JP2003280376A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2003280376A JP2002085770A JP2002085770A JP2003280376A JP 2003280376 A JP2003280376 A JP 2003280376A JP 2002085770 A JP2002085770 A JP 2002085770A JP 2002085770 A JP2002085770 A JP 2002085770A JP 2003280376 A JP2003280376 A JP 2003280376A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像ローラと感光ドラムとを適切な押圧力で
接するよう配置することによって、重合トナーを用いて
アゲインスト現像を行っても、押圧カブリが発生しない
画像形成装置を提供することを目的としてなされた。 【解決手段】 現像ローラ31と感光ドラム30とを
0.31MPaの押圧力で接するよう配置した。このよ
うに配置すると、静電潜像が形成されない部分62と、
現像ローラ31の表面に担持された重合トナーの帯電電
位との差ΔVが予め設定された適正な電位差(300
V)であれば、押圧カブリを防止することができる。ま
た、0.24MPaの押圧力で配置すれば、実用上ΔV
にぶれがある範囲(200V〜400Vの範囲)で、押
圧カブリを防止することができ、0.22MPaの押圧
力で配置すれば、より広い範囲(100V〜400Vの
範囲)であっても押圧カブリを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に静電潜像が
形成された感光体に現像剤を供給して静電潜像を現像
し、この静電潜像を現像剤で現像した現像剤像を記録媒
体上に転写して、該記録媒体上に画像を形成する画像形
成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の画像形成装置100
は、図4に示すように、表面に静電潜像が形成される感
光ドラム120と、この感光ドラム120の表面にトナ
ーを供給する現像ローラ130とを備えている。また、
この画像形成装置100は、トナータンク150から現
像ローラ130にトナーを供給する供給ローラ140
と、この供給ローラ140から現像ローラ130に供給
されたトナーのうち、余分なトナーを削り落とす層厚規
制ブレード180とを備えている。
【0003】この画像形成装置100では、供給ローラ
140によってトナータンク150から現像ローラ13
0にトナーが供給されると、層厚規制ブレード180で
余分なトナーが削り落とされ、現像ローラ130の表面
に供給されたトナーの層厚が揃えられる。そして、その
層厚が揃えられたトナーが現像ローラ130から感光ド
ラム120に供給されると、感光ドラム120の表面上
の静電潜像が形成された部分に一様にトナーが付着して
静電潜像が現像され、その現像されたトナー画像が搬送
路170に沿って搬送される印刷用紙上に転写され、印
刷用紙上に画像が形成される。
【0004】ところでこの画像形成装置100は、静電
潜像の現像方式の違いによって、以下の2種類に分ける
ことができる。一つは、図4(a)に示すように、感光
ドラム120と現像ローラ130とを同じ時計回り方向
に回転させることによって、現像ローラ130と感光ド
ラム120とが接する位置で、感光ドラム120の表面
と現像ローラ130の表面とを互いに反対方向(アゲイ
ンスト方向)に移動させて(図4(a)中矢印の方
向)、静電潜像を現像するいわゆるアゲインスト現像方
式のものである。もう一つは、図4(b)に示すよう
に、感光ドラム120と現像ローラ130とを逆回りに
回転させることによって、現像ローラ130と感光ドラ
ム120とが接する位置で、感光ドラム120の表面と
現像ローラ130の表面とを同じ順方向(ウイズ方向)
に移動させて(図4(b)中矢印の方向)、静電潜像を
現像するいわゆるウイズ現像方式のものである。
【0005】画像形成装置100の構成は、給紙から定
着までが一列にならんでいるため、紙種の選択性が広く
小型にできるという特徴を有している。この構成をとる
ためには、層厚規制ブレード180の取付位置も異な
る。例えば、搬送路170を感光ドラム120の上方に
設定してアゲインスト現像が行われるものの場合、図4
(a)に示すように、現像ローラ130が供給ローラ1
40からトナーの供給を受ける供給点αの上方に備えら
れ(符号180a)、一方、ウイズ現像が行われるもの
の場合、図4(b)に示すように、供給点αの下方に備
えられる(符号180b)。
【0006】しかし、ウイズ現像方式の画像形成装置1
00の場合、図4(b)に示すように、層厚規制ブレー
ド180bが供給点αの下方に備えられているため、削
りとられたトナーは下方に落ちて、画像形成装置100
を形成する図示しない筐体内に溜まってまう。そのた
め、その溜まったトナーを再び利用するには、トナーを
現像ローラ130に供給可能な位置に戻してやる必要が
ある。その点、アゲインスト現像方式の画像形成装置1
00の場合、図4(a)に示すように、層厚規制ブレー
ド180aが供給点αの上方に備えられるため、削りと
られたトナーが供給点αに落下して再び現像ローラ13
0に供給されるという利点がある。そのため、近年、画
像形成装置100では、アゲインスト現像方式が多く採
用されている。
【0007】次に、この画像形成装置100で用いられ
るトナーであるが、主に、カーボンブラック等の顔料
と、顔料を印刷用紙上に定着させる樹脂と、その定着を
補助するワックスとで構成されている。このトナーにも
主に2種類のものがあり、これらの材料を機械的に混合
し粉砕した粉砕トナーと、重合により顔料やワックスを
樹脂で包んで略球形に形成された重合トナーがある。
【0008】このうち、粉砕トナーは、流動性が悪くト
ナーと現像ローラ、ブレード等との接触機会が重合トナ
ーに比べて小さく、逆帯電や、帯電量の低いトナーが発
生し、このトナーが非画像部に現像される。このような
現象をカブリと呼び、このカブリが発生すると印刷品質
が著しく低下する。
【0009】一方、重合トナーは、流動性が高いので、
このようなカブリが発生し難く、粉砕トナーに比べ画像
品質の高い印刷を行うことができる。そのため、画像形
成装置100では、アゲインスト現像方式を採用し、ト
ナーにはこの重合トナーを用いることが好ましい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アゲインスト
現像方式が採用された画像形成装置100で、重合トナ
ーを用いると、粉砕トナーを用いた時に発生するカブリ
とはタイプの異なる原因不明のカブリが発生してしまう
ため、重合トナーを利用できないという問題があった。
【0011】そのため、そのカブリの発生原因について
様々な検討を行った。その結果、このカブリは(以下
「押圧カブリ」という)、現像ローラと感光ドラムとを
適当な押圧力で配置すれば防止できることが分かった。
そこで、本発明は、例えば重合トナーを用いても、押圧
カブリが発生しないアゲインスト現像方式の画像形成装
置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上述した
目的を達成するための請求項1記載の発明は、表面に静
電潜像が形成され、周方向に移動される感光体(例えば
感光ドラム)と、該感光体に接触移動されると共に、該
感光体の表面に現像剤を供給して前記静電潜像を現像す
る現像剤担持体であって、感光体との接触部分のうち、
前記感光体側の接触部分の移動方向に対し、前記現像担
持体側の接触部分が、逆方向に移動される現像剤担持体
(例えば現像ローラ)とを備える画像形成装置におい
て、前記現像剤として重合トナーを用い、前記感光体と
前記現像剤担持体とを、0.31MPa以下の押圧力で
接するよう配置したことを特徴とする。このように、現
像剤担持体が、感光体との接触部分のうち、感光体側の
接触部分の移動方向に対し、現像担持体側の接触部分
が、逆方向に移動される、いわゆるアゲインスト現像方
式が採用された画像形成装置であっても、様々な検討の
結果、感光体と現像剤担持体とを0.31MPa以下の
押圧力で配置すれば、重合トナーを用いても、押圧カブ
リが発生しないことが明らかになった。従って、本発明
のように、アゲインスト現像方式の画像形成装置では、
感光体と現像剤担持体とを0.31MPa以下の押圧力
で配置すれば、重合トナーを用いても、押圧カブリの発
生を確実に防止することができる。尚、押圧力の下限
は、静電潜像を現像可能な数値であればよく、機種ごと
に任意に設定してよい。
【0013】ところで、静電潜像の現像は、現像ローラ
の電位(例えば約500V)と、静電潜像が形成された
部分の帯電電位(例えば約200V)、あるいは静電潜
像が形成されていない部分の帯電電位(例えば約800
V)との電位差(約300V)を利用して行われる。し
かし、その電位差は実用的にみるとばらつきがあり、例
示のものの場合、理想的な電位差(約300V)の前後
100V、すなわち約200〜400Vにばらつくこと
がある。このように電位差がばらつくと、静電潜像が形
成されない部分で電位差が低くなり(静電潜像が形成さ
れる部分では電位差が高くなる)、重合トナーが感光ド
ラムに移動しないよう重合トナーを反発する力が弱くな
って、本来、重合トナーが付着してはいけない部分に重
合トナーが付着してしまう恐れがある。このような電位
差のばらつきは、押圧カブリを助長する原因の一つと考
えられる。そのため、電位差が200〜400V程度で
感光体と現像剤担持体とが接する押圧力を変化させて実
験を行った。すると請求項2記載の発明のように、感光
体と現像剤担持体とを、0.24MPa以下の押圧力で
接するよう配置すれば、電位差がばらついても押圧カブ
リが発生しないことが判った。従って、請求項2記載の
現像装置のように感光体と現像剤担持体とを配置すれ
ば、実用的な範囲内で、押圧カブリが発生することを確
実に防止できる。また、より好ましくは、請求項3記載
の発明のように、感光体と現像剤担持体とを、0.22
MPa以下の押圧力で接するよう配置すれば、実用的な
範囲よりも広い範囲で押圧カブリが発生することを確実
に防止できる。
【0014】なお、請求項4記載に記載したように、感
光体は、複数の案内ローラに架設されて回転されるとと
もに、表面に静電潜像が形成される感光体ベルトであっ
てもよい。このような感光体ベルトを備える画像形成装
置を用いると、感光体ベルトが現像剤担持体に押されて
たわむので、感光体ベルトと現像剤担持体とを上述した
ような押圧力で配置することが容易にできるからであ
る。
【0015】次に、請求項5記載の画像形成装置のよう
に、感光体に静電潜像を形成するために感光体を露光す
る露光装置と、感光体上に現像された現像剤像を記録媒
体に転写する転写装置と、記録媒体に転写された現像剤
像を定着する定着装置とを備えている。この画像形成装
置を用いれば、押圧カブリが発生しないので、記録媒体
上に品質のよい印刷を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明が適用された実施形態
を、図面と共に説明する。図1は、本発明が適用された
レーザプリンタの内部機構を表す概略構成図である。本
実施形態のレーザプリンタは、パーソナルコンピュータ
やワードプロセッサ等からプリンタケーブルを介して伝
送されてきた画像データを受けて、そのデータに応じた
画像を記録紙に形成するものである。
【0017】このレーザプリンタ1は、図1に示すよう
に、印刷用紙(本発明の記録媒体に相当)を給紙する給
紙ユニット2と、この給紙ユニット2から供給された印
刷用紙に、感光ドラム30上に現像されたトナー画像
(本発明の現像剤像に相当)を転写する現像ユニット3
とを備えている。さらに、このレーザプリンタ1は、現
像ユニット3で印刷用紙に転写されたトナー画像を印刷
用紙に定着させる定着ユニット4と、画像データに従っ
てレーザを照射して感光ドラム30上に静電潜像を形成
するスキャナユニット5(本発明の露光装置に相当)と
を備えている。
【0018】このうち給紙ユニット2はフィダー部ケー
ス20を備えており、そのケース20内に印刷用紙Pが
積層された状態でセットされる。印刷用紙Pの先端側
は、フィダー部ケース20内のばね21で付勢された支
持板22にて給紙ローラ23に向かって押圧されてい
る。このため、図示しない動力源から動力伝達されて回
転する給紙ローラ23と分離パッド24とによって、印
刷用紙Pを1枚ずつ分離して上下一対のレジストローラ
10,11に送ることが可能である。なお、給紙ユニッ
ト2には斜め上方向に開口する手挿口25が設けられ、
フィダー部ケース20内の印刷用紙Pとは別の記録紙を
挿入して印刷できるようにされている。
【0019】現像ユニット3は、感光ドラム30と、給
紙方向において感光ドラム30よりも上流側に配置され
た現像ローラ31と、その更に上流側に配置された供給
ローラ32と、更にその上流側に配置されたトナータン
ク33とを備えている。これらは互いに当接するように
配置され、このうち感光ドラム30と現像ローラ31と
は、0.24MPaの押圧力で接触するよう配置されて
いる。この現像ユニット3では、感光ドラム30,現像
ローラ31,及び供給ローラ32を、いずれも図1にお
ける時計回りに回転させて、トナータンク33から供給
された重合トナーをそれらの上面側を通過させ、供給ロ
ーラ32〜感光ドラム30に向けて搬送している。ま
た、この現像ユニット3では、感光ドラム30と現像ロ
ーラ31とを同じ時計回り方向に回転させることによっ
て、現像ローラ31と感光ドラム30とが接する位置
(重合トナーの供給点)βで、感光ドラム30の表面と
現像ローラ31の表面とを互いに反対方向(アゲインス
ト方向)に移動させて、静電潜像を現像するアゲインス
ト現像方式が採用されている。尚、本実施形態の感光ド
ラム30は、本発明の感光体に相当し、現像ローラ31
は現像剤担持体に相当する。
【0020】この現像ユニット3は、現像ローラ31上
に担持された重合トナーの層厚を規制する層厚規制ブレ
ード34を備えている。この層圧規制ブレード34は、
供給ローラ32が現像ローラ31に重合トナーを供給す
る供給点αよりも上方(回転方向下流側である上方)に
設置されている。このため、削り取られた重合トナーが
再び供給点αに供給され、効率よく重合トナーが供給さ
れる。また、感光ドラム30の表面に形成された静電潜
像は、この層厚規制ブレード34で現像ローラ3b上に
均一に均された重合トナーによって現像されるので、感
光ドラム30上には濃淡が均一な画像が現像される。
【0021】また、この現像ユニット3は、感光ドラム
30の上面に当接した転写ローラ35(本発明の転写装
置に相当)と、感光ドラム30の下方に、タングステン
等からなる放電用ワイヤとグリッド電極とを備える正帯
電用スコロトロン型の帯電器36とを備えている。そし
て、この帯電器36で感光ドラム30の外周面に帯電層
が形成されると、その帯電層にスキャナユニット5によ
り画像データに従って変調されたレーザービームLが走
査されて、感光ドラム30の表面に静電潜像が形成され
る。また、現像ローラ31から供給された重合トナーで
静電潜像が現像されると、そのトナー画像は、感光ドラ
ム30の電位とは逆電位の転写バイアスが印加された転
写ローラ35によって、この転写ローラ35と感光ドラ
ム30との間を通る印刷用紙P上に転写される。
【0022】さらに、この現像ユニット3は、感光ドラ
ム30よりも下流側に配置されたクリーニングローラ3
7と、現像ユニット3と定着ユニット4との間に配置さ
れた、感光ドラム30を除電するための除電ランプ38
とを備えている。そして、印刷用紙Pにトナー画像を転
写した後の感光ドラム30の表面は、まず除電ランプ3
8で除電され、さらに、その表面に残った重合トナーが
クリーニングローラ37で一時的に回収される。そし
て、その回収された重合トナーは、所定のタイミングで
感光ドラム30に戻され、現像ローラ31により現像ユ
ニット3内に回収される。
【0023】なお、トナータンク33内には、上向きに
突出するトナーセンサ39が設けられており、トナータ
ンク33内の重合トナーの有無を検出できるようになっ
ている。定着ユニット4は、トナー画像が形成された記
録紙Pを、ヒートローラ40とプレッシャローラ41と
にて挟持することで加熱して、印刷用紙P上にトナー画
像を定着する。そして定着ユニット4のケース内におけ
る下流側に配置された一対の排紙ローラ12,13は、
トナー画像が定着された印刷用紙Pを図示しない排紙ト
レイに排出する。
【0024】スキャナユニット5は、図示しないレーザ
発光部、ポリゴンミラー50、レンズ52、反射鏡5
1,51等が配置されている。レーザ発光部から出射さ
れたレーザービームLは、ポリゴンミラー50、反射鏡
51、レンズ52、反射鏡51等を介して現像ユニット
3における感光ドラム30の外周面に照射される。
【0025】本実施形態で用いられる重合トナーは、カ
ーボンブラック等の周知の顔料と、顔料を印刷用紙Pに
定着するスチレン−アクリル系の樹脂と、ニグロシン,
トリフェニルメタン,4級アンモニウム塩等の荷電制御
剤、及びワックスとからなり、顔料、荷電制御剤、ワッ
クスからなる母体を懸濁重合法によって化学合成した、
平均粒径が9μmの略球状のトナー母粒子を形成するト
ナーである。この重合トナーは、球形のため流動性がよ
く、カブリがほとんど生じない。また、この重合トナー
は、ヒートローラ40で熱っせられると、樹脂が溶け、
中に格納されたワックスも外に溶けだして印刷用紙上に
定着する。
【0026】次に、本実施形態のレーザプリンタ1にお
いて、重合トナーを用いて静電潜像が現像される過程
を、該過程で用いられる構成を詳述しながら説明する。
まず、供給ローラ32は、スポンジ上の樹脂により円柱
形状に構成されている。また、現像ローラ31は、シリ
コンゴムを基材として円柱状に構成され、更にカーボン
の微粒子を含むと共に、表面にフッ素を含有した樹脂ま
たはゴム材のコート層が形成されている。そして、この
供給ローラ32及び現像ローラ31は互いに時計方向に
回転しており、供給ローラ32がトナータンク33から
重合トナーの供給を受け、供給点αで重合トナーが擦ら
れると重合トナーは正に帯電し、鏡像力によって現像ロ
ーラ31の表面に付着する。
【0027】更に、現像ローラ31の表面に付着した重
合トナーは、層圧規制ブレード34によって余分な重合
トナーを掻き取られると同時に、現像ローラ31の表面
上に残された重合トナーの帯電は一層高められて、感光
ドラム30の表面に搬送される。なお、現像ローラ31
は、必ずしも基材をシリコンゴムで構成しなくてもよ
く、例えばウレタンゴム等で構成してもよい。
【0028】次に、感光ドラム30は、接地されたアル
ミニウム製の円筒スリーブの外周部に、光を当てると電
気を通す性質を有するいわゆる有機半導体であるフタロ
シアニン系のOPC(Organic Photo Condactor)から
なる光導電層が積層されている。この感光ドラム30
は、帯電器36によって電荷がOPCの表面に一様に付
着された後(+800V程度に帯電)、図2に示すよう
に、静電潜像を形成する部分60(図2の文字「A」を
表す部分)にスキャナユニット5から照射されたレーザ
光が当てられ、その当てられた部分60の電荷だけがO
PC及び円筒スリーブを介して奪われる。そのため、静
電潜像が形成された部分60は、+200V程度まで電
位が落ちた状態になる。
【0029】そして、帯電された重合トナーが、重合ト
ナー供給点βに現像ローラ31で搬送され、静電潜像が
形成された感光ドラム30に接すると、現像ローラ31
は、静電潜像を形成する部分60と、電荷が奪われなか
った部分62との中間電位(約500V)が印可されて
いるので、静電潜像が形成された部分60については、
その電位差により重合トナーが感光ドラム30側に移動
し、電荷が奪われていない部分62については、重合ト
ナーが反発して移動しない。その結果、静電潜像が形成
された部分60のみが現像されるのである。このよう
に、電荷が奪われた部分60に重合トナーを付着させて
静電潜像を現像する現像方式を、一般に反転現像方式と
呼んでいる。
【0030】以上説明したレーザプリンタでは、感光ド
ラム30と現像ローラ31とが、0.24MPaの押圧
力で接触するよう配置されているので、このようなアゲ
インスト現像方式が採用されたレーザプリンタ1で、重
合トナーを用いて印刷を行っても、実用的な動作環境で
あれば、押圧カブリの発生を確実に防止することがで
き、また、印刷用紙Pへの品質のよい印刷を行うことが
できる。
【0031】次に、本実施形態では、このような効果を
得られる根拠を示す実験を、現像ローラ31と感光ドラ
ム30とが接する押圧力を種々変更して行ったので、そ
の実験方法及び実験結果を説明する。 [実験方法]感光ドラム30の表面を800Vに一様に
帯電した後、現像ローラ31の電位を変化させ、感光ド
ラム表面電位との差が、0V〜400Vとなるよう現像
ローラ31の電位を変化させた。そして、東京電色製、
商品番号:TC−6MCの測定器でGフィルターを用い
て、所定の押圧力のときに印刷を行った印刷用紙Pの反
射率を測定した。
【0032】そして、感光ドラム30の表面の帯電電位
(すなわち静電潜像が形成されない部分62の帯電電
位)と、現像ローラ31の電位との差ΔVを横軸とし、
各帯電電位の差があるとき白ベタの印刷(画像を印刷用
紙上に印刷しない印刷)を行った場合の印刷用紙Pの反
射率と、印刷を行っていない印刷用紙Pとの反射率の差
ΔY(%)を縦軸とした表を作成し、反射率の差ΔYが
5以上あると、押圧カブリが視認できるので不合格と判
定した。 [実験結果]ここで表1は、上述した実験を行ったとき
に作成された表である。
【0033】
【表1】
【0034】表1に示すように、押圧力0.31MPa
以上では、ΔVが適正な電位差(300V)であって
も、反射率の差ΔYが10以上となり押圧カブリが発生
したことが確認された。これに対して押圧力0.31M
Paでは、ΔVが適正な電位差(300V)付近であれ
ば、押圧カブリが視認できず、良好な印刷結果が得られ
た。また、押圧力0.24MPaでは、実用上ΔVにぶ
れがある範囲(200V〜400Vの範囲)であれば、
押圧カブリが視認できず、良好な印刷結果が得られた。
さらに、押圧力0.21MPaでは、実用上ΔVにぶれ
がある範囲を越えてた範囲(100V〜400Vの範
囲)であっても押圧カブリが視認できず、良好な印刷結
果が得られた。
【0035】このように、押圧力を0.31MPa以下
に設定すれば、良好な印刷が可能であることが判った。
また、実用的な動作環境(電位差が200V〜400V
となる範囲)で動作する環境であれば、押圧力を0.2
4MPa以下に設定すれば、良好な印刷が可能であるこ
とが判った。さらに、より厳しい動作環境であっても、
押圧力を0.22MPa以下に設定すれば、良好な印刷
が可能であることが判った。 [第2実施形態]次に本発明が適用された第2実施形態
について説明する。尚、本実施形態では、第1実施形態
と異なる点について主に説明する。
【0036】ここで、図3は、レーザプリンタの構造を
示す模式図である。本実施形態のレーザプリンタ1はカ
ラー印刷が可能な一般的なカラーレーザプリンタであ
る。本実施形態のレーザプリンタ1は、第1実施形態の
レーザプリンタが備えていた感光ドラム30に替えて、
複数の案内ローラ71に架設された感光ベルト70を備
えている点が異なる。また、このレーザプリンタは、複
数の案内ローラ81に回転自在に架設された転写ベルト
80と、複数の重合トナー供給装置90とを備えている
点が第1実施形態のレーザプリンタとは異なるが、これ
らの詳細な構造についての説明は、一般的な構造である
のでこれを省略する。尚、本実施形態で説明するカラー
レーザプリンタ1は、給紙トレイ2が底部に設けられ、
給紙トレイ2の図3中右端から排紙された印刷用紙が、
給紙トレイ2の上方を右方から左方に給紙され、左方側
でトナー画像の転写が行われ、さらにその左方側で定着
器4によって定着が行われ、レーザプリンタ1の上方か
ら外部に排紙される構造を有しており、上述したトナー
供給装置90、感光体ベルト70、転写ベルト80は、
印刷用紙が給紙トレイ2上を右方から左方に給紙される
給紙ルートの上方に、この順に配置されている。
【0037】本実施形態の感光体ベルト70は、接地さ
れた導電性のある帯状の基材の上にOPC膜が積層され
たベルトであり、上方に1つ、下方に2つ配置された案
内ローラ71に架設されている。そして帯電器36が、
下方の案内ローラ71の間に架設された感光体ベルト7
0に対向する位置に配置され、またスキャナユニット5
が、下方の案内ローラ71と印刷用紙の給紙ルートとの
間に配置されており、給紙方向下流側(図3中右側)の
案内ローラ71を通過する感光体ベルト70上にレーザ
を照射するよう構成されている。そして、上方の案内ロ
ーラ71に対向する位置には、転写ベルト80の案内ロ
ーラ81が設置され、案内ローラ71に案内された感光
体ベルト70と、案内ローラ81に案内された転写ベル
ト80とがこれらのローラ71,81の間に挟まれ、感
光体ベルト70上に形成されたトナー画像が、転写ベル
ト80上に転写されるよう構成されている。
【0038】トナー供給装置90は、感光体ベルト70
の下方の案内ローラ71のうち給紙方向上流側(図3中
右側)の案内ローラ71と、上方の案内ローラ71との
間に架設された感光体ベルト70に対向する位置に上下
方向に4つ並んで配置されている。これらのトナー供給
装置90は、それぞれ異なる色の重合トナーを感光体ベ
ルト70に供給するよう構成されている。そしてこのト
ナー供給装置90の先端には、重合トナーの付着点で、
感光体ベルト700が移動する移動方向(図3中の矢
印)とは、反対方向にその表面が移動するよう回転する
現像ローラ91が備えられている。また、このトナー供
給装置90は、図示しないレーザプリンタ1に備えられ
た制御装置により、この現像ローラ91が感光体ベルト
70に当接したり、離れたりするよう移動自在に構成さ
れている。このとき、本実施形態では、トナー供給装置
90の先端に取り付けられた現像ローラ91に対し、感
光体ベルト70はベルトの張力のみで押圧するため、
0.22MPa以下の押圧力で接するよう構成されてい
る。
【0039】このように構成された本実施形態のレーザ
プリンタ1では、下方の案内ローラ71の間に架設され
た感光体ベルト70が帯電器36で帯電され、給紙方向
下流側の案内ローラ70を通過する際に、静電潜像が形
成される。そして、その静電潜像が4つのトナー供給装
置90の前を通過する際、トナー供給装置90が感光体
ベルト70に当接して感光体ベルト70に重合トナーが
供給される。そしてその重合トナーが静電潜像を現像し
て感光体ベルト70上にトナー画像を形成する。そし
て、そのトナー画像は、転写ベルト80に転写される。
同様に他の3色も転写ベルト80に画像を転写した後に
4色の画像が一括して印刷用紙に転写される。
【0040】以上説明した本実施形態のレーザプリンタ
1を用いれば、実用的な動作環境であれば、押圧カブリ
が発生することを防止でき、印刷品質のよい印刷を行う
ことができる。また理想的な動作環境であれば0.31
MPaの押圧力で接するよう配置すれば、押圧カブリを
防止することができる。さらに、0.22MPa以下の
押圧力で接するよう配置すれば、押圧カブリの発生をよ
り効果的に防止することができる。
【0041】尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態
に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に
属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもな
い。例えば、層圧規制ブレード34は、SUSの板バネ
を曲げたものではなく、板バネにシリコーンゴムなどの
軟弾性体を設けたものを使用してもよい。
【0042】また、重合トナーは懸濁重合トナーばかり
でなく、例えば、乳化重合等によって得られた他の重合
トナーであってもよく、重合トナーの流動性を向上させ
るためシリカや酸化チタンを添加したものでもよいこと
はもちろんである。さらに、本実施形態ではレーザプリ
ンタに本発明を適用したものについて説明したが、本発
明はファクシミリや複写機等等に適用することもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態のレーザプリンタの概略構成図で
ある。
【図2】 静電潜像が現像される様子を説明するための
説明図である。
【図3】 感光体ベルトを備えるレーザープリンタの概
略構成図である。
【図4】 従来の画像形成装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1…レーザプリンタ、2…給紙ユニット、3…現像ユニ
ット、4…定着ユニット、5…スキャナユニット、20
…フィダー部ケース、21…ばね、22…支持板、23
…給紙ローラ、24…分離パッド、30…感光ドラム、
31…現像ローラ、32…供給ローラ、33…トナータ
ンク、34…層厚規制ブレード、35…転写ローラ、3
6…帯電器、37…除電ランプ、38…クリーニングロ
ーラ、40…ヒートローラ、41…押圧ローラ、50…
ポリゴン、51…ミラー、52…レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H005 AB06 2H035 CA05 CA07 CB01 CB06 2H068 AA55 2H077 AA11 AC04 AD02 AD06 AD13 AD16 AD23 AD35 BA03 BA07 DA15 DA35 FA13 FA22 GA13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に静電潜像が形成され、周方向に移
    動される感光体と、 該感光体に接触移動されると共に、該感光体の表面に現
    像剤を供給して前記静電潜像を現像する現像剤担持体で
    あって、前記感光体との接触部分のうち、前記感光体側
    の接触部分の移動方向に対し、前記現像担持体側の接触
    部分が、逆方向に移動される現像剤担持体とを備える画
    像形成装置において、前記現像剤として重合トナーを用
    い、 前記感光体と前記現像剤担持体とを、0.31MPa以
    下の押圧力で接するよう配置したことを特徴とする画像
    形成装置。
  2. 【請求項2】 前記感光体と前記現像担持体とを、0.
    24MPa以下の押圧力で接するよう配置したことを特
    徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記感光体と前記現像担持体とを、0.
    22MPa以下の押圧力で接するよう配置したことを特
    徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記感光体は、複数の案内ローラに架設
    されて回転されるとともに、表面に前記静電潜像が形成
    される感光体ベルトであることを特徴とする請求項1〜
    3いずれか記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記感光体に前記静電潜像を形成するた
    めに前記感光体を露光する露光装置と、 前記感光体上に現像された現像剤像を記録媒体に転写す
    る転写装置と、 前記記録媒体に転写された現像剤像を定着する定着装置
    とを備えた請求項1〜4いずれか記載の画像形成装置。
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