JP2003282994A - 積層型圧電体素子の製造方法 - Google Patents

積層型圧電体素子の製造方法

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JP2003282994A JP2002088842A JP2002088842A JP2003282994A JP 2003282994 A JP2003282994 A JP 2003282994A JP 2002088842 A JP2002088842 A JP 2002088842A JP 2002088842 A JP2002088842 A JP 2002088842A JP 2003282994 A JP2003282994 A JP 2003282994A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラックやデラミネーションなどの欠陥が少
なく,耐久性に優れ,生産効率に優れ,コスト安である
積層型圧電体素子の製造方法を提供すること。 【解決手段】 大型未焼シートに内部電極層用印刷部3
31,接着層35を印刷形成し,大型未焼シートより第
1の未焼シート310を打ち抜くと同時に積層圧着して
第1の未焼部21となし,続いて圧電層用未焼シート3
32を打ち抜くと同時に積層圧着して第1の未焼部21
に積層して第3未焼部23を形成し,更に第2の未焼シ
ート320を打ち抜くと同時に積層圧着して第3の未焼
部23に積層して第2の未焼部21として得た未焼積層
体2を焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【技術分野】本発明は,圧電層と内部電極層とを交互に
積層して構成した駆動層の両端に第1と第2の保護層を
備えた積層型圧電体素子の製造方法に関する。 【0002】 【従来技術】圧電層と内部電極層とを交互に積層した駆
動層と,該駆動層における積層方向の両端に設けた第1
と第2の保護層とよりなる圧電体素子が知られている。
近年,自動車エンジンにおける燃料噴射装置の駆動源と
して上記圧電体素子を使用することがある。この用途に
用いる圧電体素子は低電圧で高い出力が得られ,かつ信
頼性,耐久性に優れていることが必要である。このよう
な用途に供する圧電体素子は,圧電層の厚みを薄く,圧
電層の積層枚数を非常に多くして(数百層),高い出力
を発揮できるよう構成することが多い。 【0003】 【解決しようとする課題】ところで,上記駆動層の両端
に第1,第2の保護層を設けた積層型圧電体素子は,焼
成を終えた駆動層に別途作成した保護層を後工程によっ
て接着して作製することが多い(後述する比較例参
照)。 【0004】しかしながら,この方法により設けた保護
層にはいくつか問題点がある。 (1)後工程を行う分手間がかかり,生産効率やコスト
の点で不利である。 (2)圧電体素子の出力が保護層との接着部分で減少す
るおそれがある。 (3)自動車内燃機関の燃料噴射用という過酷な使用環
境では,保護層を接着するだけでは剪断力を十分に緩和
できない。 【0005】また,他の保護層の形成方法として,特開
平8−8471にプレス成形体として保護層を作成し,
これを焼成前の駆動層に圧着し両者を共に一体焼成する
方法が提示されている。しかし,積層枚数が非常に多く
数百層に達する圧電体素子では焼成時の駆動層と保護層
との間の収縮率の差から変形が発生し,デラミネーショ
ン(層間剥離)が生じるおそれがある。 【0006】また,特開平9−270540に示す圧電
体素子は保護層も駆動層と同じ構成である。すなわち,
駆動層と同様に保護層も圧電層と内部電極層とが交互に
積層された状態にあるが,駆動層と異なり保護層は外部
から電源を供給するための側面電極などを持っていな
い。よって,保護層の圧電層は伸縮しない。 【0007】この構成の積層型圧電体素子での問題は,
駆動層を構成する圧電層が非常に薄い場合は強度高い保
護層が得られない点,また保護層の内部電極層に用いた
電極材料が無駄になり,特に電極材料として使用する銀
・パラジウムが高価で経済的でない点である。 【0008】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,クラックやデラミネーションなどの欠陥
が少なく,耐久性に優れ,生産効率に優れ,コスト安で
ある積層型圧電体素子の製造方法を提供しようとするも
のである。 【0009】 【課題の解決手段】本発明は,圧電層と内部電極層とを
交互に積層した駆動層と該駆動層の積層方向の両端面に
それぞれ第1と第2の保護層を備えた積層型圧電体素子
を,第1未焼シートを所定の枚数接着層を介して積層し
た第1保護層用の第1未焼部と,該第1未焼部に対し内
部電極層用印刷部を設けた圧電層用未焼シートを所定の
枚数接着層を介して積層した第3未焼部と,該第3未焼
部に対し第2未焼シートを所定の枚数接着層を介して積
層した第2保護層用の第2未焼部とよりなる未焼積層体
を焼成することにより製造する方法であって,上記未焼
積層体を得るにあたり,少なくとも積層型圧電体素子を
1個作製することが可能な分量の第1及び第2未焼シー
ト,圧電層用未焼シートを採取可能な大きさを有する大
型未焼シートを準備し,上記大型未焼シートにおいて圧
電層用未焼シートとなる部分に内部電極層用印刷部を印
刷形成し,上記大型未焼シートにおいて第1及び第2未
焼シート,圧電層用未焼シートとなる部分に接着層を印
刷形成し,次いで,上記大型未焼シートより第1の未焼
シートを打ち抜くと同時に所定の枚数を積層圧着して第
1の未焼部となし,続いて圧電層用未焼シートを打ち抜
くと同時に所定の枚数を第1の未焼部に積層圧着して第
3未焼部を形成し,更に続いて第2の未焼シートを打ち
抜くと同時に所定の枚数を第3の未焼部に積層圧着して
第2の未焼部とすることを特徴とする積層型圧電体素子
の製造方法にある(請求項1)。 【0010】本発明の作用効果につき説明する。本発明
にかかる製造方法では,焼成して第1と第2の保護層,
駆動層となる第1と第2の未焼シート,圧電層用未焼シ
ートを1枚の大型未焼シートより採取する。同じシート
から採取するため,材質や性状に違いが少なく,焼成時
に保護層にかかる部分と駆動層にかかる部分との間で焼
成収縮差が生じ難く,これに起因するクラックやデラミ
ネーションなどを防止することができ,強度低下も生じ
難い。 【0011】また,接着層を利用して各第1と第2の未
焼シート,圧電層用未焼シートを接着するため,第1,
第2の未焼シート,圧電層用未焼シートの圧着時に加え
る圧力を下げることができる。接着の圧力が大きくなる
ことで,未焼シート内に欠陥などが発生し,焼成後のマ
イクロクラックの原因となる。低圧力で接着可能となる
本発明の製造方法によれば上記問題を防ぐことができ
る。よって,上記問題に起因するクラックやデラミネー
ションなどを防止することができ,積層型圧電体素子の
強度低下も生じ難い。 【0012】また,本発明にかかる製造方法では,第
1,第2の未焼シートや圧電層用未焼シートを大型未焼
シートから打ち抜くと同時に積層して未焼積層体を構成
する。よって,大型未焼シートから採取する工程と積層
する工程とを別々に行う必要がない。従って,未焼積層
体の製作効率が高まり,生産速度も向上する。よって,
製作コストも安価となる。さらに,保護層は圧電層と同
じ材料で構成され,内部電極層のような高価な材料を含
まないため,原料コストが安価となる。 【0013】以上,本発明によれば,クラックやデラミ
ネーションなどの欠陥が少なく,耐久性に優れ,生産効
率に優れ,コスト安である積層型圧電体素子の製造方法
を得ることができる。 【0014】 【発明の実施の形態】上記第1の発明(請求項1)にお
いて圧電層及び第1及び第2の保護層は,通常圧電体素
子で用いる誘電材料にて構成することができる。多く利
用されるのはPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)である
が,他の材料を用いることもできる。また,内部電極層
はPt,Agなどの各種電極材料を使用することができ
る。 【0015】また,上記接着層は,圧電層や第1,第2
の保護層と同じまたは似た材料より構成したペーストよ
り構成することが好ましい。接着層の性状が圧電層,第
1,第2の保護層と異なる場合は焼成収縮などにより,
クラックやデラミネーションが生じるおそれがある。 【0016】また,上記接着層の厚みは乾燥厚みで3〜
17μmとすることが好ましい。乾燥厚みとは,印刷形
成した直後ではなく,乾燥収縮を終えた後の厚みであ
る。この厚みが3μm未満である場合は,大型未焼シー
ト等に接着層の液状の成分(バインダーなど)が浸透
し,接着する前に乾燥しきって接着力が失われるおそれ
がある。また,3μm未満の接着層は印刷形成すること
が困難である。さらに,17μmより厚い場合は,印刷
形成が難しく,積層後に側面からはみ出すおそれがあ
る。なお,接着層は7μmとすることがより好ましい。 【0017】また,上記大型未焼シートの長手方向は積
層型圧電体素子を少なくとも1個作製するに必要な枚数
の第1,第2未焼シート,圧電層用未焼シートを採取で
きるだけの長さを備えることが好ましい。生産効率の点
から,長尺の大型未焼シートを準備して,連続的に多数
の未焼積層体を作製することが好ましい(実施例参
照)。 【0018】 【実施例】以下に,図面を用いて本発明の実施例につい
て説明する。 (実施例)本例は,図1に示すごとく,圧電層132と
内部電極層131とを交互に積層した駆動層13と該駆
動層13の積層方向の両端面にそれぞれ第1と第2の保
護層11,12を備えた積層型圧電体素子1を製造する
方法について説明する。 【0019】この方法は,図2に示すごとく,第1未焼
シート310を所定の枚数接着層35を介して積層した
第1保護層11用の第1未焼部21と,該第1未焼部2
1に対し内部電極層用印刷部331を設けた圧電層用未
焼シート332を所定の枚数接着層35を介して積層し
た第3未焼部23と,該第3未焼部23に対し第2未焼
シート320を所定の枚数接着層35を介して積層した
第2保護層12用の第2未焼部22とよりなる未焼積層
体2を焼成することにより,積層型圧電体素子1を製造
する方法である。 【0020】上記未焼積層体2を得る方法を簡単に説明
する。図2〜図8に示すごとく,少なくとも積層型圧電
体素子1を1個作製することが可能な分量の第1及び第
2未焼シート310,320,圧電層用未焼シート33
2を採取可能な大きさを有する大型未焼シート30を準
備する。上記大型未焼シート30において圧電層用未焼
シート332となる部分に内部電極層用印刷部331を
印刷形成し,上記大型未焼シート30において第1及び
第2未焼シート310,320,圧電層用未焼シート3
32となる部分に接着層35を印刷形成する。 【0021】そして,上記大型未焼シート30より第1
の未焼シート310を打ち抜くと同時に積層圧着して第
1未焼部21となし,続いて圧電層用未焼シート332
を打ち抜くと同時に積層圧着して第1の未焼部21に積
層して第3未焼部23を形成し,更に第2の未焼シート
320を打ち抜くと同時に積層圧着して第3の未焼部2
3に積層して第2の未焼部22となす。これにより,図
2にかかる,第1未焼部21,第3未焼部23,第2未
焼部22からなる未焼積層体2を得る。 【0022】以下,詳細に説明する。本例にかかる積層
型圧電体素子1は,図1に示すごとく,第1の保護層1
1と第2の保護層12との間に駆動層13を有する構成
で,駆動層13は圧電層132と内部電極層131とが
交互に積層した構成,また第1及び第2の保護層11,
12は,圧電層132と同じ組成のセラミック層11
0,120が積層した構成である。 【0023】駆動層13における内部電極層131は圧
電層132表面の一部を覆う部分電極であり,積層型圧
電体素子1の側面101と102に対し,内部電極層1
31の端面135が圧電層132の一層おきに露出す
る。積層型圧電体素子1の側面101,102には側面
電極14が設けてあり,各側面101,102に露出し
た内部電極層131の端面135は側面電極14により
電気的な導通が確保される。側面電極14は導電性ペー
スト140によりリード端子141と接続し,リード端
子141は図示を略した外部電源と接続する。 【0024】上記駆動層13の圧電層132,第1及び
第2保護層11,12はPZT,内部電極層131はP
t・Agよりなる。また,以下に記述するように未焼積
層体の状態では,圧電層132や第1,第2の保護層1
1,12を構成するセラミック層110,120の間は
すべて接着層35で接着されているが,この接着層35
は圧電層132やセラミック層110,120と同組成
であるため,焼成後は圧電層132やセラミック層11
0,120と略一体化する。よって,図1の記載では省
略した。 【0025】また,本例の駆動層13や第1,第2の保
護層11,12の積層枚数は,駆動層13は圧電層13
2が100μm(焼成前)で100枚積層,第1,第2
の保護層11,12はセラミック層110,120が1
00μm(焼成前)で各5枚づつ積層した。図面は見や
すさを優先して積層枚数を少なく記載した。 【0026】次に,本例の製造方法の詳細について説明
する。図3(a)に示すごとく,大型未焼シート30を
準備する。PZTよりなる平均粒径0.5μmのセラミ
ック材料を1000g準備する。これにPVB(ポリビ
ニルブチラール)よりなるバインダーを40gと適量の
溶剤を添加してスラリーを得る。上記スラリーをドクタ
ーブレード法で成形して,厚さ100μmの大型未焼シ
ート30を得る。この大型未焼シート30の幅は圧電層
132等が数枚採取できる程度の長さ,長尺方向は本例
の未焼成形体2の数個〜数十個分に相当する圧電層13
2等が採取できる程度の長さとする。 【0027】次に,大型未焼シート30に,図3(b)
や図4に示すごとく,厚さ6μmの内部電極層用印刷部
331を設ける。上記内部電極層用印刷部331は,P
dとAgとよりなる平均粒径0.5μmの電極材料を1
000g準備し,これにPVB(ポリビニルブチラー
ル)よりなるバインダーを40gと適量の溶剤を添加し
て内部電極層用スラリーとし,スクリーン印刷を利用し
て形成する。 【0028】スクリーン印刷について説明する。図5に
示すごとく,二つのローラー41,43の間にガイド4
2を配置した搬送装置49上にキャリアフィルム45を
配置する。上記キャリアフィルム45上に内部電極層用
のスラリーを盛った印刷マスク4を配置する。この印刷
マスク4は枠体40と該枠体40内に張ったスクリーン
41よりなり,スクリーン41は内部電極層用印刷部3
31の形状にスラリーを落とすための印刷孔402を持
つ。そして,上記印刷マスク4上からキャリアフィルム
45上に配した大型未焼シート30にスラリーを落とし
て所定の形状の内部電極層用印刷部331を多数形成す
る。 【0029】またスクリーン印刷の代わりに次の方法で
印刷部を形成することもできる。図6に示すごとく,二
つのローラー41,43の間にガイド42を配置した搬
送装置49上にキャリアフィルム45を配置する。上記
キャリアフィルム45上に内部電極層用のスラリーを噴
出可能としたジェットノズル46を設置して,ジェット
ノズル46から内部電極層用のスラリーをキャリアフィ
ルム45に配した大型未焼シート30に射出し,所定の
形状の内部電極層用印刷部331を多数形成する。 【0030】ところで大型未焼シート30の使い方を図
4を用いて説明する。まず大型未焼シート30は次のよ
うな領域を有する。すなわち,第1保護層用領域301
は第1保護層11となるセラミック層110用の第1未
焼シート310の採取場所,第2保護層用領域302は
第2保護層12となるセラミック層120用の第2未焼
シート320の採取場所となる。また駆動層用領域30
3は駆動層13となる圧電層用未焼シート332を採取
する部分で,内部電極層131は駆動層13にしか存在
しないため,内部電極層用印刷部331は駆動層用領域
303にのみ設ける。 【0031】このように大型未焼シート30は,第1保
護層用採取領域301,駆動層用採取領域303,第2
保護層用採取領域302に区分できる。これら三つの領
域をあわせた領域300が積層型圧電体素子1の1個分
に相当する第1,第2未焼シート310,320及び圧
電層用未焼シート332を得る場所となる。 【0032】本例の製造方法では,図4にA列として示
したように,1個の積層型圧電体素子1にかかる領域3
00が大型未焼シート30の長手方向に沿って一列に多
数確保される。そして,大型未焼シート30の幅方向に
位置を揃えて,上記領域300が配列して確保される。 【0033】なお,各領域は説明上記載したもので,実
際の未焼積層体2作製の際は,点線で囲った第1未焼シ
ート310,圧電層用未焼シート332,第2未焼シー
ト320にかかる部分のみが打ち抜かれる。 【0034】次いで,内部電極層用印刷部331を設け
た大型未焼シート30に対し,図3(c)に示すごと
く,厚さ11μmの接着層35を設ける。接着層用のス
ラリーは,PZT(大型未焼シートで用いたものと同じ
材料)よりなる平均粒径0.6μmのセラミック材料を
100g準備し,これにPVBよりなるバインダーを1
2g添加して作製する。 【0035】この接着層用スラリーを前述した図5や図
6に示す方法と同様にして大型未焼シート30に印刷
し,接着層35となす。この接着層35は第1未焼シー
ト310,圧電層用未焼シート332,第2未焼シート
320と同じ大きさ,形状である。または,複数の内部
電極層用印刷部の全体を被覆するように接着層35を設
けることもできる。 【0036】次いで,大型未焼シート30より第1,第
2未焼シート310,320や圧電層用未焼シート33
2を打ち抜き,該打ち抜きと同時に積層して未焼積層体
2を得る。図3(d)に打ち抜かれた状態での第1,第
2の未焼シート310,320,圧電層用未焼シート3
32を示す。本例の製法では打ち抜きと同時に積層して
しまうため,図3(d)のように各未焼シートが単独の
状態となることはないが,説明のために図示した。 【0037】上記打ち抜きと積層は図7及び図8に示す
ごとき,打ち抜き積層装置6を用いて行った。この装置
6は,大型未焼シート30の打ち抜きを行うパンチ61
と,該パンチ61により打ち抜かれた第1,第2未焼シ
ート310,320や圧電層用未焼シート332を積層
すると共に積層途中の未焼積層体2を支持するホルダ6
4とよりなり,大型未焼シート30の下側に配置する下
型62,上側に配置するダイ型63とを備える。 【0038】パンチ61は大型未焼シート30の幅方向
に対して同時に複数の第1未焼シート310等を打ち抜
くために,支承部610により連結した複数のパンチ部
619を備えた構成を有する。また,ホルダ64も,支
承部640によって連結した複数のホルダ部641を備
える。ホルダ部641は,図8に示すごとく,未焼積層
体2を支持する凹状部642と該凹状部642に連通す
る空気穴643を備える。 【0039】図示を略したポンプがホルダ部641の空
気穴643を通じて凹状部642の内部を吸引し,この
吸引力が未焼積層体2をホルダ部641に固定する。ま
た,図2や図8に示すように,未焼積層体2の最上面2
09と凹状部642の天井面644との間には未焼積層
体2をホルダ部641から容易に取り外すことができる
ようにダミーシート29を設ける。未焼積層体2の最上
面209は図2に示すごとく接着層35となるため,ダ
ミーシート29を設けないとホルダ部641に未焼積層
体2が強く接着してしまい,はずれなくなる可能性があ
る。 【0040】上記下型62は,パンチ部619の先端が
通過するガイド穴620を備える。また,上記ダイ型6
3もガイド穴630を備える。大型未焼シート30が上
記下型62とダイ型63との間にはさまれた状態で,パ
ンチ部619により第1,第2未焼シート310,32
0や圧電層用未焼シート332が打ち抜かれる。 【0041】上記装置6を用いた打ち抜き積層を説明す
る。すなわち,大型未焼シート30を打ち抜き積層装置
6の下型62とダイ型63との間に導入する。この状態
でパンチ部619を図面下方向から上方向へ移動し,大
型未焼シート30より第1,第2未焼シート310,3
20や圧電層用未焼シート332を打ち抜く。 【0042】図7に示すごとく,内側電極層印刷部33
1,接着層35を所定の場所に設けた大型未焼シート3
0をローラー450において,キャリアフィルム45と
剥離しつつ,打ち抜き積層装置6の下型62,ダイ型6
3との間に送り出した。そして,凹状部642内を図示
を略したポンプで吸引しながら,ここにダミーシート2
9をセットする。なお,ダミーシート29の装着はコレ
ット方式で行うこともできる。吸着させるにしろコレッ
ト方式にしろ,いずれの方式も量産時に適する。そし
て,大型未焼シート30における第1保護層用採取領域
301にかかる部分より順次打ち抜き積層を行う 【0043】打ち抜かれた第1未焼シート310はガイ
ド穴630を通過して,ホルダ64のダミーシート29
に対し圧接し,続く他の第1未焼シート310,圧電層
用未焼シート332,最後に第2の未焼シート320が
それぞれ所定の枚数圧着積層する。このようにしてホル
ダ64に未焼積層体2が形成される。なお,この積層圧
着の際の圧力はおよそ0.02〜0.1MPaとなる。 【0044】打ち抜きを終えて残った大型未焼シート3
0の残骸は,巻き取り機48によって回収する。また,
図6において,斜線を付した部分はこれから打ち抜こう
とする第1,第2未焼シート310,320,圧電層用
未焼シート332である。打ち抜き装置6より図面右側
の白抜きの箇所は打ち抜きを終えた跡である。 【0045】積層を終えた未焼積層体2はホルダ部64
1の凹状部642の吸引を行っているポンプを停止し
て,開放することで取り外すことができる。未焼積層体
2を外した後は一端大型未焼シート30を停止させ,ホ
ルダ部641に再びダミーシート29をセットする。そ
して再び大型未焼シート30を送出して,次の第1保護
層用採取領域301にかかる部分より再び順次打ち抜き
積層を行って,次の未焼積層体2を連続的に製造する。 【0046】そして,得られた未焼積層体2をバインダ
ーを除去するための加熱を行い,続いて温度1000℃
で2時間保持して焼成した。なお,ダミーシート29は
焼成時に焼失する素材より構成するため,後に残らな
い。そして,側面電極14,リード部141等を取り付
けて,本例にかかる積層型圧電体素子1を得た。 【0047】上記方法にして得た積層型圧電体素子1の
各部を観察したが,デラミネーションもクラックも生じ
ていなかった。また,上記と同じ製造方法で,駆動層1
3の圧電層132を250枚積層,第1,第2の保護層
11,12はセラミック層110,120を各10枚づ
つ積層して積層型圧電体素子1を作製した。このもの素
子についてもデラミネーションもクラックも生じていな
かった。 【0048】本例にかかる作用効果について説明する。
本例の製造方法では,焼成して第1と第2の保護層1
1,12,駆動層13となる第1と第2の未焼シート3
10,320,圧電層用未焼シート332を1枚の大型
未焼シート30より採取する。同じシートから採取する
ため,材質や性状に違いが少なく,焼成時に保護層1
1,12にかかる部分と駆動層13にかかる部分との間
で焼成収縮差が生じ難く,これに起因するクラックやデ
ラミネーションなどを防止することができ,強度低下も
生じ難い。 【0049】また,接着層35を利用して各第1と第2
の未焼シート310,320,圧電層用未焼シート33
2を接着するため,これらの未焼シートの積層圧着時に
加える圧力を下げることができる。接着の圧力が大きい
場合は,未焼シート内に欠陥などが発生し,焼成後のマ
イクロクラックの原因となる。低圧力で接着可能となる
本例を利用することで,上記問題を防ぐことができる。 【0050】また,本例にかかる製造方法では,第1,
第2の未焼シート310,320や圧電層用未焼シート
332を大型未焼シート30から打ち抜くと同時に積層
して未焼積層体2を構成する。よって,大型未焼シート
から採取する工程と積層する工程とを別々に行う必要が
なくて,製作効率が高まり,生産速度も向上する。よっ
て,製作コストも安価となる。さらに,第1,第2保護
層11,12は圧電層132とが同じ材料で構成され,
内部電極層131のような高価な材料を第1,第2保護
層11,12が含まないため,原料コストが安価とな
る。 【0051】以上,本例によれば,クラックやデラミネ
ーションなどの欠陥が少なく,耐久性に優れ,生産効率
に優れ,コスト安である積層型圧電体素子の製造方法を
得ることができる。なお,本例では大型未焼シート30
を下から上へと打ち抜いたが,反対に上から下へと打ち
抜いて,積層を行うこともできる。 【0052】(比較例)図9に示すごとき,積層型圧電
体素子9を次のように作製した。駆動部13を本例と同
様に作製するが,第1と第2の保護層91,92は,圧
電層132を作製する際に用いたPZTからスラリーを
作製し,これを射出成形して所定の大きさ,形状の未焼
体とした。焼成前の未焼シートを積層して構成した状態
の駆動部に上記未焼体を(1)接着層(実施例と同じも
のを利用する)で接合して未焼積層体を得る。または,
加圧治具に駆動部と上記未焼体を組み込み(2)80℃
で30分加圧後,圧力を30MPaにして1分間加圧し
て加圧接合して未焼積層体を得る。 【0053】上記(1),(2)により得た未焼積層体
を実施例と同じ条件で焼成したところ,(1)は保護層
と駆動層との間にクラックが生じ剥離するという問題が
起きてしまった。(2)は,高い加圧力にて加熱加圧接
合するため密度にバラツキが生じる。そのために焼成時
の収縮が均一でないとクラックが生じ,剥離するという
問題が起きてしまった。
【図面の簡単な説明】 【図1】実施例における,積層型圧電体素子の断面説明
図。 【図2】実施例における,未焼積層体の断面説明図。 【図3】実施例における,大型未焼シートに内部電極層
用印刷部,接着層を形成するプロセスの説明図。 【図4】実施例における,大型未焼シートに内部電極層
用印刷部を形成した状態の平面説明図。 【図5】実施例における,スクリーン印刷による内部電
極層用印刷部形成の説明図。 【図6】実施例における,ノズルからの噴射による内部
電極層用印刷部形成の説明図。 【図7】実施例における,打ち抜き積層の説明図。 【図8】実施例における,打ち抜き積層の要部説明図。 【図9】比較例における,積層型圧電体素子の断面説明
図。 【符号の説明】 1...積層型圧電体素子, 11...第1保護層, 12...第2保護層, 13...駆動層, 131...内部電極層, 132...圧電層, 2...未焼積層体, 21...第1未焼部, 22...第2未焼部, 23...第3未焼部, 30...大型未焼シート, 310...第1未焼シート, 320...第2未焼シート, 331...内部電極層用未焼部, 332...圧電層用未焼シート, 35...接着層,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 鉄次 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 圧電層と内部電極層とを交互に積層した
    駆動層と該駆動層の積層方向の両端面にそれぞれ第1と
    第2の保護層を備えた積層型圧電体素子を,第1未焼シ
    ートを所定の枚数接着層を介して積層した第1保護層用
    の第1未焼部と,該第1未焼部に対し内部電極層用印刷
    部を設けた圧電層用未焼シートを所定の枚数接着層を介
    して積層した第3未焼部と,該第3未焼部に対し第2未
    焼シートを所定の枚数接着層を介して積層した第2保護
    層用の第2未焼部とよりなる未焼積層体を焼成すること
    により製造する方法であって,上記未焼積層体を得るに
    あたり,少なくとも積層型圧電体素子を1個作製するこ
    とが可能な分量の第1及び第2未焼シート,圧電層用未
    焼シートを採取可能な大きさを有する大型未焼シートを
    準備し,上記大型未焼シートにおいて圧電層用未焼シー
    トとなる部分に内部電極層用印刷部を印刷形成し,上記
    大型未焼シートにおいて第1及び第2未焼シート,圧電
    層用未焼シートとなる部分に接着層を印刷形成し,次い
    で,上記大型未焼シートより第1の未焼シートを打ち抜
    くと同時に所定の枚数を積層圧着して第1の未焼部とな
    し,続いて圧電層用未焼シートを打ち抜くと同時に所定
    の枚数を第1の未焼部に積層圧着して第3未焼部を形成
    し,更に続いて第2の未焼シートを打ち抜くと同時に所
    定の枚数を第3の未焼部に積層圧着して第2の未焼部と
    することを特徴とする積層型圧電体素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007207881A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Denso Corp 積層型圧電素子及びその製造方法
CN112234138A (zh) * 2020-10-28 2021-01-15 中科传感技术(青岛)研究院 一种大尺寸多层压电陶瓷的制备方法

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CN112234138A (zh) * 2020-10-28 2021-01-15 中科传感技术(青岛)研究院 一种大尺寸多层压电陶瓷的制备方法
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