JP2003282971A - 熱電素子モジュールならびに半導体素子収納用パッケージおよび半導体モジュール - Google Patents

熱電素子モジュールならびに半導体素子収納用パッケージおよび半導体モジュール

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JP2003282971A
JP2003282971A JP2002078200A JP2002078200A JP2003282971A JP 2003282971 A JP2003282971 A JP 2003282971A JP 2002078200 A JP2002078200 A JP 2002078200A JP 2002078200 A JP2002078200 A JP 2002078200A JP 2003282971 A JP2003282971 A JP 2003282971A
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thermoelectric
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Michio Shinozaki
道生 篠崎
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Kyocera Corp
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
    • H01L2924/0002Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱電素子モジュールの熱電素子に熱応力が集
中してクラックが入ったり、絶縁体基板と金属部材の熱
抵抗が大きく、熱電素子モジュールおよびこれを使用し
た半導体モジュールの性能が低下する。 【解決手段】 一対の絶縁体基板2の間に、複数個の熱
電素子1の両端がそれぞれ金属部材3を介在させて接合
されて成り、絶縁体基板2の一方に半導体素子が搭載さ
れる熱電素子モジュール10であって、金属部材3は、熱
電素子1が接合されている部位の間に厚みを小さくした
薄肉部3aが設けられた熱電素子モジュール10ならびに
半導体素子収納用パッケージおよび半導体モジュールと
する。薄肉部3aにより金属部材3に剛性の低い部分が
でき、応力を吸収して強度の弱い熱電素子1への応力集
中を防止することができるため、熱電素子モジュール10
を長期間にわたり正常かつ安定に動作させることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に光通信分野に
おいて使用される、温度制御可能な熱電素子を備えた熱
電素子モジュール、ならびにこの熱電素子モジュールを
具備する半導体素子収納用パッケージ、およびこの熱電
素子モジュールを具備する半導体モジュールに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、インターネットや電子メールに代
表されるデータトラフィックが非常な速さで急増してい
る。この情報量の増加および高速化に対応するため、有
線伝送では光ファイバを用いた光通信が、低損失かつ広
帯域といった利点を有して導入されている。
【0003】光通信では、その信号源として一般的に半
導体レーザ素子(LD)が用いられるが、このLDは使
用状態でかなりの熱を発生し、この熱のためにLD自体
が劣化するとともに発振波長が不安定となることから、
LDを発振波長が安定するような温度に保つために熱電
素子モジュールが多く用いられている。
【0004】熱電素子モジュールは、図4に断面図で示
すように、複数の熱電素子31を並列に並べて、これらを
金属部材33を介して電気的に直列に接続した構成となっ
ている。熱電素子31にはP型熱電素子とN型熱電素子と
があり、上記構成においてP型熱電素子とN型熱電素子
とは交互に並べられて直列に接続されており、ここに電
流を流すと、ペルチエ効果によりN型熱電素子からP型
熱電素子の方向へ電流が流れる側の金属部材33では吸熱
が起こり、P型熱電素子からN型熱電素子の方向へ電流
が流れる側の金属部材3では発熱が起こる。つまり、熱
電素子モジュールは電流量に応じて熱電素子モジュール
の一端の温度が低下して他端の温度が上昇し、また、電
流の方向を逆とすることにより、この熱現象が逆転する
というものである。
【0005】この熱電素子モジュールは、通常は熱電素
子モジュールの温度が低下する側にLDを搭載してLD
を冷却するのに用いられ、使用環境の温度が低い場合に
は熱電素子モジュールの温度が上昇する側にLDを搭載
してLDを加熱するのに用いられ、いずれの場合もLD
を発振波長が安定するような温度に保つように作用す
る。
【0006】熱電素子モジュールにおいて、金属部材33
には、金属部材33自身の電気抵抗が大きいと発熱が大き
くなるため通常は銅(Cu)が用いられる。また、熱電
素子31を並列に並べて挟み込むための基板が必要であ
り、上下に一対の絶縁体基板32を有している。その絶縁
体基板32には酸化アルミニウム質焼結体・窒化アルミニ
ウム質焼結体・炭化珪素質焼結体等の電気絶縁材料等が
使用される。
【0007】このような熱電素子モジュールを用いて、
図5に断面図で示すように、LD等の半導体素子16が熱
電素子モジュール30の上にフォトダイオード19およびレ
ンズ組立体18等とともに金属基板17を介して搭載され、
この熱電素子モジュール30が基体11の上面の載置部11a
に載置されて、基体11と、基体11の上面に載置部11aを
囲繞するようにして接合された枠体12と、枠体12の上面
に載置部11aを覆うように取着される蓋体13とから成る
パッケージに収納されることにより半導体モジュールが
完成し、この半導体モジュールが光通信の発振装置とし
て用いられる。この半導体モジュールにおいて、基体11
には、熱伝導率の大きな金属材料が用いられる。
【0008】図5に示す半導体モジュールは、半導体素
子16等が搭載された熱電素子モジュール30が載置された
載置部11aを上面に有する基体11と戴置部11aを囲繞す
るようにして基体11の上面に接合された枠体12とから成
るパッケージ本体と、枠体12の上面に抵抗溶接等により
接合されて取着された蓋体13とから構成される。パッケ
ージ本体の枠体12には光ファイバ21が接合される筒状の
挿通管23が設けてある。挿通管23のパッケージ内部側の
端部には、サファイアやガラス等の透光性材料から成る
透明窓20が設置され、蓋体13が取着される際に、パッケ
ージ内部を真空状態あるいは窒素等の不活性ガスの充填
状態にして密封されている。そして、挿通管23のパッケ
ージ外部側の端部に、半導体素子16と光軸を合わせて光
ファイバ21が取着される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】熱電素子モジュール30
は、部品の使用目的から、一方の絶縁体基板32側で何か
を冷却すると同時に必ず熱電素子モジュール30の逆の側
の絶縁体基板32から放熱する必要があり、そのために必
ず別の部品と組み合わせて用いられる。前述の例では、
片側の絶縁体基板32上に金属基板17を介して温度制御す
べき半導体素子16等の半導体素子を搭載し、反対側の絶
縁体基板32がパッケージ本体の基体11へ取り付けられて
いる。
【0010】従来の熱電素子モジュール30は、絶縁体基
板32が酸化アルミニウム質焼結体から成り、金属部材33
がCuから成るものが主体である。そして、金属部材33
には、熱電素子31の端面が、半田34等のロウ材または接
着剤を介して接合されている。
【0011】この場合、絶縁体基板32が熱伝導率が小さ
な酸化アルミニウム質焼結体(熱伝導率:約20W/(m
・k))から成るため、半導体モジュールでの冷却効果
を発熱部に作用させるには、熱抵抗が大きく、また、発
生する熱をパッケージベースの基体11に放熱するにも熱
抵抗となってしまう。
【0012】このような熱電素子モジュール30を載置し
たパッケージにLD等の半導体素子16を搭載した半導体
モジュールを用いると、冷却能力の高い熱電素子モジュ
ール30の性能を十分発揮できず、半導体素子16の温度制
御が不十分となるため半導体素子16自体が劣化するとと
もに発振波長が不安定となり、その結果、光通信の安定
した光源として使用できなくなるという問題点があっ
た。
【0013】この対策としては、例えば特開2001−2108
78号公報にて提案されているように、絶縁体基板32に窒
化アルミニウム質焼結体を用いることが有効である。絶
縁体基板32に窒化アルミニウム質焼結体を用いることに
よって、絶縁体基板32の熱抵抗を小さく抑えることがで
き、半導体モジュールにて発生する熱をパッケージベー
スの基体11に放熱し易くすることが可能となる。さらに
ここでは、金属部材33にアルミニウム(Al)を用いる
ことによって、金属基板17・パッケージベースの基体11
および熱電素子モジュール30の絶縁体基板32等の素材間
の熱膨張率の違いから発生する応力を、このAlから成
る金属部材33で吸収することが提案されている。
【0014】しかしながら、金属部材33(Al)と熱電
素子31の強度を比較すると、熱電素子31の方が大きく劣
るため、大きな熱電素子モジュールの場合は、この応力
を金属部材33で吸収しきれずに、熱電素子31が破壊され
る危険性がある。
【0015】本発明は上記問題点に鑑み案出されたもの
で、その目的は、金属部材に接合された熱電素子を長期
間にわたり正常かつ安定に動作させることができる熱電
素子モジュールを提供することにある。
【0016】また、本発明の他の目的は、この熱電素子
モジュールを用いることにより熱電素子モジュールに搭
載される半導体素子を長期間にわたり正常かつ安定に動
作させることができる半導体収納用パッケージおよび半
導体モジュールを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の熱電素子モジュ
ールは、一対の絶縁体基板の間に、複数個の熱電素子の
両端がそれぞれ金属部材を介在させて接合されて成り、
絶縁体基板の一方に半導体素子が搭載される熱電素子モ
ジュールであって、金属部材は、熱電素子が接合されて
いる部位の間に厚みを小さくした薄肉部が設けられてい
ることを特徴とするものである。
【0018】また、本発明の熱電素子モジュールは、絶
縁体基板が窒化アルミニウム質焼結体から成り、金属部
材が銅(Cu)から成ることを特徴とするものである。
【0019】また、本発明の半導体素子収納用パッケー
ジは、基体と、この基体の上面の載置部に他方の前記絶
縁体基板を当接させて載置された前記熱電素子モジュー
ルと、前記基体の上面に前記載置部を囲繞するようにし
て接合された枠体と、この枠体の上面に前記載置部を覆
うように取着される蓋体とを具備することを特徴とする
ものである。
【0020】また、本発明の半導体モジュールは、上記
構成の半導体素子収納用パッケージと、前記熱電素子モ
ジュールの一方の前記絶縁体基板に搭載された半導体素
子と、前記枠体の上面に取着された前記蓋体とを具備す
ることを特徴とするものである。
【0021】本発明の熱電素子モジュールによれば、金
属部材において熱電素子が接合されている部位の間に厚
みを小さくした薄肉部が設けられていることから、金属
部材に剛性の低い部分が設けられることとなり、パッケ
ージベースの基体と熱電素子モジュールの絶縁体基板と
の熱膨張率の違いから発生する応力に対して、この剛性
の低い、厚みを小さくした薄肉部がその応力を吸収して
強度の弱い熱電素子への応力集中を防止することができ
るため、熱電素子が破壊されることがなく、熱電素子モ
ジュールを長期間にわたり正常かつ安定に動作させるこ
とができる。
【0022】また、本発明の熱電素子モジュールによれ
ば、絶縁体基板が窒化アルミニウム質焼結体から成り、
金属部材が銅から成るときには、絶縁体基板および金属
部材の熱伝導率が大きいものとなるので、絶縁体基板お
よび金属部材の熱抵抗を小さく抑えることができ、半導
体素子および熱電素子にて発生する熱をパッケージベー
スの基体に効率よく放熱することが可能となる。
【0023】また、本発明の熱電素子モジュールをその
内部に載置した本発明の半導体素子収納用パッケージ、
および本発明の半導体素子収納用パッケージに半導体素
子を搭載し蓋体を取着した本発明の半導体モジュールに
よれば、半導体素子と熱電モジュールとの間の熱移動を
長期間にわたり正常かつ安定にしかも効率よく行なうこ
とができることから、熱電素子モジュールに搭載される
半導体素子を長期間にわたり正常かつ安定に動作させる
ことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づき
詳細に説明する。
【0025】図1は本発明の熱電素子モジュールの実施
の形態の一例を示す断面図である。図1において、1は
熱電素子、2は絶縁体基板、3は金属部材、4は接合用
のロウ材または接着剤としての半田である。
【0026】熱電素子1は、Bi−Te系材料・Fe−
Si系材料・Si−Ge系材料・Co−Sb系材料等の
焼結体により構成されている。熱電素子1が例えばBi
−Te系材料から成る場合であれば、主な特性が、例え
ば、P型熱電素子のゼーベック係数は200μV/K、N
型熱電素子のゼーベック係数は−200μV/K、P型・
N型熱電素子共に比抵抗率は1mΩ・cm、P型・N型
熱電素子共に熱伝導率が1.5W/mKとなっている。
【0027】熱電素子1は、そのままでは半田4等のロ
ウ材での接合が困難であるため、その端面には良伝導性
で、かつ耐食性およびロウ材との濡れ性を高める表面処
理としてニッケルめっき等を被着させておくことが望ま
しい。
【0028】絶縁体基板2は、熱電素子1および金属部
材3の支持部材として機能し、酸化アルミニウム質焼結
体・窒化アルミニウム質焼結体・炭化珪素質焼結体等の
電気絶縁材料で形成されている。
【0029】絶縁体基板2は、例えば酸化アルミニウム
質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム・酸
化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等の原料粉
末に適当な有機溶剤・溶媒を添加混合して泥漿状となす
とともに、これを従来周知のドクターブレード法やカレ
ンダーロール法によりシート状に成形してセラミックグ
リーンシート(セラミック生シート)を得て、しかる
後、このセラミックグリーンシートを複数枚積層し、高
温(約1600℃)で焼成することによって製作される。
【0030】ここで、この絶縁体基板2は、熱伝導率の
大きな窒化アルミニウム質焼結体(熱伝導率:75W/
(m・K)以上)から成るものであることが特に好まし
い。これは、絶縁体基板2は、半導体モジュールにて発
生する熱をパッケージベースの基体に放熱する際に、熱
抵抗としてその放熱を妨げるため、半導体モジュールで
の冷却効果を発熱部に作用させ、冷却能力の高い熱電素
子モジュールの性能を十分発揮させるためには、より熱
伝導率の高い窒化アルミニウム質焼結体が特によいこと
による。
【0031】金属部材3は、絶縁体基板2に接合された
面とは反対の面に熱電素子1の端面が当接されて半田4
等のロウ材または接着剤により接合されており、この金
属部材3は熱電素子1を支持する機能を有している。こ
の金属部材3は、研削加工法・エッチング加工法やプレ
ス加工法等の従来周知の加工法を施すことによって、所
定形状および所定の大きさに形成される。あるいはイン
ゴット(塊)に圧延加工法や打ち抜き加工法等を施すこ
とによって、所定形状および所定の大きさに形成され
る。
【0032】そして、本発明の熱電素子モジュール10に
おいては、金属部材3に、熱電素子1が接合されている
部位の間に厚みを小さくした薄肉部3aが設けられてい
ることが重要である。このように金属部材3において熱
電素子1が接合されている部位の間に厚みを小さくした
薄肉部3aが設けられていることから、金属部材3にこ
の薄肉部3aによる剛性の低い部分が設けられることと
なり、パッケージベースの基体と熱電素子モジュール10
の絶縁体基板2との熱膨張率の違いから発生する応力に
対して、この剛性の低い薄肉部3aがその応力を吸収し
て強度の弱い熱電素子1への応力集中を防止することが
できるため、熱電素子1が破壊されることがなくなり、
熱電素子モジュール10を長期間にわたり正常かつ安定に
動作させることができるものとなる。
【0033】ここで、この金属部材3においては、その
材質が熱伝導率の大きなCu(熱伝導率:約400W/
(m・K))であることが特に好ましい。これは、この
金属部材3は、半導体素子および熱電素子1にて発生す
る熱を、パッケージベースの基体に放熱する際に、熱抵
抗としてその放熱を妨げるため、半導体モジュールでの
冷却効果を発熱部に作用させ、冷却能力の高い熱電素子
モジュール10の性能を十分発揮させるためには、より熱
伝導率の高いCuが特によいことによる。
【0034】また、金属部材3は、熱電素子1が接合さ
れる部位の厚みが100μm以上であることが好ましく、
また、厚みを小さくした薄肉部3aについては、金属部
材3自身の疲労強度を考慮すると、厚みは50μm以上で
あることが望ましい。
【0035】金属部材3は、その熱電素子1が接合され
る部位の厚みが100μm未満の場合は、パッケージベー
スの基体と熱電素子モジュール10の絶縁体基板2との熱
膨張率の違いから発生する応力による変形を抑える応力
が不足し、特に強度の弱い熱電素子1に応力が集中して
しまい、熱電素子モジュール10を長期間にわたり正常か
つ安定に動作させることが不可能となる傾向がある。
【0036】また、厚みを小さくした薄肉部3aは、そ
の厚みが50μm未満の場合は、パッケージベースの基体
と熱電素子モジュール10の絶縁体基板2との熱膨張率の
違いから発生する応力による変形に対して疲労強度が不
足することとなるため、熱サイクル試験等で繰り返しの
変形が生じた場合に、金属部材3に亀裂が生じてしま
い、直列に接続されている熱電素子1への通電が不安定
となって、温度制御を行なう熱電素子モジュール10とし
て安定に動作させることが不可能となる傾向がある。
【0037】なお、金属部材3は、その表面に良導電性
で、かつ耐蝕性および半田4等のロウ材との濡れ性が良
好なニッケルをめっき法により被着させておくと、金属
部材3と外部電気回路とを電気的に接続する際にその電
気的接続を良好なものにできるとともに、金属部材3に
熱電素子1を半田4を介して接合させる際にその接合を
強固とすることができる。従って、金属部材3には、そ
の表面に良導電性で、かつ耐蝕性および半田4等のロウ
材との濡れ性が良好なニッケルをめっき法により被着さ
せておくことが望ましい。
【0038】図2は、本発明の熱電素子モジュール10を
備えた本発明の半導体素子収納用パッケージの実施の形
態の一例を示す断面図である。また、図3は、本発明の
熱電素子モジュール10を備えた本発明の半導体素子収納
用パッケージおよび本発明の半導体モジュールの実施の
形態の一例を示す断面図である。
【0039】これらの図において、11は金属等から成る
基体、12は同じく金属等から成る、基体11の上面に接合
された枠体、13は枠体12の上面に取着された蓋体であ
る。この基体11と枠体12と蓋体13とで内部に熱電素子モ
ジュール10を収納するための容器が構成される。
【0040】基体11は熱電素子モジュール10を支持する
ための支持部材となるものであり、その上面の中央部に
熱電素子モジュール10を載置するための載置部11aを有
しており、この載置部11aには熱電素子モジュール10が
半田等の接着剤により接着固定される。
【0041】基体11は鉄−ニッケル−コバルト合金や銅
−タングステン合金や銅−タングステン等の金属材料か
ら成り、例えば鉄−ニッケル−コバルト合金から成る場
合であれば、鉄−ニッケル−コバルト合金のインゴット
(塊)に圧延加工法や打ち抜き加工法等の従来周知の金
属加工法を施すことによって製作される。
【0042】なお、基体11はその外表面に耐蝕性に優
れ、かつロウ材に対して濡れ性がよい金属、具体的には
厚さ2〜6μmのニッケル層および厚さ0.5〜5μmの
金層を順次、メッキ法等により被着させておくと、基体
11が酸化腐蝕するのを有効に防止することができるとと
もに、基体11の上面に熱電素子モジュール10を強固に接
着固定させることができる。従って、基体11には、酸化
腐蝕を有効に防止し、かつ上面に熱電素子モジュール10
を強固に接着固定させるために、その表面に厚さ2〜6
μmのニッケル層および厚さ0.5〜5μmの金層を順
次、メッキ法等により被着させておくことが好ましい。
【0043】また、基体11の上面には、熱電素子モジュ
ール10が載置される載置部11aを囲繞するようにして枠
体12が接合されており、この枠体12の内側に熱電素子モ
ジュール10を収容するための空所が形成されている。
【0044】枠体12は鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄
−ニッケル合金等の金属材料から成り、例えば、鉄−ニ
ッケル−コバルト合金等のインゴット(塊)をプレス加
工により枠状とすることによって形成され、基体11への
取着は基体11の上面と枠体12の下面とを銀ロウ材を介し
ロウ付けすることによって行なわれている。
【0045】さらに、枠体12はその側壁に貫通孔22およ
び切欠部24を有しており、枠体12の貫通孔22もしくは貫
通孔22周辺には、鉄−ニッケル−コバルト合金や鉄−ニ
ッケル合金等の金属材料から成る筒状の挿通管23が取着
されている。また、挿通管23のパッケージ内側の端部に
は、サファイアやガラス等の透光性材料から成る透明窓
20が固定されていて、その外側に配置されるレンズ等の
光部品を内蔵した光学部品であるレンズ組立体18等によ
ってLD等の半導体素子16の出射信号光を光ファイバ21
に光結合させている。なお、17は熱電素子モジュール10
の上に半導体素子16やレンズ組立体18等を搭載するため
の金属基板であり、19は半導体素子16とともに金属基板
17上に搭載されたフォトダイオードである。
【0046】枠体12の側壁に形成されている貫通孔22
は、枠体12に例えばドリル孔開け加工を施すことによっ
て所定形状に形成される。
【0047】また、枠体12の側壁の切欠部24には、端子
体25が挿着されている。
【0048】この端子体25は、酸化アルミニウム質焼結
体等の電気絶縁材料から成る絶縁体26と複数個の配線層
27とから成り、配線層27を金属枠体12に対し電気的絶縁
をもって金属枠体12の内側から外側にかけて配設するた
めのものである。この端子体25は、絶縁体26の側面に予
め金属層を被着させておくとともに、この金属層を枠体
12の切欠部24の内壁面に銀ロウ等のロウ材を介し取着す
ることによって、枠体12の切欠部24に挿着される。
【0049】端子体25の絶縁体26は、例えば、酸化アル
ミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウ
ム等の原料粉末に適当な有機溶剤・溶媒を添加混合して
泥漿状となすとともに、これを従来周知のドクターブレ
ード法やカレンダーロール法によりシート状に成形して
セラミックグリーンシート(セラミック生シート)を得
て、しかる後、このセラミックグリーンシートに適当な
打ち抜き加工を施すとともに上下に複数枚積層し、高温
(約1600℃)で焼成することによって製作される。
【0050】また、端子体25の絶縁体26には枠体12の内
側に位置する領域に段差部26aが形成されており、この
段差部26aの上面から枠体12の外側にかけて複数個の配
線層27が形成されている。
【0051】配線層27は熱電素子モジュール10の各電極
を外部電気回路に接続する際の導電路となるものであ
り、配線層27のうち絶縁体26の段差部26aに形成されて
いる領域には熱電素子モジュール10の各電極がそれぞれ
リード線28を介して電気的に接続され、また枠体12の外
側に位置する領域には外部電気回路と接続される外部リ
ード端子(図示せず)がロウ材を介し取着されている。
【0052】配線層27はタングステンやモリブデン・マ
ンガン等で形成されており、例えば、タングステン等の
粉末に有機溶剤・溶媒を添加混合して得た金属ペースト
を絶縁体26となるセラミックグリーンシートに予め従来
周知のスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布
しておくことによって絶縁体26に形成される。
【0053】配線層27は、その露出する表面にニッケル
・金等の耐蝕性に優れ、かつロウ材との濡れ性に優れる
金属を1〜20μmの厚みにメッキ法により被着させてお
くと、配線層27の酸化腐蝕を有効に防止することができ
るとともに配線層27へのリード線28の接続を強固となす
ことができる。従って、配線層27の露出する表面には、
ニッケル・金等の耐蝕性に優れ、かつロウ材との濡れ性
に優れる金属を1〜20μmの厚みに被着させておくこと
が好ましい。
【0054】また一方、配線層27には外部リード端子が
銀ロウ等のロウ材を介してロウ付け取着されており、外
部リード端子は容器内部に収容する熱電素子モジュール
10の各電極を外部電気回路に電気的に接続する導電路と
なり、外部リード端子を外部電気回路に接続することに
よって容器内部に収容される熱電素子モジュール10はリ
ード線28・配線層27および外部リード端子を介して外部
電気回路に電気的に接続されることとなる。
【0055】さらに、枠体12はその上面に、例えば鉄−
ニッケル−コバルト合金や鉄−ニッケル合金等の金属材
料から成る蓋体13が取着され、これによって基体11と枠
体12と蓋体13とから成る容器の内部に熱電素子モジュー
ル10およびこれに搭載されたLD等の光半導体素子や半
導体素子16が気密に封止されることとなる。これにより
本発明の半導体モジュールが構成され、図5に示すよう
に、光ファイバ21が接続されて光通信の発振装置等に使
用される。
【0056】蓋体13の枠体12の上面への取着は、例えば
シームウェルド法等の溶接によって行なわれる。
【0057】なお、本発明は以上の実施の形態の例に限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
であれば、種々の変更を行なっても差し支えない。例え
ば、上述の実施の形態の例では金属部材3に形成される
薄肉部3aは金属部材3と一体に形成したが、薄肉部3
aとなる部分の板状体と熱電素子1が接合される部位と
なる板状体とを同様の材料・方法で別体に形成してお
き、ロウ材等を介してこれらを接着固定することによっ
て薄肉部3aが設けられた金属部材3を形成するように
してもよい。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱電素子
モジュールによれば、一対の絶縁体基板の間に、複数個
の熱電素子の両端がそれぞれ金属部材を介在させて接合
されて成り、絶縁体基板の一方に半導体素子が搭載され
る熱電素子モジュールであって、金属部材は、熱電素子
が接合されている部位の間に厚みを小さくした薄肉部が
設けられていることから、金属部材に剛性の低い部分が
設けられることとなり、パッケージベースの基体と熱電
素子モジュールの絶縁体基板との熱膨張率の違いから発
生する応力に対して、この剛性の低い、厚みを小さくし
た薄肉部がその応力を吸収して強度の弱い熱電素子への
応力集中を防止することができるため、熱電素子が破壊
されることがなく、熱電素子モジュールを長期間にわた
り正常かつ安定に動作させることができる。
【0059】また、本発明の熱電素子モジュールによれ
ば、絶縁体基板が窒化アルミニウム質焼結体から成り、
金属部材が銅から成るときには、絶縁体基板および金属
部材の熱伝導率が大きいものとなるので、絶縁体基板お
よび金属部材の熱抵抗を小さく抑えることができ、半導
体素子および熱電素子にて発生する熱をパッケージベー
スの基体に効率よく放熱することが可能となる。
【0060】また、本発明の熱電素子モジュールをその
内部に載置した本発明の半導体素子収納用パッケージ、
および本発明の半導体素子収納用パッケージに半導体素
子を搭載し蓋体を取着した本発明の半導体モジュールに
よれば、半導体素子と熱電モジュールとの間の熱移動を
長期間にわたり正常かつ安定にしかも効率よく行なうこ
とができることから、熱電素子モジュールに搭載される
半導体素子を長期間にわたり正常かつ安定に動作させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱電素子モジュールの実施の形態の一
例を示す断面図である。
【図2】本発明の熱電素子モジュールを備えた本発明の
半導体素子収納用パッケージの実施の形態の一例を示す
断面図である。
【図3】本発明の熱電素子モジュールを備えた本発明の
半導体素子収納用パッケージおよび本発明の半導体モジ
ュールの実施の形態の一例を示す断面図である。
【図4】従来の熱電素子モジュールの実施の形態の一例
を示す断面図である。
【図5】従来の熱電素子モジュールを具えた半導体モジ
ュールの実施の形態の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・熱電素子 2・・・・・絶縁体基板 3・・・・・金属部材 3a・・・・薄肉部 4・・・・・半田(ロウ材または接着剤) 10・・・・・熱電素子モジュール 11・・・・・基体 12・・・・・枠体 13・・・・・蓋体 16・・・・・半導体素子(半導体レーザ素子:LD)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 35/16 H01L 35/16 H01S 5/022 H01S 5/022

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の絶縁体基板の間に、複数個の熱電
    素子の両端がそれぞれ金属部材を介在させて接合されて
    成り、前記絶縁体基板の一方に半導体素子が搭載される
    熱電素子モジュールであって、前記金属部材は、前記熱
    電素子が接合されている部位の間に厚みを小さくした薄
    肉部が設けられていることを特徴とする熱電素子モジュ
    ール。
  2. 【請求項2】 前記絶縁基板が窒化アルミニウム質焼結
    体から成り、前記金属部材が銅から成ることを特徴とす
    る請求項1記載の熱電素子モジュール。
  3. 【請求項3】 基体と、該基体の上面の載置部に他方の
    前記絶縁体基板を当接させて載置された請求項1記載の
    熱電素子モジュールと、前記基体の上面に前記載置部を
    囲繞するようにして接合された枠体と、該枠体の上面に
    前記載置部を覆うように取着される蓋体とを具備するこ
    とを特徴とする半導体素子収納用パッケージ。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の半導体素子収納用パッケ
    ージと、前記熱電素子モジュールの一方の前記絶縁体基
    板に搭載された半導体素子と、前記枠体の上面に取着さ
    れた前記蓋体とを具備することを特徴とする半導体モジ
    ュール。
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