JP2003284218A - 回路構成体の防水構造 - Google Patents

回路構成体の防水構造

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JP2003284218A
JP2003284218A JP2002083245A JP2002083245A JP2003284218A JP 2003284218 A JP2003284218 A JP 2003284218A JP 2002083245 A JP2002083245 A JP 2002083245A JP 2002083245 A JP2002083245 A JP 2002083245A JP 2003284218 A JP2003284218 A JP 2003284218A
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waterproof
hole
housing
connector
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JP2002083245A
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Taketo Kobayashi
健人 小林
Takahiro Onizuka
孝浩 鬼塚
Motomu Imaizumi
求 今泉
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Toyota Motor Corp
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コネクタ部に水が浸入した際の防水性を高
め、成形押えの抜き孔からの水浸入を防止するコネクタ
構造を提供するとともに、成形押えの抜き孔を利用した
上記構造の効率的な製造方法を提供する。 【解決手段】 樹脂モールドされたハウジング2と、防
水空間形成部24と、コネクタ部3と、防水空間25内に
設けられた内部回路16と、ハウジング2にインサート
成形されたバスバー6とを有し、ハウジング2にはハウ
ジング2を貫通する貫通孔10が設けられ、貫通孔10
はバスバーの途中部分7を全周に亘り開放する形状を有
するとともに防水用接着剤11で充塞されており、防水
用接着剤11はバスバー開放部9の全周に密着して塗布
されているようにする。その製造方法として、モールド
工程における成形押えの形状が、その抜き孔がバスバー
途中部分7を全周に亘って開放する貫通孔10となるよ
うに設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用パワーディ
ストリビュータ等に用いられる回路構成体において、そ
の内部回路への水浸入を防止する防水構造及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車での配電等に用いられる回
路構成体として、樹脂モールドされたハウジングと、外
部から防水された防水空間を形成する防水空間形成部
と、相手コネクタとの接合部であり、上記防水空間外に設
けられたコネクタ部と、上記防水空間内に設けられた電
気回路である内部回路とを有するものが知られている。
例えば特開2001−268785号公報には車両に搭
載された電源から供給される電力を複数の車載負荷に分
配する車両用パワーディストリビュータが開示されてい
る。
【0003】上記回路構成体の製造には、上記バスバー
を表裏両面から成形押えで挟みながら、その周囲に上記
コネクタ部及び上記防水空間形成部を持つハウジングを
モールドするモールド工程と、上記防水空間内に上記内
部回路を形成する内部回路形成工程とを含むのが一般的
である。従来技術では、上記成形押えとして、その直径が
上記バスバーの板幅にも満たない程度の、比較的小さな
型(モールドピン)が用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような回路構成
体においては、バスバーはハウジング内に埋め込まれる
ため、バスバーとハウジングとは略密着しているが、樹
脂の硬化収縮等の影響で僅かな隙間(以下微小隙間とい
う)が出来る場合がある。従来技術では、防水されてい
ない非防水空間でバスバーに水が付着した場合、微小隙
間に沿って、即ちバスバー表面を伝って水が浸入して防
水空間内の内部回路にまで達し、絶縁を保つべき回路の
ショートを招く虞があるという問題があった。
【0005】微小隙間からの水の浸入口は、バスバーと
ハウジングとの境界部が非防水空間に露出している箇所
で、例えばコネクタ部に露出するバスバーの端部(以下
タブ端子という)とハウジングとの境界部や、上記成形
押えの抜き孔(以下バスバー露出孔という)におけるバ
スバーとハウジングとの境界部などがある。これら露出
しているバスバーとハウジングとの境界部を全て防水用
接着剤等で塞げば、たとえ微小隙間が発生していてもバ
スバー表面を伝わる水浸入を防止することは出来る。し
かし通常上記境界部は狭い場所に多数あり、これら全て
に防水用接着剤を塗布するのは非常に困難であった。従
って、簡単な構造及び簡単な製造方法で微小隙間から内
部回路への水浸入を防止すること、或いは水が浸入して
も内部回路のある防水空間にまで達しないようにするこ
とが大きな課題であった。
【0006】本発明は、かかる事情に鑑み、たとえ上記
境界部の微小隙間から水が浸入し、防水空間側に進行し
ても、途中経路を遮断して防水空間への水浸入を防止し
得る簡単な構造を提供することを目的とする。また同時
に、その構造を簡単、低コストで製造する効率的な製造
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、回路
構成体の防水構造であって、樹脂モールドされたハウジ
ングと、外部から防水された防水空間の一部を形成し、
上記ハウジングの一部に設けられた防水空間形成部と、
相手コネクタとの接合部であり、上記ハウジングの一部
に設けられたコネクタ部と、上記防水空間内に設けられ
た電気回路である内部回路と、上記ハウジングにインサ
ート成形されたバスバーとを有し、上記バスバーの一端
は上記コネクタ部へ露出し、上記バスバーの他端は上記
防水空間内に露出して上記内部回路の一部となし、上記
防水空間形成部と上記コネクタ部とは離れた位置に設け
られ、上記ハウジングには該ハウジングを貫通する貫通
孔が設けられ、上記貫通孔は上記バスバーの途中部分を
全周に亘り開放する形状を有するとともに防水用接着剤
で充塞されており、上記防水用接着剤は上記バスバーの
全周に密着して塗布されていることを特徴とする。
【0008】この発明によれば、バスバーの表面は、防
水用接着剤塗布箇所の前後で連続性が遮断される。従っ
て、たとえバスバーとハウジングとの間に微小隙間が発
生し、その微小隙間が非防水空間側から防水空間側へ伸
びていたとしても、その経路は必ず防水用接着剤塗布箇
所で遮断される。そのため、この微小隙間に浸入した水
は、バスバー表面を伝って防水空間内に浸入することは
無く、内部回路にショート等の悪影響を及ぼすことが無
い。更に、貫通孔は防水用接着剤で充塞されているの
で、この貫通孔から水が浸入することもない。
【0009】請求項2の発明は、請求項1のコネクタ端
子部の防水構造において、上記バスバー端部(タブ端
子)を囲んで相手コネクタと嵌合する形状の包囲部が形
成され、上記貫通孔は、上記包囲部の外側に設けられて
いることを特徴とする。
【0010】この発明によれば、包囲部の内側に貫通孔
を設ける必要がない。防水用接着剤をバスバーの開放部
の全周に密着するように塗布するには、その塗布範囲は
バスバーの幅(通電方向に垂直な方向を幅方向とする)
よりも大きくなければならない。このため、貫通孔の幅
はバスバー全幅より大きくする必要がある。貫通孔を包
囲部の内側に設けると、それを包含するために包囲部を
大きくする必要がある。これに対して貫通孔を包囲部の
外側に設ければ、包囲部を大きくする必要がなく、回路
構成体の大型化及び包囲部に嵌合する相手コネクタの大
型化を防止することが出来る。
【0011】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の回路構成体の防水構造において、上記バスバーの途中
部分を上記防水空間外に露出させる露出孔が単数または
複数存在し、上記貫通孔は上記露出孔よりも上記防水空
間側に設けられていることを特徴とする。
【0012】この発明によれば、貫通孔よりも防水空間
側には、バスバーの途中部分を防水空間外に露出させる
露出孔(例えば従来技術におけるモールドピンの抜き孔
など)が存在しない。このため、たとえ露出孔による微
小隙間から水が浸入し、バスバー表面を伝って防水空間
側に向かったとしても、その経路中には必ず貫通孔があ
るので、防水用接着剤に遮断され、防水空間内に達する
ことはない。
【0013】請求項4の発明は、請求項1乃至3のいず
れかに記載の回路構成体の防水構造において、上記バス
バーが複数本存在し、これらのバスバーの途中部分が共
通の上記貫通孔により開放され、この貫通孔に絶縁性を
有する防水用接着剤が充填されて、この防水用接着剤が
上記バスバー同士の間に介在していることを特徴とす
る。
【0014】この発明によれば、バスバー同士が近接し
ていても、水浸入の防止とバスバー相互の絶縁とを防水
用接着剤で確実に行うことが出来る。従って、例えば1
つの包囲部内に複数のバスバー(タブ端子)を設けた場
合には、それらのバスバーにかかる共通の貫通孔を設け
ることにより、バスバーの間隔を小さくすることが出
来、包囲部全体の大きさをコンパクトにすることが出来
る。また、包囲部毎の括りとは無関係に、近接するバス
バー毎の括りで貫通孔を共通化することも可能である。
この場合、バスバーの分布が密な箇所では貫通孔の共通
化により、一度の処理で貫通孔内全てのバスバーに防水
用接着剤を塗布することが出来、バスバーの分布が疎な
箇所では、別の貫通孔にすることにより、防水用接着剤
の消費量を削減することが可能となる。
【0015】請求項5の発明は、車両に搭載された電源
から供給される電力を複数の車載負荷に分配するための
車両用パワーディストリビュータであって、請求項1乃
至4のいずれかに記載の回路構成体の防水構造を有する
ことを特徴とする。
【0016】この発明によれば、上記パワーディストリ
ビュータの防水空間の防水性を向上させ、防水空間への
水浸入によるショート等の悪影響を防止することが可能
となる。
【0017】請求項6の発明は、請求項1乃至3のいず
れかに記載の回路構成体の防水構造を製造するための方
法であって、上記バスバーを表裏両面から成形押えで挟
みながら、その周囲に上記コネクタ部及び上記防水空間
形成部を持つハウジングをモールドするモールド工程
と、上記防水空間内に上記内部回路を形成する内部回路
形成工程とを含み、上記モールド工程では上記成形押え
の形状が、その抜き孔が上記バスバー途中部分を全周に
亘って開放する上記貫通孔となるように設定され、更に
上記モールド工程後に上記防水用接着材で上記貫通孔を
充塞しつつ、該防水用接着材を上記バスバーの途中部分
の全周に密着して塗布することを特徴とする。
【0018】この発明によれば、バスバーをインサート
成形するモールド工程においてコネクタ部や防水空間形
成部を持つハウジングが形成される。更に、内部回路形
成工程では防水空間内に内部回路が形成される。上記モ
ールド工程では、インサート成形時にバスバーの支持を
するための成形押えを抜いた跡に抜き孔が生じる。この
抜き孔を利用して上記貫通孔となすことにより、別途貫
通孔を成形するための型を設けることなく、貫通孔を簡
単に成形することが出来る。また、上記成形押えは、上
記バスバー途中部分を全周に亘って開放するように設け
られているので、上記成形押えを抜いた時には既にバス
バーの全周が開放されている。従って、別途貫通孔内の
バスバーを開放する工程を設けることなく、効率良く防
水用接着剤をバスバーに密着して塗布することが出来
る。
【0019】請求項7の発明は、請求項4記載の回路構
成体の防水構造を製造するための方法であって、請求項
6記載の回路構成体の防水構造の製造方法において、複
数の上記バスバーに対する上記成形押えが共通の型であ
り、上記防水用接着剤は絶縁性を有するものとすること
を特徴とする。
【0020】この発明によれば、共通の成形押えを設け
ることにより上記共通の貫通孔を成形することが出来
る。従って、個別の成形押えを設ける場合に比べて成形
押えの数を少なくすることが出来、モールディング工程
の効率が向上する。また、絶縁性を有する防水用接着剤
を用いることにより、別途手段を設けることなくバスバ
ー同士の絶縁を行うことが出来る。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図1〜図10
によって説明する。図1は、本発明の回路構成体の防水
構造を含む車両用パワーディストリビュータ(以下パワ
ーディストリビュータという)を示す一部切り欠き斜視
図である。パワーディストリビュータ1は、車両に搭載
された電源から供給される電力を複数の車載負荷に分配
するための電気接続箱で、半導体スイッチング素子を入
力端子と出力端子との間に介在させ、その通電のオンオ
フを制御回路基板15に組み込まれた制御回路によって
行うようにしたものである。パワーディストリビュータ
1の本体は、樹脂モールドされたハウジング2からな
り、ハウジング2は各構成要素の基台となる絶縁体であ
る。ハウジング2は、上から見て略矩形となる平板状を
なし、その矩形の外周に沿うようにコネクタ部3、3
b、3c、3eが配されている。コネクタ部3、3b、
3c、3eは、それぞれ図外の相手コネクタと接合する
ことにより、電力や制御信号の入出力を行う。
【0022】コネクタ部3、3b、3c、3eの配列の
内側には、当該内側領域を包囲する隔壁2aが形成され
ている。防水空間形成部24は、隔壁2aを側面とし、
隔壁2aに囲まれたハウジング2の基部を底面とする凹
状の部分であり、この防水空間形成部24の上部には蓋
19が載せられ、振動溶着により隔壁2aに接合されて
いる。防水空間形成部24と蓋19とにより囲まれた防
水空間25は、外部からの水浸入を防止する防水構造と
なっている。内部回路16は、防水空間25の内部に配
された電気回路である。
【0023】以下、コネクタ部の代表として図1の最奥
部に示すコネクタ部3と、コネクタ部3に関連するコネ
クタ部3c、3e、及び関連の内部回路について詳述す
る。図2はコネクタ部3、3c、3eと、それらに関連
する内部回路の部分平面図、図3は図2のP−P断面
図、図4は図2のQ−Q断面図である。
【0024】コネクタ部3は、タブ端子4と包囲部5か
らなる。タブ端子4は、車載負荷18(図6参照)に電
力を供給するための出力端子である。タブ端子4は、後
述のバスバー6の一部をなす金属板で、バスバー6の先
端を略90度上方へ折り曲げてハウジング2外へ突出さ
せたものである。包囲部5は、ハウジング2と一体の樹
脂成形部で、2本のタブ端子4を囲むようにハウジング
2から突出している。包囲部5の上面は開口し、図外の
相手コネクタに嵌合可能な形状を有している。
【0025】バスバー6は、ハウジング2のモールディ
ング時にインサート成形された金属板で、他のコネクタ
用のバスバー(6c、6e等)と略同一平面上に配され
ている。バスバー6の一端は、上記のようにタブ端子4
としてコネクタ部に露出しているが、他端は防水空間2
5の内部に露出し、バスバー内部端子8として内部回路
16の一部となっている。バスバー6の、タブ端子4と
バスバー内部端子8との間は、バスバー途中部分7とし
てハウジング2の内部に埋め込まれている。このように
してバスバー6は、非防水空間中のタブ端子4と、防水
空間25中の内部回路16とを電気的に導通可能として
いる。バスバー途中部分7と周囲の樹脂とは密着してい
るが、モールディング後の樹脂の凝固収縮等により、微
小隙間が出来ることもある。
【0026】コネクタ部3と隔壁2aの間には、所定の
間隔が設けられており、そこには貫通孔10が形成され
ている。貫通孔10は、ハウジング2を上下方向に貫通
する略矩形の孔であり、その長辺は、隔壁2aに沿った
方向に伸びている。貫通孔10により、バスバー途中部
分7の一部が全周に亘り開放されており、バスバー開放
部9となっている。更に貫通孔10は、防水用接着剤1
1で充塞されている。防水用接着剤11は、常温硬化型
のシリコーン接着剤または弾性に富むエポキシ系接着剤
で絶縁性を有し、ハウジング2及び2本のバスバー開放
部9にそれぞれ密着して塗布されている。
【0027】図4に示すように、バスバー開放部9の表
面には、防水用接着剤11が全周に亘り密着して塗布さ
れているで外気との接触はなく、貫通孔10から水が浸
入することはない。
【0028】図3に示すように、防水空間25内では、
バスバー内部端子8がハウジング2の外側に露出してい
るが、その露出部から絶縁隙間23を隔てた位置に、バ
スバー6cの内部回路部であるバスバー内部端子8cが
配されている。図2に示すように、バスバー6cは、バ
スバー6と略同一平面上にある複数のバスバーの一つで
ある。バスバー6cの、バスバー内部端子8cとは別の
一端は、略90度上方へ折り曲げられ、非防水空間であ
るハウジング2の外部に突出し、タブ端子4cとなって
いる。タブ端子4cとバスバー内部端子8cとの間は、
バスバー途中部分7cとなってハウジング2の内部に埋
め込まれている。コネクタ部3cは、タブ端子4cを含
むタブ端子群と包囲部5cとからなる。包囲部5cは、
ハウジング2と一体の樹脂成形部で、複数(図2には2
本のみ示す)のタブ端子4cを囲むようにハウジング2
から突出している。包囲部5cの上面は開口し、図外の
相手コネクタに嵌合可能な形状を有している。タブ端子
4cは、図外のコネクタと接合された状態では電源17
(図6参照)に導通している。
【0029】図3に示すように、絶縁隙間23付近のバ
スバー内部端子8c上には、半導体スイッチング素子1
2がバスバー内部端子8cと導通状態で設置されてい
る。半導体スイッチング素子12は、外部からの制御信
号を受けて、スイッチのオンオフ切換えを行う装置であ
る。半導体スイッチング素子12からは、通電端子13
が略水平方向に突出し、先端が下向きに折り曲げられて
バスバー内部端子8に接触している。従って、半導体ス
イッチング素子12がスイッチ切換えを行う一方の端子
はバスバー内部端子8c、もう一方の端子はバスバー内
部端子8である。
【0030】半導体スイッチング素子12からは、通電
端子13の他に制御端子14も略水平方向に突出し、先
端が上向きに折り曲げられて制御回路基板15に接続さ
れている。制御端子14からは、コネクタ部3から電力
を供給される車載負荷の操作信号(スイッチ信号など)
が入力される。
【0031】図2に示すように、コネクタ部3eは、タ
ブ端子4eを含むタブ端子群と包囲部5eからなる。タ
ブ端子4eは、コネクタ部3から電力を供給される車載
負荷18(図6参照)の操作信号(スイッチ信号など)
を受け取る入力端子である。タブ端子4eは、後述のバ
スバー6eの一部をなす金属板で、バスバー6eの先端
を略90度上方へ折り曲げて非防水空間のハウジング2
外へ突出させたものである。包囲部5eは、ハウジング
2と一体の樹脂成形部で、タブ端子4e他のタブ端子群
を囲むようにハウジング2から突出している。包囲部5
eの上面は開口し、図外の相手コネクタに嵌合可能な形
状を有している。
【0032】バスバー6eは、ハウジング2のモールデ
ィング時にインサート成形された金属板で、他のコネク
タ用の上記各バスバーと略同一平面上に配されている。
制御端子14eは、タブ端子4eから入力された車載負
荷18の操作信号を制御回路基板15へ伝達する端子で
ある。制御端子14eは、バスバー6eの一部をなす金
属板で、バスバー6eのタブ端子4eと反対側の先端を
略90度上方へ折り曲げてハウジング2外へ突出させた
ものである。タブ端子4eと制御端子14eとの間は、
バスバー途中部分7eとなってハウジング2の内部に埋
め込まれている。
【0033】図5は、パワーディストリビュータ1のバ
スバー6のみを抜き出して示す部分斜視図である。図5
では、ハウジング2に埋め込まれていない、部分を斜線
で示す。バスバー6は、その部位によってタブ端子4、
バスバー途中部分7、バスバー内部端子8とに分かれて
いる。また、バスバー途中部分7内には、貫通孔10に
よって開放されるバスバー開放部9があり、更にバスバ
ー途中部分7の表面は、バスバー開放部9によってタブ
端子側領域7aとバスバー内部端子側領域7bとに分断
されている。但し、これらは実際には別々のものではな
く、1枚の連続したバスバー6の部分であり、部位別に
呼称するため、便宜上幾何学的に分断しているものであ
る。
【0034】図5ではタブ端子側領域7a上の任意の点
Aと、バスバー内部端子側領域7b上の任意の点Bと、
バスバー途中部分7の表面上にあって点Aと点Bとを結
ぶ任意の曲線Rを想定している。バスバー開放部9は、
バスバー途中部分7を全周に亘って開放したものである
ため、曲線Rは、必ずバスバー開放部9の表面を通る構
造となっている。これは、タブ端子4側から水が浸入
し、バスバー6の表面を伝達してバスバー内部端子8に
至るためには、水は必ずバスバー開放部9の表面を経由
する必要があることを意味する。しかし、図4に示すよ
うに、バスバー開放部9の表面には全周に亘り防水用接
着剤11が密着して塗布されているので、水の進路は遮
断される。従って、バスバー6の表面上のいかなる経路
を通っても、水がタブ端子側領域7aからバスバー内部
端子側領域7bに浸入することはない構造となってい
る。
【0035】次に、上記構造の作用を述べる。
【0036】図6は、パワーディストリビュータ1の作
用を示すブロック図のうち、コネクタ部3に関連する上
記構造にかかる部分を抜粋したものである。
【0037】電源17より供給された電力は、コネクタ
部3cのタブ端子4cを介してパワーディストリビュー
タ1に入力される。この電力は更にバスバー途中部分7
cを介してバスバー内部端子8cへ伝達される。バスバ
ー内部端子8cとバスバー内部端子8とは絶縁隙間23
により絶縁されているので、直接電力の伝達はなく、半
導体スイッチング素子12のみを介して電力の伝達が可
能である。
【0038】半導体スイッチング素子12は、制御端子
14から入力される操作信号に応じ、スイッチのオンオ
フを切換える。即ち、車載負荷18のスイッチがオンに
切換わった旨の信号が制御端子14から入力されると、
バスバー内部端子8cと通電端子13とを導通状態に切
換え、バスバー内部端子8cの電力を通電端子13を介
してバスバー内部端子8に伝達する。その電力は、バス
バー途中部分7を介してコネクタ部3のタブ端子4から
パワーディストリビュータ1外に出力され、車載負荷1
8に供給される。
【0039】また、車載負荷18のスイッチがオフに切
換わった旨の信号が制御端子14から入力されると、バ
スバー内部端子8cと通電端子13とを非導通状態に切
換え、バスバー内部端子8cの電力はバスバー内部端子
8より下流に伝達されず、車載負荷18への電力供給が
停止する。
【0040】車載負荷18からのスイッチ切換え等の操
作信号は、コネクタ部3eのタブ端子4e、バスバー途
中部分7e及び制御端子14eを介して制御回路基板1
5に伝達される。この信号は、更に制御端子14を介し
て半導体スイッチング素子12に伝達される。
【0041】以上の作用において、絶縁隙間23の作用
は重要である。絶縁隙間23による絶縁が不完全である
と、半導体スイッチング素子12がオフであるにもかか
わらず、バスバー内部端子8cからバスバー内部端子8
に電流が流れてしまい、半導体スイッチング素子12が
オンであるかのような誤動作、所謂ショートが起こるか
らである。
【0042】絶縁隙間23の絶縁を不完全にする重大な
要因として、絶縁隙間23に付着する水滴の存在があ
る。内部回路16は、外部からの水浸入が防止された防
水空間25内に設けられている。しかし、バスバー6の
表面を伝って微小隙間から浸入してくる水があると防水
は不完全なものとなるため、この浸水を防止する必要が
ある。この防水作用として、上記貫通孔10及び防水用
接着剤11は重要な役割を果たしている。例えば、コネ
クタ部3が浸水し、包囲部5内に水が浸入した時、タブ
端子4と包囲部5との間の微小隙間に水が浸入する可能
性がある。ここで微小隙間がバスバー内部端子8方向に
伸びていれば、水は図5に示すタブ端子側領域7aを経
由してバスバー開放部9に達する。しかし、上述のよう
にバスバー開放部9では防水用接着剤11によって水の
経路を遮断しているので、この水がバスバー内部端子側
領域7bに達することは無く、バスバー内部端子8は防
水される。その結果、絶縁隙間23による絶縁作用が保
持され上記ショートの発生が防止される。
【0043】次に、パワーディストリビュータ1の製造
方法について述べる。パワーディストリビュータ1は、
次の工程を含む方法により、効率よく製造することが可
能となっている。
【0044】1)打ち抜き工程 金属板を所定形状に打ち抜くことにより、バスバー6
(6c、6e他のバスバーも含む)を製造する。各バス
バーは、独立したものであっても、1枚の金属板から複
数のバスバーを連結した状態で打ち抜いても良い。後者
の場合には、連結したバスバーを切り離すために別途切
断工程が必要である。また、バスバー6を所定形状に折
り曲げる必要があるが、打ち抜きと同時に行っても、別
途曲げ工程を設けて行っても良い。
【0045】2)モールド工程 金型を開き、打ち抜かれたバスバー6をキャビティ内の
所定箇所にインサートする。バスバー6のハウジング2
に埋め込まれる箇所は宙に浮くため、周囲を仮押えして
おく。
【0046】次に金型を閉じるとともに、成形押えによ
りバスバー6を挟持して所定位置に固定する。本実施形
態の金型図を図7および図8に示す。図7は、図2のQ
−Q断面における金型断面図、図8は、同P−P断面に
おける貫通孔10周辺の金型断面図である。なお、部品
構成に相当する箇所は括弧書きにて符号を記す。型30
aは、ハウジング2の上面を形成するための金型であ
る。型30bは、ハウジング2の下面を形成するための
金型である。型30a、30bともに、貫通孔10の箇
所には貫通孔10と同形状の矩形断面孔が設けられてい
る。その孔には、貫通孔10と同形の矩形断面を有する
金型である成形押え32a、32bが挿入されている。
成形押え32a、32bは、バスバー開放部9を挟持す
るとともに貫通孔10を形成するための金型である。成
形押え32aの、成形押え32bとの合わせ面には、バ
スバー開放部9を隙間なく収納可能な成形押え凹部34
が設けられている。成形押え32a、32bは、隣接す
る2本のバスバー6に共通の成形押えであり、各バスバ
ーによるバスバー開放部9の間隙は成形押え32aで占
められている。また、成形押え32a、32bは包囲部
5の外側となる位置に設けられている。
【0047】以上のような型構成により、バスバー6は
成形押え32a、32bに挟持される箇所では成形押え
凹部34に嵌り込んだ状態で全周を支持、固定される。
一方、成形押え32a、32bに挟持されない箇所では
キャビティ31内で宙に浮いた状態で固定される。
【0048】これに対比して、従来構造の成形押えの実
施形態を図9及び図10に示す。図9は、コネクタ部3
に相当する従来構造のコネクタ部53まわりの部分平面
図であり、タブ端子54、包囲部55、バスバー56及
びバスバー途中部分57が、それぞれ本発明の実施形態
にかかるタブ端子4、包囲部5、バスバー6及びバスバ
ー途中部分7に相当する。また、バスバー露出孔70は
ハウジング2を貫通してバスバー途中部分57の一部を
露出させる孔であり、従来構造における成形押え(モー
ルドピン)の抜き跡である。バスバー露出孔70の直径
はバスバー56の板幅よりも小さく、バスバー毎に設け
られているため数も多い。そのため、バスバー露出孔7
0を防水用接着剤で充塞することは難しい。しかも防水
用接着剤は、表裏両面から塗布する必要があり、なお困
難である。従って通常バスバー露出孔70には防水用接
着剤は充塞されていない。そのため、バスバー露出孔7
0は、比較的浸水の可能性の低い包囲部55の内側に設
けられている。
【0049】図10は、図9のS−S断面の金型断面図
を示す。なお、部品構成に相当する箇所は括弧書きにて
符号を記す。型60aは、ハウジング2の上面を形成す
るための金型である。型60bは、ハウジング2の下面
を形成するための金型である。型60a、60bとも
に、バスバー露出孔70の箇所には成形押え63a、6
3bと同形状の円形断面孔が開けられている。それらの
孔には、別型として、成形押え63a、63bが挿入さ
れている。成形押え63a、63bは、バスバー露出孔
70と同形の円形断面を有する金型である。バスバー5
6は成形押え63a、63bに挟持される箇所では所定
位置に支持、固定される。一方、成形押え63a、63b
に挟持されない箇所ではキャビティ71内で宙に浮いた
状態で固定される。
【0050】成形押え32a、32bと成形押え63
a、63bとはキャビティ内の所定位置にバスバーを固
定する点で共通し、それらの抜き跡により、バスバー途
中部分7或いはバスバー途中部分57の一部が露出する
点でも共通する。しかし貫通孔10により露出するバス
バー開放部9が、バスバー6の表面を全周に亘り開放し
ているのに対し、従来構造のバスバー露出孔70は、ど
の断面をとってもバスバー56の表面を全周に亘り開放
することはない。従って、仮にバスバー露出孔70を防
水用接着剤等でバスバー途中部分57と密着するように
充塞しても、タブ端子54とハウジング2との境界部の
微小隙間から浸入した水は、バスバー露出孔70を迂回
して防水空間側へ浸入し得る。
【0051】次にキャビティ31内に樹脂を送り込み、
ハウジング2をモールド成形する。その際、成形押え3
2a、32bがバスバー6のバスバー開放部9を挟持
し、樹脂の流動圧によって位置ずれや変形を起こすこと
を防止している。また、成形押え32a、32bの抜き
跡には貫通孔10が形成され、バスバー開放部9が露出
している。本実施形態では、2本のバスバー6に対して
共通の成形押え32a、32bを用いることにより、共通
の貫通孔10が設けられている。このため2本のバスバ
ー6の間には各貫通孔を仕切るべきハウジングの薄肉部
が存在しない。従って、モールド工程における貫通孔間
の薄肉部への樹脂流動性を懸念する必要がなくなってお
り、バスバー間隔を小さくすることが可能となってい
る。また、成形押え32a、32bは、包囲部5の外側に
設けられているため、包囲部5の大きさは貫通孔10の
大型化に伴って大きくする必要がなく、包囲部5の大型
化に伴うパワーディストリビュータ1の大型化や包囲部
5に嵌合する相手コネクタの大型化を防止している。ハ
ウジング2の成形に伴い、隔壁2aが形成され、その内
側の防水空間25となるべき防水空間形成部24にはバ
スバー内部端子8が露出している。なお、複数のバスバ
ーを連結した状態で打ち抜いた金属板をモールドした場
合は、連結したバスバーを切り離すためにモールド工程
後に別途切断工程を設ける。
【0052】3)内部回路形成工程 隔壁2aの内側の、防水空間形成部24に、半導体スイ
ッチング素子12や制御回路基板15等を組み込み、必
要に応じてはんだ付けを行う等して内部回路16を形成
する。その後、隔壁2aの上部開口部に蓋19を載せ、
振動溶着によって隔壁2aと蓋19を隙間なく接合す
る。この工程により、防水空間形成部24と蓋19とで
囲まれて防水された防水空間25が形成される。防水空
間25内には絶縁隙間23を有する内部回路16が完成
しており、防水作用により、絶縁隙間23の絶縁が保た
れる。
【0053】4)接着剤塗布工程 貫通孔10を絶縁性を有する防水用接着剤11で充塞す
る。その際、防水用接着剤11はバスバー開放部9に密
着するように、またハウジング2との間、特にバスバー
開放部9とハウジング2との境界部に隙間が生じないよ
うに塗布される。また、隣接するバスバー開放部9の間
にも充填される。この工程により、たとえハウジング2
とバスバー途中部分7との間に微小隙間が出来ていて
も、貫通孔10の箇所で防水用接着剤11によって塞が
れ、タブ端子側領域7a側から浸入した水がバスバー内
部端子側領域7bへ達することが防止される。また、貫
通孔10自体からの浸水も防止される。隣接するバスバ
ー開放部9の絶縁は防水用接着剤11によってなされ
る。また、貫通孔10は、従来構造のバスバー露出孔70
よりも通常大きくなるため、防水用接着剤11の塗布が
容易である。本実施形態では、2本のバスバーに対して
共通の成形押え32a、32bを使用しているため、更
に貫通孔は大型かつ少数となり、防水用接着剤11の塗
布が容易である。
【0054】以上、本発明にかかる構造、製造方法につ
いて一実施形態に即して説明したが、本発明の実施形態
は以上のものに限られず、例として次のような形態をと
ることも可能である。
【0055】回路構成体の実施形態として半導体スイッ
チング素子12aを有するパワーディストリビュータ1
の例を示したが、本発明はそれに限定されるものではな
く、樹脂モールドされたハウジング2と、防水空間形成
部24と、防水空間25内の内部回路16と、バスバー6
とを有する通常の電気接続箱にも適用可能である。
【0056】コネクタ部3内の端子数は2本である必要
は無く、1本或いは3本以上も可である。また、タブ端
子4はハウジング2から突出していなくても露出してい
れば良い。例えば、本実施形態のタブ端子4を根元から
90度折り曲げ、接点状にしたものも可である。
【0057】使用する防水用接着剤11は、上記実施形
態以外のものでも、防水作用を有するものであれば可で
ある。また、1本のバスバーのみが開放されている貫通
孔を充塞する場合は、必ずしも絶縁性は必要ない。
【0058】貫通孔10は矩形でなくても、楕円、円を
含む任意の形状であっても可である。バスバー途中部分
7の表面をタブ端子側領域7aとバスバー内部端子側領
域7bとに分けるように、バスバー表面を全周に亘り開
放する形状であれば良い。例えば、バスバーの連通方向
に直交せず、傾斜した形状の貫通孔であっても、その傾
斜方向に沿ってバスバーを全周に亘り開放していれば良
い。
【0059】バスバーの機能、防水要求度に応じてパワ
ーディストリビュータ1内に貫通孔10とバスバー露出
孔70が混在しても良い。また、一本のバスバー6に対
し、複数の貫通孔10またはバスバー露出孔70があっ
ても良い。例えば、比較的長いバスバーを安定して支持
するため、一本のバスバーに対して複数の成形押えを用
いる場合、成形押え32a、32bと成形押え63a、
63bを併用しても良い。但し、これらの抜き跡が非防
水空間に出来る場合、本発明の作用効果を十分得るため
には、その内の少なくとも最も防水空間に近いものに対
しては成形押え32a、32b相当の型を用いて本発明
の構造とする必要がある。
【0060】貫通孔10は防水空間25内に設けても良
い。また、裏面も防水されていれば防水空間25内に従
来構造のバスバー露出孔70を設けても良い。
【0061】防水空間25の形態は、隔壁2aに蓋19
を接合するものでなくても、内部回路16の周囲の空間
を防水し得るものであれば良い。例えば、隔壁2aを有
さず、ハウジング2の表面の一部を防水空間形成部24
とし、その上に内部回路16を形成した後、U字状断面
のカバーで覆い、ハウジング2に接合するようにしても
良い。接合手段は振動溶着以外も可である。
【0062】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明の回路構成体の防水構造は、樹脂モールドされた
ハウジングと、外部から防水された防水空間の一部を形
成し、上記ハウジングの一部に設けられた防水空間形成
部と、相手コネクタとの接合部であり、上記ハウジングの
一部に設けられたコネクタ部と、上記防水空間内に設け
られた電気回路である内部回路と、上記ハウジングにイ
ンサート成形されたバスバーとを有し、上記バスバーの
一端は上記コネクタ部へ露出し、上記バスバーの他端は
上記防水空間内に露出して上記内部回路の一部となし、
上記防水空間形成部と上記コネクタ部とは離れた位置に
設けられ、上記ハウジングには該ハウジングを貫通する
貫通孔が設けられ、上記貫通孔は上記バスバーの途中部
分を全周に亘り開放する形状を有するとともに防水用接
着剤で充塞されており、上記防水用接着剤は上記バスバ
ーの全周に密着して塗布されていることを特徴とする構
成を備えているため、水浸入による内部回路への悪影響
(ショート等)を防止することができる。
【0063】更に、バスバー端部(タブ端子)を囲んで
相手コネクタと嵌合する形状の包囲部が形成され、貫通
孔が、上記包囲部の外側に設けられるようにすれば、回
路構成体の大型化及び包囲部に嵌合する相手コネクタの
大型化を防止することが出来る。
【0064】更に、バスバーの途中部分を上記防水空間
外に露出させる露出孔が単数または複数存在する場合、
貫通孔は露出孔よりも防水空間側に設けられるようにす
れば、露出孔による微小隙間から水が浸入することを防
止することが出来る。
【0065】更に、バスバーが複数本存在し、これらの
バスバーの途中部分が共通の貫通孔により開放され、こ
の貫通孔に絶縁性を有する防水用接着剤が充填されて、
この防水用接着剤が上記バスバー同士の間に介在するよ
うにすれば、バスバー同士の絶縁を確保しながら、回路
構成体を小型化し、防水用接着剤の消費量を削減しつつ
塗布を容易化することが出来る。
【0066】また、車両に搭載された電源から供給され
る電力を複数の車載負荷に分配するための車両用パワー
ディストリビュータに本発明の回路構成体の防水構造を
適用すれば、パワーディストリビュータの水浸入による
ショート等の悪影響を防止することが出来る。
【0067】本発明のコネクタ端子部の防水構造の製造
方法によれば、バスバーを表裏両面から成形押えで挟み
ながら、その周囲に上記コネクタ部及び上記防水空間形
成部を持つハウジングをモールドするモールド工程と、
上記防水空間内に上記内部回路を形成する内部回路形成
工程とを含み、上記モールド工程では上記成形押えの形
状が、その抜き孔が上記バスバー途中部分を全周に亘っ
て開放する上記貫通孔となるように設定され、更に上記
モールド工程後に上記防水用接着材で上記貫通孔を充塞
しつつ、該防水用接着材を上記バスバーの途中部分の全
周に密着して塗布することを特徴とするので、貫通孔を
簡単に成形することが出来、効率良く防水用接着剤をバ
スバーに密着して塗布することが出来る。
【0068】更に複数の上記バスバーに対する成形押え
が共通の型であり、防水用接着剤は絶縁性を有するもの
とすれば、個別の成形押えを設ける場合に比べて成形押
えの数を少なくすることが出来る。また、別途手段を設
けることなくバスバー同士の絶縁を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるパワーディストリ
ビュータの部分斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるパワーディストリ
ビュータの部分平面図である。
【図3】図2のP−P断面図である。
【図4】図2のQ−Q断面図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるインサートされた
バスバーの表面領域を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかるパワーディストリ
ビュータの部分ブロック図である。
【図7】図2のQ−Q断面における金型断面図である。
【図8】図2のP−P断面における貫通孔部の金型断面
図である。
【図9】従来構造のコネクタ部の部分平面図である。
【図10】図9のS−S断面における金型断面図であ
る。
【符号の説明】 1 パワーディストリビュータ(回路構成体) 2 ハウジング 2a 隔壁 3,3b,3c,3e コネクタ部 4,4c,4e タブ端子 5,5c,5e 包囲部 6,6c,6e バスバー 7,7c,7e バスバー途中部分 7a タブ端子側領域 7b バスバー内部端子側領域 8,8c バスバー内部端子 9 バスバー開放部 10 貫通孔 11 防水用接着剤 16 内部回路 17 電源 18 車載負荷 19 蓋 23 絶縁隙間 24 防水空間形成部 25 防水空間 30a,30b 型 31 キャビティ 32a,32b 成形押え 70 バスバー露出孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000003207 トヨタ自動車株式会社 愛知県豊田市トヨタ町1番地 (72)発明者 小林 健人 愛知県名古屋市南区菊住1丁目7番10号 株式会社オートネットワーク技術研究所内 (72)発明者 鬼塚 孝浩 愛知県名古屋市南区菊住1丁目7番10号 株式会社オートネットワーク技術研究所内 (72)発明者 今泉 求 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 5G361 BA04 BB02 BC01 BC03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回路構成体の防水構造であって、樹脂モ
    ールドされたハウジングと、外部から防水された防水空
    間の一部を形成し、上記ハウジングの一部に設けられた
    防水空間形成部と、相手コネクタとの接合部であり、上記
    ハウジングの一部に設けられたコネクタ部と、上記防水
    空間内に設けられた電気回路である内部回路と、上記ハ
    ウジングにインサート成形されたバスバーとを有し、上
    記バスバーの一端は上記コネクタ部へ露出し、上記バス
    バーの他端は上記防水空間内に露出して上記内部回路の
    一部となし、上記防水空間形成部と上記コネクタ部とは
    離れた位置に設けられ、上記ハウジングには該ハウジン
    グを貫通する貫通孔が設けられ、上記貫通孔は上記バス
    バーの途中部分を全周に亘り開放する形状を有するとと
    もに防水用接着剤で充塞されており、上記防水用接着剤
    は上記バスバーの全周に密着して塗布されていることを
    特徴とする回路構成体の防水構造。
  2. 【請求項2】 上記コネクタ部には、上記バスバー端部
    を囲んで相手コネクタと嵌合する形状の包囲部が形成さ
    れ、上記貫通孔は、上記包囲部の外側に設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の回路構成体の防水構
    造。
  3. 【請求項3】 上記バスバーの途中部分を上記防水空間
    外に露出させる露出孔が単数または複数存在し、上記貫
    通孔は上記露出孔よりも上記防水空間側に設けられてい
    ることを特徴とする請求項1または2記載の回路構成体
    の防水構造。
  4. 【請求項4】 上記バスバーが複数本存在し、これらの
    バスバーの途中部分が共通の上記貫通孔により開放さ
    れ、この貫通孔に絶縁性を有する防水用接着剤が充填さ
    れて、この防水用接着剤が上記バスバー同士の間に介在
    していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
    記載の回路構成体の防水構造。
  5. 【請求項5】 車両に搭載された電源から供給される電
    力を複数の車載負荷に分配するための車両用パワーディ
    ストリビュータであって、請求項1乃至4のいずれかに
    記載の回路構成体の防水構造を有することを特徴とする
    車両用パワーディストリビュータ。
  6. 【請求項6】請求項1乃至3のいずれかに記載の回路構
    成体の防水構造を製造するための方法であって、上記バ
    スバーを表裏両面から成形押えで挟みながら、その周囲
    に上記コネクタ部及び上記防水空間形成部を持つハウジ
    ングをモールドするモールド工程と、上記防水空間内に
    上記内部回路を形成する内部回路形成工程とを含み、上
    記モールド工程では上記成形押えの形状が、その抜き孔
    が上記バスバー途中部分を全周に亘って開放する上記貫
    通孔となるように設定され、更に上記モールド工程後に
    上記防水用接着材で上記貫通孔を充塞しつつ、該防水用
    接着材を上記バスバーの途中部分の全周に密着して塗布
    することを特徴とする回路構成体の防水構造の製造方
    法。
  7. 【請求項7】請求項4記載の回路構成体の防水構造を製
    造するための方法であって、複数の上記バスバーに対す
    る上記成形押えが共通の型であり、上記防水用接着剤は
    絶縁性を有するものとすることを特徴とする請求項6記
    載の回路構成体の防水構造の製造方法。
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