JP3709084B2 - 光半導体素子収納用パッケージ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光半導体素子を収容するための光半導体素子収納用パッケージに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光半導体素子を収容するための光半導体素子収納用パッケージは、一般に鉄ーニッケルーコバルト合金や銅ータングステン合金等の金属材料から成り、上面中央部に光半導体素子が電子冷却素子を間に挟んで載置される載置部を有する基体と、前記光半導体素子載置部を囲繞するようにして基体上に銀ロウ等のロウ材を介して接合され、側部に貫通孔及び切欠部を有する鉄ーニッケルーコバルト合金等の金属材料から成る枠体と、前記枠体の貫通孔もしくは貫通孔周辺の枠体に取着され、内部に光信号が伝達される空間を有する鉄ーニッケルーコバルト合金等の金属材料から成る筒状の固定部材と、前記筒状の固定部材に融点が300〜400℃の金ー錫合金等の低融点ロウ材を介して取着された固定部材の内部を塞ぐ非晶質ガラス等から成る透光性部材と、前記枠体の切欠部に挿着され、酸化アルミニウム質焼結体から成る絶縁体に光半導体素子の各電極がボンディングワイヤを介して電気的に接続されるメタライズ配線層が形成されているセラミック端子体と、前記枠体の上面に取着され、光半導体素子を気密に封止する蓋部材とから構成されており、前記基体の光半導体素子載置部に光半導体素子を間にペルチェ素子等の電子冷却素子を挟んで載置固定させるとともに該光半導体素子の各電極をボンディングワイヤを介してセラミック端子体のメタライズ配線層に電気的に接続し、しかる後、前記枠体の上面に蓋部材を接合させ、基体と枠体と蓋部材とから成る容器内部に光半導体素子を気密に収容するとともに筒状固定部材に光ファイバー部材を、例えば、YAG溶接等により取着することによって製品としての光半導体装置となる。
【0003】
かかる光半導体装置は電子冷却素子により光半導体素子を冷却しつつ光半導体素子に外部電気回路から供給される駆動信号によって光励起を起こさせ、該励起した光を透光性部材を介し光ファイバー部材に授受させるとともに該光ファイバー部材の光ファイバー内を伝達させることによって高速通信等に使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の光半導体素子収納用パッケージにおいては、基体及び枠体を形成している鉄ーニッケルーコバルト合金や銅ータングステン合金等の金属材料やセラミック端子体の絶縁体を形成している酸化アルミニウム質焼結体の熱伝導率が15W/m・K以上であることから、光半導体素子をペルチェ素子等の電子冷却素子で冷却しつつ外部電気回路から供給される駆動信号によって光励起させた場合、ペルチエ素子等の電子冷却素子は光半導体素子が載置される上面側は低温となっているものの基体と接する下面側は高温(約100℃)となっているため電子冷却素子の発する熱が基体、枠体、セラミック端子体及びボンディングワイヤを介して光半導体素子に大きく作用し、この電子冷却素子の熱によって光半導体素子の電子冷却素子による冷却効率が大きく低下してしまうという欠点を有していた。そのため従来は光半導体素子が作動時に発する熱と、基体、枠体等を介して光半導体素子に伝達される電子冷却素子の熱の両方を吸収するために電子冷却素子の出力を高いものとする必要があった。
【0005】
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は電子冷却素子の熱が光半導体素子に作用するのを有効に防止し、低出力の電子冷却素子によっても光半導体素子を常に適温として光半導体素子を長期間にわたり正常に、かつ安定に作動させることができる光半導体素子収納用パッケージを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上面に光半導体素子が電子冷却素子を介して載置される載置部を有する基体と、前記基体上に光半導体素子載置部を囲繞するようにして取着され、側部に貫通孔及び切欠部を有する枠体と、前記貫通孔もしくは貫通孔周辺の枠体に取着され、光ファイバー部材が接合される筒状の固定部材と、該固定部材の前記枠体の内側の一端に金−錫合金から成るロウ材を介して取着された、外周部にチタン、チタン−タングステン、窒化タンタルの少なくとも1種から成る第1層と、白金、ニッケル、ニッケル−クロムの少なくとも1種から成る第2層と、金から成る第3層とを順次積層させて成るメタライズ層が形成された非晶質ガラスから成る透光性部材と、前記切欠部に挿着され、絶縁体に光半導体素子の各電極が電気的に接続されるメタライズ配線層が形成されているセラミック端子体と、前記枠体の上面に取着され、光半導体素子を気密に封止する蓋部材とからなる光半導体素子収納用パッケージであって、前記セラミック端子体の絶縁体がガラスセラミックス焼結体から成ることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の光半導体素子収納用パッケージによればセラミック端子体の絶縁体を、熱伝導率が約3W/m・Kと低く熱を伝え難いガラスセラミックス焼結体で形成したことから光半導体素子をペルチェ素子等の電子冷却素子で冷却しつつ外部電気回路から供給される駆動信号によって光励起させた場合、電子冷却素子の発した熱が基体、枠体、セラミック端子体及びボンディングワイヤを介して光半導体素子に作用しようとしてもその熱の伝達はセラミック端子体で遮断されて光半導体素子に作用することはなく、その結果、光半導体素子の電子冷却素子による冷却効率が高いものとなり、低出力の電子冷却素子でも光半導体素子を常に適温として光半導体素子を長期間にわたり正常、かつ安定に作動させることが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明を添付図面に基づき詳細に説明する。
図1乃至図3は本発明の光半導体素子収納用パッケージの一実施例を示し、1は基体、2は枠体、3は蓋部材である。この基体1と枠体2と蓋部材3とで内部に光半導体素子4を収容するための容器が構成される。
【0009】
前記基体1は光半導体素子4を支持するための支持部材として作用し、その上面の略中央部に光半導体素子4を載置するための載置部1aを有し、該載置部1aには光半導体素子4が間にペルチェ素子等の電子冷却素子5を挟んで金−シリコンロウ材等の接着剤により接着固定される。
【0010】
前記基体1は鉄ーニッケルーコバルト合金や銅ータングステン合金等の金属材料から成り、例えば、鉄ーニッケルーコバルト合金から成る場合、鉄ーニッケルーコバルト合金のインゴット(塊)に圧延加工法や打ち抜き加工法等、従来周知の金属加工法を施すことによって製作される。
【0011】
なお、前記基体1はその外表面に耐蝕性に優れ、かつロウ材に対して濡れ性が良い金属、具体的には厚さ2〜6μmのニッケル層と厚さ0.5〜5μmの金層を順次、メッキ法により被着させておくと、基体1が酸化腐蝕するのを有効に防止することができるとともに基体1上面に光半導体素子4の下部に配されるペルチェ素子等の電子冷却素子5を強固に接着固定させることかできる。従って、前記基体1は酸化腐蝕を有効に防止し、かつ上面に光半導体素子4の下部に配されるペルチェ素子等の電子冷却素子5を強固に接着固定させる場合にはその外表面に厚さ2〜6μmのニッケル層と厚さ0.5〜5μmの金層を順次、メッキ法により被着させておくことが好ましい。
【0012】
また前記基体1の上面には、光半導体素子4が載置される載置部1aを囲繞するようにして枠体2が接合されており、該枠体2の内側に光半導体素子4を収容するための空所が形成されている。
【0013】
前記枠体2は鉄ーニッケルーコバルト合金や鉄ーニッケル合金等の金属材料から成り、例えば、鉄ーニッケルーコバルト合金等のインゴット(塊)をプレス加工により枠状とすることによって形成され、基体1への取着は基体1上面と枠体2の下面とを銀ロウ材を介しロウ付けすることによって行われている。
【0014】
更に前記枠体2はその側部に貫通孔2aが設けてあり、該貫通孔2aの内壁面には筒状の固定部材9が取着され、更に筒状の固定部材9の内側の一端には透光性部材10が取着されている。
【0015】
前記枠体2の側部に形成されている貫通孔2aは固定部材9を枠体2に取着するための取着孔として作用し、枠体2の側部に従来周知のドリル孔あけ加工を施すことによって所定形状に形成される。
【0016】
前記枠体2の貫通孔2aに取着されている固定部材9は光ファイバー部材11を枠体2に固定する際の下地固定部材として作用するとともに光半導体素子4が励起した光を光ファイバー部材11に伝達させる作用をなし、その内側の一端には、例えば、透光性部材10が取着され、また外側の一端には光ファイバー部材11が取着接続される。
【0017】
前記筒状の固定部材9は鉄ーニッケルーコバルト合金や鉄ーニッケル合金等の金属材料から成り、例えば、鉄ーニッケル合金のインゴット(塊)をプレス加工により筒状とすることによって形成される。
【0018】
また前記固定部材9はその内側の一端に、例えば、透光性部材10が取着されており、該透光性部材10は固定部材9の内部空間を塞ぎ、基体1と枠体2と蓋部材3とから成る容器の気密封止を保持させるとともに固定部材9の内部空間を伝達する光半導体素子4の励起した光をそのまま固定部材9に取着接続される光ファイバー部材11に伝達させる作用をなす。
【0019】
前記透光性部材10は例えば、酸化珪素、酸化鉛を主成分とした鉛系及びホウ酸、ケイ砂を主成分としたホウケイ酸系の非晶質ガラスで形成されており、該非晶質ガラスは結晶軸が存在しないことから光半導体素子4の励起する光を透光性部材10を通過させて光ファイバー部材11に授受させる場合、光半導体素子4の励起した光は透光性部材10で複屈折を起こすことはなくそのまま光ファイバー部材11に授受されることとなり、その結果、光半導体素子4が励起した光の光ファイバー部材11への授受が高効率となって光信号の伝送効率を高いものとなすことができる。
【0020】
前記透光性部材10の固定部材9への取着は例えば、図3に示すように、透光性部材10の外周部に予めメタライズ層12を被着させておき、該メタライズ層12と固定部材9とを金一錫合金等のロウ材を介しロウ付けすることによって行われる。この場合、透光性部材10の固定部材9への取着が金一錫合金等によるロウ付けにより行われることから取着の信頼性が高いものとなり、これによって固定部材9と透光性部材10との取着部における光半導体素子4を収容する容器の気密封止が完全となり、容器内部に収容する光半導体素子4を長期間にわたり正常、かつ安定に作動させることができる。
【0021】
なお、前記透光性部材10の外周部に予め被着されているメタライズ層12は透光性部材10を構成する非晶質ガラスの融点が約700℃と低く、従来周知のMo−Mn法を採用することによって形成することができないことから図3に示すように、非晶質ガラスに対して活性があり、強固に接合するチタン、チタン−タングステン、窒化タンタルの少なくとも1種から成る第1層12aと、この第1層12aが透光性部材10を固定部材9にロウ付けする際の熱によって後述する第3層12cに拡散し、メタライズ層12の透光性部材10に対する接合強度が低下するのを有効に防止する白金、ニッケル、ニッケル−クロムの少なくとも1種から成る第2層12bと、メタライズ層12に対するロウ材の濡れ性を改善し、メタライズ層12にロウ材を強固に接合させて透光性部材10を固定部材9に強固に取着させる金から成る第3層12cとを順次、積層させることによって形成されており、特にチタン,白金,金を順次積層させて形成したメタライズ層12は透光性部材10との接合強度が強く、かつロウ材との濡れ性が良好で透光性部材10を固定部材9にロウ付けすることが可能なことからメタライズ層12として極めて好適である。
【0022】
更に前記チタン、チタンータングステン、窒化タンタルの少なくとも1種から成る第1層12aと、白金、ニッケル、ニッケル−クロムの少なくとも1種から成る第2層12bと、金から成る第3層12cとの3層構造を有するメタライズ層12はその各々の金属材料、窒化物を透光性部材10の外周部にスパッタリング法や蒸着法、イオンプレーティング法、メッキ法等により順次、所定厚みに被着させることによって形成される。
【0023】
また更に前記メタライズ層12をチタン、チタン−タングステン、窒化タンタルの少なくとも1種から成る第1層12aと、白金、ニッケル、ニッケル−クロムの少なくとも1種から成る第2層12bと、金から成る第3層12cとで形成する場合、第1層12aの層厚は500オングストローム未満となるとメタライズ層12の透光性部材10に対する接合強度が弱くなる傾向にあり、また2000オングストロームを超えると透光性部材10に第1層12aを被着させる際に第1層12a中に大きな応力が発生内在し、該内在応力によって第1層12aが透光性部材10より剥離し易くなる傾向にあることから第1層12aの厚みは500オングストローム乃至2000オングストロームの範囲としておくことが好ましく、第2層12bの層厚は500オングストローム未満となると透光性部材10を固定部材9にロウ付けする際の熱によって第1層12aが第3層12cに拡散するのを有効に防止することができず、メタライズ層12の透光性部材10に対する接合強度が低下してしまう危険性があり、また10000オングストロームを超えると第1層12a上に第2層12bを被着させる際に第2層12b中に大きな応力が発生内在し、該内在応力によって第2層12bが第1層12aより剥離し易くなる傾向にあることから第2層12bの厚みは500オングストローム乃至10000オングストロームの範囲としておくことが好ましく、第3層12cの層厚は0.5μm未満であるとメタライズ層12に対するロウ材の濡れ性が大きく改善されず、透光性部材10を固定部材9に強固にロウ付け取着するのが困難となる傾向にあり、また5μmを超えると第2層12b上に第3層12cを被着させる際に第3層12c中に大きな応力が発生内在し、該内在応力によって第3層12cが第2層12bより剥離し易くなる傾向にあることから第3層12cの厚みは0.5μm乃至5μmの範囲としておくことが好ましい。
【0024】
更に前記枠体2はその側部に切欠部2bが形成されており、該切欠部2bにはセラミック端子体6が挿着されている。
【0025】
前記セラミック端子体6は電気絶縁材料から成る絶縁体7と複数個のメタライズ配線層8とから成り、メタライズ配線層8を枠体2に対し電気的絶縁をもって枠体2の内側から外側にかけて配設する作用をなし、絶縁体7の側面に予めメタライズ金属層を被着させておくとともに該メタライズ金属層を枠体2の切欠部2a内壁面に銀ロウ等のロウ材を介し取着することによって枠体2の切欠部2aに挿着される。
【0026】
前記セラミック端子体6の絶縁体7はガラスセラミックス焼結体から成り、該ガラスセラミックス焼結体の熱伝導率は約3W/m・Kと低く熱を伝え難いことから光半導体素子4をペルチェ素子等の電子冷却素子5で冷却しつつ外部電気回路から供給される駆動信号によって光励起させた場合、電子冷却素子5の発した熱が基体1、枠体2、セラミック端子体6及び後述するボンディングワイヤ12を介して光半導体素子4に作用しようとしてもその熱の伝達はセラミック端子体6で遮断されて光半導体素子4に作用することはなく、その結果、光半導体素子4の電子冷却素子5による冷却効率が高いものとなり、低出力の電子冷却素子でも光半導体素子4を常に適温として光半導体素子4を長期間にわたり正常、かつ安定に作動させることが可能となる。
【0027】
前記セラミック端子体6のガラスセラミックス焼結体から成る絶縁体7は、例えば、酸化珪素が44重量%、酸化アルミニウムが28重量%、酸化マグネシウムが11重量%、酸化亜鉛が8重量%、酸化ホウ素が9重量%から成るガラス成分75重量%と酸化アルミニウム25重量%とから成り、ガラス原料粉末と酸化アルミニウム粉末に適当な有機バインダー、溶剤等を添加混合して泥漿物を作るとともに、該泥漿物をドクターブレード法やカレンダーロール法を採用することによってセラミックグリーンシート(セラミック生シート)と成し、しかる後、前記セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともにこれを複数枚積層し、約850〜1300℃の温度で焼成することによって製作される。
【0028】
また前記セラミック端子体6には枠体2の内側から外側にかけて導出する複数個のメタライズ配線層8が埋設されており、該メタライズ配線層8の枠体2の内側に位置する領域には光半導体素子4の各電極がボンディングワイヤ12を介して電気的に接続され、また枠体2の外側に位置する領域には外部電気回路と接続される外部リード端子13がロウ材を介し取着されている。
【0029】
前記メタライズ配線層8は半導体素子4の各電極を外部電気回路に接続する際の導電路として作用し、銅、金、銀等の金属材料により形成されている。
【0030】
前記メタライズ配線層8は銅、金、銀等の金属材料粉末に適当な有機バインダー、溶剤等を添加混合して得た金属ペーストを絶縁体7となるセラミックグリーンシートに予め従来周知のスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておくことによって絶縁体7に形成される。
【0031】
なお、前記メタライズ配線層8は例えば、銅や銀等から成る場合、その露出する表面にニッケル、金等の耐蝕性に優れ、かつロウ材との濡れ性に優れる金属を1μm〜20μmの厚みにメッキ法により被着させておくと、メタライズ配線層8の酸化腐蝕を有効に防止することができるとともにメタライズ配線層8への外部リード端子13のロウ付けを強固となすことができる。従って、前記メタライズ配線層8は、銅や銀等から成る場合、その露出する表面にニッケル、金等の耐蝕性に優れ、かつロウ材との濡れ性に優れる金属を1μm〜20μmの厚みに被着させておくことが好ましい。
【0032】
また前記メタライズ配線層8には外部リード端子13が銀ロウ等のロウ材を介してロウ付け取着されており、該外部リード端子13は容器内部に収容する光半導体素子4の各電極を外部電気回路に電気的に接続する作用をなし、外部リード端子13を外部電気回路に接続することによって容器内部に収容される光半導体素子4はボンディングワイヤ12、メタライズ配線層8及び外部リード端子13を介して外部電気回路に接続されることとなる。
【0033】
前記外部リード端子13は鉄ーニッケルーコバルト合金や鉄ーニッケル合金等の金属材料から成り、例えば、鉄ーニッケルーコバルト合金等の金属材料から成るインゴット(塊)に圧延加工法や打ち抜き加工法等、従来周知の金属加工法を施すことによって所定の形状に形成される。
【0034】
更に前記枠体2はその上面に、例えば、鉄ーニッケルーコバルト合金や鉄ーニツケル合金等の金属材料から成る蓋部材3が接合され、これによって基体1と枠体2と蓋部材3とからなる容器の内部に光半導体素子4が気密に封止されることとなる.
前記蓋部材3の枠体2上面への接合は、例えば、シームウェルド法等の溶接によって行われる。
【0035】
かくして本発明の光半導体素子収納用パッケージによれば、基体1の光半導体素子載置部1aに光半導件素子4を間にペルチェ素子等の電子冷却素子5を間に挟んで載置固定するとともに光半導体素子4の各電極をボンデイングワイヤ12を介して外部リード端子3に電気的こ接続し、次に枠体2の上面に蓋部材3を接合させ、基体1と枠体2と蓋部材3とから成る容器内部に光半導体素子4を収容し、最後に枠体2に取着させた筒状の固定部材9に光ファイバー部材11を取着接続させることによって最終製品としての光半導体装置となる。
【0036】
かかる光半導体装置は電子冷却素子5により光半導体素子4を冷却しつつ光半導体素子4に外部電気回路から供給される駆動信号によって光励起を起こさせ、該励起した光を透光性部材10を介し光ファイバー部材11に授受させるとともに該光ファイバー部材11の光ファイバー内を伝達させることによって高速通信等に使用される。なお、この場合、電子冷却素子5の発した熱が基体1、枠体2、セラミック端子体6及びボンディングワイヤ12を介して光半導体素子4に作用しようとしてもその熱の伝達は熱伝導率が約3W/m・Kと低く熱を伝え難いガラスセラミックス焼結体で形成されているセラミック端子体6の絶縁体7で遮断されて光半導体素子4に作用することはなく、その結果、光半導体素子4の電子冷却素子5による冷却効率が高いものとなり、低出力の電子冷却素子でも光半導体素子4を常に適温として光半導体素子4を長期間にわたり正常、かつ安定に作動させることが可能となる。
【0037】
また本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
【0038】
【発明の効果】
本発明の光半導体素子収納用パッケージによればセラミック端子体の絶縁体を、熱伝導率が約3W/m・Kと低く熱を伝え難いガラスセラミックス焼結体で形成したことから光半導体素子をペルチェ素子等の電子冷却素子で冷却しつつ外部電気回路から供給される駆動信号によって光励起させた場合、電子冷却素子の発した熱が基体、枠体、セラミック端子体及びボンディングワイヤを介して光半導体素子に作用しようとしてもその熱の伝達はセラミック端子体で遮断されて光半導体素子に作用することはなく、その結果、光半導体素子の電子冷却素子による冷却効率が高いものとなり、低出力の電子冷却素子でも光半導体素子を常に適温として光半導体素子を長期間にわたり正常、かつ安定に作動させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光半導体素子収納用パッケージの一実施例を示す断面図である。
【図2】図1に示す半導体素子収納用パッケージの蓋部材を除いた平面図である。
【図3】図1に示す半導体素子収納用パッケージの一部拡大断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・基体
1a・・・・・・・載置部
2・・・・・・・・枠体
2a・・・・・・・貫通孔
2b・・・・・・・切欠部
3・・・・・・・・蓋部材
4・・・・・・・・光半導体素子
5・・・・・・・・電子冷却素子
6・・・・・・・・セラミック端子体
7・・・・・・・・絶縁体
8・・・・・・・・メタライズ配線層
9・・・・・・・・固定部材
10・・・・・・・・透光性部材
11・・・・・・・・光ファイバー部材
Claims (1)
- 上面に光半導体素子が電子冷却素子を介して載置される載置部を有する基体と、前記基体上に光半導体素子載置部を囲繞するようにして取着され、側部に貫通孔及び切欠部を有する枠体と、前記貫通孔もしくは貫通孔周辺の枠体に取着され、光ファイバー部材が接合される筒状の固定部材と、該固定部材の前記枠体の内側の一端に金−錫合金から成るロウ材を介して取着された、外周部にチタン、チタン−タングステン、窒化タンタルの少なくとも1種から成る第1層と、白金、ニッケル、ニッケル−クロムの少なくとも1種から成る第2層と、金から成る第3層とを順次積層させて成るメタライズ層が形成された非晶質ガラスから成る透光性部材と、前記切欠部に挿着され、絶縁体に光半導体素子の各電極が電気的に接続されるメタライズ配線層が形成されているセラミック端子体と、前記枠体の上面に取着され、光半導体素子を気密に封止する蓋部材とからなる光半導体素子収納用パッケージであって、前記セラミック端子体の絶縁体がガラスセラミックス焼結体から成ることを特徴とする光半導体素子収納用パッケージ。
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