JP2003283112A - 静電保護層を有する導電回路シート - Google Patents

静電保護層を有する導電回路シート

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JP2003283112A
JP2003283112A JP2002086788A JP2002086788A JP2003283112A JP 2003283112 A JP2003283112 A JP 2003283112A JP 2002086788 A JP2002086788 A JP 2002086788A JP 2002086788 A JP2002086788 A JP 2002086788A JP 2003283112 A JP2003283112 A JP 2003283112A
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conductive circuit
protection layer
electrostatic protection
sheet
circuit sheet
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JP2002086788A
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Toru Maruyama
徹 丸山
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Toppan Forms Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 構成が簡単で安価であり、シート基材の物理
的強度を低下させることなく、長期にわたって永続する
静電破壊防止特性を有する導電回路シートの提供。 【解決手段】 シート基材面1に形成されたICチップ
5が実装されてなるアンテナ回路などの導電回路上に絶
縁インクなどを用いて印刷による静電保護層7が形成さ
れてなる静電保護層7を有する導電回路シートにより課
題を解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電保護層を有す
る導電回路シートに関するものであり、さらに詳しくは
長期にわたって永続する静電破壊防止特性を有する例え
ば、接触型・非接触あるいはハイブリッド型のICカー
ド・ラベル・タグ・フォームなどの情報記録媒体やイン
ターポーザ、インレットシートなどの情報記録部材、ペ
ーパーコンピュータ、さらには機器類に組み込まれるI
C基板などを含めた全般的な静電保護層を有する導電回
路シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2は、従来の導電回路シートの説明図
である。例えば、ここで、ICメディアが非接触型IC
カード、タグ、ラベルなどのように非接触状態でデータ
の送受信を行ってデータの記録、消去などが行える情報
記録媒体の用途に用いられる非接触型ICメディア[R
F−ID(RadioFrequency IDent
ification)メデイア]の構成について述べ
る。このICメディアは、シート基材上に導電材よりな
るアンテナ部を配置し、そのアンテナ部にICチップを
実装した構成を有している。この非接触型データ送受信
体のアンテナ部にあっては、例えば、導電インクにより
印刷形成し、ICチップにあっては、例えば、シート基
材のチップ実装部位に位置しているアンテナ部の端子部
に突き刺さって導通を図る接続端子を備えたものが採用
されている。
【0003】図2を用いて非接触型ICメディアを製造
する工程を説明する。 (A)工程で、紙、プラスチックなどの絶縁体からなる
シート基材1を用意する。 (B)工程で、シート基材1面の所定部に、導電インク
を用いてスクリーン印刷して硬化乾燥するなどの方法に
より図に示すパターンを有するアンテナ部2を形成す
る。 (C)工程で、アンテナ部2の所定部に絶縁インクを用
いて印刷後、硬化乾燥するなどの方法により図に示す絶
縁部3を形成する。 (D)工程で、絶縁部3を形成後、この絶縁部3の上に
導電インクを用いてスクリーン印刷して硬化乾燥するな
どの方法によりジャンパ部4を形成して、図中の2つの
アンテナ部2間を導通して接続する。 (E)工程で、シート基材1の図に示すチップ実装部位
に位置しているアンテナ部2間にICチップ5の図示し
ない接続端子を突き刺さして導通するなどの方法により
ICチップ5を実装する。 (F)工程で、実装したICチップ5にフェノール樹
脂、ポリエステル樹脂などのポリマー部材6からなる熱
硬化型絶縁インクを、ポッティング方式にて被覆した
後、硬化させてICチップ5を封止して非接触ICメデ
ィアを形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようにして形成さ
れたICメディアは、取り扱い中あるいは製造工程など
において生じる静電気によって通信が妨げられたり、場
合によってはICチップ5が劣化あるいは破壊されるな
どの不都合を生じることがあった。
【0005】上記の問題を解決するためにシート基材に
帯電防止剤を添加する方法やシート基材の表面に帯電防
止剤を塗布する方法が開発されたが、シート基材に帯電
防止剤を添加する方法は帯電防止効果は得られるもの
の、シート基材の物理的強度が低下し、ICチップの故
障や形状変化による不良を生じ易くなるという新たな問
題が発生する。
【0006】一方、シート基材の表面に帯電防止剤を塗
布する方法は、シート基材の物理的強度は低下しない
が、使用を重ねるうちにシート基材の表面に塗布された
帯電防止剤が剥がれたり、水などで溶出したりしてしま
い、帯電防止効果が薄れてしまうという問題が発生す
る。
【0007】本発明の目的は、従来の問題を解決し、シ
ート基材の物理的強度を低下させることなく、取り扱い
中あるいは製造工程などにおいて生じる静電気によって
通信が妨げられたり、ICチップが劣化あるいは破壊さ
れるなどのない、長期にわたって永続する静電破壊防止
特性を有する接触型・非接触あるいはハイブリッド型の
ICカード・ラベル・タグ・フォームなどの情報記録媒
体やインターポーザ、インレットシートなどの情報記録
部材、ペーパーコンピュータ、さらには機器類に組み込
まれるIC基板などを含めた全般的な導電回路シートを
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、シート基材面に形
成された導電回路上に印刷により静電保護層を形成する
ことにより課題を解決できることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の請求項1記載の静電保
護層を有する導電回路シートは、シート基材面に形成さ
れた導電回路上に印刷による静電保護層が形成されてな
ることを特徴とする。
【0010】本発明の請求項2記載の静電保護層を有す
る導電回路シートは、請求項1記載の導電回路シートに
おいて、前記導電回路にICチップが実装されてなるこ
とを特徴とする。
【0011】本発明の請求項3記載の静電保護層を有す
る導電回路シートは、請求項1あるいは請求項2記載の
導電回路シートにおいて、前記導電回路がアンテナ回路
であることを特徴とする。
【0012】本発明の請求項4記載の静電保護層を有す
る導電回路シートは、請求項1から請求項3のいずれか
に記載の導電回路シートにおいて、前記静電保護層が絶
縁インクで構成されてなることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項5記載の静電保護層を有す
る導電回路シートは、請求項1から請求項3のいずれか
に記載の導電回路シートにおいて、前記静電保護層が帯
電防止剤を含有してなることを特徴とする。
【0014】本発明の静電保護層を有する導電回路シー
トは、シート基材面に形成された導電回路上に絶縁イン
クや帯電防止剤を含有する絶縁インクを用いて印刷によ
り静電保護層が形成されてなるので、シート基材の物理
的強度を低下させることがなく、取り扱い中あるいは製
造工程などにおいて生じる静電気によって通信が妨げら
れたり、ICチップが劣化あるいは破壊されるなどがな
く、長期にわたって永続する静電破壊防止特性を有す
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1を参照
しつつ詳細に説明する。図1は、本発明の静電保護層を
有する導電回路シートの1実施形態である非接触型IC
メディアを製造する工程を説明図である。 (A)工程で、紙、プラスチックなどの絶縁体からなる
シート基材1を用意する。 (B)工程で、シート基材1面の所定部に、導電インク
を用いてスクリーン印刷して硬化乾燥するなどの方法に
より図に示すパターンを有するアンテナ部2を形成す
る。 (C)工程で、アンテナ部2の所定部に絶縁インクを用
いて印刷後、硬化乾燥するなどの方法により図に示す絶
縁部3を形成する。 (D)工程で、絶縁部3を形成後、この絶縁部3の上に
導電インクを用いてスクリーン印刷して硬化乾燥するな
どの方法によりジャンパ部4を形成して、図中の2つの
アンテナ部2間を導通して接続する。 (E)工程で、シート基材1の図に示すチップ実装部位
に位置しているアンテナ部2間にICチップ5の図示し
ない接続端子を突き刺さして導通するなどの方法により
ICチップ5を実装する。 (F)工程で、実装したICチップ5にフェノール樹
脂、ポリエステル樹脂などのポリマー部材6からなる熱
硬化型絶縁インクを、ポッティング方式にて被覆した
後、硬化させてICチップ5を封止する。 (G)工程で、アンテナ部2およびジャンパー部4の上
に絶縁インクを用いて印刷後、必要に応じて硬化乾燥す
るなどの方法により静電保護層7(厚さは特に限定され
ないが、例えば厚さ約5〜20μm)を形成して非接触
ICメディアを形成する。
【0016】厚さ10μmの静電保護層7をエポキシ系
熱硬化性樹脂型絶縁インクを用いて形成した場合と、厚
さ30μmのPETフィルム(ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム、表面比抵抗1010Ωcm、東レ社製、1
00X21)を貼り付けて静電保護層7を形成した場合
と、ホットメルト接着剤を用いて静電保護層7を形成し
た場合と、厚さ10μmの静電保護層7を樹脂分に対し
て黒鉛粉末を2質量%配合したエポキシ系熱硬化性樹脂
型絶縁インクを用いて形成した場合と、静電保護層7を
形成しなかった場合について、ICチップ5を介在させ
てアンテナ部2間に20KVあるいは30KVの静電圧
を印加するテストを行った。テストの結果、静電保護層
7を形成しなかった場合は、テストした非接触ICメデ
ィアの内、ICチップ5が破壊され不良品となった非接
触ICメディアは0.1%であったのに対し、静電保護
層7を形成した場合はいずれもICチップ5が破壊され
ず、不良品となった非接触ICメディアは0であった。
【0017】上記の実施形態では、(G)工程で静電保
護層7を形成した例を示したが、これに限定されず
(F)工程で静電保護層7を形成してもよく、あるいは
(B)〜(E)工程で静電保護層7の一部を形成してお
き、後の工程で残りの静電保護層7を形成してもよく、
これらの組み合わせでもよい。
【0018】本発明で用いるシート基材1の素材として
は、ガラス繊維、アルミナ繊維、ポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維などの無機または有機繊維からなる織布、
不織布、マット、紙あるいはこれらを組み合わせたも
の、あるいはこれらに樹脂ワニスを含浸させて成形した
複合基材、ポリアミド系樹脂基材、ポリエステル系樹脂
基材、ポリオレフィン系樹脂基材、ポリイミド系樹脂基
材、エチレン・ビニルアルコール共重合体基材、ポリビ
ニルアルコール系樹脂基材、ポリ塩化ビニル系樹脂基
材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基材、ポリスチレン系樹
脂基材、ポリカーボネート系樹脂基材、アクリロニトリ
ルブタジエンスチレン共重合系樹脂基材、ポリエーテル
スルホン系樹脂基材などのプラスチック基材、あるいは
これらにコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処
理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理およびオゾ
ン処理などの表面処理を施したもの、などの公知のもの
から選択して用いることができる。
【0019】上記アンテナ部2やジャンパ部4の形成や
絶縁部3の形成はそれぞれ公知の方法で行うことができ
る。例えば、アンテナ部2やジャンパ部4の形成は導電
インクをスクリーン印刷やインクジェット方式印刷によ
り印刷して乾燥固定化する方法、被覆あるいは非被覆金
属線の貼り付け、エッチング、デイスペンス、金属箔貼
り付け、金属の直接蒸着、金属蒸着膜転写、導電高分子
層形成などが挙げられる。絶縁部3の形成としては絶縁
インクをスクリーン印刷やインクジェット方式印刷によ
り印刷して乾燥固定化する方法、絶縁フィルムの貼り付
けなどが挙げられる。
【0020】ICチップの実装は、ワイヤーボンデイン
グ(WB)を始めとして、異方性導電フィルム(AC
F)、導電ペースト(ACP)、絶縁樹脂(NCP)、
絶縁フィルム(NCF)、クリーム半田ボールを用いた
ものなど、公知の方法で接続できる。必要であれば、公
知のアンダーフィル材あるいはポッティング材による接
続部の保護・補強を行ってもよい。
【0021】本発明で用いる導電インクや絶縁インクの
ビヒクル素材としては、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性
樹脂あるいは紫外線、電子線などにより硬化するもの、
天然ゴム、合成ゴムなど、あるいはこれらの組み合わせ
からなるものを挙げることができる。導電インクの例と
しては、これらのビヒクル素材に銀粉、アルミニウム粉
などの導電性粉末を配合して導電性を付与したものを挙
げることができる。これらの導電インクや絶縁インクの
形態は、溶液に溶かした溶液型のほか、水系エマルジョ
ン型、加熱溶融塗布後冷却で固化するホットメルト型、
液状オリゴマーや単量体などを塗布後、加熱や紫外線、
電子線などの放射線の照射により硬化するものなどがあ
るが、いずれも使用できる。
【0022】本発明において静電保護層を形成するため
に用いる絶縁インクは上記絶縁インクを用いることがで
きるが、好ましくは下記の熱硬化性あるいは放射線硬化
性樹脂を用いることが望ましい。具体的には、例えば、
アクリレート化合物、メタクリレート化合物、プロペニ
ル化合物、アリル化合物、ビニル化合物、アセチレン化
合物、不飽和ポリエステル類、エポキシポリ(メタ)ア
クリレート類、ポリ(メタ)アクリレートポリウレタン
類、ポリエステルポリオールポリ(メタ)アクリレート
類、ポリエーテルポリオールポリ(メタ)アクリレート
類、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒ
ドロフルフリル(メタ)アクリレート、スチレン、α−
アルキルスチレン、その他のエポキシ化合物などの熱硬
化性あるいは放射線硬化性の硬化性樹脂を挙げることが
できる。これらは2種以上を混合して用いてもよい。
【0023】必要に応じて、液状ポリブテン、鉱油、液
状ポリイソブチレン、液状ポリアクリル酸エステル、粘
着付与剤、ロジンおよびロジン誘導体、ポリテルペン樹
脂、テルペンフェノール樹脂、石油樹脂などを添加する
ことができる。また必要に応じて有機溶剤で希釈するこ
ともできる。
【0024】本発明においては1分子中に2個以上のエ
ポキシ基を有し、硬化して樹脂状になるエポキシ化合物
を好ましく使用できる。本発明で用いるエポキシ化合物
の具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキ
シ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、テトラ
ブロモビスフェノールA型エポキシ化合物、フェノール
ノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型
エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合
物、脂環式エポキシ化合物、ヒダントイン型エポキシ化
合物など、これらの2種以上の混合物などを挙げること
ができる。
【0025】本発明においては、エポキシ化合物に反応
性希釈剤を添加してもよい。反応性希釈剤としては1分
子中に1個または2個以上のエポキシ基を有する常温で
比較的低粘度のエポキシ化合物が好ましく使用でき、目
的に応じて、エポキシ基以外に、他の重合性官能基、例
えばビニル基、アリル基などのアルケニル基、(メタ)
クリロイル基などの不飽和カルボン酸基などを有してい
てもよい。
【0026】本発明で用いる硬化剤としては、フェノー
ル樹脂、酸無水物、アミン系化合物などを用いることが
できる。フェノール樹脂としては、フェノールノボラッ
ク樹脂、クレゾーロノボラック樹脂、ナフトール変性フ
ェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹
脂、パラキシレン変性フェノール樹脂などが例示される
が、これらに限定されるものではない。エポキシ化合物
と硬化剤のフェノール樹脂の配合割合は、エポキシ化合
物中のエポキシ基1当量あたり、フェノール樹脂中のO
H当量が0.3〜1.5当量となることが好ましく、
0.5〜1.2当量がさらに好ましい。
【0027】酸無水物としては、メチルテトラヒドロフ
タル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ア
ルキル化テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフ
タル酸無水物、無水メチルハイミック酸、無水ドデセニ
ルコハク酸などが例示される。エポキシ化合物と酸無水
物の配合割合は、エポキシ化合物中のエポキシ基1当量
あたり、酸無水物当量が0.6〜1.0となることが好
ましい。
【0028】アミン化合物としては、脂肪族ポリアミ
ン、芳香族アミン、ポリアミノアミド、ポリアミノイミ
ド、ポリアミノエステル、ポリアミノ尿素などの変性ポ
リアミンが例示されるが、これらに限定されるものでは
ない。第三級アミン系、イミダゾール系、ヒドラジド
系、ジシアンジアミド系、メラミン系の化合物も用いる
ことができる。エポキシ化合物とアミン化合物の配合割
合は、エポキシ化合物中のエポキシ基1当量あたり、ア
ミン当量が0.6〜1.0となる量が好ましい。
【0029】本発明において静電保護層を形成するため
に用いる絶縁インクに、必要に応じて可撓性付与剤を配
合することができる。可撓性付与剤としては、具体的に
は、例えば、ポリエステル系可撓性付与剤、アクリル系
可撓性付与剤、ウレタン系可撓性付与剤、ポリ酢酸ビニ
ル系可撓性付与剤、熱可塑性エラストマー系可撓性付与
剤、天然ゴム系可撓性付与剤、合成ゴム系可撓性付与剤
およびこれらの2種以上の混合物を挙げることができ
る。これらはいずれも使用できるが、これらの中でもポ
リエステルポリオール、ポリビニルアルキルエーテルお
よびこれらの2種以上の混合物は効果が大きいので好ま
しく使用できる。
【0030】本発明において静電保護層を形成するため
に用いる絶縁インクへの可撓性付与剤の配合量は、可撓
性付与剤の種類にもよるが、可撓性、柔軟性を付与でき
る範囲であれば、特に限定されるものではないが、樹脂
分全体に対して30〜70質量%の範囲に設定すること
が好ましい。30質量%未満では可撓性、柔軟性を付与
できない恐れがあり、逆に70質量%を越えると接着強
度が低下する恐れがある。
【0031】本発明において静電保護層を形成するため
に用いる絶縁インクへ帯電防止剤を配合することができ
る。本発明において使用する帯電防止剤は、帯電防止剤
を配合した絶縁インクを用いて印刷により導電回路上に
形成した静電保護層が静電気による通信妨害やICチッ
プの劣化あるいは破壊から導電回路を保護できるもので
あればよく、有機系帯電防止剤でも無機系帯電防止剤で
もあるいはこれらの混合物でもよく特に限定されない。
【0032】無機系帯電防止剤としては、具体的には、
例えば、カーボンブラック、黒鉛粉末、炭素繊維、金属
粉末、金属繊維、溶融塩、半導体などを挙げることがで
きる。
【0033】有機系帯電防止剤としては、具体的には、
例えば、長鎖アミン・アミド・第4級アンモニウム塩な
どの含窒素化合物、脂肪酸のエステルとその誘導体、ス
ルホン酸やアルキル芳香族スルホン酸塩、ポリオキシエ
チレン誘導体、ポリグリコールとその誘導体、多価アル
コールとその誘導体、リン酸誘導体、カチオン系界面活
性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、非イン
オン系界面活性剤などを挙げることができる。
【0034】帯電防止剤の配合量は、帯電防止剤の種類
にもよるが、多いほど静電保護には良いがあまり多すぎ
ると絶縁性が損なわれるので、上限値は絶縁性が損なわ
れない値であり、下限値は導電回路上に形成した静電保
護層が静電気による通信妨害やICチップの劣化あるい
は破壊から導電回路を保護できる値とすることが好まし
い。黒鉛粉末の場合は経済性も考慮して例えば、樹脂分
全体に対して2〜3質量%程度配合することが好まし
い。
【0035】本発明においては絶縁インクにさらに必要
に応じて充填剤を配合することができる。充填剤として
はシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化チタン、カ
ーボンブラックなどの無機系微粒子でもよく、各種ポリ
マー粉末などの有機系微粒子でもよく、あるいは両者の
2種以上の混合物でもよい。
【0036】本発明において絶縁インクや帯電防止剤を
配合した絶縁インクは、凸版印刷、グラビア印刷法など
の凹版印刷、オフセット方式などの平板印刷、スクリー
ン印刷およびインクジェット方式その他の通常用いられ
る印刷方法を用いて導電回路上のみに、あるいは導電回
路が形成されているシート基材の全面に、あるいは導電
回路上および基材の所定部上に、単に印刷して必要に応
じて乾燥したり、電子線や紫外線などの放射線を照射し
て硬化させて静電保護層を形成することができる。
【0037】なお、上記実施形態の説明は、本発明を説
明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発
明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本
発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範
囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の静電保護層を有
する導電回路シートは、シート基材面に形成された導電
回路上に印刷による静電保護層が形成されてなるので、
構成が簡単で安価であり、シート基材の物理的強度を低
下させることなく、長期にわたって永続する静電破壊防
止特性を有するという顕著な効果を奏する。
【0039】本発明の請求項2記載の静電保護層を有す
る導電回路シートは、請求項1記載の導電回路シートに
おいて、前記導電回路にICチップが実装されてなるの
で、請求項1記載の導電回路シートと同じ効果を奏する
とともに、取り扱い中あるいは製造工程などにおいて生
じる静電気によって通信が妨げられず、ICチップが劣
化あるいは破壊ないというさらなる顕著な効果を奏す
る。
【0040】本発明の請求項3記載の静電保護層を有す
る導電回路シートは、請求項1あるいは請求項2記載の
導電回路シートにおいて、前記導電回路がアンテナ回路
であるので、請求項1あるいは請求項2記載の導電回路
シートと同じ効果を奏するとともに、非接触型ICカー
ド、タグ、ラベルなどのように非接触状態でデータの送
受信を行ってデータの記録、消去などが行える情報記録
媒体の用途に用いられる非接触型ICメディア(RF−
ID)として有用であるというさらなる顕著な効果を奏
する。
【0041】本発明の請求項4記載の静電保護層を有す
る導電回路シートは、請求項1から請求項3のいずれか
に記載の導電回路シートにおいて、前記静電保護層が絶
縁インクで構成されてなるので、請求項1〜請求項3に
記載の導電回路シートと同じ効果を奏するとともに、静
電保護層を容易に形成できるというさらなる顕著な効果
を奏する。
【0042】本発明の請求項5記載の静電保護層を有す
る導電回路シートは、請求項1から請求項3のいずれか
に記載の導電回路シートにおいて、前記静電保護層が帯
電防止剤を含有してなるので、請求項1〜請求項3に記
載の導電回路シートと同じ効果を奏するとともに、静電
保護層を容易に形成できるというさらなる顕著な効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(G)は本発明の静電保護層を有する
導電回路シートの1実施形態である非接触型ICメディ
アを製造する工程を説明する説明図である。
【図2】(A)〜(F)は従来の非接触型ICメディア
を製造する工程を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 シート基材 2 アンテナ部 3 絶縁部 4 ジャンパ部 5 ICチップ 6 ポリマー部材 7 静電保護層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート基材面に形成された導電回路上に
    印刷による静電保護層が形成されてなることを特徴とす
    る静電保護層を有する導電回路シート。
  2. 【請求項2】 前記導電回路にICチップが実装されて
    なることを特徴とする請求項1記載の静電保護層を有す
    る導電回路シート。
  3. 【請求項3】 前記導電回路がアンテナ回路であること
    を特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の静電保護
    層を有する導電回路シート。
  4. 【請求項4】 前記静電保護層が絶縁インクで構成され
    てなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれ
    かに記載の静電保護層を有する導電回路シート。
  5. 【請求項5】 前記静電保護層が帯電防止剤を含有して
    なることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか
    に記載の静電保護層を有する導電回路シート。
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