JP2003284269A - 分割ステータ構造を有する回転電動機 - Google Patents
分割ステータ構造を有する回転電動機Info
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Abstract
て、大型化を招くことなく簡易な構成でコギングトルク
を低減できるものを提供すること。 【解決手段】 このブラシレスモータ100は、円筒状
のアルミ製のハウジング110と、ハウジングの円筒内
周面に固定配置された円筒状の鉄製スリーブ120と、
鉄製スリーブの円筒内周面に密着するように固定配置さ
れた、磁性体からなる複数のステータ片132を周方向
に連続して配置してなる環状のステータ130と、シャ
フト140と、シャフトと一体回転可能に配置されたロ
ータ150と、ロータの外周面上に配置された永久磁石
150とを備える。鉄製スリーブ120により、隣接す
るヨーク部132a間の磁気抵抗値に対する同ヨーク部
間に発生する空隙の大きさの影響が小さくなることで、
隣接する各ティース部132b間の磁気抵抗値のばらつ
きが小さくなり、コギングトルクが低減する。
Description
等の回転電動機に関し、特に、分割ステータ構造を有す
るものに関する。
タ構造を有するブラシレスモータ300が知られてい
る。このブラシレスモータ300は、円筒状のアルミ製
のハウジング310と、同ハウジング310の円筒内周
面に密着するように同ハウジング310に同軸的に固定
配置された磁性体からなる環状のステータ320と、同
ハウジング310に同軸的かつ相対回転可能に軸支され
たシャフト330と、同シャフト330の外周に同シャ
フト330と一体回転可能に同軸的に配置された円筒状
のロータ340と、同ロータ340の外周面上において
周方向に同一角度(30°)ごとにN極とS極が交互に
配置された永久磁石350とを備えている。ハウジング
310がアルミ製となっているのは、モータの軽量化の
ためである。
ータ片322を環状に配置した構造(分割ステータ構
造)からなっている。ステータ片322は、円弧状のヨ
ーク部322aと、同ヨーク部322aから径方向内側
に延在するティース部322bとを備えており、互いに
隣り合う同ヨーク部322aの周方向端面同士は、径方
向において互いに当接するように構成されている(図中
Z部参照)。
コイル360が巻線されており、コイル360は、図示
しない駆動回路に接続されている。また、各ティース部
322bの先端面は、周方向に同一角度(30°)ごと
に放射状に配置されているとともに、所定のエアギャッ
プを介して永久磁石350のそれぞれと対向するように
配置されている。
300は、前記駆動回路より各コイル360を所定の順
序にて通電して回転磁界を作ることにより、同回転磁界
に連動して永久磁石350が回転駆動力を受け、これに
より、ロータ340、ひいてはシャフト330が回転駆
動されるようになっている。
有するブラシレスモータ300においては、互いに隣り
合うステータ片322を、そのヨーク部322aの周方
向端面同士が当接するように配置しても、各周方向端面
の面精度が低い(寸法精度が低い、平面度及び面粗度が
大きい等)と、前記端面間には微小な空隙が発生するこ
とがある(図中Z部参照)。この空隙の大きさは、前記
隣り合うステータ片322のティース部322b間の磁
気抵抗値を左右する。
0とが図9に示したような位置関係にあるとき、互いに
隣り合うティース部322b間に形成される磁束通路
は、図9の黒矢印にて模式的に示すように(磁束通路に
は流れの方向は存在しないが、説明の便宜上、磁束通路
を矢印にて示している。他の図においても同様。)、永
久磁石350のN極から、互いに隣り合うステータ片3
22のうちの一方(図9において左側)のティース部3
22bを通り、そのヨーク部322aを通った後、上記
周方向端面同士の当接面を介して他方(図9において右
側)のステータ片322のヨーク部322aを通り、そ
のティース部322bを通った後、永久磁石350のS
極へ戻るように形成される。
当接面積(磁束通路の面積)は、上記空隙の大きさによ
り変化する(空隙内(空気)の透磁率は、磁性体からな
るステータ片322の透磁率に比して非常に小さいの
で、本明細書では、磁束(通路)は、空隙を通らないと
している。)。また、磁気抵抗値は、磁束通路の面積に
反比例する特性を有している。従って、互いに隣り合う
ヨーク部322a間の磁気抵抗値は、上記空隙の大きさ
により変化し、この磁気抵抗値は、同空隙の大きさが小
さい程小さく、同空隙の大きさが大きい程大きくなる
(図9において、黒矢印の太さは、磁気抵抗値に対応し
ており、矢印が太い程磁気抵抗値が小さいことを示して
いる。他の図面においても同様。)。よって、互いに隣
り合う各ステータ片322間の上記空隙の大きさがばら
つけば、互いに隣り合う各ティース部322b間の磁気
抵抗値もばらつくことになる。
モータ300においては、コイル360が通電されてい
ないときに、所謂コギングトルクが不可避的に発生す
る。このコギングトルクは、互いに隣り合う各ティース
部322b間の磁気抵抗値のばらつきが小さくなる程小
さく、同磁気抵抗値のばらつきが大きくなる程大きくな
ることが知られている。従って、互いに隣り合う各ステ
ータ片322間の上記空隙の大きさがばらつき易い分割
ステータ構造を有するブラシレスモータ300には、非
分割の環状ステータ構造を有するものより、コギングト
ルクが大きくなるという問題がある。
タ片322のヨーク幅(図9中のL)を広くし上記当接
面の当接面積(磁束通路の面積)を広げることが考えら
れる。すなわち、上述したように、磁気抵抗値は磁束通
路の面積に反比例する特性を有しているので、前記当接
面積を広くすることにより、互いに隣り合うヨーク部3
22a間の磁気抵抗値に対する空隙の大きさの影響を小
さくすることができる。従って、互いに隣り合う各ステ
ータ片322間の上記空隙の大きさのばらつきに対する
互いに隣り合う各ティース部322b間の磁気抵抗値の
ばらつきを小さくすることができ、コギングトルクを低
減することができる。
を広くするにあたり、ヨーク部322aの内径を変えず
に外径を大きくすると、モータが径方向に大きくなって
しまうという問題が発生する。一方、ヨーク部322a
の外径を変えずに内径を小さくすると、コイル360の
巻線スペースが小さくなり、同コイル360を構成して
いるワイヤの高占積率化(例えば、ワイヤの角線化)が
必要となるので、製造コストが上昇してしまうという問
題が発生する。
題に対処し得る分割ステータ構造を有するブラシレスモ
ータ400を開示している。図10は、このブラシレス
モータ400を示した図であって、図10において、図
9における各構成と同一の構成については、図9におけ
る符号と同一の符号を付している。また、図11は、ス
テータ320を径方向外側の白矢印方向から見た図であ
る。
322は、図11に示すように、2種類の磁性板324
X,324Yを軸方向(シャフト330の回転軸方向)
に2枚ずつ交互に積層することにより構成されている。
この磁性板324X,324Yのヨーク部の周方向端部
の形状は互いに異なっており、ステータ片322のヨー
ク部322aの周方向端面(図10中Z部参照)は、所
謂櫛歯状となっている。
士は、前記2種類の磁性板324X,324Yを積層す
る順番が互いに逆になっており、図11及び同図11を
拡大した図12に示すように、磁性板324X,324
Yのうち互いに異なる種類の磁性板のヨーク部同士が周
方向にて互いに当接するように構成されている。従っ
て、周方向に互いに隣り合うステータ片322同士は、
ヨーク部322aの周方向端部において、磁性板2枚ご
とに、軸方向に互いに隣り合う磁性板同士が周方向にラ
ップして同ラップにより形成されるラップ面にて互いに
当接するように、構成されている。
向する磁性板の間に形成される磁束通路は、同磁性板の
ヨーク部の周方向端面同士の当接面を通るように形成さ
れるのみならず、上記ラップ面によって、同当接面を迂
回するように、軸方向に隣り合う磁性板内にも形成され
る(図12の白矢印参照)。従って、上記ラップ面にて
新たな磁束通路が確保され、上記ヨーク幅を広げること
なく、互いに隣り合うステータ片322のヨーク部32
2a間に形成される磁束通路の面積が広くなる。
いては、上述したヨーク幅を拡大することと同一の作用
が得られ、互いに隣り合う各ステータ片322間に発生
する上記空隙の大きさのばらつきに対する互いに隣り合
う各ティース部322b間の磁気抵抗値のばらつきが小
さくなる。この結果、上記ヨーク幅を広げることなく、
コギングトルクが低減する。
テータ320を組み付ける際には、互いに隣り合うステ
ータ片322の上記櫛歯状を呈した周方向端面同士を互
いにラップさせるように重ねる必要がある。この場合、
磁性板324X,324Yの板厚自体のばらつきや、ス
テータ片322に巻線されているコイル360を構成す
るワイヤの巻きつけ張力のばらつきに起因して各ステー
タ片322の軸方向弾性変形量のばらつき等が発生する
と、前記周方向端面同士がうまく重ならず、ステータ片
322同士を組み付けることが非常に困難になるという
問題が発生する。
なされたものであり、分割ステータ構造を有する回転電
動機において、大型化を招くことなく簡易な構成でコギ
ングトルクを低減できるものを提供することを、その課
題とする。
明の第1の特徴は、鉄の比重より小さい比重を有する非
磁性体からなるハウジングと、円弧状のヨーク部と前記
ヨーク部から径方向に延在するティース部とを備えるス
テータ片を複数有し、同複数のステータ片を環状に配置
し、互いに隣り合う同ヨーク部の周方向端面同士が当接
するように構成された、前記ハウジング内に固定配置さ
れた磁性体からなるステータと、前記ステータの各ティ
ース部に巻線されたコイルと、前記ティース部先端面と
対向しながら回転可能に前記ハウジング内に配置された
ロータとを備えた分割ステータ構造を有する回転電動機
であって、互いに隣り合う前記ヨーク部同士を磁気的に
接続する磁束通路形成部材を備えたことにある。なお、
ここにおいて、ステータ片は、一塊の磁性体から構成さ
れていても、複数の磁性板を軸方向(ロータの回転軸方
向)に積層することにより構成されていてもよい。
いる複数のステータ片の互いに隣り合うヨーク部同士を
磁気的に接続する磁束通路形成部材を備えたので、互い
に隣り合うステータ片のヨーク部間に形成される磁束通
路は、同ステータ片のヨーク部の周方向端面同士の当接
面を通るように形成されるのみならず、同当接面を迂回
するように前記磁束通路形成部材内にも形成される。
ーク部間に形成される磁束通路の面積が広くなるので、
互いに隣り合う各ステータ片間に発生する上記空隙の大
きさのばらつきに対する互いに隣り合う各ティース部間
の磁気抵抗値のばらつきが小さくなる。この結果、前記
磁束通路形成部材を配置するという簡易な構成にて、コ
ギングトルクが低減する。
減するために、回転電動機全体としての質量のうちの大
きな割合を占めることが多いハウジングを鉄(磁性体)
製とする必要がない。従って、上記本発明の第1の特徴
を採用した回転電動機では、ハウジングが、鉄の比重よ
り小さい比重を有する非磁性体(アルミ材、樹脂等)か
ら構成されており、この結果、ハウジングを鉄で構成す
る場合よりも、回転電動機全体として軽量化が図られ
る。
を有し、前記ステータは、前記各ステータ片の外周面を
周方向に接続することにより形成された円筒外周面を有
し、前記磁束通路形成部材は、前記ハウジングの円筒内
周面と前記ステータの円筒外周面との間に挿入された磁
性体からなる円筒状スリーブであって、同円筒状スリー
ブの円筒内周面は、同ステータの円筒外周面に密着する
ように構成することが好適である。
容易な形状である円筒状スリーブであるので、安価に製
造することができる。また、この円筒状スリーブの円筒
内周面は、ステータの円筒外周面に密着するように構成
されているので、各ステータ片の外周面と同スリーブの
円筒内周面との間には、広い面積を有する当接面が形成
され、互いに隣り合う各ステータ片のヨーク部間に形成
される磁束通路の面積が一層広くなる。従って、互いに
隣り合う各ティース部間の磁気抵抗値のばらつきが一層
小さくなり、より一層コギングトルクが低減する。
性板を軸方向に積層することにより構成されている場
合、ステータ片のヨーク部の周方向端面を構成する各磁
性板のヨーク部の各周方向端面が同一平面上にないと
き、又は前記各周方向端面が同一平面上にあっても前記
各周方向端面の面精度が低い(寸法精度が低い、平面度
及び面粗度が大きい等)とき、ステータ片のヨーク部の
周方向端面の面精度が低くなる。そうすると、互いに隣
り合う各ステータ片のヨーク部の周方向端面間に発生す
る上記空隙の大きさがばらつきやすくなり、コギングト
ルクが増大しやすくなる。また、このような磁性板は、
通常はプレス加工にて作製される。
基づくものであって、鉄の比重より小さい比重を有する
非磁性体からなるハウジングと、円弧状のヨーク部と前
記ヨーク部から径方向に延在するティース部とを備える
ステータ片を複数有し、同複数のステータ片を環状に配
置し、互いに隣り合う同ヨーク部の周方向端面同士が当
接するように構成された、前記ハウジング内に固定配置
された磁性体からなるステータと、前記ステータの各テ
ィース部に巻線されたコイルと、前記ティース部先端面
と対向しながら回転可能に前記ハウジング内に配置され
たロータとを備えた分割ステータ構造を有する回転電動
機において、前記各ステータ片は、所定の範囲内のばら
つきを有する板厚からなる複数の磁性板を前記ロータの
回転軸方向に積層することにより構成され、前記各磁性
板のヨーク部の周方向端面は、プレス加工を経て作製さ
れたシェア面を備えるとともに、前記各ステータ片ごと
のヨーク部の周方向端面を構成する同各磁性板の各シェ
ア面が、同一平面上に存在するように構成されており、
前記各磁性板のヨーク部の周方向端面における前記板厚
に対する前記シェア面の前記回転軸方向の長さの割合で
あるシェア面比率は、前記板厚の所定の範囲内のばらつ
きを考慮しても、周方向において互いに対向し合う前記
磁性板のヨーク部の周方向端面同士が全て互いのシェア
面同士にて当接するようになる値のうちの最小値を超え
る値に設定されることにある。
プレス加工にて切断された磁性板の端面(分離面)のう
ち、引張応力に基づく破断により切断された面(以下、
「破断面」と呼ぶ。)ではなく、プレスの歯(打ち抜き
面)が接触しながらプレスによるせん断力で切断された
面、及びこの面に対してシェービング加工等の追加工が
なされた面である(以下、本明細書において同じ。)。
(製品側)の端面(分離面)には、同ワークの板厚方向
において同加工開始側(打ち抜き開始側)に前記シェア
面が形成されるとともに、同ワークの板厚方向において
同加工終了側(打ち抜き終了側)に前記破断面が形成さ
れる。ここで、このシェア面は、破断面よりも、ワーク
の端面において同ワークの外側に形成される(詳細は後
述する。)。また、このシェア面の面精度は、前記破断
面の面精度より十分高くなる。
れば、各磁性板のヨーク部の周方向端面のシェア面比率
が前記最小値を超える大きい値に設定されており同端面
自体の面精度が向上するとともに、各ステータ片ごとの
ヨーク部の周方向端面を構成する各磁性板の各シェア面
は同一平面上に存在しており、各磁性板の板厚の所定の
範囲内のばらつきを考慮しても、周方向において互いに
対向し合う磁性板のヨーク部の周方向端面同士が全て、
面精度が高い互いのシェア面同士にて当接する。従っ
て、互いに隣り合う各ステータ片のヨーク部の周方向端
面間に発生する上記空隙の大きさがばらつきにくくな
り、簡易な構成にてコギングトルクが低減する。
ク部の周方向端面の面精度が向上する。その結果、互い
に隣り合うステータ片の相対位置精度が向上するので、
ロータの位置に対する各ステータ片のティース部先端の
位置の精度も向上する。従って、ロータ(ロータの外周
面に永久磁石が配置されているときは永久磁石)と各テ
ィース部先端とのエアギャップのばらつきが小さくなる
ので、これによっても、コギングトルクが低減する。
減するために、回転電動機全体としての質量のうちの大
きな割合を占めることが多いハウジングを鉄(磁性体)
製とする必要がない。従って、上記本発明の第2の特徴
を採用した回転電動機では、ハウジングが、鉄の比重よ
り小さい比重を有する非磁性体(アルミ材、樹脂等)か
ら構成されており、この結果、ハウジングを鉄で構成す
る場合よりも、回転電動機全体として軽量化が図られ
る。
ェア面比率の上記最小値の算定方法の詳細については後
述する。また、上記シェア面比率を上記最小値を超える
値にするには、例えば、プレス加工後にシェア面に所謂
シェービング加工を追加する、あるいは所謂ファインブ
ランキングによりプレス加工を実施すればよい。
ら、本発明の各実施形態について詳細に説明する。 (第1実施形態)まず、図1を参照しながら、本発明の
第1実施形態に係る分割ステータ構造を有するブラシレ
スモータ100の概略構成について説明する。このブラ
シレスモータ100の概略構成は、上述した図9に示し
た従来技術に係るブラシレスモータ300の概略構成に
おいて、円筒状のアルミ製のハウジングの円筒内周面と
ステータの円筒外周面との間に円筒状の鉄製スリーブ
(磁束通路形成部材)120を挿入したものである。
は、円筒状のアルミ製のハウジング110と、同ハウジ
ング110の円筒内周面に同ハウジング110と同軸的
に固定配置された円筒状の鉄製スリーブ120と、同鉄
製スリーブ120の円筒内周面に同鉄製スリーブ120
と同軸的に固定配置された磁性体からなる環状のステー
タ130と、前記ハウジング110に同軸的かつ相対回
転可能に軸支されたシャフト140と、同シャフト14
0の外周に同シャフト140と一体回転可能に同軸的に
配置された円筒状のロータ150と、同ロータ150の
外周面上において周方向に同一角度(30°)ごとにN
極とS極が交互に配置された永久磁石160とを備えて
いる。
ング110に対して、焼き嵌めにより固定されている。
なお、鉄製スリーブ120は、ハウジング110に対し
て、圧入、接着、鋳込み等により固定されてもよい。
された複数(12個)のステータ片132を環状に配置
した構造(分割ステータ構造)からなっている。このス
テータ片132は、円弧状のヨーク部132aと、同ヨ
ーク部132aから径方向内側に延在するティース部1
32bとを備えており、互いに隣り合う同ヨーク部13
2aの周方向端面同士は、径方向において互いに当接す
るように構成されている(図中Z部参照)。この結果、
ステータ130は、各ステータ片132のヨーク部13
2aの外周面が周方向に接続されて形成される円筒外周
面を備えている。
0に対して、焼き嵌めにより固定されており、鉄製スリ
ーブ120の円筒内周面は、ステータ130の円筒外周
面に密着している。なお、このステータ片132は、複
数の磁性板を軸方向(シャフト140の回転軸方向)に
積層することにより構成されていてもよい。
bにはそれぞれコイル170が巻線されており、コイル
170は、図示しない駆動回路に接続されている。ま
た、各ティース部132bの先端面は、周方向に同一角
度(30°)ごとに放射状に配置されているとともに、
所定のエアギャップを介して永久磁石160のそれぞれ
と対向するように配置されている。
100は、前記駆動回路より各コイル170を所定の順
序にて通電して回転磁界を作ることにより、同回転磁界
に連動して永久磁石160が回転駆動力を受け、これに
より、ロータ150、ひいてはシャフト140が回転駆
動されるようになっている。なお、ブラシレスモータの
具体的な作動については周知であるので、ここではその
詳細な説明を省略する。
モータ100の隣り合うティース部132b間に形成さ
れる磁束(通路)について、コイル170が通電されて
いない場合とコイル170が通電されている場合とに分
けて説明する。
コイル170が通電されていないときは、ステータ片1
32を通る磁束は、永久磁石160から発生する磁束の
みである。ロータ150とステータ130とが図1に示
したような位置関係にあるとき、隣り合うティース部1
32b間に形成される磁束通路は、図1の矢印にて模式
的に示すように、永久磁石160のN極から、互いに隣
り合うステータ片132のうちの一方(図1において左
側)のティース部132bを通り、そのヨーク部132
aを通った後、他方(図1において右側)のステータ片
132のヨーク部132aを通り、そのティース部13
2bを通った後、永久磁石160のS極へ戻るように形
成される。
に形成される磁束通路は、図1のヨーク部132a近傍
を拡大した図である図2に示すように、ヨーク部132
aの周方向端面同士の当接面を通るように形成される
(矢印A参照)のみならず、同当接面を迂回するよう
に、鉄製スリーブ120の円筒内周面とステータ片13
2のヨーク部132aの外周面との当接面を介して鉄製
スリーブ120内にも形成される(矢印B参照)。
2a間に形成される磁束通路の面積が、鉄製スリーブ1
20内に迂回する磁束通路の面積分だけ広くなる。従っ
て、互いに隣り合うヨーク部132a間の磁気抵抗値に
対する空隙の大きさの影響を小さくすることができるの
で、互いに隣り合う各ヨーク部132aの周方向端面間
に発生する空隙の大きさのばらつきに対する互いに隣り
合う各ティース部132b間の磁気抵抗値のばらつきが
小さくなり、その結果、コギングトルクが低減する。
イル170が通電されると、前述したコイル170が通
電されていない場合に比してステータ片132を通る磁
束が増大するものの、互いに隣り合うヨーク部132a
間に形成される磁束通路は、コイル170が通電されて
いない場合と同様、ヨーク部132aの周方向端面同士
の当接面を通るように形成される(図2の矢印A参照)
のみならず同当接面を迂回するように鉄製スリーブ12
0内にも形成される(図2の矢印B参照)。
士の当接面を通る磁束の最大値は、前記鉄製スリーブ1
20内を通る磁束の分だけ、同鉄製スリーブ120を配
置しない場合より小さくなる。これにより、ステータ片
132のヨーク部132aのヨーク幅(図1中のL)を
狭く設計することが可能となる。また、このようにヨー
ク幅を狭く設計することができるので、鉄製スリーブ1
20を挿入したことによるモータの外径の増大量が小さ
くなる。
おいて鉄製スリーブ120を配置したことによるコギン
グトルクの低減効果について、図3に示したコンピュー
タシミュレーション(FEM解析)結果の一例を参照し
ながら説明する。
幅Lが3mmであり鉄製スリーブ120を配置しない場合
を基本形状とし、この基本形状の場合と、基本形状から
ヨーク幅Lを1mmづつ3mmまで広げた場合と、基本形状
からヨーク幅Lを1mm狭くし厚さtが1mmの鉄製スリー
ブを配置した場合のそれぞれにおけるコギングトルクを
演算した結果を示している。なお、この演算結果は、互
いに隣り合う各ステータ片132のヨーク部132aの
周方向端面間に発生する空隙の大きさのばらつきを一定
値(空隙の大きさの最大値と最小値との差が一定)と
し、鉄製スリーブ120の円筒内周面と各ステータ片1
32のヨーク部132aの外周面との間に発生する空隙
の大きさのばらつきはないものとしたときのものであ
る。
リーブ120を配置しない場合は、ヨーク幅Lを基本形
状から広げていっても、コギングトルクの低減効果は小
さい。一方、厚さtが1mmの鉄製スリーブ120を配置
した場合には、ヨーク幅Lを基本形状から1mm狭くして
も、コギングトルクの低減効果は非常に大きい。
幅Lと鉄製スリーブ120の厚さtとの組み合わせ、及
び互いに隣り合う各ステータ片132のヨーク部132
aの周方向端面間に発生する空隙の大きさのばらつき
(ステータ片間空隙ばらつき)を変更した場合のそれぞ
れにおいて、鉄製スリーブ120の円筒内周面と各ステ
ータ片132のヨーク部132aの外周面との間に発生
する空隙の大きさのばらつき(スリーブ×ステータ片空
隙ばらつき)をゼロから所定値X0まで変化させたとき
のコギングトルクの演算結果の推移を示している。
を基本形状から2mm狭くして1mmとし、厚さtが2mmの
鉄製スリーブ120を配置するとともに、ヨーク部13
2aの周方向端面間に発生する空隙の大きさのばらつき
を上記一定値(ステータ片間空隙ばらつきあり)とした
場合の演算結果を示しており、線Bは、ヨーク幅Lを基
本形状から1mm狭くして2mmとし、厚さtが1mmの鉄製
スリーブ120を配置するとともに、ヨーク部132a
の周方向端面間に発生する空隙の大きさのばらつきを上
記一定値(ステータ片間空隙ばらつきあり)とした場合
の演算結果を示しており、線Cは、ヨーク幅Lを基本形
状から2mm狭くして1mmとし、厚さtが2mmの鉄製スリ
ーブ120を配置するとともに、ヨーク部132aの周
方向端面間に発生する空隙の大きさのばらつきをゼロ
(ステータ片間空隙ばらつき無し)とした場合の演算結
果を示しており、線Dは、ヨーク幅Lを基本形状から1
mm狭くして2mmとし、厚さtが1mmの鉄製スリーブ12
0を配置するとともに、ヨーク部132aの周方向端面
間に発生する空隙の大きさのばらつきをゼロ(ステータ
片間空隙ばらつき無し)とした場合の演算結果を示して
いる。
Dは全て、ヨーク幅Lと鉄製スリーブ120の厚さtと
の合計が3mmに固定された場合の演算結果を示してい
る。なお、ここにおいて鉄スリーブ120とヨーク部1
32aとの間に発生する空隙を考慮するのは、焼き嵌め
条件の不均一性、ステータ片132の外周面及び鉄製ス
リーブ120の円筒内周面の形状精度等により、実際に
は、両者間に空隙が発生する場合が考えられるからであ
る。
隣り合う各ヨーク部132aの周方向端面間に発生する
空隙の大きさのばらつきがないとき(線C,D)より同
空隙の大きさのばらつきが上記一定値のとき(線A,
B)の方がコギングトルクが増大する傾向がある。この
結果は、予想された結果と一致する。また、上記鉄スリ
ーブ120と各ヨーク部132aとの間の空隙の大きさ
のばらつきが増大すればするほど(図3(b)において
右側へ推移するほど)、コギングトルクが増大する傾向
がある。この結果も、予想された結果と一致する。
できるように、互いに隣り合う各ヨーク部132aの周
方向端面間の空隙の大きさのばらつきを上記一定値とし
た場合においては、鉄製スリーブ120を配置せずにヨ
ーク幅Lを上記基本形状から3mm広くしたとき(基本形
状からのモータ外径の増大量が6mm)にはコギングトル
クは約26mNmまでしか低減されない(図3(a)参
照)のに対し、ヨーク幅Lを上記基本形状から1mm狭く
して2mmとし厚さtが1mmの鉄製スリーブ120を配置
したとき(基本形状からのモータ外径の増大量がゼロ)
には、上記鉄製スリーブ120と各ヨーク部132aと
の間の空隙の大きさのばらつきを上記所定値X0まで考
慮しても、コギングトルクは約18mNmまで低減され
る(図3(b)の線B参照)。従って、この場合、厚さ
tが1mmの鉄製スリーブ120を配置すれば、モータ外
径を上記基本形状から増大させることなしに、コギング
トルクを大幅に低減することができる。
れば、互いに隣り合うヨーク部132a間に形成される
磁束通路は、同ヨーク部132aの周方向端面同士の当
接面を通るように形成されるのみならず、同当接面を迂
回するように、鉄製スリーブ120の円筒内周面とステ
ータ片132のヨーク部132aの外周面との当接面を
介して鉄製スリーブ120内にも形成される。従って、
互いに隣り合う各ヨーク部132aの周方向端面間に発
生する空隙の大きさのばらつきに対する互いに隣り合う
各ティース部132b間の磁気抵抗値のばらつきが小さ
くなり、その結果、コギングトルクが低減させることが
できた。
減するために、ブラシレスモータ100全体としての質
量のうちの大きな割合を占めることが多いハウジング1
10を鉄(磁性体)製とする必要がないので、ハウジン
グ110を、鉄の比重より小さい比重を有するアルミ材
から構成することができた。この結果、ハウジング11
0を鉄で構成する場合よりも、ブラシレスモータ100
全体として軽量化が図られた。
易な形状である円筒状を呈しているので、同鉄製スリー
ブ120自体の製造コストを抑えることができ、ひいて
はブラシレスモータ100全体としての製造コストを安
価とすることができた。
とにより、ヨーク部132aの周方向端面同士の当接面
を通る磁束の最大値は、鉄製スリーブ120内を通る磁
束の分だけ、同鉄製スリーブ120を配置しない場合よ
り小さくなる。これにより、ステータ片132のヨーク
部132aのヨーク幅(図1中のL)を狭く設計するこ
とが可能となった。また、このようにヨーク幅を狭く設
計することができるので、鉄製スリーブ120を挿入し
たことによるブラシレスモータ100の外径の増大量が
小さくなった(図3に示したように、鉄製スリーブ12
0の厚さtだけヨーク幅Lを狭くすれば、モータ外径の
増大量はゼロになる)。
ング110がアルミ材にて構成されているが、これに限
ることはなく、鉄の比重より小さい比重を有する他の非
磁性体(例えば、樹脂)によりハウジング110が構成
されていてもよい。また、本第1実施形態においては、
磁束通路形成部材として円筒状の鉄製スリーブ120が
採用されているが、これに限ることはなく、磁束通路形
成部材は、鉄以外の磁性体から構成されていてもよい
し、円筒状以外の形状のものであってもよい。
ら、本発明の第2実施形態に係る分割ステータ構造を有
するブラシレスモータ200の概略構成について説明す
る。このブラシレスモータ200の概略構成は、上述し
た図9に示した従来技術に係るブラシレスモータ300
の概略構成に対して、ステータ片が複数の磁性板を軸方
向に積層することにより構成されたものである点を除
き、同一である。
ルミ製のハウジング210と、環状のステータ220
(円弧状のヨーク部222a及び同ヨーク部222aか
ら径方ク内側に延在するティース部222bとを備える
複数のステータ片222を環状に配置した構造を有す
る)と、シャフト230と、ロータ240と、永久磁石
250と、コイル260とを備えており、このうち、ハ
ウジング210、シャフト230、ロータ240、永久
磁石250、及びコイル260は、図9に示した従来技
術に係るブラシレスモータ300と実質的に同一の構成
を備えている。従って、ここではこのブラシレスモータ
200の作動、及び互いに隣り合うティース部222b
間に形成される磁束(通路)等の説明は省略する。以
下、ステータ片222について詳述する。
方向外側の白矢印方向から見た図5に示すように、所定
の範囲内のばらつきを有する板厚からなる略同一形状の
複数の磁性板224を軸方向(シャフト230の回転軸
方向)に積層することにより構成されており、この複数
の磁性板224は、溶接等により互いに機械的に連結さ
れている。
製されており、上述したように、同プレス加工により切
断された磁性板224の端面には、板厚方向において打
ち抜き開始側にシェア面が形成されるとともに、打ち抜
き終了側には破断面が形成される。以下、プレス加工に
おいて、このようなシェア面と破断面とが形成される過
程を図6を参照しながら説明する。
れる過程を示した模式図であり、図6(a)はワークを
打ち抜く前の状態を、図6(b)はワークを打ち抜いて
いる途中の状態を、図6(c)は、ワークを打ち抜き完
了した後の状態を示している。図6(a)に示すよう
に、ダイスの打ち抜き面とプレスの打ち抜き面との間に
は、クリアランスRが形成されている。
置されたワークに向けてプレスが下降し、プレスの先端
面がワークの上面に当接すると、プレスの打ち抜き面
は、ワークの加工を開始し、まず、プレスの先端面がワ
ークの上面から所定量sだけ下降する(図6(b)参
照)までは、プレスの打ち抜き面は、ワークを切断せず
に同ワークを下方に向けて塑性変形させる。
の先端面が、その位置(ワークの上面から所定量sだけ
下降した位置)からさらに所定量pだけ下降するまで
は、プレスの打ち抜き面は、ワークの端面(分離面)P
と接触しながら、同ワークの端面をプレスによるせん断
力で切断する。この端面Pがシェア面である。従って、
図6(b)において、(シェア面厚さp)/(ワークの
板厚h)がシェア面比率となる。
のうちシェア面Pより下側の面Qには、クリアランスR
の存在に起因して引張応力が作用し、この面Qは、同引
張応力に基づく破断により切断される。この面Qが破断
面である。そして、この状態からさらにプレスが下降す
ると、図6(c)に示すように、ワークの打ち抜きが終
了する。
に応じて、図示のようにプレスの下降方向に対してなな
めに形成される。従って、シェア面Pは、破断面Qより
も、ワーク(製品側)の端面(分離面)において同ワー
ク(製品側)の外側に形成される。また、シェア面Pの
面精度は、破断面Qの面精度より十分高くなる。
は、例えば、プレス加工後のシェア面Pに所謂シェービ
ング加工を追加する方法、所謂ファインブランキングに
より上記クリアランスRを小さくした状態でプレス加工
を行う方法等がある。なお、シェービング加工及びファ
インブランキングについては周知であるので、ここでは
それらの詳細な説明を省略する。
ーク部の周方向端面同士が対向する部分近傍の拡大図で
あり、図7(a)は、上述したプレス加工を経て作製さ
れた磁性板224の同端面のシェア面比率が約30パー
セントの場合を、図7(b)は、同シェア面比率が約7
0パーセントの場合を示している。また、各磁性板22
4の板厚には所定の範囲内のばらつきが存在することに
より、各磁性板224の前記端面は、図7に示したよう
に、軸方向において互いにずれた状態で対向し合ってい
る。
面のシェア面比率が小さい(例えば約30パーセント。
通常のプレス加工ではこの程度の値となる。)と、シェ
ア面Pの領域の全てが破断面Qと対向する場合が生じ、
このとき、この対向面には比較的大きな空隙が発生す
る。このような場合、互いに隣り合う各ステータ片22
2のヨーク部222aの周方向端面間に発生する上記空
隙の大きさがばらつきやすくなり、コギングトルクが増
大しやすくなる。
前記端面のシェア面比率が大きい(例えば約70パーセ
ント)と、各磁性板224の板厚の上記所定の範囲内の
ばらつきを考慮しても、互いに対向し合う磁性板224
のヨーク部の周方向端面同士が全て互いのシェア面P同
士にて当接するようになり、上記空隙量も小さくなる。
この場合は、前述した空隙の大きさがばらつきにくくな
り、コギングトルクが低減する。
各ステータ片222ごとのヨーク部222aの周方向端
面を構成する各磁性板224の各シェア面が、同一平面
上に存在するように製造工程において管理された上で積
層されている。また、各磁性板224の板厚の所定の範
囲内のばらつきを考慮しても互いに対向し合う磁性板2
24のヨーク部の周方向端面同士が全て互いのシェア面
P同士にて当接するように(図7(b)の状態)構成す
るため、上記したシェア面比率を向上させる手法が採用
され、各磁性板224のヨーク部の周方向端面における
シェア面比率は所定の最小値を超える値となっている。
以下、図8を参照しながら、シェア面比率の下限を決定
する前記所定の最小値の算出方法について説明する。
解を容易にするための図である。図8(a)は、各磁性
板224が、そのシェア面Pが積層方向において必ず一
方向側に配置されるように積層される場合の図であり、
図8(b)は、各磁性板224が、そのシェア面Pが積
層方向において両方向側に配置されることがありえる場
合の図である。なお、図8においては、説明の便宜上、
図6に示した塑性変形量sはないものとしている。
向側に配置される場合(図8(a)))磁性板224
(M)と磁性板224(m)に着目しながら説明する。
磁性板224(M)の板厚は、所定の範囲内のばらつき
を考慮した上での最大値Xであり、磁性板224(m)
の板厚は、所定の範囲内のばらつきを考慮した上での最
小値(X−L)である。従って、磁性板224の板厚の
ばらつきはLである。
で一定であるとする。従って、磁性板224(m)のシ
ェア面Pの軸方向長さは、 (X−L)・x であり、磁
性板224(M)の破断面Qの軸方向長さは、X・(1
−x) である。ここで、(X−L)・x = X・(1
−x) が成立するときのxより各磁性板224のシェ
ア面比率が小さいと、磁性板224(m)のシェア面P
の領域の全てが磁性板224(M)の破断面Qと対向す
る場合が生じ得る。一方、上記等式が成立するときのx
より各磁性板224のシェア面比率が大きいと、磁性板
224(m)のシェア面Pの少なくとも一部は、必ず対
向する磁性板224のシェア面Pと対向することにな
る。
が、上記等式が成立するときのx =X/(2X−L)
を超える値となるとき、各磁性板224の板厚の所定の
範囲内のばらつきLを考慮しても互いに対向し合う磁性
板224のヨーク部の周方向端面同士が全て互いのシェ
ア面P同士にて当接するようになる。よって、シェア面
Pが積層方向において必ず一方向側に配置される場合
は、x = X/(2X−L)が上記所定の最小値とな
る。この場合、磁性板224の最大板厚X = 0.5m
m,ばらつきL = 0.01mmを一例として挙げると、
所定の最小値は、50.51パーセントとなる。
に配置されることがありえる場合(図8(b)))シェ
ア面Pが積層方向(軸方向)において互いに逆側に配置
された互いに隣り合う2枚の磁性板224(M)と磁性
板224(m)に着目しながら説明する。図8(a)と
同様、この2枚の磁性板224(M)の板厚は、所定の
範囲内のばらつきを考慮した上での最大値Xであり、磁
性板224(m)の板厚は、所定の範囲内のばらつきを
考慮した上での最小値(X−L)である。従って、磁性
板224の板厚のばらつきはLである。
で一定であるとする。従って、磁性板224(m)のシ
ェア面Pの軸方向長さは、 (X−L)・x であり、前
記2枚の磁性板224(M)により形成される軸方向に
連続した破断面Qの軸方向長さは、2X・(1−x)
である。ここで、(X−L)・x = 2X・(1−x)
が成立するときのxより各磁性板224のシェア面比
率が小さいと、磁性板224(m)のシェア面Pの領域
の全てが前記連続した破断面Qと対向する場合が生じ得
る。一方、上記等式が成立するときのxより各磁性板2
24のシェア面比率が大きいと、磁性板224(m)の
シェア面Pの少なくとも一部は、必ず対向する磁性板2
24のシェア面Pと対向することになる。
が、上記等式が成立するときのx =2X/(3X−
L) を超える値となるとき、各磁性板224の板厚の
所定の範囲内のばらつきLを考慮しても互いに対向し合
う磁性板224のヨーク部の周方向端面同士が全て互い
のシェア面P同士にて当接するようになる。よって、シ
ェア面Pが積層方向において両方向側に配置されること
がありえる場合は、x =2X/(3X−L)が上記所
定の最小値となる。この場合、磁性板224の最大板厚
X = 0.5mm,ばらつきL = 0.01mmを一例とし
て挙げると、所定の最小値は、67.11パーセントと
なる。
れば、各磁性板224のヨーク部の周方向端面のシェア
面比率が上記所定の最小値を超える大きい値に設定され
ているので、同端面自体の面精度が向上するとともに、
各ステータ片222ごとのヨーク部222aの周方向端
面を構成する各磁性板224の各シェア面Pは同一平面
上に存在しており、各磁性板224の板厚の所定の範囲
内のばらつきLを考慮しても、周方向において互いに対
向し合う磁性板224のヨーク部の周方向端面同士が全
て、面精度が高い互いのシェア面P同士にて当接する。
従って、互いに隣り合う各ステータ片222のヨーク部
222aの周方向端面間に発生する上記空隙の大きさが
ばらつきにくくなり、簡易な構成にてコギングトルクが
低減する。
のヨーク部222aの周方向端面の面精度が向上する。
その結果、互いに隣り合うステータ片222の相対位置
精度が向上するので、ロータ240の位置に対する各ス
テータ片222のティース部222b先端の位置の精度
も向上する。従って、ロータ240の外周面に配置され
た永久磁石250と各ティース部222b先端とのエア
ギャップのばらつきが小さくなるので、これによって
も、コギングトルクが低減する。
より小さい比重を有するアルミ材から構成されており、
この結果、ハウジング210を鉄で構成する場合より
も、ブラシレスモータ200全体として軽量化が図られ
る。
形態について説明したが、本発明の実施形態は、これら
に限定されるものではなく、特許請求の範囲に含まれる
範囲内にて適宜変更されることができる。
形態における円筒状の鉄製スリーブ120が、ハウジン
グ210の円筒内周面とステータ220の円筒外周面と
の間に挿入されてもよい。これによれば、互いに隣り合
うヨーク部222a間に形成される磁束通路の面積が一
層広くなる。従って、互いに隣り合う各ティース部22
2b間の磁気抵抗値のばらつきが一層小さくなり、より
一層コギングトルクが低減する。
いて、環状のステータのティース部は、径方向外側に放
射状に延在するように構成されていてもよい。この場
合、各ステータ片は、環状のステータの円筒内周面を構
成するヨーク部と、同ヨーク部から径方向外側に延在す
るティース部から構成され、ロータ及び永久磁石は、ハ
ウジングの円筒内周面と環状のステータとの間の円筒状
の空間内に、シャフトと一体回転可能に同軸的に配置さ
れる。また、鉄製スリーブは、その円筒外周面がステー
タの円筒内周面に密着するように、ステータに対して焼
き嵌め等により固定される。
においては、回転電動機としてブラシレスモータが採用
されているが、これに限られることはなく、例えば、回
転電動機として、永久磁石を構成上有していない所謂S
Rモータ(スイッチト・リラクタンス・モータ)が採用
されてもよい。
造を有するブラシレスモータをシャフトの回転軸に直交
する平面で切断した部分断面の概略構成を示した図であ
る。
る。
を配置したことによるコギングトルクの低減効果を示す
ために行ったコンピュータシミュレーション(FEM解
析)の演算結果の一例を示した図である。
造を有するブラシレスモータをシャフトの回転軸に直交
する平面で切断した部分断面の概略構成を示した図であ
る。
印方向から見た図である。
示した模式図である。
面同士が対向する部分近傍の拡大図である。
ーク部の周方向端面のシェア面比率の下限を決定する所
定の最小値を算出する際の理解を容易にするための図で
ある。
シレスモータをシャフトの回転軸に直交する平面で切断
した部分断面の概略構成を示した図である。
ラシレスモータをシャフトの回転軸に直交する平面で切
断した部分断面の概略構成を示した図である。
白矢印方向から見た図である。
式的に示した図である。
130,220…ステータ、132,222…ステータ
片、132a,222a…ヨーク部、132b,222
b…ティース部、224…磁性板、150,240…ロ
ータ、160,250…永久磁石、170,260…コ
イル。
Claims (3)
- 【請求項1】 鉄の比重より小さい比重を有する非磁性
体からなるハウジングと、 円弧状のヨーク部と前記ヨーク部から径方向に延在する
ティース部とを備えるステータ片を複数有し、同複数の
ステータ片を環状に配置し、互いに隣り合う同ヨーク部
の周方向端面同士が当接するように構成された、前記ハ
ウジング内に固定配置された磁性体からなるステータ
と、 前記ステータの各ティース部に巻線されたコイルと、 前記ティース部先端面と対向しながら回転可能に前記ハ
ウジング内に配置されたロータとを備えた分割ステータ
構造を有する回転電動機であって、 互いに隣り合う前記ヨーク部同士を磁気的に接続する磁
束通路形成部材を備えた分割ステータ構造を有する回転
電動機。 - 【請求項2】 請求項1に記載された分割ステータ構造
を有する回転電動機において、 前記ハウジングは、円筒内周面を有し、 前記ステータは、前記各ステータ片の外周面を周方向に
接続することにより形成された円筒外周面を有し、 前記磁束通路形成部材は、前記ハウジングの円筒内周面
と前記ステータの円筒外周面との間に挿入された磁性体
からなる円筒状スリーブであって、同円筒状スリーブの
円筒内周面は、同ステータの円筒外周面に密着している
ことを特徴とする分割ステータ構造を有する回転電動
機。 - 【請求項3】 鉄の比重より小さい比重を有する非磁性
体からなるハウジングと、 円弧状のヨーク部と前記ヨーク部から径方向に延在する
ティース部とを備えるステータ片を複数有し、同複数の
ステータ片を環状に配置し、互いに隣り合う同ヨーク部
の周方向端面同士が当接するように構成された、前記ハ
ウジング内に固定配置された磁性体からなるステータ
と、 前記ステータの各ティース部に巻線されたコイルと、 前記ティース部先端面と対向しながら回転可能に前記ハ
ウジング内に配置されたロータとを備えた分割ステータ
構造を有する回転電動機において、 前記各ステータ片は、所定の範囲内のばらつきを有する
板厚からなる複数の磁性板を前記ロータの回転軸方向に
積層することにより構成され、 前記各磁性板のヨーク部の周方向端面は、プレス加工を
経て作製されたシェア面を備えるとともに、前記各ステ
ータ片ごとのヨーク部の周方向端面を構成する同各磁性
板の各シェア面が、同一平面上に存在するように構成さ
れており、 前記各磁性板のヨーク部の周方向端面における前記板厚
に対する前記シェア面の前記回転軸方向の長さの割合で
あるシェア面比率は、前記板厚の所定の範囲内のばらつ
きを考慮しても、周方向において互いに対向し合う前記
磁性板のヨーク部の周方向端面同士が全て互いのシェア
面同士にて当接するようになる値のうちの最小値を超え
る値に設定されたことを特徴とする分割ステータ構造を
有する回転電動機。
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