JP4261213B2 - 回路構成体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力回路を構成するバスバーと、その電力回路中に設けられる半導体素子の駆動を制御する制御回路基板とを併有する回路構成体を製造するための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、共通の車載電源から各電子ユニットに電力を分配する手段として、複数枚のバスバー基板を積層することにより配電用回路を構成し、これにヒューズやリレースイッチを組み込んだ電気接続箱が一般に知られている。
【0003】
さらに近年は、かかる電気接続箱の小型化や高速スイッチング制御を実現すべく、前記リレーに代えてFET等の半導体スイッチング素子を入力端子と出力端子との間に介在させたものが開発されるに至っている。
【0004】
例えば特許文献1には、電流回路を形成するバスバー基板と、その電流回路中に組み込まれる半導体スイッチング素子としてのFETと、このFETの作動を制御する制御回路基板とを備えるとともに、前記バスバー基板と制御回路基板とを互いに離間させながら上下2段に配置してその間にFETを設け、このFETのドレイン端子及びソース端子を前記バスバー基板に接続する一方、当該FETのゲート端子を前記制御回路基板に接続するようにした電気接続箱が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−35375号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報に示される電気接続箱では、バスバー基板と制御回路基板の少なくとも2枚の基板が必要であり、しかも、これらの基板を相互離間させて立体的に配置し、両基板の間にFET等の電子部品を配置するだけのスペースを確保しなければならない。従って、全体構成が複雑で十分な小型化はできず、特に高さ寸法の削減が難しいものとなっている。
【0007】
このような不都合を克服する手段として、電力回路を構成するバスバーと制御回路基板とを重ね合せて両者を接着するとともに、前記バスバーや制御回路基板に適宜はんだ付けを施すことによって回路を構築することが考えられる。具体的には、前記バスバー上にはんだ付けによって電子部品を実装したり、制御回路基板に設けたスルーホール内にはんだを供給して当該制御回路基板とバスバーとを電気的に接続したりすることが考えられる。
【0008】
ところが、前記バスバー上やスルーホール内でのはんだ付けでは、はんだフィレットが広がり易いため、はんだ量の管理が難しく、また、はんだ付け不良等が比較的生じ易いという課題がある。
【0009】
本発明は、以上のような課題を解決することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、電力回路を構成する複数本のバスバーと、その電力回路の動作を制御する制御回路基板とを備えた回路構成体を製造する方法であって、前記バスバーと前記制御回路基板とを接着する接着工程と、前記制御回路基板、前記バスバーの少なくとも一方にはんだ付けを施すはんだ付け工程とを含み、前記接着工程では、前記バスバーまたは前記制御回路基板に絶縁性接着剤を印刷によって塗布することにより、はんだ付け箇所を囲む形状のはんだフィレット規制部をもつ形状の接着層を形成することと、この接着層によって前記バスバーと前記制御回路基板とを接着することとが行われ、前記はんだ付け工程では、前記フィレット規制部の内側にはんだを供給することにより前記制御回路基板、前記バスバーの少なくとも一方と接触するはんだフィレットが形成され、かつ、このはんだフィレットの形状が前記接着層のフィレット規制部によって規制されるものである。
【0011】
この構成では、電力回路を構成する複数本のバスバーが略同一平面上に並んだ状態で制御回路基板の表面に接着されるので、回路構成体全体の高さ寸法(厚み寸法)が非常に小さく、また、従来の電気接続箱において必要とされていたバスバー基板(バスバーを絶縁基板で保持したもの)や半導体スイッチング素子を各基板に接続するための配線材が基本的に不要となる(ただし本発明ではかかる配線材が部分的に使用されることを妨げない。)。従って、従来のようにバスバー基板と制御回路基板とが離間して配置され、かつ、両基板に半導体スイッチング素子が接続されている電気接続箱に比べ、全体構成は大幅に薄型化及び簡素化される。
【0012】
さらに、前記バスバーと制御回路基板とを接着する接着層には、制御回路基板、バスバーの少なくとも一方のはんだ付け箇所を囲む形状のはんだフィレット規制部が形成されるので、このはんだフィレット規制部の内側にはんだを供給してフィレットを形成することにより、当該はんだフィレットが必要以上に広がるのを前記はんだフィレット規制部で規制することができ、これにより当該はんだの量を適正に管理し、またはんだ付け箇所の接続信頼性を高めることができる。
【0013】
具体的な態様としては、例えば、前記接着工程前に予め前記制御回路基板の縁に側方に開放された形状の切欠部を形成してこの切欠部の内側面を覆う導体層を制御回路基板に被着して当該導体層が前記制御回路基板に組み込まれた回路に接続された状態にしておく導体層被着工程を行い、前記接着工程では前記導体層の被着箇所を制御回路基板の外側から囲む形状のはんだフィレット規制部をもつ接着層を形成し、前記はんだ付け工程では前記はんだフィレット規制部の内側に前記導体層の内周面と前記特定のバスバーとの表面とにまたがるはんだフィレット部を形成することにより当該導体層と前記特定のバスバーとを電気的に接続するものが好適である。
【0014】
この構成によれば、はんだ付け箇所が側方に開放された状態となっているため、例えば制御回路基板にスルーホールを設けてその中にはんだを供給する構造に比べ、接続箇所でのはんだ付けの良否を外部から目視で確認し易く、よって、さらに高い接続信頼性を確保することができる。
【0015】
また、別の態様としては、前記制御回路基板に電子部品が侵入可能な形状の貫通孔が形成され、前記接着工程では前記接着層に前記貫通孔を囲む形状のはんだフィレット規制部が形成され、前記はんだ付け工程でははんだフィレット規制部の内側に形成されるはんだフィレットによって前記電子部品の端子と特定のバスバーとが電気的に接続される構成が好適である。
【0016】
この構成によれば、前記はんだフィレット規制部の内側にはんだを供給しておいてからその上に制御回路基板の貫通孔を通じて電子部品を載せるだけの簡単な作業で、当該電子部品を特定のバスバーの上に実装することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、ここでは、車両等に搭載される共通の電源から供給される電力を複数の電気的負荷に分配する配電回路を構成する回路構成体の製造方法を示すが、本発明にかかる回路構成体の用途はこれに限らず、電力回路における通電のオンオフ等の動作を制御回路基板に組み込まれた制御回路によって行う場合に広く適用が可能である。
【0018】
1)バスバー形成工程
まず、前記回路構成体を製造するにあたり、図1に示すようなバスバー構成板10を形成する。
【0019】
図示のバスバー構成板10は、矩形状の外枠16を有し、その内側領域に、入力端子を構成する複数枚の入力端子用バスバー11と、出力端子を構成する複数枚の出力端子用バスバー12と、複数本の信号入力端子用バスバー14とを含む多数のバスバーが所定のパターンで配列されるとともに、適当なバスバーが小幅のつなぎ部分18によって前記外枠16とつながり、また特定のバスバー同士が小幅のつなぎ部分18によって相互連結された状態となっている。
【0020】
図例では、入力端子用バスバー11の端部11a及び信号入力端子用バスバー14の外側端部14aが全てバスバー構成板10の左側に並び、出力端子用バスバー12の端部12aが全てバスバー構成板10の右側に並ぶように配置されているが、前記各バスバー端部11a,12a,14aは外枠16とつながっていない自由端部となっている。
【0021】
このバスバー構成板10は、例えば単一の金属板をプレス加工で打ち抜くことにより簡単に形成することが可能である。
【0022】
2)接着工程
前記バスバー構成板10の片面(図1では上面)に制御回路基板20を接着して図2の状態とする。
【0023】
この制御回路基板20は、後述のように前記バスバーで構成される電力回路中に設けられるFET30のスイッチング動作を制御する制御回路を含むもので、例えば通常のプリント回路基板(絶縁基板に制御回路を構成する導体がプリント配線されたもの)によって構成することが可能である。図例では、全体の薄型化及び防水性向上をさらに促進すべく、非常に厚みの小さい(例えば0.3mm)シート状の制御回路基板20が用いられ、かつ、この制御回路基板20の適所には複数の貫通孔22が設けられている。この貫通孔22は、前記FET30をバスバー上に実装するためのものであり、その詳細は後述する。
【0024】
前記制御回路基板20の外形は、バスバー構成板10の外形よりも小さくし、特に基板左右幅がバスバー構成板10よりも十分小さくなるようにしておく。具体的には、この制御回路基板20を図示のようにバスバー構成板10の中央部分に接着することにより、このバスバー構成板20から左外側に入力端子用バスバー11の端部11a及び信号入力端子用バスバー14の端部14aが突出し、右外側に出力端子用バスバー12の端部12aが突出するとともに、全てのつなぎ部分18が制御回路基板20の外側に露出するようにする(図2)。
【0025】
この制御回路基板20をバスバー構成板10に接着するには、例えば、当該制御回路基板20の裏面またはバスバー構成板の上面に絶縁性接着剤を塗布し、この接着剤によって制御回路基板20と各バスバーとの間に絶縁層を形成する。ここで、制御回路基板20がスルーホールや後述の「切欠部」を含む場合には、これらの部位に前記絶縁性接着剤が付着しないようにする。
【0026】
ここで、接着剤は印刷で塗布することが可能であり、これによって製造工程の効率化、自動化を促進することができるとともに、本発明にかかる「はんだフィレット規制部」を接着層に容易に形成することができる。
【0027】
3)実装工程
前記制御回路基板20に設けられている貫通孔22を利用して、当該制御回路基板20とバスバー構成板10の双方に半導体スイッチング素子としてFET30を実装する。
【0028】
図4に示すように、ここで用いられるFET30は、略直方体状の本体32と、少なくとも3つの端子(図略のドレイン端子、ソース端子34、及びゲート端子36)とを含んでいる。当該端子のうち、ドレイン端子は前記本体32の裏面に設けられ、ソース端子34及びゲート端子36は本体32の側面から突出して下方に延出されている。
【0029】
このFET30に対応して、制御回路基板20の各貫通孔22には、前記FET30の本体32が挿通可能な矩形状部分22aと、この矩形状部分22aから所定方向に延びて前記FET30のソース端子34が挿通可能な形状をもつ延出部分22bとを含ませる。そして、前記矩形状部分22aを通じてFET本体32の裏面におけるドレイン端子をバスバー構成板10における入力端子用バスバー11の上面に直接接触させて当該バスバー11上にFET本体32を実装し、前記延出部分22bを通じてFET30のソース端子34を出力端子用バスバー12に接続し、FET30のゲート端子36を制御回路基板20上の適当な導体パターンに接続する。
【0030】
この実装工程は、例えば各貫通孔22内に印刷等で溶融はんだを塗布し、その上にFET30を載せるだけで簡単に行うことが可能である。
【0031】
なお、この実装工程を行うに当たっては、予め、図4に示すようにソース端子34とゲート端子36との間に制御回路基板20の厚みと略同等の段差tを与えておくことが、より好ましい。このようにすれば、当該制御回路基板20の厚みにかかわらず、両端子34,36に無理な変形を生じさせずにそのまま当該各端子34,36を出力端子用バスバー12と制御回路基板20とに各々実装でき、実装後における各端子の応力が大幅に低減される。
【0032】
3′)はんだ付け工程
バスバー構成板10に含まれるバスバーの中には、制御回路基板20の制御回路と直接接続すべき(すなわちFET30を介さずに接続すべき)バスバーが存在する。その電気接続のために当該バスバーと制御回路基板20とにまたがってはんだ付けを施すことになるが、このはんだ付け工程については、後に詳述する。
【0033】
4)折り曲げ工程
制御回路基板20から左右両外側に突出するバスバー端部(図では少なくともバスバー11,12,14の端部11a,12a,14aを含む。)を図6に示すように上向きに折り曲げて、外部回路と接続される端子を形成する。このような折り曲げ工程を行うことにより、各端子に対して外部配線材を一方向から接続することが可能になり、その接続作業が簡素化される。
【0034】
5)ハウジング装着工程
図7に示すように、複数の信号入力端子(図では信号入力端子用バスバー14の端部14aであって横一列に並んでいる)の周囲に、合成樹脂等の絶縁材料からなるハウジング40を固定してコネクタを形成する。このハウジング40の側面には後述のケース50と係合させるための突起42を形成しておく。
【0035】
6)切り離し工程
前記バスバー構成板10におけるバスバー同士をプレス等により切り離して電力回路を完成させる。具体的には、制御回路基板20の外側に露出しているつなぎ部分18を切断、除去すればよい。このつなぎ部分18の除去により、必然的に外枠16も回路構成体から除去されることになる。この切り離し工程後の状態では、全体の高さ寸法(厚み寸法)が非常に小さく、また占有面積も制御回路基板20の面積とほぼ同等に抑えられている。この回路構成体は、それ単独でも使用することが可能であるが、後述のケース50や放熱部材60をさらに付加することによって防水性や放熱性をより高めることが可能となり、車両用パワーディストリビュータ等に好適な回路体を得ることができる。
【0036】
なお、この切り離し工程は、前記工程3)〜5)の前に行ってもよい。ただし、端子を構成するバスバー端部11a,12a,14aを外枠16または他のバスバーとつないでいる場合には、切り離し工程を先に行う必要がある。
【0037】
7)ケース装着工程
6)の切り離し工程で得られた回路構成体に対し、さらに上側から合成樹脂等の絶縁材料からなるケース50(図9)を被せる。このケース50は、下側に開口して前記制御回路基板20全体を上側から覆う形状を有し、その中央には前記FET30を上方に開放する開口部が設けられ、この開口部の周縁から上向きに防水壁52が立設されている。すなわち、この防水壁52は前記FET30を含む領域を囲んでいる。
【0038】
このケース50の左右両縁部(防水壁52の左右両外側の部分)には、上下に開口する筒状のハウジング54及びハウジング装着部56がケース50と一体に形成されている。ハウジング54は、複数箇所に形成され、前記入力端子用バスバー11の端部11a(入力端子)及び出力端子用バスバー12の端部12a(出力端子)をそれぞれ個別に囲み、これらの端子とともにコネクタを構成する。ハウジング装着部56は、前記ハウジング40(信号入力端子を囲むハウジング)に対応する位置に形成され、このハウジング装着部56内に前記ハウジング40が下から挿入され、同ハウジング40の側壁の突起42がハウジング装着部56の上端に係合することによりバスバー及び制御回路基板20がケース50に係止される。
【0039】
なお、ケース50の前後両端部からは、左右に並ぶ複数枚のフィンカバー58が下向きに突出している。
【0040】
8)放熱部材接続工程
前記各バスバーの下面に図10に示すような放熱部材60の上面64を接着して両者を合体させる。
【0041】
放熱部材60は、全体がアルミニウム系金属等の熱伝導性に優れた材料で形成され、平坦な上面64を有し、下面からは左右に並ぶ複数枚のフィン62が下向きに突出している。各フィン62の位置は前記ケース50におけるフィンカバー58の位置と対応しており、この放熱部材60の装着によって各フィン62の長手方向両端が前記フィンカバー58で覆われるようになっている。
【0042】
この放熱部材60とバスバーとの接着は、例えば次のような手順で行うのが好ましい。
【0043】
8−1)放熱部材60の上面64にエポキシ系樹脂からなる絶縁性の接着剤を塗布して乾燥させることにより薄膜の絶縁層を形成する。
【0044】
8−2)前記絶縁層の上に重ねて、この絶縁層を構成する材料と同じ材料、もしくは当該材料よりも軟らかくて熱伝導性の高い接着剤(例えばシリコーン系接着剤のようなグリース状のもの)を塗布し、もしくはバスバー側に当該接着剤を塗布し、この接着剤によって前記バスバーを接着する。
【0045】
9)ポッティング工程
前記防水壁52の内側に放熱促進用のポッティング剤を注入する。その後、当該防水壁52の上端に図11に示すようなカバー70を被せて両者を接合する(例えば振動溶接する)ことにより、防水壁52内を密封、防水する。
【0046】
以上のようにして製造された回路構成体において、その入力端子(入力端子用バスバー11の端部11a)に電源を、出力端子(出力端子用バスバー12の端部12a)に電気的負荷を接続することにより、前記電源から適当な電気的負荷に電力を分配する配電回路が構築されるとともに、当該配電回路の途中に設けられるFET30の動作が制御回路基板20に組み込まれた制御回路によって制御されることにより、前記配電回路の通電のオンオフ制御が実行されることになる。
【0047】
次に、前述の「はんだ付け工程」について、前記バスバーと制御回路基板20とを直接接続する(FET30を介さずに電気的に接続する)ための構造及び方法を図14及び図15に基づいて説明する。
【0048】
図において、制御回路基板20の縁に半円状の切欠部20aが形成され、この切欠部20aの表面を覆うように略半円筒状のランド(導体層)24が被着されており、このランド24が制御回路基板20に印刷された導体パターン(制御回路を構成するパターン)に電気的に接続されている。そして、このランド24を囲むような形状で信号入力端子用バスバー14の上に接着層80が形成され、この接着層80によって当該制御回路基板20の縁部と信号入力端子用バスバー14とが接着されるとともに、前記ランド24の半円筒内周面と入力端子用バスバー14の表面とをまたぐようにはんだ付けが施される、すなわちはんだフィレット26が形成されることにより、前記ランド24と入力端子用バスバー14との電気的接続がなされている。
【0049】
さらに、この構造の特徴として、前記接着層80が制御回路基板20の縁からはみ出ており、かつ、このはみ出た部分が前記切欠部20aを制御回路基板20の外側から(図14(a)では右側から)囲む形状(図例では平面視コ字状)のはんだフィレット部82とされている。そして、このはんだフィレット部82の内側の領域に前記はんだフィレット26が形成可能とされている。
【0050】
この接続は、例えば次のような手順で行うことができる。
【0051】
1)接着工程の前に予め制御回路基板20の縁に側方に開放された形状の切欠部20aを形成してこの切欠部20aの内側面を覆うランド24を制御回路基板20に被着しておく。このランド24は、制御回路基板20に印刷された導体パターンに接続しておく。
【0052】
2)前記ランド24を囲む形状であって前記はんだフィレット規制部82を有する形状の接着層80を信号入力端子用バスバー14上に形成し、この接着層80によって当該バスバー14と前記制御回路基板20とを接着する(接着工程)。この接着により、当該信号入力端子用バスバー14と前記ランド24の裏側端面とが近接した状態を固定する。
【0053】
3)前記2)の状態で、はんだフィレット部82の内側にはんだを供給し、ランド24の内周面と入力信号端子用バスバー14との表面とにまたがるはんだフィレット26を形成する。このはんだフィレット26の形状は、前記ランド24(切欠部20a)を囲むはんだフィレット規制部82によって規制されるため、当該はんだフィレット26が必要以上に広がるのを前記接着層80を利用した簡素な構成で確実に規制することができ、その結果、当該はんだの量を適正に管理し、またはんだ付け箇所の接続信頼性を高めることが可能となる。
【0054】
また、図示の構造では、最終的に形成されるはんだフィレット26が側方に開放された状態にあるため、例えば基板に設けられたスルーホール内にはんだを供給する場合に比べ、はんだ付け状態の良否を外部から確認することがより容易となり、さらに安定した品質及び高い接続信頼性を確保することができる。
【0055】
ただし、本発明は必ずしもスルーホールを用いたはんだ付け箇所を含む回路構成体を除外する趣旨ではない。例えば図13に示すような円筒状のランド(導体層)24を制御回路基板20の基板本体に貫通させ、これを囲むように接着剤80を塗布し、当該接着剤80によって制御回路基板20と特定のバスバー(図においては前記信号入力端子を構成する信号入力端子用バスバー14)の表面とを接着した後、前記ランド24の内側の貫通孔24a内にはんだを供給して当該ランド24の内周面と信号入力端子用バスバー14の表面とにまたがせるものを含んでいてもよい。
【0056】
あるいは、前記図5のA部に示すように当該バスバーから適当な突起を出させて当該突起を制御回路基板20側にはんだ付けする構造を前記図14等に示した構造と併用するようにしてもよい。
【0057】
また、本発明が適用されるはんだ付け箇所は図示のような制御回路基板−バスバー間の接続箇所に限らず、例えば制御回路基板20に設けられた貫通孔を通じてバスバー上に電子部品を実装する箇所に対しても同様に適用することが可能である。その一例を図16(a)(b)に示す。
【0058】
図において、前記制御回路基板20には電子部品であるダイオード90が侵入可能な形状の貫通孔22が形成されている。前記ダイオード90は、接着層80を介して前記制御回路基板20に接着されるバスバーのうちの2枚のバスバー19A,19Bにまたがって実装されるものであり、これに対応して前記貫通孔22も両バスバー19A,19Bにまたがる形状とされている。
【0059】
ダイオード90は、前記バスバー19A側に接続されるべき端子91,92と、前記バスバー19B側に接続されるべき端子94とを有している。一方、前記接着層80には、前記貫通孔22を外側から囲む形状のはんだフィレット規制部82が形成されている。
【0060】
この構造によれば、前記はんだフィレット規制部82の内側に溶融はんだを供給してから貫通孔22を通じて両バスバー19A,19Bの上にダイオード90をセットするだけの簡単な作業により、当該ダイオード90の端子91,92とバスバー19Aとの間、及び、端子94とバスバー19Bとの間にそれぞれ良好な形状のはんだフィレット26を形成することができる。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、電力回路を構成する複数本のバスバーと、その電力回路の動作を制御する制御回路基板とを備えた回路構成体を製造するための方法であって、前記バスバーが略同一平面上に並んだ状態で前記制御回路基板の表面に接着層を介して接着されるとともに、この接着層には、前記制御回路基板、前記バスバーの少なくとも一方のはんだ付け箇所を囲む形状のはんだフィレット規制部が形成されるので、簡素かつ薄型の構造で電力回路及びその制御回路を含む回路構成体を構築することができるとともに、その回路構築のためのはんだフィレットの形状を安定化させることにより、はんだ量の管理の容易化、接続信頼性の向上を図ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態にかかる回路構成体の製造方法において用いられるバスバー構成板及び制御回路基板を示す斜視図である。
【図2】 前記バスバー構成板と制御回路基板とを接着した状態を示す斜視図である。
【図3】 前記バスバー構成板及び制御回路基板にFETを実装した状態を示す斜視図である。
【図4】 前記FETの実装状態を示す拡大断面斜視図である。
【図5】 前記バスバー構成板と制御回路基板との直接接続個所を示す斜視図である。
【図6】 前記バスバー構成板における所定のバスバーの端部を上方に折り曲げた状態を示す斜視図である。
【図7】 折り曲げた信号入力端子用バスバーの端部の周囲にハウジングを設けてコネクタを形成した状態を示す斜視図である。
【図8】 前記バスバー構成板から外枠を除去してバスバー同士を切り離した状態を示す斜視図である。
【図9】 前記制御回路基板及びバスバーにケースを装着した状態を示す斜視図である。
【図10】 前記ケースが装着された回路構成体とこれに装着される放熱部材とを示す斜視図である。
【図11】 前記放熱部材が装着された回路構成体とそのケースの防水壁に装着されるカバーとを示す斜視図である。
【図12】 装着されたカバーのポッティング注入口からポッティング剤を注入する工程を示す斜視図である。
【図13】 (a)は信号入力端子用バスバーと制御回路基板とを電気的接続するためにスルーホール構造を適用した例を示す当該制御回路基板の底面図、(b)はその断面正面図である。
【図14】 (a)は本発明にかかるはんだ付け構造を示す平面図、(b)はその断面正面図である。
【図15】 図14のはんだ付け構造を上から見た斜視図である。
【図16】 本発明にかかるはんだ付け構造の別の例を示す断面正面図である。
【符号の説明】
14 信号入力端子用バスバー
20 制御回路基板
20a 切欠部
22 貫通孔
24 ランド(導体層)
26 はんだフィレット
80 接着層
82 はんだフィレット規制部
90 ダイオード(電子部品)
91,92,94 ダイオードの端子
Claims (3)
- 電力回路を構成する複数本のバスバーと、その電力回路の動作を制御する制御回路基板とを備えた回路構成体を製造する方法であって、
前記バスバーと前記制御回路基板とを接着する接着工程と、
前記制御回路基板、前記バスバーの少なくとも一方にはんだ付けを施すはんだ付け工程とを含み、
前記接着工程では、前記バスバーまたは前記制御回路基板に絶縁性接着剤を印刷によって塗布することにより、はんだ付け箇所を囲む形状のはんだフィレット規制部をもつ形状の接着層を形成することと、この接着層によって前記バスバーと前記制御回路基板とを接着することとが行われ、
前記はんだ付け工程では、前記フィレット規制部の内側にはんだを供給することにより前記制御回路基板、前記バスバーの少なくとも一方と接触するはんだフィレットが形成され、かつ、このはんだフィレットの形状が前記接着層のフィレット規制部によって規制されることを特徴とする回路構成体の製造方法。 - 請求項1記載の回路構成体の製造方法において、前記接着工程前に予め前記制御回路基板の縁に側方に開放された形状の切欠部を形成してこの切欠部の内側面を覆う導体層を制御回路基板に被着して当該導体層が前記制御回路基板に組み込まれた回路に接続された状態にしておく導体層被着工程を行い、前記接着工程では前記導体層の被着箇所を制御回路基板の外側から囲む形状のはんだフィレット規制部をもつ接着層を形成し、前記はんだ付け工程では前記はんだフィレット規制部の内側に前記導体層の内周面と前記特定のバスバーとの表面とにまたがるはんだフィレット部を形成することにより当該導体層と前記特定のバスバーとを電気的に接続することを特徴とする回路構成体の製造方法。
- 請求項1記載の回路構成体の製造方法において、前記制御回路基板に電子部品が侵入可能な形状の貫通孔が形成され、前記接着工程では前記接着層に前記貫通孔を囲む形状のはんだフィレット規制部が形成され、前記はんだ付け工程では前記はんだフィレット規制部の内側に形成されるはんだフィレットによって前記電子部品の端子と特定のバスバーとが電気的に接続されることを特徴とする回路構成体の製造方法。
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