルア
リルエーテル等のアリルエーテル、エチレン(以下、E
という。)、プロピレン(以下、Pという。)、イソブ
チレン等のオレフィン等が挙げられる。これらフッ素含
有モノマーの以外のモノマーは、単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。
【0021】本発明において、フッ素含有ポリマーとし
ては、PTFE、TFE/P共重合体、TFE/P/V
dF共重合体、TFE/HFP共重合体、TFE/PP
VE共重合体、E/TFE共重合体、ポリフッ化ビニリ
デン等が挙げられる。より好ましくは、PTFE、TF
E/P共重合体、TFE/P/VdF共重合体又はTF
E/PPVE共重合体であり、最も好ましくは、PTF
Eである。本発明におけるフッ素含有ポリマーは1種で
もよく、2種以上でもよい。
【0022】本発明において、フッ素含有ポリマーの凝
集排水からフッ素含有乳化剤を回収するためには、2価
金属イオンおよび3価金属イオンを用いて層状複水酸化
物を形成し、凝集排水に含まれているフッ素含有乳化剤
を該層状複水酸化物の層間に内包させる工程(乳化剤固
定化工程)を経て、該層状複水酸化物を凝集排水から分
離する。
【0023】一般に、層状複水酸化物にアニオンを内包
させる方法として、共沈法、イオン交換法、再構築法の
3種類が知られている。共沈法は回収目的アニオンが溶
解している液中に、金属イオンを添加して、層状複水酸
化物を形成させると同時にアニオンを該層状複水酸化物
の層間に内包させる方法である。イオン交換法は回収目
的アニオン以外のアニオン(例:塩化物イオン、水酸化
物イオン、炭酸イオンなど)が層状複水酸化物の層間に
内包された構造の層状複水酸化物を予め用意しておき、
該層状複水酸化物を回収目的アニオンが溶解している液
中に添加し、既に内包されているアニオンと入れ替わる
形で回収目的アニオンを層間に内包させる方法である。
再構築法は層間に炭酸イオンを内包した層状複水酸化物
を合成し、それを400〜500℃の高温で内部の炭酸
イオンを除去した固体を、アニオン吸着物質として、回
収目的アニオンが溶解している液中に添加することによ
り、該層状複水酸化物中に目的のアニオンを内包させる
方法である。本発明においては、共沈法、イオン交換
法、再構築法のいずれの方法も用いることができる。
【0024】本発明では、共沈法、イオン交換法、再構
築法のいずれの方法においても、層状複水酸化物を生成
させるのに2価金属イオンと3価金属イオンが用いられ
る。層状複水酸化物を形成するのに用いられる3価金属
(イオン化したときに3価のイオンとなる金属)と2価
金属(イオン化したときに2価のイオンとなる金属)
は、該3価金属のイオンが水酸化物を形成するpHの範
囲と、該2価金属のイオンが水酸化物を形成するpHの
範囲とが重なっているか、又はこれらのpHの範囲が近
ければ層状複水酸化物が形成され得る。具体的に、3価
金属のイオンが水酸化物を形成するpHの範囲と、2価
金属のイオンが水酸化物を形成するpHの範囲の、小さ
い方の上限と大きい方の下限との差が理論上2以下であ
れば層状複水酸化物を形成できる。2価金属の例として
はベリリウム、カドミウム、コバルト、クロム、銅(I
I)、鉄(II)、マグネシウム、マンガン(II)、ニッ
ケル、鉛、白金、パラジウム、亜鉛、錫、カルシウム等
が挙げられ、3価金属の例としてはアルミニウム、ビス
マス、セリウム、クロム、鉄(III)、ガリウム、イン
ジウム、マンガン(III)、チタン、およびタリウム等
が挙げられる。
【0025】上記3価金属と2価金属の水酸化物形成p
Hは以下のとおりである。 3価金属 アルミニウム:4〜9、ビスマス:4〜13、セリウ
ム:7.5以上、クロム:5〜9、鉄(III):2以
上、ガリウム:3〜10、インジウム:2.5以上、マ
ンガン(III):3以上、チタン:3以上、タリウム:
全範囲 2価金属 ベリリウム:6.5以上、カドミウム:8〜13、コバ
ルト:7.5〜13、クロム:7以上、銅(II):5〜
13、鉄(II):7以上、マグネシウム:10以上、マ
ンガン(II):8.5〜13、ニッケル:7〜13.
5、鉛:7〜12、白金:7以上、パラジウム:3.5
〜13、亜鉛:7〜12、錫:2〜10、カルシウム:
12.5以上 3価金属イオンとして、回収効率、環境および生態系へ
の影響、入手の容易性を考慮すると、アルミニウム、ク
ロム、マンガン(III)、ガリウムから選ばれる金属の
イオンが好ましく、これらの中ではアルミニウムイオン
が特に好ましい。また、2価金属イオンとして、回収効
率、環境および生態系への影響、入手の容易性を考慮す
ると、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ニッケル、銅
(II)、鉄(II)、マンガン(II)、コバルトから選ば
れる金属のイオンが好ましく、亜鉛又はマグネシウムの
イオンがより好ましく、マグネシウムイオンがさらに好
ましい。以下の説明では、好ましい2価金属(マグネシ
ウム、亜鉛)と好ましい3価金属(アルミニウム)を用
いる場合について主に説明する。
【0026】層状複水酸化物を生成するために凝集排水
に添加する金属イオンは、どのような原料を用いても問
題ないが、入手の容易さ、環境への影響から、塩化物お
よび塩化物の水和物が好ましい。アルミニウムイオンは
塩化アルミニウム、塩化アルミニウム六水和物、硫酸ア
ルミニウム、硝酸アルミニウムを用いることが好まし
く、塩化アルミニウム、塩化アルミニウム6水和物がよ
り好ましい。マグネシウムイオンの原料としては塩化マ
グネシウム、塩化マグネシウム六水和物、硝酸マグネシ
ウム六水和物、硝酸マグネシウム、酸化マグネシウム、
硫酸マグネシウム、硫酸マグネシウム七水和物、炭酸マ
グネシウムを用いるのが好ましく、とりわけ塩化マグネ
シウム、塩化マグネシウム六水和物が好ましい。亜鉛イ
オンの原料としては塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、酸化
亜鉛、硫酸亜鉛、硫酸亜鉛七水和物を用いるのが好まし
く、とりわけ塩化亜鉛が好ましい。
【0027】本発明において、凝集排水中における、回
収目的物であるフッ素含有乳化剤の初期濃度は1ppm
(質量基準、以下同様)以上10質量%以下が好まし
く、10ppm以上10質量%以下がより好ましく、1
0ppm以上1質量%以下がさらに好ましく、とりわけ
50ppm以上0.5質量%以下が好ましい。フッ素含
有乳化剤の初期濃度がこの範囲より低いと、凝集排水中
における層状複水酸化物による該フッ素含有乳化剤の捕
捉効率が低下してしまう。また上記範囲より高濃度の場
合はpHを変化させることによって該フッ素含有乳化剤
を析出させるなど、より簡便で効率的な方法を用いるこ
とができる。ここで、本明細書において、排水中におけ
るフッ素含有乳化剤の初期濃度とは、前処理工程を行う
場合は前処理工程の前における濃度を言い、前処理工程
を行わずに乳化剤固定工程を行う場合は、乳化剤固定工
程の前における濃度を言う。
【0028】本発明において、浮遊固形分になりうる物
質としては、フッ素含有ポリマーの塩析凝集に使用され
た金属塩および/又は凝集排水のpHの変化によって析
出する物質および/又は凝集排水の温度低下又は温度上
昇によって析出する物質等が挙げられる。以下、浮遊固
形分および浮遊固形分になりうる物質の典型例としてS
S成分を挙げて説明する。SS成分の具体例としては、
未凝集のフッ素含有ポリマーの分散粒子、凝集したフッ
素含有ポリマーの粒子、排水処理の経路で混入する異
物、酸性側で析出する金属塩等が挙げられる。SS成分
が凝集排水中に残存すると、フッ素含有乳化剤の回収お
よび回収率に悪影響は及ぼさないものの、フッ素含有乳
化剤を層間に含む層状複水酸化物から、フッ素含有乳化
剤を分離して再生させる際の効率が低下する。そのため
層状複水酸化物を生成する前に、SS成分を1質量%以
下まで除去しておくことが重要である。凝集排水中のS
S成分は0.3質量%以下まで除去するのがより好まし
く、とりわけ0.05質量%以下まで除去するのが好ま
しい。
【0029】本発明において、乳化剤固定化工程に先立
って、フッ素含有ポリマーの重合後の排水中に含まれる
SS成分を凝集させて除去するための前処理工程を行っ
てもよい。前処理工程においては、まず、前記排水に無
機酸を添加してそのpHを1以上6未満に調整する。p
Hが1未満とするにはpH調整に大量の無機酸の使用が
必要となるうえ、pH調整に使用される容器や配管等の
材料が限定されてしまう。pHを6以上とすると、SS
成分の凝集効率が低下する。また、pH6以上でSS成
分を凝集すると、微細な凝集物が生成し、その分離が困
難になる傾向がある。より好ましくは、排水のpHを2
以上4未満に調整する。
【0030】フッ素含有乳化剤は、pHを低く調整する
と塩型から酸型に変化する傾向がある。前処理工程にお
いて、前記排水のpH調整に用いる無機酸としては、硫
酸、硝酸および塩酸からなる群から選ばれる1種以上が
より好ましく、塩酸が最も好ましい。これらの無機酸、
特に塩酸を用いるとフッ素含有乳化剤および/又は酸型
となったフッ素含有乳化剤が、後の乳化剤固定化工程に
おいて層状複水酸化物に回収される効率が向上する。次
に、上記のように排水のpHを1以上6未満に調整した
後、25℃の水への溶解度が5質量%以上である金属塩
化物又は該金属塩化物の水和物を該排水に添加して、該
排水に含有されるSS成分を凝集させて除去する。
【0031】前記金属塩化物は、25℃の水への溶解度
が5質量%以上のものを用いるが、これは、溶解度が5
質量%より小さいと凝集に必要な量の金属塩化物が溶解
できないおそれがあるためである。該溶解度は、好まし
くは20質量%以上であり、より好ましくは40質量%
以上である。該金属塩化物は、SS成分の凝集剤として
作用し、かかる金属塩化物としては、多価金属の塩化物
が好ましい。多価金属の塩化物はSS成分の凝集力が大
きい。前記金属塩化物としては、塩化アルミニウム、塩
化アルミニウム6水和物、ポリ塩化アルミニウム、塩化
第一鉄および塩化第二鉄からなる群から選ばれる1種以
上がより好ましい。塩化アルミニウム、塩化第一鉄およ
び塩化第二鉄の、25℃の水への溶解度は、それぞれ4
6.8質量%、64.5質量%および91.9質量%で
ある。塩化アルミニウム6水和物は80質量%である。
また、ポリ塩化アルミニウムは、水と任意の割合で混合
することができる。前記金属塩化物の添加量は、排水に
対して質量あたり10ppm以上500ppm未満が好
ましく、10ppm以上200ppm未満がより好まし
い。前記金属塩化物の添加量が10ppmより少ない
と、SS成分の除去が不充分となる傾向がある。前記金
属塩化物の添加量が500ppm以上では凝集物の沈降
性が低下し、また、粘着質になって固液分離がしにくく
なり、さらに、該金属塩化物由来の塩素イオンが、後の
乳化剤固定化工程においてフッ素含有乳化剤が層状複水
酸化物に内包されるのを阻害する傾向となる。
【0032】本発明において、排水に前記金属塩化物又
は該金属塩化物の水和物を添加してSS成分を凝集させ
る時には、排水を撹拌することが好ましい。撹拌方法と
しては、特に限定されないが、撹拌によって凝集物粒子
を機械的に破壊しないものが好ましい。かかる撹拌装置
の撹拌翼としては、低速回転で排水全体を均一に混合で
きる撹拌翼が好ましく、フルゾーン翼、マックスブレン
ド翼又はアンカー翼からなる群より選ばれる1種が好ま
しい。該撹拌翼における攪拌時のG値は、1〜300s
−1が好ましく、5〜250s−1がより好ましく、1
0〜200s が最も好ましい。ここで、G値とは以
下の数式(1)によって導かれる値をいう。
【0033】
【数1】
【0034】ここでPは攪拌動力(W)、Vは液容積
(m3)、ηは液粘性係数(Pa・s)をあらわす。
【0035】前処理工程において、排水に前記金属塩化
物又は該金属塩化物の水和物を添加して凝集させたSS
成分の凝集物を除去する方法としては、一般的な固液分
離方法が採用でき、特に、濾過、デカンテーション、遠
心分離およびシックナーからなる群より選ばれる1種以
上の方法を用いることがより好ましい。濾過は、加圧下
に実施することが好ましい。また、凝集物を含む排水を
静置し、凝集物を沈降させて、上澄み液を濾過すること
により凝集物を除去することが好ましい。また、設備メ
ンテナンスの容易さ等の点から、シックナー又はスクリ
ューデカンターが最も好ましい。
【0036】本発明において、このような前処理工程を
行うことにより、凝集排水中のSS成分の含有量を、
0.01〜45ppm程度に低減させることができ、よ
り好ましくは0.01〜20ppmとすることができ、
最も好ましくは0.01〜10ppmとすることができ
る。0.01ppm未満にまでSS成分を少なくしよう
とすると、前記金属塩化物の添加量が多くなってしまう
ので好ましくない。
【0037】上述のように金属塩化物又はその水和物を
排水に添加してSS成分を凝集させる前処理工程を行う
場合、該排水中に含まれるフッ素含有乳化剤の一部がS
S成分とともに凝集してしまい、結果として、フッ素含
有乳化剤の回収効率を低下させることがある。そこで、
SS成分を凝集させた後排水のpHを上げることによ
り、SS成分とともに凝集したフッ素含有乳化剤を、そ
の凝集物から該排水中に溶出させることが好ましい。そ
のpHの範囲としては、8以上11未満が望ましく、9
以上10未満がより望ましい。該排水のpHが8未満に
なるとフッ素含有乳化剤の溶出効率が低下し、pHが1
1以上になると凝集させたSS成分の再分散が起こりや
すくなる。また、排水のpHを上げる際には、水酸化ナ
トリウムおよび/又は水酸化カリウムを添加することが
好ましい。
【0038】前記凝集排水、又は前記前処理工程を終え
た凝集排水は、共沈法、イオン交換法又は再構築法によ
って、フッ素含有乳化剤を層状複水酸化物に固定する乳
化剤固定工程へ導かれる。
【0039】共沈法の乳化剤固定化工程においては、前
記凝集排水又は前記前処理工程を終えた凝集排水のpH
を、層状複水酸化物の形成に用いる2価金属イオンと3
価金属イオンが層状複水酸化物を形成する値に保持しつ
つ、2価金属イオンと3価金属イオンを添加することに
よって層状複水酸化物を生成させる。該層状複水酸化物
は、凝集排水に含まれていたフッ素含有乳化剤を層間に
内包する。2価金属イオンと3価金属イオンの両方を含
む混合水溶液を凝集排水に添加してもよく、2価金属イ
オンを含む2価金属水溶液と、3価金属イオンを含む3
価金属水溶液を、それぞれ凝集排水に添加してもよい。
層状複水酸化物の生成には、系内の2価および3価の金
属イオンおよび該フッ素含有乳化剤が系内において均一
に拡散されていることが必要であり、これらが均一拡散
がなされない場合、該フッ素含有乳化剤を含む層状複水
酸化物の生成効率は低下する。このため、層状複水酸化
物の生成に用いる2価および3価の金属イオンは、おの
おのの水溶液を個別に調製し添加してもよいが、2価お
よび3価の金属イオンの混合溶液を調製し添加する方が
より好ましい。
【0040】まず凝集排水のpHを、層状複水酸化物の
形成に用いる2価金属イオンと3価金属イオンが層状複
水酸化物を形成する値に調整する。凝集排水のpHの調
整は、凝集排水がアルカリ性の場合は、塩酸および/又
は硫酸および/又は硝酸を添加することにより行い、凝
集排水が酸性の場合は、水酸化カリウムおよび/又は水
酸化ナトリウムを添加することにより行う。そして、3
価金属イオンとしてアルミニウムイオン(水酸化物形成
pH4〜9)を用い、2価金属イオンとして亜鉛イオン
(水酸化物形成pH7〜12)を用いる場合はpHを6
以上9以下に調整し、3価金属イオンとしてアルミニウ
ムイオンを用い、2価金属イオンとしてマグネシウムイ
オン(水酸化物形成pH10〜14)を用いる場合はp
Hを9以上11未満に調整するのが好ましい。また、3
価金属イオンとしてアルミニウムイオンを用い、2価金
属イオンとして亜鉛イオンおよびマグネシウムイオンを
用いる場合はpHを6以上9以下に調整するのが好まし
い。凝集排水のpHが上記の範囲を外れるとアルミニウ
ム、亜鉛、および/又はマグネシウムが、それぞれ独立
して水酸化物を形成して水酸化アルミニウム、水酸化亜
鉛、水酸化マグネシウムとなる傾向があるため、層状複
水酸化物を形成しにくくなり、結果としてフッ素含有乳
化剤の回収効率が著しく低下する。
【0041】共沈法においては、凝集排水に添加される
2価金属イオンと3価金属イオンとのモル比は10:9
0〜90:10の範囲内とし、好ましくは50:50〜
83:17である。2価金属イオンの3価金属イオンに
対する比については、2モル倍以上4モル倍以下の範囲
が該フッ素含有乳化剤の回収率が最も高く、2価金属イ
オンの3価金属イオンに対する比が2モル倍を下回って
も4モル倍を上回っても該フッ素含有乳化剤の回収はで
きるが回収率は低下していく。層状複水酸化物の生成に
おいて、3価金属イオンはフッ素含有乳化剤の吸着サイ
ト、2価金属イオンはそれら吸着サイト間の距離を保つ
スペーサーの役割を果たす。従って、吸着サイトに対し
て該フッ素含有乳化剤の分子サイズが大きい場合、吸着
サイト間に距離を保つことにより、全ての吸着サイト、
つまり3価金属イオンが有効に該フッ素含有乳化剤を吸
着できる。この距離が不十分である場合は、層状複水酸
化物中に吸着サイトとして機能しない3価金属イオンが
存在することになり非効率的である。
【0042】共沈法において、凝集排水に添加する3価
金属イオンの添加量は、凝集排水中のフッ素含有乳化剤
に対して1モル倍以上30モル倍以下であり、さらに好
ましくは、1モル倍以上5モル倍以下である。金属イオ
ンの使用量が前記の範囲より少ない場合、該フッ素含有
乳化剤の回収が不十分であり、前記の範囲より多く用い
る場合、前記混合水溶液、又は前記3価金属水溶液およ
び2価金属水溶液の使用量が多くなることによって相対
的に該フッ素含有乳化剤の濃度が下がり、回収率が十分
に高くならない。また、該金属イオンの過剰使用は最終
的な排水処理過程の負荷が増大する面からも好ましくな
い。
【0043】前記混合水溶液、又は前記3価金属水溶液
および2価金属水溶液における2価金属イオンおよび3
価金属イオンの濃度は、それぞれ0.01mol/L以
上2mol/L以下とするのが好ましい。金属イオン濃
度が上記の範囲より小さいと、必要な金属イオン量を添
加するために必要な水溶液の量が多くなってしまい、結
果として、該フッ素含有乳化剤の濃度が下がり、その回
収効率が低下してしまう。一方、金属イオン濃度が上記
の範囲を越えると、前記混合水溶液、又は前記3価金属
水溶液および/又は2価金属水溶液が酸性である場合
に、これらの水溶液の添加により、凝集排水の一部のp
Hが、局所的に、層状複水酸化物を形成するのに最適な
範囲を逸脱し、添加した金属イオンが層状複水酸化物形
成に有効に利用されなくなってしまう。しかし、一旦前
記の濃度範囲を外れた前記混合水溶液、又は前記3価金
属水溶液および2価金属水溶液を添加した場合でも、改
めて適切な濃度範囲の金属イオンを含む混合水溶液、又
は3価金属水溶液および/又は2価金属水溶液を添加す
れば層状複水酸化物を生成させることができる。
【0044】凝集排水に金属イオンを添加する方法は、
特に限定されないが、金属イオンを含有する前記混合水
溶液、又は前記3価金属水溶液および2価金属水溶液を
凝集排水中に滴下するなど、添加された金属イオンが系
内で瞬時に拡散するような方法が好ましい。凝集排水
に、かかる金属イオンを含有する水溶液を添加する時に
は、該凝集排水を撹拌することが好ましい。撹拌方法と
しては、特に限定されないが、撹拌によって、生成した
凝集物粒子を機械的に破壊しないものが好ましい。かか
る撹拌装置の撹拌翼としては、低速回転で排水全体を均
一に混合できる撹拌翼が好ましく、フルゾーン翼、マッ
クスブレンド翼又はアンカー翼からなる群より選ばれる
1種が好ましい。該撹拌翼における攪拌時のG値は、1
〜300s−1が好ましく、5〜250s−1がより好
ましく、10〜200s−1が最も好ましい。ここで
の、G値とは前記数式(1)によって導かれる値であ
る。
【0045】金属イオンを含有する水溶液の凝集排水へ
の滴下は、密閉可能な反応容器中で行い、系内に存在す
る炭酸イオンおよび/又は炭酸ガスを除去するため、窒
素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスでバブリング、
又は不活性ガスで炭酸イオンおよび/又は炭酸ガスを追
い出したあと、反応容器を密閉するのが好ましい。これ
は層状複水酸化物が炭酸イオンと反応し、フッ素含有乳
化剤の回収の妨げになるのを防ぐためである。バブリン
グを実施する場合の不活性ガスの流量は0.1Nm3
3・h〜10Nm3/m3・hが好ましく、0.1Nm3
/m3・h〜5Nm3/m3・hがより好ましい。ガス流
量がこれより少ないと系内の炭酸イオンおよび/又は炭
酸ガスの除去が十分行われず、これより多いと、ガスに
同伴して水が蒸発してしまうだけでなく、気化熱によっ
て凝集排水の液温が低下してしまい、好ましくない。
【0046】層状複水酸化物は反応温度5℃から50℃
の温度範囲で効率良く生成し、10℃から45℃の温度
範囲がより好ましい。反応温度がこれ以下でもこれ以上
でも、層状複水酸化物によるフッ素含有乳化剤の回収率
が低下してしまう。特にこれ以下の温度での回収率は著
しく低下するため、反応器には温度制御装置を装備する
ことが好ましい。また、金属イオンを含有する水溶液の
凝集排水への滴下は10分以上3時間以下の時間をかけ
て行うのが好ましい。これより短い時間で金属イオンを
含有する水溶液を添加すると、該金属イオンを含有する
水溶液が酸性のため、該凝集排水の一部が局所的に層状
複水酸化物を形成するのに最適なpHの範囲を逸脱し、
金属イオンが層状複水酸化物形成に有効に利用されなく
なるおそれがある。また、3時間以上をかけて金属イオ
ンを添加してもフッ素含有乳化剤を含む層状複水酸化物
の生成効率の向上は期待できない。
【0047】又は、凝集排水が連続的に供給されている
反応器中に、前記混合水溶液を添加してもよく、かかる
方法によれば前記層状複水酸化物が連続的に生成する。
この場合、反応器中における凝集排水の滞留時間を10
分以上3時間以下の範囲とすることが好ましい。
【0048】イオン交換法では、まず層状複水酸化物生
成工程において、前記2価金属イオンと前記3価金属イ
オンとが層状複水酸化物を形成する値にpHを保った反
応液と、前記2価金属イオンと前記3価金属イオンを含
む混合水溶液とを混合することにより層状複水酸化物を
生成させる。この工程では、反応液として、回収目的ア
ニオン(フッ素含有乳化剤を構成しているアニオン)以
外のアニオンを含有するものを用い、該回収目的アニオ
ン以外のアニオンを内包する層状複水酸化物を得る。反
応液に含有させるアニオンの例としては、塩化物イオ
ン、水酸化物イオン、炭酸イオン等が挙げられる。特に
炭酸イオンが好ましい。なお、回収目的アニオン以外の
アニオンとして、金属イオンを含む混合水溶液に含まれ
るアニオンを利用することもでき、その場合は反応液と
してイオン交換水や蒸留水を用いる。次いで乳化剤固定
化工程においては、前記層状複水酸化物生成工程で生成
した層状複水酸化物を、前記凝集排水または前記前処理
工程を終えた凝集排水とを混合する。このとき該排水の
pHを前記2価金属イオンと前記3価金属イオンとが層
状複水酸化物を形成する値に保持する。これにより、前
記排水中に含まれるフッ素含有乳化剤を層間に含む層状
複水酸化物が生成する。
【0049】一方、再構築法では、まず焼結体形成工程
において、イオン交換法における層状複水酸化物生成工
程と同様にして、反応液中で、回収目的アニオン以外の
アニオンを内包する層状複水酸化物を生成させた後、得
られた層状複水酸化物を焼成することによって、該層状
複水酸化物に内包されていたアニオンが除去された焼成
体を得る。次いで乳化剤固定化工程において、前記層状
複水酸化物生成工程で生成した焼成体を、前記凝集排水
または前記前処理工程を終えた凝集排水とを混合する。
このとき該排水のpHを前記2価金属イオンと前記3価
金属イオンとが層状複水酸化物を形成する値に保持す
る。これにより、前記排水中に含まれるフッ素含有乳化
剤を層間に含む層状複水酸化物が生成する。
【0050】イオン交換法の層状複水酸化物生成工程に
おける反応液のpHの調整、および再構築法の焼成体形
成工程における反応液のpHの調整は、前記共沈法にお
ける凝集排水のpHの調整と同様にして行うことができ
る。イオン交換法の層状複水酸化物生成工程、および再
構築法の焼成体形成工程において、反応液に添加される
2価金属イオンと3価金属イオンとのモル比は10:9
0〜90:10の範囲内が好ましく、より好ましくは5
0:50〜83:17である。また、2価金属イオンの
3価金属イオンに対する比は、2モル倍以上4モル倍以
下の範囲が該フッ素含有乳化剤の回収率が最も高く、2
価金属イオンの3価金属イオンに対する比が2モル倍を
下回っても4モル倍を上回っても該フッ素含有乳化剤の
回収はできるが回収率は低下していく。また、反応液に
添加される前記2価金属イオンと前記3価金属イオンを
含む混合水溶液における、金属イオン濃度は、2価金属
イオンおよび3価金属イオンそれぞれについて0.01
mol/L以上2mol/L以下であることが好まし
い。金属イオン濃度がこれ未満だと、必要な金属イオン
を添加する際に水の量が多くなってしまい、特にイオン
交換法、再構築法では生成した層状複水酸化物を分離す
るのにより多くの労力を要して経済的ではなくなる傾向
にある。金属イオン濃度が上記上限を超えると、前記混
合水溶液が酸性であるため、該混合水溶液の添加によ
り、反応液の一部が局所的に層状複水酸化物を形成する
のに最適なpHの範囲を逸脱し、金属イオンが層状複水
酸化物形成に有効に利用され難くなる。しかし、一旦前
記の濃度範囲を外れた混合水溶液を添加した場合でも、
改めて適切な濃度範囲の混合水溶液を添加すれば、層状
複水酸化物を生成させることができる。
【0051】反応液に金属イオンを添加する方法は、特
に限定されないが、金属イオンを含有する混合水溶液を
反応液中に滴下するなど、添加された金属イオンが系内
で瞬時に拡散するような方法が好ましい。反応液に、前
記混合水溶液を添加する時には、前記共沈法における乳
化剤固定化工程と同様にして、反応液を撹拌することが
好ましい。層状複水酸化物は反応温度5℃から50℃の
温度範囲で効率良く生成し、10℃から45℃の温度範
囲がより好ましい。反応温度がこれ以下でもこれ以上で
も反応温度がこれ以下でもこれ以上でも、層状複水酸化
物によるフッ素含有乳化剤の回収率が低下してしまう。
特にこれ以下の温度での回収率は著しく低下するため、
反応器には温度制御装置を装備することが好ましい。ま
た、前記混合水溶液の反応液への滴下は10分以上3時
間以下の時間をかけて行うのが好ましい。これより短い
時間で前記混合水溶液を添加すると、該混合水溶液が酸
性のため、反応液の一部が局所的に層状複水酸化物を形
成するのに最適なpHの範囲を逸脱し、金属イオンが層
状複水酸化物形成に有効に利用されなくなるおそれがあ
る。また、3時間以上をかけて混合水溶液を添加しても
層状複水酸化物の生成効率の向上は期待できない。
【0052】又は、反応液が連続的に供給されている反
応器中に、前記混合水溶液を添加してもよく、かかる方
法によれば層状複水酸化物が連続的に生成する。この場
合、反応器中における凝集排水の滞留時間を10分以上
3時間以下の範囲とすることが好ましい。
【0053】イオン交換法および再構築法の乳化剤固定
化工程における凝集排水のpHの調整は、前記共沈法に
おける凝集排水のpHの調整と同様にして行うことがで
きる。イオン交換法および再構成法の場合、凝集排水の
pHが前述した好適なpH範囲をはずれると、凝集排水
と、予め生成させた層状複水酸化物又は層状複水酸化物
の焼成体とを混合したときに、層状複水酸化物から2価
金属や3価金属が溶出し、結果としてフッ素含有乳化剤
の回収効率が著しく低下する。また、凝集排水と混合す
る際に使用する層状複水酸化物又は層状複水酸化物の焼
成体の使用量は、3価金属イオンが凝集排水中の該フッ
素含有乳化剤に対して1モル倍以上30モル倍以下とな
るように混合することが好ましく、さらに好ましくは、
3価金属イオンが凝集排水中の該フッ素含有乳化剤に対
して1モル倍以上5モル倍以下となるように混合する。
【0054】イオン交換法の乳化剤固定化工程において
炭酸イオンを含む層状複水酸化物添加する時およびその
後の攪拌中、および再構築法の乳化剤固定化工程におい
て層状複水酸化物の焼成体を添加する時およびその後の
攪拌中は、系内に存在する炭酸、炭酸イオン、炭酸水素
イオンおよび炭酸ガス(以下炭酸イオン等と記す)を除
去するため、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス
でバブリング、もしくは不活性ガスで炭酸イオン等を追
い出した後、反応容器を密閉するのが好ましい。これは
層状複水酸化物が炭酸イオン等と反応し、該フッ素含有
乳化剤の回収の妨げになるためである。バブリングを実
施する場合の不活性ガスの流量は0.1Nm3/m3・h
〜10Nm3/m3・hが好ましく、0.1Nm3/m3
h〜5Nm3/m3・hがより好ましい。ガス流量がこれ
より少ないと系内の炭酸イオンおよび/又は炭酸ガスの
除去が十分行われず、これより多いと、ガスに同伴して
水が蒸発してしまうだけでなく、気化熱によって凝集排
水の液温が低下してしまい、好ましくない。
【0055】共沈法、イオン交換法、および再構築法そ
れぞれの乳化剤固定化工程で生成した、層間にフッ素含
有乳化剤を含む層状複水酸化物を、凝集排水から分離す
ることにより、フッ素含有乳化剤を回収することができ
る。層状複水酸化物を凝集排水から分離する方法として
は、周知の固液分離方法を適宜用いることができ、特
に、ろ過、デカンテーション、遠心分離およびシックナ
ーからなる群より選ばれる1種以上の方法を用いること
がより好ましい。ろ過は、加圧下に実施することも好ま
しい。層間にフッ素含有乳化剤を含む層状複水酸化物か
らのフッ素含有乳化剤の回収は、例えば、この層状複水
酸化物を鉱酸に溶解し、フッ素含有炭化水素を用いてフ
ッ素含有乳化剤を抽出する方法を採用できる。層状複水
酸化物の溶解に用いる鉱酸としては、塩酸、硫酸、硝酸
が挙げられる。フッ素含有乳化剤の抽出に用いるフッ素
含有炭化水素としては、炭素原子数が2又は3個であ
り、1個以上の水素原子および1個以上のフッ素原子を
含むものが好ましく、トリフルオロジクロルエタン、フ
ルオロジクロルエタン、ペンタフルオロプロパン、ペン
タフルオロジクロルプロパン等を例示できる。
【0056】なお、本発明のフッ素含有乳化剤の回収方
法は、前記フッ素含有乳化剤だけでなく、トリフルオロ
酢酸、ペンタフルオロプロパン酸等の低分子量フッ素含
有カルボン酸および/又はその塩、トリフルオロメタン
スルホン酸および/又はその塩等にも適用できる。
【0057】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。以下の例におい
て、APFO、ペルフルオロオクタン酸(以下、PFO
Aと記す。)、およびペルフルオロオクタン酸ナトリウ
ムの濃度は、メタノールと水の混合溶液を溶媒とした高
速液体クロマトグフィー−マススペクトル法を用いて測
定した。この方法で検出される種はペルフルオロオクタ
ノエート(C715COO-)である。また、排水中のS
S成分の測定は、PTFEの水性分散液からPTFEを
凝集・分離した後の凝集排水の10gを、メトラートレ
ド製ハロゲン式水分測定器HR−73に入れ、200℃
で質量が一定になるまで乾燥させた後の蒸発残分をSS
成分(単位:質量%)とした。
【0058】[例1](共沈法、前処理なし、混合水溶
液使用) PTFEの乳化重合後の凝集排水(SS成分2300p
pm含有)について、APFOの濃度(初期濃度)を測
定したところ148ppmであった。この凝集排水に
0.2Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを1
0.0に調整した。液温は26℃であった。次にこのp
Hを調整した凝集排水1L(APFO含有量0.148
g、0.343mmol)に塩化アルミニウムと塩化マ
グネシウムの混合水溶液[Al3+イオン濃度0.075
mol/L、Mg2+イオン0.15mol/L]約2
2.9mL[Al3+イオン総量1.72mmol、Mg
2+イオン総量3.43mmol]を2時間かけて滴下し
た。滴下中はアンカー翼を用いてG値が100s−1
なるように攪拌を続けた。また、前記混合水溶液滴下中
は、窒素ガスを1Nm3/m3・hの一定流量で該凝集排
水をバブリングし、水溶液中の溶存炭酸イオンおよび炭
酸ガスを除去させた。滴下の間0.2N水酸化ナトリウ
ム水溶液を適宜滴下してpHを9.8以上10.2以下
に調整した。塩化アルミニウムと塩化マグネシウムの混
合水溶液の滴下直後から極く薄い乳白色の液が凝集を始
めると共に白色沈殿が生成し始めた。この混合水溶液の
滴下開始後2時間で沈殿の生成は終了した。攪拌を停止
すると生成した沈殿は速やかに沈降し、約5分間で完全
に沈降した。上澄液は無色透明であった。沈殿物を3μ
mのメンブランフィルターで濾取した。この沈殿物を濾
紙ごと70℃で15時間乾燥した。沈殿物の乾燥重量は
2.50gであった。乾燥した沈殿物を示差熱重量分析
(DTA)、赤外吸収スペクトル(IR)、XRDで分
析したところ、PTFEに帰属するピークとPFOAに
帰属するピーク、および層状複水酸化物に帰属するピー
クが検出された。このことから、この沈殿物はPTFE
とPFOAが層状複水酸化物と共に沈殿したものである
ことが確認された。上澄液(濾液)を分析したところ、
APFOの濃度は2ppmであり、従ってAPFOの回
収率は98.6%であった。本例の条件および結果を下
記表1に示す。
【0059】[例2](共沈法、前処理有り、混合水溶
液使用) 例1において、層状複水酸化物の生成前に、凝集排水中
のSS成分の除去を行った。すなわち、例1と同様のP
TFE凝集排水2Lに0.130gの塩化アルミニウム
6水和物を添加して塩析を行い、未凝集PTFE粒子等
を凝集させた。続いて0.2N水酸化ナトリウムを用い
て、該凝集排水のpHを10.0に調整した。30分間
静置後、該凝集排水の上澄み液のSS成分濃度は20p
pmで、APFO濃度(初期濃度)は141ppmであ
った。このようにして得られた上澄み液(予めSS成分
を除去した凝集排水)を用いて、例1と同様の方法でA
PFO回収を実施した。すなわち、上記SS成分を除去
した凝集排水1L(APFO含有量0.141g、0.
327mmol)に塩化アルミニウムと塩化マグネシウ
ムの混合水溶液[Al3+イオン濃度0.075mol/
L、Mg2+イオン0.15mol/L]約21.8mL
[Al3+イオン総量1.64mmol、Mg2+イオン総
量3.27mmol]を2時間かけて滴下した。滴下中
はアンカー翼を用いてG値が100s−1になるように
攪拌を続けた。また、前記混合水溶液滴下中は、窒素ガ
スを1Nm3/m3・hの一定流量で該凝集排水をバブリ
ングし、水溶液中の溶存炭酸イオンおよび炭酸ガスを除
去させた。滴下の間0.2N水酸化ナトリウム水溶液を
適宜滴下してpHを9.8以上10.2以下に調整し
た。この混合水溶液の滴下開始後2時間で沈殿の生成は
終了した。攪拌を停止すると生成した沈殿は速やかに沈
降し、約5分間で完全に沈降した。上澄液は無色透明で
あった。沈殿物を3μmのメンブランフィルターで濾取
した。この沈殿物を濾紙ごと70℃で15時間乾燥し
た。沈殿物の乾燥重量は0.30gであった。上澄液
(濾液)を分析したところAPFOの濃度は2ppmで
あり、従ってAPFOの回収率は98.6%であった。
本例の条件および結果を下記表1に示す。
【0060】[例3](共沈法、前処理なし、混合水溶
液使用) 例1において、PTFE重合後の凝集排水の代わりにT
FE/HFP/VdF 2共重合体の重合後の凝集排水
(SS成分530ppm、APFO初期濃度580pp
m)を用いた以外は同様の操作を行った。この凝集排水
1L(APFO含有量0.580g、1.35mmo
l)に添加した塩化アルミニウムと塩化マグネシウムの
混合水溶液[Al3+イオン濃度0.075mol/L、
Mg2+イオン0.15mol/L]は89.7mL[A
3+イオン総量6.73mmol、Mg2+イオン総量1
3.5mmol]であった。APFO含有層状複水酸化
物の沈殿を除去したあとの濾液中のAPFO濃度は8p
pmであり、APFO回収率は98.6%であった。本
例の条件および結果を下記表1に示す。
【0061】[例4](共沈法、前処理なし、混合水溶
液使用) 例1において、PTFE重合後の凝集排水の代わりにT
FE/E共重合体の重合後の凝集排水(SS成分460
ppm、APFO初期濃度320ppm)を用いた以外
は同様の操作を行った。この凝集排水1L(APFO
0.320g、0.742mmol)に添加した塩化ア
ルミニウムと塩化マグネシウムの混合水溶液[Al3+
オン濃度0.075mol/L、Mg2+イオン0.15
mol/L]は49.5mL[Al3+イオン総量3.7
1mmol、Mg2+イオン総量7.43mmol]であ
った。APFO含有層状複水酸化物の沈殿を除去したあ
との濾液中のAPFO濃度は6ppmであり、APFO
回収率は98.1%であった。本例の条件および結果を
下記表1に示す。
【0062】[例5](共沈法、前処理なし、混合水溶
液使用) 例1において、凝集排水に添加したマグネシウムイオン
を亜鉛イオンに変更した。すなわち、例1で用いたのと
同じPTFEの乳化重合後の凝集排水に0.2Nの水酸
化ナトリウム水溶液を添加してpHを7.0に調整し
た。液温は26℃であった。次にこのpH調整後の凝集
排水1L(APFO含有量0.148g、0.343m
mol)に塩化アルミニウムと塩化亜鉛の混合水溶液
[Al3+イオン濃度0.075mol/L、Zn2+イオ
ン0.15mol/L]約4.58mL[Al3+イオン
総量0.343mmol、Zn2+イオン総量0.686
mmol]を2時間かけて滴下した。滴下中はアンカー
翼を用いてG値が100s−1になるように攪拌を続け
た。また、前記混合水溶液滴下中は、窒素ガスを1Nm
3/m3・hの一定流量で該凝集排水をバブリングし、水
溶液中の溶存炭酸イオンおよび炭酸ガスを除去させた。
滴下の間0.2N水酸化ナトリウム水溶液を適宜滴下し
てpHを6.5以上7.5以下に調整した。塩化アルミ
ニウムと塩化亜鉛の混合水溶液の滴下直後から極く薄い
乳白色の液が凝集を始めると共に白色沈殿を生成し始め
た。この混合水溶液の滴下開始後2時間で沈殿の生成は
終了した。攪拌を停止すると生成した沈殿は速やかに沈
降し、約5分間で完全に沈降した。上澄液は無色透明で
あった。沈殿物を3μmのメンブランフィルターで濾取
した。この沈殿物を濾紙ごと70℃で15時間乾燥し
た。沈殿物の乾燥重量は2.40gであった。乾燥した沈
殿物を示差熱重量分析(DTA)、赤外吸収スペクトル
(IR)、XRDで分析したところ、PTFEに帰属す
るピークとPFOAに帰属するピーク、および層状複水
酸化物に帰属するピークが検出された。このことから、
この沈殿物はPTFEとPFOAが層状複水酸化物と共
に沈殿したものであることが確認された。上澄液(濾
液)を分析したところAPFOの濃度は2ppmであ
り、従って、APFOの回収率は98.6%であった。
本例の条件および結果を下記表1に示す。
【0063】[例6](共沈法、前処理有り、混合水溶
液使用) 例5において、層状複水酸化物の生成前に、凝集排水中
のSS成分の除去を行った。すなわち、例1と同様のP
TFE凝集排水に対して例2と同様にしてSS成分の除
去を行った後、表1に示す操作条件を用い、例5の操作
手順に従って層状複水酸化物を生成させ、APFOの回
収を行ったところ、APFOの回収率は98.6%であ
った。本例の条件および結果を下記表1に示す。
【0064】[例7](共沈法、前処理なし、混合水溶
液使用) 例3において、凝集排水に添加したマグネシウムイオン
を亜鉛イオンに変更した。すなわち、表1に示す操作条
件を用い、例3の操作手順に従って層状複水酸化物を生
成させ、APFOの回収を行った。ただし、凝集排水の
pHは7.0に調整し、塩化アルミニウムと塩化亜鉛の
混合水溶液の滴下の間はpHを6.5以上7.5以下に
調整した。その結果、APFOの回収率は98.8%で
あった。本例の条件および結果を下記表1に示す。
【0065】[例8](共沈法、前処理なし、混合水溶
液使用) 例4において、凝集排水に添加したマグネシウムイオン
を亜鉛イオンに変更した。すなわち、表1に示す操作条
件を用い、例4の操作手順に従って層状複水酸化物を生
成させ、APFOの回収を行った。ただし、凝集排水の
pHは7.0に調整し、塩化アルミニウムと塩化亜鉛の
混合水溶液の滴下の間はpHを6.5以上7.5以下に
調整した。その結果、APFOの回収率は98.4%で
あった。本例の条件および結果を下記表1に示す。
【0066】[例9](共沈法、前処理なし、混合水溶
液使用) 例1において、pH調整用のアルカリ性水溶液として、
水酸化ナトリウムの代わりに水酸化カリウムを用いた以
外は同様にしてAPFOの回収を行った。その結果、A
PFOの回収率は98.6%であった。本例の条件およ
び結果を下記表1に示す。
【0067】[例10](共沈法、前処理なし、混合水
溶液使用、凝集排水のpHが小さい) 例1において、凝集排水のpHを7.0に調整し、滴下
中のpHを6.8以上7.2以下に調整してAPFOの
回収を行った。すなわち、PTFEの乳化重合後の凝集
排水(SS成分2300ppm含有)について、APF
Oの濃度(初期濃度)を測定したところ148ppmで
あった。この凝集排水に0.2Nの水酸化ナトリウム水
溶液を添加してpHを7.0に調整した。液温は26℃
であった。次にこのpHを調整した凝集排水1L(AP
FO含有量0.148g、0.343mmol)に塩化
アルミニウムと塩化マグネシウムの混合水溶液[Al3+
イオン濃度0.075mol/L、Mg2+イオン0.1
5mol/L]約22.9mL[Al3+イオン総量1.
72mmol、Mg2+イオン総量3.43mmol]を
2時間かけて滴下した。滴下中はアンカー翼を用いてG
値が100s−1になるように攪拌を続けた。また、前
記混合水溶液滴下中は、窒素ガスを1Nm3/m3・hの
一定流量で該凝集排水をバブリングし、水溶液中の溶存
炭酸イオンおよび炭酸ガスを除去させた。滴下の間0.
2N水酸化ナトリウム水溶液を適宜滴下してpHを6.
8以上7.2以下に調整した。塩化アルミニウムと塩化
マグネシウムの混合水溶液の滴下直後から極く薄い乳白
色の液が凝集を始めると共に白色沈殿が生成し始めた。
この混合水溶液の滴下開始後2時間で沈殿の生成は終了
した。攪拌を停止すると生成した沈殿の一部は沈降した
が、1時間静置しても沈降しない成分が多く存在してい
た。上澄液は回収操作前よりは透明度が増したものの、
まだ濁っていた。沈殿物を3μmのメンブランフィルタ
ーで濾取し、この沈殿物を濾紙ごと70℃で15時間乾
燥した。沈殿物の乾燥重量は2.00gであった。乾燥
した沈殿物を示差熱重量分析(DTA)、赤外吸収スペ
クトル(IR)、XRDで分析したところ、PTFEに
帰属するピークは確認されたが、PFOAに帰属するピ
ークと層状複水酸化物に帰属するピークは非常に小さい
ものしか確認できなかった。上澄液(濾液)を分析した
ところ、APFOの濃度は108.4ppmであり、従
ってAPFOの回収率は26.8%であった。本例の条
件および結果を下記表1に示す。
【0068】[例11](共沈法、前処理なし、混合水
溶液使用、凝集排水のpH調整なし) 例1において、金属イオンを含有する混合水溶液を添加
する前に凝集排水のpH調整を行わず、該混合水溶液を
滴下させずにまとめて添加し、かつ該混合水溶液の添加
中にも凝集排水のpH調整を行わなかった。すなわち、
例1と同様のPTFEの乳化重合後の凝集排水をアンカ
ー翼にてG値が100s−1になるように攪拌しなが
ら、塩化アルミニウムと塩化マグネシウムの混合水溶液
[Al3+イオン濃度0.075mol/L、Mg2+イオ
ン0.15mol/L]約22.9mL[Al3+イオン
総量1.72mmol、Mg2+イオン総量3.43mm
ol]をまとめて添加した。添加と同時に大量の白色沈
殿が生成した。この時の凝集排水のpHは3.8であっ
た。この凝集排水に0.2N水酸化ナトリウム水溶液を
2時間かけて添加し、pHを10.0に調整した。攪拌
を停止すると生成した沈殿の完全に沈降した。上澄液は
無色透明であった。沈殿物を3μmのメンブランフィル
ターで濾取した。この沈殿物を濾紙ごと70℃で15時
間乾燥した。沈殿物の乾燥重量は2.35gであった。乾
燥した沈殿物を示差熱重量分析(DTA)、赤外吸収ス
ペクトル(IR)、XRDで分析したところ、PTFE
に帰属するピークは確認されたが、PFOAに帰属する
ピークと層状複水酸化物に帰属するピークが非常に小さ
いものしか確認できなかった。上澄液(濾液)を分析し
たところAPFOの濃度は138ppmであり、従っ
て、APFOの回収率は6.76%であった。本例の条
件および結果を下記表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】[例12](共沈法、前処理なし、混合水
溶液使用、連続式) PTFEの乳化重合後の凝集排水(PTFE濃度230
0質量ppm)について、APFOの濃度を測定したと
ころ148ppmであった。この凝集排水10Lに0.
2Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10.
0に調整した。液温は26℃であった。2台の定量ポン
プ、pH計、撹拌機、容量計を備えた密閉できる内容積
5Lのガラス製反応器に、定量ポンプを用いてこの凝集
排水を4.5L/時の一定流量で添加させた。このガラ
ス製反応器は容量計によって、内容量が3Lになるよう
に自動的に調整されるよう設定した。したがって、凝集
排水のガラス製反応器内での滞留時間は40分であっ
た。反応器から排出された水溶液は別のポリエチレン製
の10Lの容器に保管した。同時に塩化アルミニウムと
塩化マグネシウムの混合水溶液[Al3+イオン濃度0.
075mol/L、Mg2+イオン0.15mol/L]
を103mL/時の一定流量でこのガラス製反応器に連
続添加した。凝集排水および塩化アルミニウムと塩化マ
グネシウムの混合水溶液を供給中は0.2N水酸化ナト
リウム水溶液を適宜滴下してpHを9.8以上10.2
以下に調整した。また、供給中はマックスブレンド翼を
用いてG値が100s−1になるように攪拌を続けた。
10Lの凝集排水すべてを供給するのに要した時間は2
時間15分であった。回収した水溶液中には白色沈殿が
認められ、この白色沈殿は速やかに沈降し、約10分間
で完全に沈降した。上澄液は無色透明であった。沈殿物
を3μmのメンブランフィルターで濾取した。この沈殿
物を濾紙ごと70℃で15時間乾燥した。沈殿物の乾燥
重量は24.6gであった。乾燥した沈殿物を示差熱重
量分析(DTA)、赤外吸収スペクトル(IR)、XR
Dで分析したところ、PTFEに帰属するピークとPF
OAに帰属するピークおよび層状複水酸化物に帰属する
ピークが検出された。このことから、この沈殿物はPT
FEとPFOAが層状複水酸化物と共に沈殿したもので
あることが確認された。濾液を分析したところ、APF
Oの濃度は10ppmであり、従って、APFOの回収
率は93.2%であった。本例の条件および結果を下記
表2に示す。
【0071】[例13](共沈法、前処理なし、混合水
溶液使用、凝集排水のpHが大きい) 例1において、凝集排水のpHを11に変更した。例1
と同じPTFEの乳化重合後の凝集排水について、AP
FOの濃度を測定したところ148ppmであった。こ
の凝集排水に0.2Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加
してpHを11.0に調整した。液温は26℃であっ
た。次にこのpHを調整した凝集排水1L(APFO含
有量0.148g、0.343mmol)に塩化アルミ
ニウムと塩化マグネシウムの混合水溶液[Al3+イオン
濃度0.075mol/L、Mg2+イオン0.15mo
l/L]約22.9mL[Al3+イオン総量1.72m
mol、Mg2+イオン総量3.43mmol]を2時間
かけて滴下した。滴下中はアンカー翼を用いてG値が1
00s−1になるように攪拌を続けた。また、該金属イ
オン水溶液滴下中は窒素ガスを1Nm3/m3・hの一定
流量で該凝集排水をバブリングし、水溶液中の溶存炭素
イオンおよび炭酸ガスを除去させた。滴下の間0.2N
水酸化ナトリウム水溶液を適宜滴下してpHを10.8
以上11.2以下に調整した。塩化アルミニウムと塩化
マグネシウムの混合水溶液の滴下直後から極く薄い乳白
色の液が凝集を始めると共に白色沈殿を生成し始めた。
この混合水溶液の滴下開始後2時間で沈殿の生成は終了
した。攪拌を停止すると生成した沈殿は速やかに沈降
し、約10分間で完全に沈降したが、上澄液には濁りが
認められた。沈殿物を3μmのメンブランフィルターで
濾取した。この沈殿物を濾紙ごと70℃で15時間乾燥
した。沈殿物の乾燥重量は2.38gであった。乾燥し
た沈殿物を示差熱重量分析(DTA)、赤外吸収スペク
トル(IR)、XRDで分析したところ、PTFEに帰
属するピークは確認されたが、PFOAに帰属するピー
クおよび層状複水酸化物に帰属するピークはごく小さい
もののみが検出された。このことから、この沈殿物はP
TFE凝集物が殆どで、PFOAを内包した層状複水酸
化物は殆ど生成していないものと考えられる。濾液を分
析したところAPFOの濃度は115ppmであり、従
って、APFOの回収率は22.3%であった。本例の
条件および結果を下記表2に示す。
【0072】[例14](共沈法、前処理なし、混合水
溶液使用、凝集排水のpHが大きい) PTFEの乳化重合後の凝集後排水について、APFO
の濃度を測定したところ148ppmであった。この凝
集排水に0.2Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加して
pHを10.0に調整した。液温は26℃であった。次
にこのpHを調整した凝集排水1L(APFO含有量
0.148g、0.343mmol)に塩化アルミニウ
ムと塩化カルシウムの混合水溶液[Al3+イオン濃度
0.075mol/L、Ca2+イオン0.173mol
/L]約4.57mL[Al3+イオン総量0.343m
mol、Ca2+イオン総量0.789mmol]を2時
間かけて滴下した。滴下中はアンカー翼を用いてG値が
100s−1になるように攪拌を続けた。また、該金属
イオン水溶液滴下中は窒素ガスを1Nm3/m3・hの一
定流量で該凝集排水をバブリングし、水溶液中の溶存炭
素イオンおよび炭酸ガスを除去させた。滴下の間0.2
N水酸化ナトリウム水溶液を適宜滴下してpHを9.8
以上10.2以下に調整した。塩化アルミニウムと塩化
カルシウムの混合水溶液の滴下直後から極く薄い乳白色
の液が凝集を始めると共に微量の白色沈殿を生成し始め
た。この混合水溶液の滴下開始後2時間で沈殿の生成は
終了した。攪拌を停止すると生成した沈殿は速やかに沈
降し、約10分間で完全に沈降したが、上澄液は無色透
明であった。沈殿物を3μmのメンブランフィルターで
濾取した。この沈殿物を濾紙ごと70℃で15時間乾燥
した。沈殿物の乾燥重量は2.40gであった。乾燥し
た沈殿物を示差熱重量分析(DTA)、赤外吸収スペク
トル(IR)、XRDで分析したところ、PTFEに帰
属するピークは確認されたが、PFOAに帰属するピー
クおよび層状複水酸化物に帰属するピークはごく小さい
もののみが検出された。このことから、この沈殿物はP
TFE凝集物が殆どで、PFOAを内包した層状複水酸
化物は殆ど生成していないものと考えられる。濾液を分
析したところAPFOの濃度は117ppmであり、従
ってAPFOの回収率は21.0%であった。本例の条
件および結果を下記表2に示す。
【0073】
【表2】
【0074】[例15](共沈法、前処理なし、混合水
溶液使用) 内容積2Lのガラス製ビーカーに、APFOの初期濃度
が670質量ppmであるTFE/P共重合体の重合後
の凝集排水1L(SS成分600質量ppm)を入れ、
該凝集排水に0.2N水酸化ナトリウム水溶液を滴下し
て、該凝集排水のpHを10に保ちながら、塩化マグネ
シウムと塩化アルミニウムの混合水溶液約32.5mL
(Mg2+イオン9.73mmol、Al3+イオン4.86
mmol含有。AlイオンはAPFO量に対して3.1
3モル倍相当)を2時間かけて徐々に滴下した。滴下中
は、窒素ガスを1Nm3/m3・hの一定流量で該凝集排
水をバブリングし、系内の溶存炭酸イオンおよび炭酸ガ
スを除去させた。また滴下中はアンカー翼を用いてG値
が100s−1になるように攪拌を続けた。滴下は室温
(約25℃)にて行い、特別に温度制御は行わなかった。
前記混合水溶液を滴下開始後約2分から凝集排水が白濁
し始め、時間の経過と共に白色の沈澱が生じた。前記混
合水溶液の滴下が終了し、攪拌を停止したところ、白色
沈殿物は沈降を開始した。約5分間で完全に沈降し、上
澄みは無色透明であった。この沈殿物を3μmのメンブ
ランフィルターで濾取し、この沈殿物を濾紙ごと70℃
で15時間乾燥した。乾燥した沈殿物を示差熱質量分析
(DTA)、赤外吸収スペクトル(IR)、XRDで分
析したところ、PTFEに帰属する弱いピークと、層状
複水酸化物に帰属するピーク、さらにPFOAに帰属す
る弱いピークが検出された。このことから、この沈殿物
は微量のPTFEとPFOAが層状複水酸化物と共に沈
殿したものであることが確認された。濾液中のAPFO
濃度を分析した結果、47質量ppmであった。これよ
り、初期濃度(670ppm)に対して、APFOの9
4.0%が層状複水酸化物中に固定された状態で回収さ
れたことが認められた。本例の条件および結果を下記表
3に示す。
【0075】[例16](共沈法、前処理なし、混合水
溶液使用、金属イオン添加量少ない) 例15において、凝集排水の種類を変更するとともに、
凝集排水中に含まれるAPFOに対する金属イオンの添
加量を変更してAPFOの回収を行った。すなわち、A
PFOの初期濃度が101質量ppm(0.232mm
ol)であるPTFEの重合後の凝集排水1L(SS成
分2300質量ppm)に対し、塩化マグネシウムと塩
化アルミニウムの混合水溶液2.2mL(Mg2+イオン
0.325mmol、Al3+イオン0.162mmol
含有。AlイオンはAPFO量に対して0.7モル倍相
当)を8分間(0.13時間)かけて滴下した以外は例
15と同様の操作を行った。なお、凝集排水のpHは
0.2mol/Lの水酸化ナトリウムを用いて10に保
持した。滴下終了後、上澄み液を濾別し、例15と同様
に分析を行い、吸着目的のアニオン濃度を定量した。こ
の結果、上記凝集排水の濾液にはAPFOが69質量p
pm含まれていることを確認した。これは、APFOの
初期濃度(101質量ppm)に対して、APFOの回収
率が30.6%であることが認められた。本例の条件お
よび結果を下記表3に示す。
【0076】
【表3】
【0077】[例17](共沈法、前処理なし、混合水
溶液使用) PTFEの乳化重合後の凝集排水(SS成分400pp
m含有)についてAPFOの濃度を測定したところ14
8ppmであった。この凝集排水に0.2Nの水酸化ナ
トリウム水溶液を添加してpHを10.0に調整した。
液温は26℃であった。次に、pHを調整した凝集排水
1L(APFO含有量0.148g、0.343mmo
l)に塩化アルミニウムと塩化マグネシウムの混合水溶
液[Al 3+イオン濃度0.075mol/L、Mg2+
オン0.375mol/L]約22.9mL[Al3+
オン総量1.72mmol、Mg2+イオン総量8.58
mmol]を2時間かけて滴下した。滴下中はアンカー
翼を用いてG値が100s −1になるように攪拌を続け
た。また、該金属イオン水溶液滴下中は窒素ガスを1N
3/m3・hの一定流量で該凝集排水をバブリングし、
水溶液中の溶存炭素イオンおよび炭酸ガスを除去させ
た。滴下の間0.2N水酸化ナトリウム水溶液を適宜滴
下してpHを9.8以上10.2以下に調整した。塩化
アルミニウムと塩化マグネシウムの混合水溶液の滴下直
後から極く薄い乳白色の液が凝集を始めると共に白色沈
殿を生成し始めた。この混合水溶液の滴下開始後2時間
で沈殿の生成は終了した。攪拌を停止すると生成した沈
殿は速やかに沈降し、約5分間で完全に沈降した。上澄
液は無色透明であった。沈殿物を3μmのメンブランフ
ィルターで濾取した。この沈殿物を濾紙ごと70℃で1
5時間乾燥した。乾燥した沈殿物を示差熱重量分析(D
TA)、赤外吸収スペクトル(IR)、XRDで分析し
たところ、PTFEに帰属するピークとPFOAに帰属
するピークおよび層状複水酸化物に帰属するピークが検
出された。このことから、この沈殿物はPTFEとPF
OAが層状複水酸化物と共に沈殿したものであることが
確認された。濾液を分析したところAPFOの濃度は2
1ppmであり、従って、APFOの回収率は85.5
%であった。
【0078】[例18](共沈法、前処理なし、混合水
溶液使用) 例17で用いたのと同じ凝集排水に0.2Nの水酸化ナ
トリウム水溶液を添加してpHを7.0に調整した。液
温は26℃であった。次に、pHを調整した凝集排水1
L(APFO含有量0.148g、0.343mmo
l)に塩化アルミニウムと塩化亜鉛の混合水溶液[Al
3+イオン濃度0.075mol/L、Zn 2+イオン0.
075mol/L]約4.58mL[Al3+イオン総量
0.343mmol、Zn2+イオン総量0.343mm
ol]を2時間かけて滴下した。滴下中はアンカー翼を
用いてG値が100s−1になるように攪拌を続けた。
また、該金属イオン水溶液滴下中は窒素ガスを1Nm3
/m3・hの一定流量で該凝集排水をバブリングし、水
溶液中の溶存炭素イオンおよび炭酸ガスを除去させた。
滴下の間0.2N水酸化ナトリウム水溶液を適宜滴下し
てpHを6.5以上7.5以下に調整した。塩化アルミ
ニウムと塩化亜鉛の混合水溶液の滴下直後から極く薄い
乳白色の液が凝集を始めると共に白色沈殿を生成し始め
た。この混合水溶液の滴下開始後2時間で沈殿の生成は
終了した。攪拌を停止すると生成した沈殿は速やかに沈
降し、約5分間で完全に沈降した。上澄液は無色透明で
あった。沈殿物を3μmのメンブランフィルターで濾取
した。この沈殿物を濾紙ごと70℃で15時間乾燥し
た。乾燥した沈殿物を示差熱重量分析(DTA)、赤外
吸収スペクトル(IR)、XRDで分析したところ、P
TFEに帰属するピークとPFOAに帰属するピークお
よび層状複水酸化物に帰属するピークが検出された。こ
のことから、この沈殿物はPTFEとPFOAが層状複
水酸化物と共に沈殿したものであることが確認された。
濾液を分析したところAPFOの濃度は36ppmであ
り、従って、APFOの回収率は75.6%であった。
【0079】[例19](イオン交換法、前処理なし) 内容積500mLのガラス製ビーカーにイオン交換水1
00mLを入れ、0.2N水酸化ナトリウム水溶液でp
Hを10に調整した。そこに塩化アルミニウムと塩化マ
グネシウムの混合水溶液[Al3+イオン濃度0.075
mol/L、Mg2+イオン0.15mol/L]約2
2.9mL[Al3+イオン総量1.72mmol、Mg
2+イオン総量3.43mmol]を2時間かけて滴下し
た。滴下中はアンカー翼を用いてG値が100s−1
なるように攪拌を続けた。また、窒素ガスを1Nm3/
hの速度でビーカー底部からバブリングさせた。滴下の
間0.2N水酸化ナトリウム水溶液を適宜滴下してpH
を9.8以上10.2以下に調整した。塩化アルミニウ
ムと塩化マグネシウムの混合水溶液の滴下直後から白色
沈殿を生成し始めた。この混合水溶液の滴下開始後2時
間で沈殿の生成は終了した。攪拌を停止すると生成した
沈殿はゆっくりと沈降した。この沈殿を含んだ水溶液
を、0.2Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH
を10.0に調整した、PTFEの乳化重合後の凝集排
水(SS分400ppm、APFO濃度148ppm)
に、30分かけて添加した。添加中はアンカー翼を用い
てG値が100s−1になるように攪拌を続けた。添加
終了後攪拌を停止し、沈殿物を3μmのメンブランフィ
ルターで濾取した。この沈殿物を濾紙ごと70℃で15
時間乾燥した。乾燥した沈殿物を示差熱重量分析(DT
A)、赤外吸収スペクトル(IR)、XRDで分析した
ところ、PTFEに帰属するピークおよび層状複水酸化
物に帰属するピーク、さらにPFOAに帰属する弱いピ
ークが検出された。このことから、この沈殿物はPTF
EとPFOAが層状複水酸化物と共に沈殿したものであ
ることが確認された。濾液を分析したところAPFOの
濃度は65ppmであり、従って、APFOの回収率は
56.1%であった。
【0080】[例20](再構築法,前処理なし) 内容積500mLのガラス製ビーカーにイオン交換水1
00mLを入れ、0.2N水酸化ナトリウム水溶液でp
Hを10に調整した。そこに炭酸ナトリウム0.182
g(1.72mmol)を溶解させた。この希薄炭酸ナ
トリウム水溶液に塩化アルミニウムと塩化マグネシウム
の混合水溶液[Al3+イオン濃度0.075mol/
L、Mg2+イオン0.15mol/L]約22.9mL
[Al3+イオン総量1.72mmol、Mg2+イオン総
量3.43mmol]を2時間かけて滴下した。滴下中
はアンカー翼を用いてG値が100s−1になるように
攪拌を続けた。滴下の間、0.2N水酸化ナトリウム水
溶液を適宜滴下してpHを9.8以上10.2以下に調
整した。塩化アルミニウムと塩化マグネシウムの混合水
溶液の滴下直後から白色沈殿を生成し始めた。この混合
水溶液の滴下開始後2時間で沈殿の生成は終了した。攪
拌を停止すると生成した沈殿はゆっくりと沈降した。こ
の沈殿を3μmメンブランフィルターで濾取した。沈殿
を濾紙ごと電気炉を用いて400℃で3時間焼成した。
沈殿物の焼成後重量は140mgであった。この焼成物
を、0.2Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH
を10.0に調整した、PTFEの乳化重合後の凝集後
排水(SS分400ppm、APFO濃度148pp
m)に添加した。添加中はアンカー翼を用いてG値が1
00s−1になるように攪拌を続けた。添加終了後攪拌
を停止し、沈殿物を3μmのメンブランフィルターで濾
取した。この沈殿物を濾紙ごと70℃で15時間乾燥し
た。乾燥した沈殿物を示差熱重量分析(DTA)、赤外
吸収スペクトル(IR)、XRDで分析したところ、P
TFEに帰属する弱いピークと、層状複水酸化物に帰属
するピーク、さらにPFOAに帰属する弱いピークが検
出された。このことから、この沈殿物は微量のPTFE
とPFOAが層状複水酸化物と共に沈殿したものである
ことが確認された。上澄液を分析したところAPFOの
濃度は123ppmであり、従って、層状複水酸化物に
含まれるAPFOの回収率は16.9%であった。
【0081】[例21](共沈法、前処理なし、混合水
溶液使用、金属イオン比95:5) 例17で用いた排水と同じ排水に0.2Nの水酸化ナト
リウム水溶液を添加してpHを10.0に調整した。液
温は26℃であった。次にこのpH調整した排水1L
(APFO含有量0.148g、0.343mmol)
に塩化アルミニウムと塩化マグネシウムの混合水溶液
[Al3+イオン濃度0.214mol/L、Mg2+イオ
ン0.0113mol/L]約22.9mL[Al3+
オン総量4.89mmol、Mg2+イオン総量0.25
7mmol]を2時間かけて滴下した。滴下中はアンカ
ー翼を用いてG値が100s−1になるように攪拌を続
けた。また、該金属イオン水溶液滴下中は窒素ガスを1
Nm3/m3・hの一定流量で該凝集排水をバブリング
し、水溶液中の溶存炭素イオンおよび炭酸ガスを除去さ
せた。滴下の間0.2N水酸化ナトリウム水溶液を適宜
滴下してpHを9.8以上10.2以下に調整した。塩
化アルミニウムと塩化マグネシウムの混合水溶液の滴下
直後から極く薄い乳白色の液が凝集を始めると共に白色
沈殿を生成し始めた。この混合水溶液の滴下開始後2時
間で沈殿の生成は終了した。攪拌を停止すると生成した
沈殿は速やかに沈降し、約5分間で完全に沈降した。上
澄液は無色透明であった。沈殿物を3μmのメンブラン
フィルターで濾取した。この沈殿物を濾紙ごと70℃で
15時間乾燥した。乾燥した沈殿物を示差熱重量分析
(DTA)、赤外吸収スペクトル(IR)、XRDで分
析したところ、PTFEに帰属するピークとPFOAに
帰属するピークおよび層状複水酸化物に帰属するピーク
が検出された。このことから、この沈殿物はPTFEと
PFOAが層状複水酸化物と共に沈殿したものであるこ
とが確認された。濾液を分析したところAPFOの濃度
は102ppmであり、従って、APFOの回収率は2
9.5%であった。
【0082】[例22](共沈法、前処理なし、混合水
溶液使用、金属イオン比5:95) 例17で用いた排水と同じ排水に0.2Nの水酸化ナト
リウム水溶液を添加してpHを7.0に調整した。液温
は26℃であった。次に、pHを調整した凝集排水1L
(APFO含有量0.148g、0.343mmol)
に塩化アルミニウムと塩化亜鉛の混合水溶液[Al3+
オン濃度0.0113mol/L、Zn 2+イオン0.2
14mol/L]約4.58mL[Al3+イオン総量
0.0515mmol、Zn2+イオン総量0.979m
mol]を2時間かけて滴下した。滴下中はアンカー翼
を用いてG値が100s−1になるように攪拌を続け
た。また、該金属イオン水溶液滴下中は窒素ガスを1N
3/m3・hの一定流量で該凝集排水をバブリングし、
水溶液中の溶存炭素イオンおよび炭酸ガスを除去させ
た。滴下の間0.2N水酸化ナトリウム水溶液を適宜滴
下してpHを6.5以上7.5以下に調整した。塩化ア
ルミニウムと塩化亜鉛の混合水溶液の滴下直後から極く
薄い乳白色の液が凝集を始めると共に白色沈殿を生成し
始めた。この混合水溶液の滴下開始後2時間で沈殿の生
成は終了した。攪拌を停止すると生成した沈殿は速やか
に沈降し、約5分間で完全に沈降した。上澄液は無色透
明であった。沈殿物を3μmのメンブランフィルターで
濾取した。この沈殿物を濾紙ごと70℃で15時間乾燥
した。この沈殿物を示差熱重量分析(DTA)、赤外吸
収スペクトル(IR)、XRDで分析したところ、PT
FEに帰属するピークとPFOAに帰属するピークおよ
び層状複水酸化物に帰属するピークが検出された。この
ことから、この沈殿物はPTFEとPFOAが層状複水
酸化物と共に沈殿したものであることが確認された。濾
液を分析したところAPFOの濃度は130ppmであ
り、従って、APFOの回収率は11.8%であった。
【0083】[例23](共沈法、前処理なし、混合水
溶液使用、凝集排水0℃) PTFEの乳化重合後の凝集排水(SS成分400pp
m含有)について、APFOの濃度を測定したところ1
48ppmであった。この排水1L(APFO含有量
0.148g、0.343mmol)を内容積2Lの反
応器に入れ、0.2N水酸化ナトリウム水溶液を添加し
てpHを10.0に調整した。次にこの溶液に窒素バブ
リングを行いながら、塩化アルミニウムと塩化マグネシ
ウムの混合水溶液[Al3+イオン濃度0.075mol
/L、Mg2+イオン0.15mol/L]約22.9m
L[Al3+イオン総量1.72mmol、Mg2+イオン
総量3.43mmol]を2時間かけて滴下した。この
滴下中、反応器内の温度を0℃に調整し、滴下中はアン
カー翼を用いてG値が100s−1になるように攪拌を
続けた。滴下の間、水酸化ナトリウム水溶液を適宜滴下
してpHを9.8以上10.2以下に調整した。塩化ア
ルミニウムと塩化マグネシウムの混合水溶液の滴下直後
から極く薄い乳白色の液が凝集を始めると共に白色沈殿
を生成し始めた。この混合水溶液の滴下開始後2時間で
沈殿の生成は終了した。攪拌を停止すると生成した沈殿
は速やかに沈降し、約5分で完全に沈降した。上澄液は
無色透明であった。沈殿物を3μmのメンブランフィル
ターで濾取し、この沈殿物を濾紙ごと70℃で15時間
乾燥した。乾燥した沈殿物を示差熱重量分析(DT
A)、赤外吸収スペクトル(IR)、XRDで分析した
ところ、PTFEに帰属するピークとPFOAに帰属す
るピークおよび層状複水酸化物に帰属するピークが検出
された。このことから、この沈殿物はPTFEとPFO
Aが層状複水酸化物と共に沈殿したものであることが確
認された。上澄液を分析したところAPFOの濃度は5
5.6ppmであり、従って、層状複水酸化物に含まれ
るPFOAの固定率は41.2%であった。
【0084】[例24](共沈法、前処理なし、混合水
溶液使用、金属イオン滴下時間5分) 例23で用いたと同じ凝集排水1Lについて、滴下中、
反応器内の温度を温浴にて25℃に調整するとともに、
2価および3価金属イオン滴下時間を5分にした以外は
全く同様の操作を行った。その結果得られた上澄液を分
析したところAPFOの濃度は84.2ppmであり、
従って、層状複水酸化物に含まれるPFOAの固定率は
60.3%であった。
【0085】[例25](共沈法、前処理なし、混合水
溶液使用、凝集排水60℃) 例23で用いたと同じ凝集排水1Lについて、2価およ
び3価金属イオン滴下時の温度を60℃に調整した以外
は全く同様の操作を行った。その結果得られた上澄液を
分析したところAPFOの濃度は20.1%であり、従
って、層状複水酸化物に含まれるPFOAの固定率は8
5.2%であった。
【0086】[例26](共沈法、前処理有り、混合水
溶液使用) 乳化剤としてAPFOを使用してTFEを重合して得た
PTFEの水性分散液からPTFEを凝集・分離した後
の凝集排水には、主に未凝集のPTFE分散粒子からな
るSS成分が400ppm含まれていた。また、該凝集
排水中のAPFOの濃度は168ppmであり、pHは
4.5であった。フルゾーン翼をセットした20Lのガ
ラス製ビーカーに該凝集排水の10Lを入れた。撹拌し
ながら10質量%の塩酸の10mLを添加し、pHを2
に調整した。pH調整後、撹拌下に塩化アルミニウム
(以下、AlCl3という。)の1gを添加した。全排
水量に対して100ppmに相当するAlCl3を添加
した。AlCl3添加直後からSS成分の凝集が始ま
り、白色のゲル状凝集物が生成した。そのまま10分間
撹拌後、30分間静置したところ、凝集物がビーカー底
部に沈降し、上澄み液は無色透明となった。上澄み液を
平均口径10μmのろ紙を使用して濾過したところ、濾
液(凝集排水)中のSS成分は5ppm、APFO濃度
は126ppmであった。この凝集排水に0.2Nの水
酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10.0に調整
した。液温は26℃であった。次にこの凝集排水10L
(APFO含有量1.26g、2.92mmol)に塩
化アルミニウムと塩化マグネシウムの混合水溶液[Al
3+イオン濃度0.075mol/L、Mg2+イオン0.
15mol/L]約229mL[Al3+イオン総量1
7.2mmol、Mg2+イオン総量34.3mmol]
を2時間かけて滴下した。滴下中はアンカー翼を用いて
G値が100s−1になるように攪拌を続けた。また、
該金属イオン水溶液滴下中は窒素ガスを1Nm3/m3
hの一定流量で該凝集排水をバブリングし、水溶液中の
溶存炭素イオンおよび炭酸ガスを除去させた。滴下の間
0.2N水酸化ナトリウム水溶液を適宜滴下してpHを
9.8以上10.2以下に調整した。塩化アルミニウム
と塩化マグネシウムの混合水溶液の滴下直後から極く薄
い乳白色の液が凝集を始めると共に白色沈殿を生成し始
めた。この混合水溶液の滴下開始後2時間で沈殿の生成
は終了した。攪拌を停止すると生成した沈殿は速やかに
沈降し、約5分間で完全に沈降した。上澄液は無色透明
であった。沈殿物を3μmのメンブランフィルターで濾
取した。この沈殿物を濾紙ごと70℃で15時間乾燥し
た。乾燥した沈殿物を示差熱重量分析(DTA)、赤外
吸収スペクトル(IR)、XRDで分析したところ、P
TFEに帰属する弱いピークと陰イオン界面活性剤(P
FOA)に帰属するピークおよび層状複水酸化物に帰属
するピークが検出された。このことから、この沈殿物は
PTFEとPFOAが層状複水酸化物と共に沈殿したも
のであることが確認された。濾液を分析したところAP
FOの濃度は2ppmであり、従って、APFOの固定
率は、SS成分除去後の凝集排水を基準として98.4
%であった。ついで、この沈殿物を固液分離した後、1
0質量%の塩酸100gを加え、室温で3時間攪拌した
後70℃に加熱し、上層の水溶液と下層のオイル層に分
離させた。下層のオイル層は1.05gのPFOAを含
んでおり、SS成分除去前の凝集排水からのフッ素含有
乳化剤の回収率は65.1%であった。
【0087】[例27](共沈法、前処理有り、混合水
溶液使用) AlCl3の100ppmに代えて、塩化第一鉄の50
ppmとした以外は例26と同様にして、SS成分が6
ppm、APFO濃度123ppmの凝集排水を得た。
該凝集排水の10Lを用いて例26と同様の方法で層状
複水酸化物による回収操作を行ったところ、APFOの
固定率は、SS成分除去後の凝集排水を基準として9
7.8%であった。さらに例26と同様にしてAPFO
の分離操作を行ったところ1.02gのPFOAを含む
オイル層が得られ、SS成分除去前の凝集排水からの回
収率は63.2%であった。
【0088】[例28](共沈法、前処理有り、混合水
溶液使用) AlCl3の100ppmに代えて、塩化第二鉄の50
ppmとした以外は例26と同様にして、SS成分が7
ppm、APFO濃度128ppmの凝集排水を得た。
該凝集排水の10Lを用いて例26と同様の方法で層状
複水酸化物による回収操作を行ったところ、APFOの
固定率は、SS成分除去後の凝集排水を基準として9
8.3%であった。さらに例26と同様にしてAPFO
の分離操作を行ったところ1.07gのPFOAを含む
オイル層が得られ、SS成分除去前の凝集排水からの回
収率は66.3%であった。
【0089】[例29](共沈法、前処理有り、混合水
溶液使用) AlCl3の100ppmに代えて、ポリ塩化アルミニ
ウムの10質量%水溶液の100ppmとした以外は例
26と同様にして、SS成分が5ppm、APFO濃度
が122ppmの凝集排水を得た。該凝集排水10Lを
用いて例26と同様の方法で層状複水酸化物による回収
操作を行ったところ、APFOの固定率は、SS成分除
去後の凝集排水を基準として97.5%であった。さら
に例26と同様にしてAPFOの分離操作を行ったとこ
ろ1.04gのPFOAを含むオイル層が得られ、SS
成分除去前の凝集排水からの回収率は64.4%であっ
た。
【0090】[例30](イオン交換法、前処理なし) 蒸留水に0.2Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加して
pHを10.0に調整した。液温は26℃であった。次
にこの溶液1Lに塩化アルミニウムと塩化マグネシウム
の混合水溶液[Al3+イオン濃度0.075mol/
L、Mg2+イオン0.15mol/L]約229mL
[Al3+イオン総量17.2mmol、Mg 2+イオン総
量34.3mmol]を2時間かけて滴下した。滴下中
はアンカー翼を用いてG値が100s−1になるように
攪拌を続けた。また、該金属イオン水溶液滴下中は窒素
ガスを1Nm3/m3・hの一定流量で該凝集排水をバブ
リングし、水溶液中の溶存炭素イオンおよび炭酸ガスを
除去させた。塩化アルミニウムと塩化マグネシウムの混
合水溶液の滴下直後から極く薄い乳白色の液が凝集を始
めると共に白色沈殿を生成し始めた。この混合水溶液の
滴下開始後2時間で沈殿の生成は終了した。攪拌を停止
すると生成した沈殿はゆっくりと沈降した。沈殿物を3
μmのメンブランフィルターで濾取した。一方、乳化剤
としてAPFOを使用してTFEを重合して得たPTF
Eの水性分散液からPTFEを凝集・分離した後の凝集
排水(SS成分が400ppm、APFO濃度は168
ppm、pH4.5)10Lに対して0.2Nの水酸化
ナトリウムを添加してpHを10.0に調整した。これ
に、上記で濾取した層状複水酸化物の沈殿を添加し、室
温で1時間攪拌した。攪拌を停止すると沈殿はゆっくり
と沈降した。沈殿物を3μmのメンブランフィルターで
濾取した。上澄液を分析した結果、層状複水酸化物への
APFOの固定率は54.9%であった。さらに例26
と同様にしてAPFOの分離操作を行ったところ、10
質量%の塩酸100gを加えて3時間室温で撹拌しても
沈殿物は充分に分散されなかった。これを70℃に加温
し、3μmのメンブランフィルターで熱時ろ過後、下層
のオイル層を分取した。オイル層は0.44gのPFO
Aを含んでおり、凝集排水からの回収率は26.2%で
あった。
【0091】[例31](再構築法、前処理なし) 蒸留水に0.2Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加して
pHを10.0に調整した。液温は26℃であった。そ
こに炭酸ナトリウム1.82g(17.2mmol)を
溶解させた。つぎにこの希薄炭酸ナトリウム水溶液1L
に塩化アルミニウムと塩化マグネシウムの混合水溶液
[Al3+イオン濃度0.075mol/L、Mg2+イオ
ン0.15mol/L]約229mL[Al3+イオン総
量17.2mmol、Mg2+イオン総量34.3mmo
l]を2時間かけて滴下した。滴下中はアンカー翼を用
いてG値が100s−1になるように攪拌を続けた。滴
下の間0.2N水酸化ナトリウム水溶液を適宜滴下して
pHを9.8以上10.2以下に調整した。塩化アルミ
ニウムと塩化マグネシウムの混合水溶液の滴下直後から
極く薄い乳白色の液が凝集を始めると共に白色沈殿を生
成し始めた。この混合水溶液の滴下開始後2時間で沈殿
の生成は終了した。攪拌を停止すると生成した沈殿はゆ
っくりと沈降した。沈殿物を3μmのメンブランフィル
ターで濾取した。沈殿を濾紙ごと電気炉を用いて400
℃で3時間焼成した。沈殿物の焼成後重量は1.4gで
あった。一方、乳化剤としてAPFOを使用してTFE
を重合して得たPTFEの水性分散液からPTFEを凝
集・分離した後の凝集排水(SS成分が400ppm、
APFO濃度は168ppm、pH4.5)の10Lに
対して0.2Nの水酸化ナトリウムを添加してpHを1
0.0に調整した。これに、上記で焼成した層状複水酸
化物の沈殿を添加し、室温で1時間攪拌した。攪拌を停
止すると沈殿はゆっくりと沈降した。沈殿物を3μmの
メンブランフィルターで濾取した。上澄液を分析した結
果、層状複水酸化物へのAPFOの固定率は54.9%
であった。さらに例26と同様にしてAPFOの分離操
作を行ったところ、10質量%の塩酸100gを加えて
3時間室温で撹拌しても沈殿物は充分に分散されなかっ
た。これを70℃に加温し、3μmのメンブランフィル
ターで熱時ろ過後、下層のオイル層を分取した。オイル
層は0.17gのPFOAを含んでおり、凝集排水から
の回収率は10.1%であった。
【0092】
【発明の効果】本発明のフッ素含有乳化剤回収方法によ
れば、フッ素含有ポリマーの凝集排水から効率的かつ簡
便にフッ素含有乳化剤を回収できる。また、既知のIE
Rを用いる方法と比較して、未凝集のフッ素含有ポリマ
ー微粒子などのSS成分を高度に除去しなくても、凝集
排水中のフッ素含有乳化剤を捕捉して回収することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願2002−17538(P2002−17538) (32)優先日 平成14年1月25日(2002.1.25) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2002−17539(P2002−17539) (32)優先日 平成14年1月25日(2002.1.25) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2002−17543(P2002−17543) (32)優先日 平成14年1月25日(2002.1.25) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 舟木 宙 千葉県市原市五井海岸10番地 旭硝子株式 会社内 (72)発明者 江田 昌隆 千葉県市原市五井海岸10番地 旭硝子株式 会社内 (72)発明者 神谷 浩樹 千葉県市原市五井海岸10番地 旭硝子株式 会社内 (72)発明者 大森 浩太 秋田県秋田市茨島3−1−6 株式会社ジ ェムコ内 (72)発明者 神谷 武志 秋田県秋田市茨島3−1−6 株式会社ジ ェムコ内 (72)発明者 三浦 康輝 千葉県市原市五井海岸10番地 旭硝子株式 会社内 (72)発明者 簗瀬 亙一 千葉県市原市五井海岸10番地 旭硝子株式 会社内 Fターム(参考) 4D015 BA19 BA23 BB05 CA17 DA03 DA04 DA13 EA04 EA13 EA15 EA16 EA17 EA32 EA35 EA39 FA02 FA11 FA12 FA15 FA19 4D038 AA08 AB14 AB16 BA04 BA06 BB13 BB17 BB18 BB20 4J100 AA02Q AA03Q AA06Q AC21P AC22P AC23P AC24P AC25P AC26P AC27P AC29P AC31P AE04Q AE09Q AE10Q AE13Q AE39P AG04Q AR09P AR11Q BC04Q CA01 CA04 GD08

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素含有乳化剤を含む水性媒体中で少な
    くとも1種のフッ素含有モノマーを重合させて得られる
    フッ素含有ポリマーを分離した後の排水であって、前記
    フッ素含有乳化剤を含み、かつ浮遊固形分および浮遊固
    形分になりうる物質の含有量が1質量%以下である前記
    排水に、2価金属イオンと3価金属イオンとを含む混合
    水溶液を添加するとともに、前記混合水溶液を添加する
    際の前記排水のpHを、前記混合水溶液中に含まれる前
    記2価金属イオンおよび前記3価金属イオンが層状複水
    酸化物を形成し得るpHの値に保持して、前記フッ素含
    有乳化剤を層間に含む層状複水酸化物を生成させる乳化
    剤固定化工程と、 該乳化剤固定化工程の後、前記層状複水酸化物を前記排
    水から分離して、前記フッ素含有乳化剤を回収する回収
    工程とを含むことを特徴とするフッ素含有乳化剤回収方
    法。
  2. 【請求項2】前記排水に前記混合水溶液を、前記混合水
    溶液中の3価金属イオンが前記排水中の前記フッ素含有
    乳化剤に対して1モル倍以上30モル倍以下となるよう
    に添加する請求項1記載のフッ素含有乳化剤回収方法。
  3. 【請求項3】前記排水の温度を5〜50℃の範囲に保ち
    ながら、該排水に前記混合水溶液を10分以上3時間以
    下かけて添加する請求項1記載のフッ素含有乳化剤回収
    方法。
  4. 【請求項4】前記排水が連続的に供給されている反応器
    中に、前記混合水溶液を添加して、連続的に前記層状複
    水酸化物を生成させる請求項1記載のフッ素含有乳化剤
    回収方法。
  5. 【請求項5】フッ素含有乳化剤を含む水性媒体中で少な
    くとも1種のフッ素含有モノマーを重合させて得られる
    フッ素含有ポリマーを分離した後の排水であって、前記
    フッ素含有乳化剤を1質量ppm以上10質量%以下含
    み、かつ浮遊固形分および浮遊固形分になりうる物質の
    含有量が1質量%以下である前記排水に、2価金属イオ
    ンを含む2価金属水溶液と、3価金属イオンを含む3価
    金属水溶液を、前記3価金属水溶液中の3価金属イオン
    が前記排水中の前記フッ素含有乳化剤に対して1モル倍
    以上30モル倍以下となるように、前記排水に添加する
    とともに、前記2価金属水溶液および前記3価金属水溶
    液を添加する際の前記排水のpHを、前記2価金属水溶
    液に含まれる前記2価金属イオンと前記3価金属水溶液
    に含まれる前記3価金属イオンが層状複水酸化物を形成
    し得るpHの値に保持して、前記フッ素含有乳化剤を層
    間に含む層状複水酸化物を生成させる乳化剤固定化工程
    と、 該乳化剤固定化工程の後、前記層状複水酸化物を前記排
    水から分離して、前記フッ素含有乳化剤を回収する回収
    工程とを含むことを特徴とするフッ素含有乳化剤回収方
    法。
  6. 【請求項6】前記排水の温度を5〜50℃の範囲に保ち
    ながら、該排水に、前記2価金属水溶液および前記3価
    金属水溶液を10分以上3時間以下かけて添加する請求
    項5記載のフッ素含有乳化剤回収方法。
  7. 【請求項7】フッ素含有乳化剤を含む水性媒体中で少な
    くとも1種のフッ素含有モノマーを重合させて得られる
    フッ素含有ポリマーを分離した後の排水であって、浮遊
    固形分および浮遊固形分になりうる物質の含有量が1質
    量%以下である排水から、前記フッ素含有乳化剤を回収
    する方法であって、 2価金属イオンと3価金属イオンを含む混合水溶液と、
    前記フッ素含有乳化剤を構成するアニオンとは異なるア
    ニオンを含有し、かつpHが前記2価金属イオンと3価
    金属イオンとが層状複水酸化物を形成する値に保たれた
    反応液とを混合することにより、前記フッ素含有乳化剤
    を構成するアニオンとは異なるアニオンを層間に含む層
    状複水酸化物を予め生成させる層状複水酸化物生成工程
    と、 前記排水のpHを、前記2価金属イオンと前記3価金属
    イオンとが層状複水酸化物を形成する値に保ちながら、
    前記層状複水酸化物と前記排水とを混合することによ
    り、該排水中に含まれるフッ素含有乳化剤を層間に含む
    層状複水酸化物を生成させる乳化剤固定化工程と、 該乳化剤固定化工程の後、前記層状複水酸化物を前記排
    水から分離して、前記フッ素含有乳化剤を回収する回収
    工程とを含むフッ素含有乳化剤回収方法。
  8. 【請求項8】前記反応液が炭酸イオンを含む水溶液で、
    前記層状複水酸化物生成工程で生成される層状複水酸化
    物が炭酸イオンを含んでおり、 前記乳化剤固定化工程において、前記排水の温度を5〜
    50℃の範囲に保ちながら、前記層状複水酸化物と該排
    水とを混合する請求項7記載のフッ素含有乳化剤回収方
    法。
  9. 【請求項9】フッ素含有乳化剤を含む水性媒体中で少な
    くとも1種のフッ素含有モノマーを重合させて得られる
    フッ素含有ポリマーを分離した後の排水であって、浮遊
    固形分および浮遊固形分になりうる物質の含有量が1質
    量%以下である排水から、前記フッ素含有乳化剤を回収
    する方法であって、 2価金属イオンと3価金属イオンを含む混合水溶液と、
    前記フッ素含有乳化剤を構成するアニオンとは異なるア
    ニオンを含有し、かつpHが前記2価金属イオンと3価
    金属イオンとが層状複水酸化物を形成する値に保たれた
    反応液とを混合することにより、前記フッ素含有乳化剤
    を構成するアニオンとは異なるアニオンを層間に含む層
    状複水酸化物を生成させ、生成した層状複水酸化物を焼
    成することによりその層間に含まれていた前記アニオン
    を除去して層状複水酸化物の焼成体を得る焼成体形成工
    程と、 前記排水のpHを、前記2価金属イオンと前記3価金属
    イオンとが層状複水酸化物を形成する値に保ちながら、
    前記層状複水酸化物の焼成体と前記排水とを混合するこ
    とにより、該排水中に含まれるフッ素含有乳化剤を層間
    に含む層状複水酸化物を生成させる乳化剤固定化工程
    と、 該乳化剤固定化工程の後、前記層状複水酸化物を前記排
    水から分離して、前記フッ素含有乳化剤を回収する回収
    工程とを含むことを特徴とするフッ素含有乳化剤回収方
    法。
  10. 【請求項10】前記反応液が炭酸イオンを含む水溶液
    で、焼成前の前記層状複水酸化物が炭酸イオンを含んで
    おり、 前記乳化剤固定化工程において、前記排水の温度を5〜
    50℃の範囲に保ちながら、前記層状複水酸化物の焼成
    体と該排水とを混合する請求項9記載のフッ素含有乳化
    剤回収方法。
  11. 【請求項11】前記排水におけるフッ素含有乳化剤の初
    期濃度が1質量ppm以上10質量%以下である請求項
    1〜10のいずれか一項に記載のフッ素含有乳化剤回収
    方法。
  12. 【請求項12】前記混合水溶液における前記2価金属イ
    オンと前記3価金属イオンとの比、または前記排水に添
    加される2価金属水溶液および3価金属水溶液における
    2価金属イオンと前記3価金属イオンとの比が10:9
    0〜90:10[mol比]である請求項1〜10のい
    ずれか一項に記載のフッ素含有乳化剤回収方法。
  13. 【請求項13】前記2価金属の水酸化物形成pHの範囲
    と前記3価金属の水酸化物形成pHの範囲とが重なって
    いるか、又は、小さい方の水酸化物形成pHの範囲上限
    のpHと大きい方の水酸化物形成pHの範囲の下限との
    差が理論上2以下である請求項1〜10のいずれか一項
    に記載のフッ素含有乳化剤回収方法。
  14. 【請求項14】前記乳化剤固定工程の前に、前記排水の
    pHを、該排水に無機酸を添加することによって1以上
    6未満に調整し、その後、25℃の水への溶解度が5質
    量%以上である金属塩化物又は該金属塩化物の水和物を
    前記排水に添加し、該排水中の浮遊固形分および浮遊固
    形分となりうる物質を凝集させて除去する前処理工程を
    有する請求項1〜10のいずれか一項に記載のフッ素含
    有乳化剤回収方法。
  15. 【請求項15】前記前処理工程において、前記排水に含
    有される浮遊固形分および浮遊固形分となりうる物質を
    凝集させた後、該排水のpHを8以上11未満に調整し
    て、前記浮遊固形分および浮遊固形分となりうる物質の
    凝集物からフッ素含有乳化剤を溶出させた後、該凝集物
    を前記排水から分離して除去する請求項14に記載のフ
    ッ素含有乳化剤回収方法。
  16. 【請求項16】前記無機酸が、塩酸、硝酸および硫酸か
    らなる群から選ばれる1種以上である請求項14に記載
    のフッ素含有乳化剤回収方法。
  17. 【請求項17】前記金属塩化物が、塩化アルミニウム、
    塩化アルミニウム6水和物、ポリ塩化アルミニウム、塩
    化第一鉄および塩化第二鉄からなる群から選ばれる1種
    以上である請求項14に記載のフッ素含有乳化剤回収方
    法。
  18. 【請求項18】前記3価金属としてアルミニウム、ビス
    マス、セリウム、クロム、鉄(III)、ガリウム、イン
    ジウム、マンガン(III)、チタン、およびタリウムか
    らなる群から選ばれる1種又は2種以上の金属を用い、
    前記2価金属としてベリリウム、カドミウム、コバル
    ト、クロム、銅(II)、鉄(II)、マグネシウム、マン
    ガン(II)、ニッケル、鉛、白金、パラジウム、亜鉛、
    錫およびカルシウムからなる群から選ばれる1種又は2
    種以上の金属を用いる請求項1〜10のいずれか一項に
    記載のフッ素含有乳化剤回収方法。
  19. 【請求項19】前記3価金属としてアルミニウムを用
    い、前記2価金属としてマグネシウムおよび亜鉛から選
    ばれる1種又は2種の金属を用いる請求項18に記載の
    フッ素含有乳化剤回収方法。
  20. 【請求項20】前記3価金属としてアルミニウム、前記
    2価金属としてマグネシウムを用い、かつ前記乳化剤固
    定化工程において前記排水のpHを9以上11未満の範
    囲に保つ請求項19に記載のフッ素含有乳化剤回収方
    法。
  21. 【請求項21】前記3価金属としてアルミニウム、前記
    2価金属として亜鉛を用い、かつ前記乳化剤固定化工程
    において前記排水のpHを6以上9以下の範囲に保つ請
    求項19に記載のフッ素含有乳化剤回収方法。
  22. 【請求項22】前記フッ素含有モノマーに、少なくとも
    四フッ化エチレンが含まれている請求項1〜10のいず
    れか一項に記載のフッ素含有乳化剤回収方法。
  23. 【請求項23】前記フッ素含有ポリマーが、ポリ四フッ
    化エチレン、四フッ化エチレン/エチレン共重合体、四
    フッ化エチレン/プロピレン共重合体、四フッ化エチレ
    ン/プロピレン/フッ化ビニリデン共重合体、四フッ化
    エチレン/六フッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチ
    レン/CF2=CFO(CF22CF3共重合体、および
    ポリフッ化ビニリデンからなる群から選ばれる1種又は
    2種以上である請求項1〜10のいずれか一項に記載の
    フッ素含有乳化剤回収方法。
  24. 【請求項24】前記フッ素含有乳化剤が、炭素原子数5
    〜13の、ペルフルオロアルカン酸、ペルフルオロアル
    カンスルホン酸およびこれらの化合物中のフッ素の一部
    が塩素もしくは水素で置換された酸の塩からなる群から
    選ばれる1種又は2種以上、および/又は分子中にエー
    テル性の酸素原子を含有するペルフルオロアルカン酸、
    ペルフルオロアルカンスルホン酸およびこれらの化合物
    中のフッ素の一部が塩素もしくは水素で置換された酸の
    塩塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上である請
    求項1〜10のいずれか一項に記載フッ素含有乳化剤回
    収方法。
  25. 【請求項25】前記フッ素含有乳化剤がペルフルオロオ
    クタン酸アンモニウムである請求項24に記載のフッ素
    含有乳化剤回収方法。
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