JP2003281934A - 導電性包装材料及びそれを成型した電子部品用容器 - Google Patents

導電性包装材料及びそれを成型した電子部品用容器

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JP2003281934A
JP2003281934A JP2002079437A JP2002079437A JP2003281934A JP 2003281934 A JP2003281934 A JP 2003281934A JP 2002079437 A JP2002079437 A JP 2002079437A JP 2002079437 A JP2002079437 A JP 2002079437A JP 2003281934 A JP2003281934 A JP 2003281934A
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conductive
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carbon atoms
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JP2002079437A
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Takashi Saito
隆司 齋藤
Shinichi Maeda
晋一 前田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水、含水有機溶媒及び有機溶媒に可溶で導電
性、成膜性、無色透明性に優れ、長期保存に置いても分
離、凝集せず、簡便な方法で塗布、被覆可能で、しかも
その塗膜が耐水性に優れている導電性組成物を用いた導
電性包装材料及びそれを成型した電子部品用容器。 【解決手段】 インドール誘導体三量体、溶媒、高分子
化合物、シランカップリング剤等の架橋剤、コロイダル
シリカ、塩基性化合物、界面活性剤、無機塩、及び着色
剤を含有する導電性組成物を用いた導電性包装材料、そ
の製造法及びそれを成型した電子部品用容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インドール誘導体
三量体を含有する導電性包装材料及びそれを成型した電
子部品用容器に関する。更に詳しくはインドール誘導体
三量体を導電成分とする導電性組成物から形成する導電
性層を含有した無色透明性、低湿度での導電性及び耐水
性、耐温水性に優れた導電性包装材料に関する。本発明
の導電性包装材料は、IC、LSI、VLSI等の半導
体デバイス、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プ
ラズマディスプレイ)、シリコンウェーハー、ハードデ
ィスク、液晶基板、磁気デバイス、光デバイス、光磁気
デバイス及びこれらを形成する電子部品、あるいは保護
材料等の電子材料の保管、搬送、装着に際して、それら
の電子材料を静電気等による破壊やゴミの付着等から保
護するために、導電性及び耐水性を付与した導電性包装
材料及びそれらを成型したキャリアテープ、カバーテー
プ、トレイ、マガジン、バルクケース、OA機器カバー
等の電子部品用容器として用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来からICやLSIを用いた電子機器
部品の包装形態として、ポリエステルなどの樹脂を成型
した真空成型トレー、エンボスキャリアーテープなどが
知られている。この真空成型トレーや、エンボスキャリ
アーテープの原板となる樹脂シート等の樹脂成型品は、
一般に固有表面抵抗値が高いため、帯電による電子部品
の機能破壊やゴミの付着による電子部品の機能低下など
の問題が起きている。
【0003】この為、その改善策として包装容器の表面
に界面活性剤などの帯電防止剤を塗布する方法(特開昭
62−260313号公報)が提案されているが、この
方法は、塗布直後は帯電防止効果を示すが、水により帯
電防止剤が流出したり、表面の摩擦により帯電防止剤が
除去されたりし、長期の使用は難しい。また、これらの
帯電防止剤は、湿度に依存し導電性が変化し、特に低湿
度の条件では十分な静電気防止性能は得ることが出来な
い。
【0004】また、導電塗料を塗布する方法(特開平5
−42969号公報、特開平7−216199号公報、
特開平7−214739号公報等)も提案されている
が、この方法では導電性塗料と基板との接着性の面で対
象となる基板が限定され、更に塗布が不均一になりやす
いため、表面の摩擦に弱く、導電層がはがれてしまい、
十分な静電防止性能を発現できないばかりか、電子部品
を破壊する恐れさえある。
【0005】カーボンブラック等の導電剤を成形樹脂に
練り込む方法(特開平8−183868号公報)も提案
されているが、十分な導電性能を有するためには10重
量%以上のカーボンブラックが必要となり、透明性がな
く強度などの物性が低下し、成形性も悪くなる。逆に添
加量が少なくなると導電性が不十分になり静電気防止性
能が発現できないという問題がある。
【0006】これらの諸々の問題を解決する方法とし
て、本発明者等はスルホン酸基及び/またはカルボキシ
ル基を有する酸性基置換の可溶性アニリン系導電性ポリ
マーとバインダーポリマーとを有効成分とする組成物か
らなる導電層を、基材に形成してなる電子部品搬送体用
キャリアテープを提案した。この組成物は、水溶性で簡
便な方法で塗膜可能であり導電性及び透明性に優れてい
る。しかしながら該発明で用いられている導電性ポリマ
ーは水溶性であるため、耐水性が不十分という課題があ
る。また、π−共役系ポリマーのため、該組成物から形
成したフィルムは、黄緑〜緑色の強い着色を有してお
り、無色透明性に欠けるなど適用場面が制約されるなど
の問題を有している。
【0007】これらの耐水性の付与に関する問題を解決
する方法として、本発明者らは、スルホン酸基及び/ま
たはカルボン酸基を有する水溶性導電性ポリマーと該ポ
リマーのスルホン酸基及び/またはカルボン酸基と反応
することができる官能基を少なくとも2個以上有する化
合物(架橋性化合物)を含む組成物(WO97/071
67号公報)を提案した。しかし、フィルムや樹脂基材
への塗工の場合は基材への影響を考慮すると架橋温度は
常温から100℃以下までが好ましいが、これらの組成
物においては、架橋性化合物の架橋開始温度は110℃
〜200℃という温度が必要なため、塗布可能な基材の
種類が制限され、適用範囲が限定されてしまうとう問題
点がある。また、着色の問題の解決もなされていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の種々
の課題を解決するためになされたものであり、低分子化
合物であるインドール誘導体三量体自体の特性を損なわ
ず、水、含水有機溶媒あるいは有機溶媒に可溶で導電
性、成膜性、無色透明性に優れ、長期保存においても分
離、凝集せず、簡便な方法で塗布、被覆可能で、しかも
その塗膜が耐水性に優れている導電性組成物を用いた導
電性包装材料及びそれを成型した電子部品用容器を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、インドール誘導
体三量体を含有する導電性包装材料及びそれを成型した
電子部品用容器がこの目的に適し、この材料を用いるこ
とにより、成膜性、無色透明性、導電性等に優れた包装
材料を形成できること、また、高分子化合物を含有させ
ることにより塗膜の強度、基材への密着性が優れた導電
性包装材料ができ、更にはこれにシランカップリング剤
を含有させることにより耐水性、硬度が向上し、また、
コロイダルシリカを含有させることにより耐水性に加え
て硬度、基材への密着性、強度も更に向上した極めて優
れた導電性包装材料が形成でき、また更に着色剤を含有
させることにより基材色調の隠蔽性を向上した導電性包
装材料が得られることを見出して本発明に到達したもの
である。
【0010】すなわち、本発明の第1は、インドール誘
導体三量体(a)を含有する導電性層を有する導電性包
装材料に関する。この導電性包装材料は更に、高分子化
合物(c)、一般式(5)で示されるシランカップリン
グ剤(e)等の架橋剤(d)、コロイダルシリカ
(f)、塩基性化合物(g)、界面活性剤(h)、無機
塩(i)及び/または着色剤(j)を含むことにより性
能の向上がはかれる。
【0011】架橋剤(d)としては、一般式(5)で示
されるシランカップリング剤(e)、
【化7】 (上記式中、R51、R52、R53は各々独立に、水
素、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、炭素
数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基、アミノ基、
アセチル基、フェニル基、ハロゲン基よりなる群から選
ばれた基である。Xは
【化8】 を示し、n及びmは1〜6までの数である。Yは水酸
基、チオール基、アミノ基、エポキシ基及びエポキシシ
クロヘキシル基よりなる群から選ばれた基である。)、
が好ましく用いることができる。
【0012】本発明の第2は、基材の少なくとも一つの
面上に、インドール誘導体三量体(a)及び溶媒(b)
を含有する導電性組成物を塗布及び/または含浸し、導
電性層を形成することを特徴とする導電性包装材料の製
造法に関する。この導電性組成物に、更に高分子化合物
(c)、架橋剤(d)、コロイダルシリカ(f)、塩基
性化合物(g)、界面活性剤(h)、無機塩(i)及び
/または着色剤を含ませることにより性能の向上がはか
れる。
【0013】本発明の第3は、前記の導電性包装材料を
成型してなることを特徴とする電子部品用容器に関す
る。電子部材容器としては、更に具体的にはトレイ、電
子部品用キャリアテープ、電子部品用キャリアテープ用
カバーテープまたは電子部品用包装袋などが挙げられ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の導電性包装材料及
びそれを成型した電子部品用容器について詳細に説明す
る。
【0015】本発明で用いるインドール誘導体三量体
(a)はとしては、
【化9】 (上記式中、R〜R15は、水素、炭素数1〜24の
直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖ま
たは分岐のアルコキシ基、炭素数2〜24の直鎖または
分岐のアシル基、アルデヒド基、カルボキシル基、炭素
数2〜24の直鎖または分岐のカルボン酸エステル基、
スルホン酸基、炭素数1〜24の直鎖または分岐のスル
ホン酸エステル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アミ
ノ基、アミド基、ジシアノビニル基、アルキル(炭素数
1〜8の直鎖または分岐のアルキル基)オキシカルボニ
ルシアノビニル基、ニトロフェニルシアノビニル基及び
ハロゲン基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた置
換基である。また、Xa-は、塩素イオン、臭素イオン、
ヨウ素イオン、フッ素イオン、硝酸イオン、硫酸イオ
ン、硫酸水素イオン、リン酸イオン、ほうフッ化イオ
ン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、酢酸イオ
ン、プロピオン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、p
−トルエンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオ
ン、及びトリフルオロメタンスルホン酸イオンよりなる
1〜3価の陰イオン群より選ばれた少なくとも一種の陰
イオンであり、aはXのイオン価数を表し、1〜3の整
数であり、mはドープ率であり、その値は0〜3.0で
ある。)が例示される。
【0016】好ましくは、
【化10】 (上記式中、R16〜R30は、水素、炭素数1〜24
の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖
または分岐のアルコキシ基、炭素数2〜24の直鎖また
は分岐のアシル基、アルデヒド基、カルボキシル基、炭
素数2〜24の直鎖または分岐のカルボン酸エステル
基、スルホン酸基、炭素数1〜24の直鎖または分岐の
スルホン酸エステル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、
アミノ基、アミド基、ジシアノビニル基、アルキル(炭
素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基)オキシカル
ボニルシアノビニル基、ニトロフェニルシアノビニル基
及びハロゲン基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれ
た置換基で示され、R16〜R 27のうち少なくとも1
つがシアノ基、ニトロ基、アミド基またはハロゲン基か
ら選ばれた基である。またXa-は、塩素イオン、臭素イ
オン、ヨウ素イオン、フッ素イオン、硝酸イオン、硫酸
イオン、硫酸水素イオン、リン酸イオン、ほうフッ化イ
オン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、酢酸イオ
ン、プロピオン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、p
−トルエンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオ
ン、及びトリフルオロメタンスルホン酸イオンよりなる
1〜3価の陰イオン群より選ばれた少なくとも一種の陰
イオンであり、aはXのイオン価数を表し、1〜3の整
数であり、mはドープ率であり、その値は0〜3.0で
ある。)で示されるインドール誘導体三量体及び、
【0017】
【化11】 (上記式中、R31〜R45は、水素、炭素数1〜24
の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖
または分岐のアルコキシ基、炭素数2〜24の直鎖また
は分岐のアシル基、アルデヒド基、カルボキシル基、炭
素数2〜24の直鎖または分岐のカルボン酸エステル
基、スルホン酸基、炭素数1〜24の直鎖または分岐の
スルホン酸エステル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、
アミノ基、アミド基、ジシアノビニル基、アルキル(炭
素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基)オキシカル
ボニルシアノビニル基、ニトロフェニルシアノビニル基
及びハロゲン基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれ
た置換基で示され、R31〜R 42のうち少なくとも1
つがスルホン酸基またはカルボキシル基である。またX
a-は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、フッ素
イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、リ
ン酸イオン、ほうフッ化イオン、過塩素酸イオン、チオ
シアン酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、メ
タンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオ
ン、トリフルオロ酢酸イオン、及びトリフルオロメタン
スルホン酸イオンよりなる1〜3価の陰イオン群より選
ばれた少なくとも一種の陰イオンであり、aはXのイオ
ン価数を表し、1〜3の整数であり、mはドープ率であ
り、その値は0〜3.0である。)で示されるインドー
ル誘導体三量体などが挙げられる。
【0018】これらのインドール誘導体三量体のうち、
カルボキシル基置換インドール三量体類、スルホン酸基
置換インドール三量体類、シアノ基置換インドール三量
体類などが実用上好ましく、カルボキシル基置換インド
ール三量体類、スルホン酸基置換インドール三量体類な
どの酸性基を有する三量体は、水溶性であるため溶媒と
して水を使用できるため、導電性膜の形成が容易であ
り、人体及び環境への安全性の面からも特に好ましく用
いることができる。
【0019】本発明で用いられるインドール誘導体三量
体(a)は、化学的合成及び電気化学的合成などの各種
合成法によって得られるインドール誘導体三量体(a)
を用いることができる。
【0020】本発明では、特に、下記一般式(4)
【化12】 (上記式中、R46〜R50は、水素、炭素数1〜24
の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖
または分岐のアルコキシ基、炭素数2〜24の直鎖また
は分岐のアシル基、アルデヒド基、カルボキシル基、炭
素数2〜24の直鎖または分岐のカルボン酸エステル
基、スルホン酸基、炭素数1〜24の直鎖または分岐の
スルホン酸エステル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、
アミノ基、アミド基、ジシアノビニル基、アルキル(炭
素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基)オキシカル
ボニルシアノビニル基、ニトロフェニルシアノビニル基
及びハロゲン基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれ
た置換基である。)で示される少なくとも一種のインド
ール誘導体を、少なくとも一種の酸化剤と少なくとも一
種の溶媒を含む反応混合物中において反応させることに
より得られるインドール誘導体三量体(a)が好ましく
用いられる。
【0021】前記のインドール誘導体三量体(a)の合
成法で用いられる一般式(4)で示されるインドール誘
導体は、具体的には、4―メチルインドール、5―メチ
ルインドール、6―メチルインドール、7―メチルイン
ドール、4―エチルインドール、5―エチルインドー
ル、6―エチルインドール、7―エチルインドール、4
―n−プロピルインドール、5―n−プロピルインドー
ル、6―n−プロピルインドール、7―n−プロピルイ
ンドール、4―iso−プロピルインドール、5―is
o−プロピルインドール、6―iso−プロピルインド
ール、7―iso−プロピルインドール、4―n−ブチ
ルインドール、5―n−ブチルインドール、6―n−ブ
チルインドール、7―n−ブチルインドール、4―se
c−ブチルインドール、5―sec−ブチルインドー
ル、6―sec−ブチルインドール、7―sec−ブチ
ルインドール、4―t−ブチルインドール、5―t−ブ
チルインドール、6―t−ブチルインドール、7―t−
ブチルインドールなどのアルキル基置換インドール類、
4―メトキシインドール、5―メトキシインドール、6
―メトキシインドール、7―メトキシインドール、4―
エトキシインドール、5―エトキシインドール、6―エ
トキシインドール、7―エトキシインドール、4―n−
プロポキシインドール、5―n−プロポキシインドー
ル、6―n−プロポキシインドール、7―n−プロポキ
シインドール、4―iso−プロポキシインドール、5
―iso−プロポキシインドール、6―iso−プロポ
キシインドール、7―iso−プロポキシインドール、
4―n−ブトキシインドール、5―n−ブトキシインド
ール、6―n−ブトキシインドール、7―n−ブトキシ
インドール、4―sec−ブトキシインドール、5―s
ec−ブトキシインドール、6―sec−ブトキシイン
ドール、7―sec−ブトキシインドール、4―t−ブ
トキシインドール、5―t−ブトキシインドール、6―
t−ブトキシインドール、7―t−ブトキシインドール
などのアルコキシ基置換インドール類、4―アセチルイ
ンドール、5―アセチルインドール、6―アセチルイン
ドール、7―アセチルインドールなどのアシル基置換イ
ンドール類、インドール―4―カルバルデヒド、インド
ール―5―カルバルデヒド、インドール―6―カルバル
デヒド、インドール―7―カルバルデヒドなどのアルデ
ヒド基置換インドール類、インドール―4―カルボン
酸、インドール―5―カルボン酸、インドール―6―カ
ルボン酸、インドール―7―カルボン酸などのカルボキ
シル基置換インドール類、インドール―4―カルボン酸
メチル、インドール―5―カルボン酸メチル、インドー
ル―6―カルボン酸メチル、インドール―7―カルボン
酸メチルなどのカルボン酸エステル基置換インドール
類、インドール―4―スルホン酸、インドール―5―ス
ルホン酸、インドール―6―スルホン酸、インドール―
7―スルホン酸などのスルホン酸基置換インドール類、
インドール―4―スルホン酸メチル、インドール―5―
スルホン酸メチル、インドール―6―スルホン酸メチ
ル、インドール―7―スルホン酸メチルなどのスルホン
酸エステル基置換インドール類、インドール―4―カル
ボニトリル、インドール―5―カルボニトリル、インド
ール―6―カルボニトリル、インドール―7―カルボニ
トリルなどのシアノ基置換インドール類、4―ヒドロキ
シインドール、5―ヒドロキシインドール、6―ヒドロ
キシインドール、7―ヒドロキシインドールなどのヒド
ロキシ基置換インドール類、4―ニトロインドール、5
―ニトロインドール、6―ニトロインドール、7―ニト
ロインドールなどのニトロ基置換インドール類、4―ア
ミノインドール、5―アミノインドール、6―アミノイ
ンドール、7―アミノインドールなどのアミノ基置換イ
ンドール類、4―カルバモイルインドール、5―カルバ
モイルインドール、6―カルバモイルインドール、7―
カルバモイルインドールなどのアミド基置換インドール
類、4―フルオロインドール、5―フルオロインドー
ル、6―フルオロインドール、7―フルオロインドー
ル、4―クロロインドール、5―クロロインドール、6
―クロロインドール、7―クロロインドール、4―ブロ
モインドール、5―ブロモインドール、6―ブロモイン
ドール、7―ブロモインドール、4―ヨードインドー
ル、5―ヨードインドール、6―ヨードインドール、7
―ヨードインドールなどのハロゲン基置換インドール
類、4―ジシアノビニルインドール、5―ジシアノビニ
ルインドール、6―ジシアノビニルインドール、7―ジ
シアノビニルインドールなどのジシアノビニル基置換イ
ンドール類、N―メチルインドール、N―エチルインド
ール、N―n−プロピルインドール、N―iso−プロ
ピルインドール、N―n−ブチルインドール、N―se
c−ブチルインドール、N―t−ブチルインドールなど
のN−アルキル基置換インドール類、などを挙げること
ができる。
【0022】このなかでカルボキシル基置換インドール
類、スルホン酸基置換インドール類、シアノ基置換イン
ドール類、ニトロ基置換インドール類、アミド基置換イ
ンドール類、ハロゲン基置換インドール類などが実用上
好ましく、シアノ基置換インドール類、カルボキシル基
置換インドール類、スルホン酸基置換インドール類が特
に好ましい。
【0023】前記のインドール誘導体三量体(a)の合
成法で用いる酸化剤は、特に限定されないが、例えば塩
化第二鉄6水和物、無水塩化第二鉄、硝酸第二鉄9水和
物、硫酸第二鉄n水和物、硫酸第二鉄アンモニウム12
水和物、過塩素酸第二鉄n水和物、テトラフルオロホウ
酸第二鉄、塩化第二銅、硝酸第二銅、硫酸第二銅、テト
ラフルオロホウ酸第二銅、テトラフルオロホウ酸ニトロ
ソニウム、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナ
トリウム、過硫酸カリウム、過沃素酸カリウムなどを挙
げることができる。このなかで塩化第二鉄6水和物、無
水塩化第二鉄、塩化第二銅、テトラフルオロホウ酸第二
銅、過硫酸アンモニウムが実用上好ましく、その中でも
塩化第二鉄6水和物、無水塩化第二鉄が最も実用上好ま
しい。なお、これらの酸化剤はそれぞれ単独で用いて
も、また2種以上を任意の割合で併用して用いてもよ
い。
【0024】前記のインドール誘導体三量体(a)の合
成法で用いるインドール誘導体と、酸化剤とのモル比
は、インドール誘導体:酸化剤=1:0.5〜100、
好ましくは1:1〜50で用いられる。ここで、酸化剤
の割合が低いと反応性が低下して原料が残存し、逆にそ
の割合があまり高いと生成した三量体を過酸化して、生
成物の劣化を引き起こすことがある。
【0025】前記のインドール誘導体三量体(a)の合
成法で用いる溶媒は、水、有機溶媒が使用できる。有機
溶媒は特に限定されないが、メタノール、エタノール、
イソプロパノール、アセトン、アセトニトリル、プロピ
オニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、γ
―ブチルラクトン、プロピレンカーボネート、スルホラ
ン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N
−メチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチ
ルスルホン、N−メチルピロリドン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロ
エタンなどが用いられる。なお、これらの溶媒はそれぞ
れ単独で用いても、また2種以上を任意の割合で混合し
て用いてもよい。これら溶媒のなかでは、アセトン、ア
セトニトリル、1,4−ジオキサン、γ−ブチルラクト
ン、N,N−ジメチルホルムアミドなどが好ましく、と
くにアセトニトリルが実用上もっとも好ましい。
【0026】また、前記のインドール誘導体三量体
(a)の合成法では水と有機溶媒を共存させて反応させ
ることが特に好ましい。前記インドール誘導体と、水と
の使用モル比は、インドール誘導体:水=1:1000
〜1000:1、好ましくは1:100〜100:1で
用いられる。ただし、酸化剤が結晶水を持っている場合
は、その結晶水量も水として計量する。ここで、水の割
合が低いと反応が暴走して三量体を過酸化して構造劣化
すると同時に、三量体に対してドーパントとなるX a−
が効率良くドープできない場合があり、導電率が低下す
ることがある。逆にその割合が高すぎると酸化反応の進
行を妨げて反応収率が低下することがある。
【0027】前記のインドール誘導体三量体(a)の合
成法では、反応時のインドール誘導体の濃度は、溶媒に
対して0.01質量%以上、好ましくは0.1〜50質
量%、より好ましくは1〜30質量%の範囲である。
【0028】本発明で用いられる一般式(2)〜(4)
で示されるインドール誘導体三量体(a)中のXa−
ドーパントであり、重合中の酸化剤等に由来するプロト
ン酸の陰イオンである。具体的には、塩素イオン、臭素
イオン、ヨウ素イオン、フッ素イオン、硝酸イオン、硫
酸イオン、硫酸水素イオン、リン酸イオン、ほうフッ化
イオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、酢酸イ
オン、プロピオン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イ
オン、トリフルオロ酢酸イオン、トリフルオロメタンス
ルホン酸イオン等の1〜3価の陰イオンであり、好まし
くは塩素イオン、硫酸イオン、ホウフッ化イオンなどの
1〜2価の陰イオンである。最も好ましいのは塩素イオ
ンなどの1価の陰イオンである。例えば、酸化剤として
無水塩化第二鉄を選んで重合を行った場合、インドール
誘導体三量体中のドーパントX は塩素イオンとな
り、トリフルオロ酢酸第二銅を用いて重合を行った場合
は、ドーパントXa−はトリフルオロ酢酸イオンとな
る。
【0029】前記のインドール誘導体三量体(a)の合
成法で得られるインドール誘導体三量体(a)は、酸化
剤として過酸化水素やオゾンを用いる場合以外はドープ
型のインドール誘導体三量体(a)であり、ドーパント
a−のモル比(ドープ率)mは0.001〜3.0で
ある。酸化剤として過酸化水素またはオゾンを用いると
m=0となる。導電性向上の観点からはドープ率mは
0.001〜3.0の方が好ましい。
【0030】N−アルキル基置換インドール誘導体酸量
体は、原料にN−アルキル基置換インドール誘導体を用
いて三量体化してもよいし、三量体を合成してから公知
のアルキル化剤を用いて合成することもできる。
【0031】インドール誘導体三量体(a)は、溶媒
(b)への溶解性をより向上する目的で脱ドープ処理を
したものを用いることができる。脱ドープの処理方法と
しては特に限定されるものではないが、例えば従来から
各種導電性ポリマー、電荷移動錯体の脱ドープ工程とし
て公知の方法が用いられる。すなわちアンモニア水、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなど
のアルカリ性溶液中にインドール誘導体三量体(a)を
懸濁させてドーパントXa−を除去する方法、または還
元処理により脱ドープ型のインドール誘導体三量体(す
なわち、ドープ率m=0)を得る方法が挙げられる。
【0032】脱ドープ型のインドール誘導体三量体は、
再度任意種類、任意の量のドープ剤による処理により任
意のドーパントを任意のドープ率だけ有するドープ型の
インドール誘導体三量体に容易に変換することができ
る。例えば、塩素イオン以外の対イオンを有する酸化剤
で重合したドープ型インドール誘導体三量体を、水酸化
ナトリウム溶液で脱ドープして脱ドープ型のインドール
誘導体三量体とした後、それを塩酸水溶液に再ケン濁さ
せることで、塩素ドープ型インドール誘導体三量体へと
誘導することも可能である。このようにして得られた任
意のドーパントによりドープされたインドール誘導体三
量体も本発明の導電性組成物に用いることができる。
【0033】インドール誘導体三量体(a)は、積層構
造を有することにより、導電性能が優れる場合がある。
特に、層間隔0.1〜0.6nmである積層構造を有し
ていることが好ましい。このような超微細積層構造をも
つ化合物は、剛性、強度、耐熱性などの物性が良好であ
る。ただし、層間隔が0.1nm以上で積層構造がより
安定となる傾向にあり、また0.6nm以下で三量体相
互間での電子ホッピング伝導がより容易になり、導電性
能が向上する傾向がある。
【0034】これらのインドール誘導体三量体(a)を
本発明に用いる場合、その純度が導電性能に影響を与え
るため、合成後、再結晶、再沈精製、昇華精製等の精製
方法を用いて高純度化することが好ましい。
【0035】また、本発明の導電性組成物を構成する溶
媒(b)としては、インドール誘導体三量体(a)、高
分子化合物(c)、架橋剤(d)、シランカップリング
剤(e)、コロイダルシリカ(f)、塩基性化合物
(g)、界面活性剤(h)、無機塩(i)、着色剤
(j)を溶解或いは分散するものであれば特に限定され
ず水、含水有機溶媒や有機溶媒が用いられる。有機溶媒
としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール、プロピルアルコール、ブタノール等のアルコー
ル類、アセトン、メチルエチルケトン、エチルイソブチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、エチ
レングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、
エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル等のエ
チレングリコール類、プロピレングリコール、プロピレ
ングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエ
チルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、
プロピレングリコールプロピルエーテル等のプロピレン
グリコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド等のアミド類、N−メチルピロリドン、 N−エ
チルピロリドン等のピロリドン類、乳酸メチル、乳酸エ
チル、β−メトキシイソ酪酸メチル、α−ヒドロキシイ
ソ酪酸メチル等のヒドロキシエステル類等、ジメチルス
ルオキシドが好ましく用いられる。特にインドール誘導
体三量体への溶解性の点で水、メタノール、イソプロパ
ノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルオキ
シドがより好ましい。なお、これらの溶媒はそれぞれ単
独で用いても、また任意の割合で混合して用いてもよ
い。
【0036】インドール誘導体三量体(a)の使用割合
は、溶媒(b)100質量部に対して0.01〜20質
量部、好ましくは0.1〜10質量部である。インドー
ル誘導体三量体(a)の割合が20質量部以下では溶解
性がよく導電性がより向上する。
【0037】また、本発明で前記導電性組成物及び導電
性層の構成成分として高分子化合物(c)を用いること
により導電性層の基材密着性、強度は更に向上する。本
発明に用いられる高分子化合物(c)としては、溶媒
(b)に溶解するもの、或いはエマルションを形成する
ものであれば特に限定されるものではない。例えばポリ
ビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニル
ブチラールなどのポリビニルアルコール類、ポリアクリ
ルアマイド、ポリ(N−t−ブチルアクリルアマイ
ド)、ポリアクリルアマイドメチルプロパンスルホン酸
などのポリアクリルアマイド類、ポリビニルピロリドン
類、アルキド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリル
樹脂、ウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、ユリア樹
脂、ポリイミド樹脂、マレイン酸樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩
素化ポリプロピレン樹脂、アクリル/スチレン共重合樹
脂、酢酸ビニル/アクリル共重合樹脂、ポリエステル樹
脂、スチレン/マレイン酸共重合樹脂、フッ素樹脂及び
これらの共重合体などが用いられる。またこれらの高分
子化合物(c)は2種以上を任意の割合で混合したもの
であってもよい。
【0038】これら高分子化合物(c)の中でも水溶性
高分子化合物または水系でエマルジョンを形成する高分
子化合物が好ましく用いられ、特に好ましくはアニオン
基を有する高分子化合物が用いられる。また、その中で
も、水系アクリル樹脂、水系ポリエステル樹脂、水系ウ
レタン樹脂及び水系塩素化ポリオレフィン樹脂のうちの
1種または2種以上を混合して使用することが好まし
い。
【0039】高分子化合物(c)の使用割合は溶媒
(b)100質量部に対して0.1〜400質量部であ
り、好ましくは0.5〜300質量部である。0.1質
量部以上では成膜性、成形性、強度がより向上し、一方
400質量部以下の時、インドール誘導体三量体(a)
の溶解性の低下が少なく、高い導電性が維持される。
【0040】本発明の導電性組成物及び導電性層は、架
橋剤(d)を加えることにより形成される導電体に耐溶
剤性及び耐水性が付与される。
【0041】構成成分である架橋剤(d)は、特に限定
されないが、自身が分子間で架橋反応して三次元網状構
造を形成するか、または活性水素を有する有機化合物、
無機化合物、インドール誘導体三量体(a)、高分子化
合物(c)と反応して架橋結合を形成するものが使用さ
れる。更にインドール誘導体三量体(a)及び高分子化
合物(c)のどちらか一方または両方と架橋するもの
が、耐溶剤性、耐水性の観点からより好ましい。
【0042】本発明の架橋剤(d)としては、反応して
架橋結合を形成することが可能な、例えばアクリル基、
ビニル基、エポキシ基、イソシアネート基、オキサゾリ
ン基、シラノール基、酸クロリド基、カルボキシル基、
アミノ基、水酸基、メルカプト基等の反応性基を分子内
に2個以上有する化合物、または水等の溶媒中において
通常の条件下では保護されて反応しないが、加熱、pH
調整などの処理により、イソシアネート基などの上記反
応性基に再生する基を分子内に2個以上有する化合物で
ある。このような化合物としては、多官能ビニル化合
物、多官能アクリル化合物、多官能エポキシ化合物、多
官能イソシアネート化合物、多官能オキサゾリン化合
物、多官能カルボン酸化合物、多官能アミン化合物、多
官能ヒドロキシ化合物、多官能メルカプト化合物、シラ
ンカップリング剤(e)等が挙げられる。
【0043】多官能エポキシ化合物としては、ビスフェ
ノールAを出発原料としたビスフェノールA系エポキシ
樹脂、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリ
セロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトー
ルポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシ
ジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、
トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシ
アヌレート、トリメチロールプロパンポリグリシジルエ
ーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、ネオペンチ
ルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−へキサン
ジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−
ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエー
テル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ
テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、アジ
ピン酸グリシジルエステル、o−フタル酸グリシジルエ
ステル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジル
エーテル、等があげられる。
【0044】上記多官能エポキシ化合物は、共存するイ
ンドール誘導体三量体(a)及び/または高分子化合物
(c)と反応する以外に、他の活性水素を有する化合物
を添加して反応させることも可能である。そのような化
合物としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエ
チレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリオ
キシプロピレンポリアミン、トリエチレングリコールジ
アミン、テトラエチレングリコールジアミンなどの脂肪
族ポリアミン、キシリレンジアミン、スピロアセタール
ジアミン、イソホロンジアミン、ビス(3−メチル−4
−アミノシクロヘキシル)メタンなどの環状ポリアミ
ン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルス
ルホンなどの芳香族ポリアミン、ポリアミンとジカルボ
ン酸との縮合により合成される分子内に活性アミノ基を
多数有するポリアミノアミド、アミンアダクト硬化剤、
マンニッヒ型硬化剤等の変性アミンなどがあげられる。
【0045】多官能イソシアネート化合物としては、分
子中にイソシアネート基を二つ以上、好ましくは3また
は4個含有するものを使用することができる。具体的に
は、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TD
I)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−T
DI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネー
ト(MDI)、水素化MDI、1,5−ナフタレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XD
I)、水素化XDI、メタキシリレンジイソシアネート
(MXDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェ
ニリレンジイソシアネート(TODI)等の芳香族系の
イソシアネート化合物や、イソホロンジイソシアネート
(IPDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ
ート(TMDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート
(HDI)等の脂肪族系のイソシアネート化合物、及び
これらのアダクト体、ビウレット体、イソシアヌレート
体などが好ましく使用される。多官能イソシアネート化
合物の分子量は、一般に500〜1000程度が好まし
い。
【0046】例えば、熱反応型水溶性ウレタン樹脂であ
るエラストロン(商品名、第一工業製薬(株))として
入手できる。これは、末端イソシアネート基がブロック
剤により保護されて、水中においても安定に取り扱える
ように工夫した反応性ウレタン樹脂である。エラストロ
ンのブロック剤にはカルバモイルスルホネート基(−N
HCOSO3 −)なる強力な親水性基を有する化合物が
使用されている。エラストロンは一定の熱処理される
と、ブロック剤が解離し、活性イソシアネート基が再生
される特徴を有する。具体的には、100℃以下で予備
乾燥し、120−170℃の数分の熱処理により、エラ
ストロンはそれ自身単独で再生したイソシアネート基に
より、分子間で自己架橋反応して3次元の網目構造をも
ったポリウレタン被膜を形成する。また他の活性水素含
有化合物と混合して熱処理を行うと、それらの化合物を
架橋により改質することができる
【0047】多官能ビニル化合物としては、例えば、ポ
リブタジエン、イソプレン等が挙げられる。
【0048】多官能アクリル化合物としては、具体的に
は、ビスフェノールF EO変性(4モル)ジアクリレ
ート(M−208)、ビスフェノールA EO変性(4
モル)ジアクリレート(M−210)、イソシアヌル酸
EO変性ジアクリレート(M−215)、トリプロピレ
ングリコールジアクリレート(M−220)、ポリプロ
ピレングリコールジアクリレート(nは約7、PPG#
400、M−225)、ペンタエリスリトールジアクリ
レートモノステアレート(M−233)、ポリエチレン
グリコールジアクリレート(nは約4、PPG#20
0、M−240)、ポリエチレングリコールジアクリレ
ート(nは約9、PPG#400、M−245)、ポリ
エチレングリコールジアクリレート(nは約13〜1
4、PPG#600、M−260)、ポリプロピレング
リコールジアクリレート(nは約12、M−270)、
ペンタエリスリトールトリアクリレート(M−30
5)、トリメチロールプロパントリアクリレート(M−
309)、トリメチロールプロパンPO変性(3モル)
トリアクリレート(M−310)、イソシアヌル酸EO
変性トリアクリレート(M−315)、トリメチロール
プロパンPO変性(6モル)トリアクリレート(M−3
20)、トリメチロールプロパンEO変性(3モル)ト
リアクリレート(M−350)、トリメチロールプロパ
ンEO変性(6モル)トリアクリレート(M−36
0)、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリ
レート(M−400)、ジトリメチロールプロパンテト
ラアクリレート(M−408)、ペンタエリスリトール
テトラアクリレート(M−450)、ウレタンアクリレ
ート(M−1100)、ポリエステルアクリレート(M
−7000シリーズ、M−8000シリーズ、M−71
00、M−8060)が挙げられる。
【0049】多官能オキサゾリン化合物としては、例え
ば、エポクロス(商品名、日本触媒(株)製)等が挙げ
られる。
【0050】多官能カルボン酸化合物としては、例え
ば、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、トリメ
シン酸等が挙げられる。
【0051】多官能アミン化合物としては、例えば、バ
ーサミン、バーサミド(商品名、ヘンケルジャパン
(株)製)のようなポリアミンまたはポリアミドアミン
化合物、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン等が挙げられる。
【0052】多官能ヒドロキシ化合物としては、例え
ば、ポリビニルアルコール、ポリエーテルポリオール、
ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリカ
ーボネートジオール、トリメチロールエタン、トリメチ
ロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等
が挙げられる。
【0053】多官能メルカプト化合物としては、例え
ば、トリビニルシクロヘキサン変性トリメチレンジオー
ル等が挙げられる。
【0054】シランカップリング剤(e)としては、一
般式(5)で示されるシランカップリング剤(e)、
【化13】 (上記式中、R51、R52、R53は各々独立に、水
素、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、炭素
数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基、アミノ基、
アセチル基、フェニル基、ハロゲン基よりなる群から選
ばれた基である。Xは
【化14】 を示し、n及びlは0〜6までの数である。Yは水酸
基、チオール基、アミノ基、エポキシ基よりなる群から
選ばれた基である。)が用いられる。
【0055】シランカップリング剤(e)は、前記一般
式(5)で示される水酸基、チオール基、アミノ基また
はエポキシ基を持つものが用いられ、具体的にはエポキ
シ基を持つものとしてはγ−グリシジルオキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピル
トリエトキシシラン等、アミノ基を持つものとしてはγ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、β−アミノエチ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロポキシプロピル
トリメトキシシラン等、チオール基を持つものとしては
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、β−メル
カプトエチルメチルジメトキシシラン等、水酸基を持つ
ものとしてはβ−ヒドロキシエトキシエチルトリエトキ
シシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン
等、エポキシシクロヘキシル基をもつものとしては、β
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン等が挙げられる。
【0056】本発明で用いるの架橋剤(d)は、前記の
ように導電層形成時に使用する溶媒(b)に溶け、安定
ならば如何なるものも使用可能であるが、中でも多官能
エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能
ヒドロキシ化合物、シランカップリング剤(e)が好ま
しく、特に水に可溶で安定な水系多官能エポキシ化合
物、水系多官能イソシアネート化合物、水系多官能ヒド
ロキシ化合物、水系シランカップリング剤(e)が好ま
しい。
【0057】また、上記の多官能反応性基含有化合物中
に、モノビニル化合物、モノアクリル化合物、モノエポ
キシ化合物、モノイソシアネート化合物、モノオキサゾ
リン化合物、モノカルボン酸化合物、モノアミン化合
物、モノヒドロキシ化合物、モノメルカプト化合物等を
含んでもよい。
【0058】インドール誘導体三量体(a)及び/また
は高分子化合物(c)を自己架橋させ、より架橋を強固
にすることもできる。そのためにはこれらの化合物
(a)及び(c)が架橋性反応基を有することが必要で
あり、このような架橋性反応基としては、例えば、アク
リル基、ビニル基、エポキシ基、イソシアネート基、オ
キサゾリン基、シラノール基、酸クロリド基、カルボキ
シル基、アミノ基、水酸基、メルカプト基等が挙げられ
る。
【0059】本発明の導電性組成物から得られる導電性
層は、用途によっては使用時に水や有機溶剤にて洗浄す
る場合があるが、架橋剤(d)により硬化することによ
り、耐水性や耐溶剤性の付与により制電性の低下を防止
できるだけでなく、透明導電性膜に対する水や溶剤の振
り切り性が良くなるという効果がある。また、架橋硬化
により透明導電性膜は水や溶剤の吸水量が少なく膨潤し
ていないため、乾燥時間を短縮できる。また、ゴミの付
着が少ない、水洗時の傷つきが少ないといった効果もあ
る。
【0060】しかし、架橋硬化が強すぎると、加工等で
導電体を伸張した場合、導電層が伸びに追従できず、伸
張部分での制電性の低下が起こるため、150%伸張し
た時に表面抵抗値が10倍より大きくならないように、
架橋硬化させる必要がある。
【0061】また、前記成分(d)と成分(b)の使用
割合は、成分(b)100質量部に対して成分(d)が
0.001〜20質量部であり、好ましくは0.01〜
15質量部である。成分(d)0.001質量部未満で
は耐水性及び/または耐溶剤性の向上幅が比較的小さ
く、一方、20質量部を越えると溶解性、平坦性、透明
性、及び導電性が悪化することがある。
【0062】また、前記成分(e)と成分(b)の使用
割合は、成分(b)100質量部に対して成分(e)が
0.001〜20質量部であり、好ましくは0.01〜
15質量部である。成分(e)0.001質量部未満で
は耐水性及び/または耐溶剤性の向上幅が比較的小さ
く、一方、20質量部を越えると溶解性、平坦性、透明
性、及び導電性が悪化することがある。
【0063】本発明の導電性組成物及び導電性層は、更
にコロイダルシリカ(f)を加えると導電性層の表面硬
度及び耐侯性は著しく向上する。本発明に用いられるコ
ロイダルシリカ(f)は、特に限定されないが、水、有
機溶剤または水及び有機溶剤の混合溶媒に分散されてい
るものが好ましく用いられる。ここで用いる有機溶剤と
しては、特に限定されないが例えば、メタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコー
ル、ブタノール、ペンタノール等のアルコール類、アセ
トン、メチルエチルケトン、エチルイソブチルケトン、
メチルイソブチルケトン等のケトン類、エチレングリコ
ール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレング
リコールモノ−n−プロピルエーテル等のエチレングリ
コール類、プロピレングリコール、プロピレングリコー
ルメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテ
ル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレン
グリコールプロピルエーテル等のプロピレングリコール
類等が好ましく用いられる。
【0064】また、コロイダルシリカの粒子径として
は、1nm〜300nmのものが用いられ、好ましくは
1nm〜150nm、更に好ましくは1nm〜50nm
の範囲のものが用いられる。ここで粒子径が大きすぎる
と硬度が不足し、またコロイダルシリカ自体の溶液安定
性も低下してしまう。
【0065】本発明の導電性組成物及び導電性層の構成
成分である塩基性化合物(g)は、インドール誘導体三
量体(a)を脱ドープし、溶媒(b)への溶解性をより
向上させる効果がある。またカルボキシル基置換インド
ール三量体類、スルホン酸基置換インドール三量体類の
場合、スルホン酸基及びカルボキシル基と塩を形成する
ことにより水への溶解性が特段に向上する。塩基性化合
物(g)としては、特に限定されるものではないが、例
えば、アンモニア、脂式アミン類、環式飽和アミン類、
環式不飽和アミン類やアンモニウム塩類、無機塩基など
が好ましく用いられる。
【0066】塩基性化合物として用いられるアミン類の
構造式を下式に示す。
【化15】 式中、R54〜R56は各々互いに独立に水素、炭素数
1〜4(C〜C)のアルキル基、CHOH、CH
CHOH、CONHまたはNHを表す。
【0067】本発明の塩基性化合物として用いられるア
ンモニウム塩類の構造式を下式に示す。
【化16】 式中、R57〜R60は各々互いに独立に水素、炭素数
1〜4(C〜C)のアルキル基、CHOH、CH
CHOH、CONHまたはNHを表し;X
OH、1/2・SO −、NO 、1/2CO
2−、HCO 、1/2・(COO) 2−、または
R‘COO[式中、R‘は炭素数1〜3(C
)のアルキル基である。]を表す。
【0068】環式飽和アミン類としては、ピペリジン、
ピロリジン、モリホリン、ピペラジン及びこれらの骨格
を有する誘導体及びこれらのアンモニウムヒドロキシド
化合物などが好ましく用いられる。
【0069】環式不飽和アミン類としては、ピリジン、
α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、キノリ
ン、イソキノリン、ピロリン及びこれらの骨格を有する
誘導体及びこれらのアンモニウムヒドロキシド化合物な
どが好ましく用いられる。
【0070】無機塩基としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウムなどの水酸化物が好まし
く用いられる。
【0071】塩基性化合物(g)は2種以上を混合して
用いても良い。例えば、アミン類とアンモニウム塩類を
混合して用いることにより更に導電性を向上させること
ができる。具体的には、NH/(NHCO
NH/(NH)HCO、NH/CHCOON
、NH/(NHSO4、N(CH
CHCOONH、N(CH/(NH
などが挙げられる。またこれらの混合比は任意の割
合で用いることができるが、アミン類/アンモニウム塩
類=1/10〜10/0が好ましい。
【0072】塩基性化合物(g)の使用割合は、溶媒
(b)100質量部に対して0.1〜10質量部、好ま
しくは0.1〜5質量部である。塩基性化合物(g)の
割合が10質量部以下の時、溶解性が良く、導電性に優
れるなど好ましい。
【0073】本発明の導電性組成物は、インドール誘導
体三量体(a)、溶媒(b)、高分子化合物(c)、シ
ランカップリング剤(e)等の架橋剤(d)、コロイダ
ルシリカ(f)及び塩基性化合物(g)の成分のみでも
性能の良い膜を形成することが可能であるが、界面活性
剤(h)を加えると更に平坦性、塗布性及び導電性など
が向上する。本発明の導電性組成物及び導電体の成分で
ある界面活性剤(h)は、アルキルスルホン酸、アルキ
ルベンゼンスルホン酸、アルキルカルボン酸、アルキル
ナフタレンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、ジ
アルキルスルホコハク酸、α−スルホン化脂肪酸、N−
メチル−N−オレイルタウリン、石油スルホン酸、アル
キル硫酸、硫酸化油脂、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル硫酸、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエ
ーテル硫酸、アルキルリン酸、ポリオキシエチレンアル
キルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテルリン酸、ナフタレンスルホン酸ホルムアル
デヒド縮合物及びこれらの塩などのアニオン系界面活性
剤、第一〜第三脂肪アミン、四級アンモニウム、テトラ
アルキルアンモニウム、トリアルキルベンジルアンモニ
ウムアルキルピリジニウム、2−アルキル−1−アルキ
ル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム、N,N−
ジアルキルモルホリニウム、ポリエチレンポリアミン脂
肪酸アミド、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミドの尿
素縮合物、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミドの尿素
縮合物の第四級アンモニウム及びこれらの塩などのカチ
オン系界面活性剤、N,N−ジメチル−N−アルキル−
N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N,N,
N−トリアルキル−N−スルホアルキレンアンモニウム
ベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビスポリオキ
シエチレンアンモニウム硫酸エステルベタイン、2−ア
ルキル−1−カルボキシメチル−1−ヒドロキシエチル
イミダゾリニウムベタインなどのベタイン類、N,N−
ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸塩などのアミノ
カルボン酸類などの両性界面活性剤、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレ
ングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピ
レンアルキルエーテル、多価アルコール脂肪酸部分エス
テル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エ
ステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン化ヒマシ
油、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンア
ルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステ
ル、トリアルキルアミンオキサイドなどの非イオン系界
面活性剤及びフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオ
ロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルベンゼン
スルホン酸、パーフルオロアルキルポリオキシエチレン
エタノールなどのフッ素系界面活性剤が用いられる。こ
こで、アルキル基は炭素数1〜24が好ましく、炭素数
3〜18がより好ましい。なお、界面活性剤は二種以上
用いても何らさしつかえない。
【0074】界面活性剤(h)の使用割合は、溶媒
(b)100質量部に対して0.1〜10質量部、好ま
しくは0.1〜5質量部である。
【0075】本発明の導電性組成物は、更に無機塩
(i)を加えると溶媒(b)に対するインドール誘導体
三量体(a)の溶解度が向上する。無機塩(i)は特に
限定されないがアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩な
どが好ましく用いられる。例えば塩化リチウム、臭化リ
チウム、ヨウ化リチウム、水酸化リチウム、炭酸リチウ
ム、硝酸リチウム、しゅう酸リチウム、りん酸リチウ
ム、硫酸リチウムが好ましく用いられる。なお、無機塩
は二種以上用いても何らさしつかえない。
【0076】無機塩(i)の使用割合は、溶媒(b)1
00重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.
1〜3重量部である。
【0077】また、本発明の導電性組成物及び導電性層
は必要によって、更に着色剤(j)を併用することがで
きる。着色剤(j)を併用した導電性組成物から得られ
る導電性層の美装性及び導電性層による塗工基材の色調
の隠蔽性が向上する。
【0078】本発明の顔料及び染料から選ばれた少なく
とも一種の着色剤(j)は、本発明に用いる溶媒(b)
に溶解または分散可能であれば特に限定されるものでは
ないが、着色剤(j)が水溶性及び/または水系で分散
するものが好ましく、更に好ましくは水で分散する顔料
が用いられる。例えば顔料としては、無機顔料、有機顔
料等が用いられる。無機顔料の具体例としては、クレ
ー、バライト、雲母、黄土などの天然物顔料、黄鉛、亜
鉛黄、バリウム黄等のクロム酸塩顔料、紺青等のフェロ
シアン化物顔料、銀朱、カドミウム黄、硫化亜鉛、アン
チモン白、カドミウムレッド等の硫化物顔料、硫酸バリ
ウム、硫酸鉛、硫酸ストロンチウム等の硫酸鉛顔料、亜
鉛華、チタン白、弁柄、鉄黒、酸化クロム等の酸化物顔
料、水酸化アルミニウム等の水酸化物顔料、珪酸カルシ
ウム、群青等の珪酸塩顔料、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム等の炭酸塩顔料、カーボンブラック、松煙、ボ
ーンブラック、グラファイト等の炭素顔料、アルミニウ
ム粉、ブロンズ粉、亜鉛粉等の金属粉顔料、砒酸塩顔
料、燐酸塩顔料等が挙げられる。有機顔料の具体例とし
ては、マダーレーキ、ロッグウッドレーキ、コチニール
レーキ等の天然染料系顔料、ナフトールグリーンB、ナ
フトールグリーンY等のニトロソ系顔料、ナフトールイ
エローS、リソールファストイエロー2G等のニトロ系
顔料、パーマネントレッド4R、ブリリアントファスト
カーレット、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー等の
不溶性型アゾ顔料、リソールレッド、レーキレッドC、
レーキレッドD等の難溶性型アゾ系顔料、ブリリアント
カーミン6B、パーマネントF5R、ピグメントスカレ
ーット3B、ボルドー10B等の可溶性型アゾ系顔料、
フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、スカ
イブルー等のフタロシアニン系顔料、ローダミンレー
キ、マラカイトグリーンレーキ、メチルバイオレットレ
ーキ等の塩基性染料系顔料、ピーコックブルーレーキ、
エオシンレーキ、キノリンイエローレーキ等の酸性染料
系顔料、インダストレンブルー、チオインジゴマルーン
等の建染染料系顔料、アリザリンレーキ等の媒染染料系
顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンバイオレッ
ト、ペリレンレッド、ペリレンスカーレット、イソイン
ドリンノンイエロー、ジオキサジンバイオレット、アニ
リンブラック、イソインドールノンイエロー、有機蛍光
顔料等が挙げられる。また染料としては例えば、C.
I.ディスペンスイエロー、C.I.ディスペンスレッ
ド、C.I.ディスペンスブルー等の分散染料、C.
I.ベイシックイエロー、C.I.ベイシックオレン
ジ、C.I.ベイシックレッド、C.I.ベイシックバ
イオレット、C.I.ベイシックブルー、C.I.ベイ
シックブラック等の塩基性染料、C.I.アシッドイエ
ロー、C.I.アシッドオレンジ、C.I.アシッドレ
ッド、C.I.アシッドバイオレット、C.I.アシッ
ドブルー、C.I.アシッドグリーン、C.I.アシッ
ドブラウン、C.I.アシッドブラック等の酸性染料、
C.I.サルファーオレンジ、C.I.サルファーブル
ー、C.I.サルファーレッド、C.I.サルファーグ
リーン、C.I.サルファーブラウン、C.I.サルフ
ァーイエロー、C.I.サルファーブッラク、C.I.
ソルビライズドサルファーオレンジ、C.I.ソルビラ
イズドサルファーイエロー、C.I.ソルビライズドサ
ルファーレッド、C.I.ソルビライズドサルファーブ
ルー、C.I.グリーン、C.I.ソルビライズドサル
ファーブラウン等の硫化染料、C.I.モーダントイエ
ロー、C.I.モーダントオレンジ、C.I.モーダン
トレッド、C.I.モーダントバイオレット、C.I.
モーダントブルー、C.I.モーダントグリーン、C.
I.モーダントブラウン、C.I.モーダントブラック
等の媒染染料、C.I.バットイエロー、C.I.バッ
トオレンジ、C.I.バットレッド、C.I.バットバ
イオレット、C.I.バットブルー、C.I.ソルビラ
イズバットブルー、C.I.バットグリーン、C.I.
ソルビライズドバットグリーン、C.I.バットブラウ
ン、C.I.バットブラック等の建染染料、C.I.リ
アクティブイエロー、C.I.リアクティブオレンジ、
C.I.リアクティブブレッド、C.I.リアクティブ
ブルー、C.I.リアクティブグリーン、C.I.リア
クティブブラック等の反応染料、C.I.ダイレクトイ
エロー、C.I.ダイレクトオレンジ、C.I.ダイレ
クトレッド、C.I.ダイレクトグリーン、C.I.ダ
イレクトバイオレット、C.I.ダイレクトブルー、
C.I.ダイレクトブラウン、C.I.ダイレクトブラ
ック等の直接染料、C.I.ソルベントイエロー、C.
I.ソルベントオレンジ、C.I.ソルベントレッド、
C.I.ソルベントバイオレット、C.I.ソルベント
ブルー、C.I.ソルベントグリーン、C.I.ソルベ
ントブラウン、C.I.ソルベントブラック等の油溶染
料、ジアミノスチルベンゼンスルホン酸誘導体、イミダ
ゾール誘導体、クマリン誘導体等の蛍光白色染料(蛍光
増白剤)、硫化建染染料、金属錯塩染料、アゾイック染
料、酸性媒染染料、複合染料、カチオン染料が挙げられ
る。
【0079】また、前記成分(j)と成分(b)の使用
割合は、成分(b)100質量部に対して成分(j)が
0.001〜50質量部であり、好ましくは0.01〜
30質量部である。成分(f)0.001質量部未満で
は隠蔽性、美装性の向上幅が比較的小さく、一方、50
質量部を越えると溶解性、平坦性、透明性、及び導電性
が悪化することがある。
【0080】更に本発明に用いられる導電性組成物に
は、必要に応じて、可塑剤、分散剤、塗面調整剤、流動
性調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保存安定剤、接
着助剤、増粘剤などの公知の各種物質を添加して用いる
ことができる。
【0081】これらの構成成分を混合する際、スパイラ
ルミキサー、プラネタリーミキサー、ディスパーサー、
ハイブリットミキサーなどのブレード型撹拌混練装置が
好適に用いられる。なお、この後更にボールミル、振動
ミル、サンドミル、ロールミルなどのボール型混練装置
を用いて分散溶解を徹底化することが望ましい。
【0082】本発明において導電性組成物を塗布及び/
または含浸し導電性層を形成する基材としては、高分子
化合物、プラスチック、木材、紙材、セラミックス及び
そのフィルム、発泡体、多孔質膜、エラストマーまたは
ガラス板などが用いられる。例えば高分子化合物、プラ
スチック及びフィルムとしては、ポリエチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹
脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリブタジエン、ポリ
カーボネート、ポリアリレート、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアラ
ミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルニ
トリル、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホン、ポ
リサルホン、ポリエーテルイミド、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリウレタン、そのフィルム、発泡体及びエ
ラストマーなどがある。これらの高分子フィルムは、少
なくともその一つの面上に透明導電性高分子膜を形成さ
せるため、該高分子膜の密着性を向上させる目的で上記
フィルム表面をコロナ表面処理またはプラズマ処理する
ことが好ましい。
【0083】本発明の導電性層を形成するのに用いられ
る導電性組成物は、一般の塗工に用いられる方法によっ
て基材の表面に加工され、架橋性導電性プライマー層を
形成する。例えばグラビアコーター、ロールコーター、
カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコータ
ー、リバースコーター、キスコーター、ファンテンコー
ター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフ
コーター、ブレードコーター、キャストコーター、スク
リーンコーター等の塗布方法、エアスプレー、エアレス
スプレー等のスプレーコーティング等の噴霧方法、ディ
ップ等の浸漬方法等が用いられる。
【0084】導電性組成物を塗布し導電性層を形成した
後の処理は、常温で放置することもできるが、加熱処理
することもできる。加熱処理により成分(c)、成分
(d)、成分(e)、成分(f)と成分(a)の架橋反
応が更に促進して、耐水性をより短時間で付与でき、ま
た残留する成分(b)の量をより低下することができ導
電性が更に向上するため好ましい。加熱処理温度は、2
50℃以下、好ましくは40℃〜200℃の加熱が好ま
しい。250℃より高いとインドール誘導体三量体
(a)自体が分解してしまい導電性は著しく低下する。
【0085】導電性層の塗布膜厚は、0.01〜100
μmの範囲が好ましく、更に好ましくは0.1〜50μ
mの範囲で適用される。
【0086】本発明の導電性包装材料を成型した電子部
品容器の形態は特に限定されるものではない。具体例と
してはトレイ、電子部品用キャリアテープ、電子部品用
キャリアテープ用カバーテープ、電子部品用包装袋など
が挙げられる。
【0087】本発明の導電性包装材料及びそれらを成型
した電子部品容器は、導電性層を介して保護層、熱線遮
断層、ガスバリヤー層、接着層、反射防止層、耐候性層
など種々の機能を有する層を更に含有することもでき
る。
【0088】本発明の導電性包装材料及びそれらを成型
した電子部品容器は、静電気の破壊防止及びゴミの付着
による性能低下を防ぐ観点から、低湿度条件(例えば温
度25℃、相対湿度(RH)15%)での表面抵抗値が
10〜1012Ωであることが好ましく、更に10
〜1010Ωの性能を有することがより好ましい。
【0089】本発明の導電性包装材料及びそれらを成型
した電子部品容器は、使用後に水洗を実施して繰り返し
使用する場合がある。そのため水洗による導電性などの
性能低下がないよう耐水性の付与が必要である。水洗の
観点から耐水性としては無処理時の表面抵抗値(SR
0)に対して40℃の純水中に1時間浸漬した後の表面
抵抗値(SR1)の変化率(SR1/SR0)が5以下
であることが好ましく、特に変化率が3以下であること
がより好ましい。
【0090】本発明の導電性包装材料及びそれらを成型
した電子部品容器は、2軸延伸などの伸張成型をする場
合があり、伸張後の導電性の変化率が小さい材料が必要
である。特に、本発明の水溶性導電性ポリマーは高分子
化合物であるため成型追随性が優れており、成形加工後
の導電性低下が非常に少ないという特性を有する。導電
性の観点より、無処理時の表面抵抗値(SR0)に対し
て150%伸張した後の表面抵抗値(SR2)の変化率
(SR2/SR0)が10以下であることが好ましく、
特に5以下にすることがより好ましい。
【0091】本発明の導電性包装材料及びそれらを成型
した電子部品容器は、包装する電子部品などの目視及び
装置による認識を可能とするためには可視光線透過率が
80%以上であることが好ましく、更に85%以上にす
ることがより好ましい。
【0092】本発明の導電性包装材料を成型したトレ
イ、電子部品用キャリアテープ、電子部品用キャリアテ
ープ用カバーテープ、電子部品用包装袋などの電子部品
用容器は、エンボス加工などの成型加工をして用いるこ
とができる。この場合、本発明の導電性組成物は成型加
工前または成形加工後の何れbでも塗布及び/または含
浸して使用することができる。本発明のインドール誘導
体三量体(a)は低分子化合物であるがアモルファス性
を有しているため成形追随性が優れており、このような
成形加工後の導電性低下が非常に少ないという特性を有
することは前述の通りである。
【0093】トレイや電子部品用キャリアテープの無処
理時の表面抵抗値(SR0)に対するエンボス加工等の
成型加工後の凹部分の表面抵抗値(SR3)の変化率
(SR3/SR0)が10以下であることが好ましく、
更に5以下にすることがより好ましい。
【0094】更に、本発明の導電性組成物及び導電性層
ではその一成分であるインドール誘導体三量体(a)が
非常に低濃度で良好な導電性を発現するため、他の成分
であるバインダーポリマーの特性を低下させることなく
導電性能を十分に発現することができる。
【0095】電子部品用包装袋などの電子部品用容器の
形態としては、ピロー包装袋、三方シール袋、四方シー
ル袋等目的に応じて任意の形態を選択することができ
る。また、包装容器を作るための方法としては特に制限
はないが、例えば射出成形法、ブロー成形法、ドレープ
成形法、真空成形法が用いられ、折曲げ加工を利用する
こともできる。
【0096】また、本発明の電子部品容器には、その導
電性を更に向上させるために他の導電性物質を含有させ
ることができる。導電性物質としては、導電性カーボン
ブラック、黒鉛等の炭素系物質、酸化錫、酸化亜鉛等の
金属酸化物、銀、ニッケル、銅等の金属が挙げられる
【0097】。
【実施例】本発明を実施例を挙げて更に詳細に説明する
が、以下の実施例は本発明の範囲を限定するものではな
い。
【0098】なお、インドール誘導体三量体(a)製造
例において、元素分析測定は、サーモクエスト社製 E
A1110で測定した。導電率測定は、三菱化学製ロレ
スター計 MCP−T350(4端子法:電極間距離1
mm)で測定した。更に、X線回折解析(XRD)は、
理学電機株式会社製RINT−1100(管球:CuK
αX線)で測定した。
【0099】導電性重合体の製造 (製造例1、導電性重合体1) インドール−5−カルボン酸三量体の合成 200mlの三ツ口フラスコにアセトニトリル10ml
を入れ、インドール−5−カルボン酸1.42gを溶解
した。一方、酸化剤溶液の調製はアセトニトリル40m
lに対して、無水塩化第二鉄16.2g、水5.4gを
溶解して10分間攪拌した。次に、インドール−5−カ
ルボン酸水溶液に30分間かけて、調製した酸化剤溶液
を滴下した後、60℃で10時間攪拌した。反応溶液は
若干の発熱を伴いながら薄黄色から淡緑色に変化し、そ
のpHは1以下であった。反応終了後、桐山漏斗で吸引
濾過し、アセトニトリル次いでメタノールで洗浄し、乾
燥して、淡緑色の6,11−ジヒドロ−5H―ジインド
ロ[2,3−a:2’,3’−c]カルバゾール−2,
9,14−トリカルボン酸、(インドール−5−カルボ
ン酸三量体)1.12g(収率79%)を得た。得られ
た三量体を錠剤成型器で加圧成型させて直径10mm、
厚さ1mmの形状に切り出して四端子法にて導電率を測
定したところ、0.41S/cmであった。元素分析の
結果は(C9. 004.901.091.98
0.11であった。また、X線回折結晶解析の結
果、層間隔は0.48nmであった。
【0100】(製造例2、導電性重合体2) インドール−5−スルホン酸三量体の合成 製造例1においてインドール−5−カルボン酸の代わり
にインドール−5−スルホン酸を使用する以外は合成例
1と同様な方法で重合を行った。緑色の6,11−ジヒ
ドロ−5H―ジインドロ[2,3−a:2’,3’−c]
カルバゾール−2,9,14−トリスルホン酸、(イン
ドール−5−スルホン酸三量体)1.01g(収率71
%)を得た。得られた三量体を錠剤成型器で加圧成型さ
せて直径10mm、厚さ1mmの形状に切り出して四端
子法にて導電率を測定したところ、0.56S/cmで
あった。元素分析の結果は(C8.004.85
1. 063.011.06Cl0.11であっ
た。
【0101】(製造例3、導電性重合体3) インドール−5−カルボニトリル三量体の合成 製造例1においてインドール−5−カルボン酸の代わり
にインドール−5−カルボニトリルを使用する以外は合
成例1と同様な方法で重合を行った。緑色の6,11−
ジヒドロ−5H―ジインドロ[2,3−a:2’,3’
−c]カルバゾール−2,9,14−トリカルボニトリ
ル、(インドール−5−カルボニトリル三量体)1.2
2g(収率86%)を得た。得られた三量体を錠剤成型
器で加圧成型させて直径10mm、厚さ1mmの形状に
切り出して四端子法にて導電率を測定したところ、0.
50S/cmであった。元素分析の結果は(C9.00
.031.97Cl0.10であった。ま
た、X線回折結晶解析の結果、層間隔は0.44nmで
あった。
【0102】(製造例4、導電性重合体4) 脱ドープ状態のインドール−5−カルボニトリル三量体
の合成 製造例3にて合成したインドール−5−カルボニトリル
三量体1.00gを、1Mアンモニア水中で分散させ、
1時間攪拌した。攪拌後、桐山漏斗で吸引濾過し、水、
次いでメタノールで洗浄し、乾燥して、黒色の脱ドープ
状態のインドール−5−カルボニトリル三量体0.95
gを得た。得られた三量体を錠剤成型器で加圧成型させ
て直径10mm、厚さ1mmの形状に切り出して四端子
法にて導電率を測定したところ、0.04S/cm以下
であった。元素分析の結果は(C 9.004.02
2.02であった。
【0103】(製造例5、導電性重合体5) ポリ(2−スルホ−5−メトキシ−1,4−イミノフェ
ニレン)の合成 2−アミノアニソール−4−スルホン酸100mmol
を25℃で4mol/Lのアンモニア水溶液に攪拌溶解
し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolの水
溶液を滴下した。滴下終了後、25℃で12時間更に攪
拌した後に反応生成物を濾別洗浄後乾燥し、重合体粉末
15gを得た。得られた導電性重合体を錠剤成型器で加
圧成型させて直径10mm、厚さ1mmの形状に切り出
して四端子法にて導電率を測定したところ、0.11S
/cm以下であった。
【0104】(製造例6、導電性重合体6) ポリアニリンの合成 アニリン100mmolを25℃で1mol/L 硫酸
水溶液に攪拌溶解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム1
00mmolの水溶液を滴下した。滴下終了後、25℃
で12時間更に攪拌した後に反応生成物を濾別洗浄後乾
燥し、重合体粉末8gを得た。得られた導電性重合体を
錠剤成型器で加圧成型させて直径10mm、厚さ1mm
の形状に切り出して四端子法にて導電率を測定したとこ
ろ、1.1S/cm以下であった。この重合体を25℃
で1時間で1mol/Lアンモニア水中で分散攪拌した
後に濾別洗浄後乾燥し、脱ドープ状態の重合体粉末5g
を得た。
【0105】(製造例7、導電性重合体7) ポリピロールの合成 ピロール370mgを25℃で水溶液に攪拌溶解し、攪
拌しながら塩化第二鉄溶液(800cm中27g)に
滴下した。滴下終了後、25℃で12時間更に攪拌した
後に反応生成物を濾別洗浄後乾燥し、重合体粉末300
mgを得た。得られた導電性重合体を錠剤成型器で加圧
成型させて直径10mm、厚さ1mmの形状に切り出し
て四端子法にて導電率を測定したところ、10S/cm
以下であった。この重合体を25℃で1時間で1mol
/Lアンモニア水中で分散攪拌した後に濾別洗浄後乾燥
し、脱ドープ状態の重合体粉末250mgを得た。
【0106】導電性組成物の調製 導電性組成物1 上記製造例1の6,11−ジヒドロ−5H―ジインドロ
[2,3−a:2’,3’−c]カルバゾール−2,9,
14−トリカルボン酸、(インドール−5−カルボン酸
三量体)0.2質量部をジメチルホルムアミド100質
量部に室温で攪拌溶解し導電性組成物を調整した。
【0107】導電性組成物2 上記製造例3の6,11−ジヒドロ−5H―ジインドロ
[2,3−a:2’,3’−c]カルバゾール−2,9,
14−トリカルボニトリル、(インドール−5−カルボ
ニトリル三量体)1質量部、ポリエステル樹脂(東洋紡
バイロン290)3質量部をN−メチルピロリドン10
0質量部に室温で攪拌溶解し導電性組成物を調整した。
【0108】導電性組成物3 インドール−5−カルボン酸三量体0.2質量部、1,
6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル0.5質量
部をジメチルホルムアミド100質量部に室温で攪拌溶
解し導電性組成物を調整した。
【0109】導電性組成物4 インドール−5−カルボン酸三量体5質量部、γ−グリ
シジルオキシプロピルトリメトキシシラン0.5質量
部、アンモニア1質量部を水100質量部に室温で攪拌
溶解し導電性組成物を調整した。
【0110】導電性組成物5 インドール−5−カルボン酸三量体3質量部、アクリル
エマルション「ダイヤナールMX−1708」(三菱レ
イヨン社製)20質量部、γ−グリシジルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン0.5質量部、アンモニア1.0
質量部を水100質量部に室温で攪拌溶解し導電性組成
物を調整した。
【0111】導電性組成物6 インドール−5−カルボン酸三量体3質量部、アクリル
エマルション「ダイヤナールMX−1708」(三菱レ
イヨン社製)20質量部、γ−グリシジルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン0.5質量部、コロイダルシリカ
(粒子径:20nm)5質量部、アンモニア1.0質量
部を水100質量部に室温で攪拌溶解し導電性組成物を
調整した。
【0112】導電性組成物7 上記製造例3の6,11−ジヒドロ−5H―ジインドロ
[2,3−a:2’,3’−c]カルバゾール−2,9,
14−トリスルホン酸、(インドール−5−スルホン酸
三量体)3質量部、ポリビニルアルコール1質量部、ア
クリルエマルション「ダイヤナールMX−1708」
(三菱レイヨン社製)20質量部、アンモニア0.4質
量部を水100質量部に室温で攪拌溶解し導電性組成物
を調整した。
【0113】導電性組成物8 インドール−5−カルボン酸三量体1質量部、2,4−
トリレンジイソシアネート1質量部、アンモニア1質量
部、アクリルエマルション「ダイヤナールMX−170
8」(三菱レイヨン社製)20質量部、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸1質量部、塩化リチウム2質量部、フタロ
ンシアニンブルー0.5質量部、を水100質量部に室
温で攪拌溶解し導電性組成物を調整した。
【0114】導電性組成物9 インドール−5−カルボン酸三量体1質量部、γ−グリ
シジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン0.5質
量部、水溶性ポリエステル樹脂「アラスター300」
(荒川化学工業社製)4質量部、アンモニア0.2質量
部、ドデシルベンゼンスルホン酸1質量部を水100質
量部に室温で攪拌溶解し導電性組成物を調整した。
【0115】導電性組成物10 インドール−5−カルボン酸三量体0.5質量部、γ−
グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン0.5質
量部、アンモニア1質量部、水溶性ポリエステル樹脂
「アラスター300」(荒川化学工業社製)3質量部を
水100質量部に室温で攪拌溶解し導電性組成物を調整
した。
【0116】導電性組成物11 上記製造例3の6,11−ジヒドロ−5H―ジインドロ
[2,3−a:2’,3’−c]カルバゾール−2,9,
14−トリカルボニトリル、(インドール−5−カルボ
ニトリル三量体)1質量部、ポリエステル樹脂(東洋紡
バイロン290)2.0質量部、アンモニア0.7質量
部をN−メチルピロリドン100質量部に室温で攪拌溶
解し導電性組成物を調整した。
【0117】導電性組成物12 インドール−5−カルボニトリル三量体1質量部、ポリ
エステル樹脂(東洋紡バイロン290)2.0質量部、
ポリエステル樹脂(東洋紡バイロン290)1.5質量
部、塩化リチウム2質量部をN−メチルピロリドン10
0質量部に室温で攪拌溶解し導電性組成物を調整した。
【0118】導電性組成物13 上記製造例4の脱ドープ状態のインドール−5−カルボ
ニトリル三量体3質量部、ポリエステル樹脂(東洋紡バ
イロン290)7.0質量部をジメチルホルムアミド1
00質量部に室温で攪拌溶解し導電性組成物を調整し
た。このようにして得られた溶液をガラス基板上にスピ
ンコート法により塗布し、150℃で乾燥させた。
【0119】導電性組成物14 上記製造例5のポリ(2−スルホ−5−メトキシ−1,
4−イミノフェニレン)1.0質量部、γ−グリシジル
オキシプロピルメチルジエトキシシラン0.5質量部、
水系エマルジョンであるアクリル樹脂「ダイヤナールM
X−1845」(三菱レイヨン社製)20質量部を水1
00質量部に室温にて溶解して架橋性導電性組成物を調
製した。
【0120】導電性組成物15 上記製造例6のポリアニリン1質量部、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン1質量部、コロイダルシ
リカ8質量部、バイロン200(東洋紡績社製)9質量
部を、N−メチルピロリドン100質量部に室温にて混
合してのち不溶物を濾別し導電性組成物を調製した。
【0121】導電性組成物16 上記製造例7のポリピロール3質量部、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン0.5質量部、コロイダ
ルシリカ5質量部、水系エマルジョンであるアクリル/
スチレン樹脂「ニカゾールRX−832A」(日本カー
バイド工業(株)製)20質量部を、水100質量部に
室温にて混合したが、ポリピロールは水に全く不溶であ
った。
【0122】導電性組成物17 花王社製導電性カーボン「ケッチンブラック」5質量
部、水系エマルジョンであるアクリル/スチレン樹脂
「ニカゾールRX−832A」(日本カーバイド工業
(株)製)20質量部を水100質量部に室温にて溶解
して導電性組成物を調製した。
【0123】導電性組成物18 花王社製導電性カーボン「ケッチンブラック」20質量
部、水系エマルジョンであるアクリル/スチレン樹脂
「ニカゾールRX−832A」(日本カーバイド工業
(株)製)20質量部を水100質量部に室温にて溶解
して導電性組成物を調製した。
【0124】評価方法 (1) 上記導電性組成物を塗工基板(100mm×1
00mm×500μm)にバーコーター法(バーコート
No.5使用)により塗布し、80℃で5分間乾燥さ
せ、架橋性導電性層を形成した試験板を作成し、表面抵
抗値(SR0)、可視光線透過率を測定した。 (2)これら塗工基板を40℃の純水中に1時間浸漬
し、外観観察、表面抵抗値(SR1)を測定した。 (3)これら試験基板を、2軸延伸装置を用いを1軸方
向に150%伸張した。伸張した後の導電層の表面抵抗
値(SR2 )を25℃、15%RHの条件下で測定し
た。
【0125】・可視光線透過率 島津製作所社製 UV−3100を用いた。 ・表面抵抗値 25℃、15%RHの条件下で表面抵抗値の測定には2
端子法(電極間距離:20mm)を用いた。
【0126】塗面外観 40℃、温水中に浸漬後、外観を目視により塗膜の状態
を観察した。 ○ :浸漬前と変化なし(光沢、透明性あり) × :成分が溶出、または基板より塗膜が剥離
【0127】耐ブロッキング性 40℃、80%RHの雰囲気下で、試験基板の導電層と
もう1つの試験基板の基材裏面(導電層非形成面)とを
重ね、100g/cm2 の荷重をかけ24時間放置した
後、その2枚のサンプルを剥離時した時の状態を評価し
た。 ○:剥離時に、抵抗なし ×:剥離時に大きな抵抗あり
【0128】伸張後の表面抵抗変化率 2軸延伸装置を用い、窒素雰囲気下、温度、100〜1
50℃、予熱時間15秒、引張速度5m/mimで試験
基板(100mm×100mm×500μm)を1軸方
向に150%伸張した。伸張した後の試験基板の表面抵
抗値(SR2)を25℃、15%RHの条件下で求め、
伸張前の試験基板の表面抵抗値(SR0 )との比(S
R2 /SR0 )を求めた。
【0129】導電性包装材料(実施例1〜12) 導電性組成物1〜12を基板シート(100mm×10
0mm×500μm)にバーコーター法(バーコートN
o.5使用)により塗布し、80℃で5分間乾燥させ、
導電性層を形成した試験基板を作成し、表面抵抗値(S
R0)、可視光線透過率を測定した。その後、本試験基
板を40℃の純水中に1時間、浸漬し、外観観察、表面
抵抗値(SR1)を測定した。また、これら試験基板
を、2軸延伸装置を用いを1軸方向に150%伸張し
た。伸張した後の導電層の表面抵抗値(SR2 )を測
定した。これらの結果を表1に示す。
【0130】導電性包装材料(実施例13) 導電性組成物13を基板シート(100mm×100m
m×500μm)にバーコーター法(バーコートNo.
5使用)により塗布し、80℃で5分間乾燥させた。そ
の基板を1M 硫酸水溶液中に20℃で30分間浸漬
し、水洗後80℃で5分間乾燥させ、導電性層を形成し
た試験基板を作成し、表面抵抗値(SR0)、可視光線
透過率を測定した。その後、本試験基板を40℃の純水
中に1時間、浸漬し、外観観察、表面抵抗値(SR1)
を測定した。また、これら試験基板を、2軸延伸装置を
用いを1軸方向に150%伸張した。伸張した後の導電
層の表面抵抗値(SR2 )を測定した。これらの結果
を表1に示す。
【0131】導電性包装材料(比較例1、4、5) 導電性組成物14、17、18を基板シート(100m
m×100mm×500μm)にバーコーター法(バー
コートNo.5使用)により塗布し、80℃で5分間乾
燥させ、導電性層を形成した試験基板を作成し、表面抵
抗値(SR0)、可視光線透過率を測定した。その後、
本試験基板を40℃の純水中に1時間、浸漬し、外観観
察、表面抵抗値(SR1)を測定した。また、これら試
験基板を、2軸延伸装置を用いを1軸方向に150%伸
張した。伸張した後の導電層の表面抵抗値(SR2 )
を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0132】導電性包装材料(比較例2、3) 導電性組成物15、16を基板シート(100mm×1
00mm×500μm)にバーコーター法(バーコート
No.5使用)により塗布し、80℃で5分間乾燥させ
た。その基板を1M 硫酸水溶液中に20℃で30分間
浸漬し、水洗後80℃で5分間乾燥させ、導電性層を形
成した試験基板を作成し、表面抵抗値(SR0)、可視
光線透過率を測定した。その後、本試験基板を40℃の
純水中に1時間、浸漬し、外観観察、表面抵抗値(SR
1)を測定した。また、これら試験基板を、2軸延伸装
置を用いを1軸方向に150%伸張した。伸張した後の
導電層の表面抵抗値(SR2 )を測定した。これらの
結果を表1に示す。
【0133】
【表1】 塗工基板: PET(ポリエチレンテレフタレート):未延伸PET
(厚さ:500μm) PC(ポリカーボネート):未延伸PC(厚さ:500
μm) PP(ポリプロピレン):未延伸PP(厚さ:500μ
m) PEN(ポリエチレンナフタレート):未延伸PEN
(厚さ:500μm)
【0134】<基板シートの成型> トレイ(実施例14〜17) (1)実施例2、5、6、7で得られた基板を使用し、
真空成型機を用い、120℃、10秒の予備加熱、60
℃、15秒の成形条件で、10mm×90mm、深さ1
0mmの凹部を5列有するトレイを成形した。 (2)上記成型前の表面抵抗値(SR0)及び成型トレ
イの凹部の表面抵抗値(SR3)を測定した。 (3)これら成型トレイを40℃の純水中に1時間浸漬
し、外観観察、表面抵抗値(SR1)を測定した。これ
らの結果を表2に示す。
【0135】
【表2】
【0136】キャリアテープ(容器)(実施例18〜2
1) (1)実施例2、5、6、7で得られた基板を使用し、
真空成型機を用い、120℃、10秒の予備加熱、60
℃、15秒の成形条件で、10mm×10mm、深さ5
mmの凹部を1列有する、50×50cmのシートを作
成し、凹部の1列を幅20mmにカットし、これをつな
ぎあわせてキャリアテープのモデルとした。 (2)上記成型前の表面抵抗値(SR0)及び成型後の
キャリアテープの凹部の表面抵抗値(SR3)を測定し
た。 (3)これら成型キャリアテープを40℃の純水中に1
時間浸漬し、外観観察、表面抵抗値(SR1)を測定し
た。これらの結果を表3に示す。
【0137】
【表3】
【0138】電子部品用袋(実施例22〜25) (1)実施例2、5、6、7で得られた試験基板を導電
層を内側に向けてヒートシール法にて三方シールにより
袋(100mm×100mm)を形成した。 (2)上記成型した袋の表面抵抗値(SR0)を測定し
た。 (3)これら成型キャリアテープを40℃の純水中に1
時間浸漬し、外観観察、表面抵抗値(SR1)を測定し
た。これらの結果を表4に示す。
【0139】
【表4】
【0140】
【発明の効果】(1)本発明の導電性組成物を基材に塗
布や浸漬などの加工により塗工し、導電性層を形成後、
常温で放置あるいは加熱処理のみでインドール誘導体三
量体自体の特性は損なわず、湿度依存性がなく、高い導
電性を発現し、成膜製、成形性、無色透明性、密着性、
耐水性、硬度、隠蔽性及び美装性に優れた導電性包装材
料を得ることができる。 (2)本発明の導電性包装材料を成型加工することによ
り、湿度依存性がなく、高い導電性を発現し、成膜製、
成形性、無色透明性、密着性、耐水性、硬度、隠蔽性及
び美装性に優れた電子部品用容器を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/04 CEZ C08K 3/36 C08K 3/36 5/3417 5/3417 C08L 101/00 5/541 B65D 85/38 S C08L 101/00 C08K 5/54 Fターム(参考) 3E067 AB41 BA02A BA10A BA17A BA24A BB14A BB26A CA07 CA11 CA21 3E096 BA08 CA05 CA06 CA12 CA13 CC01 CC02 EA02X FA07 FA12 FA40 GA01 4F006 AA12 AA35 AA36 AB16 AB20 AB24 AB35 AB54 AB55 AB65 AB66 AB67 AB69 AB76 BA07 CA07 4F100 AA02A AA20A AH01A AH01K AH03A AH03K AH06A AH06H AK10A AK25A AK41A AK51A AK52A AK52H AT00B BA02 CA02A CA13A CA18A GB15 GB16 GB41 JB05A JB07 JG01 JG01A JG04 YY00 4J002 BB241 BC021 BC061 BC071 BD121 BE021 BE061 BF011 BF021 BG001 BG011 BG072 BG131 BH021 BJ001 BL011 BL012 BL022 CC031 CC161 CC181 CC211 CD001 CD012 CD032 CD052 CD122 CD132 CF001 CF002 CF011 CF093 CG001 CG002 CH002 CH013 CK011 CK021 CM041 DD059 DD089 DE059 DE229 DF009 DF039 DH029 DJ018 EC057 EF009 EH107 EL137 EN019 EN047 EN119 EN139 EP009 ER007 EU019 EU026 EU029 EU049 EU059 EU079 EU197 EU217 EV027 EV189 EV236 EV239 EW039 EX037 EX067 EX077 EX087 FD088 FD099 FD116 FD142 FD147 FD208 FD209 FD313 FD319 GG02

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インドール誘導体三量体(a)を含有す
    る導電性層を有する導電性包装材料。
  2. 【請求項2】 導電性層が高分子化合物(c)を含有す
    ることを特徴とする請求項1記載の導電性包装材料。
  3. 【請求項3】 導電性層が架橋剤(d)を含有すること
    を特徴とする請求項1または2記載の導電性包装材料。
  4. 【請求項4】 導電性層がコロイダルシリカ(f)を含
    むことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の
    導電性包装材料。
  5. 【請求項5】 導電性層が塩基性化合物(g)を含むこ
    とを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の導電
    性包装材料。
  6. 【請求項6】 導電性層が界面活性剤(h)を含むこと
    を特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の導電性
    包装材料。
  7. 【請求項7】 導電性層が無機塩(i)を含むことを特
    徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の導電性包装
    材料。
  8. 【請求項8】 導電性層が顔料及び染料から選ばれた少
    なくとも一種の着色剤(j)を含むことを特徴とする請
    求項1〜7の何れか1項に記載の導電性包装材料。
  9. 【請求項9】 インドール誘導体三量体(a)が、 【化1】 (上記式中、R〜R15は、水素、炭素数1〜24の
    直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖ま
    たは分岐のアルコキシ基、炭素数2〜24の直鎖または
    分岐のアシル基、アルデヒド基、カルボン酸基、炭素数
    2〜24の直鎖または分岐のカルボン酸エステル基、ス
    ルホン酸基、炭素数1〜24の直鎖または分岐のスルホ
    ン酸エステル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ
    基、アミド基、ジシアノビニル基、アルキル(炭素数1
    〜8の直鎖または分岐のアルキル基)オキシカルボニル
    シアノビニル基、ニトロフェニルシアノビニル基及びハ
    ロゲン基よりなる群からそれぞれ独立に選ばれた置換基
    である。また、Xa-は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ
    素イオン、フッ素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、硫
    酸水素イオン、リン酸イオン、ほうフッ化イオン、過塩
    素酸イオン、チオシアン酸イオン、酢酸イオン、プロピ
    オン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、p−トルエン
    スルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、及びトリ
    フルオロメタンスルホン酸イオンよりなる1〜3価の陰
    イオン群より選ばれた少なくとも1種の陰イオンであ
    り、aはXのイオン価数を表し、1〜3の整数であり、
    mはドープ率であり、その値は0〜3.0である。)で
    あることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載
    の導電性包装材料。
  10. 【請求項10】 インドール誘導体三量体(a)が、 【化2】 (上記式中、R16〜R30は、水素、炭素数1〜24
    の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖
    または分岐のアルコキシ基、炭素数2〜24の直鎖また
    は分岐のアシル基、アルデヒド基、カルボキシル基、炭
    素数2〜24の直鎖または分岐のカルボン酸エステル
    基、スルホン酸基、炭素数1〜24の直鎖または分岐の
    スルホン酸エステル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、
    アミノ基、アミド基、ジシアノビニル基、アルキル(炭
    素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基)オキシカル
    ボニルシアノビニル基、ニトロフェニルシアノビニル基
    及びハロゲン基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれ
    た置換基で示され、R16〜R 27のうち少なくとも1
    つがシアノ基、ニトロ基、アミド基またはハロゲン基か
    ら選ばれた基である。またXa-は、塩素イオン、臭素イ
    オン、ヨウ素イオン、フッ素イオン、硝酸イオン、硫酸
    イオン、硫酸水素イオン、リン酸イオン、ほうフッ化イ
    オン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、酢酸イオ
    ン、プロピオン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、p
    −トルエンスルホン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオ
    ン、及びトリフルオロメタンスルホン酸イオンよりなる
    1〜3価の陰イオン群より選ばれた少なくとも一種の陰
    イオンであり、aはXのイオン価数を表し、1〜3の整
    数であり、mはドープ率であり、その値は0〜3.0で
    ある。)であることを特徴とする請求項1〜9の何れか
    1項に記載の導電性包装材料。
  11. 【請求項11】 インドール誘導体三量体(a)が、 【化3】 (上記式中、R31〜R45は、水素、炭素数1〜24
    の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖
    または分岐のアルコキシ基、炭素数2〜24の直鎖また
    は分岐のアシル基、アルデヒド基、カルボキシル基、炭
    素数2〜24の直鎖または分岐のカルボン酸エステル
    基、スルホン酸基、炭素数1〜24の直鎖または分岐の
    スルホン酸エステル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、
    アミノ基、アミド基、ジシアノビニル基、アルキル(炭
    素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基)オキシカル
    ボニルシアノビニル基、ニトロフェニルシアノビニル基
    及びハロゲン基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれ
    た置換基で示され、R31〜R 42のうち少なくとも1
    つがスルホン酸基またはカルボキシル基である。またX
    a-は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、フッ素
    イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、リ
    ン酸イオン、ほうフッ化イオン、過塩素酸イオン、チオ
    シアン酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、メ
    タンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオ
    ン、トリフルオロ酢酸イオン、及びトリフルオロメタン
    スルホン酸イオンよりなる1〜3価の陰イオン群より選
    ばれた少なくとも一種の陰イオンであり、aはXのイオ
    ン価数を表し、1〜3の整数であり、mはドープ率であ
    り、その値は0〜3.0である。)であることを特徴と
    する請求項1〜10の何れか1項に記載の導電性包装材
    料。
  12. 【請求項12】 インドール誘導体三量体(a)が、 【化4】 (上記式中、R46〜R50は、水素、炭素数1〜24
    の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数1〜24の直鎖
    または分岐のアルコキシ基、炭素数2〜24の直鎖また
    は分岐のアシル基、アルデヒド基、カルボキシル基、炭
    素数2〜24の直鎖または分岐のカルボン酸エステル
    基、スルホン酸基、炭素数1〜24の直鎖または分岐の
    スルホン酸エステル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、
    アミノ基、アミド基、ジシアノビニル基、アルキル(炭
    素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基)オキシカル
    ボニルシアノビニル基、ニトロフェニルシアノビニル基
    及びハロゲン基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれ
    た置換基である。)で示される少なくとも一種のインド
    ール誘導体を、少なくとも一種の酸化剤と少なくとも一
    種の溶媒を含む反応混合物中において反応させることに
    より得られたインドール誘導体三量体であることを特徴
    とする請求項1〜11の何れか1項に記載の導電性包装
    材料。
  13. 【請求項13】 高分子化合物(c)が水系アクリル樹
    脂、水系ポリエステル樹脂、水系ウレタン樹脂及び/ま
    たは水系塩素化ポリオレフィン樹脂から選ばれた少なく
    とも一種の高分子化合物である請求項2〜12の何れか
    1項に記載の導電性包装材料。
  14. 【請求項14】 架橋剤(d)が一般式(5)で示され
    るシランカップリング剤(e)、 【化5】 (上記式中、R51、R52、R53は各々独立に、水
    素、炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基、炭素
    数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基、アミノ基、
    アセチル基、フェニル基、ハロゲン基よりなる群から選
    ばれた基である。Xは 【化6】 を示し、n及びmは1〜6までの数である。Yは水酸
    基、チオール基、アミノ基、エポキシ基及びエポキシシ
    クロヘキシル基よりなる群から選ばれた基である。)、
    を含むことを特徴とする請求項3〜13の何れか1項に
    記載の導電性包装材料。
  15. 【請求項15】 コロイダルシリカ(f)の粒子径が1
    nm〜300nmである請求項4〜14の何れか1項に
    記載の導電性包装材料。
  16. 【請求項16】 着色剤(j)が水溶性及び/または水
    系で分散するものである請求項8〜15の何れか1項に
    記載の導電性包装材料。
  17. 【請求項17】 温度25℃、相対湿度15%での表面
    抵抗値が10〜1012Ωであることを特徴とする請
    求項項1〜16の何れか1項に記載の導電性包装材料。
  18. 【請求項18】 温度40℃の純水中に1時間浸漬した
    後の導電性の変化率((40℃の純水中に1時間浸漬し
    た後の表面抵抗値)/(無処理時の表面抵抗値))が5
    以下であることを特徴とする請求項1〜17の何れか1
    項に記載の導電性包装材料。
  19. 【請求項19】 導電性包装材料を150%伸張した後
    の導電性の変化率((伸張後の表面抵抗値)/(無処理
    時の表面抵抗値))が10以下であることを特徴とする
    請求項1〜18の何れか1項に記載の導電性包装材料。
  20. 【請求項20】 可視光線透過率が80%以上であるこ
    とを特徴とする請求項項1〜19の何れか1項に記載の
    導電性包装材料。
  21. 【請求項21】 基材の少なくとも一つの面上に、イン
    ドール誘導体三量体(a)及び溶媒(b)を含有する導
    電性組成物を塗布及び/または含浸し、導電性層を形成
    することを特徴とする導電性包装材料の製造法。
  22. 【請求項22】 導電性組成物が高分子化合物(c)、
    架橋剤(d)、コロイダルシリカ(f)、塩基性化合物
    (g)、界面活性剤(h)、無機塩(i)及び/また
    は、顔料及び染料から選ばれた少なくとも一種の着色剤
    (j)を含むことを特徴とする請求項21記載の導電性
    包装材料の製造法。
  23. 【請求項23】 請求項21または22記載の製造法に
    より得られた導電性包装材料。
  24. 【請求項24】 請求項1〜20及び23の何れか1項
    に記載の導電性包装材料を成型してなることを特徴とす
    る電子部品用容器。
  25. 【請求項25】 電子部品用容器の用途がトレイ、電子
    部品用キャリアテープ、電子部品用キャリアテープ用カ
    バーテープまたは電子部品用包装袋であることを特徴と
    する請求項24記載の電子部品用容器。
  26. 【請求項26】 温度40℃の純水中に1時間浸漬した
    後の表面抵抗値の変化率((40℃の純水中に1時間浸
    漬した後の表面抵抗値)/(無処理時の表面抵抗値))
    が5以下であることを特徴とする請求項24または25
    に記載の電子部品用容器。
  27. 【請求項27】 成型後の凹部の表面抵抗値の変化率
    ((成型後の表面抵抗値)/(無処理時の表面抵抗
    値))が10以下であることを特徴とする請求項24〜
    26の何れか1項に記載の電子部品容器。
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