JP4582714B2 - 電気接続箱 - Google Patents
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Description
尚、電気接続箱としては、特許文献1に開示されているもの等がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ケースの周縁部における端子部の貫通部分からの浸水を防止することを目的とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記貫通路は、前記ヒューズブロックの下面と前記カバーの上面との間、及び前記ヒューズブロックの下面と前記第1ハウジングの上面との間、の双方又は一方に、水平方向に延びて形成された水平貫通部を有し、前記カバー及び前記第1ハウジングの双方又は一方の外面から上方へ立ち上げたリブの上端面によって前記水平貫通部の下面が形成され、前記リブの上端縁を切欠することによって前記凹部が形成されているところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項3または請求項4に記載のものにおいて、前記第1ハウジングには、前記第1ハウジングの上端部外面に、前記表裏方向の裏側に向かう方向について下り勾配となった第1ハウジング側傾斜面が形成されており、前記リブは前記第1ハウジング側傾斜面に形成されているところに特徴を有する。
ケース外の液体が、貫通路の内面と導電路の表面との隙間に浸入して毛細管現象によりケースの内側に向かって移動しても、凹部において貫通路の内面と導電路の表面との隙間が大きく拡大するため、毛細管現象による液体の浸入が凹部で遮断される。
また、端子部の凹部と貫通路の凹部が、その開口部を互いに対向させるように配置されているので、凹部と凹部が非対応の位置に配置されている場合に比べて、貫通路の内面と端子部の表面との隙間がより大きく開く形態となり、液体の浸入を遮断する効果に優れている。
<請求項2の発明>
導電路の端子部に凹部を形成する手段としては、導電路とは別体の部品を用いずに導電路の端部を曲げ加工する方法が考えられるが、この場合、導電路に対する曲げ加工の工程数が多くなるため、加工が難しくなる。その点、本発明では、導電路の端末部に、導電路とは別体部品である端子片を固着することによって凹部を構成しているので、導電路における曲げ加工の工程数を少なくして、加工性の向上を図ることができる。
貫通路の水平貫通部の下面に形成されている凹部が、ケースの外部空間に連通されているので、毛細管現象によって下面の凹部に達した液体は、ケースの外部へ排出される。これにより、ケース内への液体の浸入を確実に防止することができる。
<請求項4又は5の発明>
水平貫通部の凹部に達した液体は、リブの側面を伝ってケースの外面に流れ落ちるのであるが、このケースの外面は傾斜面となっているので、液体がケースの外面に溜まる虞がない。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図9を参照して説明する。本実施形態の電気接続箱は、自動車に搭載され、バッテリ(図示せず)とランプ、オーディオ等の電装品(図示せず)との間に介設され、バッテリから供給される電力を各電装品に分配・供給するとともに、これら電力供給の切り替え等の制御を行うものである。図1及び図2においては、電気接続箱を表面(正面)側が上向きとなるように描いているが、自動車に搭載された状態では、電気接続箱は、図4に示すように、ヒューズブロック33の本体部37が上側に位置し、ヒューズブロック33のアーム部38が下方へ延出する向きとなる。以下、上下左右の向きについては、自動車に搭載された状態を基準として説明する。
回路構成体10は、板面を鉛直方向に向けた回路基板11と、回路基板11の裏面(図4における右面)に沿って配索した複数のバスバー12(本発明の構成要件である導電路)と、回路基板11の表面側(図5における左面側)に実装されるリレーなどのスイッチング部材13とを備えて構成されている。バスバー12は回路基板11の裏面に接着されており、バスバー12の上端部12aに形成した第1端子部12A(本発明の構成要件である端子部)が回路基板11の上端縁から突出されているとともに、同じくバスバー12の下端部に形成した第2端子部12Bが回路基板11の下端縁から突出されている。
バスバー12の上端部12aには、前方へ略直角に延出する形態の板状の屈曲部14が形成され、屈曲部14の前端から上方へ略直角に且つ屈曲部14と同じ幅で延出する板状の基部15が形成され、基部15の延出端(上端)から上方へ面一状に延出する板状の固着部16が形成されている。固着部16の略上半分領域は基部15よりも幅の狭い幅狭部16aとなっており、固着部16の略下半分領域は基部15と同じ幅の幅広部16bとなっていて、幅狭部16aの一方の側縁と幅広部16bの一方の側縁とは面一状に連なっている。
端子片17は、水平な方形板状をなすベース部18と、ベース部18の前端縁から略直角に且つベース部18と同じ幅で上方へ延出する板状の接触部19と、ベース部18の後端から略直角に立ち上がるとともにその立ち上がり端から後方へ略直角に延出した形態であってベース部18と同じ幅の屈曲板状をなすL字部20と、L字部20の後端から略直角に上方へ延出する板状の固着部21とから構成される。接触部19の上端部は、ヒューズ(図示せず)との接続のために二股状に分岐しており、接触部19の下端部には、接触部19を後述する収容部40内に保持するための係止孔22が形成されている。この固着部21の略上半分領域はL字部20よりも幅の狭い幅狭部21aとなっており、固着部21の略下半分領域はL字部20と同じ幅の幅広部21bとなっていて、幅狭部21aの一方の側縁と幅広部21bの一方の側縁とは面一状に連なっている。つまり、端子片17の固着部16とバスバー12の固着部21は同一の形状及び同一の寸法となっている。かかる端子片17は、その固着部21の後面をバスバー12の固着部16の前面に重ね合わせるようにして溶接等により導通可能に固着され、この端子片17とバスバー12の上端部12a(屈曲部14と基部15と固着部16)とにより、第1端子部12Aが構成されている。また、端子片17とバスバー12を固着した状態では、バスバー12の基部15と端子片17のL字部20とにより、下方へ開放された形態の略「コ」字形をなす第1凹部23が形成されている。
したがって、ケース30外の液体が、収容部40の収容空間40Sから貫通路45の内面と第1端子部12Aの表面との隙間に浸入して毛細管現象によりケース30の内側に向かって移動しても、両凹部23,44において貫通路45の内面と第1端子部12Aの表面との隙間が大きく拡大するため、毛細管現象による液体の浸入が凹部で遮断される。これにより、ケース30内への液体の浸入が防止されている。
また、第1端子部12Aに第1凹部23を形成する手段としては、バスバー12とは別体の部品を用いずにバスバー12の上端部12aを曲げ加工する方法が考えられるが、この場合、バスバー12に対する曲げ加工の工程数が多くなるため、加工が難しくなる虞がある。その点、本実施形態では、バスバー12の上端部12a(端末部)に、バスバー12とは別体部品である端子片17を固着することによって第1凹部23を構成しているので、バスバー12における曲げ加工の工程数を少なくして、加工性の向上を図ることが可能となっている。
次に、本発明を具体化した実施形態2を図10及び図11を参照して説明する。本実施形態2は、第1端子部51の形態と、貫通路60における上面側の凹部62F,62Rの形態を上記実施形態1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
実施形態2では、本体部37の下面に、前後に並ぶ2つの方形をなす凹部62F,62Rが切欠して形成されている。この2つの凹部62F,62Rの間の部分は、下向きに突出する脚部63となっている。
一方、リブ42については、実施形態1と同じ形状である。カバー34の上端部外面は、前下がりの勾配をもつ傾斜面34Sとなっており、この傾斜面34Sからリブ42が上方へ立ち上がる形態となっている。また、カバー34には、傾斜面34Sの上端縁から上方へ鉛直方向に立ち上がる支持壁43が形成されており、支持壁43の上端縁からは、前方へ庇部46が突出して形成されている。リブの後端縁は支持壁43と庇部46に連なっている。かかるリブ42には、その上端縁を方形に切欠した形態の凹部44が形成されている。凹部44の後面は庇部46の前端面に対して面一状に連なっている。凹部44の下面には、上方に向かって幅狭となるような稜線状をなす左右一対のテーパ面44Sが形成されている。また、庇部46の上面は、リブ42の上端面と同じ高さとなっていて、リブ42の上端面と同じく貫通路60の下面を構成している。
次に、本発明を具体化した実施形態3を図12〜図16を参照して説明する。本実施形態3は、導電路の形態と凹部82の形態を上記実施形態1、2とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態1、2と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態1では1つの導電路(端子部)に凹部を1つ設けたが、本発明によれば、1つの導電路(端子部)に複数の凹部を設けてもよい。
(2)上記実施形態1,3では1つの貫通路に凹部を1つ設けたが、本発明によれば、1つの貫通路に複数の凹部を設けてもよい。
(3)上記実施形態1,2では凹部を略方形(略「コ」字形)とし、実施形態3では凹部を略三角形としたが、本発明によれば、凹部は円弧形、台形など、方形や三角形以外の形状としてもよい。
(4)上記実施形態1では端子部の凹部を、バスバーとは別体の端子片を用いて構成したが、本発明によれば、バスバー以外の部品を用いずに、バスバーの端部を曲げ加工することによって凹部を形成してもよい。
(5)上記実施形態1〜3では貫通路の下面の凹部をケース(カバー)の外部空間へ連通させたが、本発明によれば、貫通路の凹部がケースの外部へ連通しない形態としてもよい。
11…回路基板
12…バスバー(導電路)
12A…第1端子部(端子部)
12a…バスバーの上端部(端末部)
13…スイッチング部材
17…端子片
23…第1凹部(端子部の凹部)
30…ケース
44…第2凹部(貫通路の凹部)
45…貫通路
Claims (5)
- 回路構成体をケースに収容してなり、
前記回路構成体は、板面を鉛直方向に向けると共にスイッチング部材が実装される回路基板と、導電路とを備えて構成され、
前記ケースは、枠状をなすと共に前記回路基板の周縁に沿って前記回路構成体を包囲するように配置されるフレームと、前記フレームの裏側の開口を塞ぐ放熱板と、前記フレームの表側の開口を塞ぐカバーと、前記フレームに対し上側から組み付けられるヒューズブロックと、前記ヒューズブロックの下方から前記カバーと前記表裏方向に並んで組み付けられる第1ハウジングと、を備え、
前記ヒューズブロックの下面と前記カバーの上面との間、及び前記ヒューズブロックの下面と前記第1ハウジングの上面との間、の双方又は一方には、前記導電路を貫通させる貫通路が形成されているものにおいて、
前記貫通路の内面と前記導電路の双方には相手側から退避する形態の凹部が設けられており、前記導電路の前記凹部と前記貫通路の前記凹部とは、その開口部を対向させるように配置されているところに特徴を有する電気接続箱。 - 前記導電路の端部の端子部に形成されている前記凹部が、前記凹部の一部を構成する前記導電路の端末部に、前記導電路とは別体の端子片を固着することによって形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気接続箱。
- 前記貫通路は、前記ヒューズブロックの下面と前記カバーの上面との間、及び前記ヒューズブロックの下面と前記第1ハウジングの上面との間、の双方又は一方に、水平方向に延びて形成された水平貫通部を有し、
前記カバー及び前記第1ハウジングの双方又は一方の外面から上方へ立ち上げたリブの上端面によって前記水平貫通部の下面が形成され、
前記リブの上端縁を切欠することによって前記凹部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気接続箱。 - 前記カバーには、前記カバーの上端部外面に、前記表裏方向の表側に向かう方向について下り勾配となったカバー側傾斜面が形成されており、前記リブは前記カバー側傾斜面に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電気接続箱。
- 前記第1ハウジングには、前記第1ハウジングの上端部外面に、前記表裏方向の裏側に向かう方向について下り勾配となった第1ハウジング側傾斜面が形成されており、前記リブは前記第1ハウジング側傾斜面に形成されていることを特徴する請求項3または請求項4に記載の電気接続箱。
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