JP2003282231A - 薄型ワーク用誘導加熱コイル及びこれを用いた誘導焼入装置 - Google Patents

薄型ワーク用誘導加熱コイル及びこれを用いた誘導焼入装置

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JP2003282231A
JP2003282231A JP2002084221A JP2002084221A JP2003282231A JP 2003282231 A JP2003282231 A JP 2003282231A JP 2002084221 A JP2002084221 A JP 2002084221A JP 2002084221 A JP2002084221 A JP 2002084221A JP 2003282231 A JP2003282231 A JP 2003282231A
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thin
thin work
facing
induction
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Shigeo Yoshida
茂男 吉田
Takahiro Seta
高寛 瀬田
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Fuji Electronics Industry Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electronics Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 周面に凹凸である歯部が形成された薄型ワー
クである歯車であっても、歯部に沿った範囲とそれより
内側の部分も加熱する。 【構成】 周面に歯部が形成された歯車の周面、上面及
び下面の3面を同時加熱する。周面に対向する第1の加
熱導体部110A、110Bと、上面に対向する第2の加熱導体
部120A、120Bと、下面に対向する第3の加熱導体部130
A、130Bと、第3の加熱導体部130A、130Bを接続し、下
面に対向する連結導体部140 と、第1の加熱導体部110
A、110Bと接続される給電導体部150A、150Bとを備え、
第2の加熱導体120A、120Bは歯部の上面に対向する上凹
凸加熱部121A、121B及び上凹凸加熱部121Aより内側に対
向する上内側加熱部122A、122Bを有し、第3の加熱導体
部130A、130Bは歯部の下面に対向する下凹凸加熱部131
A、131B及び下凹凸加熱部131A、131Bより内側に対向す
る下内側加熱部132A、132Bを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、歯車等の
周面に凹凸が形成された薄型ワークを加熱する薄型ワー
ク用誘導加熱コイルと、この薄型ワーク用誘導加熱コイ
ルを用いた誘導焼入装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】以下の説明では、薄型ワークの代表例と
して周面に凹凸である歯部WCが形成された歯車Wを挙
げる。従来のこの種の薄型ワーク用誘導加熱コイル50
0は、図6に示すように、歯車Wの周面に対向する略リ
ング状の加熱導体部510と、この加熱導体部510に
接続された一対の給電導体部520とを有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
薄型ワーク用誘導加熱コイルによる薄型ワークの加熱に
は、以下のような問題がある。すなわち、薄型ワーク用
誘導加熱コイルに起因する誘導電流は歯車Wの歯部W
C、特に歯先に集中するので、歯部WCに沿った範囲の
みが加熱されるのである。このため、この薄型ワーク用
誘導加熱コイルを用いて加熱した後に冷却して誘導焼入
を施すと、図8(A)及び(B)に示すように、歯部W
Cに沿った範囲にのみ輪郭焼入となる硬化層WDが形成
され、それより内側には硬化層WDは形成されないので
ある。輪郭焼入であると、使用時に加わる力によって
は、両端面部の強度が必要な場合がある。
【0004】しかしながら、両端面のみの強度を上げ
る、すなわち両端面の硬化層WDの深さを深くすると、
硬化層WDの全体の深さが深くなり、特に、カッターの
ように使用時に高速回転する薄型ワークであると歯部の
割れは致命的な欠陥となるおそれがある。
【0005】本発明は上記事情に鑑みて創案されたもの
であって、周面に凹凸が形成された薄型ワークであって
も、凹凸に沿った範囲のみならず、それより内側の部分
も加熱することができる薄型ワーク用誘導加熱コイル
と、これを用いた誘導焼入装置を提供することを目的と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る薄型ワーク
用誘導加熱コイルは、周面に凹凸が形成された薄型ワー
クの周面、上面及び下面の3面を同時に加熱する薄型ワ
ーク用誘導加熱コイルであって、薄型ワークの周面に対
向する一対の第1の加熱導体部と、薄型ワークの上面に
対向する一対の第2の加熱導体部と、薄型ワークの下面
に対向する一対の第3の加熱導体部と、この第3の加熱
導体部を接続するとともに、薄型ワークの下面に対向す
る連結導体部と、前記第1の加熱導体部と接続される一
対の給電導体部とを備えており、前記第2の加熱導体
は、周面に形成された凹凸の上面に対向する上凹凸加熱
部と、前記上凹凸加熱部より内側に対向する上内側加熱
部とを有しており、前記第3の加熱導体部は、周面に形
成された凹凸の下面に対向する下凹凸加熱部と、前記下
凹凸加熱部より内側に対向する下内側加熱部とを有して
いる。
【0007】本発明に係る誘導焼入装置は、前記薄型ワ
ーク用誘導加熱コイルと、薄型ワークを回転駆動させる
ワーク保持部と、前記薄型ワーク用誘導加熱コイルで加
熱された薄型ワークを冷却する冷却手段とを備えてい
る。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態に係る
薄型ワーク用誘導加熱コイルの概略的斜視図、図2は本
発明の実施の形態に係る薄型ワーク用誘導加熱コイルと
薄型ワークとの関係を示す概略的平面図、図3は本発明
の実施の形態に係る薄型ワーク用誘導加熱コイルと薄型
ワークとの関係を示す概略的底面図、図4は本発明の実
施の形態に係る薄型ワーク用誘導加熱コイルを用いた誘
導焼入装置の概略的説明図、図5は本発明の実施の形態
に係る薄型ワーク用誘導加熱コイルを用いた誘導焼入装
置によって薄型ワークに形成される硬化層を示す図面で
あって、同図(A)は薄型ワークの歯部の概略的横断面
図、同図(B)は薄型ワークの歯部の概略的横断面図で
ある。
【0009】本発明の実施の形態に係る薄型ワーク用誘
導加熱コイル100は、周面に凹凸である歯部WCが形
成された薄型ワークとしての歯車Wの周面、上面WA及
び下面WBの3面を同時に加熱する薄型ワーク用誘導加
熱コイルであって、歯車Wの周面に対向する一対の第1
の加熱導体部110A、110Bと、歯車Wの上面WA
に対向する一対の第2の加熱導体部120A、120B
と、歯車Wの下面WBに対向する一対の第3の加熱導体
部130A、130Bと、この第3の加熱導体部130
A、130Bを接続するとともに、歯車Wの下面WBに
対向する連結導体部140と、前記第1の加熱導体部1
10A、110Bと接続される一対の給電導体部150
A、150Bとを備えており、前記第2の加熱導体12
0A、120Bは、周面に形成された歯部WCの上面W
Aに対向する上凹凸加熱部121A、121Bと、前記
上凹凸加熱部121Aより内側に対向する上内側加熱部
122A、122Bとを有しており、前記第3の加熱導
体部130A、130Bは、周面に形成された歯部WC
の下面WBに対向する下凹凸加熱部131A、131B
と、前記下凹凸加熱部131A、131Bより内側に対
向する下内側加熱部132A、132Bとを有してい
る。
【0010】まず、この薄型ワーク用誘導加熱コイル1
00は、導電性に優れた例えば銅からなる角パイプを折
曲、溶接したものであり、内部には薄型ワーク用誘導加
熱コイル100自身を冷却するための冷却液が循環する
ようになっている。
【0011】前記第1の加熱導体部110A、110B
は、歯車Wの周面の歯部WCに対向するものであって、
歯車Wの厚さ寸法より若干大きめの長さ寸法を有してい
る。これは、第1の加熱導体部110A、110Bが、
薄型ワーク用誘導加熱コイル100の厚さ寸法を決定す
るためであり、歯車Wの厚さ寸法より若干大きめの長さ
寸法を有しないと、薄型ワーク用誘導加熱コイル100
の内側に歯車Wがセットできないためである。なお、こ
の第1の加熱導体部110A、110Bは、誘導焼入を
施す際の歯車Wの回転軸と平行になっている。
【0012】また、前記第2の加熱導体部120A、1
20Bは、略円弧状の上凹凸加熱部121A、121B
と、この上凹凸加熱部121A、121Bに続く略凹字
形状の上内側加熱部122A、122Bとを有してい
る。前記上内側加熱部122A、122Bは、その一端
が前記第1の加熱導体部110A、110Bの一端(図
面では上端)に接続されるものである。また、前記上凹
凸加熱部121A、121Bは、その一端が前記上内側
加熱部122A、122Bの他端に接続されるものであ
る。さらに、前記上凹凸加熱部121A、121Bは、
その他端が後述する給電導体部150Aの一端に接続さ
れるものである。
【0013】すなわち、一方の第2の加熱導体部120
Aは、給電導体部150A側から見ると、上凹凸加熱部
121A、上内側加熱部122A、第1の加熱導体部1
10Aの順に接続されていることになり、他方の第2の
加熱導体部120Bは、給電導体部150B側から見る
と、上凹凸加熱部121B、上内側加熱部122B、第
1の加熱導体部110Bの順に接続されていることにな
る。
【0014】前記上凹凸加熱部121A、121Bは、
歯車Wの歯部WCの先端部から底部の範囲に対向するも
のであり、歯車Wの歯部WCの上面WAを加熱する部分
である。
【0015】一方、前記上内側加熱部122A、122
Bは、歯車Wの歯部WCの底部より内側の範囲に対向す
るものであり、歯車Wの歯部WCより内側の上面WAを
加熱する部分である。
【0016】一対の第2の加熱導体部120A、120
Bは、左右対称になっている。一方の第2の加熱導体部
120Aは歯車Wを約90度の範囲(図面では左側)に
対向するもので、他方の第2の加熱導体部120Bは歯
車Wを約90度の範囲(図面では右側)に対向するもの
であるため、一対の第2の加熱導体部120A、120
Bで、歯車Wの上面WAの約180度の範囲をカバーす
ることになる。
【0017】前記一対の給電導体部150A、150B
は、前記一対の第2の加熱導体部120A、120Bの
上凹凸加熱部121A、121Bの他端から平行に外部
に導出されている。この給電導体部150A、150B
は、図外の高周波電源に接続されている。
【0018】前記第3の加熱導体部130A、130B
は、上述した第2の加熱導体部120A、120Bとほ
ぼ同一の形状に形成されている。すなわち、この第3の
加熱導体部130A、130Bは、略円弧状の下凹凸加
熱部131A、131Bと、この下凹凸加熱部131
A、131Bに続く略凹字形状の下内側加熱部132
A、132Bとを有している。前記下内側加熱部132
A、132Bは、その一端が前記第1の加熱導体部11
0A、110Bの他端(図面では下端)に接続されるも
のである。また、前記下凹凸加熱部131A、131B
は、その一端が前記下内側加熱部132A、132Bの
他端に接続されるものである。さらに、前記下凹凸加熱
部131A、131Bは、その他端が後述する連結導体
部140に接続されるものである。
【0019】すなわち、一方の第3の加熱導体部130
Aは、連結導体部140側から見ると、下凹凸加熱部1
31A、下内側加熱部132A、第1の加熱導体部11
0Aの順に接続されていることになり、他方の第3の加
熱導体部130Bは、連結導体部140側から見ると、
下凹凸加熱部131B、下内側加熱部132B、第1の
加熱導体部110Bの順に接続されていることになる。
【0020】一対の第3の加熱導体部130A、130
Bは、左右対称になっている。一方の第3の加熱導体部
130Aは、歯車Wを約90度(図面では左側)の範囲
に対向するもので、他方の第3の加熱導体部130B
は、歯車Wを約90度(図面では右側)の範囲に対向す
るものである。このため、一対の第3の加熱導体部13
0A、130Bで、歯車Wの下面WBの約180度の範
囲をカバーすることになる。
【0021】つまり、このように構成された薄型ワーク
用誘導加熱コイル100は、一方の給電導体部150A
から見ると、一方の第2の加熱導体部120A(上凹凸
加熱部121A→上内側加熱部122A)→一方の第1
の加熱導体部110A→一方の第3の加熱導体部130
A(下内側加熱部132A→下凹凸加熱部131A)→
連結導体部140→他方の第3の加熱導体部130B
(下凹凸加熱部131B→下内側加熱部132B)→他
方の第1の加熱導体部110B→他方の第2の加熱導体
部120B(上内側加熱部122B→上凹凸加熱部12
1B)→他方の給電導体部150Bの順に接続されてい
ることになる。
【0022】この薄型ワーク用誘導加熱コイル100に
おいては、最も外側に配置されるのが一対の第1の加熱
導体部110A、110Bであり、次に外側に配置され
るのが上凹凸加熱部121A、121B、下凹凸加熱部
131A、131Bであり、最も内側に配置されるのが
上内側加熱部122A、122B、下内側加熱部132
A、132Bである。従って、この薄型ワーク用誘導加
熱コイル100は、平面視略Ω字形状に形成されること
になる。
【0023】なお、薄型ワーク用誘導加熱コイル100
自身の冷却を行う冷却液は、一方の給電導体部150A
から他方の給電導体部150Bに循環されるようになっ
ている。
【0024】また、図示はしていないが、第1の加熱導
体部110A、110B、第2の加熱導体部120A、
120B、第3の加熱導体部130A、130B及び連
結導体部140の適宜箇所には、例えばフェライト等か
らなる略凹字形状のコアが装着されている。
【0025】次に、上述した構成の薄型ワーク用誘導加
熱コイル100を用いた薄型ワークとしての歯車Wに誘
導焼入を施す手順について図4を参照しつつ説明する。
まず、歯車Wの中心を回転中心とするワーク保持部20
0に保持させる。このワーク保持部200は図外の駆動
部によって歯車Wを回転させる。
【0026】ワーク保持部200と薄型ワーク用誘導加
熱コイル100とを相対移動させ、第1の加熱導体部1
10A、110Bは歯車Wの歯部WCに、第2の加熱導
体部120A、120Bの上凹凸加熱部121A、12
1Bは歯車Wの歯部WCの上面WAに、第2の加熱導体
部120A、120Bは内側加熱部122A、122B
は歯車Wの歯部WCより内側の上面に、第3の加熱導体
部130A、130Bの下凹凸加熱部131A、131
Bは歯車Wの歯部WCの下面WBに、第3の加熱導体部
130A、130Bの下内側加熱部132A、132B
は歯車Wの歯部WCより内側の下面に、連結導体部14
0は歯車Wの歯部WCの下面WBにそれぞれ対向するよ
うにセットする。
【0027】ワーク保持部200によって歯車Wを回転
させつつ、高周波電源から薄型ワーク用誘導加熱コイル
100に高周波電流を供給する。すると、歯部WCは、
第1の加熱導体部110A、110B、上凹凸加熱部1
21A、121B、下凹凸加熱部131A、131B及
び連結導体部140によって3面から加熱されることに
なる。すなわち、第1の加熱導体部110A、110B
は歯部WCを周面から、上凹凸加熱部121A、121
Bは歯部WCを上面WAから、下凹凸加熱部131A、
131B及び連結導体部140は歯部WCを下面WBか
らそれぞれ加熱するのである。
【0028】同時に、歯部WCより内側の範囲は、上内
側加熱部122A、122B及び下内側加熱部132
A、132Bによって加熱されることになる。なお、加
熱中に歯車Wを回転させるのは均一な加熱を担保するた
めである。
【0029】従って、従来のように歯部WCのみが加熱
されるのではなく、上内側加熱部122A、122Bと
下内側加熱部132A、132Bとによって歯部WCよ
り内側の範囲まで同時に加熱されることになる。すなわ
ち、歯車Wの上面WA及び下面WBにも第2の加熱導体
部120A、120B及び第3の加熱導体部130A、
130Bがそれぞれ対向しているために、誘導電流は歯
先だけでなく、歯部WCより内側の上面WA及び下面W
Bにも流れるので、歯部WCより内側の範囲まで均一に
加熱されるのである。
【0030】特に、上内側加熱部122A、122Bと
下内側加熱部132A、132Bによる加熱は、熱伝導
によって歯部WCにまで及ぶことになる。
【0031】所定時間が経過すると、高周波電源からの
高周波電流の供給を停止して、薄型ワーク用誘導加熱コ
イル100を後退させた後、薄型ワーク用誘導加熱コイ
ル100の下方に設けられた冷却手段300の一部を構
成する貯留タンク310に貯留された冷却液Lに歯車W
をワーク保持部200ごと浸漬する。さらに、浸漬され
た歯車Wに対しては、冷却液L中の冷却ジャケット32
0から冷却液Lをさらに噴射する。かかる冷却によって
歯車Wには歯先から歯底のみならず、その内側にまで達
したの硬化層WDが形成される(図5参照)。なお、こ
の冷却液の噴射中もワーク保持部200は、均一な冷却
のために歯車Wを回転させておく。
【0032】高周波焼入が完了したならば、ワーク保持
部200と薄型ワーク用誘導加熱コイル100とを相対
的に移動させ、図外のワーク搬入搬出装置で歯車Wをワ
ーク保持部200から取り外し、新たな歯車Wをワーク
保持部200にセットする。
【0033】このようにして誘導焼入が施された薄型ワ
ークとしての歯車Wは、図5に示すように、歯部WCよ
り内側の部分にまで硬化層WD(図では破線で示してい
る)が形成されることになる。なお、図4及び図5にお
いては、歯底の位置を一点鎖線で示している。
【0034】なお、上述した実施の形態では、薄型ワー
クとして歯車Wを例に挙げたが、カッター等の周面に凹
凸がある薄型ワークであればあらゆるもの適用すること
ができるのは勿論である。
【0035】
【発明の効果】本発明に係る薄型ワーク用誘導加熱コイ
ルは、周面に凹凸が形成された薄型ワークの周面、上面
及び下面の3面を同時に加熱する薄型ワーク用誘導加熱
コイルであって、薄型ワークの周面に対向する一対の第
1の加熱導体部と、薄型ワークの上面に対向する一対の
第2の加熱導体部と、薄型ワークの下面に対向する一対
の第3の加熱導体部と、この第3の加熱導体部を接続す
るとともに、薄型ワークの下面に対向する連結導体部
と、前記第1の加熱導体部と接続される一対の給電導体
部とを備えており、前記第2の加熱導体は、周面に形成
された凹凸の上面に対向する上凹凸加熱部と、前記上凹
凸加熱部より内側に対向する上内側加熱部とを有してお
り、前記第3の加熱導体部は、周面に形成された凹凸の
下面に対向する下凹凸加熱部と、前記下凹凸加熱部より
内側に対向する下内側加熱部とを有している。
【0036】かかる薄型ワーク用誘導加熱コイルを用い
て薄型ワークを加熱すると、周面の凹凸は第1の加熱導
体部で、凹凸の上面は第2の加熱導体部で、凹凸の下面
は第3の加熱導体部及び連結導体部でそれぞれ加熱され
る。特に、第2の加熱導体部の上凹凸加熱部は凹凸の上
面を、第3の加熱導体部の下凹凸加熱部は凹凸の下面
を、第2の加熱導体部の上内側加熱部は凹凸より内側の
上面を、第3の加熱導体部の下内側加熱部は凹凸より内
側の下面をそれぞれ加熱するため、凹凸のみならずそれ
より内側の部分まで加熱することが可能となる。かかる
薄型ワーク用誘導加熱コイルを誘導焼入装置に応用する
と、凹凸に沿った範囲とそれより内側とに硬化層を形成
することができるので凹凸の割れ等の破損のおそれを低
減させることができる。
【0037】前記薄型ワークは略円形であって、前記上
凹凸加熱部、前記上内側導体部、前記下凹凸加熱部、下
内側導体部及び連結導体部は、略円弧状に形成されてい
る。かかる薄型ワーク用誘導加熱コイルであると、例え
ば歯車等の薄型ワークに好適なものとなる。
【0038】さらに、本発明に係る誘導焼入装置は、前
記薄型ワーク用誘導加熱コイルと、薄型ワークを回転駆
動させるワーク保持部と、薄型ワークに冷却液を噴射す
る冷却ジャケットとを備えている。かかる誘導焼入装置
であると、薄型ワークの周面に形成された凹凸に沿った
範囲とそれより内側とに硬化層を形成することができる
ので凹凸の割れ等の破損のおそれを低減させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る薄型ワーク用誘導加
熱コイルの概略的斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る薄型ワーク用誘導加
熱コイルと薄型ワークとの関係を示す概略的平面図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態に係る薄型ワーク用誘導加
熱コイルと薄型ワークとの関係を示す概略的底面図であ
る。
【図4】本発明の実施の形態に係る薄型ワーク用誘導加
熱コイルを用いた誘導焼入装置の概略的説明図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る薄型ワーク用誘導加
熱コイルを用いた誘導焼入装置によって薄型ワークに形
成される硬化層を示す図面であって、同図(A)は薄型
ワークの歯部の概略的横断面図、同図(B)は薄型ワー
クの歯部の概略的横断面図である。
【図6】従来のこの種の薄型ワーク用誘導加熱コイルの
概略的平面図である。
【図7】従来のこの種の薄型ワーク用誘導加熱コイルと
薄型ワークとの関係を示す概略的説明図である。
【図8】従来のこの種の薄型ワーク用誘導加熱コイルを
用いた誘導焼入装置によって薄型ワークに形成される硬
化層を示す図面であって、同図(A)は薄型ワークの歯
部の概略的横断面図、同図(B)は薄型ワークの歯部の
概略的横断面図である。
【符号の説明】
100 薄型ワーク用誘導加熱コイル 110A、110B 第1の加熱導体部 120A、120B 第2の加熱導体部 121A、121B 上凹凸加熱部 122A、122B 上内側加熱部 130A、130B 第3の加熱導体部 131A、131B 下凹凸加熱部 132A、132B 下内側加熱部 140 連結導体部 150A、150B 給電導体部 W 歯車(薄型ワーク) WA (歯車の)上面 WB (歯車の)下面 WC (歯車の)歯部(凹凸)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 6/40 H05B 6/40 Fターム(参考) 3K059 AA09 AA10 AB26 AB28 AD05 CD48 CD52 4K042 AA18 BA01 DA01 DB01 DD04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周面に凹凸が形成された薄型ワークの周
    面、上面及び下面の3面を同時に加熱する薄型ワーク用
    誘導加熱コイルにおいて、薄型ワークの周面に対向する
    一対の第1の加熱導体部と、薄型ワークの上面に対向す
    る一対の第2の加熱導体部と、薄型ワークの下面に対向
    する一対の第3の加熱導体部と、この第3の加熱導体部
    を接続するとともに、薄型ワークの下面に対向する連結
    導体部と、前記第1の加熱導体部と接続される一対の給
    電導体部とを具備しており、前記第2の加熱導体は、周
    面に形成された凹凸の上面に対向する上凹凸加熱部と、
    前記上凹凸加熱部より内側に対向する上内側加熱部とを
    有しており、前記第3の加熱導体部は、周面に形成され
    た凹凸の下面に対向する下凹凸加熱部と、前記下凹凸加
    熱部より内側に対向する下内側加熱部とを有しているこ
    とを特徴とする薄型ワーク用誘導加熱コイル。
  2. 【請求項2】 前記薄型ワークは略円形であって、前記
    上凹凸加熱部、前記上内側導体部、前記下凹凸加熱部、
    下内側導体部及び連結導体部は、略円弧状に形成されて
    いることを特徴とする請求項1記載の薄型ワーク用誘導
    加熱コイル。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の薄型ワーク用誘導
    加熱コイルと、薄型ワークを回転駆動させるワーク保持
    部と、前記薄型ワーク用誘導加熱コイルで加熱された薄
    型ワークを冷却する冷却手段とを具備したことを特徴と
    する薄型ワーク用誘導焼入装置。
  4. 【請求項4】 前記冷却手段は、薄型ワークが浸漬され
    る冷却液が貯留された貯留タンクと、この貯留タンクの
    冷却液中に設けられた冷却ジャケットとを有することを
    特徴とする請求項3記載の薄型ワーク用誘導焼入装置。
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