JP2003284509A - 食品廃棄物の食品素材または飼料化方法及び装置 - Google Patents

食品廃棄物の食品素材または飼料化方法及び装置

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JP2003284509A JP2002091802A JP2002091802A JP2003284509A JP 2003284509 A JP2003284509 A JP 2003284509A JP 2002091802 A JP2002091802 A JP 2002091802A JP 2002091802 A JP2002091802 A JP 2002091802A JP 2003284509 A JP2003284509 A JP 2003284509A
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  • Drying Of Solid Materials (AREA)
  • Freezing, Cooling And Drying Of Foods (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 食品加工残渣その他の食品廃棄物を構成する
素材の特徴を維持した状態で乾燥し、食品素材または家
畜、魚類、ペットなどの飼料として利用する。 【解決手段】 食品廃棄物を100℃以下の比較的低い
温度で乾燥して乾燥品を得る。この乾燥は、食品廃棄物
を回転式のドラム本体1内に投入して100℃以下の温
風を送風口12から供給する。送風口12から送られた
乾燥用空気は投入側の傘状邪魔板15に当り、ドラム本
体1の側板6に向かって送気されると共に、その一部は
ド−ナツ状邪魔板17に当ってドラム本体の中間部にも
送気される。同時に廃棄物をドラム本体1内に備えたカ
ッティングブレ−ド26によって切りほぐし、リフタ−
ブレ−ド32によってかき上げ、温風との接触を良くし
て乾燥を効率的に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品加工残渣等の
食品廃棄物を食品素材または飼料化する方法及び装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、学校・病院等の給食施設、ホテル
等の宿泊施設、大規模小売店舗、レストラン・仕出し
屋、食品製造工場、販売店等の食品流通過程などから出
る食品加工残渣、調理残渣、混合残飯等の食品廃棄物
は、一部がそのまま養豚等の餌や堆肥製造の資材として
利用されているものの、殆んどが廃棄物として焼却処分
や埋立処分されている。また、近年は、畜産の分野にお
いても良質肉生産のための計画的飼育法に変わり、飼料
としての利用は、輸入穀物等に添加する高温乾燥の高蛋
白質粉末等としての活用にとどまっている。
【0003】食品廃棄物は、一般に水分が約65〜90
%と多いため腐敗しやすく、夾雑物も多く、発生も多品
目で少量分散的であり、取扱も難しいこともあって、近
郊に農家がない大都市等では、専門業者に有償で回収を
依頼し、回収されたものは上記の如く殆どが再生利用さ
れることなく生ゴミとして主として焼却処分されてい
る。また、焼却に当たっても水分が多い為に焼却炉内の
温度が上昇せず、廃棄物中の塩分等がダイオキシン発生
の原因になっているとの指摘もなされている。
【0004】こうした中で、僅かに、食品廃棄物を15
0℃以上の高温で乾燥し、飼料等へ利用することを模索
しているが、高温乾燥では、ドラム内温度と品温の温度
差が大きいままで乾燥が進むので、均一的な乾燥が難し
く、部分的に焼け・焦げ・過乾燥・未乾燥の状態のもの
が混在することが多く、高品質の飼料を得ることが難し
い。また、高温乾燥の為に装置コストが高くつき、乾燥
エネルギーコストもかかり、更に、焦げによる臭気除去
の為の設備費用や臭気燃焼の為のエネルギーコストも掛
かっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、食品加工残
渣その他の食品廃棄物を構成する素材の特徴を維持した
状態で乾燥し、食品素材または家畜、魚類、ペットなど
の飼料原料として付加価値の高いものに利用し、併せて
高度な循環型社会及び環境保全にも貢献しようとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、食品廃棄物を
100℃以下、好ましくは90℃以下、更に好ましくは
80℃以下の比較的低い温度で乾燥して乾燥品を得るよ
うにし、食品を焦がすことなく素材の特徴を保持して有
効にリサイクル利用する。この乾燥は、食品廃棄物を回
転式のドラム本体内に投入して100℃以下の温風を供
給し、廃棄物をドラム本体内に備えたブレ−ドによって
切りほぐしながら乾燥し、粒状または顆粒状の乾燥品を
得るようにする。こうした乾燥は100℃以下の温風に
よって行うので、ボイラ−、冷凍機、自家発電装置等か
ら出る排熱等を有効に使用して行うことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】乾燥に使用する回転ドラム型乾燥
機11のドラム本体1は横置き状態にされ、架台2の上
にロ−ラ−3によりドラム本体1に設けたレール49を
案内として正逆双方向に回転可能に支持され、モーター
4によって速度変更可能に回転される。図示のドラム本
体1は、フレームバー5に側板6を取付けて八角形の筒
状にしているが、六角形その他の多角形状にすることも
できる。(図2、図3、図4、図5) ドラム本体1の一方の端板7の中心部には、ドラム本体
1内に乾燥しようとする食品廃棄物を投入する為の投入
口8が設けてあり、図示のものでは、ホッパー9からス
クリューコンベア10によってドラム本体1内に投入で
きるようにしている。
【0008】ドラム本体1の端板のスクリュ−コンベア
10の周りには、乾燥用空気の送風口12を設けてお
り、フレキシブルなダクト13を介して供給される乾燥
用の温風をドラム本体1内に供給するようにしている。
このドラム本体1の端板7の内側には、端板7の内面か
らスペ−ス14を置いて、傘状の邪魔板15を立設して
おり、該邪魔板15の外側には、同じく端板7から間隔
16を置いてド−ナツ状の邪魔板17を立設している。
(図2、図3、図6)
【0009】上記送風口12側とは反対側の端板20は
外方に凸出しており、その中央部には排気口21が設け
られ、フレキシブルな排気ダクト22から必要によりサ
イクロン23に連なっており、乾燥用空気が排気され
る。この端板20の内側には、上記した送気口12側の
端板6に設けた傘状の邪魔板15と同じ形状の傘状邪魔
板24を設けており、上記排気口21の入口はラッパ状
邪魔板25となっている。(図2、図3、図7) 乾燥が進み、温風と共に舞い上がった乾燥品はこの邪魔
板24に当たり、排気口21からドラム本体1の外に出
ていくのが防がれる。また、ド−ナツ状の邪魔板17及
びラッパ状邪魔板25は、ドラム本体内で乾燥中の内容
物がドラムの外に出ていかないように作用している。
【0010】上記送風口12から送られた乾燥用空気は
投入側の傘状の邪魔板15に当って、ドラム本体1の側
板6に向かって送気されると共に、その一部はド−ナツ
状の邪魔板17に当ってドラム本体の中間部にも送気さ
れるようになる。
【0011】上記ドラム本体1内には、投入された食品
廃棄物を攪拌等するためのブレ−ドを設けている。図示
のものでは、8本のフレ−ムバ−5の1本置きに、カッ
ティングブレード26をドラム中心部に向けて取り付け
ている。このカッティングブレ−ド26は、一本のブレ
ードバ−27にその長手方向に向けて等間隔に10本設
けている。上記カッティングブレ−ド26の長い9本の
内4本のストレートブレード28は細幅の板状をしてお
り、その平面29がドラム本体1の回転方向に沿うよう
になっている。また、送風口12側の1本のブレード2
6は、短いストレートブレード48になっている。上記
長い9本のブレ−ド26の中で一本置きある5本のブレ
ードは、そのほぼ中間部で右側に約30°の角度で捻じ
られたツイストブレ−ド30になっている。こうした右
側に捻じったツイストブレ−ド30をもつブレードバ−
27は、対向する1対のフレームバー5に各々取り付け
られている。(図2、図3、図8、図10)
【0012】そして、他の対向する1対のフレームバー
5に取り付けたブレードバ−27に設けたカッティング
ブレ−ド26は、9本の長いブレ−ド26の中で上記と
同じく一本置きある5本のブレードが、そのほぼ中間部
で上記とは逆に左側に約30°の角度で捻じったツイス
トブレ−ド31になっている。(図8、図12)
【0013】上記カッティングブレ−ド26を設けたフ
レームバー5、5の間のフレームバー5には、ドラムの
長手方向から見て薄い三角形状を為すような角形のリフ
タ−ブレ−ド32をブレードバ−33上に等しい間隔を
置いて4個設けており、このブレードバ−33をフレー
ムバー5に取り付けている。このフレームバーに対向す
るフレームバーにも同じリフタ−ブレ−ド32を4個設
けたものを取り付けている。(図2、図3、図8、図1
1)
【0014】そして、他の対向するフレ−ムバ−5に
は、上記したブレードバー33に4個のリフタ−ブレ−
ド32を設けたものであって、リフタ−ブレ−ドの無い
部分34に対応してリフタ−ブレ−ドが位置するよう
に、位相をずらして3個のリフターブレードを設けたブ
レードバー35をフレームバー5に取り付けている。こ
れによって、ドラム本体内の内容物のかき上げが均一的
になるようにしている。(図12)
【0015】こうして、8本のフレ−ムバ−5に対し
て、カッティングブレ−ド26とリフタ−ブレ−ド32
を交互に配置している。(図8、図12) 上記各ブレードは、ブレードバ−27、33、35によ
ってフレームバー5に取外し可能に設けており、洗浄し
たり、乾燥する内容物によって他の形式のブレードに交
換することもできて便利である。
【0016】図13には、他の形式のカッティングブレ
−ド26を示しており、並行する2本のストレートブレ
ード46の間に間隔を置いて配置した2本の円柱47で
連結している。そして、隣接する2本のストレートブレ
ード46の間に配置した2本の円柱47は、上記のもの
とは位相を違えて設けたものであり、これによって、均
一的な切りわけができるようにするものである。
【0017】上記排気口21側の端板20には開閉可能
な排出口36を設けており、この排出口36から排出シ
ュート37によって乾燥物を取り出すことができる。
(図2、図4、図7、図9) 上記ドラム本体1を形成するフレ−ムバ−に取付けた側
板6は、取外し可能にしておけば、洗浄等する場合に便
利である。また、このドラム本体等の乾燥機は容易に、
組み立て、分解が出来るように作製できるので、必要な
食品加工工場、給食センターその他の処理場への搬送も
容易であり、食品廃棄物の発生する場所において、廃棄
物に応じた効果的な分散処理を行うことができ、広く用
いることができる。
【0018】このドラム本体1を支持する架台2は、排
気側を軸38で支持し、送気側を油圧リフト39などに
よって上下させることができるようにしており、排気側
が低くなるようにドラム本体1を少し傾けてドラム本体
を回転させれば、排出口36からの乾燥物の取り出しが
一層容易になる。(図2)
【0019】上記ドラム本体1の側板6にはスライド式
等のハッチ42を設けており、上記スクリューコンベア
10を使用しないで、ドラム本体1の回転を止めて材料
を直接にドラム本体1内に投入することもできる。この
ドラム本体1の外側を保温材料で形成したボックス43
で覆うようにすると、乾燥中にドラム本体1が冷却され
るのを防ぐことができて、乾燥の熱効率を上げることが
できる。(図1、図2、図4)
【0020】このドラム本体1内に食品廃棄物を投入し
てドラム本体1を回転させると、食品廃棄物はリフタ−
ブレ−ド32によって持上げられてから下方へ落下し、
カッティングブレード26のストレートブレード28及
びツイストブレード30、31は食品廃棄物を真直ぐ
に、又は斜めに切るように作用し、食品廃棄物は切りほ
ぐされながら、そこに乾燥用の空気が当り、内容物をこ
ねるようにすることなく、効率的に乾燥することができ
る。
【0021】上記ドラム本体1は、特に食品廃棄物の水
分の多い初期において回転を速くして、食品廃棄物を細
かく切りほぐすようにすると、乾燥を効率的に進めるこ
とができ、乾燥が進んでくると次第に顆粒状になるので
回転を遅くするようにするとよい。また、乾燥初期には
温風の温度を、例えば約100℃程度の高めに設定し、
ある程度乾燥が進んでから温風の温度を約90℃とか8
0℃程度に下げて乾燥すると乾燥時間も短くなり、効率
的なことがある。送風口12からドラム本体1に送気さ
れた温風は、反対側の端板20の中央部の排気口21か
ら排気ダクト22によって排気され、必要に応じてサイ
クロン23を介して粒体を捕集するとよい。また、臭気
のあるものであっても、水スクラバーによって容易に除
去することができる。(図2)
【0022】
【実施例】(例1)冷凍食品工場のコロッケ製造工程か
ら排出された、規格外の調理加工残渣を処理するもので
ある。この加工残渣中には、成型過程で割れが生じたも
の、衣が不均一に付着しているもの、油で揚げたときに
こげが生じたもの、油で揚げた後で割れが生じたものな
どが含まれている、常温のものである。こうしたコロッ
ケ残渣を、長さ約130cm、対向するフレームバー5の
内側の間隔が86cmの八角形で、内容量が約0.7m
のドラム本体1内に70kg投入した。ドラム本体1内
への投入は、側板6に設けたハッチ42から回分式に一
度に投入してもよいし、ドラム本体1を回転しながらス
クリューコンベア10によって徐々に投入することもで
きる。
【0023】乾燥空気生成装置から乾燥空気をダクト1
3を通じて送風口12からドラム本体内に0.5〜1m
/sec の速度で送気する。この乾燥空気の上記送風口で
の温度は80℃である。この温度は比較的低温であるこ
とから、食品加工工場内のボイラ−の廃熱、冷凍機の廃
熱、自家発電装置の廃熱等の利用されていないエネルギ
ーを用いれば、設備コスト、ランニングコストを低減し
て、経済的に乾燥することができる。
【0024】送風口12からドラム本体内に入った温風
は、傘状の邪魔板15に当り、更に一部がド−ナツ状の
邪魔板17に当り、ドラムの側板6に沿って広く行き渡
るように流れ、排気側の端板20に設けた傘状の邪魔板
24に当って排気口21から排気されるので、ドラム内
に均一的に温風が流れる。
【0025】ドラムの端板20の排気口21から排出さ
れた温風によって運ばれた乾燥物はサイクロン23で捕
集され、排気された温風は必要に応じて循環させて再利
用するとよい。この排気温風の再循環利用率は、被乾燥
物の乾燥進行状態と、排気温風の有する絶対湿度及び関
係湿度によって決定すると効率的である。
【0026】ドラム本体1の回転により、内容物は側板
6の上を滑って付着することがなく、またリフターブレ
ード32によって内容物を上方にかき上げて落下させる
ので温風との接触が高まり、乾燥効率を上げることがで
きる。更に、カッティングブレード26によって内容物
は真直に、また右斜めに、左斜めに切りほどくようにさ
れながら温風とよく接触して乾燥され、粘度の上昇が押
えられ、塊状に固まってダマになることもない。
【0027】上記温風をドラム本体内に供給し、ドラム
内の温度を80℃に保つようにして乾燥を進めたとこ
ろ、品温(内容物の温度)と庫内温度(ドラム本体内の
温度)の推移は図14に示すとおりとなった。このと
き、ドラム本体内の温度は、白金測温抵抗体の温度計と
高分子静電容量式の湿度計を備えた温湿度計(Thermo-H
igrometer HN−CGA,株式会社チノー製)によって
5分毎に連続的に測定した。また、ドラム本体内の品温
は、非接触温度計(THERMO-HUNTER BUILT-IN2,オプテ
ック株式会社製)を使用して、被乾燥内容物から出てい
る遠赤外線を吸光し、その遠赤外エネルギー量を温度値
に換算して非接触的にリアルタイムで測定した。また、
再確認手段として、ドラム本体内の品温について、さら
にボタンサイズの温度ローガー(TEMPERATURE LOGGER 3
650,ヒオキ株式会社製) を内容物中に投入しておき、乾
燥終了後に取り出してパソコンで処理し、経時的な温度
変化を確認した。
【0028】図14を見るとドラム内の温度は約1時間
後から80℃に保たれており、品温は2時間後から6時
間後まで長く40℃程度に保たれているが、更に乾燥が
進むと品温が次第にドラム内温度に近づき、約9時間後
にドラム内温度と品温が80℃で一致するようになっ
た。そして、その時の乾燥物の水分は約8%程度になっ
ていて、乾燥が完了している。従って、ドラム内温度と
品温をリアルタイムで監視し、両者が一致した時点で乾
燥を終了すれば、乾燥不足や過乾燥になることもなく最
適な乾燥を行うことができることが判る。
【0029】上記乾燥終了時には、乾燥物は約1〜2mm
径の揃った顆粒状になっており、不揃いな塊も見られな
かったので、乾燥後の粉砕やふるい分けなどは特に必要
とされなかった。そして、乾燥品に焦げ臭も感じられな
かった。また、乾燥時の水分の減少率の状況は、図15
に示すように直線的に減少しており、良好な乾燥が行わ
れていることが判る。これは、特に乾燥初期において、
カッティングブレード26のストレートブレード28及
びツイストブレード30、31によって内容物が剪断的
に切りほぐされ、乾燥空気との接触面積が大きく保た
れ、内容物の凝集が防止され、全体に均一で効果的な乾
燥が行われているためと考えられる。
【0030】更に、乾燥物重量(内容物重量)の推移を
みると70kg投入したものが約21kgにまで乾燥されて
減少しており(図16)、水分減少量の推移(図1
7)、含水率の推移(図18)、乾燥速度と含水率の関
係(図19)を見ると、乾燥初期から中期に至るまで恒
率乾燥が続いており、良好な乾燥状態を維持できる乾燥
方法及び装置であることが判る。
【0031】こうした低温によって調理残渣を乾燥でき
るので、従来の高温乾燥のように、高い設備コスト、高
いランニングコストは必要なくなる。また、高温乾燥に
おいては乾燥終了時を確認することが難しいので、乾燥
の運転管理が複雑になるが、こうしたこともなく上記し
たように庫内温度と品温が一致したところで乾燥を終え
ればよく、容易かつ低コストで高品質の乾燥品を得るこ
とができる。
【0032】こうして得たコロッケ残渣の乾燥品は、食
品素材として再利用することができる。また、各種の家
畜類に対する飼料としても広く用いることができる。飼
料への混入率は通例、約3割以下にして用いるとよく、
好ましくは約1割程度にするとよい。
【0033】鶏ヒナを用いた成長試験において、飼料中
に上記乾燥品を30%混入し、乾燥温度が飼養効率(飼
料効率)に及ぼす影響を調べたところ、図20に示すよ
うな結果が得られた。即ち、乾燥温度100℃以上では
飼料効率が対照(一般的な市販のトウモロコシを主体と
する配合飼料を用いて生育したもの)よりも次第に低下
しているが、60℃、80℃の乾燥では飼料効率が高
く、良好な結果が得られていることが判る。
【0034】また、乾燥温度がアミノ酸含量に対する影
響を調べたところ、図21に示すような結果が得られ
た。乾燥温度が100℃以上に高くなると急激にリジン
含有量が低下しているが、80℃の乾燥でも、60℃の
乾燥と同様のリジン含有量を保持しており、80℃の乾
燥によって乾燥効率を上げながら有用成分を減少させる
ことなく、有効な飼料が得られていることが判る。
【0035】(例2)静岡市給食センターから排出され
たキャベツ調理残渣を処理した。このキャベツ調理残渣
は、キャベツ玉の表面を剥いた皮の部分、カットかす等
である。大きなものは大まかに10cm平方程度に千切っ
たり、カットし、必要により熱湯等によるブランチング
処理をして、ホッパー9からスクリューコンベア10を
通して少しずつ回転している上記例1に記載した構造の
ドラム本体1内に100kg投入した。そして同時に9
0℃の温風を送って上記例1と同様にして6時間乾燥し
て、約7kgの乾燥品を得た。この乾燥品は、水分含量
6%であり、濃緑色で、長さ1〜3cm程度の縮れた細桿
状をしている。そして、この乾燥品は、タンパク質含量
が約20%の高タンパク品であり、食品素材として用い
ることができた。また、家畜用の飼料としても有用であ
った。
【0036】(例3)静岡市給食センターから排出され
た残された米飯、食パン、牛肉と野菜の炒め物、フライ
ドポテト、野菜サラダ等が混じり合った食品廃棄物を処
理した。この食品廃棄物はドラム本体1内に一度に投入
し、100℃の温風を送って乾燥した。この食品廃棄物
には粘着性の残飯が含まれているが、乾燥中に内容物は
ドラム本体の側板の平面を滑ってドラム本体に付着する
ことはなく、乾燥初期にはやや糊状になっても大きな塊
状とはならず、リフターブレードによってよく攪拌さ
れ、カッティングブレードによって切り分けられ、バラ
バラに分散した状態にほぐされる。これによって、温風
との接触頻度及び面積が増大し、乾燥が効率的に行われ
た。この乾燥では、ドラム本体の回転方向を10分間隔
で変換した。乾燥開始から1時間後には、温風の温度を
90℃に下げ、さらに5時間乾燥を続けた。こうして得
られた乾燥品は、水分が約5%であって、顆粒状をして
おり、家畜類の飼料として用いることができた。また、
この食品廃棄物にはデンプン質、肉類が混じり合ってい
るが、全体が同時的に乾燥され、高温乾燥したときのよ
うにメイラード反応などは起こっていなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明は上記したように、ドラム本体内
に投入された食品加工残渣などの食品廃棄物を切りほぐ
すようにしなから、全体に万遍なく乾燥空気を送って1
00℃以下の比較的温和な温度状態で乾燥を行うので、
品質の良好な乾燥品を、低コストで得ることができる。
また、送風量、ドラム本体の回転速度、回転方向の変換
などが容易に設定でき、乾燥する内容物に応じた種々の
パターンで乾燥を行うことができるから、効率的に乾燥
を行うことができる。更に、混合残飯なども同様に乾燥
し、重量を減らして取扱を容易にすると共に、堆肥飼料
の材料として用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の装置の実施例の説明図である。
【図3】図2のドラム本体の拡大断面図である。
【図4】図2のドラム本体の斜視図である。
【図5】ドラム本体の支持部分の斜視図である。
【図6】ドラム本体の送風口側の端板の内面図である。
【図7】ドラム本体の排気口側の端板の内面図である。
【図8】ドラム本体内のブレードの配置状態を示す説明
図である。
【図9】ドラム本体の排気口側の端板の外面図である。
【図10】ドラム本体内に配置するカッティングブレー
ドを示し、(A)は平面図、(B)の正面図である。
【図11】ドラム本体内に配置するリフターブレードの
斜視図である。
【図12】ドラム本体の8本のフレームバーに取り付け
たブレードの配置状態を示す説明図である。
【図13】ドラム本体内に配置するカッティングブレー
ドの変形例を示し、(A)は平面図、(B)の正面図、
(C)は側断面図である。
【図14】乾燥時における内容物とドラム本体内の温度
の推移を示すグラフである。
【図15】乾燥時における水分量の減少の推移を示すグ
ラフである。
【図16】乾燥時における内容物重量の推移を示すグラ
フである。
【図17】乾燥時における内容物の水分減少量の推移を
示すグラフである。
【図18】乾燥時における内容物の含水率の推移を示す
グラフである。
【図19】乾燥時における乾燥速度との含水率の関係を
示すグラフである。
【図20】乾燥温度が飼料効率に及ぼす影響を示すグラ
フである。
【図21】乾燥温度がリジン含量に対する影響を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 ドラム本体 2 架台 3 ローラー 5 フレームバー 6 側板 7、20 端板 8 投入口 10 スクリューコンベア 11 ドラム型乾燥機 12 送風口 15、24 傘状の邪魔板 17 ドーナツ状の邪魔板 21 排気口 26 カッティングブレード 28 ストレートブレード 30、31 ツイストブレード 32 リフターブレード 36 排出口 42 側板のハッチ 43 ボックス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F26B 17/32 F26B 17/32 N B09B 3/00 303Z (72)発明者 石谷 孝佑 茨城県つくば市吾妻3−19−1 パークヒ ル吾妻2−402 Fターム(参考) 2B150 AE26 AE28 BA02 BA04 BD06 BE01 3L113 AA06 AB02 AB03 AC03 AC40 AC45 AC46 AC54 AC55 AC58 AC59 AC63 AC68 AC86 BA16 DA01 DA02 DA06 DA11 DA24 4B022 LA01 LA04 LB06 LF01 LR04 LT05 4B035 LC16 LE01 LG57 LP24 LT20 4D004 AA04 AB01 BA04 CA04 CA15 CA22 CA42 CB09 CB12 CB26 CB36 CB45 DA01 DA06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食品工場、給食センター、大規模小売店
    舗などから排出される食品加工残渣、調理残渣、混合残
    飯その他の食品廃棄物を100℃以下の温度で食品廃棄
    物の特徴を残した状態で乾燥し食品素材または飼料とす
    ることを特徴とする食品廃棄物の食品素材または飼料化
    方法。
  2. 【請求項2】 食品廃棄物を回転ドラム乾燥機内に収納
    し、100℃以下の温風を供給し、上記ドラム本体内に
    設けたブレ−ドによって上記食品廃棄物を切りほぐしな
    がら乾燥し、粒状または顆粒状の乾燥品を得ることを特
    徴とする食品廃棄物の食品素材または飼料化方法。
  3. 【請求項3】 上記乾燥用の温風は、ドラム本体の端板
    より供給し、ドラム本体内に設けた邪魔板によりドラム
    本体の側板に沿ってドラム本体内の全体に行き渡るよう
    に食品廃棄物との接触を増やして乾燥する請求項2記載
    の食品廃棄物の食品素材または飼料化方法。
  4. 【請求項4】 食品廃棄物を収納した回転ドラム乾燥機
    内の温度を90℃以下の一定温度に保ち、乾燥に伴って
    食品廃棄物の温度が上昇し、ドラム乾燥機内の温度に食
    品廃棄物の温度が一致したときを乾燥の完了時とする請
    求項2又は3記載の食品廃棄物の食品素材または飼料化
    方法。
  5. 【請求項5】 上記乾燥用の温風を、ボイラー、冷凍
    機、自家発電装置などの設備から得られる廃熱を利用し
    て得ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の食品廃棄物の食品素材または飼料化方法。
  6. 【請求項6】 食品廃棄物を受入れる横置きの回転式の
    ドラム本体と、該ドラム本体の端板に設けた温風送風口
    と、該温風をドラム本体の胴部に沿って行き渡らせるよ
    うドラム本体の端板に取付けた傘状の邪魔板と、上記ド
    ラム本体の内方に突出しドラムの回転に伴って収納され
    ている食品廃棄物を切りほぐすようにするブレ−ドを備
    える食品廃棄物の食品素材または飼料化装置。
  7. 【請求項7】 上記回転式のドラム本体は多角形に形成
    されて横置きにされ、その回転速度、回転方向及び傾斜
    角度を変化させることができるように形成している請求
    項6記載の食品廃棄物の食品素材または飼料化装置。
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